JP2003026725A - 新規なマルトース結合蛋白質リガンドとその利用 - Google Patents

新規なマルトース結合蛋白質リガンドとその利用

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JP2003026725A
JP2003026725A JP2001213760A JP2001213760A JP2003026725A JP 2003026725 A JP2003026725 A JP 2003026725A JP 2001213760 A JP2001213760 A JP 2001213760A JP 2001213760 A JP2001213760 A JP 2001213760A JP 2003026725 A JP2003026725 A JP 2003026725A
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maltose
group
binding protein
protein ligand
vinyl
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JP2001213760A
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Susumu Nishiguchi
進 西口
Shigeo Shibatani
滋郎 柴谷
Atsushi Toda
篤志 戸田
Shinichiro Nishimura
紳一郎 西村
Masaki Kurokochi
政樹 黒河内
Kuriko Yamada
久里子 山田
Chuan Lee Yuan
チュアン リー ユアン
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルトース結合蛋白質と酵素との融合蛋白質の
容易で、効率よい精製方法および酵素脱離の起こりにく
い該融合蛋白質の固定化方法を提供する。 【解決手段】高分子担体上に一般式(I)(式中、R1
はOHまたはNR34、R2はメチレン基1〜20個分
の長さを有するリンカー、R3およびR4は独立してHま
たは炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜5まで
の整数を示す)で表される基が結合したマルトース結合
蛋白質リガンド。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なマルトオリゴ
糖誘導体および該マルトオリゴ糖誘導体の構造を部分構
造として有する高分子に関する。また、本発明は該マル
トオリゴ糖誘導体構造を部分構造として有する高分子を
利用した固定化酵素に関する。
【0002】
【従来の技術】近年遺伝子組換え技術が進歩し、種々の
酵素が大腸菌をはじめとする細菌類で生産されるように
なった。しかし、ヒトなどの高等動物由来の酵素を発現
させようとしたとき、発現蛋白質が不溶性のインクルー
ジョンボディを形成し、酵素活性を発現できないことが
しばしばあり、このようなときの有効な解決手段とし
て、目的とする酵素を他の蛋白質、例えばマルトース結
合蛋白質(以下、MBPと示す)、グルタチオン−S−
トランスフェラーゼなどとの融合蛋白質として発現させ
るという方法が用いられる。例えば、MBPとの融合蛋
白質として発現させる方法は特許第2703770号公
報に開示されている。その中で、可溶性蛋白質として発
現できる他に、MBPのマルトース結合性を利用して、
融合蛋白質を精製できるという利点がある。精製には架
橋アミロースを担体とするアフィニティクロマトグラフ
ィーが用いられており、アミロースレジンという商品名
でその担体は市販されている。しかし、架橋アミロース
とMBPの結合は必ずしも強いものではなく、場合によ
っては酵素が吸着しなかったり、吸着が弱く溶出前の洗
浄の時点で酵素が溶出してしまい十分に精製できないこ
とがある。これは、MBPの基質特異性に起因してお
り、より親和性の高い担体を用いることにより克服でき
る。
【0003】また、架橋アミロースに吸着した酵素は固
定化酵素としても利用でき、担体との親和性が十分でな
いときには酵素を結合できなかったり、一旦固定化され
た酵素が脱離してくる。固定化酵素を調製すると言う点
からもより親和性の高い担体が望まれる。
【0004】マルトオリゴ糖鎖を側鎖に有する高分子と
しては、エピクロロヒドリンを用いてアガロースなどに
マルトオリゴ糖を結合させたものがあるが、マルトオリ
ゴ糖鎖の密度をコントロールできないため、オリゴ糖鎖
がMBPと酵素の融合蛋白質との結合に必ずしも有効に
利用されているとはいえない。この他には、マルトオリ
ゴ糖と分子内にアミノ基と重合性ビニル基を有する化合
物とを還元アミノ化により結合させ、重合性ビニル基を
重合させることによりマルトオリゴ糖鎖を側鎖にもつ高
分子を得る方法がある。しかし、この方法ではオリゴ糖
鎖の還元末端にある糖が開環してしまうため、貴重な糖
鎖の糖残基が1つ減ってしまうという欠点がある。ま
た、還元アミノ化ではシアノ水素化ホウ素ナトリウムの
ような有毒な物質を用いるため危険であるという欠点も
ある。
【0005】特開2001−40046号では、簡便に
調製でき、架橋アミロースより親和性の高い担体として
がマルトオリゴ糖を担持させた高分子が開示されてい
る。しかし、MBPとの親和性はマルトオリゴ糖残基が
担っており、マルトオリゴ糖残基部分を化学修飾するこ
とにより、まだまだ親和性を向上させる余地がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、MB
Pとより親和性の高い高分子担体を用い、MBPと酵素
との融合蛋白質を容易に、効率よく、分離精製する方法
および容易に、効率よく、しかも酵素脱離の起こりにく
い固定化方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、新規なマルトオリ
ゴ糖誘導体を合成し、該マルトオリゴ糖誘導体が担持さ
れた高分子を得ることにより、上記問題点を解決できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は以下のような構成から
なる。 (1)一般式(I)(式中、R1はOHまたはNR
34、R2はメチレン基1〜20個分の長さを有するリ
ンカー、R3およびR4は独立してHまたは炭素数1〜4
のアルキル基を示し、nは0〜5までの整数を示す)で
表される基が結合していることを特徴とするマルトース
結合蛋白質リガンド。
【0009】
【化4】
【0010】(2)R2が式(II)(式中、R5は炭素数
1〜19のアルキレン基、R6はO、SあるいはNHを
示し、R6を介して高分子担体と結合している)で表さ
れる基である(1)のマルトース結合蛋白質リガンド。
【0011】
【化5】
【0012】(3)高分子担体がアクリルアミド類、メ
タクリルアミド類、アクリル酸類、メタクリル酸類、ス
チレン類、脂肪酸ビニルエステル類よりなる群から選択
