JP5522385B2 - 液晶表示素子、その液晶表示素子を作製する工程で用いられる液晶配向剤、およびその液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜 - Google Patents

液晶表示素子、その液晶表示素子を作製する工程で用いられる液晶配向剤、およびその液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜 Download PDF

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Description

本発明は、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリイミドまたはその前駆体であるポリアミック酸もしくはポリアミック酸誘導体から選択される少なくとも1つと光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーを成分として構成される液晶配向剤、該液晶配向剤より得られる液晶配向膜とその製造方法、および該液晶配向膜を有する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子は、テレビ、ノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターをはじめ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型のディスプレイ等の様々な液晶表示装置に利用されている。これまでにTN(ツイステッドネマチック)、STN(超ツイステッドネマチック)、VA(垂直配向)、IPS(インプレーンスイッチング)、OCB(光学補償ベント)等の種々の液晶表示素子が知られている。中でもVA方式の表示素子はノーマリーブラックで高コントラストであることからTV用途の表示として有用であり、需要が増大している。
液晶表示素子の技術の発展は、液晶表示素子の駆動方式や液晶表示素子の構造の改良のみならず、液晶表示素子に使用される構成部材の改良によっても達成されている。液晶表示素子は、通常は、液晶層中の液晶組成物を特定の方向に配向させるための液晶配向膜を有する。液晶配向膜は、液晶表示素子の表示品位に係わる重要な要素の1つであり、液晶表示素子の高品質化に伴って液晶配向膜の役割が年々重要になってきている。
液晶配向膜は液晶配向剤を用いて形成される。現在、主として用いられている液晶配向剤とは、ポリアミック酸または可溶性のポリイミドを有機溶剤に溶解させた溶液である。液晶配向膜は、このような溶液を基板に塗布した後、加熱等の手段により成膜することにより形成される。
成膜された液晶配向膜は、レーヨンやコットンなどの布で特定の方向へ擦るラビングを施すことにより異方性が発生し、液晶が所定の方向へ配列するようになる。
反面、ラビングによる配向制御の方法には問題点がいくつかある。そのうちのいくつかを列記する。
1)ラビング方法が機械的な手法であるため、液晶の初期配向状態を精密に調節しにくく、微細な領域においては、互いに異なる配向方向を形成させにくい。
2)ラビング時に発生するスクラッチや傷は、歩留まり低下の原因となる。
3)液晶表示装置に駆動電圧を印加して液晶分子の配向が完了した後に駆動電圧を切り、再度駆動電圧を印加した場合、液晶分子の最終配向状態が前回の駆動電圧印加時と異なる。そのため、駆動電圧を印加する度に液晶分子の最終配向状態が不規則に変化するため、液晶分子が最終配向状態になるまでに長い時間がかかる。従って、液晶の応答時間が長くなる。
4)VA方式の場合、単一方向の配向を用いることによって視野角が悪くなる。
上述の問題を解決するために、特にVA表示素子にPSA(ポリマーサステインド配向)技術を用いることによって応答速度とコントラストを改善する方法が知られている(特許文献1:特開平10−186330号公報を参照)。しかしながらPSA方式では高電圧保持率を要求される液晶材料に反応性の高いモノマーを添加する必要が有る。液晶材料へ反応性化合物を添加することは液晶表示不良の原因ともなりうるためPSAに変わる表示品位改善手段の開発が望まれていた。
特開平10−186330号公報
本発明は、短い応答時間および/または表示品位の改善が達成される液晶表示素子、この液晶表示素子において短い応答時間および/または表示品位の改善を達成させる液晶配向膜とその製造方法、およびそれを形成する事ができる液晶配向剤を提供する。
本発明者らは、分子内に二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンおよび/または分子内に二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリイミドまたはその前駆体であるポリアミック酸もしくはポリアミック酸誘導体から選択される少なくとも1つと光重合性モノマーおよび/またはオリゴマーを成分として構成される液晶配向剤により形成された液晶配向膜を有する液晶表示素子が応答時間短縮に寄与すること、表示品位を改善出来ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下の構成からなる。
[1] 対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有し、
液晶組成物に電圧を印加することによって液晶配向膜表面に存在する光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーの一部または全部を配向させ、
電圧を印加したまま光を照射して該配向状態を固定化させる工程を経て作製される液晶表示素子において、
式(I)または(II)で表される構成単位を有する、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択される少なくとも1つと、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーを含有する液晶配向剤を使用して形成される液晶配向膜を有する液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(I)および(II)において、
R’は独立して−Hまたは炭素数1〜4のアルキルであり;
は独立して2価の有機基であり;
は独立して4価の有機基であり;
およびRはポリマー中の構成単位ごとに異なっていてもよく;
少なくとも1つのRおよび/またはRは二級アミンの構造または三級アミンの構造を有する。
[2] 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンが下記の式(III−1)〜(III−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(III−1)〜(III−3)において、
環Aは独立してフェニレン、シクロへキシレンまたはピペラジンジイルであり;
21は独立して単結合、−O−、−S−、−NR21−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−S−(CH−S−、または−NR21−(CH−NR21−であり;
mは独立して1〜12の整数であり;
21は独立して−Hまたは炭素数1〜10のアルキルであり;
シクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の−Hは、−F、−CONH、−OH、−COOH、または炭素数1〜10のアルキルで置き換えられていてもよく;
各式において、少なくとも1つのG21は−NR21または−NR21−(CH−NR21 −であり、mは1〜12の整数であるか、または、少なくとも1つの環Aはピペラジンジイルである
[3] 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンが、下記の式(III−1−1)、(III−1−2)、(III−2−1)〜(III−2−6)、および(III−3−1)〜(III−3−4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
[4] 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンが、前記[3]項に記載の式(III−1−1)、(III−1−2)、(III−2−1)、(III−3−1)、および(III−3−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
[5] 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が、下記の式(IV−1)および(IV−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(IV−1)において、
環Bはシクロへキシレン、フェニレン、ピペラジンジイルまたはゴナンであり、
ベンゼン環およびゴナン骨格上の1〜3個の−Hは炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、アセトアミド、−Fまたは−Clで置き換えられていてもよく、
30の両側にフェニレンが連結しているとき、2つのフェニレンのY30と結合している部位に隣接する炭素が結合して2つのフェニレンを含む縮合環を形成していてもよく、
ピペラジン環の任意の−Hは独立して炭素数1〜3のアルキルで置き換えられていてもよく;
31はNまたはCHであり;
qは0〜4の整数であり;
30は独立して−(CH−であり、
この−(CH−のうち2つまでの−CH−が独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−NH−,−NMe−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C2pN(C2pCOOH)C2p−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2p+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは0〜30の整数であり;
30は−(CH−または式(IV−1−a)、式(IV−1−b)、式(IV−1−c)で表される2価の基から選択される1つであり、
この−(CH−のうち2つまでの−CH−が独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−NH−,−NMe−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C2pN(C2pCOOH)C2p−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2p+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは0〜30の整数であり、
Figure 0005522385
式(IV−1−a)において、R31は独立して炭素数1〜22のアルキルであり、
式(IV−1−b)において、X31は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、
環Cはシクロへキシレンまたはフェニレンであり、
32は−Hまたは炭素数1〜30のアルキルであり、該アルキルの−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、hは0〜2の整数であり、
式(IV−1−c)において、R33は−Hまたは−CHであり、
34は−H、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルであり;
30は式(IV−1−d)であり;
Figure 0005522385
式(IV−1−d)において、
32は単結合、−O−、−COO−、−OCO−,−CO−、−CONH−、または炭素数1〜6のアルキレンであり、
33は独立して、単結合、−O−(ただし非連続)、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−、または炭素数1〜48のアルキレンであり、該アルキレンにおいて、任意の−CH−は独立して−CF−、−CHF−、−O−(ただし非連続)、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、該アルキレンの−Hは独立して、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、または−OCFで置き換えられていてもよく、
Dは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、アントラセン−9,10−ジイルから選択される2価の基、またはステロイド骨格を有する2価の基であり、Dの任意の−Hは独立して炭素数1〜30のアルキル、フェニル、−F、−OCH、−OCHF、−OCHF、または−OCFで置き換えられていてもよく、
35は−H、−Fまたは−C≡Nであり;
rは0〜9の整数である。
ただし、式(IV−1)において、少なくとも1つのG31はNであるか、X30およびY30の少なくとも1つは−NH−または−NMe−で置き換えられた−(CH−であるか、または少なくとも1つの環Bはピペラジンである。
Figure 0005522385
式(IV−2)において、
31はメチレン、フェニレン、ピペラジンジイル、シクロへキシレンまたは炭素数1〜6のアルキルで置換されていてもよいフェニレンであり;
sは1〜6の整数であり;
31はNまたはCHであり;
tは1〜10の整数であり;
36およびR37は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルである。
ただし、式(IV−2)において、少なくとも1つのG31はNであるか、Y31の少なくとも1つはピペラジンジイルである。
[6] 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が、下記の式(IV−1−1)〜(IV−1−14)、(IV−2−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(IV−1−1)において、X40は、−(CH−であり、このうち2つまでの−CH−は独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C2qN(C2pCOOH)C2q−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2q+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは独立して0〜30の整数であり、そしてqは独立して1〜30の整数である。
式(IV−1−4)〜(IV−1−8)において、Y40は独立して、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−、−N(CH)−(CH−N(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、または−S−(CH−S−であり、そしてsは1〜6の整数である。
式(IV−1−2)〜(IV−1−8)において、シクロヘキサン環またはベンゼン環の−Hは独立して、−F、−CH、−CF、−OH、−COOH、−SOH、または−POで置き換えられていてもよい。
式(IV−1−3)において、ベンゼン環の−Hはベンジルで置き換えられていてもよい。
式(IV−1−2)〜(IV−1−9)において、X41は独立して、−(CH−であり、このうち2つまでの−CH−は独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2p+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、mは0〜30の整数であり、pは独立して0〜30の整数である。
式(IV−1−9)において、A41は独立して炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、−NHCOCH、−F、−Cl、または−Brであり、
42は独立して炭素数1〜3のアルキルであり、
jは0〜3の整数であり、
kは0〜4の整数である。
式(IV−1−10)において、A43は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、または(CH−であり、sは1〜6の整数であり、
40は、ステロイド骨格を有する基、または式(IV−1−10−a)で表される基である。
Figure 0005522385
式(IV−1−10−a)中、Y42およびY43はそれぞれ独立して、単結合、−O−(ただし非連続)、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−または炭素数1〜12のアルキレンであり、
45およびR46はそれぞれ独立して−Fまたは−CHであり、
環Sは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、またはアントラセン−9,10−ジイルであり、
47は−H、−F、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のフッ素置換アルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−C≡N、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、
aおよびbはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、
c、dおよびeはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、
fおよびgはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、そして
c+d+e≧1である。
式(IV−1−11)および(IV−1−12)において、R48は独立して−Hまたは−CHであり、
49は−H、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルであり、
44は独立して単結合、−CO−または−CH−である。
式(IV−1−12)において、R410はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルである。
式(IV−1−13)および(IV−1−14)において、X42は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンである。
式(IV−1−13)において、R41は−Hまたは炭素数1〜30のアルキルであり、該アルキルのうち、炭素数1〜30のアルキルの任意の−CH−は、−O−(ただし非連続)、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
43は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、
環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
qは0または1である。
式(IV−1−14)において、R412は炭素数6〜22のアルキルであり、
413は−Hまたは炭素数1〜22のアルキルである。
式(IV−2−1)において、R42およびR43はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、
41は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、
sは1〜6の整数であり、そして
tは1〜10の整数である。
[7] 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が式(IV−1−1−1)〜(IV−1−1−7)、(IV−1−2−1)〜(IV−1−2−3)または(IV−1−3−1)〜(IV−1−3−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
[8] 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が、前記[7]項に記載の式(IV−1−1−1)、(IV−1−1−3)、(IV−1−1−4)、(IV−1−2−2)、および(IV−1−3−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
[9] 前記[2]項に記載の二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンが、下記の式(V−1)〜(V−7)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(V−1)〜(V−7)において、
mは独立して1〜12の整数であり;
51は独立して単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CHm’−、−O−(CHm’−O−、または−S−(CHm’−S−であり、m’は独立して1〜12の整数であり;
52は独立して単結合、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−、または炭素数1〜10のアルキレンであり;
各式中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の−Hは、−F、−CH、ベンジルまたは−CFで置き換えられていてもよく;そして、
シクロヘキサン環またはベンゼン環へ−NHが結合するのは、G51またはG52の結合位置を除く任意の位置である。
