JP2023033139A - 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶の配向性が良好な液晶配向剤を提供する。【解決手段】-NH2を1つ有する化合物と光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体とを含む原料から合成される光反応性構造を有するアミック酸系化合物を含む液晶配向剤を用いて、優れた液晶配向性を示す液晶配向膜を形成することができる。この液晶配向膜を備える液晶表示素子は、高いコントラストを示し、長時間の使用による残像が生じにくい。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、この液晶配向剤を用いて形成される液晶配向膜、この液晶配向膜を有する液晶表示素子に関する。
液晶表示素子として、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、垂直配向型のVA(Multi-domain Vertical Alignment)モード等、様々な駆動方式のものが知られている。これらの液晶表示素子は、テレビ、携帯電話等、各種電子機器の画像表示装置に応用されており、さらなる表示品位の向上を目指して開発が進められている。具体的には、液晶表示素子の性能の向上は、駆動方式、素子構造の改良のみならず、素子に使用される構成部材によっても達成される。そして、液晶表示素子に使用される構成部材のなかでも、特に液晶配向膜は表示品位に係わる重要な材料の1つであり、液晶表示素子の高品位化の要求に応えるべく、この液晶配向膜についても盛んに研究が進められている。
ここで、液晶配向膜は、液晶表示素子の液晶層の両側に設けられた一対の基板上に、該液晶層に接して設けられ、液晶層を構成する液晶分子を、基板に対して一定の規則性を持って配向させる機能を有する。液晶配向性の高い液晶配向膜を用いることにより、コントラストが高く、残像特性が改善された液晶表示素子を実現することができる。
こうした液晶配向膜の形成には、現在、ポリアミック酸、可溶性のポリイミドまたはポリアミック酸エステルを有機溶剤に溶解させた溶液(ワニス)が主に用いられている。これらのワニスにより液晶配向膜を形成するには、ワニスを基板に塗布した後、加熱等により塗膜を固化してポリイミド系液晶配向膜を形成し、必要に応じて前述の表示モードに適する配向処理を施す。配向処理方法としては、布などで配向膜の表面を擦ってポリマー分子の方向を整えるラビング法と、配向膜に直線偏光の紫外線を照射することにより、ポリマー分子に光異性化や二量化等の光化学変化を起こさせて膜に異方性を付与する光配向法が知られている。このうち光配向法は、ラビング法に比べて配向の均一性が高く、また、非接触の配向処理法であるため膜に傷が付かないことや、発塵や静電気等の液晶表示素子の表示不良を発生させる原因を低減できる等の利点がある(特許文献1等)。特許文献2ではポリアミック酸またはその誘導体に特定構造を有する光反応性構造を導入し、光配向法により異方性を付与することができるとともに、光に対して安定な液晶配向膜を提供している。
国際公開第2015/016118号 特開2020-184023号公報
本発明の課題は、液晶の配向性が良好な液晶配向剤を提供することであり、そして、この液晶配向剤から形成される液晶配向膜を有する液晶表示素子を提供することである。
特許文献1および2に記載されるように、従来、光配向法で使用される液晶配向剤は、光反応性構造を有するポリマーを含み、このポリマー分子に光化学変化を起こさせて膜に異方性を付与していた。しかし、本発明者らが、上記課題の解決のため、鋭意検討を行なっていたところ、光反応性構造を有する非ポリマーを含む液晶配向剤を用いて、液晶の配向性が良好な液晶配向膜が得られることを初めて見出した。本発明はこの知見に基づき完成されたものである。
本発明は以下からなる。
<1> 光反応性構造を有するアミック酸系化合物を含む液晶配向剤であって、
前記アミック酸系化合物が-NH2を1つ有する化合物と光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体とを含む原料から合成される化合物である液晶配向剤。
<2> 前記光反応性構造が光フリース転位を起こす構造である<1>に記載の液晶配向剤。
<3> 前記原料が前記テトラカルボン酸誘導体として式(1)で表される化合物を含む<1>または<2>に記載の液晶配向剤:
A-X-Q-X-A (1)
式中、Aはそれぞれ独立して、以下のいずれかの式で表される1価の基であり、以下の式において、nは1~4の整数、*は結合位置を表し;
Figure 2023033139000001
Qは以下のいずれかの式で表される2価の基であり;
Figure 2023033139000002
上記の2価の基はいずれも置換基を有していてもよく、前記置換基は-CH3、-OCH3、-CF3、および-Fからなる群より選択され、*は結合位置を表し;
Xはそれぞれ独立して、-COO-、-NHCOO-、または-OCOO-である。
<4> 前記式(1)において、Qが以下のいずれかの式で表される2価の基である、<3>に記載の液晶配向剤;
Figure 2023033139000003
上記の2価の基はいずれも置換基を有していてもよく、
前記置換基は-CH3、-OCH3、-CF3、および-Fからなる群より選択され、
*は結合位置を表す。
<5> 前記原料が前記テトラカルボン酸誘導体として以下のいずれかの化合物を含む<1>~<4>のいずれかに記載の液晶配向剤。
Figure 2023033139000004
<6> 前記原料が前記テトラカルボン酸誘導体として以下のいずれかの化合物を含む<1>~<4>のいずれかに記載の液晶配向剤。
Figure 2023033139000005
<7> 前記原料が前記-NH2を1つ有する化合物として水酸基を有する化合物またはカルボキシルを有する化合物の少なくとも1つを含む<1>~<6>のいずれかに記載の液晶配向剤。
<8> 前記原料が前記-NH2を1つ有する化合物として水酸基を有する化合物とカルボキシルを有する化合物とを含む<1>~<6>のいずれかに記載の液晶配向剤。
<9> さらに、テトラカルボン酸誘導体とジアミンおよびジヒドラジドからなる群より選択される少なくとも1つのジアミン化合物とを含む原料からの反応生成物であるポリマーを含み、
前記ポリマーが光反応性構造を含んでいない、<1>~<8>のいずれかに記載の液晶配向剤。
<10> ポリマーを実質的に含有していない、<1>~<8>のいずれかに記載の液晶配向剤。
<11> <1>~<10>のいずれかに記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜。
<12> <11>に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
<13> 液晶配向膜の製造方法であって、
<1>~<10>のいずれかに記載の液晶配向剤を基板に塗布して形成した液晶配向剤の膜に、偏光を照射して異方性を付与した後、加熱焼成を行う工程を有する、液晶配向膜の製造方法。
<14> <13>に記載の液晶配向膜の製造方法によって液晶配向膜を形成することを含む、液晶表示素子の製造方法。
本発明の液晶配向剤により、液晶の配向性が良好な液晶配向膜を得ることができる。この液晶配向膜を用いることにより、高いコントラストを示し、長時間の使用による残像が生じにくい表示特性の優れた液晶表示素子を提供できる。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
<<液晶配向剤>>
本明細書において「液晶配向剤」は液晶を配向させる機能を有する化合物または組成物を意味する。液晶配向剤を用いて液晶配向膜を形成することができる。本発明の液晶配向剤は光配向用液晶配向剤として用いることができる。本明細書において、「光配向用液晶配向剤」とは、その膜を基板上に形成したとき、偏光を照射することで異方性を付与することができる液晶配向剤を意味する。
本発明の液晶配向剤は、少なくとも、-NH2を1つ有する化合物と光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体とを含む原料から合成される、光反応性構造を有するアミック酸系化合物を含む。本発明の液晶配向剤は、さらに、溶剤、ポリマー、その他の添加剤を含んでいてもよい。
<アミック酸系化合物>
本発明の液晶配向剤は、光反応性構造を有するアミック酸系化合物を含む。本発明の液晶配向剤は、光反応性構造を有する化合物を含むことにより、光配向法により配向性を付与することができる。
本明細書において「光反応性構造」とは、光の照射により構造が変化する原子団を意味する。こうした光反応性構造は、通常、光を吸収して化学変化を起こす特定部位(光反応性基)を有し、その光反応性基の化学変化に起因して構造が変化する。以下の説明では、こうした光吸収によって起こる光反応性構造の化学反応を「光化学反応」といい、光化学反応に起因して生じた構造の変化を光化学変化という。光化学反応は、電子が光を吸収して励起され、それによって引き起こされる化学反応であり、加熱により起こる化学反応とは区別される。光化学変化の具体例として、光二量化、光フリース転位等を挙げることができ、光フリース転位が好ましい。具体的な構造については、テトラカルボン酸誘導体の説明における光反応性構造についての説明を参照することができる。
本発明の液晶配向剤によって液晶配向膜を形成するには、例えば液晶配向剤を基板に塗布して膜を形成した後、光配向用の偏光を照射する。これにより、その偏光方向と概ね平行にある光反応性構造が選択的に光化学反応を起こして構造が変化し、光化学反応(フリース転位反応)が生じると考えられる。そのため、光照射によってランダム配向している分子のうち、その偏光方向と概ね平行にある光反応性構造において、光化学反応(光フリース転位反応)が起きて、その結果、偏光方向に対して概ね直角をなす分子の配向成分が支配的になり、特定方向に高度に配向した状態になる。その後、この光配向させた膜を加熱して焼成することにより、固体の液晶配向膜が形成される。従来このような配向のためには光反応性構造を有するポリマーが用いられていたが、本発明者らは、光反応性構造を有する非ポリマー化合物を用いて、光配向が可能であることを見出した。
本発明の液晶配向剤に含まれる光反応性構造を有するアミック酸系化合物は、非ポリマー化合物であり、分子量は、3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1500以下であることがさらに好ましい。
光反応性構造を有するアミック酸系化合物は、光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体と-NH2を1つ有する化合物とを含む原料から合成される化合物である。
アミック酸系化合物は、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル、およびテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物に対応するテトラカルボン酸の2つのカルボキシルがそれぞれ-NH2を1つ有する化合物の-NH2と反応して、2つの水分子が脱離する工程を含んで合成されたものであればよい。したがって、アミック酸系化合物はテトラカルボン酸誘導体1分子に対して-NH2を1つ有する化合物2分子が反応して得られる化合物である。
アミック酸系化合物は、典型的には、アミック酸基を2つ有するアミック酸(ビスアミック酸)である。また、アミック酸系化合物は、アミック酸誘導体であってもよい。例えば、アミック酸から誘導されるアミック酸エステル、またはアミック酸アミドであってもよい。
以下に、アミック酸系化合物について詳細を説明する。
アミック酸系化合物の1つであるアミック酸は、下記反応式に示すように、式(MA)で表される-NH2を1つ有する化合物と式(PAN)で表されるテトラカルボン酸誘導体との化学反応により合成される化合物であり、式(AA)で表される。アミック酸を含む液晶配向剤は、液晶配向膜を形成させる工程で加熱焼成すると、アミック酸がイミド化され式(IA)で表される液晶配向膜を形成することができる。
Figure 2023033139000006
(式中、X2は1価の有機基を表す。X1は4価の有機基を表す。)
本発明におけるアミック酸は、例えば、式(MA)と式(PAN)を非プロトン性極性有機溶剤中で撹拌し、必要に応じて加熱することにより得ることができる。加熱する場合は、40℃~80℃であることが好ましく、50℃~80℃であることがより好ましく、60℃~80℃であることがさらに好ましい。
1における4価の有機基の好ましい範囲と具体例については、下記のテトラカルボン酸誘導体の欄に記載したテトラカルボン酸誘導体の対応する構造を参照することができる。X2における1価の有機基の好ましい範囲と具体例については、下記の-NH2を1つ有する化合物の欄に記載した-NH2を1つ有する化合物に対応する構造についての記載を参照することができる。
さらに、例えば、アミック酸エステルは、前述のアミック酸と水酸基含有化合物、ハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等とを反応させること、または酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸ジエステルもしくはテトラカルボン酸ジエステルハロゲン化物とモノアミン化合物とを反応させることにより、合成することができる。なお、アミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
本発明の液晶配向剤に含まれる光反応性構造を有するアミック酸系化合物は1つ(1種)であっても2つ(2種)以上であってもよい。本発明の液晶配向剤に最も多く含まれるアミック酸系化合物はビスアミック酸であることが好ましい。本発明の液晶配向剤に含まれる光反応性構造を有するビスアミック酸は1つ(1種)であっても2つ(2種)以上であってもよい。
例えば、式(PAN)で表されるテトラカルボン酸誘導体を2種以上用いて上述のようにアミック酸系化合物を合成することにより、光反応性構造を有するアミック酸系化合物を2種以上含む液晶配向剤を製造することができる。また、式(MA)で表される-NH2を1つ有する化合物を2種以上用いて上述のようにアミック酸系化合物を合成することにより、光反応性構造を有するアミック酸系化合物を2種以上(2種以上の-NH2を1つ有する化合物を同時に反応させる場合は3種以上)含む液晶配向剤を製造することができる。また、別途合成された2種以上のアミック酸系化合物を混合して、光反応性構造を有するアミック酸系化合物を2種以上含む液晶配向剤を製造することができる。
