JP5517153B2 - グリコペプチド抗生物質配糖化誘導体 - Google Patents

グリコペプチド抗生物質配糖化誘導体 Download PDF

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Description

本発明はグリコペプチド抗生物質配糖化誘導体、その製造方法および製造中間体に関する。
グリコペプチド抗生物質は、様々な微生物により産生される複雑な多環ペプチド構造を有する抗生物質であり、大部分のグラム陽性菌に対して有効な抗菌剤を提供する。近年、ペニシリン、セファロスポリンなどに耐性の細菌が現れ、多剤耐性菌およびメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)による感染は、医療現場において重要な問題を招いている。バンコマイシンのようなグリコペプチド系抗生物質は典型的に、このような微生物に対して有効であり、バンコマイシンはMRSAおよび他の耐性菌による感染の最後のツール薬物となっている。しかし、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)など、特定の微生物はバンコマイシンに対する耐性を現し始めている。また最近では、VREの耐性を獲得した黄色ブドウ球菌(VRSA)も発見されている。
バンコマイシンは、次式:
Figure 0005517153

、より具体的には
Figure 0005517153

で示される構造を有し、N末端から2番目と6番目のアミノ酸残基の芳香環が塩素原子で置換されている。バンコマイシン誘導体は、一般にグリコペプチド抗生物質とも称されているが、より学術的にはD-alanyl-D-alanine binding antibiotics with a heptapeptidic structureに由来するダルバヘプタイド(dalbaheptide)の総称が提起されている。ダルバヘプタイドは、芳香族アミノ酸を含む7つのアミノ酸からなるペプチド鎖を共通の基本骨格としている。
これまで、バンコマイシンや、この共通のペプチド鎖を基本骨格とする他のグリコペプチド抗生物質について様々な修飾がなされてきた。例えば、以下に示す構造を有するクロロオリエンチシンB(特許文献1:特開平1−240196)やその誘導体(特許文献2:特開2001−163898)が公知である。
Figure 0005517153

Figure 0005517153

(式中、Rは、水素、グルコシル、(4−epi−バンコサミニル)−O−グルコシル))
またその他のグリコペプチド抗生物質として例えば、以下の化合物が知られている。
Figure 0005517153

またバンコマイシンのアミノ糖を修飾したグリコペプチド化合物も公知である(例:特許文献18)。
しかし、耐性菌への薬効、水溶性、体内動態、安全性等をさらに改善した新規構造の抗菌剤の開発が要望されている。
一方、グリコペプチド抗生物質の化学修飾法として、種々の配糖化酵素を用いる方法が報告されている(例:特許文献3、非特許文献1〜5)。
また1または2個の糖類からなる糖側鎖にアミノメチレン型の置換基が結合した糖側鎖が、グリコペプチド抗生物質の4番目のアミノ酸残基の芳香環部分に結合しているグリコペプチド化合物は公知である(例:特許文献4〜17、非特許文献5〜17)。
これらの中で、非特許文献11(Angewandte Chemie, International Edition (2003), 42(38), 4657-4660)には、糖鎖末端のガラクトースに−CHNHが結合したバンコマイシン誘導体が記載されているが、該アミノをさらに化学修飾した化合物は記載されていない。
また最近のグリコペプチド化合物の研究動向が報告されている(例:非特許文献18)
特開平1−240196 特開2001−163898 WO2006003456 US2005239689A1 US2003068669A1 US2004259228A1 US2005266523A1 WO2004019970 WO2001081373 WO2001081372 WO2000069893 WO2000059528 WO2000042067 WO2000004044 WO9303060 EP301785A1 EP273727A1 WO2006057303 Journal of the American Chemical Society (2005), 127(30), 10747-10752 Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (2004), 101(13), 4390-4395 Chemistry - An Asian Journal (2006), 1, 445-452 Current Opinion in Biotechnology 2005, 16: 622-630 Nature Biotechnology (2003), 21(12), 1467-1469 ACS Chemical Biology (2006), 1(8), 499-504 Antiviral Research (2006), 72(1), 20-33 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2005), 15(16), 3801-3805 Organic Letters (2005), 7(8), 1513-1515 Chemistry & Biology (2005), 12(1), 131-140 Angewandte Chemie, International Edition (2003), 42(38), 4657-4660 Journal of Medicinal Chemistry (2003), 46(13), 2755-2764 Tetrahedron (2002), 58(32), 6585-6594 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2002), 12(6), 849-852 Chemistry--A European Journal (2001), 7(17), 3798-3823 Journal of the American Chemical Society (2000), 122(50), 12608-12609 Journal of Antibiotics (1998), 51(5), 525-527 Expert Opinion on Therapeutic Patents (2004) 14(2), 141-173
本発明は、抗菌活性を有する新規なグリコペプチド化合物を提供する。好ましくは、耐性菌(例:VRSA,VRE)にも有効であり、さらに好ましくは水溶性、体内動態、安全面等にも優れたグリコペプチド化合物を提供する。また糖転移酵素を利用したグリコペプチド抗生物質の配糖化方法およびそれを利用したグリコペプチド化合物の製造方法、その中間体も提供する。
本発明者らは鋭意検討した結果、クロロオリエンチシンB等のグリコペプチド抗生物質の4番目のアミノ酸残基の芳香環に結合している糖に対して、酵素反応を行うことによりさらに配糖化することに成功した。さらに配糖化された糖鎖末端のヒドロキシメチレンを酵素反応等によりアルデヒドに酸化し、このアルデヒド基に対して化学修飾を行うことにより位置選択的にアミノ側鎖を導入することに成功した。
本発明のグリコペプチド化合物の最大の特徴は、グリコペプチド抗生物質の4番目のアミノ酸残基の芳香環を包含する部分構造を有し、かつ該芳香環に2個以上の連結された糖がエーテル結合を介して結合している点である。
本発明のグリコペプチド化合物において、好ましくは、2個以上の連結された糖の内、グリコペプチド抗生物質のアグリコンに結合している糖はβ−D−グルコシル基であり、さらに好ましくは末端の糖は、β−D−ガラクトシル基である。
本発明のグリコペプチド化合物において、より好ましくは、上記末端の糖には−CHOHまたは−COHが結合し、さらに好ましくはそれらが化学修飾されて形成される置換されていてもよいアミノメチレン基が結合している。
よって本発明によれば、グリコペプチド抗生物質の4番目のアミノ酸残基の芳香環に上記の配糖化された糖を含む側鎖がエーテル結合を介して結合している種々のグリコペプチド化合物が提供される。
本発明は具体的には以下に示す化合物を提供する。
(1)式:
Figure 0005517153

(式中、
nは、1〜5の整数;
Sugはそれぞれ独立して単糖であり、(Sug)n は、同一または異なる1〜5個の単糖が結合して形成される2価の糖残基;
A1は、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、または置換されていてもよいシクロアルキル;
は、OHまたはNHAc(Acはアセチル))

で示される糖残基(I)が、グリコペプチド骨格内の4番目のアミノ酸残基の芳香環に結合していることを特徴とする、グリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
さらに詳しくは以下の(2)〜(32)に示す化合物を提供する。
(2)単糖が、グルコース、ガラクトース、フルクトース、フコース、マンノース、ラムノース、ガラクトサミン、グルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、バンコサミン、エピ−バンコサミン、グルクロン酸、シアル酸、デオキシグルコース、デオキシガラクトースからなる群から選択される、前記(1)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(3)単糖が、グルコースである、前記(1)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(4)nが1または2である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(5)単糖がグルコース;nが1または2である、前記(1)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(6)糖残基(I)が式:
Figure 0005517153

(式中、
mは、0〜4の整数;
A1およびRは、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される糖残基(I−0)である、前記(1)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(7)糖残基(I)が式:
Figure 0005517153

(式中、
mは、0〜4の整数;
A1およびRは、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される糖残基(I−1)である、前記(1)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(8)糖残基(I)が式:
Figure 0005517153

(式中、
mは、0〜4の整数;
A1およびRは、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される糖残基(I−2)である、前記(1)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(9)式:
Figure 0005517153

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;XおよびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;*は、糖残基との結合位置を示す)

で示される部分構造(II)を有する、前記(1)〜(8)のいずれかに記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(10)式:
Figure 0005517153

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;XおよびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;その他の記号は、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される部分構造(III)を有する、前記(1)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(11)部分構造(III)が式:
Figure 0005517153

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;XおよびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0〜4の整数;RA1およびRは、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される部分構造(III−0)である、前記(10)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(12)部分構造(III)が式:
Figure 0005517153

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;XおよびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0〜4の整数;RA1およびRは、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される部分構造(III−1)である、前記(10)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(13)部分構造(III)が、式:
Figure 0005517153

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;XおよびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;mは0〜4の整数;RA1およびRは、それぞれ前記(1)の場合と同意義)

で示される部分構造(III−2)である、前記(10)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(14)グリコペプチド化合物がクロロオリエンチシンB誘導体またはバンコマイシン誘導体である、前記(1)〜(13)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(15)式:
Figure 0005517153

(式中、
は、水素または糖残基;
は、−OH、−NR’(ここに、RおよびR’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または−OR〔Rは置換されていてもよい低級アルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
は、水素または置換されていてもよい低級アルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
は、水素または低級アルキル;および
その他の記号は、それぞれ前記(1)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(1)記載の化合物。
(16)式:
Figure 0005517153

(式中、
mは0〜4の整数;
その他の記号は、それぞれ前記(15)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(15)記載の化合物。
(17)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は、それぞれ前記(16)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(16)記載の化合物。
(18)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は、それぞれ前記(16)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(16)記載の化合物。
(19)式:
Figure 0005517153

(式中、
A2は、水素または置換されていてもよい低級アルキル;
は、−OH、−NR’(ここに、RおよびR’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または−OR〔Rは置換されていてもよい低級アルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
は、水素または置換されていてもよい低級アルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
は、水素または低級アルキル;
およびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;および
その他の記号は、それぞれ前記(1)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(1)記載の化合物。
(20)式:
Figure 0005517153

(式中、
mは0〜4の整数;
その他の記号は、それぞれ前記(19)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(19)記載の化合物。
(21)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は、それぞれ前記(20)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(20)記載の化合物。
(22)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は、それぞれ前記(20)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(20)記載の化合物。
(23)式:
Figure 0005517153

(式中、
は、−OH、−NR’(ここに、RおよびR’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または−OR〔Rは置換されていてもよい低級アルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
は、水素または置換されていてもよい低級アルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
は、水素または低級アルキル;
およびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;および
その他の記号は、それぞれ前記(1)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(1)記載の化合物。
(24)式:
Figure 0005517153

(式中、
mは0〜4の整数
その他の記号は、それぞれ前記(23)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(23)記載の化合物。
(25)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は、それぞれ前記(24)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(24)記載の化合物。
(26)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は、それぞれ前記(24)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、前記(24)記載の化合物。
(27)mが0または1である、前記(6)〜(8)、(11)〜(13)、(16)〜(18)、(20)〜(22)または(24)〜(26)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(28)RがOHである、前記(1)〜(27)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(29)RA1の、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、または置換されていてもよいシクロアルキルにおける各置換基が、以下の置換基群Aから選択される、前記(1)〜(28)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群A:置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロサイクル、置換されていてもよいアラルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアラルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、および置換されていてもよいアミノ)。
(30)前記(29)の置換基群Aにおける「置換されていてもよい」の各置換基が、以下の置換基群Bから選択される、前記(29)に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群B:置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ、オキソ、ハロゲン、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアラルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアラルキルスルフィニル、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、置換されていてもよいアラルキルチオ、ハロ低級アルキル、ハロ低級アルキルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいアリール低級アルケニル)。
(30')前記(29)の置換基群Aにおける「置換されていてもよい」の各置換基が、以下の置換基群Bから選択される、前記(29)に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群B:置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノアルキル、オキソ、ハロゲン、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアミノ、置換されていてもよいアリールアミノアルキル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアラルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアラルキルスルフィニル、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノスルホニル、置換されていてもよいアラルキルチオ、ハロ低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルアミノ、ハロ低級アルキルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいアリール低級アルケニル、置換されていてもよいヘテロアリール低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ、置換されていてもよいシクロアルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノスルホニル、)。
(31)前記(30)または(30’)の置換基群Bにおける「置換されていてもよい」の各置換基が、以下の置換基群Cから選択される、前記(30)または(30’)に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群C:低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルスルホニル、ニトロ、アラルキルオキシ、ハロゲン、シアノ、ハロ低級アルキル、ハロ低級アルキルオキシ、ジ低級アルキルアミノ)。
(32)RがOH;RがH;RがHである、前記(15)〜(31)および(30’)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
また、本発明は以下の(33)〜(38)に示す前記(1)〜(32)および(30’)に記載の化合物の製造方法も提供する。
(33)以下の工程:
(工程1)グリコペプチド抗生物質の4番目のアミノ酸残基の芳香環が式:
Figure 0005517153

で示される糖残基(VI)で置換されているグリコペプチド化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0〜2の整数)回行うことにより、該糖残基(VI)を式:
Figure 0005517153

(式中、RはOHまたはNHAc;mは0〜2の整数)

で示される基(VII)に変換する工程;
(工程2)基(VII)の末端の糖におけるヒドロキシメチレン部分を酸化反応に付すことにより、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される基(VIII)に変換する工程;および
(工程3)基(VIII)のアルデヒド基を式:RA1NHで示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付して、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される糖残基(I−0)に変換する工程、を包含する前記(6)記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(34)以下の工程:
(工程1)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記(15)と同意義)

で示される化合物(VII−1)を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0〜2の整数)回行うことにより式:
Figure 0005517153

(式中、RはOHまたはNHAc;その他の記号は前記と同意義)