されるビニル化合物の重合体または共重合体あるいは多
糖である(1)または(2)のマルトース結合蛋白質リ
ガンド。 (4)一般式(III)(式中、R7はOHまたはNR10
11、R8はメチレン基1〜19個分の長さを有するリン
カー、R9はNH2、SH、OCOCH=CH2、OCO
C(CH3)=CH2、NHCOCH=CH2またはNHC
OC(CH3)=CH 2、R10およびR11は独立してHまた
は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜5までの
整数を示す)で表されることを特徴とするマルトオリゴ
糖誘導体。
【0013】
【化6】
【0014】(5)R8が炭素数1〜19のアルキレン
基である(4)のマルトオリゴ糖誘導体。 (6)R9がNH2またはSHであるものを除く(4)あ
るいは(5)のマルトオリゴ糖誘導体および少なくとも
1種類のビニル系単量体とを含むことを特徴とする共重
合体からなるマルトース結合蛋白質リガンド。 (7)ビニル系単量体がアクリルアミド類、メタクリル
アミド類、アクリル酸類、メタクリル酸類、スチレン
類、脂肪酸ビニルエステル類からなる群より選ばれる
(6)のマルトース結合蛋白質リガンド。 (8)架橋剤として少なくとも1種類の分子内に重合性
ビニル基を2個以上有するビニル系単量体を含む共重合
体からなる(6)または(7)のマルトース結合蛋白質
リガンド。 (9)架橋剤がN,N’−メチレンビスアクリルアミ
ド、メタクリル酸ビニル、ジメタクリル酸エチレングリ
コール、ジビニルベンゼンからなる群より選ばれる
(8)のマルトース結合蛋白質リガンド。 (10)R9がNH2またはSHであるものを除く(4)
あるいは(5)のマルトオリゴ糖誘導体と少なくとも1
種類のビニル系単量体の共重合比が1:10〜1000
00である共重合体からなる(6)〜(9)のいずれか
のマルトース結合蛋白質リガンド。 (11)架橋剤の割合が0.1〜20%である共重合体
からなる(8)〜(10)のいずれかのマルトース結合
蛋白質リガンド。 (12)(1)〜(3)または(6)〜(11)のいず
れかのマルトース結合蛋白質リガンドにマルトース結合
蛋白質と酵素との融合蛋白質が結合されていることを特
徴とする固定化酵素。 (13)酵素が糖転移酵素である(12)の固定化酵
素。 (14)糖転移酵素がβ1,4−ガラクトース転移酵素
である(13)の固定化酵素。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を挙げ
て詳細に説明する。本発明のマルトース結合蛋白質リガ
ンドは高分子担体上に上記一般式(I)で表される基が
結合している。式中、R1はOHまたはNR34、R2
メチレン基1〜20個分の長さを有するリンカー、R3
およびR4は独立してHまたは炭素数1〜4のアルキル
基を示し、nは0〜5までの整数を示す。R2のメチレ
ン基1〜20個分の長さを有するリンカーとしては、例
えば上記式(II)で表される基(式中、R5は炭素数1
〜19のアルキレン基、R6はO、SあるいはNHを示
す)が例示され、R5の炭素数1〜19のアルキレン基
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、ドデシレン
基、オクタドデシレン基などが、R3およびR4の炭素数
1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基などが挙げられる。
【0016】本発明のマルトース結合蛋白質リガンドと
しては、R1、R2およびnは任意に組み合わせることが
できる。
【0017】本発明で用いることのできる高分子担体
は、一般式(I)で表される基が結合できるものであれ
ば特に制限はなく、例えばアクリルアミド類、メタクリ
ルアミド類、アクリル酸類、メタクリル酸類、スチレン
類、脂肪酸ビニルエステル類よりなる群から選択される
ビニル化合物の重合体または共重合体あるいは多糖など
が挙げられる。アクリルアミド類としてはアクリルアミ
ドやN−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N−イソプロピルアクリルアミドなどのN−アル
キルアクリルアミド類などが例示される。メタクリルア
ミド類としてはメタクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミドやN−イソプロピルメタクリルアミドなどのN
−アルキルメタクリルアミド類などが例示される。アク
リル酸エステル類としてはアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ジ
メチルアミノエチルなどが例示される。メタクリル酸エ
ステル類としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチルなどが例示される。。スチレン類と
してはスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどが例示さ
れる。脂肪酸ビニルエステル類としては酢酸ビニル、酪
酸ビニルなどが例示される。多糖としてはセルロース、
キチン、キトサンや架橋アガロース、架橋デキストラン
などの架橋された多糖などが例示される。また、ここに
挙げた高分子担体は、一般式(III)で表されるマルト
オリゴ糖誘導体を結合させるため適当な方法で活性化さ
れたものも含まれる。さらに、本発明中の脂肪酸ビニル
エステルの重合体あるいは共重合体には、重合反応後ア
ルカリなどによりエステル結合を全部あるいは一部加水
分解したものも含まれる。
【0018】本発明の高分子担体上に一般式(I)で表
される基が結合しているマルトース結合蛋白質リガンド
は、R9がNH2またはSHであるものを除く一般式(II
I)で表されるマルトオリゴ糖誘導体とビニル系単量体
とを共重合あるいは高分子担体上にグラフト共重合させ
ること、あるいはR9がNH2またはSHである一般式
(III)で表されるマルトオリゴ糖誘導体を上記高分子
担体上の適当な官能基と結合させることにより得ること
ができる。共重合はラジカル重合、カチオン重合、アニ
オン重合などの手法を用いることにより行うことがで
き、通常ペルオキソ二硫酸アンモニウムなどを触媒とす
るラジカル重合により行うことができる。共重合させる
とき架橋剤を共存させてもかまわない。利用できる架橋
剤としては、分子内に重合性ビニル基を2個以上有する
ビニル系単量体であれば特に制限はなく、N,N’−メ
チレンビスアクリルアミド、メタクリル酸ビニル、ジメ
タクリル酸エチレングリコール、ジビニルベンゼンなど
が開示される。また、上記マルトオリゴ糖誘導体とビニ
ル系単量体との共重合比は1:5〜1000000が好
ましく、特に1:10〜100000が好ましい。さら
に、架橋剤を用いるときは、上記マルトオリゴ糖誘導体
と上記ビニル系単量体の合計量に対してその割合が、
0.05〜30%が好ましく、0.1〜20%が特に好
ましい。R9がNH2またはSHである一般式(III)で