本発明の液晶配向剤における光反応性構造を有するアミック酸系化合物の含有量は、液晶配向剤の固形分総質量(溶剤質量を除いた質量)に対して、20~100質量%であることが好ましく、30~100質量%であることがより好ましい。
本発明の液晶配向剤は光反応性構造を有するアミック酸系化合物以外に光反応性構造を有していないアミック酸系化合物をさらに含んでいてもよい。本発明の液晶配向剤中のアミック酸系化合物全モル量に対する光反応性構造を有するアミック酸系化合物のモル量は、30モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。
アミック酸系化合物および光反応性構造を有するアミック酸系化合物は、多量の貧溶媒で沈殿させて得られる固形分をIR(赤外分光法)、NMR(核磁気共鳴分析)で分析することによりその存在を確認することができる。
<テトラカルボン酸誘導体>
アミック酸系化合物の原料の1つとして、少なくとも1つのテトラカルボン酸誘導体が用いられる。テトラカルボン酸誘導体とは、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル、およびテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物からなる群より選択される少なくとも1つを意味する。テトラカルボン酸誘導体としては、一般的には、テトラカルボン酸二無水物を用いればよく、アミック酸系化合物の製造時の必要に応じて、テトラカルボン酸ジエステルまたはテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物を用いればよい。テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸ジエステルは例えば、テトラカルボン酸二無水物を2当量のアルコールと反応させることによって開環させて得ることができ、テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、テトラカルボン酸ジエステルを2当量のハロゲン化剤(例えば塩化チオニルなど)と反応させることで得ることができる。
光反応性構造を有するアミック酸系化合物の合成に用いられるテトラカルボン酸誘導体としては、光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体が少なくとも1つ用いられる。例えば、光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体として1つ(1種)の化合物を用いてもよく、2つ(2種)以上の化合物を用いてもよい。
本発明の液晶配向剤が、さらに光反応性構造を有していないアミック酸系化合物を含むとき、このアミック酸系化合物は、光反応性構造を有していないテトラカルボン酸誘導体を含む原料から合成されていればよい。光反応性構造を有するアミック酸系化合物と光反応性構造を有していないアミック酸系化合物とは同時に合成されていても、別個に合成され混合されていてもよい。
本発明に使用されるテトラカルボン酸誘導体が有する光反応性構造が関わる光反応は、光二量化および光フリース転位からなる群より選択される少なくとも1つの化学反応などが挙げられる。光反応性構造に構造変化を生じる光の波長は、特に制限されないが、150~800nmであることが好ましく、200~400nmであることがより好ましく、200~300nmであることがさらに好ましい。また、光反応性構造に構造変化を生じるのに要する光照射強度は、0.05~10J/cm2であることが好ましい。
本発明に使用されるテトラカルボン酸誘導体が含む光反応性構造は光フリース転位を起こす構造であることが好ましい。光フリース転位を起こす構造としては、エステル結合がその結合中の酸素原子で芳香環に結合している構造、ウレタン結合がその結合中の窒素原子で芳香環に結合している構造が挙げられる。ここで芳香環としては、ベンゼン環の他、ベンゼン環を含む縮合環(ナフタレン、アントラセンなど)が挙げられる。
光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体は、2つの酸無水物基を末端に有し、その間に光反応性構造を少なくとも含む化合物であることが好ましい。酸無水物基としては、例えば無水コハク酸構造を含む基、無水コハク酸にさらに環が縮合した構造(例えば、無水コハク酸構造)を含む基が挙げられる。
光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体の例としては、以下式(1)で表される化合物が挙げられる。
A-X-Q-X-A (1)
式(1)中、Aはそれぞれ独立して、以下のいずれかの式で表される1価の基である。
Figure 2023033139000007
上記式において、n1は1~4の整数、*は結合位置を表す。上記式において、*で結合位置となる一方の末端が示される結合手の他方の末端が環の内部にあるとき、その他方の末端はその環において水素原子と置き換わることにより結合可能ないずれの炭素原子に結合するものであってもよい。
Aはいずれも、以下の式で表される1価の基であることが好ましく、結合位置はいずれかの-(C=O)-の結合位置のパラ位となる位置であることが好ましい。
Figure 2023033139000008
式(1)中、Qは以下のいずれかの式で表される2価の基である。
Figure 2023033139000009
上記式において、*は結合位置を表す。上記式において、*で結合位置となる一方の末端が示される結合手の他方の末端が環の内部にあるとき、その他方の末端はその環において水素原子と置き換わることにより結合可能ないずれの炭素原子に結合するものであってもよい。
例えば、上記各式で表される2価の基の結合位置の例としては以下が挙げられる。
Figure 2023033139000010
Qとして例示した上記の2価の基はいずれも置換基を有していてもよく、前記置換基は-CH3、-OCH3、-CF3、-Fからなる群より選択される。
Qとしては、1,4-フェニレン、4,4’-ビフェニリレン、2,6-ナフチレンが好ましい。いずれも無置換であることがより好ましい。
Xはそれぞれ独立して、-COO-、-NHCOO-、または-OCOO-である。これらはそれぞれいずれの結合手でAに結合していてもよい。Xはいずれも-COO-であることが好ましく、-COO-は、CにおいてAに結合し、OにおいてQに結合していることが好ましい。
光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体のより具体的な例としては、以下いずれかの式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023033139000011
本発明の液晶配向剤が光反応性構造を有していないアミック酸系化合物を含むとき、その合成に用いられる光反応性構造を有していないテトラカルボン酸誘導体は特に限定されず、公知のテトラカルボン酸誘導体(特にテトラカルボン酸二無水物)から制限されることなく選択することができる。具体的な化合物の例としては、後述するポリアミック酸の製造に用いられるテトラカルボン酸誘導体の例を参照することができる。
<-NH2を1つ有する化合物>
アミック酸系化合物の原料としては、テトラカルボン酸誘導体のほか、-NH2を1つ有する化合物が用いられる。本明細書において、-NH2を1つ有する化合物は第1級アミノおよびヒドラジドからなる群より選択される基を構造中に1つのみ有する化合物である。-NH2を1つ有する化合物は公知のものから制限されることなく選択することができる。本発明の液晶配向剤の製造に用いられる-NH2を1つ有する化合物としては、1つ(1種)の化合物を用いても、2つ(2種)以上の化合物を用いてもよい。アミック酸系化合物の合成時に用いられる-NH2を1つ有する化合物はその総量が、テトラカルボン酸誘導体の総量に対して、180~220モル%であることが好ましく、190~210モル%であることがより好ましく、200モル%であることがさらに好ましい。
-NH2を1つ有する化合物として2つ以上の化合物を用い、それらを同時に反応させた場合、1つのテトラカルボン酸誘導体を用いた場合であっても、3つ以上のアミック酸系化合物が生じ得る。本発明の液晶配向剤はこれらの混合物であってもよい。また、必要に応じて、1種のアミック酸系化合物を単離して用いてもよい。
-NH2を1つ有する化合物の例としては、以下式(2-1)~(2-4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023033139000012
式(2-1)において、R1は、-H、-OH、-COOH、-F、または炭素数1~4のアルコキシを表し、m1は1~8の整数である。
式(2-2)~式(2-4)において、nは各々独立して0~5の整数であり、m2は各々独立して0~8の整数である。
式(2-4)において、m3は0~4の整数である。
式(2-2)および式(2-4)において、R2は各々独立して、-OH、-COOH、-F、炭素数1~4のアルキル、炭素数1~4のアルコキシ、または炭素数1~4のヒドロキシアルキルを表す。nが2以上のとき、複数のR2は同一でも異なっていてもよい。
式(2-3)において、R3は各々独立して、-OH、-COOH、-F、炭素数1~4のアルキル、炭素数1~4のアルコキシ、炭素数1~4のヒドロキシアルキル、モルホリニル、オキサゾリル、またはピペラジニルを表す。nが2以上のとき、複数のR3は同一でも異なっていてもよい。
式(2-1)~式(2-4)において、少なくとも1つの-CH2-は-C(=O)NH-、-O-、-NH-に置き換えられてもよいが、Oが隣り合うことはない。
上記の「炭素数1~4のアルキル」および「炭素数1~4のアルコキシ」における炭素数1~4のアルキルは直鎖のアルキルであることが好ましい。また、「炭素数1~4のヒドロキシアルキル」における炭素数1~4のアルキレンは直鎖のアルキレンであることが好ましい。
式(2-1)において、R1は-OHまたは-COOHであることが好ましい。m1は3~8が好ましく、5~8がより好ましい。少なくとも1つの-CH2-が-O-または-NH-に置き換えられていることも好ましい。
式(2-2)および式(2-4)において、nは1または2であることが好ましい。各式において、少なくとも1つのR2は-OH、-COOH、炭素数1~4のヒドロキシアルキル、または炭素数1~4のアルコキシであることが好ましい。
式(2-3)において、nは1または2であることが好ましい。少なくとも1つのR3は-OH、-COOH、炭素数1~4のヒドロキシアルキル、炭素数1~4のアルコキシ、モルホリニル、オキサゾリル、またはピペラジニルであることが好ましい。
式(2-2)~式(2-4)において、m2は各々独立して0~3であることが好ましく、0であることがより好ましい。式(2-4)において、m3は1~3であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。m3が1であり、かつ1つの-CH2-が-C(=O)NH-、-O-、または-NH-に置き換えられていることも好ましい。
式(2-1)で示される-NH2を1つ有する化合物の具体例として、下記式(2-1-1)~(2-1-4)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000013
式(2-2)で示される-NH2を1つ有する化合物の具体例として、下記式(2-2-1)~(2-2-2)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000014
式(2-3)で示される-NH2を1つ有する化合物の具体例として、下記式(2-3-1)~(2-3-10)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000015
式(2-4)で示される-NH2を1つ有する化合物の具体例として、下記式(2-4-1)~(2-4-2)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000016
-NH2を1つ有する化合物としては、水酸基を有する化合物またはカルボキシルを有する化合物の少なくとも1つを用いることが好ましい。
-NH2を1つ有する化合物としては、水酸基を有する化合物とカルボキシルを有する化合物とを同時に用いてもよい。すなわち、R1、R2またはR3として水酸基を含む基(-OH、または炭素数1~4のヒドロキシアルキル)を少なくとも1つ有する化合物とR1、R2またはR3としてカルボキシルを少なくとも1つ有する化合物とを用いてもよい。例えば、カルボキシルを有する化合物である式(2-3-2)で示される化合物は、-NH2を1つおよび水酸基を有する化合物と併用することが好ましい。水酸基を有する化合物とカルボキシルを有する化合物とはアミック酸系化合物の合成時に混合して用いられていてもよく、別のアミック酸系化合物の合成時に水酸基を有する化合物とカルボキシルを有する化合物とがそれぞれ用いられていてもよい。
アミック酸系化合物の合成時の-NH2を1つ有する化合物として、水酸基を有する化合物とカルボキシルを有する化合物とを用いることにより、アミック酸系化合物として水酸基を有する化合物、カルボキシルを有する化合物および双方を有する化合物を含む液晶配向剤を製造することができる。また、-NH2を1つ有する化合物として水酸基を有する化合物を用いて合成されたアミック酸系化合物と、-NH2を1つ有する化合物としてカルボキシルを有する化合物を用いて合成されたアミック酸系化合物とを混合することにより、アミック酸系化合物として水酸基を有する化合物とカルボキシルを有する化合物とを含む液晶配向剤を得ることができる。上記いずれかの液晶配向剤は後述する液晶配向膜を形成するための加熱焼成工程において、上記の水酸基およびカルボキシルが反応してエステル化して高分子化し、異方性が生じた膜の固定化に寄与できる。水酸基を有し、かつ-NH2を1つ有する化合物と、カルボキシルを有し、かつ-NH2を1つ有する化合物とを用いる場合、典型的には両者はモル比で約1:1であればよいが、例えば、液晶配向剤中のポリマーなどの他の成分の有無や量などに応じて1:9~9:1の範囲で調整してもよい。
<ポリマー>
従来、液晶配向剤はポリマーを含む組成物が知られているが、本発明の液晶配向剤は、ポリマーを含まず、アミック酸系化合物のみで構成されていても、液晶の配向性が良好な液晶配向膜を形成することができる。特に、上記の-NH2を1つ有する化合物として、水酸基を有する化合物とカルボキシルを有する化合物とを用いることにより、液晶配向膜を形成するための加熱焼成工程において、上記の水酸基およびカルボキシルが反応してエステル化して高分子化するため、ポリマーを含まない組成でも、安定性の高い液晶配向膜を形成することができる。