で示される化合物(VIII−1)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;
(工程2)化合物(VIII−1)、その塩またはそれらの溶媒和物を酸化反応に付すことにより、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物(IX−1)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;および
(工程3)化合物(IX−1)、その塩またはそれらの溶媒和物を式:RA1NHで示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付す工程;
を包含することを特徴とする、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される前記(16)記載の化合物(IV−0)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(35)以下の工程:
(工程1)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記(15)と同意義)

で示される化合物(VII−1)を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0〜2の整数)回行うことにより式:
Figure 0005517153

(式中、RはOHまたはNHAc;その他の記号は前記と同意義)

で示される化合物(VIII−2)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;
(工程2)化合物(VIII−2)、その塩またはそれらの溶媒和物を酸化反応に付すことにより、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物(IX−2)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;および
(工程3)化合物(IX−2)、その塩またはそれらの溶媒和物を式:RA1NHで示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付す工程;
を包含することを特徴とする、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される前記(17)記載の化合物(IV−1)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(36)以下の工程:
(工程1)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記(15)と同意義)

で示される化合物(VII−2)を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0〜2の整数)回行うことにより式:
Figure 0005517153

(式中、RはOHまたはNHAc;その他の記号は前記と同意義)

で示される化合物(VIII−3)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;
(工程2)化合物(VIII−3)、その塩またはそれらの溶媒和物を酸化反応に付すことにより、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物(IX−3)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;および
(工程3)化合物(IX−3)、その塩またはそれらの溶媒和物を式:RA1NHで示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付す工程;
を包含することを特徴とする、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される前記(18)記載の化合物(IV−2)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
(37)工程1で、糖転移酵素がガラクトシルトランスフェラーゼであり、糖ドナーの糖が、グルコース、ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、デオキシグルコース、およびデオキシガラクトースから選択される同一または異なる1〜3個の糖であり、工程2で酸化反応がガラクトースオキシダーゼによって行われる、前記(33)〜(36)のいずれかに記載の製造方法。
(38)工程1で、糖転移酵素がガラクトシルトランスフェラーゼであり、所望による1回目の配糖化反応によってグルコースを付加した後、2回目の配糖化反応によってさらにガラクトースを付加し、工程2で酸化反応がガラクトースオキシダーゼによって行われる、前記(33)〜(36)のいずれかに記載の製造方法。
さらに本発明は前記(1)〜(32)、および(30’)のいずれかに記載の化合物の製造のための中間体として有用な以下の(39)、(40)に示す化合物も提供する。
(39)前記(34)に記載の化合物(VIII−1)、その塩またはそれらの溶媒和物。
(40)前記(34)に記載の化合物(IX−1)、その塩またはそれらの溶媒和物。
本発明はさらに、以下に示される側鎖末端の糖の脱水体も提供する。
(41)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は、それぞれ前記(16)と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(42)式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
(43)上記(1)〜(32)、(30’)および(39)〜(42)のいずれかに記載の化合物もしくは製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物。
本発明のグリコペプチド抗生物質誘導体、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物は、MRSAを含むブドウ球菌、レンサ球菌、肺炎球菌、腸炎球菌等種々の細菌に対してIn Vitroおよび/またはIn Vivo試験において抗菌活性を示す。特に、本化合物はそれら由来のバンコマイシン耐性型菌に対しても有効であり、特にバンコマイシン耐性型腸炎球菌(VRE)やバンコマイシン耐性型黄色ブドウ球菌(VRSA)に対しても有効である。よって、複雑性皮膚及び皮膚組織感染症、髄膜炎、敗血症、肺炎、関節炎、腹膜炎、気管支炎、膿胸、心内膜炎、カテーテル血流感染症等、種々の細菌感染症を治療または予防するのに有用である。またより好ましい本発明化合物は水溶性が高く、体内動態が良好であり、および/または毒性面(腎毒性、肝毒性、ヒスタミン遊離作用、hERGチャンネル阻害、抗原性等)でも安全である。
本明細書中、「グリコペプチド抗生物質」とは、バンコマイシンやクロロオリエンチシン類に代表される、芳香族アミノ酸を含む7つのアミノ酸からなるペプチド鎖を共通の基本骨格として有する任意のグリコペプチド化合物およびその誘導体を意味する。また「グリコペプチド骨格」とは、グリコペプチド抗生物質が共通して有する該ペプチド鎖からなる環状の基本構造を意味する。公知のグリコペプチド抗生物質としては、例えば、特開昭61−251699公報、特開平7−258289公報、国際公開WO96/30401パンフレット、国際公開WO00/39156パンフレット、特開2000−302687公報、国際公開WO2004/44222パンフレット;米国特許第4,639,433号;同第4,643,987号;同第4,497,802号;同第4,698,327号;同第5,591,714号;同第5,840,684号;および同第5,843,889号;EP0802199;EP0801075;EP0667353;WO97/28812;WO97/38702;WO98/52589;WO98/52592;ならびにJ.Am.Chem.Soc.,1996,118,13107〜13108;J.Am.Chem.Soc.,1997,119,12041〜12047;およびJ.Am.Chem.Soc.,1994,116,4573〜4590等に開示されているものが挙げられる。
グリコペプチド抗生物質のより具体的な例として例えば、バンコマイシン、テイコプラニン、リストマイシン、リストセチン、アクタプラニン、アクチノイジン(Actinoidin)、アルダシン、アボパルシン、アズレオマイシン(Azureomycin)、バルヒマイシン(Balhimycin)、クロロオリエンチシンA(ChloroorienticinA)、クロロオリエンチシンB(ChloroorienticinB)、クロロポリスポリン(Chloropolysporin)、デカプラニン(Decaplanin)、N−デメチルバンコマシイン(demethylvancomycin)、エレモマイシン(Eremomycin)、ガラカルジン(Galacardin)、ヘルベカルジン(Helvecardin)、イズペプチン(Izupeptin)、キブデリン(Kibdelin)、マンノペプチン(Mannopeptin)、オリエンチシン(Orienticin)、パルボジシン(Parvodicin)、シンモニシン(Synmonicin)、オリタバンシン(Oritavancin)、テラバンシン(Telavancin、TD−6424)、ダルババンシン(Dalbavancin)、A−40926などが挙げられる。
本発明において「グリコペプチド骨格」は、アグリコン部分として好ましくは以下の部分構造(II)を有する。
Figure 0005517153

(式中、環2、環4および環6は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2番目、4番目、および6番目のアミノ酸残基の芳香環;XおよびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;*は、糖残基との結合位置を示す)

およびXは好ましくは共にハロゲン、さらに好ましくはClである。
さらに好ましくは、以下の部分構造(II−0)を有する。
Figure 0005517153

(式中、環4は、グリコペプチド抗生物質の4番目のアミノ酸残基の芳香環;*は、糖残基との結合位置を示す)
さらに好ましくは、以下の部分構造(II−1)を有する。
Figure 0005517153

(式中、環2、4、5、6および7は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2,4,5,6,および7番目のアミノ酸残基における芳香環;XおよびXはそれぞれ独立して水素またはハロゲン;*は、糖残基との結合位置を示す)
さらに好ましくは、以下の部分構造(II−2)を有する。
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

上記アグリコン部分は、当業者に周知または合成可能な置換基で適宜置換されていてもよい。例えばバンコマイシン誘導体、テイコプラニン誘導体、クロロオリエンチシンB誘導体等における、C末端、N末端、レゾルシノール部分等が適宜、化学修飾されていてもよい。また*で示される炭素以外の部分にも糖が結合していてもよい。
さらに好ましくは、以下の部分構造(IV’)を有する。
Figure 0005517153

(式中、Rは、水素または糖残基;
は、−OH、−NR’(ここに、RおよびR’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または−OR〔Rは置換されていてもよい低級アルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
は、水素または置換されていてもよい低級アルキル(低級アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
は、水素または低級アルキル;
他の記号は上記と同意義)

は、好ましくは糖残基、より好ましくは式:
Figure 0005517153

(式中、RA2は水素または置換されていてもよい低級アルキル)
で示される糖残基、さらに好ましくは式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
で示される糖残基である。
A2は、好ましくは水素;または置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロサイクルもしくはヒドロキシで置換されていてもよい低級アルキルである。該「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいヘテロサイクル」の置換基としては、ハロ低級アルキルオキシで置換されていてもよいアリールカルボニルアミノが好ましい。RA2は、より好ましくは水素である。
は、好ましくは−OH、または−NHR(ここにRは、ヒドロキシもしくはジアルキルアミノで置換されていてもよい低級アルキル、低級アルキルオキシで置換されていてもよい低級アルキルオキシ、または低級アルキルアミノ)である。より好ましくは−OHである。
は、好ましくは水素または置換されていてもよいアミノで置換されていてもよい低級アルキルである。該「置換されていてもよいアミノ」の置換基としてはSOH、ヒドロキシ、もしくはトリ低級アルキルアンモニウムで置換されていてもよい低級アルキル;またはヘテロアラルキルが好ましい。Rは、より好ましくは水素である。
は、好ましくは水素である。
さらに好ましくは、以下の部分構造(IV’’)を有する。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
本発明化合物は、前記の部分構造で示されるアグリコンを有する。さらに前記グリコペプチド骨格内の4番目のアミノ酸残基の芳香環に種々の糖残基が結合したグリコペプチド化合物である。該糖残基は以下の構造で示される。
Figure 0005517153

(式中、
nは、1〜5の整数;
Sugはそれぞれ独立して単糖であり、(Sug)n は、同一または異なる1〜5個の単糖が結合して形成される2価の糖残基;
A1は、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、または置換されていてもよいシクロアルキル;
は、OHまたはNHAc(Acはアセチル))

nは、好ましくは1または2である。
Sugは、好ましくはグルコース、ガラクトース、フルクトース、フコース、マンノース、ラムノース、ガラクトサミン、グルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、バンコサミン、エピ−バンコサミン、グルクロン酸、シアル酸、デオキシグルコース、デオキシガラクトースである。より好ましくはグルコース(例:β−D−グルコース)またはガラクトース(例:β−D−ガラクトース)である。
nが1の場合、Sugはグルコース(例:β−D−グルコース)がさらに好ましい。
nが2の場合、Sugは2個同時にグルコース(例:β−D−グルコース)であることが特に好ましい。
A1は、好ましくは置換されていてもよい低級アルキルまたは置換されていてもよいシクロアルキルであり、より好ましくは置換されていてもよい低級アルキルである。
は、好ましくはOHである。
上記糖残基(I)は好ましくは、以下の糖残基(I−0)である。
Figure 0005517153

(式中、
mは、0〜4の整数;
A1およびRは、それぞれ上記と同意義)

上記式(I−0)において、末端糖以外の各単糖に結合している2個の水酸基の位置は特に限定されないが、好ましくは、1つの単糖の2位および3位に水酸基が1個ずつ結合する。また2個の隣接する単糖の結合様式は特に限定されないが、好ましくは、1位と4位で結合する。またアグリコン部分と結合する糖の結合位も特に限定されないが、好ましくは、単糖の1位でアグリコンとグリコシド結合を形成する。
mは、好ましくは0または1である。
上記糖残基(I−0)は好ましくは、以下の糖残基(I−1)である。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)

アグリコンに隣接する単糖は、好ましくはグルコース(例:β−D−グルコース)である。
末端に位置する単糖は、好ましくはガラクトースまたはN−アセチルガラクトサミンの6位ヒドロキシが、置換されていてもよいアミノに置換された単糖である。より好ましくはガラクトース(例:β−D−ガラクトース)の6位ヒドロキシが置換されていてもよいアミノに置換された単糖である。
それ以外の糖残基を構成する単糖は、好ましくはグルコースまたはガラクトース、より好ましくはグルコース(例:β−D−グルコース)である。
上記糖残基(I−1)は好ましくは、以下の糖残基(I−2)である。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)

本発明のグリコペプチド化合物においては、前記いずれかで例示されるアグリコンの*で示される炭素に、前記いずれかで例示される糖残基が結合している。
本発明化合物は、好ましくは以下に示す部分構造(III)を有する。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
部分構造(III)は、好ましくは以下に示す部分構造(III−0)である。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
部分構造(III−0)は、好ましくは以下に示す部分構造(III−1)である。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
部分構造(III−1)は、好ましくは以下に示す部分構造(III−2)である。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
上記化合物(X−1)は、好ましくは以下に示す化合物(X−2)であり、
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
さらに好ましくは化合物(X−3)である。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
上記化合物(XI−1)は、好ましくは以下に示す化合物(XI−2)であり、
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
さらに好ましくは化合物(X−3)である。
Figure 0005517153

