次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ200の全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
以下の説明では、カラープリンタ200の方向は、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、カラープリンタ200は、筐体210と、シートの一例としての用紙Pを供給する給紙部220と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部230と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部290と、制御部100とを備えている。
筐体210は、給紙部220、画像形成部230、排紙部290および制御部100を内部に収容している。筐体210の前壁には、開口部210Aが形成されている。筐体210の前壁は、開口部210Aを開閉するフロントカバー211を有している。フロントカバー211は、下端211Aを中心に回動可能となっており、下側部分が後方へ向けて凹む凹部212となっている。
凹部212の底壁の上部には、外気を筐体210内に取り込むための吸気口213が形成されている。筐体210内における吸気口213の近傍には、筐体210外の温度である外気温を取得する外気温センサ310が設けられている。詳しくは、外気温センサ310は、吸気口213と後述するプロセス部240の間に配置されている。言い換えると、外気温センサ310は、前後方向(後述する4つの現像器250の並び方向)において、現像器250と吸気口213との間に配置されている。
フロントカバー211は、凹部212の開口を開閉するように設けられる手差しトレイ214を備えている。手差しトレイ214は、下端部214Aがフロントカバー211に回動可能に支持されている。凹部212の底壁の下部には、手差しトレイ214上に載せた用紙Pの先端を筐体210内に差し込むための給紙口215が形成されている。
手差しトレイ214の先端214Bは、凹部212の上部から離れて配置されている。これにより、筐体210外の空気が、手差しトレイ214の先端214Bと凹部212との隙間を通って凹部212内に入り、凹部212の底壁に形成された吸気口213から筐体210内に入ることが可能となっている。
筐体210の右側壁には、筐体210内の空気を外部に排出するための排気口216が形成されている。排気口216には、左右方向(後述する感光ドラム251の回転軸方向)に延びるダクト12が接続されている。
ダクト12は、前後方向において後述するプロセス部240と定着部280の間に配置されている。ダクト12は、前述した排気口216に接続される排出口12Aと、筐体210内の空気を内部に取り入れる吸引口12B,12Cとを有している。吸引口12Bは、ダクト12の下面に配置されている。吸引口12Cは、ダクト12の前方側で、プロセス部240の現像ローラ253よりも上方に配置されている。
ダクト12内における排気口216の近傍には、筐体210内の空気をダクト12を介して排出するファン11が設けられている。詳しくは、ファン11は、排気口216に対面して配置されている。
ファン11を駆動すると、ダクト12内の空気は、ファン11によって吸引されることで排気口216から筐体210外に排出される。ダクト12内の空気が筐体210外に排出されると、ダクト12内の気圧が下がることにより、ダクト12の吸引口12B,12Cから筐体210内の空気がダクト12内に取り込まれる。詳しくは、定着部280周りの空気とプロセス部240の下方の空気が、吸引口12Bからダクト12内に吸引される。また、プロセス部240の上方の空気が、吸引口12Cからダクト12内に吸引される。さらに、筐体210内の空気がダクト12内に吸引されると、筐体210内の気圧が下がることにより、筐体210の吸気口213から筐体210外の空気が筐体210内に取り込まれる。これにより、吸気口213から吸引口12B,12Cに向かう空気の流れが生じて、プロセス部240を冷却することが可能となっている。
給紙部220は、用紙Pを収容する給紙トレイ221と、給紙トレイ221または手差しトレイ214から用紙Pを画像形成部230へ搬送する用紙搬送機構222とを備えている。
画像形成部230は、スキャナユニット1と、プロセス部240と、ホルダ260と、定着部280とを備えている。プロセス部240は、感光体の一例としての感光ドラム251と、図示しない帯電器と、クリーニングローラ255と、現像器250と、転写ユニット270と、回収部400とを備えている。プロセス部240は、前後方向において吸気口213と排気口216の間に配置されている。
感光ドラム251は、前後方向に4つ配列され、帯電器によって帯電される。
スキャナユニット1は、4つの感光ドラム251の表面を露光する装置であり、筐体210内の上部に設けられている。露光された感光ドラム251には静電潜像が形成される。
現像器250は、給紙部220の上方で各感光ドラム251に対応して前後方向に4つ配列されており、現像ローラ253と、トナー収容室254とを備えている。クリーニングローラ255は、各感光ドラム251上のトナーを回収して保持する機能を有している。具体的には、クリーニングローラ55に印加される電圧が制御部100で制御されることで、クリーニングローラ255によるトナーの回収・保持と、クリーニングローラ255から感光ドラム251へのトナーの移動とが切り替えられている。詳しくは、クリーニングローラ255に印加される電圧が感光ドラム251の表面電位よりも小さい場合には、クリーニングローラ255が感光ドラム251上のトナーを回収して保持し、クリーニングローラ255に印加される電圧が感光ドラム251の表面電位よりも大きい場合には、クリーニングローラ255から感光ドラム251にトナーが移動するようになっている。