一方、本発明の液晶配向剤は、アミック酸系化合物に加えてさらにポリマーを含んで構成されていてもよい。必要に応じて、ポリマーを含む構成にすることによって、液晶配向剤の保存安定性、液晶配向剤の表示素子基板への印刷性、および形成される液晶配向膜の特性のバランスを調整することができる。
アミック酸系化合物とポリマーとは、分子量が異なっており、より分子量の小さいアミック酸系化合物は上層に偏析させることができる。すなわち、アミック酸系化合物およびポリマーを溶剤中に含む液晶配向剤を、後述するように、基板に塗布し、予備乾燥を行って薄膜を形成する過程で、アミック酸系化合物を薄膜の上層に、ポリマーを薄膜の下層に偏析させることができる。層分離の確認は形成された配向膜の表面エネルギーがアミック酸系化合物のみを含有する液晶配向剤によって形成された配向膜の表面エネルギーと同じまたは近い値であることで確認できる。
本発明の液晶配向剤がポリマーを含むとき、液晶配向剤に含まれるポリマーの種類は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。本発明の液晶配向剤に含まれるポリマーは光反応性構造を含んでいないことが好ましい。
本発明の液晶配向剤がポリマーを含む場合、液晶配向剤におけるポリマーの含有量は、液晶配向剤の固形分総質量(溶剤質量を除いた質量)に対して、10~80質量%であることが好ましく、10~70質量%であることがより好ましい。
本発明の液晶配向剤に含まれるポリマーは特に限定されないが、ポリアミック酸またはその誘導体であることが好ましい。
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステル、およびテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物からなる群より選択される少なくとも1つのテトラカルボン酸誘導体と、ジアミンおよびジヒドラジドからなる群より選択される少なくとも1つのジアミン化合物との重合反応により合成されるポリマーである。例えば、ポリアミック酸は、式(DI)で表されるジアミンと式(AN)で表されるテトラカルボン酸誘導体との重合反応により合成されるポリマーであり、式(PAA)で表される構成単位を有する。ポリアミック酸をイミド化させることで、式(PI)で表される構成単位を有するポリイミド液晶配向膜を形成することができる。
Figure 2023033139000017
式(AN)、式(PAA)、および式(PI)において、X3は4価の有機基を表す。式(DI)、式(PAA)、および式(PI)において、X4は2価の有機基を表す。
ポリアミック酸の誘導体は、ポリアミック酸の一部分を他の原子または原子団に置き換えて特性を改変した化合物であり、特に液晶配向剤に用いる溶剤への溶解性を高くしたものであることが好ましい。ポリアミック酸の誘導体は1)ポリアミック酸のすべてのアミノとカルボキシルとが脱水閉環反応したポリイミド、2)部分的に脱水閉環反応した部分ポリイミド、3)ポリアミック酸のカルボキシルがエステルに変換されたポリアミック酸エステル、4)テトラカルボン酸誘導体の一部を有機ジカルボン酸に置き換えて反応させて得られたポリアミック酸-ポリアミドコポリマー、および5)該ポリアミック酸-ポリアミドコポリマーの一部または全部を脱水閉環反応させたポリアミドイミドが含まれる。
ポリアミック酸またはその誘導体の製造の原料に用いられるテトラカルボン酸誘導体としては、光反応性構造を有さないテトラカルボン酸二無水物、またはこれに対応する、テトラカルボン酸ジエステルまたはテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物を用いることができる。光反応性構造を有さないテトラカルボン酸誘導体の好適な例としては、原料入手の容易さや、ポリマー重合時の容易さ、膜の電気特性の点から、式(AN-I)~(AN-VII)で表されるテトラカルボン酸誘導体が挙げられる。
Figure 2023033139000018
式(AN-I)、(AN-IV)および(AN-V)において、Xは独立して単結合または-CH2-である。式(AN-II)において、Gは単結合、炭素数1~20のアルキレン、-CO-、-O-、-S-、-SO2-、-C(CH32-、または-C(CF32-である。式(AN-II)~(AN-IV)において、Yは独立して下記の3価の基(*は結合位置を示す。)の群から選択される1つであり、結合手は任意の炭素に連結しており、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられてもよい。
Figure 2023033139000019
式(AN-III)~(AN-V)において、環A10は炭素数3~10の単環式炭化水素の基または炭素数6~30の縮合多環式炭化水素の基であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチルまたはフェニルで置き換えられていてもよく、環に掛かっている結合手は環を構成する任意の炭素に連結しており、2本の結合手が同一の炭素に連結してもよい。式(AN-VI)において、X10は炭素数2~6のアルキレンであり、Meはメチルを表し、Phはフェニルを表す。式(AN-VII)において、rは独立して0または1である。
さらに詳しくは以下の式(AN-1)、および(AN-3)~(AN-16-15)の式で表されるテトラカルボン酸誘導体が挙げられる。
[式(AN-1)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000020
式(AN-1)において、G11は単結合、炭素数1~12のアルキレン、1,4-フェニレン、または1,4-シクロヘキシレンである。X11は独立して単結合または-CH2-である。G12は独立して下記の3価の基(*は結合位置を示す。)のどちらかである。
Figure 2023033139000021
12が>CH-であるとき、>CH-の水素は-CH3に置き換えられてもよい。G12が>N-であるとき、G11が単結合および-CH2-であることはなく、X11は単結合であることはない。そしてR11は独立して水素または-CH3である。
式(AN-1)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000022
式(AN-1-2)および(AN-1-14)において、mは1~12の整数である。
[式(AN-3)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000023
式(AN-3)において、環A11はシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN-3)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000024
[式(AN-4)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000025
式(AN-4)において、G13は単結合、-(CH2m-、-O-、-S-、-C(CH32-、-SO2-、-CO-、-C(CF32-、または下記の式(G13-1)で表される2価の基であり、mは1~12の整数である。環A11はそれぞれ独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。G13は環A11の任意の位置に結合してよい。
Figure 2023033139000026
式(G13-1)において、G13aおよびG13bはそれぞれ独立して、単結合、-O-または-NHCO-で表される2価の基である。フェニレンは、1,4-フェニレンおよび1,3-フェニレンが好ましい。*は結合位置を示す。
式(AN-4)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000027
Figure 2023033139000028
式(AN-4-17)において、mは1~12の整数である。
Figure 2023033139000029
Figure 2023033139000030
[式(AN-5)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000031
式(AN-5)において、R11は水素、または-CH3である。ベンゼン環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていないR11は、ベンゼン環における結合位置が任意であることを示す。
式(AN-5)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000032
[式(AN-6)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000033
式(AN-6)において、X11は独立して単結合または-CH2-である。X12は-CH2-、-CH2CH2-または-CH=CH-である。nは1または2である。
式(AN-6)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000034
[式(AN-7)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000035
式(AN-7)において、X11は単結合または-CH2-である。
式(AN-7)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000036
[式(AN-8)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000037
式(AN-8)において、X11は単結合または-CH2-である。R12は水素、-CH3、-CH2CH3、またはフェニルであり、環A12はシクロヘキサン環またはシクロヘキセン環である。
式(AN-8)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000038
[式(AN-9)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000039
式(AN-9)において、rはそれぞれ独立して0または1である。
式(AN-9)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000040
[式(AN-10-1)および式(AN-10-2)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000041
[式(AN-11)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000042
式(AN-11)において、環A11は独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN-11)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000043
[式(AN-12)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000044
式(AN-12)において、環A11はそれぞれ独立してシクロヘキサン環またはベンゼン環である。
式(AN-12)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000045
[式(AN-13)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000046
式(AN-13)において、X13は炭素数2~6のアルキレンであり、Phはフェニルを表す。
式(AN-13)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000047
[式(AN-14)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000048
式(AN-14)において、rは独立して0または1である。
式(AN-14)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000049
[式(AN-15)で表されるテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000050
式(AN-15)において、wは1~10の整数である。
式(AN-15)で表されるテトラカルボン酸誘導体の例としては、下記の式で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000051
上記以外のテトラカルボン酸誘導体として、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2023033139000052
上記光反応性構造を有さないテトラカルボン酸誘導体において、各特性を向上させる好適な材料について述べる。
液晶の配向性を向上させることを重視する場合には、式(AN-1)、(AN-3)、および(AN-4)で表される化合物が好ましく、式(AN-1-2)、(AN-1-13)、(AN-3-2)、(AN-4-5)、(AN-4-17)および(AN-4-29)で表される化合物がより好ましい。式(AN-1-2)においては、m=4または8が好ましい。式(AN-4-17)においては、m=4、または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶表示素子の透過率を向上させることを重視する場合には、上記のテトラカルボン酸誘導体のうち、式(AN-1-1)、(AN-1-2)、(AN-3-1)、(AN-4-17)、(AN-4-30)、(AN-5-1)、(AN-7-2)、(AN-10-1)、(AN-16-3)、および(AN-16-4)で表される化合物が好ましい。式(AN-1-2)においては、m=4または8が好ましい。式(AN-4-17)においては、m=4、または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶表示素子のVHRを向上させることを重視する場合には、上記のテトラカルボン酸誘導体のうち、式(AN-1-1)、(AN-1-2)、(AN-3-1)、(AN-4-17)、(AN-4-30)、(AN-7-2)、(AN-10-1)、(AN-16-1)、(AN-16-3)、および(AN-16-4)で表される化合物が好ましく、式(AN-1-2)においては、m=4または8が好ましい。式(AN-4-17)においては、m=4、または8が好ましく、m=8がより好ましい。
液晶配向膜の体積抵抗値を低下させることにより、配向膜中の残留電荷(残留DC)の緩和速度を向上させることが、焼き付きを防ぐ方法の1つとして有効である。この目的を重視する場合には、上記のテトラカルボン酸誘導体のうち、式(AN-1-13)、(AN-3-2)、(AN-4-21)、(AN-4-29)、および(AN-11-3)で表される化合物が好ましい。
