JP2007270628A - 燃料ポンプ用ころ軸受 - Google Patents

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英樹 赤松
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Abstract

【課題】保持器を用いて非脱落形式としながら、総ころ形式と同程度のころ本数を有することを可能にし、滑り軸受や他のころ軸受の各種の課題を解消して、燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用するのに適したころ軸受を提供する。
【解決手段】 外輪1と、この外輪1の転走面1aに接する複数のころ2と、リング状の保持器3とを有する。保持器3は円周方向に並ぶ複数のポケット4を有する。保持器3の各ポケット4間の柱部5が各ころ2間で前記ころ2を内径側から保持する。前記柱部5の外径d3oを、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小径とする。この燃料ポンプ用ころ軸受10は、プランジャの先端に設けられた軸の外周面に前記各ころ2が転接し、前記外輪2に前記回転カムの周面に転接するものとする。
【選択図】図3

Description

この発明は、プランジャを往復動させてこのプランジャをポンプ室に出入りさせることで燃料を送り出す燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用される燃料ポンプ用軸受に関する。
内燃機関の燃料供給装置等に用いられる燃料ポンプに、プランジャを往復動させてこのプランジャをポンプ室に出入りさせることで燃料を送り出す形式のものがある。この形式の燃料ポンプのプランジャ駆動機構は、偏心カムを使用するもの(例えば特許文献1)と、回転カムを使用するもの(例えば特許文献2)とに分けられる。
図6は偏心カムを使用するプランジャ駆動機構を示す。ケーシング20内に滑り軸受21により駆動軸22が回転自在に支持され、その駆動軸22に偏心カム23が一体に設けられている。偏心カム23の外周には滑り軸受26を介してカムリング25(軸受の外輪に相当)が嵌合しており、このカムリング25に、プランジャ24のポンプ室と反対側の端面が当接している。この構成により、駆動軸22と共に偏心カム23が回転すると、プランジャ24が往復動する。
図7は回転カムを使用するプランジャ駆動機構を示す。ケーシング30内に滑り軸受31により駆動軸32が回転自在に支持され、その駆動軸32に一対の回転カム33が一体に設けられている。一方、プランジャ34のポンプ室と反対側の端部には、駆動軸32と平行なローラ軸35に滑り軸受36を介して回転自在に支持されたローラ37(軸受の外輪に相当)が設けられ、このローラ37が回転カム33の外周面に当接している。この構成により、駆動軸32と共に回転カム33が回転すると、プランジャ34が往復動する。なお、この図示例は、回転カム33とプランジャ34の組合せを、互いに位相を180度異ならせて2組設けたものとしてある。
これら燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用される軸受26,36は、その外輪25,27の外径面にプランジャ24または回転カム33からの荷重を受けながら回転するため、大きな外輪強度を有する必要がある。この理由から、上記軸受としては、図6、図7のように、主に滑り軸受が使用されていた。
ころ軸受に限れば、軸受外径が限られた大きさで、大きな負荷容量が求められる用途では、総ころ軸受が用いられることが多い。総ころ軸受は、ころ間に保持器の柱部が介在しないため、保持器付きの軸受に比べてころ本数を多くでき、負荷容量を大きくすることができるからである。
しかし、総ころ軸受では、保持器がないため機器への組み込み前の取扱時にころが脱落する。このため、ころを非脱落とするための提案が種々なされており、例えばころの両端に尖り部を設け、プレス製の外輪の鍔で尖り部を抱え込むようにしたものがある(例えば特許文献3)。また、熱固化性のグリースを充填することにより、総ころ軸受を非脱落とするものもある(例えば特許文献4)。
特開2003−49745号公報 特開2001−263198号公報 特開平6−307456号公報 特開平7−238940号公報
