JP5348030B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
従来、定着ローラが用紙の定着面に接触すると、トナーの一部が定着ローラに融着して用紙が定着ローラに張り付く場合があり、このとき紙詰まりが発生する問題がある。
前記用紙の定着面を加熱及び加圧する第1の定着ローラと、
前記用紙の非定着面を加熱及び加圧する第2の定着ローラと、
前記用紙と前記第1の定着ローラとの接触部近傍において前記第1の定着ローラを通過してきた前記用紙の定着面に風を吹き付ける第1の送風部と、
前記用紙と前記第2の定着ローラとの接触部近傍において前記第2の定着ローラを通過してきた前記用紙の非定着面に風を吹き付ける第2の送風部と、
前記第1の送風部による風の吹き付けを開始した後に前記第2の送風部による風の吹き付けを開始し、かつ、前記第2の送風部による風の吹き付けを停止した後又は停止時に前記第1の送風部による風の吹き付けを停止するように制御を行う制御部と、
を備えた定着装置が提供される。
前記用紙の定着面を加熱及び加圧する第1の定着ローラと、
前記用紙の非定着面を加熱及び加圧する第2の定着ローラと、
前記用紙と前記第1の定着ローラとの接触部近傍において前記第1の定着ローラを通過してきた前記用紙の定着面に風を吹き付ける第1の送風部と、
前記用紙と前記第2の定着ローラとの接触部近傍において前記第2の定着ローラを通過してきた前記用紙の非定着面に風を吹き付ける第2の送風部と、
前記第1の送風部による風の吹き付けを開始した後に前記第2の送風部による風の吹き付けを開始し、かつ、前記第2の送風部による風の吹き付けを停止した後又は停止時に前記第1の送風部による風の吹き付けを停止するように制御を行う制御部と、
を備えた画像形成装置が提供される。
画像形成装置10は、自動原稿搬送部20、スキャナ部30、画像形成部40、給紙部50等を備えて構成される。
スキャナ部30は、搬送される原稿Dに光源を照射し、原稿Dから反射される反射光を受光する。スキャナ部30は、受光した光信号を電気信号(画像データ)に変換し、変換された画像データを画像形成部40に出力する。
帯電装置42は、感光体ドラム41の表面を均一に帯電する。
露光装置43は、感光体ドラム41の非画像領域を露光し、露光した部分の電荷を除去することで画像領域に静電潜像を形成する。
現像装置44は、静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を現像する。
転写装置45は、用紙Pの裏面からトナーとは逆極性の電荷を付加し、静電力により感光体ドラム41に付着しているトナー画像を用紙Pの表面に転写する。
分離爪47は、分離装置46による分離処理後も用紙Pと感光体ドラム41とが分離されない場合、感光体ドラム41の表面に当接して用紙Pと感光体ドラム41とを分離する。クリーニング装置48は、用紙Pに転写されずに感光体ドラム41に付着している残留トナーをブラシやブレード等で除去する。
定着装置49は、加熱ローラ491、第1の定着ローラ492、第2の定着ローラ493、定着ベルト494、第1のファン495、第2のファン496等を備えて構成される。
「ニップ領域」とは、用紙Pと第1の定着ローラ492又は第2の定着ローラ493とが接触する領域をいう。
用紙Pは、ニップ領域に進入して第1の定着ローラ492及び第2の定着ローラ493と接触し、接触により加熱及び加圧される。加熱及び加圧されることにより、用紙Pの定着面に形成されたトナー画像が用紙Pに定着する。
第1のファン495又は第2のファン496によって吹き付ける風の(1)位置、(2)角度、(3)風速、(4)ONタイミング、(5)OFFタイミング、については後述する条件を満たすことが必要となる。
x1<x2・・・(1)
α<β・・・・・(2)
W1≧W2・・・(3)
T1<T2・・・(4)
E1≧E2・・・(5)
なお、式(1)を満たす場合でも、位置x1又はx2が第1の定着ローラ492又は第2の定着ローラ493に極端に近づきすぎず、離れすぎないことを要する。極端に近づきすぎると、吹き付けた風の影響で第1の定着ローラ492又は第2の定着ローラ493の温度が低下し、定着性能が低下するためである。また、極端に離れすぎると、吹き付ける風の影響が少なくなり分離性能が低下するためである。