表されるマルトオリゴ糖誘導体を高分子担体に結合させ
る方法としては特に制限はないが、高分子担体上の官能
基を適当な方法で活性化させておくのが好ましい。例え
ば、高分子担体上の官能基がカルボキシル基の場合はN
−ヒドロキシコハク酸イミド基などに、チオール基の場
合は2−ピリジルジスルフィド基などに活性化させてお
くのが好ましい。
【0019】本発明の一般式(III)で表されるマルト
オリゴ糖誘導体は、通常用いられている各種有機合成化
学的な手法により合成することができる。例えば、R7
がOH、R9がNH2またはSHの場合、マルトオリゴ糖
をアンモニウム塩と反応させてグリコシルアミンとし、
カルボジイミドに代表される縮合剤存在下にN−保護−
ω−アミノ脂肪酸あるいはS−保護−ω−メルカプト脂
肪酸と反応させた後、N−保護基あるいはS−保護基を
脱保護することにより得ることができる。また、R7
NH2、R9がSHの場合、上記と同様の方法でS−保護
−ω−メルカプト脂肪酸と縮合させるところまで行い、
その後非還元末端のグルコース残基の4,6位をベンザ
ルブロミドなどを用いて選択的にベンジリデン化し、さ
らに残存するOH基を無水酢酸などを用いてアセチル化
する。アセチル化した後、N−ブロモコハク酸イミドな
どにより6位を選択的に開裂し、次いでアジ化ナトリウ
ムで処理することにより6位をアジド化する。接触還元
によりアジド基をアミノ基に還元すると同時に4位のベ
ンゾイル基を脱保護し、さらにナトリウムメチラートな
どを用いて脱アセチル化、S−保護基を脱保護すること
により得ることができる。さらに、R7がNH2、R9
NHCOCH=CH2の場合、まずマルトオリゴ糖をベ
ンジルアルコールで1位をベンジル化する。次いでベン
ザルブロミドなどを用いてマルトオリゴ糖の非還元末端
グルコース残基の4,6位を選択的にベンジリデン化し
た後、同様に残存するOH基を無水酢酸などによるアセ
チル化、N−ブロモコハク酸イミドなどによる6位の選
択的開裂、アジ化ナトリウムによる6位のアジド化、ナ
トリウムメチラートによる脱アセチル化、接触還元によ
るアジド基のアミノ基への還元と4位ベンゾイル基の脱
保護を行う。さらに、アミノ基を適当な保護基で保護す
ることにより、還元末端のグルコース残基の6位OH基
が保護されたアミノ基で置換されたマルトオリゴ糖が得
られる。得られたマルトオリゴ糖を上記と同様の方法で
グリコシルアミンとし、N−保護−ω−アミノ脂肪酸と
縮合させた後、ω−アミノ基の保護基を脱保護する。さ
らに、塩化アクリロイルなどによりアクリロイル化した
後、残るアミノ基の保護基を脱保護することにより目的
のマルトオリゴ糖誘導体を得ることができる。N−保護
−ω−アミノ脂肪酸の保護基と非還元末端グルコース残
基の6位アミノ基の保護基はそれぞれ異なる条件で脱保
護される必要があり、その組み合わせとしては、例えば
N−保護−ω−アミノ脂肪酸の保護基としてベンジルオ
キシカルボニル基、非還元末端グルコース残基の6位ア
ミノ基の保護基としてt−ブトキシカルボニル基の組み
合わせなどが挙げられる。
【0020】本発明の固定化酵素に用いることのできる
マルトース結合蛋白質と酵素との融合蛋白質は、マルト
ース結合性を有しているマルトース結合蛋白質と酵素と
の融合蛋白質であれば、特に制限はなく、一般的には遺
伝子組換え手法を利用して得ることができる。また、酵
素は目的とする酵素活性を有していれば必ずしも酵素蛋
白質全体である必要はなく、その断片であっても構わな
い。利用できる酵素としては特に制限はないが、糖転移
酵素が好ましい。糖転移酵素としては、ガラクトース転
移酵素、N−アセチルグルコサミン転移酵素、フコース
転移酵素、シアル酸転移酵素、マンノース転移酵素、N
−アセチルガラクトサミン転移酵素、キシロース転移酵
素、グルクロン酸転移酵素などが挙げられる。
【0021】本発明の固定化酵素は、上記マルトオリゴ
糖誘導体が結合した高分子担体あるいは上記マルトオリ
ゴ糖誘導体とビニル系単量体との共重合体と上記融合蛋
白質とを適当な溶液中で接触させることにより調製する
ことができる。用いることのできる溶液としては、融合
蛋白質の酵素活性が失活しないものであれば特に制限は
ないが、通常pH7付近の緩衝液が用いられる。必要に
応じて、融合蛋白質を安定化させるような添加剤、例え
ば、2−メルカプトエタノールなどのような還元剤やカ
ルシウム、マグネシウム、マンガンなどの金属塩を添加
しても構わない。共重合体あるいはグラフト共重合体と
融合蛋白質とは上記緩衝液中で、通常0〜40℃で5分
〜24時間接触させる。このとき穏やかに振とうさせて
もよい。
【0022】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例により限定されるも
のではない。
【0023】参考例1 [6−(N’−ベンジルオキシ
カルボニル)−アミノヘキサノイル]−β−マルトシル
アミンの合成 マルトース5gと炭酸水素アンモニウム39.8gを蒸
留水50mlに溶かし、室温で5日間攪拌した。反応
後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素アンモニウム
の匂いが消えるまでトルエンで共沸を繰り返した。その
残渣と6−N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノ
ヘキサン酸4gを乾燥ジメチルホルムアミド100ml
に溶かし、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド4.0gと1−ヒドロキシベ
ンゾトリアゾール一水和物3.2gを加え、室温で24
時間攪拌した。 反応後、反応溶液をクロロホルムで洗
浄し、水で抽出を行ない、減圧下で濃縮した。この残渣
をSephadex LH−20カラムクロマトグラフ
ィー(溶出液 95%エタノール)を用いて精製し、目
的物3.5gを得た。[6−(N’−ベンジルオキシカ
ルボニル)−アミノヘキサノイル]−β−マルトシルア
ミンは下記構造式(式中、Zはベンジルオキシカルボニ
ル基を示す)を有する。
【0024】
【化7】
【0025】実施例1 6−アミノヘキサノイル−β−
マルトシルアミン 参考例1で得た[6−(N’−ベンジルオキシカルボニ
ル)−アミノヘキサノイル]−β−マルトシルアミン1
00mgをメタノール30mlに溶かし、10%パラジ
ウム炭素30mgを加え、水素雰囲気下で室温で24時
間攪拌した。反応溶液をセライトろ過した後、ろ液を減
圧下で濃縮し、目的物72mgを得た。6−アミノヘキ
サノイル−β−マルトシルアミンは下記構造式を有す
る。
【0026】
【化8】
【0027】参考例2 ベンジルマルトシドの合成 マルトース17.1gとベンジルアルコール54gをと
り、これにH+型にした陽イオン交換樹脂Dowex5
0WX−8(ダウケミカル製)3gを加え、5時間還流
した。反応後、Sephadex LH−20(アマシ
ャムファルマシア製)カラムクロマトグラフィー(溶出
液 95%エタノール)を用いて精製し、目的物4.3
gを得た。