ポリアミック酸およびその誘導体を製造する為に使用するジアミンおよびジヒドラジドから選択されるジアミン化合物としては、公知のジアミンおよびジヒドラジドから制限されることなく選択することができる。ジアミン化合物は1つの化合物をテトラカルボン酸誘導体と反応させてもよく、2つ以上の化合物を混合してテトラカルボン酸誘導体と反応させてもよい。本明細書において「ジアミン化合物」とは1つの化合物を指すのみならず、2つ以上の化合物の混合物をもその意味に含めることがある。また、本明細書においては、ジヒドラジドも「ジアミン化合物」として取り扱うものとする。
ジアミン化合物は、光反応性構造を有してないことが好ましい。
光反応性構造を有さないジアミン化合物はその構造によって2種類に分けることができる。即ち、2つのアミノを結ぶ骨格を主鎖として見たときに、主鎖から分岐する基、即ち側鎖基を有するジアミン化合物と側鎖基を持たないジアミン化合物である。この側鎖基はプレチルト角を大きくする効果を有する基である。このような効果を有する側鎖基は炭素数3以上の基である必要があり、具体的な例として炭素数3以上のアルキル、炭素数3以上のアルコキシ、炭素数3以上のアルコキシアルキル、およびステロイド骨格を有する基を挙げることができる。1つ以上の環を有する基であって、その末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のアルコキシおよび炭素数2以上のアルコキシアルキルのいずれか1つを有する基も側鎖基としての効果を有する。以下の説明では、このような側鎖基を有するジアミン化合物を側鎖型ジアミン化合物と称することがある。そして、このような側鎖基を持たないジアミン化合物を非側鎖型ジアミン化合物と称することがある。
非側鎖型ジアミン化合物と側鎖型ジアミン化合物を適切に使い分けることにより、それぞれに必要なプレチルト角に対応することができる。側鎖型ジアミン化合物は、本発明の特性を損なわない程度に併用するのが好ましい。また側鎖型ジアミン化合物および非側鎖型ジアミン化合物について、液晶に対する垂直配向性、電圧保持率、焼き付き特性および配向性を向上させる目的で取捨選択して使用することが好ましい。
非側鎖型ジアミン化合物について説明する。既知の側鎖を有さないジアミン化合物としては、以下の式(DI-1)~(DI-16)のジアミン化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000053
上記の式(DI-1)において、G20は、-CH2-であり、少なくとも1つの-CH2-は-NH-、-O-に置き換えられてもよく、mは1~12の整数であり、アルキレンの少なくとも1つの水素は-OHに置き換えられてもよい。式(DI-3)および式(DI-5)~式(DI-7)において、G21は独立して単結合、-NH-、-NCH3-、-O-、-S-、-S-S-、-SO2-、-CO-、-CONCH3-、-CONH-、-C(CH32-、-C(CF32-、-(CH2m-、-O-(CH2m-O-、-N(CH3)-(CH2k-N(CH3)-、-(O-C24m-O-、-O-CH2-C(CF32-CH2-O-、-(CH2m-NH-(CH2m-、-CO-(CH2k-NH-(CH2k-、-(NH-(CH2m) k-NH-、-CO-C36-(NH-C36n-CO-、または-S-(CH2m-S-であり、mは独立して1~12の整数であり、kは1~5の整数であり、nは1または2である。式(DI-4)において、sは独立して0~2の整数である。式(DI-6)および式(DI-7)において、G22は独立して単結合、-O-、-S-、-CO-、-C(CH32-、-C(CF32-、-NH-、または炭素数1~10のアルキレンである。式(DI-2)~式(DI-7)中のシクロヘキサン環およびベンゼン環の少なくとも1つの水素は、-F、-Cl、炭素数1~3のアルキレン、-OCH3、-OH、-CF3、-CO2H、-CONH2、-NHC65、フェニル、またはベンジルで置き換えられてもよく、加えて式(DI-4)においては、シクロヘキサン環およびベンゼン環の少なくとも1つの水素は下記式(DI-4-a)~式(DI-4-e)で表される基の群から選ばれる1つで置き換えられていてもよい。環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。そして、シクロヘキサン環またはベンゼン環への-NH2の結合位置は、G21またはG22の結合位置を除く任意の位置である。
Figure 2023033139000054
式(DI-4-a)および式(DI-4-b)において、R20は独立して水素または-CH3である。
Figure 2023033139000055
式(DI-11)において、rは0または1である。式(DI-8)~式(DI-11)において、環に結合する-NH2の結合位置は、任意の位置である。
Figure 2023033139000056
式(DI-12)において、R21およびR22は独立して炭素数1~3のアルキルまたはフェニルであり、G23は独立して炭素数1~6のアルキレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、wは1~10の整数である。式(DI-13)において、R23は独立して炭素数1~5のアルキル、炭素数1~5のアルコキシまたは-Clであり、pは独立して0~3の整数であり、qは0~4の整数である。式(DI-14)において、環Bは単環式複素芳香族であり、R24は水素、-F、-Cl、炭素数1~6のアルキル、アルコキシ、ビニル、アルキニルであり、qは独立して0~4の整数である。式(DI-15)において、環Cはヘテロ原子を含む単環である。式(DI-16)において、G24は単結合、炭素数2~6のアルキレンまたは1,4-フェニレンであり、rは0または1である。そして、環を構成する炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。式(DI-13)~式(DI-16)において、環に結合する-NH2の結合位置は、任意の位置である。
上記式(DI-1)~式(DI-16)の側鎖を有さないジアミン化合物として、以下の式(DI-1-1)~式(DI-16-1)の具体例を挙げることができる。
式(DI-1)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000057
式(DI-1-7)および式(DI-1-8)において、kはそれぞれ独立して、1~3の整数である。
式(DI-2)および式(DI-3)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000058
式(DI-4)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000059
Figure 2023033139000060
Figure 2023033139000061
Figure 2023033139000062
式(DI-5)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000063
式(DI-5-1)において、mは1~12の整数である。
Figure 2023033139000064
式(DI-5-12)および式(DI-5-13)において、mは1~12の整数である。
Figure 2023033139000065
式(DI-5-16)において、vは1~6の整数である。
Figure 2023033139000066
式(DI-5-30)において、kは1~5の整数である。
Figure 2023033139000067
式(DI-5-36)~式(DI-5-37)、および式(DI-5-39)において、mは1~12の整数であり、式(DI-5-38)および式(DI-5-39)において、kは1~5の整数であり、式(DI-5-40)において、nは1または2の整数である。
式(DI-6)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000068
式(DI-7)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000069
式(DI-7-3)~式(DI-7-4)において、mは1~12の整数であり、式(DI-7-3)において、nは独立して1または2である。
Figure 2023033139000070
Figure 2023033139000071
式(DI-7-12)において、mは1~12の整数である。
式(DI-8)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000072
式(DI-9)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000073
式(DI-10)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000074
式(DI-11)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000075
式(DI-12)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000076
式(DI-13)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000077
Figure 2023033139000078
Figure 2023033139000079
式(DI-14)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000080
式(DI-15)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000081
Figure 2023033139000082
式(DI-16)で表されるジアミン化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000083
ジヒドラジドについて説明する。既知の側鎖を有さないジヒドラジドとしては、以下の式(DIH-1)~式(DIH-3)を挙げることができる。
Figure 2023033139000084
式(DIH-1)において、G25は単結合、炭素数1~20のアルキレン、-CO-、-O-、-S-、-SO2-、-C(CH32-、または-C(CF32-である。式(DIH-2)において、環Dはシクロヘキサン環、ベンゼン環またはナフタレン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよい。式(DIH-3)において、環Eはそれぞれ独立してシクロヘキサン環、またはベンゼン環であり、この基の少なくとも1つの水素はメチル、エチル、またはフェニルで置き換えられてもよく、Yは単結合、炭素数1~20のアルキレン、-CO-、-O-、-S-、-SO2-、-C(CH32-、または-C(CF32-である。式(DIH-2)および式(DIH-3)において、環に結合する-CONHNH2の結合位置は、任意の位置である。
式(DIH-1)~(DIH-3)の例を以下に示す。
Figure 2023033139000085
式(DIH-1-2)において、mは1~12の整数である。
Figure 2023033139000086
Figure 2023033139000087
このような非側鎖型ジアミンおよびヒドラジドは液晶表示素子のイオン密度を低下させる等、電気特性を改善する効果がある。本発明の液晶配向剤に用いられるポリアミック酸、ポリアミック酸エステルもしくはポリイミドからなる液晶配向剤を製造する為に使用するジアミン化合物として非側鎖型ジアミンおよび/またはヒドラジドを用いる場合、ジアミン化合物の総量に占めるその割合を0~90モル%とすることが好ましく、0~50モル%とすることがより好ましい。
側鎖型ジアミンについて説明する。側鎖型ジアミン化合物の側鎖基としては、以下の基を挙げることができる。
側鎖基としてまず、アルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニル、アルケニルオキシ、アルケニルカルボニル、アルケニルカルボニルオキシ、アルケニルオキシカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキニル、アルキニルオキシ、アルキニルカルボニル、アルキニルカルボニルオキシ、アルキニルオキシカルボニル、アルキニルアミノカルボニル等を挙げることができる。これらの基におけるアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、いずれも炭素数3以上の基である。但し、アルキルオキシアルキルにおいては、基全体で炭素数3以上であればよい。これらの基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
次に、末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のアルコキシまたは炭素数2以上のアルコキシアルキルを有することを条件に、フェニル、フェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、フェニルオキシ、フェニルカルボニル、フェニルカルボニルオキシ、フェニルオキシカルボニル、フェニルアミノカルボニル、フェニルシクロヘキシルオキシ、炭素数3以上のシクロアルキル、シクロヘキシルアルキル、シクロヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルフェニル、シクロヘキシルフェニルアルキル、シクロヘキシルフェニルオキシ、ビス(シクロヘキシル)オキシ、ビス(シクロヘキシル)アルキル、ビス(シクロヘキシル)フェニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルアルキル、ビス(シクロヘキシル)オキシカルボニル、ビス(シクロヘキシル)フェニルオキシカルボニル、およびシクロヘキシルビス(フェニル)オキシカルボニル等の環構造の基を挙げることができる。
さらに、2個以上のベンゼン環を有する基、2個以上のシクロヘキサン環を有する基、またはベンゼン環およびシクロヘキサン環で構成される2環以上の基であって、それぞれ2つの環が結合基で連結されており、上記結合基が独立して単結合、-O-、-COO-(-O-においてベンゼン環に結合するものを除く)、-OCO-(-O-においてベンゼン環に結合するものを除く)、-CONH-または炭素数1~3のアルキレンであり、末端の環が置換基として炭素数1以上のアルキル、炭素数1以上のフッ素置換アルキル、炭素数1以上のアルコキシ、または炭素数2以上のアルコキシアルキルを有する環集合基を挙げることができる。ステロイド骨格を有する基も側鎖基として有効である。