可変方法としては、プロペラの回転数を上下して可変する方法やダクトD1及びD2を伸縮可能な構造にして、ダクトD1及びD2の先端位置を用紙に接近させて又は離して可変する方法がある他、ダクトD1及びD2の先端口にシャッター等の遮蔽機構を取り付け、遮蔽機構の開閉により断続的に最大風速を吹き付ける(0又はMaxの風速を吹き付ける)ことで総風速を可変する方法がある。
なお、ONタイミングT1とONタイミングT2とが略同一であると、定着面及び非定着面から吹き付ける風の影響で用紙Pの姿勢が不安定になり、得られる画像に品質不良が発生する場合がある。よって、これを回避するため、式(4)を満たした上で更に、ONタイミングT2は用紙Pの先端が位置X2に到達したタイミングであることが好ましい。
なお、用紙Pは、用紙Pの後端が位置X1を通過する段階まで搬送されれば第2の定着ローラ493に巻き込まれることはない。このことから、式(5)を満たした上で更に、OFFタイミングE2は用紙Pの後端が位置X1を通過する前又は通過時であることが望ましい。
図4〜図6に示すタイミングチャートは、上記式(4)及び(5)を満たすように制御された場合のタイミングチャートである。すなわち、ONタイミング及びOFFタイミングについてのタイミングチャートである。
縦軸は第1のファン495又は第2のファン496により吹き付ける風のON又はOFFを示し、横軸は時間を示す。
また、第1の定着ローラ492と第2の定着ローラ493とが最接近する位置において、用紙Pの通過状態を示すタイミングチャートも合わせて示す。縦軸は通過あり又はなしを示し、横軸は時間軸を示す。
図4によれば、用紙Pが通過する前に、第1のファン495によって風の吹き付けを開始する。用紙Pが通過し始めると、第2のファン496によって風の吹き付けを開始する。用紙Pが通過し始めた後用紙Pが通過し終わる前に第2のファン496による風の吹き付けを停止する。用紙Pが通過し終わると、その後第1のファン495による風の吹き付けを停止する。
図5によれば、第1の用紙が通過する前に、第1のファン495によって風の吹き付けを開始する。第1の用紙が通過し始めると、第2のファン496によって風の吹き付けを開始する。第1の用紙が通過し始めた後第1の用紙が通過し終わる前に第2のファン496による風の吹き付けを停止する。続いて第2の用紙が通過し始めると、第2のファン496によって風の吹き付けを再開する。以降、紙間では第2のファン496による風の吹き付けを停止する。連続通紙が終了した後、第1のファン495による風の吹き付けを停止する。
なお、図5では、紙間での第2のファン496による風の吹き付けを停止するものとしたがこれに限らず、風速を下げるとしてもよい。
図6によれば、第1の用紙が通過する前に、第1のファン495によって風の吹き付けを開始する。第1の用紙が通過し始めると、第2のファン496によって風の吹き付けを開始する。第1の用紙が通過し始めた後第1の用紙が通過し終わる前に第2のファン496による風の吹き付けを停止する。第1の用紙が通過し終わると、その後第1のファン495による風の吹き付けを停止する。続いて第2の用紙が通過する前に、第1のファン495によって風の吹き付けを再開する。第2の用紙が通過し始めると、第2のファン496によって風の吹き付けを再開する。以降、紙間では第1のファン495及び第2のファン496による風の吹き付けを停止する。
なお、図6では、紙間での第1のファン495及び第2のファン496による風の吹き付けを停止するものとしたがこれに限らず、風速を下げるとしてもよい。
送風処理により、用紙Pが第1の定着ローラ492に張り付いたり、又は用紙Pが第2の定着ローラ493に巻き付いたりすることを回避することができる。更には、得られる画像に波打ちや後端汚れ等の品質不良が発生することを防止することができる。
なお、本処理開始の前提として、プリントジョブ実行を指示する指示信号が制御部1に出力されたものとする。プリントジョブ実行を指示する指示信号は、例えば図示しない操作部のプリント実行ボタンが押下された場合、或いは外部端末からプリント実行ボタンが押下された場合に制御部1に出力される。
「通紙条件」とは、紙情報、環境情報、画像情報を含むものである。
例えば「画像パターン」がいわゆるベタ画像である場合、第1の定着ローラ492に融着するトナー量が多いため、用紙Pは第1の定着ローラ492に張り付き易い。
また、「トナー付着量」が多い場合、第1の定着ローラ492に融着するトナー量が多いため、用紙Pは第1の定着ローラ492に張り付き易い。なお、モノクロの画像形成装置10よりもカラーの画像形成装置の場合に、複数色(YMCK色)のトナー画像が何層にも渡って形成されるため、「トナー付着量」が多くなる。
