JP5515475B2 - タペットローラ用軸受装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンの動弁機構を構成するカムフォロア装置に組み込まれ、ロッカーアームに対してタペットローラを回転自在に支持する、軸受装置の改良に関する。
エンジン内部での摩擦低減を図り、燃料消費率を低減する事を目的として、クランクシャフトと同期したカムシャフトの回転を給気弁及び排気弁の往復運動に変換する部分に、タペットローラを組み込んだカムフォロア装置を利用する事が一般的に行われている。図30〜32は、特許文献1に記載された、従来から知られているカムフォロア装置の第1例を示している。
エンジンのクランクシャフトと同期して回転するカムシャフト1に固設したカム2の動きを受けて往復揺動するロッカーアーム3の端部に1対の支持壁部4、4を、互いに間隔を開けて設けている。又、これら両支持壁部4、4に、支持軸5の両端部を固定し、この支持軸5の中間部周囲にタペットローラ6を、ラジアルニードル軸受7により、回転自在に支持している。そして、このタペットローラ6の外周面を、前記カム2の外周面に当接させている。この様に構成されるカムフォロア装置を組み込んだエンジンの動弁機構によれば、ロッカーアーム3とカム2との間に働く摩擦力を低減し、エンジン運転時に於ける燃料消費率の低減を図れる。
又、特許文献2には、図33〜36に示す様な、板金製のロッカーアーム3aの中間部に固定した支持軸5aの周囲にタペットローラ6aを回転自在に支持したカムフォロア装置が記載されている。前記ロッカーアーム3aは、1対の支持壁部4a、4aと、これら両支持壁部4a、4aの両端部同士を連結する第一、第二の連結部8、9とを備える。これら両連結部8、9のうちの第一の連結部8は、弁体10の基端面を突き当ててこの弁体10を変位させる為の押圧部として、第二の連結部9は、ラッシュアジャスタを構成し、前記ロッカーアーム3aの揺動中心となるプランジャ11の先端面を突き当てる為の支点部として、それぞれ機能する。
エンジンへの組み付け状態では、図36に示す様に、前記第一の連結部8の片面(図36の下面)に前記弁体10の基端部を、前記第二の連結部9の片面に設けた球状凹部に前記プランジャ11の先端面を、それぞれ突き当てると共に、前記タペットローラ6aの外周面に、カムシャフト1aの中間部に固設したカム2aの外周面を当接させる。エンジンの運転時には、このカム2aの回転に伴って前記ロッカーアーム3aが、前記プランジャ11の先端面と前記球状凹部との当接部を中心(支点)として、図36に実線で示した状態と同じく鎖線で示した状態との間で揺動変位し、前記弁体10を、前記第一の連結部8の押圧力とリターンスプリング12の弾力とにより軸方向に往復移動させる。
何れの構造の場合でも、前記カム2、2aと前記ロッカーアーム3、3aとの係合部の摩擦状態を転がり摩擦とする事により、この係合部での摩擦損失を低減し、カムフォロア装置を組み込んだエンジンの燃費性能の向上を図れる。但し、この燃費性能をより向上させる為には、前記タペットローラ6、6aの軸方向端面と、前記支持壁部4、4aの側面との間の摩擦損失の低減を図る事が好ましい。即ち、図30〜32に示した従来構造の第1例にしても、図33〜36に示した第2例にしても、前記ロッカーアーム3、3aに対して前記タペットローラ6、6aが軸方向に変位するのを抑える為の構造は設けられていない。この為、エンジンの運転時に、前記タペットローラ6、6aの軸方向端面が、前記支持壁部4、4aの側面と擦れ合う可能性がある。そして、擦れ合った場合には、擦れ合い部分での摩擦損失が大きくなり、前記燃費性能が悪化する。
この様な事情に鑑みて、特許文献3には、タペットローラの片側面と何れかの支持壁との間にスラスト転がり軸受を設けた構造が記載されている。この様な特許文献3に記載されている従来構造によれば、タペットローラに加わるスラスト荷重の方向が一定である限り、このタペットローラの片側面と何れかの支持壁の側面との擦れ合いを防止して、燃費性能の向上を図れる。但し、タペットローラに加わるスラスト荷重の方向は、必ずしも規制できず、エンジンの組立精度により変わる可能性がある他、運転状況によっても変わる可能性もある。この為、スラスト転がり軸受をタペットローラの片側部分にのみ設けた構造では、エンジンの燃費性能を、必ずしも十分に向上させる事ができない。
一方、特許文献4には、ロッカーアームの中間部をシリンダヘッドに対して揺動変位自在に支持する為の揺動支持部に、1対のラジアル転がり軸受に加えて、1対のスラスト転がり軸受を組み込んだ構造が記載されている。但し、前記特許文献4に記載された構造は、ロッカーアームの中間部をシリンダヘッドに対して揺動変位自在に支持する為の揺動支持部の構造を対象としている為、前記両ラジアル転がり軸受同士の間に前記両スラスト転がり軸受を組み込んでいる。この様な特許文献4に記載された構造は、そのままは特許文献3に記載されたタペットローラの回転支持部に組み込む事ができない。更に、仮に特許文献4に記載された構造を特許文献3に記載されたタペットローラの回転支持部に組み込み、このタペットローラに加わるスラスト荷重の方向が何れであっても、このタペットローラの軸方向端面と支持軸の側面との摩擦状態を転がり摩擦として、エンジンの燃費性能を向上させられる構造を実現できたとしても、前記回転支持部の摩擦損失低減、耐久性確保、何れの面からも、尚、改良すべき点が残る。この改良すべき点とは、次の通りである。
