JPH0430276B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0430276B2
JPH0430276B2 JP14045885A JP14045885A JPH0430276B2 JP H0430276 B2 JPH0430276 B2 JP H0430276B2 JP 14045885 A JP14045885 A JP 14045885A JP 14045885 A JP14045885 A JP 14045885A JP H0430276 B2 JPH0430276 B2 JP H0430276B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclodextrin
glucose
reaction
branched
maltooligosaccharide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP14045885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS623795A (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP14045885A priority Critical patent/JPS623795A/ja
Publication of JPS623795A publication Critical patent/JPS623795A/ja
Publication of JPH0430276B2 publication Critical patent/JPH0430276B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は分枝を有するシクロデキストリンの新
規な製造方法に関する。詳しくは、シクロデキス
トリンと還元性末端の炭素原子にフツ素原子を結
合して有するグルコース又はマルトオリゴ糖とを
イソアミラーゼの存在下に反応させるグルコース
又はマルトオリゴ糖を分枝状に結合したシクロデ
キストリンの製造方法である。
〔従来技術及び発明が解決しようとする問題点〕
シクロデキストリンは食品添加物、医農薬の安
定化剤、化粧品添加剤等に使用される公知の化学
物質で種々の種類のものが知られている。しか
し、これらのシクロデキストリンはその種類によ
り溶解度が異なり、しかも水に対する溶解度が小
さい欠点を有するため工業的な用途に制約があ
る。例えば、グルコースを6個環状に結合したα
−シクロデキストリンは水への溶解度が約15%、
同じく7個環状に結合したβ−シクロデキストリ
ンは同じく2%及び8個のグルコースを環状に結
合したγ−シクロデキストリンは約23%と報告さ
れている。
そのために上記シクロデキストリンの溶解度を
改良する技術は種々試みられ、既に提案されてい
る。例えばそのうちの1つにシクロデキストリン
に分枝状にグルコース又はオリゴ糖を結合し、こ
れらの分枝した基の働きで溶解度を改善する方法
がある(澱粉科学、第30巻第2号(1983)236
頁)。この技術は確かにすぐれているが該分枝状
にグルコース又はオリゴ糖を結合したシクロデキ
ストリンを製造する方法として工業的に満足でき
る技術の確立をみていない。また、α−シクロデ
キストリンとマルトースとをプルラナーゼの存在
下に反応させ、反応生成物からマルトースを分枝
状に結合したα−シクロデキストリンを抽出精製
して得る方法が知られている(日本農芸化学会、
59年度大会講演要旨集、175頁)。しかし、この方
法で得られる分枝状にマルトースを結合したα−
シクロデキストリンは数日の反応にもかかわらず
2〜3%の収率でしか製造することができない。
〔発明の解決手段〕 本発明者等は単糖又はオリゴ糖を分枝状に結合
したシクロデキストリンの製造につき鋭意研究を
重ねてきた結果、反応原料として還元性末端の炭
素原子にフツ素原子を結合して有するグルコース
又はマルトオリゴ糖を使用しイソアミラーゼの存
在下に反応させることにより、著しく反応速度及
び収率を改良できる知見を得て、本発明を完成
し、ここに提案するに至つた。
即ち、本発明は、シクロデキストリンと還元性
末端の炭素原子にフツ素原子を結合して有するグ
ルコース又はマルトオリゴ糖とをイソアミラーゼ
の存在下に反応させる、グルコース又はマルトオ
リゴ糖を分枝状に結合したシクロデキストリンの
製造方法である。尚本発明に於いて分枝状シクロ
デキストリンとはグルコース又はマルトオリゴ糖
を1つ又は複数個分枝状に結合したシクロデキス
トリンの略記である。
