JP5521601B2 - 定着装置、画像形成装置及び定着装置の冷却方法 - Google Patents
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定着ローラの温度が顕著にオーバーシュートすると、定着ローラの耐久性が低下し、超微小粒子が発生する等の問題が生じる。
例えば第1のプリントジョブで厚紙に対して定着動作を実施した後に第2のプリントジョブで薄紙に定着動作を実施する場合や、第1のプリントジョブでプロセス速度を速くして低画質の画像に定着動作を実施した後に第2のプリントジョブではプロセス速度を遅くして書込密度を上げた高画質の画像に定着動作を実施する場合、第2のプリントジョブの定着動作時に必要以上の熱が用紙に加わり品質不良が発生する。
また、紙種又は画質が変更された第2のプリントジョブ実施前に定着ローラの温度を短時間で下げることができれば、生産性向上を図りつつ品質不良の発生を防止することができる。
また、特許文献2には、加熱ローラを冷却する冷却手段を設け、定着終了後一定時間、加熱ローラが決められた温度になるまで冷却手段を駆動する制御部を設けた定着装置が開示されている。
なお、高熱容量の定着ローラを用いる場合、プリントジョブ終了直前の定着動作時にヒータの出力を停止しても定着不良は発生し難いが、定着ローラの保持する熱がローラ表面に伝わるため、定着ローラの温度が顕著にオーバーシュートすることを効果的に抑制することはできない。
前記用紙と前記定着部との間に送風するとともに前記用紙が前記定着部により挟持されるニップ部又は前記定着部のうち、何れか一方の側に送風方向を切り替える切り替え機構を有する送風部と、
前記送風された空気を前記定着部を収納する筐体外に排気する排気機構と、
定着動作終了時の送風方向を前記定着部側に切り替え、定着動作時の送風方向を前記ニップ部側に切り替えるよう前記切り替え機構を制御し、定着動作終了時における送風量を定着動作時における送風量に比して増加させるよう前記送風部を制御し、前記定着動作終了時に前記送風された空気を前記筐体外に排気するよう前記排気機構を制御する制御部と、
を備えた定着装置が提供される。
前記用紙と前記定着部との間に送風するとともに前記用紙が前記定着部により挟持されるニップ部又は前記定着部のうち、何れか一方の側に送風方向を切り替える切り替え機構を有する送風部と、
前記送風された空気を前記定着部を収納する筐体外に排気する排気機構と、
定着動作終了時の送風方向を前記定着部側に切り替え、定着動作時の送風方向を前記ニップ部側に切り替えるよう前記切り替え機構を制御し、定着動作終了時における送風量を定着動作時における送風量に比して増加させるよう前記送風部を制御し、前記定着動作終了時に前記送風された空気を前記筐体外に排気するよう前記排気機構を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置が提供される。
送風部により、前記用紙と前記定着ベルトとの間に送風するとともに前記用紙が前記定着部により挟持されるニップ部又は前記定着部のうち、何れか一方の側に送風方向を切り替える工程と、
排気機構により、前記送風された空気を前記定着ベルトを収納する筐体外に排気する工程と、
制御部により、定着動作終了時の送風方向を前記定着部側に切り替え、定着動作時の送風方向を前記ニップ部側に切り替えるよう前記切り替え機構を制御し、定着動作終了時における送風量を定着動作時における送風量に比して増加させるよう前記送風部を制御し、前記定着動作終了時に前記送風された空気を前記筐体外に排気するよう前記排気機構を制御する工程と、
を備えた定着装置の冷却方法が提供される。
画像形成装置10は、自動原稿搬送部20、スキャナ部30、画像形成部40、給紙部50等を備えて構成される。
スキャナ部30は、搬送される原稿Dに光源を照射し、原稿Dから反射される反射光を受光する。スキャナ部30は、受光した光信号を電気信号(画像データ)に変換し、変換された画像データを画像形成部40に出力する。
帯電装置42は、感光体ドラム41の表面を均一に帯電する。
露光装置43は、感光体ドラム41の非画像領域を露光し、露光した部分の電荷を除去することで画像領域に静電潜像を形成する。
現像装置44は、静電潜像にトナーを付着してトナー像を現像する。
転写装置45は、用紙Pの裏面からトナーとは逆極性の電荷を付加し、静電力により感光体ドラム41に付着しているトナー像を用紙Pに転写する。
分離装置46は、用紙Pの裏面から転写時とは逆極性の電荷を付加し、用紙Pと感光体ドラム41とを分離する。
分離爪47は、分離装置46による分離処理後も用紙Pと感光体ドラム41とが分離しない場合、感光体ドラム41の表面に当接して用紙Pと感光体ドラム41とを分離する。
クリーニング装置48は、用紙Pに転写されずに感光体ドラム41に付着している残留トナーをブラシやブレード等で除去する。
定着装置49は、搬送されてきた用紙Pに対して加熱及び加圧し、用紙P上に形成されたトナー像を定着させる。
定着装置49は、加熱ローラ491、第1加圧ローラ492、第2加圧ローラ493、定着ベルト494、ファン495、ダクト496、排気機構497等を備えて構成される。