前記タペットローラに加わるスラスト荷重の方向は、エンジンの運転状況に伴って変化する可能性がある。又、タペットローラの回転抵抗(動トルク)を低減する面から、このタペットローラの軸方向両側に設けた1対のスラスト転がり軸受に予圧を付与する事は好ましくない。従って、前記タペットローラに何れかの方向のスラスト荷重が加わり、一方のスラスト転がり軸受がスラスト荷重を支承している状態では、他方のスラスト転がり軸受には全くスラスト荷重が加わらない状態となる。この状態では、この他方のスラスト転がり軸受を構成する転動体が、全く自転及び公転をしないか、仮に自転又は公転をした場合でも、前記タペットローラの回転速度に見合う速度よりも遥かに遅い速度で(緩徐に)しか自転又は公転しない状態となる。そして、この状態から、前記タペットローラに加わるスラスト荷重の方向が変わると、それまで停止又は緩徐に自転又は公転していた転動体の転動面が、前記タペットローラの軸方向端面及び支持壁部の側面に押し付けられる。この瞬間に、これら両面と前記各転動体の転動面とが強く擦れ合い、これら各面同士の間に存在する油膜が押し退けられ(油膜切れが発生し)、これら各面を構成する金属同士が接触する、所謂金属接触が発生し易い。
金属接触は著しい摩耗に結び付き易い。この為、エンジンの耐久性確保を考慮するのであれば、短時間であっても、接触部で金属接触が発生する様な事態は避けるべきである。特許文献4に記載されている様な揺動支持部であれば、スラスト転がり軸受を構成する1対のスラスト軌道面同士の相対変位速度は限られている為、上述の様な金属接触に伴う耐久性低下はあまり問題とはならないと考えられる。これに対して、本発明の対象となるタペットローラ用軸受装置の場合、高速回転するタペットローラの軸方向端面と、静止している支持壁の側面との相対変位速度は相当に大きくなる為、上述の様な金属接触に伴う耐久性低下が問題となり易い。
特開平3−78507号公報 米国特許第5048475号明細書 独国特許出願公開第19618067号明細書 米国特許第6694936号明細書
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、タペットローラの回転支持部の摩擦損失を十分に低減できる構造を実現し、更に、より優れた耐久性を有するタペットローラ用軸受装置の構造を実現すべく発明したものである。
本発明のタペットローラ用軸受装置は、1対の支持壁部と、支持軸と、タペットローラと、ラジアル転がり軸受と、それぞれが複数の転動体として玉を使用している1対のスラスト玉軸受とを備える。
このうちの1対の支持壁部は、ロッカーアームの一部に、互いに間隔を開けた状態で設けられている。
又、前記支持軸は、前記両支持壁部に、その両端部を支持されている。
又、前記タペットローラは、円筒状で、前記支持軸の中間部周囲に配置されている。
又、前記ラジアル転がり軸受は、これら支持軸の外周面とタペットローラの内周面との間に設けられている。
更に、前記1対のスラスト玉軸受は、前記ラジアル転がり軸受の軸方向両側位置で、前記タペットローラの両端面と前記両支持壁部の側面との間に設けられている。
尚、前記両スラスト玉軸受を構成するスラスト転動体である前記各玉には予圧を付与せず、これら各玉の転動面と、各スラスト軌道面との接触面圧を低く抑える。この理由は、これら各玉の転がり抵抗、延いては前記両スラスト玉軸受の動トルクを低く抑える為である。
更に、本発明のタペットローラ用軸受装置の場合には、前記ラジアル転がり軸受と前記両スラスト玉軸受とを、何れも、保持器により複数個の転動体(ラジアル転動体、及びスラスト転動体である各玉)を保持した保持器付転がり軸受(玉軸受を含む)とする。そして、前記ラジアル転がり軸受に組み込まれたラジアル保持器と、前記両スラスト玉軸受に組み込まれたスラスト保持器とが、互いに同期して回転する様にする。
この様な本発明のタペットローラ用軸受装置を実施する場合、具体的には、請求項2に記載した発明の様に、ラジアル保持器とスラスト保持器とを一体とする。
又、請求項3に記載した発明の様に、前記ラジアル転がり軸受を、ラジアル転動体を複列に配置した、複列転がり軸受とする。そして、一方の列のラジアル転動体を保持するラジアル保持器と他方の列のラジアル転動体を保持するラジアル保持器とが互いに分離するものとする。又、一方の列に関するラジアル保持器と一方のスラスト玉軸受に組み込まれたスラスト保持器とを、他方の列に関するラジアル保持器と他方のスラスト玉軸受に組み込まれたスラスト保持器とを、それぞれ一体とする。そして、前記一方の列のラジアル転動体を保持するラジアル保持器の内端縁に形成した凹凸部と、前記他方の列のラジアル転動体を保持するラジアル保持器の内端縁に形成した凹凸部とを凹凸係合させる事により、これら両列のラジアル保持器を、軸方向に関して分離可能に、且つ、同期した回転を可能に組み合わせる。
上述の様に構成する本発明のタペットローラ用軸受装置によれば、タペットローラの回転支持部の摩擦損失を十分に低減し、更に十分な耐久性を確保できる。