4つの現像器250のうちファン11に最も近い現像器250の近傍には、筐体210内の空気の温度である機内温度を取得する機内温度センサ320が設けられている。機内温度センサ320は、外気温センサ310よりも現像器250(トナー収容室254)の近くに配置されている。詳しくは、機内温度センサ320は、複数の現像器250のうちファン11から最も遠い現像器250よりもファン11に最も近い現像器250の近くに配置されている。言い換えると、ファン11に最も近い現像器250から機内温度センサ320までの距離は、ファン11に対して最も遠い現像器250から機内温度センサ320までの距離よりも小さくなっている。また、機内温度センサ320は、ファン11に最も近い現像器250の後側(吸気口213から吸引口12B,12Cに向かう空気の流れ方向における下流側)に配置されている。
ホルダ260は、4つの現像器250を一体的に保持しており、フロントカバー211を開けることで開放される開口部210Aを通して前後方向に移動可能に構成されている。
転写ユニット270は、給紙部220と4つの現像器250との間に設けられ、駆動ローラ271と、従動ローラ272と、搬送ベルト273と、転写ローラ274とを備えている。
駆動ローラ271および従動ローラ272は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト273が張架されている。また、搬送ベルト273の内側には、各感光ドラム251との間で搬送ベルト273を挟持する転写ローラ274が、各感光ドラム251に対向して4つ配置されている。
回収部400は、クリーニングローラ255上のトナーを感光ドラム251および搬送ベルト273を介して回収する機能を有している。具体的に、回収部400は、回収ローラ410と、回収ボックス420とを主に備えている。回収ローラ410は、搬送ベルト273の下面と接触しており、搬送ベルト273上のトナーを回収して回収ボックス420に収容する。搬送ベルト273の内側には、バックアップローラ430が、回収ローラ410との間で搬送ベルト273を挟持するように配置されている。
定着部280は、4つの現像器250および転写ユニット270の後側に配置され、加熱ローラ281と、加熱ローラ281と対向配置され加熱ローラ281を押圧する加圧ローラ282とを備えている。加熱ローラ281は、円筒状の部材であり、内部に、熱源の一例としてのハロゲンランプ283を備えている。そして、加熱ローラ281の近傍には、定着部280の温度である定着部温度を取得する定着部温度センサ330が設けられている。定着部温度センサ330は、加熱ローラ281から離れて配置される非接触式のセンサである。非接触式の定着部温度センサ330は、加熱ローラ281の温度変化に対して応答が遅れる特性を有している。また、非接触式の定着部温度センサ330は、加熱ローラ281の温度が低いほど、応答の遅れの程度が大きくなる特性を有している。
このように構成される画像形成部230では、まず、各感光ドラム251の表面が、帯電器により一様に帯電された後、スキャナユニット1で露光される。これにより、各感光ドラム251上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ253によって、トナー収容室254内のトナーが、感光ドラム251上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム251上にトナー像が担持される。
次に、搬送ベルト273上に供給された用紙Pが各感光ドラム251と各転写ローラ274との間を通過することで、各感光ドラム251上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。その後、用紙Pが定着部280を通過する際に加熱ローラ281で加熱されることで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
排紙部290は、用紙Pを搬送する複数の搬送ローラ291を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ291によって搬送され、筐体210の外部に排出される。
次に、制御部100について詳細に説明する。
図2に示すように、制御部100は、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、外部のコンピュータPCから出力されてくる印字指令と、各センサ310,320,330から出力されてくる情報と、ROM等に記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。具体的に、図2に示すように、制御部100は、温度取得手段110と、回転速度設定手段120と、印刷制御手段130と、回収制御手段140と、冷却期間設定手段150と、ファン制御手段160と、前述したRAMやROM等で構成される記憶手段170とを備えている。言い換えると、制御部100は、記憶手段170に記憶されているプログラムに基づいて動作することで、温度取得手段110、回転速度設定手段120、印刷制御手段130、回収制御手段140、冷却期間設定手段150およびファン制御手段160として機能している。
温度取得手段110は、印刷指令を受信したときに、各センサ310,320,330から各温度の検出値の取得を開始し、後述する印刷制御および継続回転処理中において各検出値を随時取得し続け、継続回転処理の後に各検出値の取得を停止する機能を有している。詳しくは、温度取得手段110は、定着部温度センサ330で取得した検出値Thsを、以下の式(1)を用いて補正することで定着部温度Thを取得している。
Th=A×Ths ・・・(1)
A:補正係数(補正値)
なお、外気温Toおよび機内温度Tiは、各センサ310,320の検出値をそのまま用いてもよいし、各センサ310,320に対応した補正をしてもよい。