[10] 前記[2]項に記載の二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンが、下記の式(V−5−1)〜(V−5−12)、(V−5−31)、(V−5−32)、および(V−7−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
[11] 前記[2]項に記載の二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンが、側鎖構造を有するジアミンの少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
[12] 側鎖構造を有するジアミンが、下記の式(VI−1)〜(VI−5)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[11]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(VI−1)において、
60は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、または−(CH−であり、mは1〜12の整数であり;
60は炭素数3〜20のアルキル、フェニル、ステロイド骨格を有する基、シクロヘキシル、または式(VI−1−a)で表される基であり;
このアルキルにおいて、任意の−Hは−Fで置き換えられていてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
このフェニルの−Hは、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、−OCF、炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシで置き換えられていてもよく;
このシクロヘキシルの−Hは炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシで置き換えられていてもよく;そして、
ベンゼン環へ−NHが結合するのは任意の位置である。
ただし、G60が−(CH−であり、mが1であり、R60がフェニルであるとき、このフェニルの少なくとも一つの−Hは、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、−OCF、炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシで置き換えられている。
Figure 0005522385
式(VI−1−a)において、R61は−H、−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHF、または−OCFであり;
61、G62およびG63は結合基であり、これらは独立して単結合または炭素数1〜12のアルキレンであり、このアルキレンの1つ以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−で置き換えられていてもよく;
60、A61、A62およびA63は環であり、これらは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、またはアントラセン−9,10−ジイルであり;
すべての環において、任意の−Hは−Fまたは−CHで置き換えられていてもよく;
f、gおよびhは独立して0〜2の整数であり、これらの合計は1〜5であり;そして、
f、gまたはhが2であるとき、各々の括弧内の2つの結合基は同じであっても異なっていてもよく、2つの環は同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0005522385
式(VI−2)および(VI−3)において、
62は独立して−Hまたは−CHであり;
63は独立して−H、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルケニルであり;
64は独立して単結合、−CO−または−CH−であり;
式(VI−3)におけるベンゼン環の1つの−Hは、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルで置き換えられていてもよく;そして、
環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その結合位置が任意であることを示す。
Figure 0005522385
式(VI−4)および(VI−5)において、
64は−Hまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおける任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
65は炭素数6〜22のアルキルであり;
66は−Hまたは炭素数1〜22のアルキルであり;
65は−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;
64は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;
66は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり;
qは0または1であり;そして、
ベンゼン環への−NHの結合位置は任意である。
[13] 側鎖構造を有するジアミンが下記式(VI−1−1)、(VI−1−2)、(VI−1−4)〜(VI−1−6)、(VI−1−21)、(VI−1−22)、(VI−1−27)、(VI−1−28)、(VI−1−30)、(VI−1−39)、(VI−1−41)〜(VI−1−45)および(VI−2−1)〜(VI−2−4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[11]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VI−1−1)および(VI−1−2)において、R4aは炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシであり;
式(VI−1−4)〜(VI−1−6)において、R5aは炭素数1〜18のアルキルまたは炭素数1〜18のアルコキシであり;
式(VI−1−21)、(VI−1−27)および(VI−1−39)において、R5bは−H、−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり;そして、
式(VI−1−22)、(VI−1−28)および(VI−1−30)において、R4dは炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシである。
[14] 側鎖ジアミンが前記[13]項に記載の式(VI−1−2)、(VI−1−5)、(VI−1−6)、(VI−1−21)、(VI−1−39)、および(VI−1−41)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[11]項に記載の液晶表示素子。
[15] 前記[2]項に記載の二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンが式(VII)で表される化合物である、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(VII)において、
71およびR72は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり;
70はメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり;
sは1〜6の整数であり;そして
tは1〜10の整数である。
[16] 前記[5]項に記載の二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の共重合時共に使用されるテトラカルボン酸二無水物が、下記の式(VIII−1)〜(VIII−13)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(VIII−1)において、
81は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレン、または1,4−シクロヘキシレンであり;そして、
81は独立して単結合または−CH−である。
Figure 0005522385
式(VIII−2)において、
81、R82、R83、およびR84は−H、−CH、−CHCH、またはフェニルである。
Figure 0005522385
式(VIII−3)において、環A81はシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
Figure 0005522385
式(VIII−4)において、
82は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、−O−、−CO−、−S−、−C(CH−、−SO−、または−C(CF−であり;そして、
環A81は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
Figure 0005522385
式(VIII−5)において、R85は−H、または−CHである。
Figure 0005522385
式(VIII−6)において、
81は独立して単結合または−CH−であり;そして、
vは1または2である。
Figure 0005522385
式(VIII−7)において、X81は単結合または−CH−である。
Figure 0005522385
式(VIII−8)において、
86は−H、−CH、−CHCH、またはフェニルであり;そして、
環A82はシクロヘキサン環またはシクロヘキセン環である。
Figure 0005522385
式(VIII−9)において、w81およびw82は0または1である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−11)において、環A81は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
Figure 0005522385
式(VIII−12)において、X82は炭素数2〜6のアルキレンであり、そして、
Phはフェニルの略号である。
Figure 0005522385
[17] 前記[5]項に記載の二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の共重合時共に使用されるテトラカルボン酸二無水物が、下記の式(VIII−1−1)、(VIII−2−1)、(VIII−3−1)、(VIII−3−2)、(VIII−4−23)、(VIII−7−2)、(VIII−10)、(VIII−12−1)、および(VIII−13)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(VIII−12−1)において、Phはフェニルの略号である。
[18] 前記[5]項に記載の二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の共重合時共に使用されるテトラカルボン酸二無水物が、前記[16]項に記載の式(VIII−1−1)、(VIII−2−1)、(VIII−3−1)、(VIII−3−2)、(VIII−4−23)、(VIII−7−2)、および(VIII−12−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
[19] 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンが、前記[3]項に記載の式(III−1−1)および/または(III−2−1)で表される化合物であり、
二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が、前記[7]項に記載の式(IV−1−1−1)で表される化合物であり、
二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミン以外のジアミンが下記の式(V−5−1)、(V−5−5)および前記[12]項に記載の式(VI−1−5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物が、前記[16]項に記載の式(VIII−1−1)、(VIII−2−1)、(VIII−3−1)、(VIII−3−2)、(VIII−4−23)、(VIII−7−2)、および(VIII−12−1)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
[20] 光重合性モノマーが下記式(IX)で表される化合物の少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。

−Z−(E−Z)−R (IX)

式(IX)において、
は、独立して下記の式(IX−1−1)〜(IX−1−5)で表される重合性基、−H、ハロゲン、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−N=C=O、−N=C=S、または炭素数1〜20のアルキルであり;
このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
任意の−Hは、ハロゲンまたは−CNで置き換えられていてもよく;
の少なくとも1つは式(IX−1−1)〜(IX−1−5)で表される重合性基であり;
Eは環であり、独立して炭素数3〜20の飽和または不飽和の独立環、縮合環、またはスピロ環式の2価基であり;
これらの環において、任意の−CH−は−O−で置き換えられていてもよく;
任意の−CH=は−N=で置き換えられていてもよく;
任意の−Hは、ハロゲン、−CN、−NO、−NC、−N=C=O、−N=C=S、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルで置換されたシリル、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられていてもよく;
このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
Zは、独立に単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり;
このアルキレンにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
任意の−Hはハロゲンで置き換えられていてもよく;そして、
sは1〜6の整数であり、
sが2〜6の整数であるとき、括弧内の複数の−E−Z−は同じであっても、異なっていてもよい。
Figure 0005522385
式(IX−1−1)〜(IX−1−5)において、Rは−H、ハロゲン、−CF、または炭素数1〜5のアルキルである。
[21] 式(IX)におけるRの少なくとも1つが、前記[19]項に記載の式(IX−1−1)、(IX−1−2)または(IX−1−3)のいずれかで表される重合性基である、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
[22] 前記[19]項に記載の式(IX)における環Eが、独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、トリプチセン−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3,6−ジイルで表される2価の基であり;
これらの環において、任意の−CH−は−O−で置き換えられていてもよく;
任意の−CH=は−N=で置き換えられていてもよく;
任意の−Hは、ハロゲン、−CN、−NO、−N≡C、−N=C=O、−N=C=S、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルで置換されたシリル、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられていてもよく;
このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよい、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
[23] 前記[19]項に記載の式(IX)における環Eが、独立して下記の式(IX−2−1)〜(IX−2−25)で表される基の群から選択される1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(IX−2−1)〜(IX−2−25)において、Lはハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルである。
[24] 光重合性モノマーが、下記の式(IX−3−1)〜(IX−3−12)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(IX−3−1)〜(IX−3−12)において、
は−Hまたは−CHであり;
は独立して−H、ハロゲン、−CH,−CF、−OCHであり;そして、
m2、m3は独立して1〜20の整数である。
[25] 光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーを、ポリイミド、ポリアミック酸またはポリアミック酸誘導体を含む固形分総量の0.01〜50重量%含有している、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
[26] さらに重合開始剤および/または重合禁止剤を含有している、前記[25]項に記載の液晶表示素子。
[27] 基板上に塗布した液晶配向剤層を100〜230℃の温度で焼成したときに、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーの50重量%以上が熱重合せずに残存している、前記[1]項に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜を用いた液晶表示素子。
[28] 基板上に塗布した液晶配向剤層を180〜230℃の温度で焼成したときに、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーの50重量%以上が熱重合せずに残存している、前記[27]項に記載の液晶表示素子。
[29] 1,000〜300,000mJ/cmの紫外光を照射して光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーを反応させることにより得られる、前記[1]項に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜を用いた液晶表示素子。
[30] 式(I)または(II)で表されるポリイミド、ポリアミック酸またはポリアミック酸誘導体の、分子中のすべてのRおよびRの4〜50%が光によりラジカルを発生する基である、前記[1]項に記載の液晶表示素子。
[31] ラジカルを発生する化合物をさらに含む配向剤を用いた、前記[30]項に記載の液晶表示素子。
[32] ラジカルを発生する化合物のラジカルを発生する基がベンゾフェノン骨格およびシンナメート骨格を有する基の群から選択される少なくとも1つである、前記[31]項に記載の液晶表示素子。
[33] ラジカルを発生する基が下記の式(X−1)〜(X−4)で表される2価の基、および式(X−5)で表される4価の基の群から選択される少なくとも1つである、前記[31]項に記載の液晶表示素子。
Figure 0005522385
式(X−1)〜(X−4)中、R100は−Hまたは炭素数1〜25の炭化水素基であり、この炭化水素基の任意の−Hは−Fで置き換えられていてもよく;
101およびX102は独立して単結合、−COO−、−OCO−または−O−であり;
103は−COO−、−OCO−または−O−であり;そして、
101は炭素数2〜6のアルキレンである。
Figure 0005522385
[34] 前記[1]〜[33]のいずれか1項に記載の液晶表示素子を作製する工程で用いられる液晶配向剤。
[35] 前記[34]項に記載の液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜。
本発明により、応答時間の短縮および/または表示品位の改善が達成された液晶表示素子を提供することができる。
本明細書においては、以降、例えば「式(III−1)で表される化合物」のことを「化合物(III−1)」と称することがある。その他の式番号についても同様に扱われる。
化学構造式を説明する際に用いる用語「任意の」は、位置だけでなく個数についても任意であることを意味する。そして、例えば、「任意のAはB、CまたはDで置き換えられてもよい」という表現は、少なくとも1つのAがBで置き換えられてもよく、少なくとも1つのAがCで置き換えられてもよく、少なくとも1つのAがDで置き換えられてもよく、そして更に複数のAがB〜Dの少なくとも2つで置き換えられてもよいことを意味する。但し、任意の−CH−が他の基で置き換えられてもよいとするとき、連続する複数の−CH−が同じ基で置き換えられることは含まれない。Phはフェニルを意味し、Meはメチルを意味する。
環を構成する炭素のいずれか1つと明確に結合していない置換基は、その結合位置が化学的に問題のない範囲内で自由であることを意味する。化学構造式において、文字(例えばA)を六角形で囲った基は環構造の基(環A)であることを意味する。複数の式において同じ記号が用いられている場合は、その記号で示される環、結合基または末端基が同じ定義範囲を有することを意味するが、すべての式において同時にその定義範囲内の同じ基でなければならないことを意味しない。複数の式において同じ基であってもよいし、式ごとに異なる基であってもよい。