側鎖を有するジアミン化合物としては、以下の式(DI-31)~式(DI-35)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2023033139000088
式(DI-31)において、G26は単結合、-O-、-COO-(-O-においてR25に結合)、-CO-、-CONH-、-CH2O-、-OCH2-、-CF2O-、-OCF2-、または-(CH2m'-であり、m’は1~12の整数である。G26の好ましい例は単結合、-O-、-COO-(-O-においてR25に結合)、-CH2O-、および炭素数1~3のアルキレンであり、特に好ましい例は単結合、-O-、-COO-、-CH2O-、-CH2-および-CH2CH2-である。R25は炭素数3~30のアルキル、フェニル、ステロイド骨格を有する基、または下記の式(DI-31-a)で表される基である。このアルキルにおいて、少なくとも1つの水素は-Fで置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの-CH2-は-O-、-CH=CH-または-C≡C-で置き換えられていてもよい。このフェニルの水素は、-F、-CH3、-OCH3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、炭素数3~30のアルキルまたは炭素数3~30のアルコキシで置き換えられていてもよい。ベンゼン環に結合する-NH2の結合位置はその環において任意の位置であることを示すが、その結合位置はメタまたはパラであることが好ましい。即ち、基「R25-G26-」の結合位置を1位としたとき、2つの結合位置は3位と5位、または2位と5位であることが好ましい。なお、G26が-COO-である場合は、R25がフェニル以外に該当し、式(DI-31-a)に該当する場合は、環B21が1,4-フェニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-1,5-ジイル、ナフタレン-2,7-ジイルまたはアントラセン-9,10-ジイル以外に該当する。
Figure 2023033139000089
式(DI-31-a)において、G27、G28およびG29は結合基であり、これらは独立して単結合、または炭素数1~12のアルキレンであり、このアルキレンの1以上の-CH2-は-O-、-COO-(-O-において芳香環に結合するものを除く)、-OCO-(-O-において芳香環に結合するものを除く)、-CONH-、-CH=CH-で置き換えられていてもよい。環B21、環B22、環B23および環B24は独立して1,4-フェニレン、1,4-シクロへキシレン、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピペリジン-1,4-ジイル、ナフタレン-1,5-ジイル、ナフタレン-2,7-ジイルまたはアントラセン-9,10-ジイルであり、環B21、環B22、環B23および環B24において、少なくとも1つの水素は-Fまたは-CH3で置き換えられてもよく、s、tおよびuは独立して0~2の整数であって、これらの合計は0~5であり、s、tまたはuが2であるとき、各々の括弧内の2つの結合基は同じであっても異なってもよく、そして、2つの環は同じであっても異なっていてもよい。R26は水素、-F、-OH、炭素数1~30のアルキル、炭素数1~30のフッ素置換アルキル、炭素数1~30のアルコキシ、-CN、-OCH2F、-OCHF2、または-OCF3であり、この炭素数1~30のアルキルの少なくとも1つの-CH2-は下記式(DI-31-b)で表される2価の基で置き換えられていてもよい。
Figure 2023033139000090
式(DI-31-b)において、R27およびR28は独立して炭素数1~3のアルキルであり、vは1~6の整数である。R26の好ましい例は炭素数1~30のアルキルおよび炭素数1~30のアルコキシである。
Figure 2023033139000091
式(DI-32)および式(DI-33)において、G301は独立して単結合、-CO-または-CH2-であり、G302は独立して単結合-または-CH2-であり、R29は独立して水素または-CH3であり、R30は水素、炭素数1~20のアルキル、または炭素数2~20のアルケニルである。式(DI-32)および式(DI-33)におけるベンゼン環の少なくとも1つの水素は、炭素数1~20のアルキルまたはフェニルで置き換えられてもよい。そして、環を構成するいずれかの炭素原子に結合位置が固定されていない基は、その環における結合位置が任意であることを示す。式(DI-32)における2つの基「-フェニレン-G301-O-」の一方はステロイド核の3位に結合し、もう一方はステロイド核の6位に結合していることが好ましい。式(DI-33)における2つの基「-フェニレン-G30-2-O-」のベンゼン環への結合位置は、ステロイド核の結合位置に対して、それぞれメタ位またはパラ位であることが好ましい。式(DI-32)および式(DI-33)において、ベンゼン環に結合する-NH2はその環における結合位置が任意であることを示す。
Figure 2023033139000092
式(DI-34)および式(DI-35)において、G31は独立して-O-、-NH-または炭素数1~6のアルキレンであり、G32は単結合または炭素数1~3のアルキレンである。R31は水素または炭素数1~20のアルキルであり、このアルキルの少なくとも1つの-CH2-は、-O-、-CH=CH-または-C≡C-で置き換えられてもよい。R32は炭素数6~22のアルキルであり、R33は水素または炭素数1~22のアルキルである。環B25は1,4-フェニレンまたは1,4-シクロヘキシレンであり、rは0または1である。そしてベンゼン環に結合する-NH2はその環における結合位置が任意であることを示すが、独立してG31の結合位置に対してメタ位またはパラ位であることが好ましい。
側鎖型ジアミン化合物の具体例を以下に例示する。上記式(DI-31)~式(DI-35)の側鎖を有するジアミンとして、下記の式(DI-31-1)~式(DI-35-3)で表される化合物を挙げることができる。
式(DI-31)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000093
式(DI-31-1)~式(DI-31-11)において、R34は炭素数1~30のアルキルまたは炭素数1~30のアルコキシであり、好ましくは炭素数5~25のアルキルまたは炭素数5~25のアルコキシである。R35は炭素数1~30のアルキルまたは炭素数1~30のアルコキシであり、好ましくは炭素数3~25のアルキルまたは炭素数3~25のアルコキシである。
Figure 2023033139000094
式(DI-31-12)~式(DI-31-16)において、R36は炭素数4~30のアルキルであり、好ましくは炭素数6~25のアルキルである。R37は炭素数6~30のアルキルであり、好ましくは炭素数8~25のアルキルである。
Figure 2023033139000095
Figure 2023033139000096
Figure 2023033139000097
Figure 2023033139000098
Figure 2023033139000099
式(DI-31-17)~式(DI-31-37)において、R38は炭素数1~20のアルキルまたは炭素数1~20のアルコキシであり、好ましくは炭素数3~20のアルキルまたは炭素数3~20のアルコキシである。R39は水素、-F、炭素数1~30のアルキル、炭素数1~30のアルコキシ、-CN、-OCH2F、-OCHF2または-OCF3であり、好ましくは炭素数3~25のアルキル、または炭素数3~25のアルコキシである。そしてG33は炭素数1~20のアルキレンである。
Figure 2023033139000100
Figure 2023033139000101
Figure 2023033139000102
Figure 2023033139000103
Figure 2023033139000104
式(DI-32)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000105
式(DI-33)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000106
Figure 2023033139000107
式(DI-34)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000108
Figure 2023033139000109
Figure 2023033139000110
Figure 2023033139000111
Figure 2023033139000112
式(DI-34-1)~式(DI-34-14)において、R40は水素または炭素数1~20のアルキル、好ましくは水素または炭素数1~10のアルキルであり、そしてR41は水素または炭素数1~12のアルキルである。
式(DI-35)で表される化合物の例を以下に示す。
Figure 2023033139000113
式(DI-35-1)~式(DI-35-3)において、R37は炭素数6~30のアルキルであり、R41は水素または炭素数1~12のアルキルである。
本発明におけるジアミン化合物としては、式(DI-1-1)~式(DI-16-1)、式(DIH-1-1)~式(DIH-3-6)および式(DI-31-1)~式(DI-35-3)で表されるジアミン化合物以外のジアミン化合物も用いることができる。このようなジアミン化合物としては、例えば下記式(DI-36-1)~式(DI-36-13)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023033139000114
式(DI-36-1)~式(DI-36-8)において、R42はそれぞれ独立して炭素数3~30のアルキルを表す。
Figure 2023033139000115
式(DI-36-9)~式(DI-36-11)において、eは2~10の整数であり、式(DI-36-12)中、R43はそれぞれ独立して水素、-NHBocまたは-N(Boc)2であり、R43の少なくとも1つは-NHBocまたは-N(Boc)2であり、式(DI-36-13)において、R44は-NHBocまたは-N(Boc)2であり、そして、mは1~12の整数である。ここでBocはt-ブトキシカルボニル基である。
上記ジアミンおよびジヒドラジドにおいて、各特性を向上させる好適な材料について述べる。
液晶の配向性をさらに向上させることを重視する場合には、上記のジアミンおよびジヒドラジドのうち、式(DI-1-3)、式(DI-4-1)、式(DI-5-1)、式(DI-5-5)、式(DI-5-9)、式(DI-5-12)、式(DI-5-13)、式(DI-5-29)、式(DI-6-7)、式(DI-7-3)、および式(DI-11-2)で表される化合物を用いるのが好ましい。式(DI-4-1)、式(DI-5-1)、式(DI-5-12)、式(DI-5-13)、式(DI-7-3)で表されるジアミンがより好ましい。式(DI-5-1)においては、m=2、4または6が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI-5-12)においては、m=2~6が好ましく、m=5がより好ましい。式(DI-5-13)においては、m=1、または2が好ましく、m=1がより好ましい。式(DI-7-3)においては、m=2、または3、n=1、または2が好ましく、m=1がより好ましい。
透過率を向上させることを重視する場合には、上記のジアミンおよびジヒドラジドのうち、式(DI-1-3)、式(DI-2-1)、式(DI-5-1)、式(DI-5-5)、式(DI-5-17)、および式(DI-7-3)で表される化合物を用いるのが好ましく、(DI-2-1)で表されるジアミンがより好ましい。式(DI-5-1)において、m=2、4または6のときが好ましく、m=4がより好ましい。式(DI-7-3)においては、m=2、または3、n=1、または2が好ましく、m=1がより好ましい。
液晶表示素子のVHRを向上させることを重視する場合には、上記のジアミンおよびジヒドラジドのうち、式(DI-2-1)、式(DI-4-1)、式(DI-4-2)、式(DI-4-10)、式(DI-4-15)、式(DI-5-1)、式(DI-5-28)、式(DI-5-30)、式(DI-13-1)、および式(DI-31-56)で表される化合物を用いるのが好ましく、式(DI-2-1)、式(DI-5-1)、式(DI-13-1)、および式(DI-31-56)で表される化合物がより好ましい。式(DI-5-1)においては、m=1が好ましい。式(DI-5-30)においては、k=2が好ましい。
液晶配向膜の体積抵抗値を低下させることにより、配向膜中の残留電荷(残留DC)の緩和速度を向上させることが、焼き付きを防ぐ方法の1つとして有効である。この目的を重視する場合には、上記のジアミンおよびジヒドラジドのうち、式(DI-4-1)、式(DI-4-2)、式(DI-4-10)、式(DI-4-15)、式(DI-5-1)、式(DI-5-12)、式(DI-5-13)、式(DI-5-28)、および式(DI-16-1)で表される化合物を用いるのが好ましく、式(DI-4-1)、式(DI-5-1)、および式(DI-5-13)で表される化合物がより好ましい。式(DI-5-1)においては、m=2、4または6が好ましく、m=4がより好ましい。式(DI-5-12)においては、m=2~6が好ましく、m=5がより好ましい。式(DI-5-13)においては、m=1、または2が好ましく、m=1がより好ましい。
各ジアミンにおいて、ジアミンに対するモノアミンの比率が40モル%以下の範囲で、ジアミン化合物の一部がモノアミンに置き換えられていてもよい。このような置き換えは、ポリアミック酸を生成する際の重合反応のターミネーションを起こすことができ、それ以上の重合反応の進行を抑えることができる。このため、このような置き換えによって、得られる重合体(ポリアミック酸、ポリアミック酸エステルまたはポリイミド)の分子量を容易に制御することができ、例えば本発明の効果が損なわれることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノアミンに置き換えられるジアミン化合物は、本発明の効果が損なわれなければ、1種でも2種以上でもよい。前記モノアミンとしては、例えばアニリン、4-ヒドロキシアニリン、シクロヘキシルアミン、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-ノニルアミン、n-デシルアミン、n-ウンデシルアミン、n-ドデシルアミン、n-トリデシルアミン、n-テトラデシルアミン、n-ペンタデシルアミン、n-ヘキサデシルアミン、n-ヘプタデシルアミン、n-オクタデシルアミン、およびn-エイコシルアミンが挙げられる。
