JP2949509B2 - シアリルラクトース - Google Patents

シアリルラクトース

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、シアル酸の2位の炭素とラクトースのグリ
コース部分の6位の炭素がαアノマーで結合した新規シ
アリルラクトースに関する。
従来の技術 シアル酸含有糖は強い生理活性を持つものが多く、結
合している糖やその結合位置の違いにより様々な薬理効
果が期待できる。このため、新規シアル酸含有糖の開発
と、その性質の検討が望まれており、その製法、利用開
発が現在急速に進められている。
シアル酸含有糖の中、シアリルラクトースは最も普遍
的なものであるが、これまで、自然界ではシアル酸の2
位の炭素とラクトースのガラクトース部分の3位の炭素
がαアノマーで結合したα−2,3シアリルラクトース、
シアル酸の2位の炭素とラクトースのガラクトース部分
の6位の炭素がαアノマーで結合したα−2,6−シアリ
ルラクトースの2種類しか知られていない。
発明が解決しようとする問題点 本発明は有用な生理活性が期待される新規シアル酸含
有糖の開発の一環として新規シアリルラクトースを提供
することを目的とする。
課題を解決するための手段 即ち本発明は、式 で表されるシアリルラクトースに係わる。
本発明化合物は、シアル酸の2位の炭素とラクトース
のグルコース部分の6位の炭素がαアノマーで結合した
シアリルラクトースであって、文献末記載の新規化合物
である。
本発明のシアリルラクトースは、自然界に存在するシ
アル酸がラクトースのガラクトース部分に結合したシア
リルラクトースとは、シアル酸と糖との結合位置に異に
する。そのため、本発明化合物は病原菌やウイルスの感
染防止及びビフィズス因子としての効果、並びにシアル
酸含有糖の有する各種生理活性を有するものと期待さ
れ、それに基づく各種用途に有用な化合物である。
本発明者らは、先にノイラミダーゼの逆反応を用いて
シアル酸とシアル酸受容化合物とからシアル酸含有化合
物を製造する方法を示した(特願平1−293402(特開平
3−15189))。引き続く本発明者の研究により、上記
方法によりシアリルラクトースのシアル酸がラクトース
のグリコース部分に結合した新規化合物を生成すること
を見出した。従って本発明化合物は、ノイラミニダーゼ
の存在下に、シアル酸とラクトースとを反応させること
によって得られる。
本明細書において使用される糖の略号はIUPAC−IUBの
規定或いは当技術分野における慣用記号に従うものと
し、その例を次に挙げる。また、特に明示しなければ、
各糖はD−体を示すものとする。
Gal:ガラクトース Glc:グルコース Sia:シアル酸 本発明化合物の製造法に於いては、反応供与体として
シアル酸を、受容体としてはラクトースを用いる。ま
た、ノイラミニダーゼとしては、とくに制限されず公知
のものが使用でき、例えば、アースロバクター ウレア
ファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)、ビブリオ
コレラ(Vibrio cholerae)、クラストリジウム パ
ーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、ストレ
プトコッカス(Screptooccus sp.)等の細菌起源のもの
を挙げることができ、その中でもアースロバクター ウ
レアファシエンス起源のものがとくに好ましく使用でき
る。
本発明の酵素反応は、シアル酸とラクトース及び緩衝
液を含む原料液にノイラミニダーゼを加えて行われる。
シアル酸及びラクトースの使用量はとくに制限され
ず、いずれも飽和量まで使用できるが、通常反応液1ml
当り1〜40重量%程度、好ましくは10〜40重量%程度と
すればよい。
ノイラミニダーゼの使用量も特に制限されず広い範囲
から適宜選択できるが、反応液1ml当り通常0.001ユニッ
ト以上、好ましくは0.01〜100ユニット程度とすればよ
い。
緩衝液としてはpHが3〜11程度の公知のものが使用で
き、例えば10〜200mM度の酢酸緩衝液(pH3.0〜6.0)、M
cIlvaine緩衝液(pH3.5〜7.0)、リン酸緩衝液(pH6.0
〜8.0)、カコジル酸ナトリウム緩衝液(pH5.0〜8.
0)、トリス−塩酸緩衝液(pH7.0〜9.0)、グリシン−N
aOH緩衝液(pH8.5〜11)等を挙げることができる。
本発明の酵素反応は、原料液に有機溶媒または硫酸ア
ンモニウム等を加えて疏水性条件にすることにより、加
水分解反応が抑制され、一層有利に合成反応が進行し、
収率も向上する。
有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、
酢酸エチル等のエステル類、ジメチルエーテル、メチル
エチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル
等のシアン化炭化水素類を挙げることができる。有機溶
媒の添加量は特に制限されないが、通常原料液1ml当り
0.1〜0.8ml程度、好ましくは0.3〜0.6ml程度を有機溶媒
に置き換えれば良い。また、硫酸アンモニウムの添加量
も特に制限されないが、原料液1ml当り0.01〜0.8g程
度、好ましくは0.1〜0.5g程度とすれば良い。
酵素反応は通常10〜80℃程度で、好ましくは25〜60℃
程度の温度下及びpH3〜10程度、好ましくはpH4〜8で、
通常30分〜168時間程度、好ましくは5〜42時間程度で
終了する。
生成する本発明化合物は、公知の手段に従って酵素反
応液から分離・精製できる。即ち、まず、酵素反応液か