本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向剤は、式(I)および(II)で表される構成単位を有するポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択される少なくとも1つのポリマーを含有する組成物である。
Figure 0005522385
式(I)および(II)において、R’は独立して−Hまたは炭素数1〜4のアルキルであり、Rは独立して2価の有機基であり、Rは独立して4価の有機基であり、RおよびRはポリマー中の構成単位ごとに異なっていてもよく、少なくとも1つのRおよび/またはRは二級アミンの構造または三級アミンの構造を有する。
上記のポリマーには、ポリアミック酸を完全に脱水閉環反応させて得られるポリイミドのみならず、ポリアミック酸を部分的に脱水閉環反応させて得られる部分イミド化ポリアミック酸、テトラカルボン酸二無水物の一部をジカルボン酸に置き換えることによって得られるポリアミック酸−ポリアミド共重合体、およびこのポリアミック酸−ポリアミド共重合体の一部もしくは全部を脱水閉環反応させて得られるポリアミドイミドも含まれる。
本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向剤は、より詳しくは、二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンおよび/二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリイミド、ポリアミック酸またはその誘導体から選択される少なくとも1つと光重合性モノマーおよび/またはオリゴマーを含有する。
本発明の液晶表示素子は上述のポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択される少なくとも1つのポリマーと、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーを含有する液晶配向剤を使用して形成された液晶配向膜を有する。
二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンおよび/または二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物を反応させて得たポリマーを含有する液晶配向剤を使用して液晶表示素子の液晶配向膜を形成すると、光重合性ポリマーを硬化させるために照射される強くて波長の短いUV光によってアミノ基の一部が分解してラジカルを発生すると考えられる。このラジカルが光重合性ポリマーの反応開始剤として働くことにより、より効率よく光重合性ポリマーの反応を進めることができる。その結果として、液晶表示素子の応答速度が速くなる効果をもたらす。また、UV光の露光量を減らすことができるという利点も生じる。さらに、光重合シール剤などで使用される市販の光重合開始剤は、ラジカル発生後の分解物が液晶中に拡散し焼き付きと呼ばれる現象の原因になると言われているが、本発明ではアミノ基がポリマー鎖中に組み込まれているので、分解しても液晶中に拡散することはなく、焼き付きが発生しにくいと考えられる。
一方、光重合性ポリマーの生成時に分解しなかったアミノ基は、液晶表示素子のバックライトや蛍光灯などの弱い光では分解せず、むしろ紫外線吸収剤として働いて、液晶表示素子の耐久性を増す効果がある。さらには、残留DCを減少させる効果も大きいことから(特開2009-58928、特開2009-175684、特開2008-299607、特開2008-306690などを参照)、焼き付きが小さく信頼性の高い液晶表示素子を作製することができる。
[二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの説明]
本発明で使用される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの例は、式(III−1)〜(III−3)で表される化合物である。これらのジアミンから1つを選択して単独で用いてもよく、2つ以上を選択して混合して用いてもよい。または、これらのジアミンから選択される少なくとも1つとその他のジアミンとを混合して用いてもよい。
Figure 0005522385
式(III−1)〜(III−3)において、環Aは独立してフェニレン、シクロへキシレンまたはピペラジンジイルであり、G21は独立して単結合、−O−、−S−、−NR21−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、−S−(CH−S−、または−NR21−(CH−NR21−であり、mは独立して1〜12の整数であり、R21は独立して−Hまたは炭素数1〜10のアルキルであり、シクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の−Hは、−F、−CONH、−OH,−COOH、または炭素数1〜10のアルキルで置き換えられていてもよく、各式において、少なくとも1つのG21は−NR21または−NR21−(CH−NR21 −であり、mは1〜12の整数であるか、または、少なくとも1つの環Aはピペラジンジイルである


化合物(III−1)〜化合物(III−3)の例を次に示す。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
本発明で特に好適に用いられる二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンは式(III−1−1)〜(III−1−2)、(III−2−1)〜(III−2−6)、(III−3−1)〜(III−3−4)で表される化合物であり、その中でも式(III−1−1)、(III−1−2)、(III−2−1)、(III−3−1)または(III−3−2)で表される化合物が更に好ましい。
本発明で化合物(III−1)〜(III−3)を用いるとき、使用するジアミンの全量に対する化合物(III−1)〜(III−3)の割合は、選択されたジアミンの構造と、所望する電圧保持率、残留DCおよび耐光性に応じて調整される。その好ましい割合は二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンおよび/またはテトラカルボン酸二無水物が3〜100モル%であり、より好ましい割合は5〜80モル%であり、更に好ましい割合は10〜75モル%である。
[二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の説明]
本発明で使用される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の例は、式(IV−1)または(IV−2)で表される化合物である。これらのテトラカルボン酸二無水物から1つを選択して単独で用いてもよく、2つ以上を選択して混合して用いてもよい。または、これらのテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1つとその他のテトラカルボン酸二無水物とを混合して用いてもよい。
Figure 0005522385
式(IV−1)において、環Bはシクロへキサン、ベンゼン、ピペラジンまたはゴナンであり、ベンゼン環およびゴナン骨格上の1〜3個の−Hは炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、アセトアミド、−Fまたは−Clで置き換えられていてもよく、Y30の両側にフェニレンが連結しているとき、2つのフェニレンのY30と結合している部位に隣接する炭素が結合して2つのフェニレンを含む縮合環を形成していてもよく、ピペラジン環の任意の−Hは独立して炭素数1〜3のアルキルで置き換えられていてもよく、G31はNまたはCHであり、qは0〜4の整数であり、X30は独立して−(CH−である。この−(CH−のうち2つまでの−CH−が独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−NH−,−NMe−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C2pN(C2pCOOH)C2p−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2p+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは0〜30の整数である。
30は−(CH−または式(IV−1−a)、(IV−1−b)、(IV−1−c)で表される2価の基から選択される1つであり、この−(CH−のうち2つまでの−CH−が独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−NH−,−NMe−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C2pN(C2pCOOH)C2p−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2p+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは0〜30の整数であり、
Figure 0005522385
式(IV−1−a)において、R31は独立して炭素数1〜22のアルキルであり、式(IV−1−b)においてX31は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、環Cはシクロへキシレンまたはフェニレンであり、R32は−Hまたは炭素数1〜30のアルキルであり、該アルキルの−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、式(IV−1−c)においてR33は−H、または−CHであり、R34は−H、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルである。
30は下記の式(IV−1−d)である。
Figure 0005522385
式(IV−1−d)において、X32は単結合、−O−、−COO−、−OCO−,−CO−、−CONH−、または炭素数1〜6のアルキレンであり、X33は独立して、単結合、−O−(ただし非連続)、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−、または炭素数1〜48のアルキレンであり、該アルキレンにおいて、任意の−CH−は独立して−CF−、−CHF−、−O−(ただし非連続)、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、該フェニルの−Hは独立して、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、または−OCFと置換されていてもよく、Dは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、アントラセン−9,10−ジイルから選択される2価の基、またはステロイド骨格を有する2価の基であり、Dの任意の−Hは炭素数1〜30のアルキル、フェニル、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、または−OCFで置き換えられていてもよく、R35は−H、−F、−C≡Nであり、rは0〜9の整数である。ただし、式(IV−1)において、少なくとも1つのG31はNであるか、X30およびY30の少なくとも1つは−NH−または−NMe−で置き換えられた−(CH−であるか、または少なくとも1つの環Bはピペラジンである。
Figure 0005522385
式(IV−2)において、Y31はメチレン、フェニレン、ピペラジンジイル、シクロへキシレン、または炭素数1〜6のアルキルで置換されていてもよいフェニレンであり、sは1〜6の整数であり、G31はNまたはCHであり、tは1〜10の整数であり、R36およびR37は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルである。ただし、式(IV−2)において、少なくとも1つのG31はNであるか、Y31の少なくとも1つはピペラジンジイルである。
本発明に使用される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の好ましい化合物は、以下の式(IV−1−1)〜(IV−1−14)または(IV−2−1)で表される化合物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(IV−1−1)において、X40は、−(CH−であり、このうち2つまでの−CH−は独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C2qN(C2pCOOH)Cq2q−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2q+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは独立して0〜30の整数であり、そしてqは独立して1〜30の整数である。
式(IV−1−4)〜(IV−1−8)において、Y40は独立して、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−、−N(CH)−(CH−N(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、または−S−(CH−S−であり、そしてsは1〜6の整数である。
式(IV−1−2)〜(IV−1−8)において、シクロヘキサン環またはベンゼン環にの−Hは独立して、−F、−CH、−CF、−OH、−COOH、−SOH、−POで置き換えられていてもよい。
式(IV−1−3)において、ベンゼン環の−Hはベンジルで置き換えられていてもよい。
式(IV−1−2)〜(IV−1−9)において、X41は独立して、−(CHm−であり、このうち2つまでの−CH−は独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2p+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは独立して0〜30の整数である。
式(IV−1−9)において、A41は独立して炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、−NHCOCH、−F、−Cl、または−Brであり、A42は独立して炭素数1〜3のアルキルであり、jは0〜3の整数であり、kは0〜4の整数である。
式(IV−1−10)において、A43は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、または−(CH−であり、sは1〜6の整数であり、R40はステロイド骨格を有する基、または下記の式(IV−1−10−a)で表される基である。
Figure 0005522385
式(IV−1−10−a)において、Y42およびY43はそれぞれ独立して、単結合、−O−(ただし非連続)、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−、または炭素数1〜12のアルキレンであり、R45およびR46はそれぞれ独立して、−Fまたは−CHであり、環Sは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、またはアントラセン−9,10−ジイルであり、R47は−H、−F、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のフッ素置換アルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−C≡N、−OCHF、−OCHF、または−OCFであり、aおよびbはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、c、dおよびeはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、fおよびgはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、そしてc+d+e≧1である。
式(IV−1−11)および(IV−1−12)において、R48は独立して−Hまたは−CHであり、R49は−H、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルであり、Y44は独立して単結合、−CO−または−CH−である。
式(IV−1−12)中、R410はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルである。
式(IV−1−13)および(IV−1−14)において、X42は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンである。
式(IV−1−13)において、R41は−Hまたは炭素数1〜30のアルキルであり、該アルキルのうち炭素数1〜30のアルキルの任意の−CH−は、−O−(ただし非連続)、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、X43は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、qは0または1である。
式(IV−1−14)において、R412は炭素数6〜22のアルキルであり、R413は−Hまたは炭素数1〜22のアルキルである。
式(IV−2−1)において、R42およびR43はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、Y41は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、sは1〜6の整数であり、そしてtは1〜10の整数である。
本発明で特に好適に用いられる二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物は、下記式(IV−1−1−1)〜(IV−1−1−7)、(IV−1−2−1)〜(IV−1−2−3)または(IV−1−3−1)〜(IV−1−3−3)で表される化合物である。その中でも特に式(IV−1−1−1)、(IV−1−1−3)、(IV−1−1−4)、(IV−1−2−2)および(IV−1−3−1)で表される化合物が更に好ましい。
Figure 0005522385
[その他ジアミンの説明:側鎖を有さないジアミン]
本発明で使用される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンは単独で用いてもよいが、製造条件および/または特性の観点からこれらのジアミンから2つ以上を選択して混合して用いてもよく、さらにこれらのジアミンから選択される少なくとも1つとその他のジアミンとを混合して用いてもよい。本発明で使用される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンは既知のジアミン化合物から適宜選択される。既知のジアミン化合物としては以下の式(V−1)〜(V−7)のジアミンから1種または2種以上を混合して使用できる。
Figure 0005522385
式(V−1)〜(V−7)において、mは独立して1〜12の整数であり、G51は独立して単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CHm’−、−O−(CHm’−O−、または−S−(CHm’−S−であり、m’は独立して1〜12の整数であり、G52は独立して単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−、または炭素数1〜10のアルキレンであり、各式中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の−Hは、−F、−CH、ベンジルまたは−CFで置き換えられていてもよく、そして、シクロヘキサン環またはベンゼン環へ−NHが結合するのは、G51またはG52の結合位置を除く任意の位置である。
化合物(V−1)〜化合物(V−3)の例を次に示す。
Figure 0005522385
化合物(V−4)の例を次に示す。
Figure 0005522385
化合物(V−5)の例を次に示す。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
化合物(V−6)の例を次に示す。
Figure 0005522385
化合物(V−7)の例を次に示す。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
化合物(V−1)〜(V−7)に関する上記の具体例のうち、より好ましい例は化合物(V−4−1)〜(V−4−6)、(V−5−1)〜(V−5−14)、(V−5−26)、(V−5−27)、(V−5−31)、(V−5−32)、(V−6−1)、(V−6−2)、(V−6−6)、(V−7−1)〜(V−7−7)、および(V−7−11)であり、特に好ましい例は化合物(V−4−1)、(V−4−2)、(V−4−6)、(V−5−1)〜(V−5−14)、(V−5−31)、(V−5−32)、および(V−7−3)である。
本発明で化合物(V−1)〜(V−7)を用いるとき、使用するジアミンの全量に対する化合物(V−1)〜(V−7)の割合は、選択されたジアミンの構造と、所望する電圧保持率および残留DC低減効果に応じて調整される。その好ましい割合は20〜97モル%であり、より好ましい割合は30〜95モル%であり、更に好ましい割合は40〜90モル%である。
[その他ジアミンの説明:側鎖構造を有するジアミン]