先ず、摩擦損失の低減は、タペットローラの軸方向両端面と1対の支持壁部の側面との間に、何れも転動体である玉に予圧を付与していないスラスト玉軸受を組み込む事により実現できる。即ち、前記タペットローラに加わるスラスト荷重の方向に拘らず、1対のスラスト玉軸受のうちの一方のスラスト玉軸受が、このスラスト荷重を支承する。そして、前記タペットローラの軸方向端面を何れかの支持壁部に対して、軽い力で回転させる。前記両スラスト玉軸受を構成するスラスト転動体である各玉には予圧が付与されておらず、エンジンの運転時に前記タペットローラに加わるスラスト荷重は限られている為、このスラスト荷重を支承するスラスト玉軸受の動トルクも低く抑えられ、前記タペットローラの回転抵抗、言い換えれば、前記回転支持部の摩擦損失を十分に低減できる。
又、耐久性の確保は、ラジアル転がり軸受に組み込まれたラジアル保持器と、両スラスト玉軸受に組み込まれたスラスト保持器とを、互いに同期して回転させる事により実現できる。即ち、エンジンの運転時に前記ラジアル転がり軸受は、常にラジアル荷重を支承しつつ、支持軸とタペットローラとの相対回転を許容する。従って、前記ラジアル転がり軸受を構成する各ラジアル転動体は、このタペットローラの回転速度に応じた回転速度で、自転及び公転する。そして、前記ラジアル保持器及び前記両スラスト保持器も、前記タペットローラの回転速度に応じた、具体的には、スラスト玉軸受のスラスト転動体である各玉に滑りが生じていないと仮定した状態での、これら各玉の公転速度に一致する回転速度で回転する。この為、エンジンの運転状態の変化等に伴って、何れかのスラスト玉軸受が無負荷状態から負荷状態に変化しても、当該スラスト玉軸受を構成する各玉の転動面と、前記タペットローラの軸方向端面及び支持壁部の側面とが、金属接触が発生する程、強く擦れ合う事がなくなる。
即ち、前記スラスト玉軸受が無負荷状態で運転されている状態でも、当該スラスト玉軸受を構成する各玉は、前記タペットローラの回転速度に応じた回転速度で公転する。従って、前記スラスト玉軸受の公転運動に基づくモーメントは、当該スラスト玉軸受が無負荷状態であっても、負荷状態と同じ様に発生する。この為、前記何れかのスラスト玉軸受の運転状態が無負荷状態から負荷状態に変化する瞬間に、公転運動に基づくモーメントが急に増大する(極端な場合には、ゼロから急に立ち上がる)事はない。この結果、前記各玉の転動面と、前記タペットローラの軸方向端面及び支持壁部の側面とが、前記公転運動に基づくモーメントの急変に基づいて、金属接触が発生する程強く擦れ合う事がなくなる。前記運転状態が無負荷状態から負荷状態に変化する瞬間には、前記各玉の自転速度が急変する(極端な場合には、停止から急に立ち上がる)可能性がある。但し、前記各玉の自転運動に基づくモーメントは、前記公転運動に基づくモーメントに比べれば遥かに小さい。この為、自転速度の急変により、前記各玉の転動面と、前記タペットローラの軸方向端面及び支持壁部の側面とが、金属接触が発生する程強く擦れ合う事は無い。この結果、これら各面の摩耗を抑えて、前記両スラスト玉軸受を組み込んだタペットローラ用軸受装置の耐久性向上を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を示す要部断面図。 タペットローラを省略した状態で示す斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を略示する斜視図。 同じく図2と同様の斜視図。 同じく図1と同様の断面図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同様の斜視図。 同じく図1と同様の断面図。 本発明に関する参考例の第1例を略示する斜視図。 同じく図2と同様の斜視図。 同じく図1と同様の断面図。 本発明に関する参考例の第2例を示す、図1と同様の断面図。 同第3例を示す、図2と同様の斜視図。 同じく図1と同様の断面図。 本発明に関する参考例の第4例を示す、図1と同様の断面図。 同第5例を略示する斜視図。 同じく図2と同様の斜視図。 同じく図1と同様の断面図。 本発明に関する参考例の第6例を示す、図1と同様の断面図。 同第7例を示す、図2と同様の斜視図。 同じく図1と同様の断面図。 本発明に関する参考例の第8例を示す、図1と同様の断面図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図1と同様の断面図。 同じく図2と同様の斜視図。 本発明に関する参考例の第9例を示す、図1と同様の断面図。 第10例を示す、図1と同様の断面図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図1と同様の断面図。 第6例を示す、図1と同様の断面図。 図27のイ部拡大図。 本発明の実施の形態の第7例を示す、図1と同様の断面図。 カムフォロア装置を備えるエンジンの動弁機構の第1例を示す部分側面図。 図30の拡大ロ−ロ断面図。 同ハ−ハ断面図。 従来のカムフォロア装置の第2例を示す斜視図。 同じく平面図。 図34のニ−ニ断面図。 従来の第2例のカムフォロア装置の組み付け状態を示す断面図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、支持軸の周囲にタペットローラを回転自在に支持する為のラジアル転がり軸受に加えて、このタペットローラの軸方向両端面と支持壁部との間に1対のスラスト玉軸受を設け、これら各転がり軸受及び玉軸受に組み込んだ保持器が互いに同期して回転する様にした点にある。前記支持軸の両端部を支持固定する為のロッカーアームの構造等、前記特徴部分以外の構成及び作用は、前述の図30〜36に示した構造を含めて、従来から知られている構造と同様であるから、図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