上述したように、燃料ポンプのプランジャ駆動機構には滑り軸受が使用されていた。しかし、滑り軸受は外輪強度を大きくできるが、回転時のフリクションが大きいという難点がある。フリクションが大きいと、モータ等の動力源の容量を大きくしなければならない。また、滑り軸受にコーティング膜剥がれや摩耗が生じると、ガタツキの発生、ポンプ性能の低下、異音や振動の発生といった不具合が生じる。これらのことから、燃料ポンプのプランジャ駆動機構の軸受を転がり化、例えばころ軸受とすることが求められている。
従来のころ軸受には、次のような課題があった。
保持器付き針状ころ軸受は、ころ間に保持器の柱部が入るので、総ころ軸受と比べてころ本数が少なく、定格荷重が総ころ軸受よりも小さくなる。また、ころところの間隔が大きいので、十分な外輪強度を確保することが困難である。
総ころ軸受は、保持器付き針状ころ軸受よりも定格荷重が大きく、ころところの間隔も小さいので外輪強度も大きい。しかし、脱落タイプの総ころ軸受に関しては、前述したように、機器への組み込み前の取扱時にころが脱落するため、組立性が悪い。
一方、非脱落タイプの総ころ軸受に関しては、C端面ころを使用するもの(例えば特許文献3)の場合、以下の課題がある。
・ ころ端面を尖り形状とするため、F端面やA端面のころと比べて高価となる。
・ ころ端面を尖り形状とするため、誘起スラスト力が大きい使用方法では、ころ端面の消耗が顕著となる。
なお、上記文中に記載したころの端面形状はJIS B 1506に示されたものであって、C端面は尖り形、F端面は平面形、A端面は丸面形のことをいう。
また、熱固化性グリースを充填したもの(例えば特許文献4)の場合、以下の課題がある。
・ 熱固化性グリースの使用温度範囲内に軸受の使用温度が限られる。
・ 軸受の潤滑手段が限られる(グリースの種類、油の温度が限定される)。
・ フリクションが大きい。
上記記述内容を含め、燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用される軸受については、総じて以下のことが言える。
(1) 滑り軸受(コーティングの有無関係なし)は転がり軸受に比べてフリクションが大きい。燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用される軸受のフリクションが大きいと、動力源(モータや油圧)の必要容量も大きくなる。
(2) 滑り軸受(樹脂コーティング品)は、コーティング膜剥がれや摩耗が発生すると、ガタツキが生じる。
(3) 燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用される軸受は、プランジャから軸受外輪に直接大きな荷重が作用するため、大きな外輪強度が必要とされる。不足した場合、外輪が割損し、燃料ポンプの機能が損なわれる。保持器付き針状ころ軸受は同じサイズの総ころ軸受と比べて外輪強度が小さい。
(4) 燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用される軸受は、プランジャから大きな荷重が作用するため、軸受には大きな定格荷重(耐荷重性能)が必要とされる。不足した場合、転走面や転動面に圧痕が生じ、作動時に異音や振動が発生する。保持器付き針状ころ軸受は同じサイズの総ころ軸受と比べて定格容量が小さい。
(5) 装置のコンパクト化、軽量化のために、軸受サイズを小さくする必要がある。保持器付き針状ころ軸受は同じ定格荷重の総ころ軸受と比べてサイズが大きい。
(6) 軸受の偏心カムやローラ軸への組立性も考慮しなければならない。同じサイズなら定格荷重が大きくとれる脱落タイプ総ころ軸受は、ころが脱落するので組立性が悪い。
(7) C端面ころを使用する非脱落タイプの総ころ軸受は、ころ端面を尖り形状とするため、F端面やA端面のころと比べ高価となる。ころ端面を尖り形状とするため、誘起スラスト力が大きい使用方法では、ころ端面の摩耗が顕著となる。尖り形状部分の寸法分だけ、ころの有効長さが短くなる。
(8) 熱固化性グリースを充填した非脱落タイプの総ころ軸受は、熱固化性グリースの使用温度範囲内に軸受の使用温度が限られる。また、軸受の潤滑手段が限られる(グリースの種類、油の種類が限定される)。さらに、フリクションが大きい。偏心カム外周部の軸受のフリクションが大きいと、動力源(モータや油圧)の必要容量も大きくなる。