また、温度取得手段110は、装置の状態に応じて補正係数Aを変更している。詳しくは、図3に示すように、温度取得手段110は、ハロゲンランプ283をOFFとした印刷待ちの状態であるスリープ状態(Sleep)において印刷指令を受けると、補正係数Aを1に設定し、前述した式(1)によって定着部温度Thを取得する。ここで、スリープ状態においては、前回の印刷から十分に時間が経過している場合が多く、この場合には、加熱ローラ281の温度と定着部温度センサ330周りの雰囲気温度が略同じであるため、補正係数Aを1に設定して、検出値をそのまま定着部温度Thとして設定している。また、温度取得手段110は、印刷指令受信時における定着部温度Thを取得すると、当該定着部温度Thを定着部初期温度Th1として記憶手段170に記憶する。なお、定着部初期温度Th1は、ハロゲンランプ283の出力の増加を開始する以前の定着部温度Thであれば、どのタイミングにおける定着部温度Thであってもよく、例えば出力の増加を開始した時点の定着部温度Thであってもよい。スリープ状態においては、ファン11を停止(Fan=Off)している。
その後、制御部100は、定着部初期温度Th1が第2温度T2以下の場合には、ウォームアップ状態(Warmup)における補正係数Aを1.5に設定し、第2温度T2より高い場合には、ウォームアップ状態における補正係数Aを1.3に設定する。ここで、ウォームアップ状態では、ハロゲンランプ283をONにして、定着部温度Thを用紙Pの加熱に適した所定の定着温度Ttまで上昇させる。このように定着部初期温度Th1が低い場合には、高い場合よりもウォームアップ状態での補正係数Aを大きな値としている。これにより、定着部温度センサ330が受ける影響、詳しくは温度が低いほど応答の遅れの程度が大きくなる影響を軽減することが可能となっている。ウォームアップ状態では、ファン11を低速で回転させる(Fan=Slow)。
補正係数Aを1.5に設定してウォームアップ状態としたときにおいて、定着部温度Thが定着温度Ttに達した場合には、温度取得手段110は、印刷状態(Print)における補正係数Aを1.1に設定する。ここで、印刷状態とは、用紙Pを印刷する状態であり、定着部温度Thが定着温度Ttに達してから、最後の用紙Pの印刷が完了するまでの状態をいう。
補正係数Aを1.3に設定してウォームアップ状態としたときにおいて、定着部温度Thが定着温度Ttに達した場合には、温度取得手段110は、外気温Toおよび機内温度Tiに基づいて印刷状態における補正係数Aを設定する。詳しくは、定着部温度Thが定着温度Ttに達したときに、外気温Toが第1温度T1以下、または、機内温度Tiが第3温度T3以下である場合には、温度取得手段110は、補正係数Aを1.1に設定する。また、定着部温度Thが定着温度Ttに達したときに、外気温Toが第1温度T1より高く、かつ、機内温度Tiが第3温度T3より高い場合には、温度取得手段110は、補正係数Aを1.2に設定する。
ここで、印刷状態における補正係数Aが1.2に設定される各温度条件は、後述するファン11を高速で回転させる条件(Th1>T2かつTo>T1かつTi>T3)と同じであり、この条件ではファン11を高速で回転させる(Fan=Fast)。また、印刷状態における補正係数Aが1.1に設定される各温度条件は、ファン11を低速で回転させる条件(高速回転の条件以外の条件)と同じである(Fan=Slow)。ファン11を高速で回転させた場合には、定着部温度センサ330が風の影響を受けるため、ファン11を低速で回転させる場合よりも補正係数Aを大きくしている。
なお、印刷状態で、後述する回収処理が実行された場合には、回収処理の後に設定するファン11の回転速度に応じて補正係数Aを設定してもよい。つまり、回収処理の後に設定したファン11が低速である場合には、補正係数Aを1.1に設定し、高速である場合には、補正係数Aを1.2に設定してもよい。
印刷状態からクールダウン状態(Cooldown)に遷移したとき、温度取得手段110は、補正係数Aを1.1に設定する。ここで、クールダウン状態では、印刷状態の終了後にファン11を所定時間駆動させて定着部280等を冷却させる。クールダウン状態では、ファン11を低速で回転させる(Fan=Slow)。クールダウン状態の終了後は、制御部100はスリープ状態に移行する。また、クールダウン状態中において印刷指令を受信した場合には、制御部100は、スリープ状態に移行することなくウォームアップ状態に移行する。この際、定着部温度Thはある程度高い値、詳しくは第2温度T2よりも高い値であるため、温度取得手段110は、補正係数Aを1.3に設定する。
なお、第1温度T1、第2温度T2および第3温度T3は、実験等により適宜設定すればよい。一例として、第1温度T1は26℃、第2温度T2は150℃、第3温度T3は34℃としてもよい。
温度取得手段110は、外気温To、機内温度Tiおよび定着部温度Thを取得すると、取得した外気温To、機内温度Tiおよび定着部温度Thを回転速度設定手段120に出力する。
回転速度設定手段120は、外気温Toと、機内温度Tiと、定着部初期温度Th1とに基づいて、ファン11の回転速度Nを、第1回転速度N1、または、当該第1回転速度N1よりも大きい第2回転速度N2に設定する設定処理(設定工程)を実行する機能を有している。具体的に、回転速度設定手段120は、設定処理において、外気温Toが第1温度T1以下の場合には、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1に設定する。図3の説明におけるファン11の回転速度の低速は第1回転速度の一例、高速は第2回転速度の一例である。
また、回転速度設定手段120は、設定処理において、外気温Toが第1温度T1より高い場合には、機内温度Tiと定着部初期温度Th1とに基づいて、ファン11の回転速度Nを、第1回転速度N1または第2回転速度N2に設定する。