(式中、各記号は上記と同意義)
本発明化合物は、さらに好ましくは、前記の部分構造(II−0)に、前記の糖残基(I)、(I−0)、(I−1)、または(I−2)が結合してなる構造を包含する。
本発明化合物は、さらに好ましくは、前記の部分構造(II−1)に、前記の糖残基(I)、(I−0)、(I−1)、または(I−2)が結合してなる構造を包含する。
本発明化合物は、さらに好ましくは、前記の部分構造(II−2)に、前記の糖残基(I)、(I−0)、(I−1)、または(I−2)が結合してなる構造を包含する。
本発明化合物は、さらに好ましくは、前記の部分構造(IV')に、前記の糖残基(I)、(I−0)、(I−1)、または(I−2)が結合してなる構造を包含する。
本発明化合物は、さらに好ましくは、前記の部分構造(IV'')に、前記の糖残基(I)、(I−0)、(I−1)、または(I−2)が結合してなる構造を包含する。
なお、前記化合物(IV−0)および(X−1)、前記化合物(IV−1)および(X−2)、前記化合物(IV−2)および(X−3)、前記化合物(IX−1)および(XI−1)、前記化合物(IX−2)および(XI−2)、ならびに前記化合物(IX−3)および(XI−3)は、それぞれ混合物からなる組成物であってもよい。
本明細書中、「糖残基」とは、単糖または同一でも異なってもよい複数の単糖が直鎖状もしくは分枝状に連結した多糖からOHを1個除いた場合の残余部分を意味する。
本明細書中、「単糖」としては、グルコース、ガラクトース、フルクトース、フコース、マンノース、ラムノース、ガラクトサミン、グルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、バンコサミン、エピ−バンコサミン、グルクロン酸、シアル酸、デオキシグルコース、デオキシガラクトースが好ましい。グリコペプチド骨格の4番目のアミノ酸残基の芳香環に結合する糖残基の根元部分を構成する単糖としてはグルコース(例:β−D−グルコース)が特に好ましい。グリコペプチド骨格の4番目のアミノ酸残基の芳香環に結合する糖残基の末端部分を構成する単糖としてはガラクトースまたはN−アセチルガラクトサミンがより好ましい。特にガラクトース(例:β−D−ガラクトース)が好ましい。
本明細書中、「アミノ糖残基」とは、アミノ基または置換アミノ基を有する前記「糖残基」を表す。代表的なアミノ糖残基には、L−バンコサミニル、3−デスメチル−バンコサミニル、3−エピ−バンコサミニル、4−エピ−バンコサミニル、4−ケト−バンコサミニル、アコサミニル、アクチノサミニル、ダウノサミニル、3−エピ−ダウノサミニル、リストサミニル、N−メチル−D−グルカミニル、N−アセチル−D−グルコサミル、またはN−アシル−D−グルコサミルなどが挙げられる。アクチノサミニル、アコサミニエル、4−エピ−バンコサミニル、4−ケト−バンコサミニル、リストサミニル、またはバンコサミニルが好ましい。特に、L−4−エピ−バンコサミニルが好ましい。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「低級アルキル」なる用語は、1〜15個、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が挙げられる。より好ましくは、C1−C6アルキルが挙げられる。さらに好ましくは、C1−C3アルキルが挙げられる。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「低級アルケニル」とは、炭素原子数が2〜15個、好ましく2〜10個であり、1個もしくは2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を包含する。例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、クロトニル、イソペンテニル、種々のブテニル異性体等が挙げられる。好ましくは、C2〜C6アルケニルが挙げられる。好ましくは二重結合は、1位と2位の炭素原子間に存在する。さらに好ましくは、C2〜C4アルケニルが挙げられる。
本明細書中、「低級アルキルオキシ」としては、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、s−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等が挙げられる。好ましくは、C1〜C6アルキルオキシが挙げられる。さらに好ましくは、C1〜C3アルキルオキシが挙げられる。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「シクロアルキル」とは、炭素原子数が3〜8個であるシクロアルキルを包含する。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。好ましくはC3〜C6シクロアルキルが挙げられる。これらは環を構成する隣接しない2個の炭素原子間で1〜3個の炭素原子を介して架橋していてもよい。
A1におけるシクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロペンチルが特に好ましい。
置換基群Aにおけるシクロアルキルとしては、架橋しているシクロヘキシルが好ましい。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アリール」とは、炭素数6〜14個の単環状もしくは縮合環状芳香族炭化水素基を包含する。例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントリル等が挙げられる。好ましくは、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルが挙げられる。さらに好ましくは、フェニル、2−ナフチルが挙げられる。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「ヘテロアリール」とは、例えば、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を環内に含有する単環芳香族複素環式基および縮合芳香族複素環式基を意味する。単環芳香族複素環式基は、酸素原子、硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1〜4個含んでいてもよい5〜8員の芳香環から誘導される、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい基を意味する。縮合芳香族複素環式基は、酸素原子、硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1〜4個含んでいてもよい5〜8員の芳香環が、1〜4個の5〜8員の芳香族炭素環もしくは他の5〜8員の芳香族複素環と縮合している、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい基を意味する。
具体的な「ヘテロアリール」としては、例えば、フリル(例えば、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例えば、2−チエニル、3−チエニル)、ピロリル(例えば、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例えば、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例えば、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例えば、1−テトラゾリル、2−テトラゾリル、5−テトラゾリル)、オキサゾリル(例えば、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソキサゾリル(例えば、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル)、チアゾリル(例えば、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、チアジアゾリル、イソチアゾリル(例えば、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例えば、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、フラザニル(例えば、3−フラザニル)、ピラジニル(例えば、2−ピラジニル)、オキサジアゾリル(例えば、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、ベンゾフリル(例えば、2−ベンゾ[b]フリル、3−ベンゾ[b]フリル、4−ベンゾ[b]フリル、5−ベンゾ[b]フリル、6−ベンゾ[b]フリル、7−ベンゾ[b]フリル)、ベンゾチエニル(例えば、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル、4−ベンゾ[b]チエニル、5−ベンゾ[b]チエニル、6−ベンゾ[b]チエニル、7−ベンゾ[b]チエニル)、ベンズイミダゾリル(例えば、1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル)、ジベンゾフリル、ベンゾオキサゾリル、キノキサリル(例えば、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、6−キノキサリニル)、シンノリニル(例えば、3−シンノリニル、4−シンノリニル、5−シンノリニル、6−シンノリニル、7−シンノリニル、8−シンノリニル)、キナゾリル(例えば、2−キナゾリニル、4−キナゾリニル、5−キナゾリニル、6−キナゾリニル、7−キナゾリニル、8−キナゾリニル)、キノリル(例えば、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル)、フタラジニル(例えば、1−フタラジニル、5−フタラジニル、6−フタラジニル)、イソキノリル(例えば、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリル、8−イソキノリル)、プリル、プテリジニル(例えば、2−プテリジニル、4−プテリジニル、6−プテリジニル、7−プテリジニル)、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル(例えば、1−アクリジニル、2−アクリジニル、3−アクリジニル、4−アクリジニル、9−アクリジニル)、インドリル(例えば、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、イソインドリル、ファナジニル(例えば、1−フェナジニル、2−フェナジニル)またはフェノチアジニル(例えば、1−フェノチアジニル、2−フェノチアジニル、3−フェノチアジニル、4−フェノチアジニル)等が挙げられる。
置換基群Aにおける「ヘテロアリール」としては、5または6員環(例:チエニル、フリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル)が好ましい。
置換基群Bにおける「ヘテロアリール」としては、5または6員環(例:チエニル、ピロリル、ピリジル)が好ましい。
A2における「置換されていてもよい低級アルキル」の置換基としての「ヘテロアリール」は、5または6員環(例:イミダゾリル、ピリジル)が好ましい。
本明細書中、「ヘテロサイクル」とは、例えば、窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子を環内に含有する単環非芳香族複素環式基および縮合非芳香族複素環式基を意味する。単環非芳香族複素環式基は、酸素原子、硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1〜4個含んでいてもよい5〜8員の非芳香環から誘導される、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい基を意味する。縮合非芳香族複素環式基は、酸素原子、硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1〜4個含んでいてもよい5〜8員の非芳香環が、1〜4個の5〜8員の芳香族炭素環、5〜8員の芳香族複素環、5〜8員の非芳香族炭素環、もしくは他の5〜8員の非芳香族複素環と縮合している、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい基を意味する。
具体的な「ヘテロサイクル」としては、例えば、ピロリジニル(例えば、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル)、ピロリニル(例えば、3−ピロリニル)、イミダゾリジニル(例えば、2−イミダゾリジニル)、イミダゾリニル(例えば、イミダゾリニル)、ピラゾリジニル(例えば、1−ピラゾリジニル、2−ピラゾリジニル)、ピラゾリニル(例えば、ピラゾリニル)、ピペリジル(例えば、ピペリジノ、2−ピペリジル)、ピペラジニル(例えば、1−ピペラジニル)、インドリニル(例えば、1−インドリニル)、イソインドリニル(例えば、イソインドリニル)、モルホリニル(例えば、モルホリノ、3−モルホリニル)、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、1,3−ベンゾジオキソラニル、1,4−ベンゾジオキサニル、1−ベンゾオキソラニル、オキセタニル、アゼチジニル、ジアゼチジニル、クロマニル等が挙げられる。
置換基群Aにおける「ヘテロサイクル」としては、5または6員環(例:ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル)が好ましい。
A2における「置換されていてもよい低級アルキル」の置換基としての「ヘテロサイクル」は、5または6員環(例:モルホリニル)が好ましい。
本明細書中、「アリールオキシ」としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。好ましくはフェニルオキシが挙げられる。
本明細書中、「アリールスルホニルアミノ」としては、フェニルスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ等が挙げられる。好ましくはナフチルスルホニルアミノが挙げられる。
本明細書中、「アリールカルボニルアミノ」としては、ベンゾイルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等が挙げられる。好ましくはベンゾイルアミノが挙げられる
本明細書中、「アリールアミノカルボニルアミノ」としては、フェニルアミノカルボニルアミノ、ナフチルアミノカルボニルアミノ等が挙げられる。好ましくはフェニルアミノカルボニルアミノが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリールオキシ」としては、ピリジルオキシ、フリルオキシ、ピロリルオキシ、チエニルオキシ等が挙げられる。好ましくはピリジルオキシが挙げられる。
本明細書中、「アリールアミノカルボニル」としては、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル等が挙げられる。好ましくはフェニルアミノカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「アリールカルボニル」としては、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル等が挙げられる。好ましくはフェニルカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「アリールチオ」としては、フェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。好ましくはフェニルチオが挙げられる。
本明細書中、「アリールアミノ」としては、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、フェニルメチルアミノ等が挙げられる。好ましくはフェニルアミノが挙げられる。
本明細書中、「アリールアミノアルキル」としては、フェニルアミノ低級アルキル、ナフチルアミノ低級アルキル、フェニルメチルアミノ低級アルキル等が挙げられる。好ましくはフェニルアミノ低級アルキルが挙げられる。
本明細書中、「アリールスルホニル」としては、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等が挙げられる。好ましくはフェニルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「アリールアミノスルホニル」としては、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル等が挙げられる。好ましくはフェニルアミノスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリールアルキル」としては、ピリジル低級アルキル、フリル低級アルキル、ピロリル低級アルキル、チエニル低級アルキル等が挙げられる。好ましくはピリジル低級アルキル、チエニル低級アルキルが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリールカルボニル」としては、ピリジルカルボニル、フリルカルボニル、ピロリルカルボニル、チエニルカルボニル等が挙げられる。好ましくはピリジルカルボニル、チエニルカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリールチオ」としては、ピリジルチオ等が挙げられる。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アラルキル」とは、前記「低級アルキル」に前記「アリ−ル」が1またはそれ以上置換したもので、これらは可能な全ての位置で置換しうる。例えば、ベンジル、フェニルエチル(例えば、2−フェニルエチル等)、フェニルプロピル(例えば、3−フェニルプロピル等)、ナフチルメチル(例えば、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等)、アントリルメチル(例えば、9−アントリルメチル等)、ビフェニルメチル(例えば、4−ビフェニルメチル等)等が挙げられる。好ましくは、ベンジル、フェニルエチルが挙げられる。より好ましくは、ベンジルが挙げられる。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「ヘテロアラルキル」とは、前記「低級アルキル」の任意の位置に前記「ヘテロアリ−ル」が1または2以上置換したもので、これらは可能な全ての位置で置換しうる。例えば、オキサゾリルメチル(例えば、2−オキサゾリルメチル、4−オキサゾリルメチル)、チアゾリルメチル(例えば、2−チアゾリルメチル、4−チアゾリルメチル)、オキサゾリルエチル(例えば、5−オキサゾリル−2−エチル)、チアゾリルエチル(例えば、5−チアゾリル−2−エチル)、ベンゾオキサゾリルメチル(例えば、ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)、ベンゾチアゾリルメチル(例えば、ベンゾチアゾール−2−イルメチル)、インドリルメチル(例えば、インドール−3−イルメチル)、イミダゾリルメチル(例えば、4−イミダゾリルメチル)、インダゾリルメチル(例えば、1−インダゾリルメチル)、ベンゾトリアゾリルメチル(例えば、1−ベンゾトリアゾリルメチル)、ベンゾキノリルメチル(例えば、2−ベンゾキノリルメチル)、ベンゾイミダゾリルメチル(例えば、ベンゾイミダゾール−2−メチル)、ピリジルメチル(例えば、4−ピリジルメチル)、フリルメチル(例えば、フラン−2−イルメチル)、チエニルメチル(例えば、チオフェン−2−イルメチル)等が挙げられる。
における「置換されていてもよい低級アルキル」の置換基として好ましくは、「置換されていてもよいアミノ」である。該「置換されていてもよいアミノ」の置換基は好ましくは、ヘテロアラルキル(例:ピリジルエチル)である。
本明細書中、「アラルキルオキシ」としては、フェニルC1〜C3アルキルオキシ、ナフチルC1〜C3アルキルオキシ等が挙げられる。好ましくはベンジルオキシが挙げられる。
本明細書中、「アラルキルチオ」としては、フェニルC1〜C3アルキルチオ、ナフチルC1〜C3アルキルチオ等が挙げられる。好ましくはベンジルチオが挙げられる。
本明細書中、「アラルキルアミノ」としては、フェニルC1〜C3アルキルアミノ、ナフチルC1〜C3アルキルアミノ等が挙げられる。好ましくはベンジルアミノが挙げられる。
本明細書中、「アラルキルカルボニルアミノ」としては、フェニルC1〜C3アルキルカルボニルアミノ、ナフチルC1〜C3アルキルカルボニルアミノ等が挙げられる。好ましくはベンジルカルボニルアミノが挙げられる。
本明細書中、「アラルキルアミノカルボニル」としては、フェニルC1〜C3アルキルアミノカルボニル、ナフチルC1〜C3アルキルアミノカルボニル等が挙げられる。好ましくはベンジルアミノカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「アラルキルスルフィニル」としては、フェニルC1〜C3アルキルスルフィニル、ナフチルC1〜C3アルキルスルフィニル等が挙げられる。好ましくはベンジルスルフィニルが挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアラルキルチオ」としては、ピリジルC1〜C3アルキルチオ、フリルC1〜C3アルキルチオ、ピロリルC1〜C3アルキルチオ、チエニルC1〜C3アルキルチオ等が挙げられる。好ましくはフリルメチルチオが挙げられる。
本明細書中、「アリール低級アルケニル」としては、フェニルC2〜C4アルケニル、ナフチルC2〜C4アルケニル等が挙げられる。好ましくは2−フェニルエテニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を意味する。好ましくは、フッ素、塩素および臭素が挙げられる。
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「ハロ低級アルキル」なる用語は、前記「ハロゲン」によって1〜8個所、好ましくは1〜5個所置換された前記「低級アルキル」を包含する。例えば、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、ジクロロエチル、トリクロロエチル等が挙げられる。好ましくは、前記「ハロゲン」によって1〜5個所置換されたC1〜C3アルキルが挙げられる。特に好ましくは、トリフルオロメチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロ低級アルキルオキシ」としては、前記「ハロゲン」によって1〜5個所置換されたC1〜C3アルキルオキシが好ましい。特に好ましくは、トリフルオロメチルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ジ低級アルキルアミノ」としてはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジn−プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、エチルメチルアミノ、メチルn−プロピルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、エチルn−プロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ等が挙げられる。好ましくは、ジメチルアミノが挙げられる。