また、「先端余白量」が少ない場合、用紙Pの先端には一定量のトナーが存在することを意味し、第1の定着ローラ492に張り付いた用紙Pを分離し難い。
よって、例えばベタ画像の場合であり、トナー付着量が多い場合であり、更には先端余白量が少ない場合、制御部1は第1のファン495を動作して用紙Pの定着面に風を吹き付け、用紙Pが第1の定着ローラ492に張り付くことを防止する制御を行うことになる。
「エア分離」とは、定着ローラに用紙が張り付いたり巻き付いたりすることを回避するため、或いは張り付いたり巻き付いたりした用紙を定着ローラから分離するために、用紙に風を吹き付けることをいう。本実施形態では、第1のファン495から用紙Pの定着面に風を吹き付けることをいい、これに伴い第2のファン496から用紙Pの非定着面に風を吹き付けることをいう。なお、エア分離が行われる際の第1のファン495及び第2のファン496の設置関係、及び、第1のファン495及び第2のファン496に対する制御部1の制御は、上記式(1)〜(5)を満たすものとする。
「エア分離が必要ない場合」とは、例えば通紙条件において用紙Pが厚紙であり、環境が高温低湿であり、定着面に形成されたトナー画像がいわゆるベタ画像でもない場合である。
「エア分離が必要な場合」とは、例えば通紙条件において用紙Pが薄紙であり、環境が低温高湿であり、定着面に形成されたトナー画像がいわゆるベタ画像の場合である。
実験は、複数種類の用紙を用いて画像形成を行い、得られた画像に画像ノイズが発生したか否かについて画像形成に用いた用紙の種類ごとに目視確認することで行った(実施例1及び2)。
「画像ノイズ」については、しわやなみ打ち等の紙変形によるノイズ及び後端汚れ等の画像不良によるノイズの両面から判断した。具体的には、画像ノイズが全くない場合を評価〇、画像ノイズが多少確認できる程度を評価△、画像ノイズによって得られた画像が鮮明でなくなった場合を評価×とした。
まず、実施例1について説明する。
実施例1では、第1のファン495及び第2のファン496による風の吹き付けを同時に停止する場合について実験を行った。すなわち、上記式(1)〜(5)のうち、式(5):E1=E2の場合について実験を行った。なお、式(1)〜(4)を満たすものとする。また、風速W1及び風速W2を何れも固定した場合又は何れか一方を可変した場合についても実験を行った。
実施例1によれば、第1の定着ローラ492又は第2の定着ローラ493の何れのローラにも用紙は張り付かず巻き付かないことが確認された。また、得られた画像には、画像ノイズが全くない(評価:〇)、又は画像ノイズがあっても多少確認される程度であった(評価:△)。風速W1及び風速W2は固定せず可変した方が、画像ノイズは発生し難いことが確認された(評価:〇)。
実施例2では、第1のファン495による風の吹き付けを停止する前に第2のファン496による風の吹き付けを停止する場合について実験を行った。すなわち、上記式(1)〜(5)のうち、式(5):E1>E2の場合について実験を行った。なお、式(1)〜(4)を満たすものとする。また、風速W1及び風速W2を何れも固定した場合又は何れか一方を可変した場合についても実験を行った。
実施例2によれば、実施例1の結果と同様、画像ノイズが全くないか(評価:〇)、あっても多少確認できる程度であった(評価:△)。また、風速W1及び風速W2についても同様に、可変した方が画像ノイズは発生し難いことが確認された(評価:〇)。
比較例1では、第1のファン495による風の吹き付けを停止した後に第2のファン496による風の吹き付けを停止する場合について実験を行った。すなわち、上記式(1)〜(5)のうち、式(5):E1≧E2を満たさない場合について実験を行った。なお、(1)〜(4)を満たすものとする。また、風速W1及び風速W2を何れも固定した場合又は何れか一方を可変した場合についても実験を行った。
比較例1によれば、剛度の高い126gsmのコート紙を用いて画像形成を行った場合は第1の定着ローラ492又は第2の定着ローラ493の何れのローラにも用紙は張り付かず巻き付かないことが確認された。また、得られた画像に画像ノイズが全くないことが確認された(評価:〇)。
しかし、剛度の低い85gsmのコート紙や64gsmの一般紙、ある程度剛度の高い105gsmのコート紙を用いて画像形成を行った場合、第1の定着ローラ492又は第2の定着ローラ493に用紙が張り付いたり巻き付いたりし、画像ノイズが得られた画像に大きく影響した(評価:×)。
20 自動原稿搬送部