【0028】参考例3 ベンジル2,3,6,2’,
3’−ペンタ−O−アセチル−4’,6’−O−ベンジ
リデン−マルトシドの合成 参考例2で得たベンジルマルトシド4.3gをピリジン
50mlに溶かし、ベンザルブロミド2.75gを加え
て65℃にて1時間攪拌した。その反応溶液を室温に戻
した後に無水酢酸120mlを加え、室温で24時間攪
拌した。反応溶液をクロロホルムで抽出した後、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、セライトろ過で
硫酸ナトリウムを除いた後、ろ液を減圧下で濃縮した。
その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液 ト
ルエン:酢酸エチル=2:1)で精製し、目的物2.5
gを得た。ベンジル2,3,6,2’,3’−ペンタ−
O−アセチル−4’,6’−O−ベンジリデン−マルト
シドは下記構造式(式中、Acはアセチル基、Bnはベ
ンジル基を示す)を有する。
【0029】
【化9】
【0030】参考例4 ベンジル2,3,6,2’,
3’−ペンタ−O−アセチル−6’−アジド−4’−O
−ベンゾイル−6’−デオキシ−マルトシドの合成 参考例3で得たベンジル2,3,6,2’,3’−ペン
タ−O−アセチル−4’,6’−O−ベンジリデン−マ
ルトシド1.5gを乾燥ジクロロエタン50mlと四塩
化炭素100mlからなる混合溶媒に溶かし、 N−ブ
ロモコハク酸イミド1.1gと炭酸バリウム230mg
を加えて、65℃で3時間攪拌した。その後、反応溶液
にジメチルホルムアミド100mlとアジ化ナトリウム
2gを加え、120℃にて24時間攪拌した。反応溶液
をクロロホルムで抽出した後、水で洗浄し、減圧下で濃
縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶
出液 トルエン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、目
的物400mgを得た。ベンジル2,3,6,2’,
3’−ペンタ−O−アセチル−6’−アジド−4’−O
−ベンゾイル−6’−デオキシ−マルトシドは下記構造
式(式中、Acはアセチル基、Bnはベンジル基を示
す)を有する。
【0031】
【化10】
【0032】参考例5 ベンジル6’−アジド−6’−
デオキシ−マルトシドの合成 参考例4で得たベンジル2,3,6,2’,3’−ペン
タ−O−アセチル−6’−アジド−4’−O−ベンゾイ
ル−6’−デオキシ−マルトシド310mgを乾燥メタ
ノール50mlに溶かし、1.66Mナトリウムメチラ
ート−メタノール溶液2.9mlを加え、室温で24時
間撹拌した。反応溶液をH+型にした陽イオン交換樹脂
Dowex50WX−8(ダウケミカル製)を用いて、
pH7に中和した後、樹脂をろ別した。ろ液を減圧濃縮
して、目的物174mgを得た。ベンジル6’−アジド
−6’−デオキシ−マルトシドは下記構造式(式中、B
nはベンジル基を示す)を有する。
【0033】
【化11】
【0034】参考例6 6’−アミノ−6’−デオキシ
−マルトース 参考例5で得た。ベンジル6’−アジド−6’−デオキ
シ−マルトシド137mgをメタノール30mlに溶か
し、10%パラジウム炭素30mgを加え、水素雰囲気
下で24時間撹拌した。反応液をセライトろ過した後、
ろ液を減圧濃縮し、目的物97mgを得た。6’−アミ
ノ−6’−デオキシ−マルトースは下記構造式を有す
る。
【0035】
【化12】
【0036】参考例7 6’−t−ブトキシカルボニル
アミノ−6’−デオキシ−マルトースの合成 参考例6で得た6’−アミノ−6’−デオキシ−マルト
ース68mgをジオキサン−水(2:1)10mlに溶
かし、1N水酸化ナトリウム水溶液0.2mlとジ−t
−ブチルジカーボネート48mgを加えた。室温で1時
間撹拌した後、減圧濃縮した。Sephadex G−
10(アマシャムファルマシア製)カラムクロマトグラ
フィー(溶出液 蒸留水)を用いて精製し、目的物79
mgを得た。6’−t−ブトキシカルボニルアミノ−
6’−デオキシ−マルトースは下記構造式(式中、Bo
cはt−ブトキシカルボニル基を示す)を有する。
【0037】
【化13】
【0038】参考例8 6−(N’−ベンジルオキシカ
ルボニル)−アミノヘキサノイル6’−t−ブトキシカ
ルボニルアミノ−6’−デオキシ−β−マルトシルアミ
ンの合成 参考例7で得た6’−t−ブトキシカルボニルアミノ−
6’−デオキシ−マルトース66mgと炭酸水素ナトリ
ウム0.4gを蒸留水5mlに溶かし、室温で5日間攪
拌した。反応後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素
アンモニウムの匂いが消えるまでトルエンで共沸を繰り
返した。その残渣と6−N−(ベンジルオキシカルボニ
ル)−アミノヘキサン酸44mgを乾燥ジメチルホルム
アミド5mlに溶かし、塩酸1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド45mgと1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物36mgを加
え、室温で24時間攪拌した。 反応後、反応溶液をク
ロロホルムで洗浄し、水で抽出を行ない、減圧下で濃縮
した。この残渣をSephadex LH−20カラム
クロマトグラフィー(溶出液 95%エタノール)を用
いて精製し、目的物44mgを得た。6−(N’−ベン
ジルオキシカルボニル)−アミノヘキサノイル6’−t
−ブトキシカルボニルアミノ−6’−デオキシ−β−マ
ルトシルアミンは下記構造式(式中、Bocはt−ブト
キシカルボニル基、Zはベンジルオキシカルボニル基を
示す)を有する。
【0039】
【化14】
【0040】参考例9 6−アミノヘキサノイル6’−
t−ブトキシカルボニルアミノ−6’−デオキシ−β−
マルトシルアミンの合成 参考例8で得た6−(N’−ベンジルオキシカルボニ
ル)−アミノヘキサノイル6’−t−ブトキシカルボニ
ルアミノ−6’−デオキシ−β−マルトシルアミン35
mgをメタノール5mlに溶かし、10%パラジウム炭
素15mgを加え、水素雰囲気下で室温で24時間攪拌
した。反応溶液をセライトろ過した後、ろ液を減圧下で
濃縮し、目的物27mgを得た。6−アミノヘキサノイ
ル6’−t−ブトキシカルボニルアミノ−6’−デオキ
シ−β−マルトシルアミンは下記構造式(式中、Boc
はt−ブトキシカルボニル基を示す)を有する。
【0041】
【化15】
【0042】参考例10 6−アクリロイルアミノヘキ
サノイル6’−t−ブトキシカルボニルアミノ−6’−
デオキシ−β−マルトシルアミンの合成 参考例9で得た6−アミノヘキサノイル6’−t−ブト
キシカルボニルアミノ−6’−デオキシ−β−マルトシ
ルアミン27mgを蒸留水5mlに溶解し、1N水酸化
ナトリウム水溶液を0.06ml加えた。さらに、塩化
アクリロイル6mgを含むテトラヒドロフラン0.5m
lを氷冷下撹拌しながら滴下した。このとき、pH8.