シクロデキストリンはグルコース分子がα−
1,4結合で環状に結合した非還元性のマルトオ
リゴ糖である。本発明で使用するシクロデキスト
リンは特に限定されず公知のものが原料として使
用できる。一般には、特に、グルコース単位が6
個で構成される、所謂α−シクロデキストリン、
グルコース単位が7個で構成されるβ−シクロデ
キストリン、のグルコース単位が8個で構成され
るγ−シクロデキストリン等が好適に使用され
る。シクロデキストリンは上記の他にグルコース
単位が9〜12個で構成されるものが公知である
が、本発明にあつてはこれらのシクロデキストリ
ンの使用も必要に応じて選びうる。また既に分枝
状に単糖又はオリゴ糖が結合されているシクロデ
キストリンに更に多くの分枝状のグルコース又は
マルトオリゴ糖単位を結合させる場合にも本発明
を応用することができ、しばしば好ましい本発明
の態様となりうる。
また本発明の他の原料は還元性末端の炭素原子
にフツ素原子を結合して有するグルコース又はマ
ルトオリゴ糖である。該フツ素原子を結合して有
するグルコース又はマルトオリゴ糖は公知の物質
である。該フツ素原子の結合は例えば下記構造式
のように還元性末端炭素原子の1の位置(以下単
にC−1位と略記する場合もある。)に結合され
るものが好適に用いられる。
フツ素原子が結合する炭素原子C−1位のアノ
マー型はα又はβ型のいずれもが本発明の原料と
なりうる。
上記グルコースとしては一般にα−D−グルコ
シルフルオライドが最も好適に使用される。
本発明の最大の特徴は前記分枝状シクロデキス
トリンを製造する原料としてシクロデキストリン
と還元性末端の炭素原子にフツ素原子を結合して
いるグルコース又はマルトオリゴ糖とを原料とし
て使用する点と反応に際しイソアミラーゼを用い
る点である。該グルコース又はマルトオリゴ糖の
分子内に結合されたフツ素原子が上記反応に如何
なる反応機構で関与しているのか現在なお明確で
はないが、本発明者等はイソアミラーゼが両原料
から脱フツ化水素の反応によつてシクロデキスト
リンのグルコース又はマルトオリゴ糖の転移効率
を上昇させているものと推測している。そのため
に従来公知の脱水反応による分子状シクロデキス
トリンの製造とは本質的に反応機構が異なり、反
応速度及び収率の向上に関連していると考えてい
る。
上記酵素反応の条件は特に限定されず、原料、
反応生成物及びイソアミラーゼが分解或いは失活
しない限り、如何なる方法を採用してもよい。一
般に工業的に好適に採用される条件を例示すれば
次の通りである。
本発明で用いるイソアミラーゼは特に限定され
ず、酵素の生産性、安定性、価格等を考慮して適
宜選択して使用すればよい。一般には微生物起源
の酵素が好適に使用され、例えばシユードモナ
ス・アミロデルモーサ由来のイソアミラーゼが好
適である。
上記反応で使用される酵素量は任意に設定され
るが、通常は反応液1ml当り0.1〜50単位の範囲
である。(ここでいう1単位とは30℃でアミロペ
クチンを加水分解し1分間に1μmoleのグルコー
スに相当する還元糖を生成するのに必要な酵素量
である。) また前記反応における反応温度は使用する酵素
の耐熱範囲内で高い方が好ましいが通常30〜65℃
で行なわれる。更に反応溶液は一般に水溶液が使
用され、反応溶液のPHは使用する酵素の至適作用
PH付近に設定され、通常PH3〜7の範囲が好適で
ある。
また前記反応の時間は特に限定されず予じめ他
の反応条件に応じて決定しておけばよいが、一般
には30分〜24時間、好ましくは30分〜5時間の範
囲から選べば好適である。
更にまた反応に用いられるシクロデキストリン
の濃度は任意に設定されるが、生成物収量が多い
という意味で高濃度である程よい。場合によつて
は飽和濃度以上即ち懸濁状態でも反応が行なわれ
る。同様に還元性末端の炭素原子にフツ素原子を
結合して有するグルコース又はマルトオリゴ糖の
濃度も生成物収量が多いという意味で高濃度であ
ることが好ましく、通常は10〜200mMの濃度で
使用すると好適である。
上記反応によつて得られるグルコース又はマル
トオリゴ糖を分枝状に結合したシクロデキストリ
ンは反応系から分離し、必要に応じて活性炭カラ
ムクロマトグラフイーやゲル濾過法の公知の分離
技術を用い精製すればよい。上記反応によつて得
られる分枝状デキストリンは原料の種類即ちシク
ロデキストリンの種類によつて反応生成物の種類
が異なる。例えば、α−シクロデキストリンとα
−マルトシルフルオライドとを原料として使用す
る場合には唯一の分枝を有するα−シクロデキス
トリンと2つの分枝を有するα−シクロデキスト
リンが得られる。また、β−シクロデキストリン
を原料として使用する場合には得られるβ−シク