本発明に使用される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンのもう1つの例は側鎖構造を有するジアミンである。これらのジアミンは、特にVA型液晶表示素子、OCB型液晶表示素子、STN型液晶表示素子等の大きなプレチルト角が要求されるような用途で用いられる。なお、本明細書において、側鎖構造を有するジアミンは、2つのアミノ基を結ぶ鎖を主鎖としたときに、この主鎖に対して側方に位置する置換基を有するジアミンを意味する。すなわち、側鎖構造を有するジアミンは、テトラカルボン酸二無水物と反応することで、高分子主鎖に対して側方位に置換基を有するポリアミック酸を提供することができる。このようなポリアミック酸を含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜は、液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。
従って、側鎖構造を有するジアミンにおける側方置換基は、要求されるプレチルト角に応じて適宜選択すればよい。例えば、この側方置換基は炭素数3以上の基が好ましく挙げられる。具体的には、
1)置換基を有していてもよいフェニル、置換基を有していてもよいシクロヘキシル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニル、置換基を有していてもよいビ(シクロヘキシル)フェニル、または炭素数3以上のアルキル、アルケニルもしくはアルキニル、
2)置換基を有していてもよいフェニルオキシ、置換基を有していてもよいシクロヘキシルオキシ、置換基を有していてもよいビ(シクロヘキシル)オキシ、置換基を有していてもよいフェニルシクロヘキシルオキシ、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニルオキシ、または炭素数3以上のアルキルオキシ、アルケニルオキシもしくはアルキニルオキシ、
3)フェニルカルボニル、または炭素数3以上のアルキルカルボニル、アルケニルカルボニルもしくはアルキニルカルボニル、
4)フェニルカルボニルオキシ、または炭素数3以上のアルキルカルボニルオキシ、アルケニルカルボニルオキシもしくはアルキニルカルボニルオキシ、
5)置換基を有していてもよいフェニルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいビシクロヘキシルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいビシクロヘキシルフェニルオキシカルボニル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルビフェニルオキシカルボニル、または炭素数3以上のアルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニルもしくはアルキニルオキシカルボニル、
6)フェニルアミノカルボニル、または炭素数3以上のアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニルもしくはアルキニルアミノカルボニル、
7)炭素数3以上の環状アルキル、
8)置換基を有していてもよいシクロヘキシルアルキル、置換基を有していてもよいフェニルアルキル、置換基を有していてもよいビシクロヘキシルアルキル、置換基を有していてもよいシクロヘキシルフェニルアルキル、置換基を有していてもよいビシクロヘキシルフェニルアルキル、置換基を有していてもよいフェニルアルキルオキシ、アルキルフェニルオキシカルボニル、またはアルキルビフェニリルオキシカルボニル、
9)置換基を有してもよいベンゼン環および/または置換基を有してもよいシクロヘキサン環が、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−もしくは炭素数1〜3のアルキレンを介して結合した、2個以上の環を有する基、またはステロイド骨格を有する基、
などが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の置換基の例として、アルキル、フッ素置換アルキル、アルコキシ、およびアルコキシアルキルを挙げることができる。なお、本明細書において、特に説明せずに用いられた「アルキル」は、直鎖アルキルおよび分岐鎖アルキルのどちらでもよいことを示す。「アルケニル」および「アルキニル」についても同様である。
側鎖構造を有するジアミンの好ましい例は、式(VI−1)〜式(VI−12)で表される化合物の群から選択される化合物である。
Figure 0005522385
式(VI−1)において、G60は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、または−(CH−であり、mは1〜12の整数であり、R60は炭素数3〜20のアルキル、フェニル、ステロイド骨格を有する基、シクロヘキシル、または式(VI−1−a)で表される基である。このアルキルにおいて、任意の−Hは−Fで置き換えられてもよく、そして任意の−CH−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよい。このフェニルの−Hは、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、または−OCFで置き換えられてもよい。このシクロヘキシルの−Hは炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシで置き換えられていてもよい。ベンゼン環へ−NHが結合するのは任意の位置である。ただし、G60が−(CH−であり、mが1であり、R60がフェニルであるとき、このフェニルの少なくとも一つの−Hは、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、−OCF、炭素数3〜20のアルキル、または炭素数3〜20のアルコキシで置き換えられている。
Figure 0005522385
式(VI−1−a)において、R61は−H、−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−C≡N、−OCHF、−OCHF、または−OCFであり、G61、G62およびG63は結合基であり、これらは独立して単結合、または炭素数1〜12のアルキレンでありこのアルキレン中の1以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−で置き換えられていてもよく;A60、A61、A62およびA63は環であり、これらは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、またはアントラセン−9,10−ジイルであり、すべての環において、任意の−Hは−Fまたは−CHで置き換えられていてもよく、f、gおよびhは独立して0〜2の整数であり、これらの合計は1〜5であり、そして、f、gまたはhが2であるとき、各々の括弧内の2つの結合基は同じであっても異なっていてもよく、2つの環は同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0005522385
式(VI−2)および(VI−3)において、R62は独立して−Hまたは−CHであり、R63は独立して−H、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルケニルであり、G64は独立して単結合、−CO−または−CH−であり、式(VI−3)におけるベンゼン環の1つの−Hは、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルで置き換えられていてもよく、そして、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その結合位置が任意であることを示す。
式(VI−2)における2つの基「NH−フェニレン−G64−O−」の一方はステロイド核の3位に結合し、もう一方はステロイド核の6位に結合していることが好ましい。式(VI−3)における2つの基「NH−フェニレン−G64−O−」のベンゼン環への結合位置は、ステロイド核の結合位置に対して、それぞれメタ位またはパラ位であることが好ましい。式(VI−2)および式(VI−3)において、ベンゼン環に対するNHの結合位置は、G64の結合位置に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。
Figure 0005522385
式(VI−4)および式(VI−5)において、R64は−Hまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルの任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよい。R65は炭素数6〜22のアルキルまたは炭素数1〜3のフッ素置換アルキルであり、そしてR66は−H、炭素数1〜22のアルキルまたは炭素数1〜3のフッ素置換アルキルである。G65は−O−または炭素数1〜6のアルキレンである。A64は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、G66は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、そしてdは0または1である。ベンゼン環への−NHの結合位置は任意であるが、G65の結合位置に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。
本発明において化合物(VI−1)〜化合物(VI−5)をジアミン原料として用いるとき、これらのジアミンの中から少なくとも1つを選択して用いてもよいし、またはこの(これらの)ジアミンとその他のジアミン(化合物(VI−1)〜化合物(VI−5)以外のジアミン)とを混合して用いてもよい。
化合物(VI−1)の例を次に示す。
Figure 0005522385
これらの式において、R4aは炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシであり、好ましくは炭素数5〜20のアルキルまたは炭素数5〜20のアルコキシである。R5aは炭素数1〜18のアルキルまたは炭素数1〜18のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜18のアルキルまたは炭素数3〜18のアルコキシである。
Figure 0005522385
これらの式において、R4bは炭素数4〜16のアルキルであり、好ましくは炭素数6〜16のアルキルである。R4cは炭素数6〜20のアルキルであり、好ましくは炭素数8〜20のアルキルである。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
これらの式において、R4dは炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシであり、好ましくは炭素数3〜20のアルキル、または炭素数3〜20のアルコキシである。R5bは−H、−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、好ましくは炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシである。そして、G14は炭素数1〜20のアルキレンである。
Figure 0005522385
化合物(VI−1)に関する上記の具体例のうち、化合物(VI−1−1)〜化合物(VI−1−11)、化合物(VI−1−21)、化合物(VI−1−39)、および化合物(VI−1−41)が好ましく、化合物(VI−1−2)、化合物(VI−1−5)、化合物(VI−1−6)、化合物(VI−1−21)、化合物(VI−1−39)、および化合物(VI−1−41)がより好ましい。
化合物(VI−2)の例を次に示す。
Figure 0005522385
化合物(VI−3)の例を次に示す。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
化合物(VI−4)の例を次に示す。
Figure 0005522385
上記の式において、R6fは−Hまたは炭素数1〜20のアルキルであり、好ましくは−Hまたは炭素数1〜10のアルキルである。R6gは−Hまたは炭素数1〜10のアルキルである。
化合物(VI−5)の例を次に示す。
Figure 0005522385
上記の式において、R6hは炭素数6〜20のアルキルであり、R6iは−Hまたは炭素数1〜10のアルキルである。
上記の例のうち好ましい化合物(V−5)は化合物(VI−5−1)である。化合物(VI−5−1)の具体例は以下のジアミンである。
Figure 0005522385
上記具体例の中で化合物(VI−5−1)の好ましい例は、化合物(VI−5−1−3)である。
本発明で化合物(VI−1)〜化合物(VI−5)を用いるとき、使用するジアミンの全量に対する化合物(V−1)〜化合物(V−7)、化合物(VI−1)〜化合物(VI−5)の割合は、選択された側鎖構造を有するジアミンの構造と、所望するプレチルト角に応じて調整される。その割合は1〜100モル%であり、好ましい割合は5〜80モル%である。
本発明では、化合物(V−1)〜化合物(V−7)でもなく、化合物(VI−1)〜化合物(VI−5)でもないジアミンを用いることができる。このようなジアミンの例は、ナフタレン系ジアミン、フルオレン環を有するジアミン、シロキサン結合を有するジアミンなどであり、化合物(VI−1)〜化合物(VI−5)以外の側鎖構造を有するジアミンを挙げることもできる。
シロキサン結合を有するジアミンの例は、下記の式(VII)で表されるジアミンである。
Figure 0005522385
式(VII)において、R71およびR72は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、G70はメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。sは1〜6の整数であり、tは1〜10の整数である。
[その他の側鎖構造を有するジアミンの説明]
化合物(VI−1)〜化合物(VI−5)以外の側鎖構造を有するジアミンの例を次に示す。
Figure 0005522385
上記の式において、R6jおよびR6kは独立して炭素数3〜20のアルキルである。
[その他のテトラカルボン酸二無水物の例示]
本発明で使用される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよいが、製造条件および/または特性の観点からこれらのテトラカルボン酸二無水物から2つ以上を選択して混合して用いてもよく、さらにこれらのテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1つとその他のテトラカルボン酸二無水物とを混合して用いてもよい。本発明で使用される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の共重合時共に使用されるテトラカルボン酸二無水物は既知のテトラカルボン酸二無水物から適宜選択される。
脂環式テトラカルボン酸二無水物および/または脂肪族テトラカルボン酸二無水物を併用すると、液晶表示素子の耐熱性を高める効果並びに透明性を改善する効果がある。本発明の液晶配向剤におけるポリアミック酸を構成する全テトラカルボン酸二無水物中、脂環式テトラカルボン酸二無水物および/または脂肪族テトラカルボン酸二無水物を30〜100モル%含むことが好ましく、40〜100モル%含むことがより好ましい。
芳香族テトラカルボン酸二無水物を併用すると液晶表示素子の残留DCを低減する効果がある。本発明の液晶配向剤におけるポリアミック酸を構成する全酸二無水物中、芳香族テトラカルボン酸二無水物を併用する場合には1〜90モル%含むことが好ましく、5〜60モル%含むことがより好ましい。ただし、耐熱性を重視する場合には芳香族テトラカルボン酸二無水物は使用しない場合がある。
既知のテトラカルボン酸二無水物としては以下の式(VIII−1)〜(VIII−13)で表されるテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 0005522385
式(VIII−1)において、G81は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、そして、X81は独立して単結合または−CH−である。
化合物(VIII−1)の具体例は下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−2)において、R81、R82、R83、およびR84は−H、−CH、−CHCH、またはフェニルである。
化合物(VIII−2)の具体例は下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−3)において、環A81はシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
化合物(VIII−3)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−4)において、G82は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、−O−、−CO−、−S−、−C(CH−、−SO−、または−C(CF−であり、そして、環A81は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
化合物(VIII−4)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−5)において、R85は−H、または−CHである。
化合物(VIII−5)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−6)において、X81は独立して単結合または−CH−であり、そして、vは1または2である。
化合物(VIII−6)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−7)において、X81は単結合または−CH−である。
化合物(VIII−7)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−8)において、R86は水素、−CH、−CHCH、またはフェニルであり、そして、A82はシクロヘキサン環またはシクロヘキセン環である。
化合物(VIII−8)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−9)において、w81およびw82は独立して0または1である。
化合物(VIII−9)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
化合物(VIII−10)は下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−11)において、A81は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
化合物(VIII−11)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(VIII−12)において、X82は炭素数2〜6のアルキレンである。
化合物(VIII−12)の具体例は、下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
化合物(VIII−13)は下記のテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0005522385
本発明に用いられる分子内に二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンおよび/またはテトラカルボン酸二無水物と併用される、化合物(VIII−1)〜化合物(VIII−13)以外のテトラカルボン酸二無水物の例を次に示す。
Figure 0005522385
特に好ましいテトラカルボン酸二無水物としては、以下の化合物を挙げることができる。
Figure 0005522385
本発明に使用される二級または三級アミノ基を有するテトラカルボン酸二無水物とその他テトラカルボン酸二無水物を併用する比率は、1モル%/99モル%〜99モル%/1モル%が好ましく、5モル%/95モル%〜70モル%/30モル%がより好ましく、10モル%/90モル%〜60モル%/40モル%が更に好ましい。
[光重合性モノマーおよび光重合性オリゴマーの説明]
本発明に用いられる光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーは、式(V)で表される少なくとも1種の化合物である。

−Z−(E−Z)−R (IX)

式(IX)において、Rは、独立して下記の式(IX−1−1)〜(IX−1−5)で表される重合性基、−H、ハロゲン、−C≡N、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−N=C=O、−N=C=S、または炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、任意の−Hは、ハロゲンまたは−C≡Nで置き換えられていてもよく、Rの少なくとも1つは式(IX−1−1)〜(IX−1−5)で表される重合性基である。Eは環であり、独立して炭素数3〜20の飽和または不飽和の独立環、縮合環、またはスピロ環式の2価基であり、これらの環において、任意の−CH−は−O−で置き換えられていてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられていてもよく;