5を保つように適宜0.2N水酸化ナトリウム水溶液を
加えてpHを調整した。約2時間撹拌後、1N塩酸で反
応液を中和し、凍結乾燥した。残渣を70%エタノール
で溶解し、Sephadex LH−20(アマシャム
ファルマシア製)カラムクロマトグラフィー(溶出液
70%エタノール)を用いて精製し、目的物12mgを
得た。6−アクリロイルアミノヘキサノイル6’−t−
ブトキシカルボニルアミノ−6’−デオキシ−β−マル
トシルアミンは下記構造式(式中、Bocはt−ブトキ
シカルボニル基を示す)を有する。
【0043】
【化16】
【0044】実施例2 6−アクリロイルアミノヘキサ
ノイル6’−アミノ−6’−デオキシ−β−マルトシル
アミンの合成 参考例10で得た6−アクリロイルアミノヘキサノイル
6’−t−ブトキシカルボニルアミノ−6’−デオキシ
−β−マルトシルアミン12mgをとり、これに30%
トリフロロ酢酸水溶液5mlを加え、室温で30分間撹
拌した。反応後、反応液にジエチルエーテルを加え、生
成物を沈殿させた。沈殿をジエチルエーテルで数回洗浄
した後、これを乾燥させ、目的物9mgを得た。6−ア
クリロイルアミノヘキサノイル6’−アミノ−6’−デ
オキシ−β−マルトシルアミンは下記構造式を有する。
【0045】
【化17】
【0046】参考例11 3−S−アセチルチオプロピ
オイルβ−マルトトリオシルアミンの合成 マルトトリオース15.5gと炭酸水素アンモニウム9
4gを蒸留水100mlに溶かし、室温で5日間攪拌し
た。反応後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素アン
モニウムの匂いが消えるまでトルエンで共沸を繰り返し
た。その残渣と3−S−アセチルメルカプトプロピオン
酸5.3gを乾燥ジメチルホルムアミド100mlに溶
かし、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド5.7gと1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール一水和物4.6gを加え、室温で24時間
攪拌した。 反応後、反応溶液をクロロホルムで洗浄
し、水で抽出を行ない、減圧下で濃縮した。この残渣を
Sephadex LH−20カラムクロマトグラフィ
ー(溶出液 95%エタノール)を用いて精製し、目的
物8.4gを得た。3−S−アセチルチオプロピオイル
β−マルトトリオシルアミンは下記構造式(式中、Ac
はアセチル基を示す)を有する。
【0047】
【化18】
【0048】参考例12 3−S−アセチルチオプロピ
オイル2,3,6,2’,3’,6’,2”,3”−オ
クタ−O−アセチル−4”,6”−O−ベンジリデン−
β−マルトトリオシルアミンの合成 参考例11で得た3−S−アセチルチオプロピオイルβ
−マルトトリオシルアミン6.4gをピリジン100m
lに溶かし、ベンザルブロミド2.8gを加えて65℃
にて1時間攪拌した。その反応溶液を室温に戻した後に
無水酢酸150mlを加え、室温で24時間攪拌した。
反応溶液をクロロホルムで抽出した後、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムを用いて乾燥させ、セライトろ過で硫酸ナト
リウムを除いた後、ろ液を減圧下で濃縮した。その残渣
をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液 トルエン:
酢酸エチル=2:1)で精製し、目的物2.2gを得
た。3−S−アセチルチオプロピオイル2,3,6,
2’,3’,6’,2”,3”−オクタ−O−アセチル
−4”,6”−O−ベンジリデン−β−マルトトリオシ
ルアミンは下記構造式(式中、Acはアセチル基を示
す)を有する。
【0049】
【化19】
【0050】参考例13 3−S−アセチルチオプロピ
オイル2,3,6,2’,3’,6’,2”,3”−オ
クタ−O−アセチル−6”−アジド−4”−O−ベンゾ
イル−6”−デオキシ−β−マルトトリオシルアミンの
合成 参考例12で得た3−S−アセチルチオプロピオイル
2,3,6,2’,3’,6’,2”,3”−オクタ−
O−アセチル−4”,6”−O−ベンジリデン−β−マ
ルトトリオシルアミン2.1gを乾燥ジクロロエタン5
0mlと四塩化炭素100mlからなる混合溶媒に溶か
し、 N−ブロモコハク酸イミド1.1gと炭酸バリウ
ム230mgを加えて、65℃で3時間攪拌した。その
後、反応溶液にジメチルホルムアミド100mlとアジ
化ナトリウム2gを加え、120℃にて24時間攪拌し
た。反応溶液をクロロホルムで抽出した後、水で洗浄
し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマト
グラフィー(溶出液 トルエン:酢酸エチル=2:1)
にて精製し、目的物589mgを得た。3−S−アセチ
ルチオプロピオイル2,3,6,2’,3’,6’,
2”,3”−オクタ−O−アセチル−6”−アジド−
4”−O−ベンゾイル−6”−デオキシ−β−マルトト
リオシルアミンは下記構造式(式中、Acはアセチル基
を示す)を有する。
【0051】
【化20】
【0052】参考例14 3−S−アセチルチオプロピ
オイル2,3,6,2’,3’,6’,2”,3”−オ
クタ−O−アセチル−6”−アミノ−4”−ベンゾイル
−6”−デオキシ−β−マルトトリオシルアミンの合成 参考例13で得た3−S−アセチルチオプロピオイル
2,3,6,2’,3’,6’,2”,3”−オクタ−
O−アセチル−6”−アジド−4”−O−ベンゾイル−
6”−デオキシ−β−マルトトリオシルアミン550m
gをメタノール50mlに溶かし、10%パラジウム炭
素30mgを加え、水素雰囲気下で24時間撹拌した。
反応液をセライトろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、目的
物510mgを得た。3−S−アセチルチオプロピオイ
ル2,3,6,2’,3’,6’,2”,3”−オクタ
−O−アセチル−6”−アミノ−4”−ベンゾイル−
6”−デオキシ−β−マルトトリオシルアミンは下記構
造式(式中、Acはアセチル基を示す)を有する。
【0053】
【化21】
【0054】実施例3 3−メルカプトプロピオイル
6”−アミノ−6”−デオキシ−β−マルトトリオシル
アミンの合成 参考例14で得た3−S−アセチルチオプロピオイル
2,3,6,2’,3’,6’,2”,3”−オクタ−
O−アセチル−6”−アミノ−4”−ベンゾイル−6”
−デオキシ−β−マルトトリオシルアミン107mgを
乾燥メタノール20mlに溶かし、1.66Mナトリウ
ムメチラート−メタノール溶液1.1mlを加え、室温
