JP2011047474A - 軸受用保持器および軸受 - Google Patents
軸受用保持器および軸受 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011047474A JP2011047474A JP2009196785A JP2009196785A JP2011047474A JP 2011047474 A JP2011047474 A JP 2011047474A JP 2009196785 A JP2009196785 A JP 2009196785A JP 2009196785 A JP2009196785 A JP 2009196785A JP 2011047474 A JP2011047474 A JP 2011047474A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- contact area
- ball
- cage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/38—Ball cages
- F16C33/41—Ball cages comb-shaped
- F16C33/418—Details of individual pockets, e.g. shape or ball retaining means
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/38—Ball cages
- F16C33/41—Ball cages comb-shaped
- F16C33/412—Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages
- F16C33/414—Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock comb cages
- F16C33/416—Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock comb cages made from plastic, e.g. injection moulded comb cages
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/38—Ball cages
- F16C33/42—Ball cages made from wire or sheet metal strips
- F16C33/422—Ball cages made from wire or sheet metal strips made from sheet metal
- F16C33/427—Ball cages made from wire or sheet metal strips made from sheet metal from two parts, e.g. ribbon cages with two corrugated annular parts
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C19/00—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
- F16C19/02—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
- F16C19/04—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
- F16C19/06—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
【課題】トルク低減を図れて、トルク低減率が低くなることを防止できる軸受用保持器および軸受を提供する。
【解決手段】軸受用保持器は、ボール23を保持するポケット39を有する。ボール23との接触面積を減少させる接触面積減少部Mを設ける。ボール23との接触面積を、接触面積減少部Mを設けないときのボール23との接触面積よりも30%〜50%低減させる。ボール23との接触部にはエッジ接触が含まれない。
【選択図】図1
【解決手段】軸受用保持器は、ボール23を保持するポケット39を有する。ボール23との接触面積を減少させる接触面積減少部Mを設ける。ボール23との接触面積を、接触面積減少部Mを設けないときのボール23との接触面積よりも30%〜50%低減させる。ボール23との接触部にはエッジ接触が含まれない。
【選択図】図1
Description
本発明は、軸受用保持器及びこの軸受用保持器を用いた軸受に関する。
軸受(玉軸受)は、一般的に、図16に示すように、内輪1と、外輪2と、この内輪1と外輪2との間に介装されるボール3と、このボール3を保持する保持器4とを備える。この図16に示す軸受では、保持器4には樹脂冠型保持器を使用している。この樹脂冠型保持器4は、耐摩耗性や耐焼き付き性等に優れた樹脂からなり、図17に示すように、環状の保持器本体5の軸方向一端面6に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部7を形成するとともに、この凹部7の周方向に対向する開口端から突出する一対の爪部8、8を設けて、凹部7と一対の爪部8、8とでボール3が収納されるポケット9を形成したものである。
保持器4は、ボール3に対して滑り接触をするものである。例えば、外輪2が静止した状態で内輪1が回転する場合、ボール3は自転しつつ内輪の周囲を公転し、保持器4は、ボール3と滑り接触しながらボール3から駆動力を受け、ボール3の公転速度と同じ速度で内輪1の周囲を回転する。逆に、内輪1が静止した状態で外輪2が回転する場合も、ボール3は自転しつつ外輪2の内周を公転し、保持器4は、ボール3と滑り接触しながらボール3から駆動力を受け、ボール3の公転速度と同じ速度で外輪2の内周を回転する。