両端部を1対の支持壁部に対し支持固定される支持軸5bの中間部周囲に円筒状のタペットローラ6bを、ラジアル転がり軸受である複列ラジアル玉軸受13により、回転自在に支持している。又、前記タペットローラ6bを軸方向両側から挟む状態で、1対のスラスト玉軸受14、14を配置している。前記支持軸5bの両端部を前記両支持壁部に支持固定した状態で、これら両スラスト玉軸受14、14は、これら両支持壁部の側面と前記タペットローラ6bの軸方向両端面との間に配置されて、これら各面同士が擦れ合う事を防止する。言い換えれば、これら各面同士の係合状態を、滑り摩擦から転がり摩擦に変える。
前記複列ラジアル玉軸受13を構成する、それぞれがラジアル転動体である、複数個の玉15、15は、複列に配置した状態で、円筒状のラジアル保持器16により、転動自在に保持している。又、前記両スラスト玉軸受14、14を構成する複数個の玉17、17は、それぞれが円輪状のスラスト保持器18、18により、転動自在に保持している。これら各保持器16、18は、ポリアミド66、ポリアミド46の如き、耐熱性及び耐油性を有する合成樹脂等の、弾性を有する材料により造っている。又、前記各保持器16、18のポケットは、それぞれの中間部の内径が保持すべき玉15、17の直径よりも僅かに大きく、それぞれの両端開口部の内径が、保持すべき玉15、17の直径よりも僅かに小さい。従ってこれら各玉15、17は、前記各保持器16、18のポケットに、これら各ポケットの開口部の内径を弾性的に広げつつ押し込み可能で、押し込んだ後にはこれら各ポケット内に、転動自在に、且つこれら各ポケットから脱落しない状態で保持される。
前記ラジアル保持器16は、軸方向中間部で2分割されている。即ち、このラジアル保持器16は、それぞれが円筒形で、互いに対向する内端縁を、台形突縁と台形凹縁とを交互に且つ等ピッチで連続させた形状を有する、1対のラジアル保持器素子19、19を組み合わせて成る。これら各ラジアル保持器素子19、19には複数のポケット20、20を、それぞれ円周方向に関して等間隔に配置している。これら各ポケット20、20は、前記台形突縁に対応する部分で前記ラジアル保持器16の軸方向中央寄りに、同じく台形凹縁に対応する部分で軸方向端部寄りに、それぞれ存在する様に、千鳥配置している。この理由は、隣り合うポケット20、20同士の間部分の幅を確保しつつ、これら各ポケット20、20(に保持される前記各玉15、15)の数を多くして、前記複列ラジアル玉軸受13の負荷容量を確保する為である。
又、前記両スラスト保持器18、18の内周縁は、それぞれ前記両ラジアル保持器素子19、19の外端縁に連続している。即ち、前記両スラスト保持器18、18のうちの一方のスラスト保持器18と、前記両ラジアル保持器素子19、19のうちの一方のラジアル保持器素子19とを一体とし、同じく他方のスラスト保持器18と他方のラジアル保持器素子19とを一体としている。又、前記両ラジアル保持器素子19、19を組み合わせて前記ラジアル保持器16を構成した状態で、これら両ラジアル保持器素子19、19の内端縁に形成した凹凸形状が互いに噛合して、これら両ラジアル保持器素子19、19が円周方向に相対変位する事を阻止する。従って、前記ラジアル保持器16と前記両スラスト保持器18、18とは、前記支持軸5bの周囲で、互いに同期して回転する。
上述の様に構成する本例のタペットローラ用軸受装置は、前記タペットローラ6bの軸方向両端面と前記両支持壁部の側面との間に前記両スラスト玉軸受14、14を組み込んでいる為、前記タペットローラ6bに加わるスラスト荷重の方向に拘らず、前記両スラスト玉軸受14、14のうちの一方のスラスト玉軸受14がこのスラスト荷重を支承する。そして、前記タペットローラ6bの軸方向端面を何れかの支持壁部に対して、軽い力で回転させる。前記両スラスト玉軸受14、14を構成する玉17、17には予圧が付与されておらず、予圧に基づいてこれら両スラスト玉軸受14、14の回転抵抗(動トルク)が大きくなる事はない。又、エンジンの運転時に前記タペットローラ6bに加わるスラスト荷重は限られており、前記各玉17、17の転動面と、前記タペットローラ6bの軸方向端面及び前記何れかの支持壁部の側面との転がり接触部の面圧の上昇も限られている。この為、前記スラスト荷重を支承するスラスト玉軸受14の動トルクも低く抑えられ、前記タペットローラ6bの回転抵抗、言い換えれば、前記回転支持部の摩擦損失を十分に低減できる。