で24時間撹拌した。反応溶液をH+型にした陽イオン
交換樹脂Dowex50WX−8(ダウケミカル製)を
用いて、pH7に中和した後、樹脂をろ別した。ろ液を
減圧濃縮して、目的物55mgを得た。3−メルカプト
プロピオイル6”−アミノ−6”−デオキシ−β−マル
トトリオシルアミンは下記構造式を有する。
【0055】
【化22】
【0056】参考例15 N,N’,N”,N”−テト
ラカルボキシメチルジエチレントリアミノアセチル−β
−マルトシルアミン−ユウロピウム錯体の合成 マルトース50mgと炭酸水素アンモニウム10gを蒸
留水50mlに溶かし、室温で5日間攪拌した。反応
後、反応溶液を減圧下で濃縮し、炭酸水素アンモニウム
の匂いが消えるまでトルエンで共沸を繰り返した。その
残渣に無水ジエチレントリアミン―N,N,N’,
N”,N”―五酢酸149mgを加え、10%炭酸水素
ナトリウム水溶液3mlに溶かし、室温で2時間撹拌し
た。Sephadex G−10(アマシャムファルマ
シア製)カラムクロマトグラフィー(溶出液 蒸留水)
を用いて精製した。生成物画分を凍結乾燥し、得られた
固形物10mgを蒸留水2mlに溶解し、酢酸ユウロピ
ウム9mgを加え、室温で1時間撹拌した。反応液をS
ephadex G−10(アマシャムファルマシア
製)カラムクロマトグラフィー(溶出液 蒸留水)を2
回行い、精製し、目的物45mgを得た。N,N’,
N”,N”−テトラカルボキシメチルジエチレントリア
ミノアセチル−β−マルトシルアミン−ユウロピウム錯
体は下記構造式を有する。
【0057】
【化23】
【0058】実施例4 DELFIA(Dissociation E
nhanced Lanthanide Fluoro-immunoassay)による各種
マルトオリゴ糖誘導体とマルトース結合蛋白質との親和
性の評価 96穴マイクロプレートに200nMマルトース結合蛋
白質の25mMリン酸緩衝液(pH7.4、0.9%N
aCl含有、以下PBSと略する)溶液0.1mlを加
えて、4℃で24時間インキュベートを行ない、マルト
ース結合蛋白質溶液を取り除いた後に3度、PBS
(0.05%Tween20含有)0.2mlで洗浄
し、プレート上にマルトース結合蛋白質をコーティング
した。次に、様々な濃度のマルトオリゴ糖誘導体と参考
例15で得たN,N’,N”,N”−テトラカルボキシ
メチルジエチレントリアミノアセチル−β−マルトシル
アミン−ユウロピウム錯体を3μM含む混合溶液を調製
し、マルトース結合蛋白質をコーティングしたプレート
穴に50μlづつ加え、室温で30分間静置した。その
後、混合溶液を取り除き、8度PBS(0.05%Tw
een20含有)0.2mlで洗浄した後に、エンハン
スメント溶液(50μM酸化トリオクチルホンフィン、
15μM4,4,4−トリフロロ−1−(2−ナフチ
ル)−1,3−ブタンジオン、0.1%トリトンX−1
00を含む0.1M酢酸−フタル酸水素カリウム緩衝液
(pH3.2))0.15mlを加え、15分間振動さ
せた。そして、遊離したユウロピウムイオン濃度を蛍光
光度計で測定(励起波長340nm、蛍光波長615n
m)した。マルトオリゴ糖誘導体濃度に対して遊離した
ユウロピウムイオン濃度をプロットし、マルトース結合
蛋白質とN,N’,N”,N”−テトラカルボキシメチ
ルジエチレントリアミノアセチル−β−マルトシルアミ
ン−ユウロピウム錯体との結合に対する阻害定数を求め
た。マルトオリゴ糖誘導体としては、マルトース、マル
トトリオース、実施例1〜3で得たマルトオリゴ糖誘導
体を用いた。各々対応するマルトオリゴ糖に比べ、マル
トオリゴ糖誘導体の方がマルトース結合蛋白質に対する
親和性が向上していた。
【0059】
【表1】
【0060】実施例5 6−アミノヘキサノイル−β−
マルトシルアミン結合セファロースの調製 実施例1で得た6−アミノヘキサノイル−β−マルトシ
ルアミン23mgを50mMHEPES緩衝液(pH
7.0)5mlに溶かし、予め1mM塩酸で洗浄したN
HS活性化Sepharose 4FF(アマシャムフ
ァルマシア製)2mlを加え、室温で4時間穏やかに振
とうした。樹脂をろ別し、これに50mMTris−H
Cl緩衝液(pH8.0)を5ml加え、室温で4時間
穏やかに振とうすることにより樹脂上に残存する活性部
位をブロックした。50mM酢酸緩衝液(pH4.
0)、50mMTris−HCl緩衝液(pH8.0)
で交互に3回ずつ洗浄し、20mMTris−HCl緩
衝液(pH8.0)の中で冷蔵保存した。
【0061】実施例6 6−アクリロイルアミノヘキサ
ノイル6’−アミノ−6’−デオキシ−β−マルトシル
アミンとアクリルアミドとの共重合体(1:1000)
の調製 実施例2で得た6−アクリロイルアミノヘキサノイル
6’−アミノ−6’−デオキシ−β−マルトシルアミン
5mgおよびアクリルアミド710mgを蒸留水25m
lに溶解し、ここにN,N’−メチレンビスアクリルア
ミド57mg、N,N,N’,N’−テトラメチルエチ
レンジアミン10μlを加え、溶解した。溶液を4℃に
冷やし、ここに10%ペルオキソ二硫酸アンモニウム水
溶液125μlを添加し、1時間重合させた。重合後、
得られたゲルを凍結乾燥し、共重合体750mgを得
た。共重合体はホモジザイズした後、20mMTris
−HCl緩衝液(pH8.0)の中で冷蔵保存した。
【0062】実施例7 3−メルカプトプロピオイル
6”−アミノ−6”−デオキシ−β−マルトトリオシル
アミン結合セファロースの調製 実施例3で得た3−メルカプトプロピオイル6”−アミ
ノ−6”−デオキシ−β−マルトトリオシルアミン29
mgを50mMHEPES緩衝液(pH7.0)5ml
に溶かし、活性化Thiol Sepharose 4
FF(アマシャムファルマシア製)2mlを加え、室温
で12時間穏やかに振とうした。樹脂をろ別し、0.1
%牛血清アルブミンを含む25mMHEPES緩衝液
(pH7.4)で十分洗浄した後、20mMTris−
HCl緩衝液(pH8.0)の中で冷蔵保存した。
【0063】参考例15 β1,4−ガラクトース転移
酵素の活性測定法 適当な濃度の酵素液40μlを19mMD−グルコー
ス、0.37mMUDP−ガラクトース、0.14mM
β−NADH、1.3mMホスホエノールピルビン酸、
17.5Uピルビン酸キナーゼ、25U乳酸脱水素酵
素、5.0mM塩化マンガン水溶液、0.02%α−ラ
クトアルブミンを含む52mMグリシルグリシン緩衝液
(pH8.4)3.025mlに加え、30℃で約10
min反応させ、340nmおける吸光度(以下、A3
40と示す)の減少を記録した。ブランクとして酵素液
の代わりに20mMTris−HCl緩衝液(pH7.