ポリアミック酸およびその誘導体は、そのモノマーにモノイソシアネート化合物をさらに含んでいてもよい。モノイソシアネート化合物をモノマーに含むことによって、得られるポリアミック酸またはその誘導体の末端が修飾され、分子量が調節される。この末端修飾型のポリアミック酸またはその誘導体を用いることにより、例えば本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性を改善することができる。モノマー中のモノイソシアネート化合物の含有量は、モノマー中のジアミン化合物およびテトラカルボン酸誘導体の総量に対して1~10モル%であることが、前記の観点から好ましい。前記モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、およびナフチルイソシアネートが挙げられる。
ポリアミック酸およびその誘導体は、上記のテトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物とを溶剤中で反応させることによって得られる。この合成反応においては、原料の選択以外に特別な条件は必要でなく、通常のポリアミック酸合成における条件をそのまま適用することができる。使用する溶剤については後述する。
ポリアミック酸またはその誘導体は、ポリイミドの膜の形成に用いられる公知のポリアミック酸またはその誘導体と同様に製造することができる。テトラカルボン酸誘導体の総仕込み量は、ジアミン化合物の総モル数とほぼ等モル(モル比0.9~1.1程度)とすることが好ましい。
ポリアミック酸またはその誘導体の分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、7,000~500,000であることが好ましく、10,000~200,000であることがより好ましい。前記ポリアミック酸またはその誘導体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による測定から求めることができる。
ポリアミック酸またはその誘導体は、多量の貧溶剤で沈殿させて得られる固形分をIR、NMRで分析することによりその存在を確認することができる。またKOHやNaOH等の強アルカリの水溶液による前記ポリアミック酸またはその誘導体の分解物の有機溶剤による抽出物をGC、HPLCまたはGC-MSで分析することにより、使用されているモノマーを確認することができる。
本発明の液晶配向剤は、本発明のポリアミック酸またはその誘導体以外のポリマーをさらに含有していてもよい。他の成分は、1種であっても2種以上であってもよい。
その他のポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン-フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げる事ができる。1種であっても2種以上であってもよい。これらのうち、その他のポリアミック酸またはその誘導体およびポリシロキサンが好ましく、その他のポリアミック酸またはその誘導体がより好ましい。
前記ポリシロキサンとしては、特開2009-036966号公報、特開2010-185001号公報、特開2011-102963号公報、特開2011-253175号公報、特開2012-159825号公報、国際公開第2008/044644号、国際公開第2009/148099号、国際公開第2010/074261号、国際公開第2010/074264号、国際公開第2010/126108号、国際公開第2011/068123号、国際公開第2011/068127号、国際公開第2011/068128号、国際公開第2012/115157号、国際公開第2012/165354号等に開示されているポリシロキサンをさらに含有することができる。
<添加剤>
本発明の液晶配向剤は各種添加剤をさらに含有していてもよい。各種添加剤は、配向膜の各種特性を向上させるために、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。以下に例を示す。
[アルケニル置換ナジイミド化合物]
本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる目的から、アルケニル置換ナジイミド化合物をさらに含有していてもよい。アルケニル置換ナジイミド化合物は1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。アルケニル置換ナジイミド化合物の含有量は、上記の目的から、アミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体全量100質量部に対して1~50質量部であることが好ましく、1~30質量部であることがより好ましく、1~20質量部であることがさらに好ましい。アルケニル置換ナジイミド化合物は、本発明で用いられるアミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体を溶解する溶剤に溶解させることができる化合物であることが好ましい。好ましいアルケニル置換ナジイミド化合物には、特開2008-096979号公報、特開2009-109987号公報、特開2013-242526号公報に開示されているアルケニル置換ナジイミド化合物が挙げられる。特に好ましいアルケニル置換ナジイミド化合物としては、ビス{4-(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、N,N’-m-キシリレン-ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド)、N,N’-ヘキサメチレン-ビス(アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド)が挙げられる。
[ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物]
本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子の電気特性を長期に安定させる目的から、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物をさらに含有していてもよい。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。なお、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物にはアルケニル置換ナジイミド化合物は含まれない。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物には、好ましいものとして、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N’-ジヒドロキシエチレン-ビスアクリルアミド、エチレンビスアクリレート、および4,4’-メチレンビス(N,N-ジヒドロキシエチレンアクリレートアニリン)、シアヌル酸トリアリル、他に、特開2009-109987号公報、特開2013-242526号公報、国際公開第2014/119682号、国際公開第2015/152014号に開示されているラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物の含有量は、上記の目的から、アミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体全量100質量部に対して1~50質量部であることが好ましく、1~30質量部であることがより好ましい。
[オキサジン化合物]
本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、オキサジン化合物をさらに含有していてもよい。オキサジン化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。オキサジン化合物の含有量は、上記の目的から、アミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体全量100質量部に対して0.1~50質量部であることが好ましく、1~40質量部であることがより好ましく、1~20質量部であることがさらに好ましい。
オキサジン化合物は、アミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体を溶解させる溶剤に可溶であり、加えて、開環重合性を有するオキサジン化合物が好ましい。好ましいオキサジン化合物には、式(OX-3-1)、式(OX-3-9)、式(OX-3-10)で表されるオキサジン化合物、他に、特開2007-286597号公報、特開2013-242526号公報に開示されているオキサジン化合物が挙げられる。
Figure 2023033139000116
[オキサゾリン化合物]
本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的から、オキサゾリン化合物をさらに含有していてもよい。オキサゾリン化合物はオキサゾリン構造を有する化合物である。オキサゾリン化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。オキサゾリン化合物の含有量は、上記の目的から、アミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体全量100質量部に対して0.1~50質量部であることが好ましく、1~40質量部であることがより好ましく、1~20質量部であることが好ましい。好ましいオキサゾリン化合物には、特開2010-054872号公報、特開2013-242526号公報に開示されているオキサゾリン化合物が挙げられる。より好ましくは、1,3-ビス(4,5-ジヒドロ-2-オキサゾリル)ベンゼンが挙げられる。
[エポキシ化合物]
本発明の液晶配向剤は、液晶表示素子における電気特性を長期に安定させる目的、膜の硬度を向上させる目的、またはシール剤との密着性を向上させる目的から、エポキシ化合物をさらに含有していてもよい。エポキシ化合物は1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物であってもよい。エポキシ化合物の含有量は、上記の目的から、アミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体全量100質量部に対して0.1~50質量部であることが好ましく、1~20質量部であることがより好ましく、1~10質量部であることがさらに好ましい。
エポキシ化合物としては、分子内にエポキシ環を1つまたは2つ以上有する種々の化合物を用いることができる。
膜の硬度を向上させる目的、もしくはシール剤との密着性を向上させる目的のためには、分子内にエポキシ環を2つ以上有する化合物が好ましく、3つまたは4つ有する化合物がより好ましい。
エポキシ化合物としては、特開2009-175715号公報、特開2013-242526号公報、特開2016-170409号公報、国際公開第2017/217413号に開示されているエポキシ化合物が挙げられる。好ましいエポキシ化合物としては、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(3,3’,4,4’-ジエポキシ)ビシクロヘキシル、1,4-ブタンジオールグリシジルエーテル、イソシアヌル酸トリス(2,3-エポキシプロピル)、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミンが挙げられる。
上記の他、エポキシ環を有するオリゴマーや重合体を添加することもできる。エポキシ環を有するオリゴマーや重合体は特開2013-242526号公報に開示されているオリゴマーや重合体を使用することができる。
[シラン化合物]
本発明の液晶配向剤は、基板およびシール剤との密着性を向上させる目的から、シラン化合物をさらに含有していてもよい。シラン化合物の含有量は、上記の目的から、アミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体全量(100質量部)に対して0.1~30質量部であることが好ましく、0.5~20質量部であることがより好ましく、0.5~10質量部であることがさらに好ましい。
[その他]
高分子化合物としては、有機溶媒に可溶性の高分子化合物が挙げられる。このような高分子化合物を本発明の液晶配向剤に添加することは、形成される液晶配向膜の電気特性や配向性を制御する観点から好ましい。該高分子化合物としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコーン変性ポリウレタン、およびシリコーン変性ポリエステルが挙げられる。
前記低分子化合物としては、例えば1)塗布性の向上を望むときにはかかる目的に沿った界面活性剤、2)帯電防止の向上を必要とするときは帯電防止剤、3)基板との密着性の向上を望むときにはシランカップリング剤やチタン系のカップリング剤、また、4)低温でイミド化を進行させる場合はイミド化触媒、が挙げられる。
[溶剤]
本発明の液晶配向剤は、液晶配向剤の塗布性やアミック酸系化合物またはポリマー体の濃度の調整の観点から、溶剤をさらに含有していてもよい。前記溶剤は、アミック酸系化合物および高分子成分を溶解する能力を持った溶剤であれば格別制限なく適用可能である。前記溶剤は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド等の高分子成分の製造工程や用途面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。前記溶剤は1種でも2種以上の混合溶剤であってもよい。
溶剤としては、アミック酸系化合物や使用するポリマー(前記ポリアミック酸またはその誘導体など)の親溶剤や、塗布性改善を目的とした他の溶剤が挙げられる。
アミック酸系化合物およびポリアミック酸またはその誘導体に対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤としては、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、N-メチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ-ブチロラクトン等のラクトンが挙げられる。
塗布性改善等を目的とした他の溶剤、とくにアルコール、エーテル、ケトンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を使用することが好ましい。