また、軸受には、図18と図19に示すように、円周方向に沿って所定間隔で配設された半球状膨出部11を有する2枚の環状保持板12,12が組み合わされてなる保持器16を用いたものがある。この場合、各環状保持板12は、円周方向に沿って配設される前記半球状膨出部11と、周方向に隣合う半球状膨出部11間の平坦部13とからなる。組み合わされた状態で、平坦部13、13が重ね合わされ、この平坦部13、13がリベット等の固着具14を介して連結される。このため、各半球状膨出部11、11が対向して、リング状のボール嵌合部(ポケット)15が形成される。
なお、図18に示す保持器16においては、環状保持板12,12を金属製としたことによって、固着具(連結具)14としてリベットを用いていたが、このような環状保持板12,12を使用したものであっても、樹脂製のものもある。樹脂製のものでは、リべットを固着具(連結具)14を用いない。例えば、各半球状膨出部12、12の平坦部13、13に結合用爪部を設け、各結合用爪部をそれぞれ相手側に係合させるようにする。
ところで、従来には、保持器とボールとの潤滑状態の向上を図るもの(特許文献1)、又は潤滑油の給排油を積極的に行わせて、軸受内での潤滑油の流動性を向上させるもの(特許文献2)等がある。なお、この特許文献1及び特許文献2に記載の保持器は金属製である。
前記特許文献1に記載のものは、ポケットの内周側に補助凹部を設け、この補助凹部を潤滑剤が貯油する潤滑剤溜まりとして機能させるものである。これによって、ポケット内での潤滑剤の保持量を向上させて保持器とボールとの間の潤滑状態を向上させるものである。
また、前記特許文献2に記載のものも、ポケットの内周面に凹部を形成している。この凹部が、外輪と保持器との間の軸受空間側及び内輪と保持器との間の軸受空間側にそれぞれ連通して、凹溝形状の潤滑油の経路を形成している。
近年、自動車用の軸受においては、燃費向上や環境問題からトルクの低減が求められている。軸受に発生するトルクのうち、保持器が要因のトルクは、鋼球(ボール)による油(グリース等の潤滑材)のせん断抵抗に多くの割合を占めている。
そして、そのせん断抵抗のほとんどがポケット内径面と、ポケット内のボールとの間に形成される油膜をせん断する時の抵抗である。また、ポケットがボール形状に添う様な単一の曲面からできている場合、ボールとボールを覆う保持器ポケット内側との微少なスキマを潤滑剤が通過しようとする為、抵抗が発生し、トルクを大きくする要因の1つとなっている。
前記特許文献1に記載のものでは、補助凹部が潤滑剤溜まりとなって、この補助凹部に潤滑剤が貯油するものである。また、特許文献2に記載のものでは、微少なスキマを潤滑剤が通過する際の抵抗を軽減させるもではない。すなわち、この種の軸受においては、潤滑剤が通過する際の抵抗の減少と、ボールが運動する際にせん断する油膜量の減少との両立ができなかった。このため、従来においては、ポケットの内径面に凹部が形成されていたとしても、トルク低減を達成できるものではなかった。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、トルク低減を図れて、トルク低減率が低くなることを防止できる軸受用保持器および軸受を提供しようとするものである。
本発明の軸受用保持器は、ボールを保持するポケットを有する軸受用保持器であって、
ボールとの接触面積を減少させる接触面積減少部を設けるとともに、ボールとの接触部にエッジ接触回構造を有するものである。
ボールとの接触面積を減少させる接触面積減少部を設けるとともに、ボールとの接触部にエッジ接触回構造を有するものである。
本発明の軸受用保持器によれば、ボールとの接触面積を減少させる接触面積減少部を設けたので、トルク低減を図ることができる。また、ボールとの接触部にエッジ接触回構造を有するので、ボールのエッジあたりにより摩擦抵抗を生じさせない。
この際、ボールとの接触面積を、前記接触面積減少部を設けないときのボールとの接触面積よりも30%〜50%低減させるのが好ましい。すなわち、低減させる面積が50%よりも大きいと、保持器の強度が低下するため、上限を50%とするのが好ましい。また、低減させる面積が30%より小さいと、トルクを十分に低減することができないからである。エッジ接触回構造は、接触面積減少部のコーナ部をアール状としてエッジ接触を回避するようにできる。
環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成している樹脂冠型であるものとすることができる。
凹部の底側の外径側を減肉して前記接触面積減少部を形成することができ、凹部の底側の内径側を減肉して接触面積減少部を形成することができ、爪部の内径側を減肉して接触面積減少部を形成することができ、爪部の外径側を減肉して接触面積減少部を形成することができる。
円周方向に沿って所定間隔で配設された半球状膨出部を有する2枚の環状保持板が組み合わされてなり、対向する半球状膨出部にてボールを保持するポケットが形成される金属製保持器であるものであってもよい。
ポケット内面に溝を設けて接触面積減少部を形成することができ、この場合、溝はポケット内面の周方向全周にわたるものであってもよい。また、ポケット内面に貫通孔を設けて接触面積減少部を形成してもよい。
本発明の軸受は前記軸受用保持器を用いたものである。このため、トルク低減を図ることができ、また、ボールのエッジあたりにより摩擦抵抗を生じさせない。
軸受として、自動車のオルタネータに使用することができる。ここで、オルタネータとは、交流発電機であって、エンジンの力で回転させることで車に必要な電力をつくる発電機である。
軸受として、自動車のアイドラープーリに使用したり、自動車のカーエアコンコンプレッサーに使用したり、自動車のカーエアコンコンプレッサーの電磁クラッチ付きプーリに使用したり、自動車のトランスミッションに使用したりすることができる。