ロデキストリンに結合される分枝の数は1、2又
は3個となる。
〔発明の効果〕
本発明は前記説明したように、グルコース又は
マルトオリゴ糖を分枝状に結合したシクロデキス
トリンを高反応速度で高収率で得ることができ
る。また該シクロデキストリンに結合した分枝状
物の数も必要に応じて制御できる利点を有する。
本発明の完成により、工業的に分枝状デキストリ
ンを製造できるようになり、低コストのシクロデ
キストリンの供給とあいまつてその利用分野がま
すます広がりうる。
〔実施例〕
以下本発明を具体的に説明するため実施例を挙
げて説明するが本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
実施例 1 α−シクロデキストリン90mM、α−マルトシ
ルフルオライド40mMを含む100mM酢酸緩衝液
(PH4.0)5mlにシユードモナス・アミロデルモー
サ由来のイソアミラーゼを3単位/mlとなるよう
に加え、40℃で1時間反応させた。分枝状シクロ
デキストリンを含む反応液に1N−水酸化ナトリ
ウム0.5mlを加え100℃で30分間熱処理した後、
0.5N−塩酸で中和した。約50mlに希釈しイオン
交換樹脂を用いて脱色、脱塩した。約4mlに濃縮
後、トヨパールHW40Sによるゲル濾過を行い、
モノマルトシル−α−シクロデキストリン及びジ
マルトシル−α−シクロデキストリンの画分を得
た。それぞれの分枝状シクロデキストリン画分を
濃縮後、凍結乾燥してクロマト的に単一な標品を
得た。収量はモノマルトシル−α−シクロデキス
トリン128mg、ジマルトシル−α−シクロデキス
トリン14mgであつた。
比較例 1 α−シクロデキストリン90mM、α−マルトー
ス40mMを含む100mM酢酸緩衝液(PH5.0)にプ
ルラナーゼを3単位となるように加え、40℃で1
時間反応させた。実施例1で得られた分枝状シク
ロデキストリンを標準物質として、反応液を高速
液体クロマトグラフイーで分析したところ生成し
たモノマルトシル−α−シクロデキストリンは
0.3mMであつた。この濃度は実施例1に比較し
て約1/50である。またジマルトシル−α−シクロ
デキストリンは検出限界以下であつた。
実施例 2 α−シクロデキストリン90mMをβ−シクロデ
キストリン100mg/mlに代えた以外は実施例1と
同様の条件で反応させた。反応液を高速液体クロ
マトグラフイーで分析したところ生成した分枝状
シクロデキストリンはモノマルトシル−β−シク
ロデキストリン3.2mM、ジマルトシル−β−シ
クロデキストリン1.7mM及びトリマルトシル−
β−シクロデキストリン0.2mMであつた。
実施例 3 α−シクロデキストリンをγ−シクロデキスト
リンに代えた以外は実施例1と同様の条件で反応
させたところ、モノマルトシル−γ−シクロデキ
ストリン13.6mM、ジマルトシル−γ−シクロデ
キストリン3.1mM、トリマルトシル−γ−シク
ロデキストリン0.3mMを生成した。
実施例 4 α−シクロデキストリン80mM、α−グルコシ
ルフルオライド30mMを含む100mM酢酸緩衝液
(PH4.0)にイソアミラーゼを5単位/mlとなるよ
うに加え、40℃で3時間反応させた。標準のグル
コシル−α−シクロデキストリンを用いて高速液
体クロマトグラフイー分析を行つたところ、生成
したモノグルコシル−α−シクロデキストリンは
2.1mMであつた。
実施例 5 モノマルトシル−α−シクロデキストリン40m
M、α−マルトシルフルオライド20mMを含む
100mM酢酸緩衝液(PH4.0)にイソアミラーゼを
5単位/mlとなるように加え、40℃で2時間反応
させたところ、ジマルトシル−α−シクロデキス
トリン7.6mMを生成した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シクロデキストリンと還元性末端の炭素原子
    にフツ素原子を結合して有するグルコース又はマ
    ルトオリゴ糖とをイソアミラーゼの存在下に反応
    させることを特徴とするグルコース又はマルトオ
    リゴ糖を分枝状に結合したシクロデキストリンの
    製造方法。 2 シクロデキストリンがα−、β−、又はγ−
    シクロデキストリンである特許請求の範囲1記載
    の製造方法。 3 マルトオリゴ糖が2〜4のグルコース単位で
    構成されている特許請求の範囲1記載の製造方
    法。