詳しくは、回転速度設定手段120は、設定処理において、外気温Toが第1温度T1より高い場合には、定着部初期温度Th1が第2温度T2以下、または、機内温度Tiが第3温度T3以下の場合に、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1に設定する。また、回転速度設定手段120は、外気温Toが第1温度T1より高い場合には、定着部初期温度Th1が第2温度T2より高く、かつ、機内温度Tiが第3温度T3より高い場合に、ファン11の回転速度Nを第2回転速度N2に設定する。なお、回転速度設定手段120は、定着部温度Thが定着温度Ttに達したときに、設定処理によって回転速度Nを設定し、その後は、後述する回収処理が開始されるまで、もしくは、印刷制御が終了するまで、設定した回転速度Nを変更しない。
また、回転速度設定手段120は、後述する回収処理の終了後に、外気温Toと、機内温度Tiと、回収処理の終了後の定着部温度Thとに基づいて、ファン11の回転速度Nを、第1回転速度N1または第2回転速度N2に設定する再設定処理を実行する機能も有している。詳しくは、回転速度設定手段120は、外気温Toが第1温度T1以下、または、機内温度Tiが第2温度T2以下、または、回収処理の終了後の定着部温度Thが第2温度T2以下の場合に、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1に設定する。また、回転速度設定手段120は、外気温Toが第1温度T1より高く、かつ、機内温度Tiが第3温度T3より高く、かつ、回収処理の終了後の定着部温度Thが第2温度T2より高い場合に、ファン11の回転速度Nを第2回転速度N2に設定する。回転速度設定手段120は、次の回収処理が開始されるまで、もしくは、印刷制御が終了するまで、設定した回転速度Nを変更しない。
なお、回収処理の終了後の定着部温度Thは、回収処理の終了後であって、かつ、ハロゲンランプ283の出力の増加を開始する以前の定着部温度Thであれば、どのタイミングにおける定着部温度Thであってもよく、例えば出力の増加を開始した時点の定着部温度Thであってもよい。回転速度設定手段120は、回転速度Nを設定すると、設定した回転速度Nをファン制御手段160に出力する。なお、設定した回転速度Nは、記憶手段170に記憶してもよい。
印刷制御手段130は、印刷指令を受信したことを条件として、ハロゲンランプ283の出力を増加させるウォームアップ処理(ウォームアップ工程)と、用紙Pへのトナー像の形成、および、用紙Pへのトナー像の定着を行う印刷処理(印刷工程)を実行する機能を有している。詳しくは、印刷制御手段130は、印刷指令を受信すると、ハロゲンランプ283をONにしてウォームアップ状態に移行する。その後、定着部温度Thが定着温度Ttに達すると、印刷制御手段130は、給紙部220、画像形成部230および排紙部290を適宜制御して、用紙Pへの印刷を実行する。なお、印刷処理中においては、制御部100がクリーニングローラ255に所定の電圧を印加することで、クリーニングローラ255によって感光ドラム251上のトナーが回収されている。
回収制御手段140は、印刷指令を受信してから所定枚数の連続印刷を行った場合に、当該印刷指令に基づく印刷処理を中断して、ハロゲンランプ283の出力を低下させた後、クリーニングローラ255上のトナーを感光ドラム251および搬送ベルト273を介して回収部400で回収する回収処理を実行する機能を有している。また、回収制御手段140は、回収処理の終了から所定枚数の連続印刷を行った場合には、回収処理を再度実行するように構成されている。
冷却期間設定手段150は、印刷処理の終了後に、機内温度Tiに基づいて冷却期間を設定する冷却期間設定処理を実行する機能を有している。具体的には、冷却期間設定手段150は、例えば、機内温度Tiと冷却期間との関係を示すマップと機内温度Tiとに基づいて冷却期間を設定する。ここで、マップは、実験やシミュレーション等により適宜設定でき、例えば、機内温度Tiが高いほど冷却期間が長くなるようなマップに設定することができる。冷却期間設定手段150は、冷却期間を設定すると、設定した冷却期間をファン制御手段160に出力する。なお、設定した冷却期間は、記憶手段170に記憶してもよい。
ファン制御手段160は、ウォームアップ処理を開始してから定着部温度Thが定着温度Ttに到達するまでの間、つまりウォームアップ状態の間、ファン11を第1回転速度N1で駆動する機能を有している。また、ファン制御手段160は、定着部温度Thが定着温度Ttに到達した後、設定処理または再設定処理で設定された回転速度Nでファン11を駆動する機能を有している。
詳しくは、ファン制御手段160は、ウォームアップ状態では常に第1回転速度N1でファン11を駆動し、印刷状態に移行してから所定枚数の連続印刷が終了するまでの間は設定処理で設定された回転速度Nでファン11を駆動し、回収処理の終了した後は再設定処理で設定された回転速度Nでファン11を駆動する。さらに、ファン制御手段160は、印刷処理の終了後に、冷却期間設定処理で設定された冷却期間の間、第1回転速度N1でファン11を駆動する冷却処理としてのクールダウン処理を実行する機能を有している。
次に、制御部100の動作について図4〜図6を参照して詳細に説明する。
図4に示すように、制御部100は、スリープ状態において印刷指令があるか否かを判断する(S1)。ステップS1において印刷指令がないと判断した場合には(No)、制御部100は、印刷指令があるまで待機する。
ステップS1において印刷指令があると判断した場合には(Yes)、制御部100は、定着部温度Th、外気温Toおよび機内温度Tiの取得を開始する(S2)。ステップS2の後、制御部100は、印刷指令受信時の定着部温度Thを定着部初期温度Th1として記憶手段170に記憶する(S3)。
ステップS3の後、制御部100は、ハロゲンランプ283をONにして、ウォームアップ状態に移行する(S4)。ステップS4の後、制御部100は、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1に設定して(S5)、ファン11を駆動する(S6)。