上記アルコールとして、ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、1-ブトキシ-2-プロパノール、2-(2-メトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸エチル、乳酸メチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等が挙げられる。
上記エーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなどのアルキレングリコールジアルキルエーテル:ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテルなどのジアルキレングリコールジアルキルエーテル:ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルなどのジアルキレングリコールモノアルキルエーテル:エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート:プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート:テトラヒドロフランなどの環状エーテル:などが挙げられる。
上記ケトンとしては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトン、メチル-3-メトキシプロピオネートなどが挙げられる。
これらの中で、前記溶剤は、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ-ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよび1-ブトキシ-2-プロパノールが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤における固形分濃度は特に限定されるものではなく、下記の種々の塗布法に合わせ最適な値を選べばよい。通常、塗布時のムラやピンホール等を抑えるため、ワニス質量に対し、好ましくは0.1~30質量%、より好ましくは1~10質量%である。
本発明の液晶配向剤の粘度は、塗布する方法、アミック酸系化合物の濃度、ポリマーの有無、種類、溶剤の種類と割合によって好ましい範囲が異なる。例えば、印刷機による塗布の場合は好ましくは5~100mPa・s(より好ましくは10~80mPa・s)である。5mPa・s以上であると十分な膜厚を得ることが容易となり、100mPa・s以下であると印刷ムラが小さくなる。スピンコート法による塗布の場合は好ましくは5~200mPa・s(より好ましくは10~100mPa・s)が適している。インクジェット塗布装置を用いて塗布する場合は好ましくは5~50mPa・s(より好ましくは5~20mPa・s)が適している。液晶配向剤の粘度は回転粘度測定法により測定され、例えば回転粘度計(東機産業製TVE-20L型)を用いて測定(測定温度:25℃)される。
<<液晶配向膜>>
本発明の液晶配向膜について、詳細に説明する。本発明の液晶配向膜は、前述した本発明の液晶配向剤の塗膜を加熱することによって形成される膜である。本発明の液晶配向膜は、液晶配向剤から液晶配向膜を作製する通常の方法によって得ることができる。本発明の液晶配向膜は、例えば、本発明の液晶配向剤の塗膜を形成する工程と、塗膜を加熱乾燥して液晶配向剤の膜を形成する工程と、液晶配向剤の膜に光を照射して異方性を付与する工程と、異方性を付与した液晶配向剤の膜を加熱焼成する工程を経ることによって得ることができる。
塗膜は、通常の液晶配向膜の作製と同様に、液晶表示素子における基板に本発明の液晶配向剤を塗布することによって形成することができる。基板には、ITO(IndiumTinOxide)、IZO(In23-ZnO)、IGZO(In-Ga-ZnO4)電極等の電極やカラーフィルタ等が設けられていてもよいガラス製の基板が挙げられる。
液晶配向剤を基板に塗布する方法としてはスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。
前記加熱乾燥工程は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。加熱乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の温度で実施することが好ましく、加熱焼成工程における温度に対して比較的低い温度で実施することがより好ましい。具体的には加熱乾燥温度は30℃~150℃の範囲であること、さらには50℃~120℃の範囲であることが好ましい。
前記加熱焼成工程は、アミック酸系化合物がイミド化反応を呈するのに必要な条件で行う。したがって、この工程でアミック酸系化合物のイミド化反応が進行する。さらに、この工程で、ポリアミック酸またはその誘導体が含まれている液晶配向剤においては、ポリアミック酸またはその誘導体の脱水・閉環反応のイミド化反応も進行していればよい。また、上記のように、アミック酸系化合物として水酸基を有する化合物、カルボキシルを有する化合物および双方を有する化合物においては、焼成工程において、エステル化も進行していればよい。
前記塗膜の焼成は、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。一般に100~300℃程度の温度で1分間~3時間行うことが好ましく、120~280℃がより好ましく、150~250℃がさらに好ましい。
本発明の液晶配向膜の形成方法において、液晶を水平および/または垂直方向に対して一方向に配向させるために、薄膜へ異方性を付与する手段として、公知の光配向法を好適に用いることができる。
光配向法による本発明の液晶配向膜の形成方法について、詳細に説明する。光配向法を用いた本発明の液晶配向膜は、塗膜を加熱乾燥した後の薄膜に、放射線の直線偏光または無偏光を照射することにより、薄膜に異方性を付与し、その膜を加熱焼成することにより形成することができる。または、塗膜を加熱乾燥し、加熱焼成した後に、薄膜に放射線の直線偏光または無偏光を照射することにより形成する事ができる。配向性の点から、放射線の照射工程は加熱焼成工程前に行うことが好ましい。
さらに、液晶配向膜の液晶配向能を上げるために、塗膜を加熱しながら放射線の直線偏光または無偏光を照射することもできる。放射線の照射は、塗膜を加熱乾燥する工程、または加熱焼成する工程で行ってもよく、加熱乾燥工程と加熱焼成工程の間に行ってもよい。該工程における加熱乾燥温度は、30℃~150℃の範囲であること、さらには50℃~120℃の範囲であることが好ましい。また該工程における加熱焼成温度は、30℃~300℃の範囲であること、さらには50℃~250℃の範囲であることが好ましい。
放射線としては、例えば150~800nmの波長の光を含む紫外線または可視光を用いることができるが、200~300nmの光を含む紫外線が好ましい。また、直線偏光または無偏光を用いることができる。これらの光は、前記薄膜に液晶配向能を付与することができる光であれば特に限定されないが、液晶に対して強い配向規制力を発現させたい場合、直線偏光が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、低エネルギーの光照射でも高い液晶配向能を示すことができる。前記放射線照射工程における直線偏光の照射量は0.05~10J/cm2であることが好ましく、0.5~1J/cm2がより好ましい。また直線偏光の波長は200~400nmであることが好ましく、200~300nmであることがより好ましい。直線偏光の膜表面に対する照射角度は特に限定されないが、液晶に対する強い配向規制力を発現させたい場合、膜表面に対してなるべく垂直であることが配向処理時間短縮の観点から好ましい。また、本発明の液晶配向膜は、直線偏光を照射することにより、直線偏光の偏光方向に対して直角方向に液晶を配向させることができる。
放射線の直線偏光または無偏光を照射する工程に使用する光源には、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、エキシマランプ、KrFエキシマレーザー、蛍光ランプ、LEDランプ、ナトリウムランプ、マイクロウェーブ励起無電極ランプ、などを制限なく用いることができる。
本発明の液晶配向膜は、前述した工程以外の他の工程をさらに含む方法によって好適に得られる。例えば、本発明の液晶配向膜は焼成または放射線照射後の膜を洗浄液で洗浄する工程は必須としないが、他の工程の都合で洗浄工程を設けることができる。
洗浄液による洗浄方法としては、ブラッシング法、ジェットスプレー法、蒸気洗浄法または超音波洗浄法等が挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。このような洗浄方法は、本発明の液晶配向膜の形成における前記洗浄工程にも適用することができる。
本発明の液晶配向膜の液晶配向能を高めるために、加熱焼成工程の前後、または、偏光または無偏光の放射線照射の前後に、熱や光によるアニール処理を用いることができる。該アニール処理において、アニール温度が好ましくは30~180℃、より好ましくは50~150℃であり、時間は1分~2時間が好ましい。また、アニール処理に使用するアニール光には、UVランプ、蛍光ランプ、LEDランプなどが挙げられる。光の照射量は0.3~10J/cm2であることが好ましい。
本発明の液晶配向膜の膜厚は、特に限定されないが、10~300nmであることが好ましく、30~150nmであることがより好ましい。本発明の液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。
本発明の液晶配向膜は特に大きな配向の異方性を持つことを特徴とする。このような異方性の大きさは特開2005-275364号公報等に記載の偏光IRを用いた方法で評価する事ができる。またエリプソメトリーを用いた方法によっても評価することができる。詳しくは、分光エリプソメータによって液晶配向膜のリタデーション値を測定することができる。膜のリタデーション値はポリマー主鎖の配向度に比例して大きくなる。すなわち、大きなリタデーション値を持つポリマーの膜は、大きな配向度を持ち、液晶配向膜として使用した場合、より大きな異方性を持つ液晶配向膜が液晶組成物に対し大きな配向規制力を持つと考えられる。
本発明の液晶配向膜は横電界方式の液晶表示素子に好適に用いることができる。
本発明の液晶配向膜は、スマートフォン、タブレット、車載モニター、テレビ等、液晶ディスプレイ用の液晶組成物の配向制御に用いることができる。液晶ディスプレイ用の液晶組成物の配向用途以外に、光学補償材やその他すべての液晶材料の配向制御に用いることができる。また本発明の液晶配向膜は大きな異方性を有するので、単独で光学補償材用途に使用することができる。
<<液晶表示素子>>
本発明の液晶配向膜を用いて液晶表示素子を製造することができる。
本発明の液晶配向膜を用いた液晶表示素子は、高輝度バックライトを搭載した場合でも、高い電圧保持率が維持され、高い表示品位を実現することができる。
対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方または両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成された液晶層と、前記対向基板を挟むように設置されている一対の偏光フィルムとバックライトと駆動装置とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜が本発明の液晶配向膜により構成されていればよい。
電極は、基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には、例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。また電極は、基板の一方の面の全面に形成されていてもよいし、例えばパターン化されている所望の形状に形成されていてもよい。電極の前記所望の形状には、例えば櫛型またはジグザグ構造等が挙げられる。電極は、一対の基板のうちの一方の基板に形成されていてもよいし、両方の基板に形成されていてもよい。電極の形成の形態は液晶表示素子の種類に応じて異なり、例えばIPS型液晶表示素子(横電界型液晶表示素子)の場合は前記一対の基板の一方に電極が配置され、その他の液晶表示素子の場合は前記一対の基板の双方に電極が配置される。前記基板または電極の上に前記液晶配向膜が形成される。
ホモジニアス配向の液晶表示素子(例えばIPS、FFSなど)の場合は、構成として、少なくとも、バックライト側からバックライト、第一の偏光フィルム、第一の基板、第一の液晶配向膜、液晶層、第二の基板、第二の偏光フィルムを有し、前記偏光フィルムの偏光軸は、第一の偏光フィルムの偏光軸(偏光吸収の方向)と第二の偏光フィルムの偏光軸は交差(好ましくは直交)するように設置される。この時、第一の偏光フィルムの偏光軸と液晶配向方向が平行になるように、または直交するように設置することができる。第一の偏光フィルムの偏光軸と液晶配向方向が平行になるように設置した液晶表示素子をO-モード、直交するように設置した液晶表示素子をE-モードと言う。本発明の液晶配向膜は、O-モード、E-モードどちらにも適用でき、目的によって選択することができる。
前記液晶層は、液晶配向膜が形成された面が対向している前記一対の基板によって液晶組成物が挟持される形で形成される。液晶層の形成では、微粒子や樹脂シート等の、前記一対の基板の間に介在して適当な間隔を形成するスペーサーを必要に応じて用いることができる。
液晶層の形成方法としては、真空注入法とODF(One Drop Fill)法が知られている。
真空注入法では、液晶配向膜面が対向するように、空隙(セルギャップ)を設けて、かつ液晶の注入口を残して、シール剤を印刷し、基板を張り合わせる。基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に、真空差圧を利用して液晶を注入充填した後、注入口を封止し、液晶表示素子を製造する。
ODF法では、一対の基板のうちの一方の液晶配向膜面の外周にシール剤を印刷し、シール剤の内側の領域に液晶を滴下した後、液晶配向膜面が対向するように他方の基板を張り合わせる。そして、液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化し、液晶表示素子を製造する。
基板の張り合わせに用いられるシール剤には、UV硬化型以外に熱硬化型も知られている。シール剤の印刷は、例えばスクリーン印刷法により行なうことができる。