ダクト496は、ファン495からの送風をニップ部又は定着ベルト494に運ぶ。
ダクト496は、例えば図3の破線で示すように、送風吹き出し口の先端Aを回転軸とし、先端部分Bを反時計回りに一定範囲だけ回転する。ダクト496は、先端部分Bを回転することでファン495からの送風方向を切り替えることができる。
なお、排気機構497は、開閉式の窓に限らず排気ファンであってもよい。
オーバーシュート抑制処理は、プリントジョブ終了時(定着動作終了時)に定着部Fの温度を短時間で下げて、定着部Fの温度が顕著にオーバーシュートすることを抑制する処理である。
「エア分離」とは、ニップ部を通過してくる用紙Pが通過時に第1加圧ローラ492に張り付いて離れない場合、ファン495からの送風をニップ部に吹き付けることで用紙Pを第1加圧ローラ492から分離することをいう。
例えば薄紙の定着動作時やトナーが多く用いられるベタ画像の定着動作時に用紙Pが第1加圧ローラ492に張り付きやすく、エア分離が必要となる。制御部1は、プリントジョブ開始信号を入力するとともに、プリントジョブデータを参照して薄紙やベタ画像であるか否かについて判断し、薄紙又はベタ画像のプリントジョブである場合にエア分離が必要であると判断する。
制御部1は、プリントジョブ実施中の現在の用紙Pは最終用紙であるか否か判断する(ステップS4)。
最終用紙である場合(ステップS4;Y)、制御部1は、ステップS7に移行する。
最終用紙でない場合(ステップS6;N)、制御部1は、ステップS5に移行する。
最終用紙である場合(ステップS6;Y)、制御部1は、ステップS7に移行する。
通過したか否かの判断に際して、制御部1は図示しないセンサ等からの信号を入力し、入力された信号に基づいて判断する。
通過した場合(ステップS7;Y)、制御部1はプリントジョブ終了時と判断し、すなわち定着動作終了時と判断し、下記(1)〜(3)の何れか又は全てについて処理を行う(ステップS8)。
(1)最大風量でファン495を回転する。
(2)排気機構497を開放する。
(3)先端部分Bを回転して送風方向を切り替える。
なお、制御部1は、定着部Fを回転させたまま上記(1)〜(3)を実施する。
一定時間経過していない場合(ステップS9;N)、制御部1は、ステップS8に移行する。
一定時間経過した場合(ステップS9;Y)、制御部1は、ステップS8で行った処理を元に戻す。具体的には、下記(1)〜(3)の何れか又は全てについて処理を行う(ステップS10)。
(1)ファン495を停止する。
(2)排気機構497を閉じる。
(3)先端部分を回転して送風方向を元に戻す。
以上により、オーバーシュート抑制処理を終了する。
図5に示す温度推移は、エア分離のためにのみ送風した場合の定着部Fの温度推移と、エア分離以外にも送風して冷却処理を実施した場合(図4参照)の定着部Fの温度推移である。
生産性向上処理は、第1のプリントジョブ実施後に紙種又は画質を変更して第2のプリントジョブを実施する場合に第2のプリントジョブ実施前に定着部Fの温度を短時間で下げ、これにより生産性向上を図りつつ品質不良の発生を防止する処理である。
「プリントモード」は、例えば薄紙を用いる薄紙モードや厚紙を用いる厚紙モード、低画質でプリントする低画質モードや高画質でプリントする高画質モード等がある。
例えば制御部1は、確定したプリントモードが薄紙モードの場合、現在の定着部Fの温度が薄紙に適した温度よりも高ければ、定着部Fの温度を下げる必要があると判断する。また、確定したプリントモードが高画質モードの場合、現在の定着部Fの温度がプロセス速度との関係で高画質に適した温度よりも高ければ、定着部Fの温度を下げる必要があると判断する。
(1)最大風量でファン495を回転する。
(2)排気機構497を開放する。
(3)先端部分Bを回転して送風方向を切り替える。
なお、制御部1は、定着部Fを回転させたまま上記(1)〜(3)を実施する。
目標温度に到達した場合(ステップS15;Y)、制御部1は、ステップS14で行った処理を元に戻す。具体的には、下記(1)〜(3)の何れか又は全てについて処理を行う(ステップS16)。
(1)ファン495を停止する。
(2)排気機構497を閉じる。
(3)先端部分Bを回転して送風方向を元に戻す。
その後、制御部5はプリントジョブを開始して(ステップS17)、本処理を終了する。
開閉処理は、排気機構497の窓の開閉を制御して、定着装置49の筐体内の温度を適切な温度に維持するための処理である。
紙種情報とは、通常紙、薄紙、厚紙等の紙種に関する情報である。
通紙情報とは、用紙Pが第1加圧ローラ492と第2加圧ローラ493との間を通過し終えるまでの時間に関する情報である。
印字情報とは、低画質や高画質、ベタ画像等の画質に関する情報である。
例えば制御部1は、取得した紙種情報に基づいて、薄紙のプリントジョブを実施する場合にはエア分離が必要であると判断する。また、制御部1は、取得した印字情報に基づいて、ベタ画像のプリントジョブを実施する場合にはエア分離が必要であると判断する。
エア分離が必要ある場合(ステップS23;Y)、制御部1は、エア分離のための風量を決定する(ステップS24)。
回転を開始する場合(ステップS25;Y)、制御部1は、ファン495の回転を開始するとともに、排気機構497の窓を半開にする(ステップS26)。