又、前記ラジアル保持器16と前記両スラスト保持器18、18とを、互いに同期して回転させる構造としている為、前記両スラスト玉軸受14、14の転がり接触部に油膜切れに伴う傷が付く事を防止して、これら両スラスト玉軸受14、14を含む、タペットローラ用軸受装置の耐久性を確保できる。即ち、エンジンの運転時に前記複列ラジアル玉軸受13は、常にラジアル荷重を支承しつつ、前記支持軸5bの周囲での前記タペットローラ6bの回転を許容する。従って、前記複列ラジアル玉軸受13を構成する前記各玉15、15は、前記タペットローラ6bの回転速度に応じた回転速度で、自転及び公転する。そして、前記ラジアル保持器16及び前記両スラスト保持器18、18も、前記タペットローラ6bの回転速度に応じた回転速度で回転する。即ち、これら両スラスト保持器18、18に関しても、前記両スラスト玉軸受14、14を構成する前記各玉17、17の転動面と相手面との接触部に滑りが生じていないと仮定した状態での、これら各玉17、17の公転速度に一致する回転速度で回転する。この為、エンジンの運転状態の変化等に伴って、何れかのスラスト玉軸受14が無負荷状態から負荷状態に変化しても、当該スラスト玉軸受14を構成する各玉17、17の転動面と、前記タペットローラ6bの軸方向端面及び支持壁部の側面とが、金属接触が発生する程、強く擦れ合う事がなくなる。
即ち、前記タペットローラ6bに加わるスラスト荷重の作用方向と反対側に存在するスラスト玉軸受14が無負荷状態で運転された場合でも、当該スラスト玉軸受14を構成する前記各玉17、17は、前記スラスト保持器18の回転に伴って、前記タペットローラ6bの回転速度に応じた回転速度で公転する。従って、前記スラスト玉軸受14の公転運動に基づくモーメントは、当該スラスト玉軸受14が無負荷状態であっても、負荷状態と同じ様に発生する。この為、当該スラスト玉軸受14の運転状態が、無負荷状態から負荷状態に変化する瞬間に、公転運動に基づくモーメントが急に増大する事はない。この結果、前記各玉17、17の転動面と、前記タペットローラ6bの軸方向端面及び支持壁部の側面とが、前記公転運動に基づくモーメントの急変に基づいて、金属接触が発生する程強く擦れ合う事がなくなる。前記運転状態が無負荷状態から負荷状態に変化する瞬間には、前記各玉17、17の自転速度が急変する。但し、これら各玉17、17の自転運動に基づくモーメントは、前記公転運動に基づくモーメントに比べれば遥かに小さい。
即ち、この公転運動に基づくモーメントは、前記スラスト保持器18及び各玉17、17の質量の分布と、このスラスト保持器18の回転中心からこれら各質量が存在する部分までの距離との積分値で、或る程度大きな値になる。これに対して、前記自転運動に基づくモーメントは、前記各玉17、17の質量の分布とこれら各玉17、17の中心からの距離との積分値で、前記公転運動に基づくモーメントよりも遥かに小さな値になる。従って、前記各玉17、17の自転速度は、極く小さな力(モーメント)により変化させられる。この為、この自転速度の急変によっては、前記各玉17、17の転動面と、前記タペットローラ6bの軸方向端面及び支持壁部の側面とが、金属接触が発生する程強く擦れ合う事は無い。この結果、これら各面の摩耗を抑えて、前記両スラスト玉軸受14を組み込んだタペットローラ用軸受装置の耐久性向上を図れる。
尚、本例を含めて本発明のタペットローラ用軸受装置の場合には、円筒状のタペットローラの軸方向両側に、それぞれが円輪状である、1対のスラスト保持器を配置する必要がある。これら両スラスト保持器の外径は前記タペットローラの内径よりも大きい為、これら両スラスト保持器を分離可能な構造とし、このタペットローラの内径側及び軸方向両側にこれら両スラスト保持器及びラジアル保持器を組み付けた状態で、これら各保持器が同期して回転する様に構成する必要がある。この為に本例の場合には、前述した様に、前記両スラスト保持器18、18のうちの一方のスラスト保持器18と、前記両ラジアル保持器素子19、19のうちの一方のラジアル保持器素子19とを一体とし、同じく他方のスラスト保持器18と他方のラジアル保持器素子19とを一体としている。
[実施の形態の第2例]
図3〜5は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ラジアル保持器16aを、それぞれが半円筒形である1対のラジアル保持器素子19a、19aを組み合わせたものとしている。そして、これら両ラジアル保持器素子19a、19aの外端縁に連続させて、それぞれが円輪状であるスラスト保持器18、18を設けている。即ち、一方のラジアル保持器素子19aと一方のスラスト保持器18とを、他方のラジアル保持器素子19aと他方のスラスト保持器18とを、それぞれ一体に形成している。そして、前記ラジアル保持器16aに設けた、それぞれが軸方向に長い矩形のポケット20a、20a内に玉15、15を、これら各ポケット20a、20a毎に複数個ずつ、転動自在に設けている。この様な本例の場合には、組み込む玉15、15の数を多くして、ラジアル玉軸受26の負荷容量の増大を図れる。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第3例]
図6〜7は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合も、上述した実施の形態の第2例と同様に、ラジアル保持器16aとして、1対のラジアル保持器素子19a、19aを組み合わせたものを使用している。特に本例の場合には、前記ラジアル保持器16aのポケット20a、20a内に、円筒ころ(ニードル)22、22を、これら各ポケット20a、20a毎に1本ずつ、転動自在に設けている。即ち、本例の場合には、ラジアル転がり軸受としてラジアルニードル軸受7aを用いている。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第1例