ステップS6の後、制御部100は、定着部温度Thが定着温度Tt以上になったか否かを判断する(S7)。ステップS7において、制御部100は、Th<Ttであると判断した場合には(No)、ステップS7の処理を繰り返し、Th≧Ttであると判断した場合には(Yes)、ステップS8に移行する。
ステップS8において、制御部100は、外気温Toが第1温度T1より高いか否かを判断する。ステップS8においてTo≦T1であると判断した場合には(No)、制御部100は、回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S12)。
ステップS8においてTo>T1であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、定着部初期温度Th1が第2温度T2より高いか否かを判断する(S9)。ステップS9においてTh1≦T2であると判断した場合には(No)、制御部100は、回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S12)。
ステップS9においてTh1>T2であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、機内温度Tiが第3温度T3より高いか否かを判断する(S10)。ステップS10においてTi≦T3であると判断した場合には(No)、制御部100は、回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S12)。
ステップS10においてTi>T3であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、回転速度Nを第1回転速度N1よりも大きな第2回転速度N2に設定し、第2回転速度N2でファン11を駆動する(S11)。ステップS11またはステップS12の後、制御部100は、印刷処理を実行する(S13)。印刷処理の終了後、制御部100は、クールダウン処理を実行して(S14)、本制御を終了する。
図5に示すように、印刷処理においては、制御部100は、まず、印刷指令で指示されている総印刷枚数が所定枚数より多いか否かを判断する(S21)。ここで、所定枚数は、回収処理を行うか否かを決めるための閾値である。
ステップS21において総印刷枚数が所定枚数以下であると判断した場合には(No)、制御部100は、総印刷枚数分の用紙Pに対して画像形成を行った後(S22)、ハロゲンランプ283をOFFにして(S37)、本制御を終了する。ステップS21において総印刷枚数が所定枚数より多いと判断した場合には(Yes)、制御部100は、1枚分の用紙Pに対して画像形成を行う(S23)。なお、制御部100は、ステップS23の処理を行うたびに、現在の連続印刷枚数を、1枚ずつカウントアップする。
ステップS23の後、制御部100は、現在の連続印刷枚数が所定枚数以上であるか否かを判断する(S24)。ステップS24において現在の連続印刷枚数が所定枚数未満でると判断した場合には(No)、制御部100は、総印刷枚数分の印刷が完了したか否かを判断する(S36)。ステップS36において印刷が完了していないと判断した場合には(No)、制御部100は、ステップS23の処理に戻る。
ステップS24において現在の連続印刷枚数が所定枚数以上であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、印刷処理による画像形成を中断する(S25)。詳しくは、ステップS25において、制御部100は、給紙を停止するとともに、現在印刷している用紙Pに対してトナー像の転写・熱定着を行った後、当該用紙Pを排紙する。
ステップS25の後、制御部100は、ハロゲンランプ283をOFFにして(S26)、現在の連続印刷枚数を0にリセットする(S27)。ステップS27の後、制御部100は、回収処理を実行する(S28)。詳しくは、制御部100は、ステップS28において、クリーニングローラ255上に保持していたトナーを、感光ドラム251および搬送ベルト273に移動させて回収部400で回収する。
ステップS28の後、制御部100は、外気温Toが第1温度T1より高いか否かを判断する(S29)。ステップS29においてTo≦T1であると判断した場合には(No)、制御部100は、回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S33)。
ステップS29においてTo>T1であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、回収処理の終了後の定着部温度Thが第2温度T2より高いか否かを判断する(S30)。ステップS30においてTh≦T2であると判断した場合には(No)、制御部100は、回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S33)。
ステップS30においてTh>T2であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、機内温度Tiが第3温度T3より高いか否かを判断する(S31)。ステップS31においてTi≦T3であると判断した場合には(No)、制御部100は、回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S33)。
ステップS31においてTi>T3であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、回転速度Nを第2回転速度N2に設定し、第2回転速度N2でファン11を駆動する(S32)。ステップS32またはステップS33の後、制御部100は、ハロゲンランプ283をONにする(S34)。