回転をまだ停止しない場合(ステップS27;N)、制御部1は、回転を停止するまで待機する。
回転を停止する場合(ステップS27;Y)、制御部1は、プリントジョブ終了時であるか否か判断する(ステップS28)。
プリントジョブ終了時である場合(ステップS28;Y)、制御部1は、排気機構497の窓を全開にする(ステップS29)。
なお、このとき制御部1は、排気機構497の窓を全開にするとともに、ファン495からの風量を最大(例えば、10m/s)にし、第1加圧ローラ492又は定着ベルト494に直接風が当たるように送風方向を切り替える。
目標温度に到達していない場合(ステップS30;N)、制御部1は、目標温度に到達するまで排気機構497の窓を全開にする。
目標温度に到達した場合(ステップS30;Y)、制御部1は、排気機構497の窓を閉じて(ステップS31)、開閉処理を終了する。
20 自動原稿搬送部
30 スキャナ部
40 画像形成部
49 定着装置
491 加熱ローラ
492 第1加圧ローラ
493 第2加圧ローラ
494 ベルト
495 ファン
496 ダクト
497 排気機構
50 給紙部
1 制御部
F 定着部
Claims (11)
- トナー画像が形成された用紙を加熱する定着部と、
前記用紙と前記定着部との間に送風するとともに前記用紙が前記定着部により挟持されるニップ部又は前記定着部のうち、何れか一方の側に送風方向を切り替える切り替え機構を有する送風部と、
前記送風された空気を前記定着部を収納する筐体外に排気する排気機構と、
定着動作終了時の送風方向を前記定着部側に切り替え、定着動作時の送風方向を前記ニップ部側に切り替えるよう前記切り替え機構を制御し、定着動作終了時における送風量を定着動作時における送風量に比して増加させるよう前記送風部を制御し、前記定着動作終了時に前記送風された空気を前記筐体外に排気するよう前記排気機構を制御する制御部と、
を備えた定着装置。 - 前記制御部は、定着動作終了時に前記定着部を回転させる請求項1に記載の定着装置。
- 前記制御部は、一定時間経過した場合又は前記定着部の温度が予め定められた温度よりも小さくなった場合、定着動作終了時の送風を停止させる請求項1又は2に記載の定着装置。
- 前記制御部は、定着動作開始前における送風量を定着動作時における送風量に比して増加させるよう前記送風部を制御し、前記定着動作開始前に前記送風された空気を前記筐体外に排気するよう前記排気機構を制御する請求項1〜3の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、定着動作開始前の送風方向を前記定着部側に切り替えるよう前記切り替え機構を制御する請求項1〜4の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、定着動作開始前に前記定着部を回転させる請求項1〜5の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、一定時間経過した場合又は前記定着部の温度が予め定められた温度よりも小さくなった場合、定着動作開始前の送風を停止させる請求項1〜6の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記定着部は、定着ローラ、又は定着ローラ及び定着ベルトである請求項1〜7の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記排気機構は、窓又は排気ファンである請求項1〜8の何れか一項に記載の定着装置。
- トナー画像が形成された用紙を加熱する定着部と、
前記用紙と前記定着部との間に送風するとともに前記用紙が前記定着部により挟持されるニップ部又は前記定着部のうち、何れか一方の側に送風方向を切り替える切り替え機構を有する送風部と、
前記送風された空気を前記定着部を収納する筐体外に排気する排気機構と、
定着動作終了時の送風方向を前記定着部側に切り替え、定着動作時の送風方向を前記ニップ部側に切り替えるよう前記切り替え機構を制御し、定着動作終了時における送風量を定着動作時における送風量に比して増加させるよう前記送風部を制御し、前記定着動作終了時に前記送風された空気を前記筐体外に排気するよう前記排気機構を制御する制御部と、
を備えた画像形成装置。 - 定着部により、トナー画像が形成された用紙を加熱する工程と、
送風部により、前記用紙と前記定着ベルトとの間に送風するとともに前記用紙が前記定着部により挟持されるニップ部又は前記定着部のうち、何れか一方の側に送風方向を切り替える工程と、
排気機構により、前記送風された空気を前記定着ベルトを収納する筐体外に排気する工程と、
制御部により、定着動作終了時の送風方向を前記定着部側に切り替え、定着動作時の送風方向を前記ニップ部側に切り替えるよう前記切り替え機構を制御し、定着動作終了時における送風量を定着動作時における送風量に比して増加させるよう前記送風部を制御し、前記定着動作終了時に前記送風された空気を前記筐体外に排気するよう前記排気機構を制御する工程と、
を備えた定着装置の冷却方法。
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