図8〜10は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例の場合には、円筒状のラジアル保持器16と一方(図8〜10の左方)のスラスト保持器18aとを一体とし、他方(図8〜10の右方)のスラスト保持器18bを、前記ラジアル保持器16とは別体としている。即ち、この他方のスラスト保持器18bの内径を、このラジアル保持器16の先端部の外径よりも僅かに(次述する油膜を全周に亙り介在させられ、しかも、前記スラスト保持器18bの径方向の位置決めを図れる程度)大きくしている。そして、前記他方のスラスト保持器18bをこのラジアル保持器16の先端部に、隙間嵌により外嵌支持している。
この様な本参考例の場合には、このラジアル保持器16と前記一方のスラスト保持器18aとは、完全に同期して回転する。これに対して、前記他方のスラスト保持器18bは、前記ラジアル保持器16とは独立して回転し得る。但し、この他方のスラスト保持器18bの内周面と前記ラジアル保持器16の先端部外周面との間には薄い油膜が存在する。この油膜は、前記ラジアル保持器16の高速回転に伴って加わる剪断抵抗により、このラジアル保持器16から前記他方のスラスト保持器18bにトルクを伝達し、このスラスト保持器18bを回転させる。従って、この他方のスラスト保持器18bに関しても、前記ラジアル保持器16と、ほぼ同期して回転する。この結果、本参考例の場合も、公転速度の急変により、各玉17、17の転動面と、タペットローラ6bの軸方向端面及び支持壁部の側面とが強く擦れ合う事を抑えて、タペットローラ用軸受装置の耐久性向上を図れる。その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第2例
図11は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合には、円筒状のラジアル保持器16と1対のスラスト保持器18b、18bとを、互いに別体としている。即ち、これら両スラスト保持器18b、18bの内径を、前記ラジアル保持器16の両端部の外径よりも僅かに大きくして、これら両スラスト保持器18b、18bをこのラジアル保持器16の両端部に、隙間嵌により外嵌支持している。この様な本参考例の構造によれば、前記ラジアル保持器16に形成したポケット20aの軸方向長さを大きく(長く)して、これら各ポケット20a内に保持する玉15、15の数を多くし、ラジアル玉軸受26の負荷容量を大きくできる。
この様な本参考例の構造の場合、前記両スラスト保持器18b、18bは、前記ラジアル保持器16とは独立して回転し得る。但し、本参考例の場合も、上述した参考例の第1例の場合と同様に、前記スラスト保持器18b、18bを、前記ラジアル保持器16とほぼ同期して回転させて、タペットローラ用軸受装置の耐久性向上を図れる。その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第3例
図12〜13は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、ラジアル保持器16のポケット20a、20a内に、円筒ころ22、22を、これら各ポケット20a、20a毎に1本ずつ、転動自在に設けている。その他の部分の構成及び作用は、前述の図8〜10に示した参考例の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第4例
図14は、本発明に関する参考例の第4例を示している。本参考例の場合には、円筒状のラジアル保持器16のポケット20a内に、円筒ころ22を、これら各ポケット20a毎に1本ずつ、転動自在に設けている。本参考例の場合には、これらポケット20aの軸方向長さを大きく(長く)して、これら各ポケット20a内に保持する円筒ころ22の軸方向長さを大きく(長く)し、ラジアルニードル軸受7aの負荷容量を大きくできる。ラジアル転がり軸受がラジアル玉軸受26(図11参照)からラジアルニードル軸受7aに変わった以外の構成及び作用は、前述の図11に示した参考例の第2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第5例
図15〜17は、本発明に関する参考例の第5例を示している。本参考例の場合には、円筒状のラジアル保持器16と一方(図15〜17の左方)のスラスト保持器18aとを一体とし、他方(図15〜17の右方)のスラスト保持器18cを、前記ラジアル保持器16とは別体としている。即ち、この他方のスラスト保持器18cの内径を、支持軸5bの外径よりも少しだけ大きくして、この他方のスラスト保持器18cをこの支持軸5bに、隙間嵌により外嵌支持している。