「置換されていてもよい低級アルキル」、「置換されていてもよいアルケニル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいシクロアルキル」、「置換されていてもよいヘテロサイクル」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいアラルキルチオ」、「置換されていてもよいヘテロアラルキルチオ」、「置換されていてもよい低級アルキルオキシ」、「置換されていてもよいアラルキルオキシ」、「置換されていてもよいアリールオキシ」、「置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ」、「置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアミノ」、「置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ」、「置換されていてもよいアラルキルカルボニルアミノ」、「置換されていてもよいアラルキルアミノカルボニル」、「置換されていてもよいアラルキルスルフィニル」、「置換されていてもよいヘテロアリールオキシ」、「置換されていてもよいアリールアミノカルボニル」、「置換されていてもよいアリールカルボニル」、「置換されていてもよいアリールチオ」、「置換されていてもよいアリールアミノ」、「置換されていてもよいアリールアミノアルキル」、「置換されていてもよいアリールスルホニル」、「置換されていてもよいアラルキルアミノ」、「置換されていてもよいアリールアミノスルホニル」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル」、「置換されていてもよいヘテロアリールチオ」、「置換されていてもよいアリール低級アルケニル」、および「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、ハロ低級アルキル(例えば、CF、CHCF、CHCCl)、C1−C6アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル)、C2−C6アルケニル(例えば、ビニル)、C3−C6アルキニル(例えば、エチニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、シクロアルケニル(例えば、シクロプロペニル)、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、アルケニルオキシ(例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ等)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、ニトロ、ニトロソ、置換されていてもよいアミノ(例えば、アミノ、低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ)、アシルアミノ(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アラルキルアミノ(例えば、ベンジルアミノ、トリチルアミノ)、ヒドロキシアミノ)、アジド、アリール(例えば、フェニル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、シアノ、イソシアノ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、メルカプト、低級アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、低級アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル)、置換されていてもよいカルバモイル(例えば、低級アルキルカルバモイル(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル))、スルファモイル、アシル(例えば、ホルミル、アセチル)、ホルミルオキシ、ハロホルミル、オキザロ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、スルフィノ、スルフォ、スルホアミノ、ヒドラジノ、アジド、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、フタルイミド、オキソ、置換されていてもよいアリール(例、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−アミノフェニル、3−アミノフェニル、4−アミノフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、置換されていてもよいヘテロアリール(例、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル、ピロール−2−イル、ピラゾール−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル)等が挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいシクロアルキル」、「置換されていてもよいヘテロサイクル」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいアラルキルチオ」、「置換されていてもよいヘテロアラルキルチオ」、「置換されていてもよいアラルキルオキシ」、「置換されていてもよいアリールオキシ」、「置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ」、「置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアミノ」、「置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ」、「置換されていてもよいアラルキルカルボニルアミノ」、「置換されていてもよいアラルキルアミノカルボニル」、「置換されていてもよいアラルキルスルフィニル」、「置換されていてもよいヘテロアリールオキシ」、「置換されていてもよいアリールアミノカルボニル」、「置換されていてもよいアリールカルボニル」、「置換されていてもよいアリールチオ」、「置換されていてもよいアリールアミノ」、「置換されていてもよいアリールアミノアルキル」、「置換されていてもよいアリールスルホニル」、「置換されていてもよいアラルキルアミノ」、「置換されていてもよいアリールアミノスルホニル」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル」、「置換されていてもよいヘテロアリールチオ」、「置換されていてもよいアリール低級アルケニル」、および単独でもしくは他の用語と組み合わされて「置換されていてもよいシクロアルキル」の置換基としては、上に例示した置換基が挙げられる。該アリール、該ヘテロアリール、該シクロアルキル、および該へテロサイクルは、置換可能な任意の位置でこれら置換基によって置換されていてもよく、その数は1〜3個である。
A1は、好ましくは種々の脂溶性基である。より好ましくは、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、または置換されていてもよいシクロアルキルである。さらに好ましくは、置換されていてもよい低級アルキルまたは置換されていてもよいシクロアルキルである。特に好ましくは置換されていてもよい低級アルキルである。「置換されていてもよい」の置換基は、置換基群Aから選択される1またはそれ以上の同一または異なる置換基である。
置換基群A:置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロサイクル、置換されていてもよいアラルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアラルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、置換されていてもよいアミノ。
置換基群Aにおける「置換されていてもよい」の置換基は、置換基群Bから選択される1またはそれ以上の同一または異なる置換基である。
置換基群B:置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノアルキル、オキソ、ハロゲン、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアミノ、置換されていてもよいアリールアミノアルキル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアラルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアラルキルスルフィニル、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノスルホニル、置換されていてもよいアラルキルチオ、ハロ低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルアミノ、ハロ低級アルキルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいアリール低級アルケニル、置換されていてもよいヘテロアリール低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ、置換されていてもよいシクロアルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノスルホニル
置換基群Bにおける「置換されていてもよい」の置換基は、置換基群Cから選択される1またはそれ以上の同一または異なる置換基である。
置換基群C:低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルスルホニル、ニトロ、アラルキルオキシ、ハロゲン、シアノ、ハロ低級アルキル、ハロ低級アルキルオキシ、ジ低級アルキルアミノ、
A1の好ましい態様は以下に示される基を包含する。
(1−1)−CH−(置換)Ph−CONR−(置換)Ph
(1−2)−CH−(置換)Ph−NRCO−(置換)Ph
(1−3)−CH−(置換)Ph−CH2−CONR−(置換)Ph
(1−4)−CH−(置換)Ph−CH2−NRCO−(置換)Ph
(1−5)−CH−(置換)Ph−X−CONR−(置換)Ph
(1−6)−CH−(置換)Ph−X−NRCO−(置換)Ph
(1−7)−CH−(置換)Het−CONR−(置換)Ph
(1−8)−CH−(置換)Het−NRCO−(置換)Ph
(1−9)−CH−(置換)Ph−CONR−CH−(置換)Ph
(1−10)−CH−(置換)Ph−NRCO−CH−(置換)Ph
(1−11)−CH−(置換)Ph−CH−CONR−CH−(置換)Ph
(1−12)−CH−(置換)Ph−CH−NRCO−CH−(置換)Ph
(1−13)−CH−(置換)Ph−X−CONR−CH−(置換)Ph
(1−14)−CH−(置換)Ph−X−NRCO−CH−(置換)Ph
(1−15)−CH−(置換)Het−CONR−CH−(置換)Ph
(1−16)−CH−(置換)Het−NRCO−CH−(置換)Ph
(1−17)−(CH)m−(置換)Ph−CONR−(置換)Ph
(1−18)−(CH)m−(置換)Ph−NRCO−(置換)Ph
(1−19)−(CH)m−(置換)Ph−CH−CONR−(置換)Ph
(1−20)−(CH)m−(置換)Ph−CH−NRCO−(置換)Ph
(1−21)−(CH)m−(置換)Ph−X−CONR−(置換)Ph
(1−22)−(CH)m−(置換)Ph−X−NRCO−(置換)Ph
(1−23)−(CH)m−(置換)Het−CONR−(置換)Ph
(1−24)−(CH)m−(置換)Het−NRCO−(置換)Ph
(1−25)−(CH)m−(置換)Het−X−CONR−(置換)Ph
(1−26)−(CH)m−(置換)Het−X−NRCO−(置換)Ph
(1−27)−(CH)m−S−CH−(置換)Ph
(1−28)−CH−(置換)Het−(置換)Ph
(1−29)−CH−CH[(置換)Ph]
(1−30)−(置換)cAlk−X−CH−(置換)Ph
(1−31)−CH−(置換)cAlk
(1−32)−(CH)m−X−(CH)m−H
(1−33)−(CH)m−X−(置換)Ph
(1−34)−CH−(置換)Ph
(1−35)−CH−(置換)Het−CH−(置換)Ph
(1−36)−CH−(置換)Ph−(置換)Ph
(1−37)−(CH)m−S−CH−(置換)Het
(1−38)−CH−(置換)Ph−X−(置換)Ph
(1−39)−(CH)m−(置換)Het−CH−(置換)Ph
(1−40)−CH−(置換)Ph−X−(置換)Het
(1−41)−CH−(置換)Ph−(置換)Het
(1−42)−(CH)m−(置換)Het
(1−43)−CH−(置換)Ph−SO−CH−(置換)Ph
(1−44)−(置換)cAlk−(置換)Ph
(1−45)−CH−(置換)Ph−S−CH−(置換)Ph
(1−46)−CH−(置換)Het−(置換)Het
(1−47)−CH−(置換)Ph−CO−(置換)Ph
(1−48)−CH−(置換)Het−CO−(置換)Ph
(1−49)−CH−(置換)Het−CH=CH−(置換)Ph
(1−50)−CH−(置換)Het−X−CH−(置換)Ph
(1−51)−CH−(置換)Het−CH−X−(置換)Ph
(1−52)−CH−(置換)Het−SO−(置換)Ph
(1−53)−CH−(置換)Het−X−(置換)Ph
(1−54)−CH−CH=CH−(置換)Het−(置換)Ph
[上記式中、Phは、フェニル;Xは、O、SまたはNR;Rは、水素または低級アルキル;Hetは、縮合していてもよいヘテロアリールまたはヘテロサイクル(好ましくは5または6員);cAlkは、シクロアルキル(好ましくは3〜6員);mは2または3;(置換)は置換されていてもよい、を示す。]
上記のうち、RA1の特に好ましい態様は(1−28)である。
、R、Rにおける化学修飾としては、例えば特開2001−163898号に記載の置換基が挙げられる。具体的には以下に例示される。
は、以下の(2−1)〜(2−7)からなる群から選択される:
(2−1)ヒドロキシ:
(2−2)置換基を有していてもよいモノまたはジアルキルアミノ(ただし、(2−4)を除く)であり、ここに2つのアルキルは結合して環を形成してもよく、該置換基は、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ヒドロキシ、グアニジノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、シアノで置換されていてもよいカルバモイル、モノまたはジアルキルカルバモイル、モノまたはジアリールカルバモイル、アリール、アルキルアミドもしくはアリールアミド、アルキルウレアもしくはアリールウレア、−(C=O)N−N(R、−N(R(CHCOOR、−N(R(CH(R、−SO−OR(ここで、mは1〜3であり、Rは、C1〜C3アルキルであり、そしてRは、水素またはC1〜C3アルキルである)、もしくは−P=O(OR(ここで、Rは、水素もしくはC1〜C3アルキルである)、またはその組み合わせであり、ここで、該置換基中のアルキルはさらに、アルキルオキシカルボニルもしくはアリールオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノで置換されていてもよく、また該置換基中のアリール環はさらに、ハロゲン、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、アミノで置換されていてもよいアルキル、もしくはアシル化されていてもよいヒドロキシアルキルまたはチオアルキル、またはその組み合わせで置換され得る;
(2−3)アミノまたはヒドロキシで置換されていてもよいシクロアルキルアミノ;
(2−4)二置換メチルアミノ−NHCHRであり、ここで、Rは、カルボキシ、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル、カルバモイル、もしくは置換基を有していてもよいモノアルキルカルバモイル、もしくは置換基を有していてもよいシクロアルキルカルバモイルから選択され、ここで、該置換基は、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、カルボキシ、ヒドロキシ、−(C=O)N−N(R、−(CHCOOR(ここで、mは、1〜3であり、Rは、C1〜C3アルキルである)で置換されていてもよいアリール、−N(R(CHCOOR(ここで、Rは、水素またはC1〜C3アルキルである)、もしくは−N(R(CH(R、またはその組み合わせであり、Rは、C1〜C3アルキルで窒素が置換されていてもよいインドールもしくはチオインドール、またはイミダゾリルである;
(2−5)トリペプチドR−A−A−A−:ここで、A、A、およびAはそれぞれ任意のアミノ酸単位であり、Rは、該トリペプチドのカルボキシ末端の、ヒドロキシ、アミノもしくは置換基を有していてもよいモノまたはジアルキルアミノを表し、該置換基は、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、グアニジノ、もしくはアリールである;
(2−6)置換基を有していてもよいヒドラジノまたはヒドロキサム酸であり、該置換基は、アルキル、もしくはさらにアルキルで置換されていてもよいアリールアルキルである;および
(2−7)置換基を有していてもよいアルコキシであり、該置換基は、さらにニトロ、ヒドロキサム酸、もしくはアルキルで置換されていてもよいアリールカルボニルである;
ただし、(2−2)〜(2−7)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含むことができ、そして存在する炭素−炭素一重結合は、ヘテロ原子で、または−O(P=O)(OR)O−(ここで、Rは、水素、アルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルである)、およびイミノから選択されるヘテロ基で中断されていることがある;
は好ましくは、−OH、−NHR、または−NR’(ここに、RおよびR’は水素、置換されていてもよい低級アルキル、−NH−R、−NH−COR、−NH−CONHR、−O−R(各Rは、それぞれ独立して水素または置換されていてもよい低級アルキル)、またはアミノ糖残基)である。好ましくは、R、R’のいずれか一方は水素である。より好ましくは、−OHまたは−NHR(ここに、Rは置換されていてもよい低級アルキル、または置換されていてもよい低級アルキルオキシ)である。
置換されていてもよい低級アルキルおよび置換されていてもよい低級アルキルオキシの置換基としては、親水性の置換基が好ましく、例えばアミノ、モノまたはジ低級アルキルアミノ、トリ低級アルキルアミン、アミノ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、SOH、PO、置換されていてもよいカルバモイル、4級アンモニウム基(例:トリ低級アルキルアミノ(例:−N(CH))、置換されていてもよい複素環基(ヘテロサイクルまたはヘテロアリール)、置換されていてもよい複素環チオ、グアニジノ、NHSONH、ヒドロキシ低級アルコキシから選択される同一または異なる1〜10個、好ましくは1〜6個の置換基が例示される。複素環内のN原子部分は4級化されて塩を形成していてもよい。置換されていてもよい複素環の置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アミノ低級アルキル、4級アンモニウム低級アルキルが例示される。また4級アンモニウム基上の低級アルキル基はさらに置換低級アルキル(置換基:カルボキシ、ヒドロキシ、4級アンモニウム基)で置換されていてもよい。より好ましくは、置換されていてもよい低級アミノ、ヒドロキシ、または低級アルコキシである。
は、以下の(3−1)〜(3−4)からなる群から選択される:
(3−1)水素;
(3−2)アルキル、シクロアルキルまたはアルキレンで置換されていてもよいアミノメチルであり、該アルキル、シクロアルキルおよびアルキレンはそれぞれ置換基を有していてもよく、該置換基は、アルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、シクロアルキルで置換されていてもよいアリール、ピリジル、ヒドロキシ、グアニジノ、−O−(P=O)(OH)、カルボキシ、SOH、−N(R(CH(R、もしくは−(C=O)−N−N(R(ここで、mは1〜3であり、Rは、C1〜C3アルキルである)、またはその組み合わせであって、ここで、該モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノ置換基中のアルキルは、さらにアミノで置換されていることがある;
(3−3)置換基を有していてもよいアルキニルであり、該置換基は、アルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、またはアリールである;および
(3−4)ハロゲン;
ただし、(3−2)および(3−3)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含むことができ、そして存在する炭素−炭素一重結合は、ヘテロ原子で、または−O(P=O)(OR)O−(ここで、Rは、水素、アルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルである)、アミド、およびイミノから選択されるヘテロ基で中断されていることがある。
は、好ましくは水素または置換されていてもよい低級アルキルである。該置換されていてもよい低級アルキルの置換基は好ましくは、前記−NHRであるか、Rにおける置換されていてもよい低級アルキルの置換基が例示される。より好ましくは前記−NHRである。ここにおいてRは好ましくは、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアラルキル、または置換されていてもよい低級アルキルである。該置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアラルキル、または置換されていてもよい低級アルキルの置換基は好ましくは、−NH、−SOH、または−OHである。
とRの好ましい組合せとしては、Rが−OH、−NHR(Rは、モノまたはジ低級アルキルアミノ低級アルキル、トリ低級アルキルアンモニウム低級アルキル、またはアミノ糖残基)、−NR5’(RおよびR5’は、共にヒドロキシ低級アルキル)、または−NHCHCON(Me)、であり、Rが水素、モノまたはジ置換アミノ低級アルキル(置換基の例:低級アルキル、モノまたはジ低級アルキルアミノ低級アルキル、トリ低級アルキルアンモニウム低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルコキシ低級アルキル、−CHCON(Me)、1〜6個のヒドロキシで置換された低級アルキル、およびカルボキシ、ヒドロキシ、オキソ、置換されていてもよいカルバモイル、グアニジド、スルホン酸基、リン酸基、NHSONHおよび/またはアミノで置換された低級アルキル、置換されていてもよいヘテロ環低級アルキル(置換基:アミノ低級アルキル)、置換されていてもよい4級アンモニウム低級アルキル(置換基:カルボキシ、ヒドロキシ、4級アンモニウム基))である場合が例示される。具体的には後記の表6〜表8の場合が挙げられる。
とRの特に好ましい組合せとしては、Rが−OH、Rが水素である。
は、以下の(4−1)〜(4−6)からなる群から選択される:
(4−1)水素;
(4−2)置換基を有していてもよいアルキルであり、該置換基は、アルキルオキシカルボニル、アミノ、アルキル化されていてもよいアリール、アリールカルボニル、カルバモイル、モノまたはジアルキルカルバモイルまたはモノまたはジアリールアルキルカルバモイルまたはその組み合わせであり、ここで、該置換基中のアルキルまたはアリールは、さらにアルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルで置換されていてもよいアミノ、またはヒドロキシで置換されていてもよい;
(4−3)置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニルであって、該置換基は、アルキル化されていてもよいアリールである;
(4−4)アリールアミドまたはアリールチオアミド;
(4−5)アルキル化されていてもよいアミノまたはアミジノ;および
(4−6)ニトロソ;ただし、(4−2)〜(4−5)において、存在するアリール環はヘテロ原子を含み得、そして、存在する炭素−炭素一重結合はヘテロ原子で中断されていることがある。
は好ましくは水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである。特に好ましくは水素である。
また文献(例:Expert Opin. Ther.Patents(2004)14, 141〜173頁)記載の方法に準じて、N末端部分を脱ロイシン化して−NHに変換したり、さらにそれをアシル化してもよい。
は水素または糖残基である。好ましくは糖残基である。より好ましくはアミノ糖残基である。さらに好ましくは、以下の式:
Figure 0005517153