この発明の目的は、保持器を用いて非脱落形式としながら、総ころ形式と同程度のころ本数を有することを可能にし、滑り軸受や他のころ軸受の各種の課題を解消して、燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用するのに適したころ軸受を提供することである。
この発明における第1の発明にかかる燃料ポンプ用ころ軸受は、外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有するころ軸受において、前記保持器の各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であり、偏心カムでプランジャを往復動させてこのプランジャをポンプ室に出入りさせることで燃料を送り出す燃料ポンプにおける、前記偏心カムとプランジャとの間に使用され、前記各ころが偏心カムの外周面に転接し、前記外輪に前記プランジャの端部を当接させるものであることを特徴とする。
また、この発明における第2の発明にかかる燃料ポンプ用ころ軸受は、第1の発明において、回転カムでプランジャを往復動させてこのプランジャをポンプ室に出入りさせることで燃料を送り出す燃料ポンプにおける、前記偏心カムとプランジャとの間に使用され、前記プランジャの先端に設けられた軸の外周面に前記各ころが転接し、前記外輪に前記回転カムの周面に転接するものである。
上記第1および第2の発明の構成によると、保持器の柱部が、ころを内径側から保持するものであり、その柱部の外径を、ころ配列のピッチ円直径よりも小径としたため、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、保持器を用いてころ非脱落形式としながら、総ころ形式と同程度のころ本数を有するものとできる。このため、小さな軸受サイズでありながら、十分な定格荷重と外輪強度を得ることができ、燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用するのに適したものとなる。加えて、次の各利点が得られる。
(1) 滑り軸受(コーティングの有無関係なし)と比べ、低フリクションである。このため、動力源(モータや油圧)の必要容量を小さくできる。
(2) 滑り軸受(樹脂コーティング品)のようにコーティング膜剥がれや摩耗することがなく、摩耗等によるガタツキが発生することが無い。
(3) 総ころ軸受並みのころ本数を保持できることから、ころところの間隔が小さいので、外輪強度を大きくできる。
(4) 総ころ軸受並みのころ本数を保持できることから、負荷容量が増大し、小さな軸受サイズでも十分な定格荷重を得ることができる。耐荷重性能が良好であるので、例えば転走面や転動面に圧痕が生じることによって、作動時に異音や振動が発生することを防止できる。
(5) 外輪強度が向上することから、外輪の肉厚を薄くでき、軸受およびその周辺部品をコンパクト化、軽量化できる。
(6) 組込みころを非脱落にて保持できることから、脱落タイプ総ころ軸受に対して、組立性が向上する。
(7) ころを非脱落にできることから、C端面ころを使用する必要が無く、F端面、A端面ころ(有効接触長さの長いころ)を使用できる。このため、幅寸法を小さくすることができる。また、低コストとなる。
(8) ころを非脱落にできることから、熱固化性グリースにより、ころを非脱落にする必要が無い。このため、潤滑を自由に選べ、かつ使用温度範囲が広くなり、かつ低フリクションとなる。低フリクションであるので、動力源(モータや油圧)の必要容量を小さくできる。
この発明において、前記保持器の柱部の横断面形状を、内径部よりも外径側の部分が外径側へ先狭まりとなる形状としても良い。例えば、略三角形状としても良い。
ころ配列における隣合うころ間の隙間は、内径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ間の間隔を広げることなく柱部の断面積を大きくするには、柱部を外径側へ先狭まりとなる断面形状とすることが好ましい。しかし、柱部の幅が最も広がる最内径部は、ころ表面に沿って広げず、略一定幅としてころ表面と柱部との隙間を広げることにより、潤滑油の流れの阻害が回避でき、潤滑性の低下が防止される。
この発明において、前記保持器の外径面の縁部を、テーパ状または断面円弧状の先狭まり形状としても良い。
先狭まり形状に構成することにより、組立時のころ配列の内側への保持器の挿入をより円滑に行うことができ、組立性がさらに向上する。