この様な本参考例の場合には、前記ラジアル保持器16と前記一方のスラスト保持器18aとは、完全に同期して回転する。これに対して、前記他方のスラスト保持器18cは、前記ラジアル保持器16とは独立して回転し得る。但し、この他方のスラスト保持器18cの片面(図17の左面)内径寄り部分と前記ラジアル保持器16の端面との間には薄い油膜が存在する。この油膜は、前記ラジアル保持器16の高速回転に伴って加わる剪断抵抗により、このラジアル保持器16から前記他方のスラスト保持器18cにトルクを伝達し、このスラスト保持器18cを回転させる。従って、この他方のスラスト保持器18cに関しても、前記ラジアル保持器16と、ほぼ同期して回転する。この結果、本参考例の場合も、公転速度の急変により、各玉17、17の転動面と、タペットローラ6bの軸方向端面及び支持壁部の側面とが強く擦れ合う事を抑えて、タペットローラ用軸受装置の耐久性向上を図れる。その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1〜2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第6例
図18は、本発明に関する参考例の第6例を示している。本参考例の場合には、円筒状のラジアル保持器16と1対のスラスト保持器18c、18cとを、互いに別体としている。即ち、これら両スラスト保持器18c、18cの内径を、支持軸5bの外径よりも僅かに大きくして、これら両スラスト保持器18c、18cをこの支持軸5bの周囲でタペットローラ6bを軸方向両側から挟む位置に、隙間嵌により外嵌支持している。その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第5例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第7例
図19〜20は、本発明に関する参考例の第7例を示している。本参考例の場合には、ラジアル保持器16のポケット20a、20a内に、円筒ころ22、22を、これら各ポケット20a、20a毎に1本ずつ、転動自在に設けている。その他の部分の構成及び作用は、前述の図15〜17に示した参考例の第5例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第8例
図21は、本発明に関する参考例の第8例を示している。本参考例の場合には、円筒状のラジアル保持器16と1対のスラスト保持器18c、18cとを、互いに別体としている。即ち、これら両スラスト保持器18c、18cの内径を、支持軸5bの外径よりも僅かに大きくして、これら両スラスト保持器18c、18cをこの支持軸5bの周囲でタペットローラ6bを軸方向両側から挟む位置に、隙間嵌により外嵌支持している。その他の部分の構成及び作用は、上述した参考例の第7例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第4例]
図22〜23は、請求項1に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、支持軸5bの中間部外周面とタペットローラ6bの内周面との間に設けるラジアル転がり軸受を、複列円筒ころ軸受21としている。この複列円筒ころ軸受21を構成する、それぞれがラジアル転動体である、両列毎に複数個の円筒ころ22、22を転動自在に保持する為のラジアル保持器16bを、それぞれが円筒形である、1対のラジアル保持器素子19b、19bの軸方向端縁同士を突き合わせた構造としている。尚、これら両ラジアル保持器素子19b、19bの軸方向端縁の円周方向に関する形状は、凹凸を持たない形状としている。
この様な本例の構造の場合には、ラジアル転がり軸受を複列円筒ころ軸受21としている分、前記タペットローラ6bの回転トルク低減の面からは多少不利になる代わりに、このラジアル転がり軸受の負荷容量を確保できる。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第9例
図24は、本発明に関する参考例の第9例を示している。本参考例の場合には、タペットローラ6bの軸方向両端面と両支持壁部の側面との間に設けるスラスト転がり軸受を、それぞれスラストころ軸受23、23としている。これに合わせて、1対のスラスト保持器18a、18aのポケットを矩形とし、放射方向に配置している。
この様な本参考例の構造の場合には、1対のスラスト転がり軸受をスラストころ軸受23、23としている分、前記タペットローラ6bの回転トルク低減の面からは多少不利になる為、本発明の実施の形態とはしていない。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明を省略する。
本発明に関する参考例の第10例
図25は、本発明に関する参考例の第10例を示している。本参考例の場合には、支持軸5bの中間部外周面とタペットローラ6bの内周面との間に設けるラジアル転がり軸受を、複列円筒ころ軸受21とすると共に、このタペットローラ6bの軸方向両端面と両支持壁部の側面との間に設けるスラスト転がり軸受を、それぞれスラストころ軸受23、23としている。この様な本参考例の構造の場合も、1対のスラスト転がり軸受をスラストころ軸受23、23としている分、前記タペットローラ6bの回転トルク低減の面からは多少不利になる為、本発明の実施の形態とはしていない。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第5例