任意の−Hは、ハロゲン、−C≡N、−NO、−N≡C、−N=C=O、−N=C=S、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルで置換されたシリル、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられていてもよく、このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、Zは、独立に単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられていてもよく、そして、sは1〜6の整数であるが、sが2〜6の整数であるとき、括弧内の複数の−E−Z−は同じであっても、異なっていてもよい。
Figure 0005522385
式(IX−1−1)〜(IX−1−5)において、Rは水素、ハロゲン、−CF、または炭素数1〜5のアルキルである。
光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーの好ましい構造としては、前記式(IX)中、Rの少なくとも1つが、前記式(IX−1−1)、(IX−1−2)または(IX−1−3)のいずれかで表される構造が挙げられる。
前記式(IX)において、環Eが1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、トリプチセン−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3,6−ジイルで表される2価の基であり、これらの環において、任意の−CH−は−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は−N=で置き換えられてもよく、任意の−Hは、ハロゲン、−C≡N、−NO、−N≡C、−N=C=O、−N=C=S、炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルで1〜3置換されたシリル、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキルまたは炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよい。
前記式(IX)において、環Eは以下の式(IX−2−1)〜(IX−2−21)であることが好ましい。
Figure 0005522385
式(IX−2−1)〜(IX−2−25)において、Lはハロゲンまたは炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルである。
[光重合性モノマーおよび光重合性オリゴマーの例示]
光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーの例は、下記の式(IX−3−1)〜(IX−3−12)で表される化合物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
上記の式において、Rは−Hまたは−CHを示し、ベンゼン環上の−Hはハロゲン、−CH、−CFまたは−OCHで置き換えられていてもよく;
は独立して−H、ハロゲン、−CH、−CF、−OCH、フェニルまたは同一炭素上にある2つのRが炭素数6〜15の飽和または不飽和の炭化水素環を形成していても良く;
そして、m2およびm3は独立して1〜20の整数である。
光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーの好ましい例は、以下に列記する化合物である。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーの最も好ましい化合物の具体例は、化合物(IX−3−1−1)、(IX−3−2−3)、(IX−3−2−6)、(IX−3−2−6−1)、(IX3−3−6)、(IX−3−4−6)、(IX−3−5−6)、(IX−3−6−6)、(IX−3−10−1)、(IX−3−10−1−1)、(IX−3−10−2)、(IX−3−10−2−1)、(IX−3−10−3)、(IX−3−10−3−1)、(IX−3−10−4)〜(IX−3−10−7)、(IX−3−10−4−1)、(IX−3−11−1)、(IX−3−11−1−1)、(IX−3−11−2)、(IX−3−11−2−1)、(IX−3−11−3)〜(IX−3−11−8)、(IX−3−13−1)および(IX−3−13−2)である。
光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーは本発明の液晶配向剤中に、ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーを含む固形分の総重量の0.01〜50重量%に相当する量を混合することができる。
光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーは、液晶の傾斜方向を決める効果を発揮させるために0.01重量%以上混合することが好ましい。一方、重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーを重合させた後にできるポリマーの配向効果が強くなり過ぎて、ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーによる配向効果が薄れてしまうことを防ぐため、および/またはUV照射後に未反応のモノマーおよび/またはオリゴマーが残存して液晶に溶出することを防ぐために、光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーの混合量は50重量%以下にすることが好ましい。
式(I)または(II)で表されるポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーが、分子中のRおよびRにおいて、それぞれの基数の総和の4〜50モル%の基が光によりラジカルを発生する基を持っていてもよい。
[ラジカルを発生する基の説明]
光によりラジカルを発生する基の例は、ベンゾフェノン骨格を有する基、またはシンナメート骨格を有する基である。
光によりラジカルを発生する基の更なる具体例は、下記の式(X−1)〜(X−4)および(X−5)で表される基の群から選択される少なくとも1つである。
Figure 0005522385
上記の式において、R100は水素または炭素数1〜25の炭化水素基であり、この炭化水素基の任意の水素はFで置き換えられていてもよく、X101およびX102は独立して単結合、−COO−、−OCO−または−O−であり、X103は−COO−、−OCO−または−O−であり、そして、G101は炭素数2〜6のアルキレンである。
Figure 0005522385
式(X−1)〜(X−4)および(X−5)で表される基を有する化合物の好ましい例は、下記の化合物である。
Figure 0005522385
式(X−2−1)において、R10aは水素または炭素数1〜25のアルキルである。
Figure 0005522385
なお、上に挙げたラジカルを発生する基を有する化合物には、化合物に期待される性質を分類する便宜から(X−○−○)なる式番号を付している。しかしながら、化合物(X−1−1)はそれより先に例示したジアミン(V−5−29)と同一であるように、上記の化合物は本明細書中に先に例示しているジアミンまたはテトラカルボン酸二無水物の分類にも該当する場合がある。このような場合、本明細書においては特別に断らない限り、式番号(X−○−○)よりも先に例示した分類上の式番号を優先して用いる。
[ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーの特性の説明]
前記ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーの分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、好ましくは10,000〜500,000、更に好ましくは20,000〜200,000である。
前記ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーは、前述したテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを用いる以外は、ポリイミドの膜の形成に用いられる公知のポリアミック酸およびその誘導体と同様に製造することができる。例えば、原料投入口、窒素導入口、温度計、攪拌機およびコンデンサーを備えた反応容器に、一般式(III−1)〜(III−3)で表されるジアミンの1種または2種以上と、他のジアミンから選択される1種または2種以上のジアミン、さらに必要に応じてモノアミンの所望量を仕込む。
次に、溶剤(例えばアミド系極性溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド等)およびテトラカルボン酸二無水物の1種または2種以上、さらに必要に応じてカルボン酸二無水物を投入する。このときテトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましい。
前記ポリアミック酸における式(I)または(II)で表される構成単位は、ポリマーの構造の特定に係る通常の技術によって特定することができ、より具体的には、IRやNMRによって特定することができる。
より詳しくは、本発明におけるポリアミック酸またはその誘導体は、多量の貧溶剤で沈殿させ、固形分と溶剤とを濾過等により完全に分離し、IR、NMRで分析することにより同定され得る。さらには、KOHやNaOH等の強アルカリの水溶液で、固形分のポリアミック酸またはその誘導体を分解後、有機溶剤で抽出し、GC、HPLCもしくはGC−MSで分析することにより、使用されているモノマーを同定することができる。
本発明に用いられる液晶配向剤は、前記ポリアミック酸と光重合性モノマーまたはオリゴマー以外の他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分は、1種であっても2種以上であってもよい。
例えば、前記液晶配向剤には、重合開始剤や重合禁止剤を添加することができる。重合開始剤の例としてはラジカル重合開始剤が挙げられる。ラジカル重合開始剤の具体例は、ベンゾイン誘導体、過酸化物からなる化合物などである。
ベンゾイン誘導体の好ましい例としては、(±)−カンファーキノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン、2−ベンゾイル安息香酸、2−クロロベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−エチルアントラキノン、2−イソニトロソプロピオフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、2−フェニル−2−(p−トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル安息香酸、4−クロロベンゾフェノン、アセトフェノン、ジフェニルエタンジオン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン、ジベンゾスベロン、9−フルオレノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ジメトキシベンゾイル、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ミヒラーズケトン、チバ・スペシャリティー(株)製「ダロキュアーシリーズ1173、4265」、「イルガキュアーシリーズ184、500、651、819、2959」などが挙げられる。
過酸化物からなる化合物の好ましい例としては、日油(株)製「パーテトラA、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーヘキサV、パーヘキサ22、パーブチルD、パーヘキシルD、パーロイル355、パーロイルL、ナイパーBW、ナイパーBMT、パーロイルTCP、パークミルND、パーオクタND、パーヘキシルND、パーブチルNHP、パーヘキシルPV、パーブチルPV、パーヘキサ25O、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO、パーブチルL、パーブチル355、パーヘキシルI、パーブチルE、パーヘキサ25Z、パーブチルA、パーヘキシルZ、パーブチルZ、パーブチルZT」などが挙げられる。
ベンゾイン誘導体の中で特に好ましい例としては、チバ・スペシャリティー(株)製イルガキュア651が挙げられる。
過酸化物からなる化合物の中で特に好ましい例としては、日油(株)製「パーロイルL、ナイパーBW、ナイパーBMT、パーオクタO、パーヘキシルO、パーブチルO」が挙げられる。
また、これらの重合開始剤の2種以上を組み合わせても良く、好ましい組み合わせの例としては、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物が挙げられる。
重合開始剤の添加量は、重合開始剤が不純物として作用して、表示素子の表示品位が低下することを避けるために、光重合性モノマーまたはオリゴマーに対して10重量%以下が望ましい。
前記光重合性モノマーまたはオリゴマーは高い重合性を有するので、取扱いを容易にするために、重合禁止剤を添加してもよい。
また、重合禁止剤の添加量は、重合禁止剤が不純物として作用してしまうことを防ぐために、光重合性モノマーまたはオリゴマーに対して10重量%以下であることが望ましい。
また例えば、本発明に用いられる液晶配向剤は、例えば液晶配向膜における耐久性を向上させる観点から、エポキシ化合物をさらに含有していてもよい。前記エポキシ化合物は、エポキシを有していれば特に限定されないが、オキシランを2つ以上有する化合物が好ましい。前記エポキシ化合物は、1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。
本発明において液晶配向剤中の前記エポキシ化合物の含有量は特に限定されないが、液晶配向剤中のポリマー固形分に対して0.1〜40重量%であることが、液晶配向剤から形成された液晶配向膜の耐久性を良好にする観点から好ましく、0.2〜30重量%であることがさらに好ましい。
前記エポキシ化合物としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキシランを有するモノマーの重合体、およびオキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体、下記式(E1)〜(E4)で表される化合物、等が挙げられる。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
式(E4)において、nは0〜10の整数を表す。
構造式(E1)で表される化合物としては、商品名「アラルダイトCY184」(日本チバガイギー(株)製)が挙げられる。
構造式(E2)で表される化合物としては、商品名「セロキサイド2021P」、「EHPE−3150」(共にダイセル化学工業(株)製)が挙げられる。
構造式(E3)で表される化合物としては、商品名「テクモアVG3101L」(三井化学(株)製)が挙げられる。
式(E4)で表される化合物としては、商品名「エピコート828」、「エピコート190P」、「エピコート191P」、商品名「エピコート1004」、「エピコート1256」(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、および商品名「アラルダイトCY177」(チバ・ジャパン(株)製)が挙げられる。
さらに具体的には、前記エポキシ樹脂としては、商品名「エピコート807」、「エピコート815」、「エピコート825」、および「エピコート827」(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)が挙げられる。
これらの中でも、前記エポキシ化合物が、一般式(E4)で表される化合物(n=0〜4の化合物の混合物)である「エピコート828」、構造式(E1)で表される化合物である「アラルダイトCY184」(チバ・ジャパン(株)製)、構造式(E2)で表される化合物である商品名「セロキサイド2021P」(ダイセル化学工業(株)製)、構造式(E3)で表される化合物である商品名「テクモアVG3101L」(三井化学(株)製)含むことが、液晶配向膜における透明性と平坦性を良好にする観点から好ましい。
また例えば、本発明に用いられる液晶配向剤は、基板への密着性を良くする観点から、シランカップリング剤、チタン系のカップリング剤等のカップリング剤をさらに含有していてもよい。前記カップリング剤は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。
前記カップリング剤の含有率は、液晶配向剤中のポリマー固形分に対して0.01〜6重量%であることが好ましい。
また例えば、本発明に用いられる液晶配向剤は、本発明の特性を損なわない範囲(好ましくは前記ポリアミック酸またはその誘導体の20重量%以内)で、ポリエステル、アクリル酸ポリマー、アクリレートポリマー等のポリマー成分をさらに含有していてもよい。
また例えば、本発明に用いられる液晶配向剤は、ジカルボン酸またはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドや、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸またはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドイミド等の他のポリマー成分を本発明の目的を損なわない範囲でさらに含有していてもよい。
また例えば、本発明に用いられる液晶配向剤は、液晶配向剤の塗布性の向上を図る観点からその目的に沿った界面活性剤をさらに含有していてもよいし、液晶配向剤の帯電防止性を向上させる観点から帯電防止剤をさらに含有していてもよい。
また例えば、本発明に用いられる液晶配向剤は、液晶配向剤の塗布性の改善や液晶配向膜を形成する工程での膜厚調整等を目的として、溶剤をさらに加えてもよい。前記溶剤は、高分子成分を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。前記溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド等の高分子成分の製造工程や用途面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。前記溶剤は1種でも2種以上の混合溶剤であってもよい。
前記溶剤としては、前記ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーの親溶剤や、塗布性改善を目的とした他の溶剤が挙げられる。
前記ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーに対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン等のラクトンが挙げられる。
前記塗布性改善等を目的とした他の溶剤の例としては、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類等のエステル化合物が挙げられる。
これらの中で、前記溶剤には、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテル等を特に好ましく用いることができる。
本発明において液晶配向剤中の前記ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択されるポリマーを含む高分子成分の濃度は、特に限定されないが、0.1〜40重量%が好ましい。該液晶配向剤を基板に塗布するときには、膜厚調整のため含有されている高分子成分を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがある。前記高分子成分の濃度が40重量%以下であることが、膜厚調整のために液晶配向剤を希釈する必要があるときに、液晶配向剤に対して溶剤を容易に混合するのに適した粘度に液晶配向剤の粘度を調整する観点から好ましい。
また液晶配向剤中における前記高分子成分の濃度は、液晶配向剤の塗布方法によって調整される場合もある。液晶配向剤の塗布方法がスピンナー法や印刷法のときには、膜厚を良好に保つために、前記高分子成分の濃度を通常10重量%以下とすることが多い。その他の塗布方法、例えばディッピング法やインクジェット法では更に低濃度とすることもあり得る。一方、前記高分子成分の濃度が0.1重量%以上であると、得られる液晶配向膜の膜厚が最適となり易い。したがって前記高分子成分の濃度は、通常のスピンナー法や印刷法等では0.1重量%以上、好ましくは0.5〜10重量%である。しかしながら、液晶配向剤の塗布方法によっては、更に希薄な濃度で使用してもよい。
なお、液晶配向膜の作製に用いる場合において、本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向剤の粘度は、この液晶配向剤の膜を形成する手段や方法に応じて決めることができる。例えば、印刷機を用いて液晶配向剤の膜を形成する場合は、十分な膜厚を得る観点から5mPa・s以上であることが好ましく、また印刷ムラを抑制する観点から100mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは10〜80mPa・sである。スピンコートによって液晶配向剤を塗布して液晶配向剤の膜を形成する場合は、同様の観点から、5〜200mPa・sであることが好ましく、より好ましくは10〜100mPa・sである。液晶配向剤の粘度は、溶剤による希釈や攪拌を伴う養生によって小さくすることができる。