(式中、RA2は水素または置換されていてもよい低級アルキル)

で示されるアミノ糖残基である。
特に好ましくは、以下の式:
Figure 0005517153

(式中、RA2は前記と同意義)

で示されるアミノ糖残基である。
A2における置換されていてもよい低級アルキルの置換基としては、例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、ハロ低級アルキル(例えば、CF、CHCF、CHCCl)、ヒドロキシで置換されていてもよいC1−C6アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル)、C2−C6アルケニル(例えば、ビニル)、C3−C6アルキニル(例えば、エチニル)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、シクロアルケニル(例えば、シクロプロペニル)、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、アルケニルオキシ(例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ等)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、ニトロ、ニトロソ、置換されていてもよいアミノ(例えば、アミノ、低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ)、アシルアミノ(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、アラルキルアミノ(例えば、ベンジルアミノ、トリチルアミノ)、ヒドロキシアミノ)、アジド、アリール(例えば、フェニル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、シアノ、イソシアノ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、メルカプト、低級アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、低級アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル)、置換されていてもよいカルバモイル(例えば、低級アルキルカルバモイル(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル))、スルファモイル、アシル(例えば、ホルミル、アセチル)、ホルミルオキシ、ハロホルミル、オキザロ、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、スルフィノ、スルフォ、スルホアミノ、ヒドラジノ、アジド、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、フタルイミド、オキソ、置換されていてもよいアリール(例、フェニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−アミノフェニル、3−アミノフェニル、4−アミノフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、置換されていてもよいヘテロアリール(例、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−5−イル、ピロール−2−イル、ピラゾール−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル)、置換されていてもよいヘテロサイクル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリジニル、イミダゾリニル、1−ピラゾリジニル、2−ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジノ、2−ピペリジル、1−ピペラジニル、モルホリノ、3−モルホリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル)等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロサイクルである。より好ましくはヒドロキシ、ピリジン−3−イル、イミダゾール−2−イル、モルホリノ、または3−(3−トリフルオロメチルオキシベンゾイルアミノ)フェニルである。
A2の特に好ましい態様は水素である。
本発明の好ましい化合物は、以下のカテゴリーに分類できる。
式(IV−2):
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される化合物において:
1)RA1が置換されていてもよい低級アルキルである化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
2)RA1が下記置換基群Aから選択される置換基で置換されていてもよい低級アルキルである1)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物;
置換基群A:置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロサイクル、置換されていてもよいアラルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアラルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ置換されていてもよいアミノ、
3)2)の置換基群Aにおける「置換されていてもよい」の置換基が下記置換基群Bから選択される2)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物;
置換基群B:置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノアルキル、オキソ、ハロゲン、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアミノ、置換されていてもよいアリールアミノアルキル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアラルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアラルキルスルフィニル、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノスルホニル、置換されていてもよいアラルキルチオ、ハロ低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルアミノ、ハロ低級アルキルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいアリール低級アルケニル、置換されていてもよいヘテロアリール低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ、置換されていてもよいシクロアルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノスルホニル、
4)3)の置換基群Bにおける「置換されていてもよい」の置換基が下記置換基群Cから選択される3)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物;
置換基群C:低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルスルホニル、ニトロ、アラルキルオキシ、ハロゲン、シアノ、ハロ低級アルキル、ハロ低級アルキルオキシ、ジ低級アルキルアミノ、
5)Rが−OH、−NHR、または−NR’(ここに、RおよびR’は水素、置換されていてもよい低級アルキル、−NH−R、−NH−COR、−NH−CONHR、−O−R(各Rは、それぞれ独立して水素または置換されていてもよい低級アルキル)、またはアミノ糖残基)である化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
6)Rが−OHまたは−NHR(ここに、Rは下記置換基群Dから選択される同一または異なる1〜6個の置換基で置換されていてもよい低級アルキル、または下記置換基群Dから選択される同一または異なる1〜6個の置換基で置換されていてもよい低級アルキルオキシ;
置換基群D:アミノ、モノまたはジ低級アルキルアミノ、トリ低級アルキルアミン、アミノ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ低級アルキルアミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、SOH、PO、置換されていてもよいカルバモイル、4級アンモニウム基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよい複素環チオ、グアニジノ、NHSONH、ヒドロキシ低級アルコキシ)
である5)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
7)Rが水素または置換されていてもよい低級アルキルである化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
8)Rが水素または下記置換基群Eから選択される置換基で置換されていてもよいアミノで置換されていてもよい低級アルキルである7)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物;
置換基群E:−NH、−SOH、もしくは−OHで置換されていてもよいアラルキル;−NH、−SOH、もしくは−OHで置換されていてもよいヘテロアラルキル;または−NH、−SOH、もしくは−OHで置換されていてもよい低級アルキル、
9)Rが水素または置換基を有していてもよい低級アルキルである化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
10)Rが水素である9)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
11)Rが水素または糖残基である化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
12)Rが式:
Figure 0005517153

(式中、RA2は水素または置換されていてもよい低級アルキル)

で示されるアミノ糖残基である11)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
13)Rが式:
Figure 0005517153

(式中、RA2は水素または、ヒドロキシ、ピリジン−3−イル、イミダゾール−2−イル、モルホリノ、もしくは3−(3−トリフルオロメチルオキシベンゾイルアミノ)フェニル置換されていてもよい低級アルキル)