5、2mMエチレンジアミン四酢酸・4Na、2mM2
−メルカプトエタノールを含有)を用いた。テストおよ
びブランクの最大ΔA340/分を求め、以下の算出式
に従い活性を算出した。 U/ml=(ΔA340/分(テスト)−ΔA430/
分(ブランク))×3.065÷6.022÷0.04
【0064】なお、α−ラクトアルブミン存在下、30
℃、pH8.4で1分間にUDP−ガラクトースよりD
−グルコースへガラクトース1μmol転移させる酵素
量を1Uと定義した。
【0065】参考例16 MBP−β1,4−ガラクト
ース転移酵素融合蛋白質の調製 ヒト胎盤より取得したβ1,4−ガラクトース転移酵素
遺伝子より膜結合部位をコードする部分を取り除いた遺
伝子をベクターpMAL−p2(NEB社製)のEco
RIおよびSalIサイトに挿入し、MBP−β1,4
−ガラクトース転移酵素融合蛋白質発現ベクターpMG
−P21を調製した。該発現ベクターpMG−P21で
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)JM109を
形質転換し、MBP−β1,4−ガラクトース転移酵素
融合蛋白質生産菌エシェリヒア・コリJM109(pM
G−P21)を得た。本菌を0.2%グルコースおよび
アンピシリン50mg/Lを含むLB培地50mlの入
った500ml容坂口フラスコに植菌し、37℃、16
時間、180rpmで振とう培養した。得られた培養液
を上記培地3Lの入った5L容ジャーファメンターに3
0ml植菌し、25℃、通気量1.5L/分、6時間、
300rpmで撹拌し培養した。その後、イソプロピル
−β−D−チオガラクトピラノシドを0.3mMになる
ように添加し、さらに18時間培養を続けた。得られた
培養液を遠心分離し、菌体を集めた。集めた菌体を0.
1MNaCl、1mMエチレンジアミン四酢酸・2N
a、10mM2−メルカプトエタノールを含む20mM
Tris−HCl(pH7.4;以下、カラムバッファ
ー(pH7.4、0.1MNaCl)と示す)150m
lで懸濁し、超音波破砕機により、菌体を破砕し、融合
蛋白質を抽出した。
【0066】破砕液を遠心分離し、無細胞抽出液155
mlを得た。無細胞抽出液のβ1,4−ガラクトース転
移酵素活性は1.4U/mlであり、比活性は80mU
/mg−蛋白質であった。得られた無細胞抽出液にポリ
エチレンイミンを0.7%になるまで撹拌しながら徐々
に加えた。このときpHが8を越えないようにHClで
pHを調節した。添加後、さらに30分間撹拌を続け
た。生じた沈殿を遠心分離で取り除き、上清160ml
を得た。ここに、硫酸アンモニウムを75.5g(70
%飽和)4℃で撹拌しながら徐々に加えた。添加後、さ
らに1時間撹拌を続けた。生じた沈殿を遠心分離にて集
めた。得られた沈殿をカラムバッファー(pH8.0)
で再溶解し、30mlにした。これを透析(外液はカラ
ムバッファー(pH8.0))により、脱塩した。予め
カラムバッファー(pH8.0)で平衡化したDEAE
−Sepharose CL6B(アマシャムファルマ
シア製)を50ml充填したカラムに、脱塩した酵素液
を吸着させ、同バッファー150mlで洗浄後、同バッ
ファー250mlおよびカラムバッファー(pH8.
0、0.1MNaCl)250mlを用いたリニアグラ
ジェントにより溶出させることにより、MBP−β1,
4−ガラクトース転移酵素融合蛋白質画分18mlとし
て精製した。得られた精製酵素液は活性6.2U/m
l、比活性3.2U/mg−蛋白質であった。
【0067】参考例17 固定化β1,4−ガラクトー
ス転移酵素の活性測定法 固定化1,4−ガラクトース転移酵素を適当量とり、1
00nM PA化オリゴ糖(GlcNAcβ1→2Ma
nα1→3(GlcNAcβ1→2Manα1→6)M
anβ1→4GlcNAcβ1→4GlcNAc−P
A)、200μMUDP−Gal、10mM塩化マンガ
ン、α−ラクトアルブミン0.26mg/mlを含む2
5mMHEPES緩衝液(pH7.5)100μl中、
20℃で1時間振とう撹拌しながら反応させた。反応
後、生成物量をHPLCにより定量した。参考例15の
活性測定法で予め活性を測定した酵素液を用いて、上記
活性測定反応を行い、生成物量からガラクトース転移量
を求め、検量線を作成し、その検量線より活性を算出し
た。
【0068】実施例8 β1,4−ガラクトース転移酵
素の固定化(その1) 実施例5で得た6−アミノヘキサノイル−β−マルトシ
ルアミン結合セファロース50μlをとり、これに参考
例16で得た精製酵素液50μlおよびカラムバッファ
ー(pH8.0)200μlを加え、4℃で穏やかに2
時間振とうした。遠心分離により上清を取り除き、カラ
ムバッファー(pH8.0)200μlで2回洗浄する
ことにより、固定化β1,4−ガラクトース転移酵素を
得た。洗浄液を上清とあわせて回収液とした。回収液お
よび固定化β1,4−ガラクトース転移酵素の酵素活性
を測定し、活性回収率を算出した。固定化酵素の活性は
420mU/ml−樹脂であり、活性回収率は22%で
あった。
【0069】実施例9 β1,4−ガラクトース転移酵
素の固定化(その2) 実施例5で得た6−アミノヘキサノイル−β−マルトシ
ルアミン結合セファロースの代わりに実施例6で得た6
−アクリロイルアミノヘキサノイル6’−アミノ−6’
−デオキシ−β−マルトシルアミンとアクリルアミドと
の共重合体を用いる以外は実施例8と同様にして固定化
β1,4−ガラクトース転移酵素を調製した。得られた
固定化酵素の活性は330mU/ml−樹脂であり、活
性回収率は23%であった。
【0070】実施例10 β1,4−ガラクトース転移
酵素の固定化(その3) 実施例5で得た6−アミノヘキサノイル−β−マルトシ
ルアミン結合セファロースの代わりに実施例7で得た3
−メルカプトプロピオイル6”−アミノ−6”−デオキ
シ−β−マルトトリオシルアミン結合セファロースを用
いる以外は実施例8と同様にして固定化β1,4−ガラ
クトース転移酵素を調製した。得られた固定化酵素の活
性は470mU/ml−樹脂であり、活性回収率は21
%であった。
【0071】実施例11 β1,4−ガラクトース転移
酵素の固定化(その4) 参考例16で得た精製酵素液50μlおよびカラムバッ
ファー(pH8.0)200μlの代わりに参考例16
で得た無細胞抽出液250μlを用いる以外は実施例1
0と同様にして固定化β1,4−ガラクトース転移酵素
を調製した。得られた固定化酵素の活性は400mU/
ml−樹脂であり、活性回収率は20%であった。
【0072】比較例1 アミロースレジン(NEB社
製)へのβ1,4−ガラクトース転移酵素の固定化 実施例7で得た3−メルカプトプロピオイル6”−アミ
ノ−6”−デオキシ−β−マルトトリオシルアミン結合
セファロースの代わりにアミロースレジンを用いる以外
は実施例9と同様にして、固定化β1,4−ガラクトー
ス転移酵素を調製した。しかし、固定化酵素としての活
性は認められなかった。活性は全て回収液として回収さ