本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向剤は、いわゆるポリマーブレンドの形態であってもよい。このような形態の液晶配向剤には、テトラカルボン酸二無水物AとジアミンAとの反応生成物であるポリアミック酸またはその誘導体Aと、テトラカルボン酸二無水物BとジアミンBとの反応生成物であるポリアミック酸またはその誘導体Bとを含有する液晶配向剤において、ジアミンAは式(III−1)〜(III−3)で表されるジアミンを含み、ジアミンBは式(III−1)〜(III−3)で表されるジアミンを含まない液晶配向剤が挙げられる。
ポリアミック酸またはその誘導体Aは、前述した本発明におけるポリアミック酸またはその誘導体と同じである。ポリアミック酸またはその誘導体Bは、前記ジアミンに式(III−1)〜(III−3)で表されるジアミンを含まない以外、すなわち前記ジアミンに前記他のジアミンを用いる以外は、前述した本発明におけるポリアミック酸またはその誘導体と同じである。
テトラカルボン酸二無水物AおよびBには、前述したテトラカルボン酸を用いることができる。前記ジアミンAには、式(III−1)〜(III−3)で表されるジアミンが含まれればよく、前述した他のジアミンがさらに含まれていてもよい。前記ジアミンBには、式(III−1)〜(III−3)で表されるジアミン以外の、前述した他のジアミンを用いることができる。
本発明の液晶表示素子に用いられる前述の液晶配向剤におけるポリアミック酸またはその誘導体Bの含有量は、本発明の液晶表示素子の改善効果が発揮される量であれば特に限定されないが、液晶配向剤中の重合体全量に対して1〜50重量%であることが、本発明の液晶表示素子の改善効果の発揮と配向性の調整とを両立させる観点から好ましく、2〜30重量%がさらに好ましい。
本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向膜は、前述した液晶配向剤から得られる。本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向膜は、液晶配向剤の塗膜を形成する工程と、これを加熱して焼成する工程と、液晶を注入して液晶表示素子を調整した後、電場により配向剤の液晶界面に異方性を発生させ、光照射によりそれを固定化する工程によって得ることができる。
前記塗膜は、通常の液晶配向膜の作製と同様に、液晶表示素子における基板に本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向剤を塗布することによって形成することができる。前記基板には、ITO(Indium TinOxide)電極等の電極やカラーフィルタ等が設けられていてもよいガラス製の基板が挙げられる。
液晶配向剤を基板に塗布する方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。
前記塗膜の焼成は、前記ポリアミック酸またはその誘導体が脱水・閉環反応を呈するのに必要な条件で行うことができる。前記塗膜の焼成は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。一般に100〜300℃程度の温度で1分間〜3時間行うことが好ましく、100℃〜230℃の焼成により、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーの50重量%以上が熱重合せずにそのまま残存することがより好ましく、180〜230℃の焼成により、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーの50重量%以上が熱重合せずにそのまま残存することが更に好ましい。
本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向膜は、前述した工程以外の他の工程をさらに含む方法によって好適に得られる。このような他の工程としては、前記塗膜を乾燥させる工程や、膜を洗浄液で洗浄する工程等が挙げられる。
前記乾燥工程は、前記焼成工程と同様に、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法も前記乾燥工程に同様に適用可能である。乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の温度で実施することが好ましく、前記焼成工程における温度に対して比較的低い温度で実施することがより好ましい。
液晶配向膜の洗浄液による洗浄方法としては、ブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄等が挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。このような洗浄方法は、本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向膜の形成における前記洗浄工程にも適用することができる。
本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向膜の膜厚は、特に限定されないが、10〜300nmであることが好ましく、30〜150nmであることがより好ましい。液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。
本発明の液晶表示素子は、一対の基板と、液晶分子を含有し、前記一対の基板の間に形成される液晶層と、液晶層に電圧を印加する電極と、前記液晶分子を所定の方向に配向させる液晶配向膜とを有する。前記液晶配向膜には前述の本発明の液晶表示素子に用いられる液晶配向膜が用いられる。
前記基板には、ガラス製の基板を用いることができ、前記電極にはガラス製の基板に形成されるITO電極を用いることができる。
前記液晶層は、前記一対の基板の一方の基板における液晶配向膜が形成されている面が他方の基板に向かうように対向する一対の基板間の隙間に密封される液晶組成物によって形成される。
前記液晶組成物には、特に制限はなく、誘電率異方性が正または負の各種の液晶組成物を用いることができる。誘電率異方性が正の好ましい液晶組成物には、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157826号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1明細書)、特開平9−302346号公報(EP806466A1明細書)、特開平8−199168号公報(EP722998A1明細書)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1明細書)、特開平10−204016号公報(EP844229A1明細書)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040公報、特開2001−48822公報等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
誘電率異方性が負の好ましい液晶組成物には、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1明細書)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
前記誘電率異方性が正または負の液晶組成物に1種以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
本発明の液晶表示素子は、一対の基板の少なくとも一方に前述の液晶配向膜を形成し、得られた一対の基板を、液晶配向膜を内向きにスペーサーを介して対向させ、基板間に形成された隙間に液晶組成物を封入して液晶層を形成することによって得られる。本発明の液晶表示素子における製造には、必要に応じて基板に偏光フィルムを貼り付ける等のさらなる工程が含まれていてもよい。
光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーを重合させる際には、電圧を印加する。その際には、液晶の閾値電圧〜透過率が100%となる時の電圧の5倍の電圧を印加し、好ましくは透過率が50%となる時の電圧〜透過率が100%となる時の電圧の3倍の電圧を印加する。
光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーを重合させる際には、通常、紫外線または可視光線が用いられる。光照射に用いられる光の波長は、150〜500nm、好ましくは250〜450nm、より好ましくは300〜400nmの範囲である。光照射の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)およびショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)などが挙げられる。これらの中では、メタルハライドランプ、キセノンランプおよび高圧水銀ランプが好ましい。
上記光源からの光は、フィルターなどを設置して特定の波長領域のみを通すことにより、照射光源の波長領域を選択してもよい。光源から照射するエネルギーは、1,000〜300,000mJ/cm、好ましくは2,000〜100,000mJ/cm、より好ましくは5,000〜50,000mJ/cmの範囲である。
本発明の液晶表示素子は、種々の電界方式用の液晶表示素子を形成することができる。このような電界方式用の液晶表示素子には、前記基板の表面に対して水平方向に前記電極が前記液晶層に電圧を印加する横電界方式用の液晶表示素子や、前記基板の表面に対して垂直方向に前記電極が前記液晶層に電圧を印加する縦電界方式用の液晶表示素子が挙げられる。
横電界方式用の液晶表示素子は、比較的大きなプレチルト角でなくてもよいことから、側鎖を有するジアミンを含まないジアミンから得られる本発明の液晶配向剤による液晶配向膜が好適に用いられる。
縦電界方式用の液晶表示素子は、比較的大きなプレチルト角を要することから、側鎖を有するジアミンを含むジアミンから得られるか、または、前記ジアミンBに側鎖を有するジアミンを含む液晶配向剤による液晶配向膜が好適に用いられる。
このように、液晶配向剤を原料として作製される液晶配向膜は、その原料であるポリマーを適宜選択することにより、種々の表示駆動方式の液晶表示素子に適用させることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例において用いる化合物は次の通りである。
<テトラカルボン酸二無水物>
化合物(VIII−3−2):ピロメリット酸無水物
化合物(VIII−2−1):1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
化合物(VIII−1−1):1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物
化合物(VIII−3−1):1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
化合物(VIII−7−2):2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
化合物(VIII−12−1):18,21−ビス(3−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)プロピル)−18,21−ジメチル−1,3,5,7,9,11,13,15−オクタフェニル−ペンタシクロ[10.5.1.25,13.17,11.19,15]デカシロキサン
化合物(IV−1−1−1):4,4’−(エタン−1,2−ジイル)ジモルホリン―2,6−ジオン
化合物(VIII−4−23):4,4’−(オクタン−1,8−ジイル)ジフタル酸二無水物
<ジアミン>
化合物(V−5−5):4,4’−メチレンビス(3−メチルアニリン)
化合物(V−5−1):4,4’−ジアミノジフェニルメタン
式(VI−1−5)においてR5aがペンチルである化合物:5−(4−(4’−ペンチルビ(シクロヘキサン)−4−イル)ベンジル−1,3−ジアミノベンゼン
式(VI−1−2)においてR4aが炭素数16のアルキル基である化合物:5−(4−ヘキサデシルベンジル)ベンゼン−1,3−ジアミン
式(VI−1−39)においてR5bがペンチル基である化合物:4−(4’−ペンチルビシクロヘキサン−4−イル)フェノキシ−1,3−ジアミノベンゼン
化合物(VI−1−41):コレステリル 3,5−ジアミノベンゾアート
化合物(III−1−2):N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミン
化合物(III−2−1):4,4’―(ピペラジン−1,4−ジイル)ジアニリン
化合物(III−1−1):4,4’−ジアミノジフェニルアミン
<光重合性モノマー>
化合物(IX−3−1−1):4,4’−ビス(メタクリロイルオキシ)ビフェニル
化合物(IX−3−2−3):2−メチル−1,4−フェニレン ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−2−6):2−メチル−1,4−フェニレン ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−2−6−1):2−メチル−1,4−フェニレン ビス(4−(6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−3−6):4,4’−ビス(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ビフェニル
化合物(IX−3−4−6):4−シアノフェニル 4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート
化合物(IX−3−5−6):4−メトキシフェニル 4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート
化合物(IX−3−6−6):2−メチル−1,4−フェニレン ビス(4−((6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)カルボニルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−10−1):4,4’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−10−1−1):4,4’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−10−2):4,4’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)−2−フルオロベンゾアート)
化合物(IX−3−10−2−1):4,4’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)−2−フルオロベンゾアート)
化合物(IX−3−10−3):6,6’−(4,4’−(3,3’−(4,4’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ)ビス(3−オキソプロパン−3,1−ジイル))ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ)ビス(ヘキサン−6,1−ジイル) ジアクリレート
化合物(IX−3−10−3−1):6,6’−(4,4’−(3,3’−(4,4’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ)ビス(3−オキソプロパン−3,1−ジイル))ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ)ビス(ヘキサン−6,1−ジイル) ジメタクリレート
化合物(IX−3−10−4):4,4’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(2,6−ジフルオロ−4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−10−4−1):4,4’−(ペルフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(2,6−ジフルオロ−4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−10−5):4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−10−6):4,4’−(エタン−1,1−ジイル)ビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−10−7):4,4’−メチレンビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−11−1):9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−11−1−1):9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル ビス(4−(6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−11−2):9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)−2−フルオロベンゾアート)
化合物(IX−3−11−2−1):9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル ビス(4−(6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)−2−フルオロベンゾアート)
化合物(IX−3−11−3):ビス(4−(アクリロイルオキシ)ブチル) ’−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル ジテレフタレート
化合物(IX−3−11−4):9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル ビス(4−((4−(アクリロイルオキシ)ブチルオキシ)カルボニルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−11−5):4,4’−(4,4’−(3,3’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(オキシ)ビス(3−オキソプロパン−3,1−ジイル))ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ)ビス(オキソメチレン)ビス(オキシ)ビス(ブタン−4,1−ジイル) ジアクリレート
化合物(IX−3−11−6):6,6’−(4,4’−(3,3’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(オキシ)ビス(3−オキソプロパン−3,1−ジイル))ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ)ビス(ヘキサン−6,1−ジイル) ジアクリレート
化合物(IX−3−11−7):6,6’−(4,4’−(2,2’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ)ビス(ヘキサン−6,1−ジイル) ジアクリレート
化合物(IX−3−11−8):9,9’−スピロビ[フルオレン]−2,7−ジイル ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(V−3−13−1):4,4’−(シクロヘキサン−1,1−ジイル)ビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
化合物(IX−3−13−2):4,4’−(9H−フルオレン−9,9−ジイル)ビス(4,1−フェニレン) ビス(4−(6−(アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾアート)
<溶剤>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)
<1.ポリアミック酸の合成>
[合成例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた100mLの四つ口フラスコに化合物(III−1−2)0.670g、化合物(VI−1−5)1.072g、化合物(V−5−5)1.682gおよび脱水NMP60.0gを入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。次いで化合物(IV−1−1−1)0.635g、化合物(VIII−2−1)1.943gを入れ、室温で30時間攪拌を続けた。反応中に反応温度が上昇する場合は、反応温度を約70℃以下に抑えるよう冷却した。得られた反応液に、BC34.0gを加えて、固形分濃度が6重量%のポリアミック酸溶液(PA1)を得た。尚、(PA1)の重量平均分子量は56,000であった。
ポリアミック酸の重量平均分子量は、得られたポリアミック酸をリン酸−DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100:重量比)でポリアミック酸濃度が約1重量%になるように希釈し、2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計(Waters製)を用いて、上記混合溶液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。なお、カラムはHSPgel RT MB−M(Waters製)を使用し、カラム温度40℃、流速0.35mL/minの条件で測定した。
[合成例2〜25]
表1に示したようにテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液(PA2)〜(PA25)を調製した。合成例1を含めて、ポリアミック酸溶液の原料モノマーの組成を表1にまとめた。