30 スキャナ部
40 画像形成部
49 定着装置
491 加熱ローラ
492 第1の定着ローラ
493 第2の定着ローラ
494 定着ベルト
495 第1のファン
496 第2のファン
50 給紙部
1 制御部
Claims (9)
- 用紙の表裏面のうち定着時にトナー画像が定着する一方を定着面、他方を非定着面とした場合、定着面及び非定着面の両面を加熱及び加圧することでトナー画像を用紙の定着面に定着させる定着装置において、
前記用紙の定着面を加熱及び加圧する第1の定着ローラと、
前記用紙の非定着面を加熱及び加圧する第2の定着ローラと、
前記用紙と前記第1の定着ローラとの接触部近傍において前記第1の定着ローラを通過してきた前記用紙の定着面に風を吹き付ける第1の送風部と、
前記用紙と前記第2の定着ローラとの接触部近傍において前記第2の定着ローラを通過してきた前記用紙の非定着面に風を吹き付ける第2の送風部と、
前記第1の送風部による風の吹き付けを開始した後に前記第2の送風部による風の吹き付けを開始し、かつ、前記第2の送風部による風の吹き付けを停止した後又は停止時に前記第1の送風部による風の吹き付けを停止するように制御を行う制御部と、
を備えた定着装置。 - 前記制御部は、前記用紙の後端が前記用紙の搬送方向と前記第1の送風部による風の吹き付け方向との交差位置を通過する前又は通過する時に、前記第2の送風部による風の吹き付けを停止するように制御を行う請求項1に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記第2の送風部による風の吹き付けを停止する制御に代えて、前記第2の送風部により吹き付ける風速を予め定められた量だけ下げる制御を行う請求項2に記載の定着装置。
- 記制御部は、前記用紙の後端が前記用紙の搬送方向と前記第1の送風部による風の吹き付け方向との交差点を通過する時に、前記第1の送風部による風の吹き付けを停止する請求項1又は2に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記第1の送風部による風の吹き付けを停止する制御に代えて、前記第1の送風部により吹き付ける風速を前記第2の送風部により吹き付ける風速よりも大きい範囲で、かつ、予め定められた量だけ下げる制御を行う請求項4に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記第1の送風部により吹き付ける風速を前記第2の送風部により吹き付ける風速よりも大きくする制御をし、かつ、前記第1の送風部又は前記第2の送風部により吹き付ける風速を予め定められた範囲内で可変する制御を行う請求項1〜5の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記用紙が搬送方向上流側から下流側に搬送されるに従って前記第1の送風部又は前記第2の送風部により吹き付ける風速を予め定められた範囲内で大から小に可変する制御を行う請求項6に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記用紙の剛度、環境、画像パターン、トナー付着量又は先端余白量に関する情報のうち、何れか又は全部に基づいて、前記第1の送風部又は前記第2の送風部により吹き付ける風速を制御する請求項1〜7の何れか一項に記載の定着装置。
- 用紙の表裏面のうち定着時にトナー画像が定着する一方を定着面、他方を非定着面とした場合、定着面及び非定着面の両面を加熱及び加圧することでトナー画像を用紙の定着面に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、
前記用紙の定着面を加熱及び加圧する第1の定着ローラと、
前記用紙の非定着面を加熱及び加圧する第2の定着ローラと、
前記用紙と前記第1の定着ローラとの接触部近傍において前記第1の定着ローラを通過してきた前記用紙の定着面に風を吹き付ける第1の送風部と、
前記用紙と前記第2の定着ローラとの接触部近傍において前記第2の定着ローラを通過してきた前記用紙の非定着面に風を吹き付ける第2の送風部と、
前記第1の送風部による風の吹き付けを開始した後に前記第2の送風部による風の吹き付けを開始し、かつ、前記第2の送風部による風の吹き付けを停止した後又は停止時に前記第1の送風部による風の吹き付けを停止するように制御を行う制御部と、
を備えた画像形成装置。
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