ら酵素を除去するには、例えば、酵素反応液を80〜100
℃の湯浴中で1〜60分、好ましくは10〜20分間加熱する
か、または、限外濾過膜を用いても容易に酵素を除くこ
とができる。もし、これらの過程で沈殿が生じた場合、
濾過もしくは、遠心分離などの常法により反応液から酵
素を除くことができる。
つぎに、活性炭もしくはゲル濾過カラムクロマトグラ
フィーを行い、さらに、DEAE−セルロース、DEAE−セフ
ァデックス、DEAE−セファロース、Q−セファロース、
Mono−QまたはダウエックスAG1×2等のいずれかの陰
イオン交換クロマトグラフィー等によって精製すること
ができる。また、必要に応じて、高速液体クロマトグラ
フィーの分離・精製工程を追加することができる。得ら
れた本発明化合物に塩が混入している場合は、ゲル濾過
クロマトグラフィー等の常法により脱塩することができ
る。そして、精製標品は凍結乾燥処理により白色粉末と
して得ることができる。
本発明をさらに詳しく説明するため、以下に実施例を
挙げる。
実施例1 シアル酸120g及びラクトース120gを10mM酢酸緩衝液
(pH6.0)600mlに溶解し、これにアースロバクター ウ
レアファシエンス起源のノイラミニダーゼ12000Uを加え
た後、さらにアセトン600mlを加えて、37℃で15時間振
盪反応を行う。反応終了後アセトン層を除去し、98℃で
15分間加熱処理により酵素反応を停止させる。変性沈殿
した酵素タンパク質は桐山ロートSB−40タイプ(桐山製
作所)により濾過を行う。得られた反応液600mlを三等
分(各200ml)し、脱イオン水で平衡化したバイオゲル
P−2(バイオラッド社製)カラム(9×115cm)へ添
加する。溶出は脱イオン水で行い、得られた各フランク
ションはフェノール硫酸法及びレゾルシン塩酸法により
シアン酸及び糖質の測定を行う。測定結果からシアリル
ラクトース画分を集めて200mlまで減圧濃縮する。次に2
mM酢酸−アンモニア緩衝液(pH5.0)で平衡化したダウ
エックスAG1×(ダウケミカル社製)カラム(5×90c
m)へ、同濃度の緩衝液になるように調製した濃縮液を
添加する。同濃度の緩衝液を3l流した後、30mMの同緩衝
液で溶出する。各画分はフェノール硫酸法及びレゾルシ
ン塩酸法により測定し、シアリルラクトース画分を集め
て、20mlまで減圧濃縮する。得られた濃縮液から、脱イ
オン水で平衡化したバイオゲルP−2カラム(5×90c
m)処理により、酢酸−アンモニア緩衝液を除去する。
得られたフラクションは減圧濃縮の後、凍結乾燥を行
う。こうした得られた乾燥粉末を10ml脱イオン水に溶解
し、移動相としてアセトニトリル:20mMリン酸緩衝液pH
4.0(70:30)を用いた分取高速液体クロマトグラフィー
(装置:島津製作所製LC−8A、カラム:山村化学社製YM
C−pack PA−43)により分離する。検出は、紫外210nm
の吸収により行なう。より高純度の化合物を得るにはリ
サイクル分取を行なう必要がある。ここで得られた溶出
液は、減圧濃縮し脱イオン水で平衡化したバイオゲルP
−2カラム(5×90cm)により添加したリン酸緩衝液を
除去する。得られたフランクションは減圧濃縮の後、凍
結乾燥を行なう。凍結乾燥粉末をノイラミニダーゼで加
水分解した後、分解産物を薄層クロマトグラフィーで分
析した。
薄層プレート;ワットマンシリカゲルプレートK5 展開溶媒;n−プロパノール:1Nアンモニア:水=6:2:1 発色剤;レゾルシン塩酸試薬 分解産物のRf値;0.31(黄色)と0.66(淡紫色) 標準品シアル酸のRf値;0.66(淡紫色) 標準品ラクトースのRf値;0.31(黄色) 次に分解産物中のシアル酸量をチオバルビツール酸法
で、ラクトース量を酵素法(Fキット、ベーリンガー・
マンハイム山之内(株)製)でそれぞれ測定した結果、
シアル酸:ラクトース1:1(モル比)であった。
また、分子量を日立M80B型質量分析計で測定した結
果、分子量が633のシアリルラクトースであることを確
認した。
このシアリルラクトースの結合位置は、白色粉末をメ
チルエステル化およびアセチル化し、 BurkerAM400型核磁気共鳴装置で測定した。シアル酸の
H−3eqが2.73ppmに現れ2.5ppmより低磁場であること、
かつJ7.8値が約8Hzと大きく|H−9′−H−9|値が約0.
22ppmと小さいことからシアル酸の結合様式は“α”で
あることを確認した。さらに、ラクトースのアセチル−
メチルエステル体のスペクトルの比較からシアル酸が結
合していない水酸基はGlc−1,2,3,Gal−2,3,4,6位水酸
基であり、シアル酸はグルコース6位水酸基とグリコシ
ド結合していることが示された。以上の結果から、白色
粉末は新規シアリルラクトースGal(β1→4)Glc(6
←2α)NeuNAcであることが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 19/14 C12P 19/14 Z (56)参考文献 特開 平3−143351(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07H 7/027 CAplus(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 で表されるシアリルラクトース。
JP4699290A 1990-02-26 1990-02-26 シアリルラクトース Expired - Lifetime JP2949509B2 (ja)

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