で示されるアミノ糖残基である12)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
14)XおよびXが共にClである化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
15)Rが−OHである化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
16)Rが−NHAcである化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物、
17)mが0または1である化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
上記1)−17)の各カテゴリーは任意に2つまたはそれ以上の組み合わせをもって化合物を構成することができる。
、RおよびRの組合せとしては、Rがヒドロキシ、−NHR(Rは、モノまたはジ低級アルキルアミノ低級アルキル、トリ低級アルキルアンモニウム低級アルキル、またはアミノ糖残基)、−NR’(RおよびR’は、共にヒドロキシ低級アルキル)、または−NHCHCON(Me)、であり、Rが水素、モノまたはジ置換アミノ低級アルキル(置換基の例:低級アルキル、モノまたはジ低級アルキルアミノ低級アルキル、トリ低級アルキルアンモニウム低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルコキシ低級アルキル、−CHCON(Me)、1〜6個のヒドロキシで置換された低級アルキル、およびカルボキシ、ヒドロキシ、オキソ、置換されていてもよいカルバモイル、グアニジド、スルホン酸基、リン酸基、NHSONHおよび/またはアミノで置換された低級アルキル、置換されていてもよいヘテロ環低級アルキル(置換基:アミノ低級アルキル)、置換されていてもよい4級アンモニウム低級アルキル(置換基:カルボキシ、ヒドロキシ、4級アンモニウム基))であり、Rが水素である場合が例示される。具体的には表1〜8の場合が挙げられる。
Figure 0005517153
Figure 0005517153
Figure 0005517153
Figure 0005517153
Figure 0005517153
Figure 0005517153
Figure 0005517153
Figure 0005517153
より具体的な本発明化合物を以下に例示する。下記、表9および表10は、R、RおよびRの各組合せにおいて、RA1を展開した例である。
Figure 0005517153
Figure 0005517153
本発明は、上記化合物、その製薬上許容される塩およびそれらの溶媒和物を包含する。本発明化合物の理論上可能なすべての互変異性体、幾何異性体等も、本発明の範囲内である。
「製薬上許容される」とは、予防上または治療上有害ではないことを意味する。
本発明化合物の製薬上許容される塩としては、塩基性塩として、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ブロカイン塩、メグルミン塩、ジエタノールアミン塩またはエチレンジアミン塩等の脂肪族アミン塩;N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ベネタミン塩等のアラルキルアミン塩;ピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等のヘテロ環芳香族アミン塩;テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。酸性塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸等が挙げられる。
また本発明化合物の溶媒和物、各種溶媒和物も本発明の範囲内であり、例えば、一溶媒和物、二溶媒和物、一水和物、二水和物等が挙げられる。
一般的製造法
以下に本発明化合物の代表的な製造法を記載するが、特にこれらの製造法に限定される意味ではない。
本発明の出発物質は、クロロオリエンチシンBまたはその公知の誘導体のグリコペプチド骨格の6番目のアミノ酸残基に結合するアミノ糖のアミノ部分(RA2)、またはクロロオリエンチシンB、バンコマイシンまたはそれらの公知の誘導体のC末端部分(R)、レゾルシノール部分(R)、もしくはN末端部分のメチルアミノ部分(R)等を種々化学修飾することにより調製することができる。またグリコペプチド骨格の4番目のアミノ酸残基の芳香環に結合する糖側鎖を一旦、脱離させて得られるアグリコンを原料に使用することもできる。あるいは、出発物質として、クロロオリエンチシンB、バンコマイシンまたはそれらの公知の誘導体を化学修飾することなく用いてもよい。
当該化学修飾は、例えば、本明細書の一部を構成する国際公開WO2006/057303パンフレット等に記載の方法に準じて行えばよい。具体的には、以下の通りである。
1)RA2部分の修飾
代表的には、クロロオリエンチシンBを原料に用いて、アミノ糖のアミノ部分に、対応する種々のアルデヒドを所望により酸または塩基存在下で反応させ、中間体であるシッフ塩基を形成し、これを続いて還元することによりN−アルキル化して、目的の2級アミンを形成させればよい。
詳細には、シッフの塩基の形成反応は、所望により窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気下に、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、アセトニトリルまたは水のような極性溶媒またはそれらの混合溶媒中で、所望により酸または塩基存在下、約0℃から約100℃の温度で実施する。好ましくは約20℃から約40℃の温度で、約1分から2時間行われる。使用する塩基としては、アルキルアミン(例:ジイソプロピルエチルアミン)などが例示される。この際に原料化合物中に本反応の障害となる置換基を有する場合には、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora W Green (John Wiley & Sons) 等に記載の方法で予め保護し、望ましい段階でその保護基を除去すればよい。
次に中間体のシッフ塩基を、好ましくは単離せずに、水素化金属錯体により還元するか接触還元すればよい。水素化金属錯体としては、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化シアノホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素金属が使用できる。接触還元は、クラブトリー触媒、ウイルキンソン触媒、パラジウム炭、白金炭またはロジウム炭のような均一系または不均一系触媒の存在下、水素を使用して行われる。還元反応は約0℃から約100℃の温度で約1分〜24時間行われる。好ましくは、水素化シアノホウ素ナトリウムの過剰量(例:3〜5モル当量)用い、上記溶媒中で、約20℃から約40℃で実施される。
なお、シッフ塩基の形成反応および還元反応は同時に行ってもよく、または還元剤の存在下においてシッフ塩基の形成反応を行うことにより、目的化合物を得ることも可能である。
2)R部分の修飾
代表的には、クロロオリエンチシンB、バンコマイシン等を原料に用いて、C末端であるカルボン酸部分を常法によりアミド化することにより、R=−NR’である各種アミド誘導体に変換できる。
3)R部分の修飾
代表的には、クロロオリエンチシンB、バンコマイシン等を原料に用いて、レゾルシノール部分を常法によりアルキル化すればよい。
4)R部分の修飾
代表的には、クロロオリエンチシンB、バンコマイシン等を原料に用いて、N末端部分のメチルアミン部分を常法により例えばN−アルキル化すればよい。
5)アグリコンの調製
代表的には、クロロオリエンチシンB、バンコマイシン等を原料に用いて、酸加水分解等の公知の方法により脱グリコシル化すればよい。具体的には、J. Med. Chem. (1965), 8, 18-22、J. Chem. Soc., Chem. Commun. (1988), 1306-l307、Biochemistry (2001), 40(15), 4745-4755等に記載の方法で調製できる。
本発明化合物は、好ましくは、上記の方法で調製した出発物質のグリコペプチド骨格の4番目のアミノ酸残基の芳香環のOH部分、またはそれに結合する糖残基に、糖転移酵素等を用いて単糖を結合させて、糖鎖を伸長した後、末端の糖残基のヒドロキシメチル基をアルデヒド基に酸化し、RA1に対応するアミンを所望により酸または塩基存在下で反応させ、中間体であるシッフ塩基を形成し、これを続いて還元することによりN−アルキル化して、目的の2級アミンを形成させることで合成できる。具体的には以下のとおりである。
6)糖鎖の伸長
代表的化合物について、糖鎖の伸長方法を以下に示す。
Figure 0005517153

(式中、n1は0〜5の整数;n2は1〜6の整数;
n’はn1+n2(但しn’は6以下);
、R、R、R、X、X、およびSugは前記と同意義;
NDPはヌクレオチド−2リン酸;
但し、n1が0の場合、(Sug)n1は、Hを示す。)

上記1)〜5)のいずれか、またはそれらを組み合わせた方法で調製した出発物質に対して、糖鎖修飾を行い、前記糖残基(I)を形成すればよい。該糖鎖修飾は、好ましくは酵素反応により行われる。例えば、酵素反応には、所望により緩衝液中で、糖転移酵素の存在下に糖ドナーと反応させて、糖鎖を伸長する。糖鎖を2単糖分以上伸長させる場合、該反応を複数回繰り返してもよいし、または後述の通り、あらかじめ複数の単糖を連結させた糖ドナーを使用してもよい。
緩衝液としては、Tris等の有機塩基の塩と酸を組み合わせた緩衝液(例えば、Tris-HCl緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液等)、ホウ酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液等の緩衝液が例示されるが、好ましくはTris-HCl緩衝液、MES緩衝液が挙げられる。
糖転移酵素としては、β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、α−1,3−ガラクトシルトランスフェラーゼ、β−1,3−ガラクトシルトランスフェラーゼ、β−1,6−ガラクトシルトランスフェラーゼ、α−2,6−シアリルトランスフェラーゼ、α−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ、セラミドガラクトシルトランスフェラーゼ、α−1,2−フコシルトランスフェラーゼ、α−1,3−フコシルトランスフェラーゼ、α−1,4−フコシルトランスフェラーゼ、α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ、α−1,3−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、α−1,6−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、β−1,4−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、ポリペプチドN−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ、β−1,4−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、β−1,2−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、β−1,3−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、β−1,6−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、α−1,4−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、β1,4−マンノシルトランスフェラーゼ、α−1,2−マンノシルトランスフェラーゼ、α−1,3−マンノシルトランスフェラーゼ、α−1,4−マンノシルトランスフェラーゼ、α−1,6−マンノシルトランスフェラーゼ、α−1,2−グルコシルトランスフェラーゼ、α−1,3−グルコシルトランスフェラーゼ、α−2,3−シアリルトランスフェラーゼ、α−2,8−シアリルトランスフェラーゼ、α−1,6−グルコサミニルトランスフェラーゼ、α1,6−キシロシルトランスフェラーゼ、β−キシロシルトランスフェラーゼ(プロテオグリカンコア構造合成酵素)、β−1,3−グルクロノシルトランスフェラーゼ、ヒアルロン酸合成酵素、J. Am. Chem. Soc. (2005), 127(30), 10747-10752、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (2004), 101(13), 4390-4395、Chem. Asian J. (2006), 1, 445-452等に記載のグリコシルトランスフェラーゼGtfA〜E、国際公開WO2006/003456パンフレット等に記載のマクロライドグリコトランスフェラーゼ等が例示されるが、好ましくは、β−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼである。
糖ドナーとしては、スクロース、デンプン等のオリゴ糖、多糖類の他に、ウリジン−2リン酸(UDP)、チミジン−2リン酸(TDP)等の種々のヌクレオチド2リン酸と、ガラクトース、グルコース、フルクトース、フコース、ガラクトサミン、グルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、バンコサミン、エピ−バンコサミン、グルクロン酸、シアル酸等の単糖類、またはそれらから任意に選択される2〜5個の同一または異なる、単糖が直鎖状もしくは分枝状に連結した糖鎖が結合した化合物(NDP−Sugar)が使用できる。好ましくはUDP−ガラクトース、UDP−N−アセチルガラクトサミン、UDP−グルコースが挙げられる。なお、目的化合物の糖鎖の末端となる部分を伸長させる場合は、末端がガラクトースである糖ドナーが特に好ましい。
所望によりの金属(例えば、Mg、Mn、Ca、Co、Zn、Cu等)と無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸等)の塩を添加してもよい。金属塩は好ましくはMnCl等である。
さらに所望によりラクトアルブミン等の酵素活性を高めるための添加物、アルカリフォスファターゼ等の副生物を分解処理するための添加物、Triton-X等の界面活性剤等、反応効率を向上させる添加物を共存させてもよい。
反応温度は、糖転移酵素の至適温度に合わせればよい。通常、0〜80℃、好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜40℃である。
反応時間は、通常、1〜100時間、好ましくは2〜60時間、より好ましくは3〜48時間である。
緩衝液のpHは糖転移酵素の至適pHに合わせればよい。好ましくは、2.0〜12.0 、より好ましくはpH5.0〜9.0、さらに好ましくはpH5.0〜6.0である。
糖残基(Sug)n’において、根本側の糖は、好ましくは、グルコース(例:β−D−グルコース)である。また、末端側の糖は、好ましくは、ガラクトースまたはN−アセチルガラクトサミン、より好ましくは、ガラクトース(例:β−D−ガラクトース)である。
糖残基(Sug)n’は、好ましくは式:
Figure 0005517153

(式中、Rは−OHまたは−NHAc(Acはアセチル))

で示される糖残基である。より好ましくは、式:
Figure 0005517153

(式中、mは0〜4の整数;Rは前記と同意義)

で示される糖残基である。さらに好ましくは、式:
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

で示される糖残基である。
7)ヒドロキシメチル基の酸化
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

1級水酸基をアルデヒドに酸化する方法であれば、有機試薬による酸化でも、酵素による酸化でもよいが、好ましくは、下記の酸化酵素による酸化方法である。当該酸化法によれば、目的の水酸基を選択的に酸化できる。
上記6)で糖鎖を伸長させた中間体を、所望により緩衝液中で酸化酵素の存在下にヒドロキシメチル基を酸化し、目的のアルデヒド中間体を得る。
緩衝液としては、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液等が例示されるが、好ましくはリン酸緩衝液である。
酸化酵素としては、ガラクトースオキシダーゼ等が例示される。
所望によりカタラーゼ等の副生物を分解処理するための添加物等、反応効率を向上させる添加物を共存させてもよい。
反応温度は、酸化酵素の至適温度に合わせればよい。通常、0〜80℃、好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜40℃である。
反応時間は、通常1〜100時間、好ましくは2〜96時間、より好ましくは2〜30時間である。
緩衝液のpHは酸化酵素の至適pHに合わせればよい。好ましくはpH2.0〜12.0、より好ましくはpH5.0〜9.0、さらに好ましくはpH5.0〜7.0である。
8)RA1部分の修飾
Figure 0005517153

(式中、各記号は前記と同意義)

上記7)で得られたアルデヒド中間体と、目的のRA1に対応するアミンRA1NHを、好ましくは上記1)のRA2部分の修飾と同様の方法で反応させることで目的化合物が得られる。アミン試薬(RA1NH)は、市販品であるか、または国際公開WO2006/057303号等に記載の方法に従って合成することができる。
上記方法に準じて、前記糖残基(I−0)、(I−1)、および(I−2)が同様に形成される。
なお、前記化合物(X−1)、(X−2)または(X−3)は、上記8)で得られた生成物に副生成物として混在する場合があり、所望の精製工程(例えば、クロマトグラフィー)を経ることによって、前記化合物(IV−0)および(X−1)、前記化合物(IV−1)および(X−2)または前記化合物(IV−2)および(X−3)をそれぞれ分離し単離することができる。
9)脱水体の製造
前記化合物(X−1)、(X−2)または(X−3)は、下記の方法によっても製造できる。
糖末端がアルデヒドである前記化合物(IX−1)、(IX−2)または(IX−3)を水もしくは有機溶媒の存在下またはこれらの混合溶媒の存在下、塩基を加えて反応させることにより糖末端が脱水体であるアルデヒド化合物(XI−1)、(XI−2)または(XI−3)が生成する。
塩基としては、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
反応温度は、0℃〜80℃、好ましくは10℃〜60℃、より好ましくは15℃〜40℃である。
反応時間は、通常1〜100時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは3〜12時間である。
生成した糖末端が脱水体であるアルデヒド化合物(XI−1)、(XI−2)または(XI−3)に、上記8)と同様の方法でRA1部分の修飾を行なうことができ、目的化合物(X−1)、(X−2)または(X−3)を得ることができる。
医薬組成物
本発明はまた、本発明の新規なグリコペプチド誘導体を含有する医薬組成物を含む。従って、好ましくは製薬上許容される塩の形態のグリコペプチド化合物は、細菌感染の治療処置および予防処置のための経口または非経口投与用に処方され得る。
経口投与による場合、本発明化合物は通常の製剤、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤;水剤;油性懸濁剤;またはシロップ剤もしくはエリキシル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができる。非経口投与による場合、本発明化合物は、水性または油性懸濁注射剤、点鼻液として用いることができる。その調製に際しては、慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、水性溶剤、油性溶剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、安定剤等を任意に用いることができる。抗菌薬としては、特に経口剤、静脈注射剤等が好ましい。
本発明の製剤は、治療有効量の本発明化合物を製薬上許容される担体または希釈剤とともに組み合わせる(例えば混合する)ことによって製造される。本発明化合物の製剤は、周知の、容易に入手できる成分を用いて既知の方法により製造される。
本発明化合物の医薬組成物を製造する際、活性成分は担体と混合されるかまたは担体で希釈されるか、カプセル、サッシェー、紙、あるいは他の容器の形態をしている担体中に入れられる。担体が希釈剤として働く時、担体は媒体として働く固体、半固体、または液体の材料であり、それらは錠剤、丸剤、粉末剤、口中剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(液体媒質中の固体)、軟膏にすることができ、例えば、10%までの活性化合物を含む。本発明化合物は投与に先立ち、製剤化するのが好ましい。
当業者には公知の適当な担体はいずれもこの製剤のために使用できる。このような製剤では担体は、固体、液体、または固体と液体の混合物である。例えば、静脈注射のために本発明化合物を4%デキストロース/0.5%クエン酸ナトリウム水溶液中に溶解する。固形の製剤は粉末、錠剤およびカプセルを包含する。固形担体は、香料、滑沢剤、溶解剤、懸濁剤、結合剤、錠剤崩壊剤、カプセル剤にする材料としても役立つ1またはそれ以上の物質である。経口投与のための錠剤は、トウモロコシデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、および/またはゼラチン、アカシアなどの結合剤、およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、滑石などの滑沢剤とともに炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムなどの適当な賦形剤を含む。
粉末剤では担体は細かく粉砕された活性成分と混合された、細かく粉砕された固体である。錠剤では活性成分は、適当な比率で、必要な結合性を持った担体と混合されており、所望の形と大きさに固められている。粉末剤および錠剤は約1〜約99重量%の本発明の新規化合物である活性成分を含んでいる。適当な固形担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、ココアバターである。
液体製剤は懸濁剤、エマルジョン剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性成分は、滅菌水、滅菌有機溶媒、または両者の混合物などの製薬上許容し得る担体中に溶解または懸濁することができる。活性成分はしばしば適切な有機溶媒、例えばプロピレングリコール水溶液中に溶解することができる。水性デンプン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース溶液、または適切な油中に細かく砕いた活性成分を散布することによってその他の組成物を製造することもできる。
本発明化合物の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態および疾患の種類によっても異なるが、通常、経口投与の場合、成人1日あたり約0.1mg〜7000mg、好ましくは、約0.5mg〜2000mgを、要すれば分割して投与すればよい。また、非経口投与の場合、成人1日あたり約0.1mg〜1000mg、好ましくは、約0.5mg〜500mgを投与する。
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例中、以下の略号を用いる。
Me:メチル、
Et:エチル、
Ph:フェニル、
Ms:メタンスルホニル、
DMF:ジメチルホルムアミド、
DMSO:ジメチルスルホキシド、
THF:テトラヒドロフラン、
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、
TFA:トリフルオロ酢酸、
EDCI:N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、
GalT:β−1,4ガラクトシルトランスフェラーゼ
表11〜表51に記載の化合物を製造した。
Figure 0005517153
Figure 0005517153
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これらの化合物の製造方法の典型例として、実施例13、実施例30、実施例80、実施例117および実施例121の化合物の製造方法を以下に例示する。
他の実施例化合物もこれらと同様の方法で製造できる。
実施例13
第1工程:中間体化合物2の製造
Figure 0005517153