ステップS34の後、制御部100は、定着部温度Thが定着温度Tt以上になったか否かを判断する(S35)。ステップS35において、制御部100は、Th<Ttであると判断した場合には(No)、ステップS35の処理を繰り返し、Th≧Ttであると判断した場合には(Yes)、ステップS36に移行する。ステップS36において印刷が完了したと判断した場合には(Yes)、制御部100は、ハロゲンランプ283をOFFにして(S37)、本制御を終了する。
図6に示すように、クールダウン処理においては、制御部100は、まず、回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S51)。ステップS51の後、制御部100は、機内温度Tiとマップとに基づいて冷却期間TM1を設定する(S52)。
ステップS52の後、制御部100は、タイマTMをカウントアップし(S53)、タイマTMが冷却期間TM1以上になったか否かを判断する(S54)。ステップS54においてTM<TM1であると判断した場合には(No)、制御部100は、ステップS53の処理に戻る。ステップS54においてTM≧TM1であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、ファン11を停止して(S55)、本制御を終了する。
次に、制御部100による制御の具体例について、図7および図8を参照して詳細に説明する。詳しくは、図7は、回収処理後にファン11の回転速度Nが第1回転速度N1から第2回転速度N2に変更される例を示し、図8は、回収処理後にファン11の回転速度Nが第2回転速度N2から第1回転速度N1に変更される例を示している。
図7の例では、印刷指令を受ける前(時刻t1より前)において、定着部温度Thが第2温度T2よりも十分低く、機内温度Tiが第3温度T3よりも低く、外気温Toが第1温度T1よりも高くなっている。図7に示すように、制御部100は、印刷指令を受けると(時刻t1)、そのときの低めの定着部温度Thを定着部初期温度Th1として記憶手段170に記憶する。また、この際、制御部100は、ハロゲンランプ283をONにするとともに、ファン11を第1回転速度N1で駆動する。ハロゲンランプ283のONにより、定着部温度Thが上昇していくとともに、機内温度Tiも上昇していく。
その後、定着部温度Thが定着温度Ttに達すると(時刻t2)、制御部100は、そのときの機内温度Tiおよび外気温Toを取得して、各温度Ti,Toを各温度T3,T1と比較するとともに、記憶手段170に記憶している定着部初期温度Th1を第2温度T2と比較する。この結果、制御部100は、Th1≦T2,Ti>T3,To>T1であると判断して、ファン11の回転速度Nを変更せずに、第1回転速度N1のままでファン11の駆動を継続する。
その後、制御部100は、印刷処理を開始し、現在の連続印刷枚数が所定枚数P1以上になると(時刻t3)、ハロゲンランプ283をOFFにして、回収処理を実行する。回収処理の実行中においては、ハロゲンランプ283がOFFになっていることにより、定着部温度Thおよび機内温度Tiは徐々に低下していく。
その後、回収処理が終了すると(時刻t4)、制御部100は、そのときの定着部温度Th、機内温度Tiおよび外気温Toを取得して、各温度Th,Ti,Toを各温度T2,T3,T1と比較する。この結果、制御部100は、Th>T2,Ti>T3,To>T1であると判断して、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1から第2回転速度N2に変更する。このようなファン11の高速回転により、回収処理後の印刷処理において、機内温度Tiを低下させていくことができる。また、制御部100は、回収処理を終了すると、ハロゲンランプ283をONにして、印刷処理を再開する。
印刷処理が終了すると(時刻t5)、制御部100は、ハロゲンランプ283をOFFにして、ファン11の回転速度Nを第2回転速度N2から第1回転速度N1に下げる。そして、制御部100は、印刷処理の終了時の機内温度Tiに基づいて冷却期間TM1を設定し、この冷却期間TM1の間、ファン11を第1回転速度N1で駆動させた後、ファン11を停止させる。
図8の例では、印刷指令を受ける前(時刻t11より前)において、定着部温度Thが第2温度T2よりも高く、機内温度Tiが第3温度T3よりも高く、外気温Toが第1温度T1よりも高くなっている。図8に示すように、制御部100は、印刷指令を受けると(時刻t11)、そのときの高めの定着部温度Thを定着部初期温度Th1として記憶手段170に記憶する。また、この際、制御部100は、ハロゲンランプ283をONにするとともに、ファン11を第1回転速度N1で駆動する。
その後、定着部温度Thが定着温度Ttに達すると(時刻t12)、制御部100は、そのときの機内温度Tiおよび外気温Toを取得して、各温度Ti,Toを各温度T3,T1と比較するとともに、記憶手段170に記憶している定着部初期温度Th1を第2温度T2と比較する。この結果、制御部100は、Th1>T2,Ti>T3,To>T1であると判断して、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1から第2回転速度N2に変更する。これにより、その後の印刷処理において、機内温度Tiを低下させていくことができる。
その後、制御部100は、現在の連続印刷枚数が所定枚数P1以上になると(時刻t13)、ハロゲンランプ283をOFFにして、回収処理を実行する。回収処理の実行中においては、ハロゲンランプ283がOFFになっていることにより、定着部温度Thおよび機内温度Tiは徐々に低下していく。
その後、回収処理が終了すると(時刻t14)、制御部100は、そのときの定着部温度Th、機内温度Tiおよび外気温Toを取得して、各温度Th,Ti,Toを各温度T2,T3,T1と比較する。この結果、制御部100は、Th>T2,Ti≦T3,To>T1であると判断して、ファン11の回転速度Nを第2回転速度N2から第1回転速度N1に変更する。このようなファン11の低速回転により、回収処理後の印刷処理において、騒音を抑えることができる。また、制御部100は、回収処理を終了すると、ハロゲンランプ283をONにして、印刷処理を再開する。