この発明において、保持器の材質を合成樹脂製としても良い。保持器が合成樹脂であると、保持器にある程度の弾性が得られるため、軸受組立時に保持器を変形させることができ、保持器あるいはころの組み込みが容易に行える。
保持器を合成樹脂製とする場合に、前記合成樹脂を、非強化のもの、または強化繊維を30wt%以下添付したものとしても良い。強化繊維にはカーボンファイバやグラスファイバ等が好ましい。
この発明において、ころ本数を総ころ形式としたものと同じか、または2本以下の本数だけ少なくしても良い。
この発明のころ軸受は、保持器の柱部を、ころを内径側から保持するものとしたため、非脱落形式としながらも、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、総ころ形式と同じ本数、あるいは1本または2本少ない本数だけのころ数を有するものとできる。
上記保持器の内径寸法は、ころ配列の内接円径の最大径よりも0.1mm以上大きくすることが好ましい。ころ配列の内接円径は、各ころを外輪の転走面に接するように配列した場合の内接円径のことである。各ころが転接する軸表面に対して0.1mm以上の隙間があると、保持器が強く接触することがなく、保持器によって摩擦トルクが増大することが回避される。また、潤滑油の流れの阻害も回避でき、潤滑性の低下を防止できる。
また、上記保持器の外径寸法を、ころ配列のピッチ円直径よりも0.1mm以上小さくすることが好ましい。これにより、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、保持器を用いて非脱落形式としながら、総ころ形式と同じ程度のころ本数を有するものとできる。また、ころと保持器の柱部との間の潤滑油の流れの阻害も回避でき、潤滑性の低下を防止できる。
この発明の燃料ポンプころ用軸受は、外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有するころ軸受において、前記保持器の各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であり、偏心カムでプランジャを往復動させてこのプランジャをポンプ室に出入りさせることで燃料を送り出す燃料ポンプにおける、前記偏心カムとプランジャとの間に使用され、前記各ころが偏心カムの外周面に転接し、前記外輪に前記プランジャの端部を当接させるものとするか、または、回転カムでプランジャを往復動させてこのプランジャをポンプ室に出入りさせることで燃料を送り出す燃料ポンプにおける、前記偏心カムとプランジャとの間に使用され、前記プランジャの先端に設けられた軸の外周面に前記各ころが転接し、前記外輪に前記回転カムの周面に転接するものとしたため、保持器を用いて非脱落形式としながら、総ころ形式と同程度のころ本数を有することを可能にし、滑り軸受や他のころ軸受の各種の課題を解消して、燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用するのに適したころ軸受となった。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この燃料ポンプ用ころ軸受10は、図1または図2に示す燃料ポンプのプランジャ駆動機構に使用される。図1のプランジャ駆動機構は、図6のプランジャ駆動機構に本発明の燃料ポンプ用ころ軸受を適用したものである。また、図2のプランジャ駆動機構は、図7のプランジャ駆動機構に本発明の燃料ポンプ用ころ軸受を適用したものである。これら図1、図2のプランジャ駆動機構の基本構成は、図6、図7に示すものと同一であるので、同一構成箇所については同一符号を付して、説明を省略する。
図3に示すように、この実施形態の針状ころ軸受10は、外輪1と、この外輪1の内径面からなる転走面1aに接する複数のころ2と、リング状の保持器3とを有する。図1のプランジャ駆動機構ではカムリング25が外輪1であり、図2のプランジャ駆動機構ではローラ37が外輪1である。保持器3は円周方向に並ぶ複数のポケット4を有し、各ポケット4間の柱部5が、各ころ2の間にあって上記ころ2を内径側から保持するものとする。
外輪1は、両側に鍔部1bを有している。外輪1は、シェル型のもの、つまり鋼板のプレス成形品とされている。ころ2は軸受鋼等の鋼製とされている。