JP14045885A 1985-06-28 1985-06-28 分枝状シクロデキストリンの製造方法 Granted JPS623795A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14045885A JPS623795A (ja) 1985-06-28 1985-06-28 分枝状シクロデキストリンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14045885A JPS623795A (ja) 1985-06-28 1985-06-28 分枝状シクロデキストリンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS623795A JPS623795A (ja) 1987-01-09
JPH0430276B2 true JPH0430276B2 (ja) 1992-05-21

Family

ID=15269072

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14045885A Granted JPS623795A (ja) 1985-06-28 1985-06-28 分枝状シクロデキストリンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS623795A (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6336793A (ja) * 1986-07-31 1988-02-17 Nikken Kagaku Kk ジマルトシル―γ―サイクロデキストリンの製造方法
JPS6474997A (en) * 1987-09-17 1989-03-20 Nat Food Res Complex branched cyclodextrin and production thereof
US5002935A (en) * 1987-12-30 1991-03-26 University Of Florida Improvements in redox systems for brain-targeted drug delivery
US5017566A (en) * 1987-12-30 1991-05-21 University Of Florida Redox systems for brain-targeted drug delivery
US5124154A (en) * 1990-06-12 1992-06-23 Insite Vision Incorporated Aminosteroids for ophthalmic use
JP3865436B2 (ja) * 1996-07-11 2007-01-10 塩水港精糖株式会社 分岐シクロデキストリンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS623795A (ja) 1987-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0329241B2 (ja)
JPH01199592A (ja) イソマルツロースの製造方法
JPH0430276B2 (ja)
JPH0440997B2 (ja)
JPH0258918B2 (ja)
JPH0759585A (ja) プルランオリゴ糖の製造法
JPH0430277B2 (ja)
JPH066064B2 (ja) ジフルクトース・ジアンヒドリドの製造方法
JP3124356B2 (ja) デキストランの製造法
JP2001292792A (ja) N−アセチルグルコサミンの回収方法
JP2992830B2 (ja) 新規β―グルクロニダーゼ
JPH0759587A (ja) 糖質又は複合糖質の製造方法
JPH044874B2 (ja)
JP3630378B2 (ja) ガラクトシルグリセロール類の製造方法
JP2606854B2 (ja) イソプリメベロースの製造方法
KR101944881B1 (ko) 역상 크로마토그래피를 이용하는 말토덱스트린의 분리정제 방법
JP3045509B2 (ja) マンノース含有オリゴ糖の製造法
JP3100559B2 (ja) ラクト−n−ネオテトラオースの製造法
JP2949509B2 (ja) シアリルラクトース
JP3009944B2 (ja) 分岐シクロデキストリンの製造法
JPS62171693A (ja) 分岐オリゴ糖の製造方法
JPS61287902A (ja) 新規分岐β―サイクロデキストリンの製造方法
JPS5818074B2 (ja) α↓−サイクロデキストリンの製造法
JPH01174383A (ja) 酵素によるn−アセチルキトオリゴ糖の製造法
JP2690779B2 (ja) L―アスコルビン酸誘導体及びその製造法