クロロオリエンチシンB(化合物1) 100mg(0.069ミリモル)を25mMのMnCl2を含有する50mM Tris・HCl 緩衝液(pH7.4) 5mL に溶解させた。アルカリフォスファターゼ (シグマ社製 P6774)30U、α-ラクトアルブミン 3mg、UDP-ガラクトース 63mg (0.1ミリモル)、牛乳由来β1,4ガラクトシルトランスフェラーゼ(シグマ社製G5507) 3Uを順次加え、30℃で15時間攪拌した。反応混合液を逆相カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、無色固体の化合物2 90mg(収率81%)を得た。
第2工程:中間体化合物3の製造
Figure 0005517153

第1工程で得られた化合物2 30mg(0.019ミリモル) を50mM KH2PO4-K2HPO4緩衝液(pH6.5) 3mLに溶解させた。カタラーゼ3000U (シグマ社製 C30)、Dactylium dendroides由来ガラクトースオキシダーゼ 300U (MPバイオメディカルズ社製 15996)を順次加え、30℃で24時間攪拌した。反応混合液を逆相カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、白色粉末の化合物3 25mg(収率83%)を得た。
第3工程:目的化合物4の製造
Figure 0005517153

(5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-イル)メタンアミン塩酸塩359mg(1.4ミリモル)をジメチルホルムアミド30mLとメタノール30mLの混合溶媒に溶解させた。第2工程で得られた化合物3 150mg(0.093ミリモル)を加え、室温で2時間攪拌した。水素化シアノホウ素ナトリウム29mg(0.46ミリモル)を加え、70℃で2時間攪拌した。反応溶液をジエチルエーテル中に注加し、生成した沈殿物を濾過により集め、得られた粗固体を5% 食塩水によって洗浄することにより未反応の水素化シアノホウ素ナトリウムを除去した。得られた粗固体を、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、無色固体の化合物4 78mg (収率 46%)を得た。
実施例30
第1工程:中間体化合物5の製造
Figure 0005517153

窒素ガス気流下、クロロオリエンチシンB(化合物1)20g(12.4ミリモル)をジメチルホルムアミド150mLとジメチルスルホキシド100mLの混合溶媒に溶解させた。トリエチルアミン 1.8mL(12.9ミリモル)を室温にて滴下後、チオカルボニックアシッド (4,6-ジメチル-ピリジミン-2-イル) エステル (4-メトキシベンジル)エステル 3.93g(12.9ミリモル)を加え、室温で45時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残液を冷却した5%食塩水1L中に注加した。1規定塩酸を加えてpH=3へ調整した後、氷冷下で1時間撹拌した。生成した沈殿物を濾過により集めて乾燥させた後、再度ジメチルスルホキシド100mLに溶解させ、冷却した5%食塩水1L中に注加した。1規定塩酸を加えてpH=3へ調整した後、氷冷下で1時間撹拌した。生成した沈殿物を濾過により集めて蒸留水で洗浄した後、室温で3日間乾燥させた。得られた粗固体を酢酸エチル400mL中に懸濁させ、室温で2時間撹拌した後、沈殿物を濾過により集めて乾燥させることにより、淡肌色固体の化合物5 22.8g(HPLC純度89%)を得た。
第2工程:中間体化合物6の製造
Figure 0005517153

第1工程で得られた化合物5 1g(0.62ミリモル)をジメチルホルムアミド31mLとメタノール31mLの混合溶媒に溶解させた。4-ホルミルイミダゾール596mg(6.2ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン0.22mL(1.24ミリモル)を順次加え、70℃で2時間攪拌した。反応混合液を室温まで冷却後、水素化シアノホウ素ナトリウム156mg(2.5ミリモル)を加え、70℃で3時間攪拌した。反応溶液のメタノールを減圧留去し、残液を冷却した10%食塩水中に注加した。生成した沈殿物を濾過により集め、得られた粗固体を5% 食塩水によって洗浄することにより未反応の水素化シアノホウ素ナトリウムを除去した。洗浄固体を乾燥させることにより化合物6の粗固体869mg(HPLC純度73%、収率60%)を得た。
第3工程:中間体化合物7の製造
Figure 0005517153

第2工程で得られた化合物6の粗固体 869mg(HPLC純度73%、0.375ミリモル)をジクロロメタン 26mLに溶解させ、氷冷下まで冷却した。アニソール1.4mL、トリフルオロ酢酸1.26mLを順次滴下し、氷冷下2時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチル中に注加し、生成した沈殿物を濾過により集め、得られた粗固体をさらに酢酸エチルで洗浄した。洗浄固体を逆相カラムクロマトグラフィーによって精製することにより,無色固体の化合物7 556mg(収率97%)を得た。
第4工程:中間体化合物8の製造
Figure 0005517153

第3工程で得られた化合物7 556mg(0.363ミリモル)を10mMのMnCl2を含有する50mM Tris・HCl 緩衝液(pH7.4) 37mL に溶解させた。アルカリフォスファターゼ (シグマ社製 P6774) 180U、α-ラクトアルブミン 18mg、UDP-ガラクトース 443mg (0.73ミリモル)、ヒト由来β1,4ガラクトシルトランスフェラーゼ(東洋紡製 BGT401)18Uを順次加え、30℃で24時間攪拌した。反応混合液をダイアイオンHP-20を充填したカラムにロードし、蒸留水でカラムを洗浄後、0.1%のトリフルオロ酢酸を含有する50%アセトニトリル水溶液で溶出した。溶出液を減圧濃縮後、残留した水溶液を凍結乾燥し、無色固体の化合物8 541mg(収率88%)を得た。
第5工程:中間体化合物9の製造
Figure 0005517153

第4工程で得られた化合物8 541mg(0.32mmol)を50mM KH2PO4-K2HPO4緩衝液(pH6.5) 95mLに溶解させた。カタラーゼ500KU (シグマ社製 C30)、Dactylium dendroides由来ガラクトースオキシダーゼ 5KU (MPバイオメディカルズ社製 15996)を順次加え、25℃で48時間攪拌した。反応混合液をダイアイオンHP-20を充填したカラムにのせて、蒸留水でカラムを洗浄後、0.1%のトリフルオロ酢酸を含有する30%アセトニトリル水溶液で溶出した。溶出液を減圧濃縮後、残留した水溶液を凍結乾燥し、無色固体の化合物9 470mg(収率87%)を得た。
第6工程:中間体化合物11の製造
Figure 0005517153

3-トリフルオロメトキシ安息香酸(化合物10)3.58g(17.4ミリモル)、3-アミノベンジルアルコール2.14g(17.4ミリモル)をジメチルホルムアミド87mL に溶解させた。N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩4g(20.9ミリモル)を加え,室温で3時間撹拌した。反応混合液を精製水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、抽出液を2規定塩酸水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾液を減圧留去し、無色固体の化合物11 3.94g (収率73%) を得た。
第7工程:中間体化合物12の製造
Figure 0005517153

第6工程で得られた化合物11 3.94g(12.7ミリモル)をテトラヒドロフラン64mLに溶解させた。トリエチルアミン2.13mL(15.2ミリモル)、メタンスルホニルクロリド1.18mL(15.2ミリモル)を順次滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合液を精製水に注ぎ,酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾液を減圧留去することにより得られた固体をジメチルホルムアミド64mL に溶解させた。アジ化ナトリウム1.07g(16.5ミリモル)を加え40℃で4時間撹拌した。反応混合液を精製水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾液を減圧留去して、無色固体の化合物12 4.1g (収率96%) を得た。
第8工程:中間体化合物13の製造
Figure 0005517153

第7工程で得られた化合物12 4.1g(12.2ミリモル)をテトラヒドロフラン45mLと精製水15mLの混合溶媒に溶解させた。トリフェニルホスフィン3.85g(14.6ミリモル)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合液を4規定塩酸水に注ぎ、水溶液を酢酸エチルで洗浄後、2規定水酸化ナトリウム水溶液でpH12に調整した。水溶液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾液を減圧留去して、無色固体の化合物13 2.89g (収率76%) を得た。
第9工程:目的化合物14の製造
Figure 0005517153

第8工程で得られた化合物13 435mg(1.4ミリモル)をジメチルホルムアミド20mLとメタノール60mLの混合溶媒に溶解させた。第5工程で得られた化合物9 241mg(0.14ミリモル)を加え、室温で3時間攪拌した。水素化シアノホウ素ナトリウム45mg(0.72ミリモル)を加え、70℃で3時間攪拌した。反応溶液をジエチルエーテル中に注加し、生成した沈殿物を濾過により集め、得られた粗固体を5% 食塩水によって洗浄することにより未反応の水素化シアノホウ素ナトリウムを除去した。得られた粗固体を、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、無色固体の化合物14 52mg (収率 18%)を得た。
実施例80
第1工程:中間体化合物15の製造
Figure 0005517153

実施例13と同様の手法によって合成できる化合物3 547mg (0.34ミリモル) をジメチルスルホオキシド3mL と水1mLの混合溶媒に溶解させ48時間静置した後に、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製し、粗精製化合物15及び未反応の化合物3を得た。 続いて、未反応の化合物3を水3mLに溶解させ、ジイソプロピルエチルアミンを0.3mL加えて8時間静置した後、逆相カラムクロマトグラフィーで精製を行い、粗精製化合物15を得た。得られた粗精製化合物15を合わせ、逆相カラムクロマトグラフィーで再精製を行い、白色粉末の化合物15 189mg (収率35%)を得た。
第2工程:目的化合物16の製造
Figure 0005517153

化合物15 248mg (0.156ミリモル)をジメチルスルホオキシド7.2mLおよびメタノール7.2mLの混合溶媒に溶解させ、(5-(4-クロロフェニル)チオフェン-2-イル)メタンアミン塩酸塩273mg (1.05ミリモル)およびジイソプロピルアミン (1.05ミリモル) を加え、室温で1.5時間撹拌した。次に、水素化シアノホウ素ナトリウム94mg (1.50ミリモル)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応溶液を、室温に戻し、酢酸エチル中に注加した。生成した沈殿物を濾過により集め、得られた粗固体を飽和食塩水で洗浄した。得られた粗固体を逆相カラムクロマトグラフィーで精製を行い、白色粉末の化合物16 13mg (収率5%) を得た。
実施例117
第1工程:中間体化合物17の製造
Figure 0005517153

バンコマイシン塩酸塩50g(33.7ミリモル)をアセトニトリル100mLと蒸留水750mLの混合溶媒に溶解させた.濃塩酸250mLを加え、45℃で1時間攪拌した。析出した固体をHP20SS、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製することにより無色固体の化合物17 16.5g (収率37.5%)を得た。
第2工程:中間体化合物18の製造
Figure 0005517153

化合物17 40mg (0.031ミリモル)を実施例13と同様の手法により反応を行い、無色固体の化合物18 25mg (収率55.6%)を得た。
第3工程:中間体化合物19の製造
Figure 0005517153

化合物18 300mg (0.204ミリモル) を50mM KH2PO4-K2HPO4緩衝液(pH5.2) 90mLに溶解させた。カタラーゼ、Dactylium dendroides由来ガラクトースオキシダーゼを順次加え、30℃で24時間攪拌した。反応混合液をHP20SSによって精製することにより、白色粉末の化合物19 262mg (収率87%)を得た。
第4工程:目的化合物20の製造
Figure 0005517153