図26は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、1対のスラスト保持器18、18及び各玉17、17を挟んでタペットローラ6bと反対側部分に、それぞれスラストレース24、24を配置している。これら各スラストレース24、24は、軸受鋼、肌焼鋼等の硬質金属製の板材により円輪状に構成したもので、前記両スラスト保持器18、18と対向する面を、それぞれスラスト軌道面としている。
この様な本例の場合には、支持軸5bの両端部を支持固定する支持壁部が、軽合金等の軟らかい材料製であっても、この支持壁部の側面が前記各玉17、17の転動面の転がり接触に基づいて削り取られる事を防止できる。又、前記支持壁部が、鋼材等の硬質金属製の場合であっても、この支持壁部の側面を平滑に仕上げる手間を省略して、低コスト化を図れる。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第6例
図27〜28は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、タペットローラ6cの軸方向両端面の径方向中間部と、1対のスラストレース24a、24aの側面でこのタペットローラ6cの軸方向両端面に対向する部分とに、断面円弧状のスラスト軌道面25a、25bを、それぞれ全周に亙って形成している。そして、1対のスラスト玉軸受14a、14aを構成する各玉17、17の転動面と前記各スラスト軌道面25a、25bとの転がり接触部に存在する接触楕円が大きくなる様にしている。
この様な本例の構造によれば、前記タペットローラ6cの回転抵抗の上昇を抑えつつ、前記両スラスト玉軸受14a、14aの耐久性向上を図れる。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明を省略する。
[実施の形態の第7例
図29は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、1対のスラスト保持器18、18及び各玉17、17を挟んでタペットローラ6bと反対側部分のスラストレース24、24に加えて、このタペットローラ6bの軸方向両端面と、1対のスラスト保持器18、18及び各玉17、17との間部分にも、それぞれスラストレース24b、24bを配置している。
この様な本例の場合には、前記タペットローラ6bの両端面を平滑に仕上げる手間を省略して、低コスト化を図れる。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第5例と同様であるから、重複する説明を省略する。
1、1a カムシャフト
2、2a カム
3、3a ロッカーアーム
4、4a 支持壁部
5、5a、5b 支持軸
6、6a、6b、6c タペットローラ
7、7a ラジアルニードル軸受
8 第一の連結部
9 第二の連結部
10 弁体
11 プランジャ
12 リターンスプリング
13 複列ラジアル玉軸受
14、14a スラスト玉軸受
15 玉
16、16a、16b ラジアル保持器
17 玉
18、18a、18b、18c スラスト保持器
19、19a、19b ラジアル保持器素子
20、20a ポケット
21 複列円筒ころ軸受
22 円筒ころ(ニードル)
23 スラストころ軸受
24、24a、24b スラストレース
25a、25b スラスト軌道面
26 ラジアル玉軸受

Claims (3)

  1. ロッカーアームの一部に互いに間隔を開けた状態で設けられた1対の支持壁部と、これら両支持壁部にその両端部を支持された支持軸と、この支持軸の中間部周囲に配置された円筒状のタペットローラと、これら支持軸の外周面とタペットローラの内周面との間に設けられたラジアル転がり軸受と、このラジアル転がり軸受の軸方向両側位置で、前記タペットローラの両端面と前記両支持壁部の側面との間に設けられた、それぞれが複数の転動体として玉を使用している1対のスラスト玉軸受とを備え、これら各玉には予圧が付与されておらず、これら両スラスト玉軸受と前記ラジアル転がり軸受とは何れも、保持器により複数個の転動体を保持した保持器付転がり軸受であり、このラジアル転がり軸受に組み込まれたラジアル保持器と、前記両スラスト玉軸受に組み込まれたスラスト保持器とは、互いに同期して回転するものである、タペットローラ用軸受装置。
  2. 前記ラジアル保持器と前記スラスト保持器とが一体である、請求項1に記載したタペットローラ用軸受装置。
  3. 前記ラジアル転がり軸受が、ラジアル転動体を複列に配置した複列転がり軸受であって、一方の列のラジアル転動体を保持するラジアル保持器と他方の列のラジアル転動体を保持するラジアル保持器とが互いに分離するものであり、一方の列に関するラジアル保持器と一方のスラスト玉軸受に組み込まれたスラスト保持器とが、他方の列に関するラジアル保持器と他方のスラスト玉軸受に組み込まれたスラスト保持器とが、それぞれ一体であり、前記一方の列のラジアル転動体を保持するラジアル保持器の内端縁に形成した凹凸部と、前記他方の列のラジアル転動体を保持するラジアル保持器の内端縁に形成した凹凸部とを凹凸係合させる事により、これら両列のラジアル保持器を、軸方向に関して分離可能に、且つ、同期した回転を可能に組み合わせた、請求項1に記載したタペットローラ用軸受装置。
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