Figure 0005522385
<2.液晶表示素子の作製>
[実施例1]
合成例1で調製したポリアミック酸溶液(PA1)に、(PA1)の固形分重量の30重量%に相当する化合物(IX−3−2−6)を加え、さらにNMP/BC=8/2(重量比)の混合溶剤を加えて、ポリマー固形分と化合物(IX−3−2−6)の総量が4重量%になるよう希釈して液晶配向剤とした。
液晶配向剤を二枚のITO電極付きガラス基板にスピンナーにて塗布し、膜厚100nmの膜を形成した。塗膜後80℃にて約10分間加熱乾燥した後、180℃にて60分間加熱処理を行い、液晶配向膜を形成した。
一方のガラス基板には4.25μmのギャップ材を散布し、もう一方の基板には周辺を液晶の注入口を残した所定のパターンになるようにエポキシ系シール剤をディスペンサーで塗布した。2枚の基板を液晶配向膜を形成した面を内側にして貼り合わせ、シール剤を硬化させてセルを作製した。該このセルにメルク社製液晶組成物ZLI−6610(Δε=−3.1、Δn=0.0996)を真空注入し、注入口に光硬化剤を塗って、硬化剤以外の部分にUV光が照射されないようにアルミ箔でセルをマスキングし、UVを照射して光硬化剤を硬化して注入口を封止した。次いで、セルを110℃で30分間加熱処理して液晶表示素子を作製した。
作製した液晶表示素子に±9Vの矩形波(周波数30Hz)を1分間印加し続けた後、同じ±9Vの矩形波を印加しながら30,000mJ/cmのUVを照射した。
[実施例2〜99、比較例1〜15]
表2に示したように液晶配向剤および光重合性モノマーを変更した以外は、実施例1に準拠して実施例2〜99、比較例1〜15の液晶表示素子を作製した。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
Figure 0005522385
<3.応答時間の評価>
実施例1〜99、比較例1〜15で作製した液晶表示素子について、応答時間の測定を以下の手順で行った。
応答時間(τ;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社のLCD5200型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。ローパス・フィルターは5kHzに設定した。作製した液晶表示素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である。立ち上がり時間(τr:rise time)は、透過率が10%から90%に変化するのに要した時間である。立下がり時間(τf:fall time)は、透過率90%から10%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立下がり時間との和である。結果を表3に示す。
Figure 0005522385
Figure 0005522385
二級アミンの構造または三級アミンの構造を持つ原料を反応させて得たポリアミック酸を含有する液晶配向剤から形成される液晶配向膜を使用した液晶表示素子に、電圧を印加しながらUV照射して光重合性モノマーを反応させた。こうして作製した液晶表示素子を電圧駆動すると、応答時間を短縮する効果が顕著に発揮されたことが、表3にまとめた結果から分かる。
<4.電気特性の評価>
1)電圧保持率の測定
東陽テクニカ製液晶物性評価装置6254型を用いて前記液晶表示素子の電圧保持率の測定を行った。パルス電圧はゲート幅60μs、周波数30Hz、波高値1Vで、測定温度は60℃とした。この値が大きいほど電気特性は良好といえる。電圧保持率の測定はUV照射による配向処理の前後に行った。UV照射による電圧保持率の低下が少ないほど、UV耐性が高いといえる。測定の結果を表4に示す。
Figure 0005522385
表4より、本発明に係るテトラカルボン酸二無水物およびジアミンを原料に用いた液晶配向剤で液晶配向膜を形成すると、液晶表示素子の電圧保持率がUV照射によって低下しにくいことが分かる。したがって、応答速度が速いだけではなく、光重合性ポリマーを重合させるためのUV照射によるダメージを受けにくい液晶表示素子を作製することができる。

Claims (33)

  1. 対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層とを有し、
    液晶組成物に電圧を印加することによって液晶配向膜表面に存在する光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーの一部または全部を配向させ、
    電圧を印加したまま光を照射して該配向状態を固定化させる工程を経て作製される液晶表示素子において、
    式(I)または(II)で表される構成単位を有する、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリイミド、その前駆体であるポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体から選択される少なくとも1つと、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーを含有する液晶配向剤を使用して形成される液晶配向膜を有する液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    式(I)および(II)において、
    R’は独立して−Hまたは炭素数1〜4のアルキルであり;
    は独立して2価の有機基であり;
    は独立して4価の有機基であり;
    およびRはポリマー中の構成単位ごとに異なっていてもよく;
    少なくとも1つのRおよび/またはRは二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するが、
    二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するR は、下記の式(III−1)〜(III−3)で表される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの群から選択される少なくとも1つに由来する残基であり、
    二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するR は、下記の式(IV−1)および(IV−2)で表される二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の群から選択される少なくとも1つに由来する残基である:
    Figure 0005522385
    式(III−1)〜(III−3)において、
    環Aは独立してフェニレン、シクロへキシレンまたはピペラジンジイルであり;
    21 は独立して単結合、−O−、−S−、−NR 21 −、−S−S−、−SO −、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH −、−C(CF −、−(CH −、−O−(CH −O−、−S−(CH −S−、または−NR 21 −(CH −NR 21 −であり;
    mは独立して1〜12の整数であり;
    21 は独立して−Hまたは炭素数1〜10のアルキルであり;
    シクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の−Hは、−F、−CONH 、−OH、−COOH、または炭素数1〜10のアルキルで置き換えられていてもよく;
    各式において、少なくとも1つのG 21 は−NR 21 −または−NR 21 −(CH −NR 21 −であり、mは1〜12の整数であるか、または、少なくとも1つの環Aはピペラジンジイルであり;
    Figure 0005522385
    式(IV−1)において、
    環Bはシクロへキシレン、フェニレン、ピペラジンジイルまたはゴナンであり、
    ベンゼン環およびゴナン骨格上の1〜3個の−Hは炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、アセトアミド、−Fまたは−Clで置き換えられていてもよく、
    30 の両側にフェニレンが連結しているとき、2つのフェニレンのY 30 と結合している部位に隣接する炭素が結合して2つのフェニレンを含む縮合環を形成していてもよく、
    ピペラジン環の任意の−Hは独立して炭素数1〜3のアルキルで置き換えられていてもよく;
    31 はNまたはCHであり;
    qは0〜4の整数であり;
    30 は独立して−(CH −であり、
    この−(CH −のうち2つまでの−CH −が独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−NH−,−NMe−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C 2p N(C 2p COOH)C 2p −、−CH(C 2p OH)−、−CH(C 2p+1 )−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは0〜30の整数であり;
    30 は−(CH −または式(IV−1−a)、式(IV−1−b)、式(IV−1−c)で表される2価の基から選択される1つであり、
    この−(CH −のうち2つまでの−CH −が独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−NH−,−NMe−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C 2p N(C 2p COOH)C 2p −、−CH(C 2p OH)−、−CH(C 2p+1 )−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは0〜30の整数であり、
    Figure 0005522385
    式(IV−1−a)において、R 31 は独立して炭素数1〜22のアルキルであり、
    式(IV−1−b)において、X 31 は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、
    環Cはシクロへキシレンまたはフェニレンであり、
    32 は−Hまたは炭素数1〜30のアルキルであり、該アルキルの−CH −は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、hは0〜2の整数であり、
    式(IV−1−c)において、R 33 は−Hまたは−CH であり、
    34 は−H、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルであり;
    30 は式(IV−1−d)であり;
    Figure 0005522385
    式(IV−1−d)において、
    32 は単結合、−O−、−COO−、−OCO−,−CO−、−CONH−、または炭素数1〜6のアルキレンであり、
    33 は独立して、単結合、−O−(ただし非連続)、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−、または炭素数1〜48のアルキレンであり、該アルキレンにおいて、任意の−CH −は独立して−CF −、−CHF−、−O−(ただし非連続)、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、該アルキレンの−Hは独立して、−F、−CH 、−OCH 、−OCH F、−OCHF 、または−OCF で置き換えられていてもよく、
    Dは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、アントラセン−9,10−ジイルから選択される2価の基、またはステロイド骨格を有する2価の基であり、Dの任意の−Hは独立して炭素数1〜30のアルキル、フェニル、−F、−OCH 、−OCH F、−OCHF 、または−OCF で置き換えられていてもよく、
    35 は−H、−Fまたは−C≡Nであり;
    rは0〜9の整数である。
    ただし、式(IV−1)において、少なくとも1つのG 31 はNであるか、X 30 およびY 30 の少なくとも1つは−NH−または−NMe−で置き換えられた−(CH −であるか、または少なくとも1つの環Bはピペラジンである。
    Figure 0005522385
    式(IV−2)において、
    31 はメチレン、フェニレン、ピペラジンジイル、シクロへキシレンまたは炭素数1〜6のアルキルで置換されていてもよいフェニレンであり;
    sは1〜6の整数であり;
    31 はNまたはCHであり;
    tは1〜10の整数であり;
    36 およびR 37 は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルである。
    ただし、式(IV−2)において、少なくとも1つのG 31 はNであるか、Y 31 の少なくとも1つはピペラジンジイルである。
  2. 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンが、下記の式(III−1−1)、(III−1−2)、(III−2−1)〜(III−2−6)、および(III−3−1)〜(III−3−4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
  3. 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンが、請求項に記載の式(III−1−1)、(III−1−2)、(III−2−1)、(III−3−1)、および(III−3−2)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
  4. 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が、下記の式(IV−1−1)〜(IV−1−14)、(IV−2−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    式(IV−1−1)において、X40は、−(CH−であり、このうち2つまでの−CH−は独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−C2qN(C2pCOOH)C2q−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2q+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、pは独立して0〜30の整数であり、そしてqは独立して1〜30の整数である。
    式(IV−1−4)〜(IV−1−8)において、Y40は独立して、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−、−N(CH)−(CH−N(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−(CH−、−O−(CH−O−、または−S−(CH−S−であり、そしてsは1〜6の整数である。
    式(IV−1−2)〜(IV−1−8)において、シクロヘキサン環またはベンゼン環の−Hは独立して、−F、−CH、−CF、−OH、−COOH、−SOH、または−POで置き換えられていてもよい。
    式(IV−1−3)において、ベンゼン環の−Hはベンジルで置き換えられていてもよい。
    式(IV−1−2)〜(IV−1−9)において、X41は独立して、−(CH−であり、このうち2つまでの−CH−は独立して−O−(ただし非連続)、−S−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−CH(C2pOH)−、−CH(C2p+1)−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく、mは0〜30の整数であり、pは独立して0〜30の整数である。
    式(IV−1−9)において、A41は独立して炭素数1〜10のアルキル、炭素数1〜10のアルコキシ、−NHCOCH、−F、−Cl、または−Brであり、
    42は独立して炭素数1〜3のアルキルであり、
    jは0〜3の整数であり、
    kは0〜4の整数である。
    式(IV−1−10)において、A43は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、または(CH−であり、sは1〜6の整数であり、
    40は、ステロイド骨格を有する基、または式(IV−1−10−a)で表される基である。
    Figure 0005522385
    式(IV−1−10−a)中、Y42およびY43はそれぞれ独立して、単結合、−O−(ただし非連続)、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−または炭素数1〜12のアルキレンであり、
    45およびR46はそれぞれ独立して−Fまたは−CHであり、
    環Sは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、またはアントラセン−9,10−ジイルであり、
    47は−H、−F、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のフッ素置換アルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−C≡N、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり、
    aおよびbはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、
    c、dおよびeはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、
    fおよびgはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、そして
    c+d+e≧1である。
    式(IV−1−11)および(IV−1−12)において、R48は独立して−Hまたは−CHであり、
    49は−H、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルであり、
    44は独立して単結合、−CO−または−CH−である。
    式(IV−1−12)において、R410はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルである。
    式(IV−1−13)および(IV−1−14)において、X42は独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンである。
    式(IV−1−13)において、R41は−Hまたは炭素数1〜30のアルキルであり、該アルキルのうち、炭素数1〜30のアルキルの任意の−CH−は、−O−(ただし非連続)、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
    43は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、
    環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
    qは0または1である。
    式(IV−1−14)において、R412は炭素数6〜22のアルキルであり、
    413は−Hまたは炭素数1〜22のアルキルである。
    式(IV−2−1)において、R42およびR43はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、
    41は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、
    sは1〜6の整数であり、そして
    tは1〜10の整数である。
  5. 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が式(IV−1−1−1)〜(IV−1−1−7)、(IV−1−2−1)〜(IV−1−2−3)または(IV−1−3−1)〜(IV−1−3−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
  6. 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が、請求項に記載の式(IV−1−1−1)、(IV−1−1−3)、(IV−1−1−4)、(IV−1−2−2)、および(IV−1−3−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
  7. 級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンが、下記の式(V−1)〜(V−7)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    式(V−1)〜(V−7)において、
    mは独立して1〜12の整数であり;
    51は独立して単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH−、−C(CF−、−(CHm’−、−O−(CHm’−O−、または−S−(CHm’−S−であり、m’は独立して1〜12の整数であり;
    52は独立して単結合、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−C(CH−、−C(CF−、または炭素数1〜10のアルキレンであり;