印刷処理が終了すると(時刻t15)、制御部100は、ハロゲンランプ283をOFFにして、第1回転速度N1のままでファン11の駆動を継続する。そして、制御部100は、印刷処理の終了時の機内温度Tiに基づいて冷却期間TM1を設定し、この冷却期間TM1の間、ファン11を第1回転速度N1で駆動させた後、ファン11を停止させる。なお、図8の例では、印刷処理の終了時の機内温度Tiが図7の例よりも高いため、制御部100は、冷却期間TM1を図7の例よりも長い時間に設定する。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
ハロゲンランプ283の出力の増加を開始する以前の定着部温度Thである定着部初期温度Th1と、外気温Toと、機内温度Tiとに基づいてファン11を制御できるので、筐体210内が蓄熱しておらず、印刷処理においてプロセス部240が高温にならない条件ではファン11の回転速度Nを小さくして騒音を抑制することができる。
外気温Toが第1温度T1以下、つまり低い温度の場合には、筐体210外の空気をそれほど筐体210内に取り込まなくても筐体210内のプロセス部240を十分冷却することができるので、ファン11の回転速度Nを小さくして騒音を抑制することができる。
筐体210内が蓄熱している条件は、外気温To、定着部初期温度Th1および機内温度Tiがすべて高温のときであるため、この条件のときのみにファン11の回転速度Nを大きくすることで、効率良くプロセス部240を冷却することができるとともに、騒音を効率良く抑えることができる。
印刷指令を受信してから定着部温度Thが定着温度Ttに到達するまでの間、つまりウォームアップ処理においては、ファン11の回転速度Nを小さくするので、騒音を可能な限り抑制することができる。また、ウォームアップ処理においてファン11の回転速度Nを小さくすることで、定着部280が冷却されることを抑制して、定着部温度Thを迅速に上昇させることができる。
回収処理を行った場合には、制御部100がファン11の回転速度Nの設定を見直すので、回収処理中での温度変化を考慮してファン11の回転速度Nを適切な値に設定することができる。
プロセス部240が吸気口213と排気口216の間に配置されているので、吸気口213から取り入れた外気によってプロセス部240を良好に冷却することができる。
外気温センサ310が、吸気口213とプロセス部240の間、つまり筐体210内の空気が流れる方向においてプロセス部240よりも上流側に配置されるので、プロセス部240の熱の影響を受けることなく外気温センサ310によって外気温を取得することができる。
機内温度センサ320が外気温センサ310よりも現像器250の近くに配置されているので、機内温度センサ320によって現像器250内のトナーの温度を良好に取得することができる。
機内温度センサ320が、複数の現像器250のうちファン11から最も遠い現像器250よりもファン11に最も近い現像器250の近くに配置されているので、各現像器250で発生した熱を機内温度センサ320によって良好に把握することができる。ここで、複数の現像器250で発生した熱は、ファン11の駆動により発生する空気の流れによって、ファン11に最も近い現像器250付近に集まりやすい。そのため、前述したようにファン11に最も近い現像器250付近に機内温度センサ320を配置することで、各現像器250で発生した熱を機内温度センサ320によって良好に把握することができる。
プロセス部240と定着部280の間にダクト12を設けることで、ダクト12によってプロセス部240と定着部280の間を仕切ることができるので、定着部280で加熱された空気がプロセス部240に向かうのを抑えることができる。
機内温度Tiに応じて冷却期間TM1を設定するので、クールダウン状態終了後の機内温度Tiを適正な温度にすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前述した第1実施形態に係る構成要素や制御の一部を変更したものであるため、第1実施形態と同様の構成要素や処理については、同一符号を付し、その説明を省略することとする。
第2実施形態に係る制御部100は、第1実施形態のような回収処理を実行しないが、所定枚数の連続印刷を行うたびに、ファン11の回転速度Nの設定を見直すように構成されている。具体的には、制御部100(回転速度設定手段120)は、印刷指令を受信してから所定枚数の連続印刷を行った場合に、外気温Toおよび機内温度Tiに基づいて、ファン11の回転速度Nを、第1回転速度N1または第2回転速度N2に設定する再設定処理を実行するように構成されている。また、制御部100は、再設定処理を実行してから所定枚数の連続印刷を行った際にも、再設定処理を実行するように構成されている。
具体的に、制御部100は、図9に示すようなフローチャートに基づいて印刷処理を実行するように構成されている。図9のフローチャートにおいては、図5のフローチャートにおけるステップS25〜S35の代わりに、新たなステップS61〜S65を設けている。
ステップS24において現在の連続印刷枚数が所定枚数以上であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、現在の連続印刷枚数を0にリセットする(S61)。ステップS61の後、制御部100は、外気温Toが第1温度T1より高いか否かを判断する(S62)。
ステップS62においてTo≦T1であると判断した場合には(No)、制御部100は、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S65)。ステップS62においてTo>T1であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、機内温度Tiが第3温度T3より高いか否かを判断する(S63)。