保持器3は、ポリアミド(例えばPA66,PA46)、またはポリアセタール等の弾性変形可能な合成樹脂製とされている。保持器3は、これらの合成樹脂を、非強化の状態、あるいはカーボンファイバやグラスファイバ等の強化繊維を30%以下添加した状態のものとして使用することにより、軸受寸法や軸受用途等に応じた適度の強度と柔軟性を持たせたものとしてある。
保持器3は、幅方向の両端がリング状部6とされ、両側のリング状部6の間に柱部5を円周方向に複数設けたものである。各柱部5の間の空間が、ころ2の入るポケット4となる。
保持器3の柱部断面形状は略三角形状とする。保持器3の内径寸法d3iは、ころ配列の内接円径の最大径d2iよりも0.1mm以上大きくする。この0.1mmの寸法は、軸受サイズにかかわらず、この値以上であることが好ましい。保持器3の柱部5の並びの外径寸法d3oは、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小さくする。例えば、ピッチ円直径PCDよりも0.1mm以上小さくする。このピッチ円直径PCDよりも小さくする寸法は、軸受寸法等に応じて設計される所定割合以上としても良い。保持器3の柱部5の太さBは、ころ径Dwの15〜30%とすることが好ましい。
図4(A)〜(C)に保持器柱部5の横断面形状の各例を示す。保持器柱部5の横断面形状は、例えば最内径部5aが略一定幅の部分とされ、この最内径部5aより外径側の部分5bが外径側へ先狭まりとなる形状とされる。外径側部分5bの先端部は、例えば角部または全体が円弧状に丸められた形状とされている。外径側部分5bの側面5baは、例えば図4(A)のように横断面が直線状となる形状、または同図(B)のようなころ2の外径面に略応じた凹曲面形状、または同図(C)のような凸曲面形状等とされる。柱部5の最内径部5aの側面5aaは、横断面が直線状となる形状であっても、また円弧状等の凸曲面となる形状であっても良い。柱部5の最内径部5aは、必ずしも断面形状が略一定幅でなくても良く、例えば円弧状に湾曲していて最内径部5aにおける中間部分が最も突出する形状や、また内径側の柱幅が狭まる形状であっても良い。
上記構成のころ軸受10によると、保持器3の柱部5がころ2を内径側から保持するものとし、その柱部形状を略三角形としたため、保持器柱部5がころ配列のピッチ円直径PCD上に存在しないものとすることができる。そのため、柱部5によってころ2の配列間隔が広がらず、総ころ形式と同じころ本数あるいは1〜2本少ないころ本数を有するものとできる。例えば、従来のころ軸受に比べて、ころ本数が10〜50%増となる。また、上記柱部5の強度が確保される。
この実施形態のころ軸受10の場合、さらに次の各利点が得られる。
例えば、保持器3の内径寸法d3iを、ころ配列の内径円径d2iの最大径よりも0.1mm以上大きくしたため、軸と保持器3との間に0.1mm以上の隙間が生じる。そのため、軸に保持器3が強く接触することがなく、保持器3によって摩擦トルクが増大することが回避される。
保持器3の上記柱部5の並びの外径寸法d3oは、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小さくし、その小さくする程度を、例えば上記ピッチ円直径PCDよりも0.1mm以上小さくしたため、ころ配列の間隔を広げる必要がなく、また柱部5の横断面における最外径部の幅が薄くなり過ぎて強度不足になることが回避される。
上記保持器3の柱部5の横断面形状を、最内径部5aが略一定幅の部分とされ、この最内径部5aよりも外径側の部分5bが外径側へ先狭まりとなる形状としたため、ころ2の間の間隔を広げることなく柱部5の断面積を大きくでき、かつ潤滑性にも優れる。すなわち、ころ配列における隣合うころ2の間の隙間は、内径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ間の間隔を広げることなく柱部5の断面積を大きくするには、柱部5を外径側へ先狭まりとなる三角形状の断面形状とすることが好ましい。しかし、柱部5の幅が最も広がる最内径部5aは、ころ表面に沿って広げずに、略一定幅としてころ表面と柱部表面との隙間を広げることにより、潤滑油の流れの阻害が回避でき、潤滑性の低下が防止できる。また、柱部5に無駄部分が生じず、樹脂材料が節減される。
図5は、この発明における他の実施形態を示す。この実施形態の燃料ポンプ用ころ軸受10は、外輪1を鋼材の削り出し品とし、保持器3を両側のリング部6が柱部5よりも外側へ厚くなる形状としたものである。その他の構成は、図1ないし図4に示す前記実施形態と同じである。この構成の場合も、前記実施形態で示した各作用、効果が得られる。