    各式中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の任意の−Hは、−F、−CH、ベンジルまたは−CFで置き換えられていてもよく;そして、
    シクロヘキサン環またはベンゼン環へ−NHが結合するのは、G51またはG52の結合位置を除く任意の位置である。
  8. 級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンが、下記の式(V−5−1)〜(V−5−12)、(V−5−31)、(V−5−32)、および(V−7−3)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
  9. 級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンが、側鎖構造を有するジアミンの少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
  10. 側鎖構造を有するジアミンが、下記の式(VI−1)〜(VI−5)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    式(VI−1)において、
    60は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、または−(CH−であり、mは1〜12の整数であり;
    60は炭素数3〜20のアルキル、フェニル、ステロイド骨格を有する基、シクロヘキシル、または式(VI−1−a)で表される基であり;
    このアルキルにおいて、任意の−Hは−Fで置き換えられていてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
    このフェニルの−Hは、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、−OCF、炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシで置き換えられていてもよく;
    このシクロヘキシルの−Hは炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシで置き換えられていてもよく;そして、
    ベンゼン環へ−NHが結合するのは任意の位置である。
    ただし、G60が−(CH−であり、mが1であり、R60がフェニルであるとき、このフェニルの少なくとも一つの−Hは、−F、−CH、−OCH、−OCHF、−OCHF、−OCF、炭素数3〜20のアルキル、または炭素数3〜20のアルコキシで置き換えられている。
    Figure 0005522385
    式(VI−1−a)において、R61は−H、−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のフッ素置換アルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHF、または−OCFであり;
    61、G62およびG63は結合基であり、これらは独立して単結合または炭素数1〜12のアルキレンであり、このアルキレンの1つ以上の−CH−は−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−で置き換えられていてもよく;
    60、A61、A62およびA63は環であり、これらは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、またはアントラセン−9,10−ジイルであり;
    すべての環において、任意の−Hは−Fまたは−CHで置き換えられていてもよく;
    f、gおよびhは独立して0〜2の整数であり、これらの合計は1〜5であり;そして、
    f、gまたはhが2であるとき、各々の括弧内の2つの結合基は同じであっても異なっていてもよく、2つの環は同じであっても異なっていてもよい。
    Figure 0005522385
    式(VI−2)および(VI−3)において、
    62は独立して−Hまたは−CHであり;
    63は独立して−H、炭素数1〜20のアルキル、または炭素数2〜20のアルケニルであり;
    64は独立して単結合、−CO−または−CH−であり;
    式(VI−3)におけるベンゼン環の1つの−Hは、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルで置き換えられていてもよく;そして、
    環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その結合位置が任意であることを示す。
    Figure 0005522385
    式(VI−4)および(VI−5)において、
    64は−Hまたは炭素数1〜20のアルキルであり、このアルキルにおける任意の−CH−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
    65は炭素数6〜22のアルキルであり;
    66は−Hまたは炭素数1〜22のアルキルであり;
    65は−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり;
    64は1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり;
    66は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり;
    qは0または1であり;そして、
    ベンゼン環への−NHの結合位置は任意である。
  11. 側鎖構造を有するジアミンが下記式(VI−1−1)、(VI−1−2)、(VI−1−4)〜(VI−1−6)、(VI−1−21)、(VI−1−22)、(VI−1−27)、(VI−1−28)、(VI−1−30)、(VI−1−39)、(VI−1−41)〜(VI−1−45)および(VI−2−1)〜(VI−2−4)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項9に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    式(VI−1−1)および(VI−1−2)において、R4aは炭素数3〜20のアルキルまたは炭素数3〜20のアルコキシであり;
    式(VI−1−4)〜(VI−1−6)において、R5aは炭素数1〜18のアルキルまたは炭素数1〜18のアルコキシであり;
    式(VI−1−21)、(VI−1−27)および(VI−1−39)において、R5bは−H、−F、炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルコキシ、−CN、−OCHF、−OCHFまたは−OCFであり;そして、
    式(VI−1−22)、(VI−1−28)および(VI−1−30)において、R4dは炭素数1〜20のアルキル、または炭素数1〜20のアルコキシである。
  12. 側鎖構造を有するジアミンが請求項11に記載の式(VI−1−2)、(VI−1−5)、(VI−1−6)、(VI−1−21)、(VI−1−39)、および(VI−1−41)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項に記載の液晶表示素子。
  13. 級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンの共重合時共に使用されるジアミンが式(VII)で表される化合物である、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    式(VII)において、
    71およびR72は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり;
    70はメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり;
    sは1〜6の整数であり;そして
    tは1〜10の整数である。
  14. 級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の共重合時共に使用されるテトラカルボン酸二無水物が、下記の式(VIII−1)〜(VIII−13)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    式(VIII−1)において、
    81は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、1,4−フェニレン、または1,4−シクロヘキシレンであり;そして、
    81は独立して単結合または−CH−である。
    Figure 0005522385
    式(VIII−2)において、
    81、R82、R83、およびR84は−H、−CH、−CHCH、またはフェニルである。
    Figure 0005522385
    式(VIII−3)において、環A81はシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
    Figure 0005522385
    式(VIII−4)において、
    82は単結合、炭素数1〜12のアルキレン、−O−、−CO−、−S−、−C(CH−、−SO−、または−C(CF−であり;そして、
    環A81は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
    Figure 0005522385
    式(VIII−5)において、R85は−H、または−CHである。
    Figure 0005522385
    式(VIII−6)において、
    81は独立して単結合または−CH−であり;そして、
    vは1または2である。
    Figure 0005522385
    式(VIII−7)において、X81は単結合または−CH−である。
    Figure 0005522385
    式(VIII−8)において、
    86は−H、−CH、−CHCH、またはフェニルであり;そして、
    環A82はシクロヘキサン環またはシクロヘキセン環である。
    Figure 0005522385
    式(VIII−9)において、w81およびw82は0または1である。
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    式(VIII−11)において、環A81は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
    Figure 0005522385
    式(VIII−12)において、X82は炭素数2〜6のアルキレンであり、そして、
    Phはフェニルの略号である。
    Figure 0005522385
  15. 級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の共重合時共に使用されるテトラカルボン酸二無水物が、下記の式(VIII−1−1)、(VIII−2−1)、(VIII−3−1)、(VIII−3−2)、(VIII−4−23)、(VIII−7−2)、(VIII−10)、(VIII−12−1)、および(VIII−13)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    式(VIII−12−1)において、Phはフェニルの略号である。
  16. 級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物の共重合時共に使用されるテトラカルボン酸二無水物が、請求項15に記載の式(VIII−1−1)、(VIII−2−1)、(VIII−3−1)、(VIII−3−2)、(VIII−4−23)、(VIII−7−2)、および(VIII−12−1)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
  17. 二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミンが、請求項に記載の式(III−1−1)および/または(III−2−1)で表される化合物であり、
    二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物が、請求項に記載の式(IV−1−1−1)で表される化合物であり、
    二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するジアミン以外のジアミンが下記の式(V−5−1)、(V−5−5)および請求項11に記載の式(VI−1−5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
    二級アミンの構造または三級アミンの構造を有するテトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物が、請求項15に記載の式(VIII−1−1)、(VIII−2−1)、(VIII−3−1)、(VIII−3−2)、(VIII−4−23)、(VIII−7−2)、および(VIII−12−1)からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
  18. 光重合性モノマーが下記式(IX)で表される化合物の少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。

    −Z−(E−Z)−R (IX)

    式(IX)において、
    は、独立して下記の式(IX−1−1)〜(IX−1−5)で表される重合性基、−H、ハロゲン、−CN、−CF、−CFH、−CFH、−OCF、−OCFH、−N=C=O、−N=C=S、または炭素数1〜20のアルキルであり;
    このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
    任意の−Hは、ハロゲンまたは−CNで置き換えられていてもよく;
    の少なくとも1つは式(IX−1−1)〜(IX−1−5)で表される重合性基であり;
    Eは環であり、独立して炭素数3〜20の飽和または不飽和の独立環、縮合環、またはスピロ環式の2価基であり;
    これらの環において、任意の−CH−は−O−で置き換えられていてもよく;
    任意の−CH=は−N=で置き換えられていてもよく;
    任意の−Hは、ハロゲン、−CN、−NO、−NC、−N=C=O、−N=C=S、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルで置換されたシリル、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられていてもよく;
    このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
    Zは、独立に単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり;
    このアルキレンにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−、または−C≡C−で置き換えられていてもよく;
    任意の−Hはハロゲンで置き換えられていてもよく;そして、
    sは1〜6の整数であり、
    sが2〜6の整数であるとき、括弧内の複数の−E−Z−は同じであっても、異なっていてもよい。
    Figure 0005522385
    式(IX−1−1)〜(IX−1−5)において、Rは−H、ハロゲン、−CF、または炭素数1〜5のアルキルである。
  19. 式(IX)におけるRの少なくとも1つが、請求項18に記載の式(IX−1−1)、(IX−1−2)または(IX−1−3)のいずれかで表される重合性基である、請求項1に記載の液晶表示素子。
  20. 請求項18に記載の式(IX)における環Eが、独立して1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、トリプチセン−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3,6−ジイルで表される2価の基であり;
    これらの環において、任意の−CH−は−O−で置き換えられていてもよく;
    任意の−CH=は−N=で置き換えられていてもよく;
    任意の−Hは、ハロゲン、−CN、−NO、−N≡C、−N=C=O、−N=C=S、1〜3個の炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルで置換されたシリル、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられていてもよく;
    このアルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられていてもよい、請求項1に記載の液晶表示素子。
  21. 請求項18に記載の式(IX)における環Eが、独立して下記の式(IX−2−1)〜(IX−2−25)で表される基の群から選択される1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    式(IX−2−1)〜(IX−2−25)において、Lはハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のアルコキシ、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルである。
  22. 光重合性モノマーが、下記の式(IX−3−1)〜(IX−3−12)で表される化合物の群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    Figure 0005522385
    式(IX−3−1)〜(IX−3−12)において、
    は−Hまたは−CHであり;
    は独立して−H、ハロゲン、−CH,−CF、−OCHであり;そして、
    m2、m3は独立して1〜20の整数である。
  23. 光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーを、ポリイミド、ポリアミック酸またはポリアミック酸誘導体を含む固形分総量の0.01〜50重量%含有している、請求項1に記載の液晶表示素子。
  24. さらに重合開始剤および/または重合禁止剤を含有している、請求項23に記載の液晶表示素子。
  25. 基板上に塗布した液晶配向剤層を100〜230℃の温度で焼成したときに、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーの50重量%以上が熱重合せずに残存している、請求項1に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜を用いた液晶表示素子。
  26. 基板上に塗布した液晶配向剤層を180〜230℃の温度で焼成したときに、光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーの50重量%以上が熱重合せずに残存している、請求項25に記載の液晶表示素子。
  27. 1,000〜300,000mJ/cmの紫外光を照射して光重合性モノマーおよび/または光重合性オリゴマーを反応させることにより得られる、請求項1に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜を用いた液晶表示素子。
  28. 式(I)または(II)で表されるポリイミド、ポリアミック酸またはポリアミック酸誘導体の、分子中のすべてのRおよびRの4〜50%が光によりラジカルを発生する基である、請求項1に記載の液晶表示素子。
  29. ラジカルを発生する化合物をさらに含む配向剤を用いた、請求項28に記載の液晶表示素子。
  30. ラジカルを発生する化合物のラジカルを発生する基がベンゾフェノン骨格およびシンナメート骨格を有する基の群から選択される少なくとも1つである、請求項29に記載の液晶表示素子。
  31. ラジカルを発生する基が下記の式(X−1)〜(X−4)で表される2価の基、および式(X−5)で表される4価の基の群から選択される少なくとも1つである、請求項29に記載の液晶表示素子。
    Figure 0005522385
    式(X−1)〜(X−4)中、R100は−Hまたは炭素数1〜25の炭化水素基であり、この炭化水素基の任意の−Hは−Fで置き換えられていてもよく;
    101およびX102は独立して単結合、−COO−、−OCO−または−O−であり;
    103は−COO−、−OCO−または−O−であり;そして、
    101は炭素数2〜6のアルキレンである。
    Figure 0005522385
  32. 請求項1〜31のいずれか1項に記載の、液晶組成物に電圧を印加することによって液晶配向膜表面に存在する光重合性モノマーまたは光重合性オリゴマーの一部または全部を配向させ、電圧を印加したまま光を照射して該配向状態を固定化させる工程を経て作製される、液晶表示素子を作製する工程で、当該液晶配向膜を形成するために用いられる液晶配向剤。
  33. 請求項32に記載の液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜。
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