ステップS63においてTi≦T3であると判断した場合には(No)、制御部100は、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1に設定し、第1回転速度N1でファン11を駆動する(S65)。ステップS63においてTi>T3であると判断した場合には(Yes)、ファン11の回転速度Nを第2回転速度N2に設定し、第2回転速度N2でファン11を駆動する(S64)。ステップS64またはステップS65の後、もしくは、ステップS24でNoと判断した場合には、制御部100は、ステップS36の処理に移行する。
次に、第2実施形態に係る制御部100の動作の一例について図10を参照して詳細に説明する。
図10の例では、印刷指令を受ける前(時刻t21より前)において、定着部温度Thが第2温度T2よりも高く、機内温度Tiが第3温度T3よりも高く、外気温Toが第1温度T1よりも高くなっている。図10に示すように、制御部100は、印刷指令を受けると(時刻t21)、そのときの高めの定着部温度Thを定着部初期温度Th1として記憶手段170に記憶する。また、この際、制御部100は、ハロゲンランプ283をONにするとともに、ファン11を第1回転速度N1で駆動する。
その後、定着部温度Thが定着温度Ttに達すると(時刻t22)、制御部100は、そのときの機内温度Tiおよび外気温Toを取得して、各温度Ti,Toを各温度T3,T1と比較するとともに、記憶手段170に記憶している定着部初期温度Th1を第2温度T2と比較する。この結果、制御部100は、Th1>T2,Ti>T3,To>T1であると判断して、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1から第2回転速度N2に変更する。これにより、その後の印刷処理において、機内温度Tiを低下させていくことができる。
その後、制御部100は、現在の連続印刷枚数が所定枚数P1以上になると(時刻t23)、そのときの機内温度Tiおよび外気温Toを取得して、各温度Ti,Toを各温度T3,T1と比較する。この結果、制御部100は、Ti≦T3,To>T1であると判断して、ファン11の回転速度Nを第2回転速度N2から第1回転速度N1に変更する。このようなファン11の低速回転により、その後の印刷処理において、騒音を抑えることができる。
その後、制御部100は、時刻t23において回転速度Nを再設定してから現在の連続印刷枚数が所定枚数P1以上になると(時刻t24)、そのときの機内温度Tiおよび外気温Toを取得して、各温度Ti,Toを各温度T3,T1と比較する。この結果、制御部100は、Ti>T3,To>T1であると判断して、ファン11の回転速度Nを第1回転速度N1から第2回転速度N2に変更する。このようなファン11の高速回転により、その後の印刷処理において、機内温度Tiを低下させていくことができる。
以上、第2実施形態によれば、所定枚数の連続印刷を行った場合に、制御部100がファン11の回転速度Nの設定を見直すので、連続印刷中において、プロセス部240の温度が高温になるのを良好に抑えることができるとともに、騒音を適宜抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、印刷処理における所定期間(印刷状態に移行してから所定枚数の連続印刷が終了するまでの間)だけ設定処理で設定された回転速度Nでファン11を駆動したが、本発明はこれに限定されず、例えば印刷指令を受けてから印刷が終了するまで、設定処理で設定された回転速度Nでファン11を駆動してもよい。
前記実施形態では、定着部温度Thが定着温度Ttに到達したときに設定処理を実行したが、本発明はこれに限定されず、例えば印刷指令を受けたときなど熱源の出力の増加を開始する以前のタイミングで、設定処理を実行してもよい。つまり、設定処理において、熱源の出力の増加を開始する以前の定着部温度、外気温および機内温度で回転速度を設定してもよい。なお、この場合には、定着部温度が定着温度に達したときに、設定処理で設定した回転速度となるようにファンを制御してもよい。
前記実施形態では、外気温センサ310を筐体210内に設けたが、本発明はこれに限定されず、筐体外に外気温センサを設けてもよい。
前記実施形態では、感光ドラム251上のトナー像を用紙Pに直接転写させるプロセス部240を例示したが、本発明はこれに限定されず、中間転写方式のプロセス部であってもよい。つまり、プロセス部は、複数の感光ドラムと、複数の感光ドラムに対向する中間転写ベルトと、各感光ドラム上のトナー像を中間転写ベルトに転写させる一次転写ローラと、中間転写ベルト上のトナー像を用紙に転写させる二次転写ローラとを備えていてもよい。
前記実施形態では、感光体として感光ドラム251を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体であってもよい。
前記実施形態では、シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Pを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
前記実施形態では、回転する加熱ローラ281を備えた定着部280を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、エンドレスベルトと、エンドレスベルト内に配置される熱源およびニップ部材と、ニップ部材との間でエンドレスベルトを挟む加圧ローラとを備える定着部であってもよい。
前記実施形態では、カラープリンタ200に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、熱源の一例としてハロゲンランプ283を例示したが、本発明はこれに限定されず、熱源は、例えばカーボンヒータなどであってもよい。