化合物19 350mg(0.24ミリモル)をジメチルスルホキシド10mLとメタノール10mLの混合溶媒に溶解させた。この溶液に、(5-(4-クロロフェニル)チオフェン-3-イル)メタンアミン塩酸塩435mg(1.7ミリモル)、ジイソプロピルエチルアミン0.29mL(1.7ミリモル)を加え、室温で2時間攪拌した。水素化シアノホウ素ナトリウム167mg (2.4ミリモル)を加え、70℃で1時間攪拌した。反応溶液中のメタノールを減圧留去後、残液を酢酸エチル中に注加し、生成した沈殿物を濾過により集め、得られた粗固体を10% 食塩水でリンスした。得られた粗固体を、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製することにより、無色固体の化合物20 115mg (収率29%)を得た。
実施例121の合成
第1工程:中間体化合物21の製造
Figure 0005517153

実施例13と同様の手法により合成し、原料である化合物1 600mg (0.41ミリモル) から化合物21および未反応の化合物1を含む混合物 592mg (HPLC purity 65%、収率56%)を得た。
第2工程:目的化合物22の合成
Figure 0005517153

実施例13と同様の手法により合成し、原料である化合物21 を含む混合物300mg (HPLC purity 65%、0.118ミリモル)から、白色粉末の化合物22 80.2mg (0.043ミリモル、収率36%) を得た。
試験例1
抗菌活性のインビトロ測定
(試験方法)
当業者に周知の陽イオン調整ミューラーヒントン液体培地を用いた微量液体希釈法により、本発明化合物のいくつかについて最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。
(結果)
本発明の化合物は、バンコマイシン耐性菌を含む種々の細菌に対して強い抗菌活性を示した。特に実施例1、5、6、10、11、13、30、31、43、45、50、65、69、75、82、83、85、および88の化合物は、バンコマイシン耐性型腸炎球菌(VRE VanA)であるE.faecalis SR7914に対して、MIC:2〜4μg/ml、E.faecium SR7940に対してMIC:1〜4μg/ml(バンコマイシンは>64μg/ml)であり、既存薬よりも顕著に強い活性を示した。
製剤例
以下に示す製剤例1〜8は例示にすぎないものであり、発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。「活性成分」なる用語は、本発明化合物、その互変異性体、それらのプロドラッグ、それらの製薬的に許容される塩またはそれらの溶媒和物を意味する。
製剤例1
硬質ゼラチンカプセルは次の成分を用いて製造する:
用量
(mg/カプセル)
活性成分 250
デンプン(乾燥) 200
ステアリン酸マグネシウム 10
合計 460mg
製剤例2
錠剤は下記の成分を用いて製造する:
用量
(mg/錠剤)
活性成分 250
セルロース(微結晶) 400
二酸化ケイ素(ヒューム) 10
ステアリン酸 5
合計 665mg
成分を混合し、圧縮して各重量665mgの錠剤にする。
製剤例3
以下の成分を含有するエアロゾル溶液を製造する:
重量
活性成分 0.25
エタノール 25.75
プロペラント22(クロロジフルオロメタン) 74.00
合計 100.00
活性成分とエタノールを混合し、この混合物をプロペラント22の一部に加え、−30℃に冷却し、充填装置に移す。ついで必要量をステンレススチール容器へ供給し、残りのプロペラントで希釈する。バブルユニットを容器に取り付ける。
製剤例4
活性成分60mgを含む錠剤は次のように製造する:
活性成分 60mg
デンプン 45mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン(水中10%溶液) 4mg
ナトリウムカルボキシメチルデンプン 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
滑石 1mg
合計 150mg
活性成分、デンプン、およびセルロースはNo.45メッシュU.S.のふるいにかけて、十分に混合する。ポリビニルピロリドンを含む水溶液を得られた粉末と混合し、ついで混合物をNo.14メッシュU.S.ふるいに通す。このようにして得た顆粒を50℃で乾燥してNo.18メッシュU.S.ふるいに通す。あらかじめNo.60メッシュU.S.ふるいに通したナトリウムカルボキシメチルデンプン、ステアリン酸マグネシウム、および滑石をこの顆粒に加え、混合した後、打錠機で圧縮して各重量150mgの錠剤を得る。
製剤例5
活性成分80mgを含むカプセル剤は次のように製造する:
活性成分 80mg
デンプン 59mg
微結晶性セルロース 59mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
合計 200mg
活性成分、デンプン、セルロース、およびステアリン酸マグネシウムを混合し、No.45メッシュU.S.のふるいに通して硬質ゼラチンカプセルに200mgずつ充填する。
製剤例6
活性成分225mgを含む坐剤は次のように製造する:
活性成分 225mg
飽和脂肪酸グリセリド 2000mg
合計 2225mg
活性成分をNo.60メッシュU.S.のふるいに通し、あらかじめ必要最小限に加熱して融解させた飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。ついでこの混合物を、みかけ2gの型に入れて冷却する。
製剤例7
活性成分50mgを含む懸濁剤は次のように製造する:
活性成分 50mg
ナトリウムカルボキシメチルセルロース 50mg
シロップ 1.25ml
安息香酸溶液 0.10ml
香料 q.v.
色素 q.v.
精製水を加え合計 5ml
活性成分をNo.45メッシュU.S.のふるいにかけ、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびシロップと混合して滑らかなペーストにする。安息香酸溶液および香料を水の一部で希釈して加え、攪拌する。ついで水を十分量加えて必要な体積にする。
製剤例8
静脈用製剤は次のように製造する:
活性成分 100mg
飽和脂肪酸グリセリド 1000ml
上記成分の溶液は通常、1分間に1mlの速度で患者に静脈内投与される。
本発明のグリコペプチド誘導体、その製薬上許容される塩およびそれらの溶媒和物は、医療処置において有用であり、抗菌活性を含む薬理活性を示す。本発明の化合物は、好ましくは、グラム陽性菌、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌によって引き起こされる感染を処置するのに有用である。また、この化合物は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を含む、腸球菌による感染を処置するのに有用である。このような疾患の例には、重篤なブドウ球菌性の感染、例えば、ブドウ球菌心内膜炎およびブドウ球菌敗血症がある。

Claims (23)

  1. 式:
    Figure 0005517153

    (式中、
    mは、0〜4の整数;
    A1 は、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、または置換されていてもよいシクロアルキル;
    は、OHまたはNHAc(Acはアセチル))
    で示される糖残基(I−1)式:
    Figure 0005517153

    (式中、環2、4、5、6および7は、それぞれグリコペプチド抗生物質の2,4,5,6,および7番目のアミノ酸残基における芳香環;X およびX はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;*は、糖残基との結合位置を示す)
    で示される部分構造(II−1)を有するグリコペプチド骨格に結合していることを特徴とする、グリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
  2. 糖残基(I−1)が式:
    Figure 0005517153

    (式中、
    mは、0〜4の整数;
    A1およびRは、それぞれ請求項1の場合と同意義)
    で示される糖残基(I−2)である、請求項1記載のグリコペプチド化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
  3. グリコペプチド化合物がクロロオリエンチシンB誘導体またはバンコマイシン誘導体である、請求項1または2に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
  4. 式:
    Figure 0005517153

    (式中、 は、水素または糖残基;
    は、−OH、−NR ’(ここに、R およびR ’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または−OR 〔R は置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
    は、水素または置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
    は、水素または低級アルキル;および
    その他の記号は、それぞれ請求項1と同意義
    で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項1記載の化合物。
  5. 式:
    Figure 0005517153

    (式中、各記号は、それぞれ請求項と同意義)
    で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項4記載の化合物。
  6. 式:
    Figure 0005517153

    (式中、式中、
    A2 は、水素または置換されていてもよいアルキル;
    は、−OH、−NR ’(ここに、R およびR ’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または−OR 〔R は置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
    は、水素または置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
    は、水素または低級アルキル;
    およびX はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;および
    その他の記号は、それぞれ請求項1と同意義
    で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項1記載の化合物。
  7. 式:
    Figure 0005517153

    (式中、各記号は、それぞれ請求項と同意義)
    で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項6記載の化合物。
  8. 式:
    Figure 0005517153

    式中、
    は、−OH、−NR ’(ここに、R およびR ’はそれぞれ独立して水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノまたはアミノ糖残基)または−OR 〔R は置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい)〕であり;
    は、水素または置換されていてもよいアルキル(アルキル部分には、ヘテロ原子基が介在していてもよい);
    は、水素または低級アルキル;
    およびX はそれぞれ独立して水素またはハロゲン;および
    その他の記号は、それぞれ請求項1と同意義
    で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項1記載の化合物。
  9. 式:
    Figure 0005517153

    (式中、各記号は、それぞれ請求項と同意義)
    で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物である、請求項記載の化合物。
  10. mが0または1である、請求項1,2または4〜9のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
  11. がOHである、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
  12. A1の、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよい低級アルケニル、または置換されていてもよいシクロアルキルにおける各置換基が、以下の置換基群Aから選択される、請求項1〜11のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群A:置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロサイクル、置換されていてもよいアラルキルチオ、置換されていてもよいヘテロアラルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよい低級アルキルオキシ、置換されていてもよいアラルキルオキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、および置換されていてもよいアミノ)。
  13. 請求項12の置換基群Aにおける「置換されていてもよい」の各置換基が、以下の置換基群Bから選択される、請求項12に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群B:置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニル、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ、置換されていてもよいアリールカルボニルアミノアルキル、オキソ、ハロゲン、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアリールチオ、置換されていてもよいアリールアミノ、置換されていてもよいアリールアミノアルキル、置換されていてもよいアリールアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアラルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノ、置換されていてもよいアラルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアラルキルスルフィニル、置換されていてもよいアリールスルホニルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノスルホニル、置換されていてもよいアラルキルチオ、ハロ低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルアミノ、ハロ低級アルキルオキシ、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、置換されていてもよいヘテロアリールカルボニル、置換されていてもよいヘテロアリールオキシ、置換されていてもよいヘテロアリールチオ、置換されていてもよいアリール低級アルケニル、置換されていてもよいヘテロアリール低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルオキシ、置換されていてもよいシクロアルキルチオ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルケニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキル、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルカルボニルアミノアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル低級アルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいシクロアルキルスルホニルアミノ、置換されていてもよいシクロアルキルアミノカルボニルアルキル、置換されていてもよいシクロアルキルアミノスルホニル)。
  14. 請求項13の置換基群Bにおける「置換されていてもよい」の各置換基が、以下の置換基群Cから選択される、請求項13に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物(置換基群C:低級アルキル、低級アルキルオキシ、低級アルキルスルホニル、ニトロ、アラルキルオキシ、ハロゲン、シアノ、ハロ低級アルキル、ハロ低級アルキルオキシ、ジ低級アルキルアミノ)。
  15. がOH;RがH;RがHである、請求項4〜14のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
  16. 以下の工程:
    (工程1)式:
    Figure 0005517153

    (式中、各記号は請求項と同意義)
    で示される化合物(VII−1)を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0〜2の整数)回行うことにより式:
    Figure 0005517153

    (式中、RはOHまたはNHAc;その他の記号は上記の通り)
    で示される化合物(VIII−2)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;

    (工程2)化合物(VIII−2)、その塩またはそれらの溶媒和物を酸化反応に付すことにより、式:
    Figure 0005517153

    (式中、各記号は上記の通り)
    で示される化合物(IX−2)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;および
    (工程3)化合物(IX−2)、その塩またはそれらの溶媒和物を式:RA1NHで示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付す工程;
    を包含することを特徴とする、式:
    Figure 0005517153

    (式中、各記号は上記の通り)
    で示される請求項記載の化合物(IV−1)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
  17. 以下の工程:
    (工程1)式:
    Figure 0005517153

    (式中、各記号は請求項と同意義)
    で示される化合物(VII−2)を原料に用いて、糖転移酵素および糖ドナーの存在下で配糖化反応を1+m(mは0〜2の整数)回行うことにより式:
    Figure 0005517153
    (式中、RはOHまたはNHAc;その他の記号は上記の通り)
    で示される化合物(VIII−3)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;
    (工程2)化合物(VIII−3)、その塩またはそれらの溶媒和物を酸化反応に付すことにより、式:
    Figure 0005517153
    (式中、各記号は上記の通り)
    で示される化合物(IX−3)、その塩またはそれらの溶媒和物を得る工程;および
    (工程3)化合物(IX−3)、その塩またはそれらの溶媒和物を式:RA1NHで示される化合物(A)との還元的アミノ化反応に付す工程;
    を包含することを特徴とする、式:
    Figure 0005517153

    (式中、各記号は上記の通り)
    で示される請求項記載の化合物(IV−2)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の製造方法。
  18. 工程1で、糖転移酵素がガラクトシルトランスフェラーゼであり、糖ドナーの糖が、グルコース、ガラクトース、およびN−アセチルガラクトサミン、デオキシグルコース、デオキシガラクトースから選択される同一または異なる1〜3個の糖であり、工程2で酸化反応がガラクトースオキシダーゼによって行われる、請求項16または17に記載の製造方法。
  19. 工程1で、糖転移酵素がガラクトシルトランスフェラーゼであり、所望による1回目の配糖化反応によってグルコースを付加した後、2回目の配糖化反応によってさらにガラクトースを付加し、工程2で酸化反応がガラクトースオキシダーゼによって行われる、請求項16または17に記載の製造方法。
  20. 請求項16記載の化合物(VIII−)、その塩またはそれらの溶媒和物。
  21. 請求項16に記載の化合物(IX−)、その塩またはそれらの溶媒和物。
  22. 請求項1〜15のいずれかに記載の化合物もしくは製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物。
  23. 式:
    Figure 0005517153


    Figure 0005517153


    Figure 0005517153

    Figure 0005517153

    Figure 0005517153

    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの溶媒和物。
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