(A)はこの発明の実施形態にかかる燃料ポンプ用ころ軸受を備えた燃料ポンプのプランジャ駆動機構の一例の断面図、(B)はそのIB−IB断面図である。 (A)は同燃料ポンプ用ころ軸受を備えた燃料ポンプのプランジャ駆動機構の異なる例の断面図、(B)はそのIIB−IIB断面図である。 (A)は同燃料ポンプ用ころ軸受の部分縦断面図、(B)はその部分横断面図である。 柱部の各種断面形状例の説明図である。 この発明の異なる実施形態にかかる燃料ポンプ用ころ軸受の部分縦断面図である。 (A)は従来の燃料ポンプ用ころ軸受を備えた燃料ポンプのプランジャ駆動機構の一例の断面図で、(B)はそのVIB−VIB断面図である。 (A)は同燃料ポンプ用ころ軸受を備えた燃料ポンプのプランジャ駆動機構の異なる例の断面図、(B)はそのVIIB−VIIB断面図である。
符号の説明
1…外輪
1a…転走面
2…ころ
3…保持器
4…ポケット
5…柱部
10…針状ころ軸受
20,30…ケーシング
21,26,31,36…滑り軸受
22,32…駆動軸
23…偏心カム
24,34…プランジャ
25…カムリング
33…回転カム
35…ローラ軸
37…ローラ
Dw…ころ径
PCD…ころ配列のピッチ円直径
d2i…ころ配列の内接円径の最大径
d3i…保持器の内径寸法
d3o…柱部の並びの外径寸法

Claims (9)

  1. 外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有するころ軸受において、
    前記保持器の各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であり、
    偏心カムでプランジャを往復動させてこのプランジャをポンプ室に出入りさせることで燃料を送り出す燃料ポンプにおける、前記偏心カムとプランジャとの間に使用され、前記各ころが偏心カムの外周面に転接し、前記外輪に前記プランジャの端部を当接させるものであることを特徴とする燃料ポンプ用ころ軸受。
  2. 外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有するころ軸受において、
    前記保持器の各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であり、
    回転カムでプランジャを往復動させてこのプランジャをポンプ室に出入りさせることで燃料を送り出す燃料ポンプにおける、前記偏心カムとプランジャとの間に使用され、前記プランジャの先端に設けられた軸の外周面に前記各ころが転接し、前記外輪に前記回転カムの周面に転接するものであることを特徴とする燃料ポンプ用ころ軸受。
  3. 請求項1または請求項2において、前記保持器の柱部の横断面形状を、内径部よりも外径側の部分が外径側へ先狭まりとなる形状とした燃料ポンプ用ころ軸受。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記保持器の外径面の縁部を、テーパ状または断面円弧状の先狭まり形状とした燃料ポンプ用ころ軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記保持器を合成樹脂製とした燃料ポンプ用ころ軸受。
  6. 請求項5において、前記保持器の合成樹脂を、非強化のもの、または強化繊維を30wt%以下添付したものとした燃料ポンプ用ころ軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、ころ本数を総ころ形式としたものと同じか、または2本以下の本数だけ少なくした燃料ポンプ用ころ軸受。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記保持器の内径寸法を、ころ配列の内接円径の最大径よりも0.1mm以上大きくした燃料ポンプ用ころ軸受。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記保持器の外径寸法を、ころ配列のピッチ円直径よりも0.1mm以上小さくした燃料ポンプ用ころ軸受。
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