液晶組成物には、特に制限はなく、誘電率異方性が正または負の各種の液晶組成物を用いることができる。誘電率異方性が正の好ましい液晶組成物には、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5-501735号公報、特開平8-157826号公報、特開平8-231960号公報、特開平9-241644号公報(EP885272A1)、特開平9-302346号公報(EP806466A1)、特開平8-199168号公報(EP722998A1)、特開平9-235552号公報、特開平9-255956号公報、特開平9-241643号公報(EP885271A1)、特開平10-204016号公報(EP844229A1)、特開平10-204436号公報、特開平10-231482号公報、特開2000-087040号公報、特開2001-48822号公報等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
前記負の誘電率異方性を有する液晶組成物の好ましい例として、特開昭57-114532号公報、特開平2-4725号公報、特開平4-224885号公報、特開平8-40953号公報、特開平8-104869号公報、特開平10-168076号公報、特開平10-168453号公報、特開平10-236989号公報、特開平10-236990号公報、特開平10-236992号公報、特開平10-236993号公報、特開平10-236994号公報、特開平10-237000号公報、特開平10-237004号公報、特開平10-237024号公報、特開平10-237035号公報、特開平10-237075号公報、特開平10-237076号公報、特開平10-237448号公報(EP967261A1)、特開平10-287874号公報、特開平10-287875号公報、特開平10-291945号公報、特開平11-029581号公報、特開平11-080049号公報、特開2000-256307号公報、特開2001-019965号公報、特開2001-072626号公報、特開2001-192657号公報、特開2010-037428号公報、国際公開第2011/024666号、国際公開第2010/072370号、特表2010-537010号公報、特開2012-077201号公報、特開2009-084362号公報等に開示されている液晶組成物が挙げられる。
誘電率異方性が正または負の液晶組成物に1種以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
また例えば、本発明の液晶表示素子に用いる液晶組成物は、例えば配向性を向上させる観点から、添加物をさらに添加してもよい。このような添加物は、光重合性モノマー、光学活性な化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合開始剤、重合禁止剤などである。好ましい光重合性モノマー、光学活性な化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合開始剤、重合禁止剤には、国際公開第2015/146330号等に開示されている化合物が挙げられる。
PSA(polymer sustained alignment)モードの液晶表示素子に適合させるために重合可能な化合物を液晶組成物に混合することができる。重合可能な化合物の好ましい例はアクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、ビニルケトンなどの重合可能な基を有する化合物である。好ましい化合物には、国際公開第2015/146330号等に開示されている化合物が挙げられる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<測定法と評価法>
本実施例で使用した測定法と評価法を下記に示す。
[重量平均分子量(Mw)の測定]
ポリアミック酸の重量平均分子量は、2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計(Waters製)を用いてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。得られたポリアミック酸をリン酸-DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100:質量比)で、ポリアミック酸濃度が約1質量%になるように希釈した。カラムはHSPgel RT MB-M(Waters製)を使用し、前記混合溶液を展開剤として、カラム温度50℃、流速0.40mL/minの条件で測定を行った。標準ポリスチレンは東ソー(株)製TSK標準ポリスチレンを用いた。
[コントラスト]
後述する液晶表示素子のコントラストは、輝度計(横河計測(株)製 マルチメディアディスプレイテスタ3298F)を用いて評価を行った。クロスニコル状態の偏光顕微鏡下に液晶表示素子を配置し、最小となる輝度を黒輝度として測定した。次に素子に任意の矩形波電圧を印加し、最大となる輝度を白輝度として測定した。この白輝度/黒輝度の値をコントラストとした。コントラストは2500未満で不良、2500以上で可、3000以上で良、4200以上で最良と判断する。
[AC残像測定(液晶配向性の評価)]
液晶表示素子を長時間駆動させた場合に液晶分子が初期配向の方向からずれてしまうことで生じる残像(AC残像)の発生の程度を、以下の方法で評価した。
後述する液晶表示素子の輝度-電圧特性(B-V特性)を測定した。これをストレス印加前の輝度-電圧特性:B(before)とする。次に、素子に4.5V、60Hzの交流を20分間印加した後、1秒間ショートし、再び輝度-電圧特性(B-V特性)を測定した。これをストレス印加後の輝度-電圧特性:B(after)とする。これらの値をもとに、輝度変化率ΔB(%)を、
ΔB(%)=[B(after)-B(before)]/B(before) × 100 (式AC1)
の式を用いて見積もった。これらの測定は国際公開第2000/43833号パンフレットを参考に行った。電圧0.75VにおけるΔB(%)の値が小さいほど、AC残像の発生を抑制できるといえる。5.0%以下で可、3.0%以下で良と判断する。
<本実施例で使用した化合物>
本実施例で使用した化合物を以下に示す。
[光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000117
[光反応性構造を有していないテトラカルボン酸誘導体]
Figure 2023033139000118
[-NH2を1つ有する化合物]
Figure 2023033139000119
[ジアミン化合物]
Figure 2023033139000120
[溶剤]
NMP: N-メチル-2-ピロリドン
BC: ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル)
<ワニスの調製>
本実施例で使用したワニスは、下記の手順で調製した。ここで、調製例1~12で調製したワニスA1~A12は、アミック酸系化合物の溶液であり、調製例13~15で調製したワニスP1~P3は、ポリアミック酸の溶液である。ワニスP1は、ワニスA1とブレンドして使用するものである。
[調製例1]ワニスA1の調製
撹拌翼、窒素導入管を装着した100mL3つ口フラスコに-NH2を1つ有する化合物(2-3-3)を7.7g入れ、NMPを80g加えた。窒素雰囲気下とし、その後、テトラカルボン酸誘導体(1-1)を12.3g加え、60℃で3時間加熱撹拌して、固形分濃度が20質量%であるワニスA1を得た。
[調製例2~12]ワニスA2~A12の調製
表1に示すように、テトラカルボン酸誘導体と-NH2を1つ有する化合物、合成時の質量%を変更したこと以外は、調製例1と同様にしてワニスA2~A12を調製した。
Figure 2023033139000121
[調製例13]ワニスP1の調製
撹拌翼、窒素導入管を装着した100mL3つ口フラスコに、ジアミン化合物(DI―5-1-1)を2.1g入れ、NMPを37.5g加えた。窒素雰囲気下とし、その後、テトラカルボン酸誘導体(AN―4-5)を2.9g加え、12時間室温で撹拌した。そこにNMP37.5g、BC20gを加え、溶質のポリマーの重量平均分子量が所望する重量平均分子量になるまで、その溶液を80℃で加熱撹拌し、溶質の重量平均分子量がおおよそ50000であり固形分濃度が5質量%であるワニスP1を調製した。
[調製例14~15]ワニスP2~P3の調製
表2に示すように、テトラカルボン酸誘導体とジアミン化合物、合成時の質量%を変更したこと以外は、調製例13と同様にしてワニスP2~P3を調製した。
Figure 2023033139000122
<液晶配向剤の調製およびコントラスト、AC残像の測定>
[実施例1]
ワニスA1とワニスP1を質量比30:70で混合し、全固形分濃度が3質量%になるようにNMP・BC混合溶液(NMP/BC=1/1質量比)で希釈、撹拌し液晶配向剤1を調製した。
FFS電極付きガラス基板およびカラムスペーサー付きガラス基板に、液晶配向剤1をスピンナー法により塗布した。塗布後、基板を60℃で2分加熱し、溶剤を蒸発させた後、ウシオ電機(株)製マルチライトML-501C/Bを用い、基板に対して鉛直方向から、偏光板を介して紫外線の直線偏光を照射した。この時の露光エネルギーは、ウシオ電機(株)製紫外線積算光量計UIT-150(受光器:UVD-S254)を用いて光量を測定し、波長254nmで1.0±0.1J/cm2になるよう、露光時間を調整した。その後、230℃にて30分間焼成処理を行い、膜厚およそ100nmの配向膜を形成した。
次いで、これらの配向膜が形成された基板2枚を、液晶配向膜が形成されている面を対向させ、かつ、対向する液晶配向膜の間に液晶組成物を注入するための空隙を設けて貼り合わせた。この時、それぞれの液晶配向膜に照射された直線偏光の偏光方向が平行になるようにした。これらのセルにネガ型液晶組成物Aを注入し、セル厚5μmの液晶セル(液晶表示素子)を作製した。
<ネガ型液晶組成物A>
Figure 2023033139000123
物性値:NI 75.7℃; Δε -4.1; Δn 0.101; η 14.5mPa・s.
作製した液晶セルを用いて、上記記載のようにコントラストおよびAC残像測定を行った。その結果、コントラストは3600であった。
[実施例2]~[実施例12]、[比較例1]~[比較例2]
ワニスA1およびワニスP1の代わりに、表3に示すワニスを使用し、質量%を変更した以外は、実施例1と同様にして、液晶配向剤2~12および比較液晶配向剤1~2を調製した。調製した各液晶配向剤を用いて、実施例1と同様にして液晶セルを作製し、コントラストおよびAC残像の測定を行った。各実施例で使用した液晶配向剤とコントラスト、AC残像の評価結果を表3に示す。
Figure 2023033139000124
表3に示すように、液晶配向膜にアミック酸系化合物を使用した実施例1~12の液晶セルは、いずれもコントラストが3000以上かつAC残像が4%以下であり、比較例1~2よりも良好な値であった。このことから、アミック酸系化合物由来の液晶配向剤は、ポリマー液晶配向剤よりもコントラストおよびAC残像に効果的に寄与することがわかった。
本発明の液晶配向剤により、優れた液晶配向性を示す液晶配向膜を形成できる。本発明の液晶配向剤から形成された液晶配向膜を備える液晶表示素子は、高いコントラストを示し、長時間の使用による残像が生じにくい。

Claims (14)

  1. 光反応性構造を有するアミック酸系化合物を含む液晶配向剤であって、
    前記アミック酸系化合物が-NH2を1つ有する化合物と前記光反応性構造を有するテトラカルボン酸誘導体とを含む原料から合成される化合物である液晶配向剤。
  2. 前記光反応性構造が光フリース転位を起こす構造である請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記原料が前記テトラカルボン酸誘導体として式(1)で表される化合物を含む請求項1に記載の液晶配向剤;
    A-X-Q-X-A (1)
    式中、Aはそれぞれ独立して、以下のいずれかの式で表される1価の基であり、以下の式において、nは1~4の整数、*は結合位置を表し;
    Figure 2023033139000125
    Qは以下のいずれかの式で表される2価の基であり;
    Figure 2023033139000126
    上記の2価の基はいずれも置換基を有していてもよく、前記置換基は-CH3、-OCH3、-CF3、および-Fからなる群より選択され、*は結合位置を表し;
    Xはそれぞれ独立して、-COO-、-NHCOO-、または-OCOO-である。
  4. 前記式(1)において、Qが以下のいずれかの式で表される2価の基である、請求項3に記載の液晶配向剤;
    Figure 2023033139000127
    上記の2価の基はいずれも置換基を有していてもよく、前記置換基は-CH3、-OCH3、-CF3、および-Fからなる群より選択され、*は結合位置を表す。
  5. 前記原料が前記テトラカルボン酸誘導体として以下のいずれかの化合物を含む請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2023033139000128
  6. 前記原料が前記テトラカルボン酸誘導体として以下のいずれかの化合物を含む請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2023033139000129
  7. 前記原料が前記-NH2を1つ有する化合物として水酸基を有する化合物またはカルボキシルを有する化合物の少なくとも1つを含む請求項1に記載の液晶配向剤。
  8. 前記原料が前記-NH2を1つ有する化合物として水酸基を有する化合物とカルボキシルを有する化合物とを含む請求項1に記載の液晶配向剤。
  9. さらに、テトラカルボン酸誘導体とジアミンおよびジヒドラジドからなる群より選択される少なくとも1つのジアミン化合物とを含む原料からの反応生成物であるポリマーを含み、
    前記ポリマーが光反応性構造を含んでいない、請求項1に記載の液晶配向剤。
  10. ポリマーを含有していない、請求項1に記載の液晶配向剤。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の液晶配向剤から形成される液晶配向膜。
  12. 請求項11に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
  13. 液晶配向膜の製造方法であって、
    請求項1~10のいずれか一項に記載の液晶配向剤を基板に塗布して形成した液晶配向剤の膜に、偏光を照射して異方性を付与した後、加熱焼成を行う工程を有する、液晶配向膜の製造方法。
  14. 請求項13に記載の液晶配向膜の製造方法によって液晶配向膜を形成することを含む、液晶表示素子の製造方法。
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