れており、アミロースレジンには酵素は結合していなか
った。
【0073】実施例12 3−メルカプトプロピオイル
6”−アミノ−6”−デオキシ−β−マルトトリオシル
アミン結合セファロースを用いたMBP−β1,4−ガ
ラクトース転移酵素融合蛋白質の精製 実施例7で得た3−メルカプトプロピオイル6”−アミ
ノ−6”−デオキシ−β−マルトトリオシルアミン結合
セファロース1mlをカラムに充填し、参考例16で得
た無細胞抽出液0.5mlを通液し、融合蛋白質を吸着
させた。吸着後カラムバッファー(pH7.4、0.1
MNaCl)5mlでカラムを洗浄した。洗浄後、10
mMマルトースを含むカラムバッファー(pH7.4、
0.1MNaCl)3mlで融合蛋白質を溶出させ、β
1,4−ガラクトース転移酵素活性画分を集めた。得ら
れた酵素液の比活性は1.1U/mg−蛋白質であり、
約13倍向上していた。
【0074】比較例2 アミロースレジン(NEB社
製)を用いたMBP−β1,4−ガラクトース転移酵素
融合蛋白質の精製 実施例7で得た3−メルカプトプロピオイル6”−アミ
ノ−6”−デオキシ−β−マルトトリオシルアミン結合
セファロースの代わりにアミロースレジン(NEB社
製)を用いて、実施例12と同様にして融合蛋白質を吸
着させようとしたが、融合蛋白質は吸着せず、洗浄液中
に活性が回収され、精製できなかった。
【0075】
【発明の効果】上述したように、本発明の高分子担体上
にマルトオリゴ糖誘導体を結合させたマルトース結合蛋
白質リガンドを利用することにより、マルトース結合蛋
白質との融合蛋白質として発現させた酵素を効率よく、
しかも容易に精製したり、固定化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 紳一郎 北海道札幌市中央区北9条西16丁目1番1 号320 (72)発明者 黒河内 政樹 北海道札幌市北区北20条西5丁目20番地エ ルムハ イツ中島401号 (72)発明者 山田 久里子 北海道札幌市北区麻生町7丁目1番1号 311 (72)発明者 ユアン チュアン リー アメリカ合衆国メリーランド州21093、チ モニウム、サヴォコート 1824 Fターム(参考) 4B033 NA25 NA45 NB04 NB13 NB34 NB36 NB44 NC04 NC13 ND03 ND20 4C057 BB03 BB04 CC03 CC04 DD03 HH02 4H045 AA10 BA41 BA60 BA62 DA89 EA60 EA65 FA74 FA82 GA26 4J100 AB02P AB07P AG02P AG04P AJ02P AL03P AL08P AM15P BA02H BA03H BA03P BA28H BA33P BA34H BA51H BC53H CA01 CA04 CA31 HA19 HA33 HA55 HA61 JA50

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子担体上に一般式(I) 【化1】 (式中、R1はOHまたはNR34、R2はメチレン基1
    〜20個分の長さを有するリンカー、R3およびR4は独
    立してHまたは炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは
    0〜5までの整数を示す)で表される基が結合している
    ことを特徴とするマルトース結合蛋白質リガンド。
  2. 【請求項2】 R2が式(II) 【化2】 (式中、R5は炭素数1〜19のアルキレン基、R6
    O、SあるいはNHを示し、R6を介して高分子担体と
    結合している)で表される基である請求項1に記載のマ
    ルトース結合蛋白質リガンド。
  3. 【請求項3】 高分子担体がアクリルアミド類、メタク
    リルアミド類、アクリル酸類、メタクリル酸類、スチレ
    ン類、脂肪酸ビニルエステル類よりなる群から選択され
    るビニル化合物の重合体または共重合体あるいは多糖で
    ある請求項1または2に記載のマルトース結合蛋白質リ
    ガンド。
  4. 【請求項4】 一般式(III) 【化3】 (式中、R7はOHまたはNR1011、R8はメチレン基
    1〜19個分の長さを有するリンカー、R9はNH2、S
    H、OCOCH=CH2、OCOC(CH3)=CH 2、N
    HCOCH=CH2またはNHCOC(CH3)=CH2
    10およびR11は独立してHまたは炭素数1〜4のアル
    キル基を示し、nは0〜5までの整数を示す)で表され
    ることを特徴とするマルトオリゴ糖誘導体。
  5. 【請求項5】 R8が炭素数1〜19のアルキレン基で
    ある請求項4に記載のマルトオリゴ糖誘導体。
  6. 【請求項6】 R9がNH2またはSHであるものを除く
    請求項4あるいは5に記載のマルトオリゴ糖誘導体およ
    び少なくとも1種類のビニル系単量体とを含むことを特
    徴とする共重合体からなるマルトース結合蛋白質リガン
    ド。
  7. 【請求項7】 ビニル系単量体がアクリルアミド類、メ
    タクリルアミド類、アクリル酸類、メタクリル酸類、ス
    チレン類、脂肪酸ビニルエステル類からなる群より選ば
    れる請求項6に記載のマルトース結合蛋白質リガンド。
  8. 【請求項8】 架橋剤として少なくとも1種類の分子内
    に重合性ビニル基を2個以上有するビニル系単量体を含
    む共重合体からなる請求項6または7に記載のマルトー
    ス結合蛋白質リガンド。
  9. 【請求項9】 架橋剤がN,N’−メチレンビスアクリ
    ルアミド、メタクリル酸ビニル、ジメタクリル酸エチレ
    ングリコール、ジビニルベンゼンからなる群より選ばれ
    る請求項8に記載のマルトース結合蛋白質リガンド。
  10. 【請求項10】 R9がNH2またはSHであるものを除
    く請求項4あるいは5に記載のマルトオリゴ糖誘導体と
    少なくとも1種類のビニル系単量体の共重合比が1:1
    0〜100000である共重合体からなる請求項6〜9
    のいずれかに記載のマルトース結合蛋白質リガンド。
  11. 【請求項11】 架橋剤の割合が0.1〜20%である
    共重合体からなる請求項8〜10のいずれかに記載のマ
    ルトース結合蛋白質リガンド。
  12. 【請求項12】 請求項1〜3または6〜11のいずれ
    かに記載のマルトース結合蛋白質リガンドにマルトース
    結合蛋白質と酵素との融合蛋白質が結合されていること
    を特徴とする固定化酵素。
  13. 【請求項13】 酵素が糖転移酵素である請求項12に
    記載の固定化酵素。
  14. 【請求項14】 糖転移酵素がβ1,4−ガラクトース
    転移酵素である請求項13に記載の固定化酵素。
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