本発明の軸受用保持器では、トルク低減を図ることができる。しかも、ボールのエッジあたりにより摩擦抵抗を生じさせないので、トルク低減率が低くならず、低トルク化を安定して図ることができる。
摩擦抵抗の低減には、接触面積減少部のコーナ部をアール状とすればよく、その構成の容易化を図ることができる。また、樹脂保持器の場合、鉄製保持器に対して軽量化を図ることができるので、更なる低トルク化を達成できる。トルク低減を図るための接触面積減少部を種々の方法にて実現でき、低コスト化を図ることができる。
このように、本発明に係る保持器を用いた軸受は、トルク低減を図れて、トルク低減率が低くなることを防止でき、高品質の軸受を提供することができる。また、軸受として、自動車のアイドラープーリに使用したり、自動車のカーエアコンコンプレッサーに使用したり、自動車のカーエアコンコンプレッサーの電磁クラッチ付きプーリに使用したり、自動車のトランスミッションに使用したりすることができ、適用範囲が広く、種々の技術分野の軸受に用いることができる。このように、本発明に係る保持器を自動車(2輪車も含む)の各種部品に適用することで自動車の低燃費化に寄与する軸受を供給することが可能となる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図15に基づいて説明する。
図1に本発明の軸受(玉軸受)の第1実施形態を示し、この軸受は、内輪21と、外輪22と、この内輪21と外輪22との間に介装されるボール23と、このボール23を保持する保持器24とを備える。この場合、外輪22の軸方向端部にシール部材25,25が装着される。また、内輪21の外径面に軌道面30が設けられ、外輪22の内径面に軌道面31が設けられている。なお、内輪21、外輪22、ボールは、例えば、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなる。
シール部材25は、環状の芯金26とこの芯金26に一体に固着されるゴム状部材27とで構成され、外輪22の内周面に形成されたシール取付溝28に外周部が嵌合状態に固定される。ゴム状部材27は合成ゴムからなり、芯金26は鋼板製とされる。内輪21は各シール部材25の内径部に対応する位置に、円周溝からなるシール溝29が形成される。
この場合の保持器24は、樹脂冠型保持器を使用している。この樹脂冠型保持器24(24A)は、耐摩耗性や耐焼き付き性等に優れた樹脂からなる。具体的には、PA(ポリアミド)66等の射出成形可能な合成樹脂で形成され、GF(グラスファイバー)やCF(カーボンファイバー)等の強化剤が適量添加されている。図2に示すように、環状の保持器本体35の軸方向一端面36に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部37を形成するとともに、この凹部37の周方向に対向する開口端から突出する一対の爪部38、38を設けて、凹部37と一対の爪部38、38とでボール23が収納されるポケット39を形成したものである。
この場合の保持器本体35には、凹部37の底側において保持器外径側に第1周方向切欠部40を形成するとともに、爪部38、38側において保持器内径側に第2周方向切欠部41を形成している。
第1周方向切欠部40は、外径面42に、凹部37の底側に向かって内径側へ傾斜するテーパ状切欠面40aと、このテーパ状切欠面40aの内径端から反爪部側へ延びる直線状切欠面40bとからなる。第2周方向切欠部41は、内径面43に、爪部側に向かって外径側へ傾斜するテーパ状切欠面41aを備えている。
このように、第1周方向切欠部40及び第2周方向切欠部41を設けることは、ボール23との接触面積を減少させる接触面積減少部M1、M2を形成することになる。すなわち、第1周方向切欠部40を設けることによって、凹部の底側の外径側を減肉することになる。また、第2周方向切欠部41を設けることによって、爪部38の内径側を減肉することになる。
また、この保持器24(24A)においては、ボール23との接触部にはエッジ接触が含まれないものとする。すなわち、ポケット39の外径側および内径側のエッジ部に、アール部乃至テーパ部等からなるエッジ接触回避構造を設ける。
次に図3に軸受の第2の実施形態を示し、この場合、図3と図4に示すように、保持器24(24B)の保持器本体35には、凹部37の底側において保持器内径側に第1周方向切欠部50を形成するとともに、爪部38、38側において保持器外径側に第2周方向切欠部51を形成している。
第1周方向切欠部50は、内径面43に、凹部37の底側に向かって外径側へ傾斜するテーパ状切欠面50aと、このテーパ状切欠面50aの内径端から反爪部側へ延びる直線状切欠面50bとからなる。第2周方向切欠部51は、外径面42に、爪部側に向かって外径側へ傾斜するテーパ状切欠面51aを備えている。
このように、第1周方向切欠部50及び第2周方向切欠部51を設けることは、ボール23との接触面積を減少させる接触面積減少部M3、M4を形成することになる。すなわち、第1周方向切欠部50を設けることによって、凹部37の底側の内径側を減肉することになる。また、第2周方向切欠部51を設けることによって、爪部38の外径側を減肉することになる。
また、この保持器24においても、ボール23との接触部にはエッジ接触が含まれないものとする。すなわち、ポケット39の外径側および内径側のエッジ部に、アール部乃至テーパ部等からなるエッジ接触回避構造を設ける。
前記図1に示す保持器であっても、図3に示す保持器であっても、ボール23との接触面積を、接触面積減少部M1、M2、M3、M4を設けないときのボール23との接触面積よりも30%〜50%低減させることになる。
このように、図1及び図2に示す保持器24を用いた軸受によれば、ボール23との接触面積を減少させる接触面積減少部M1、M2、M3、M4を設けたので、トルク低減を図ることができる。また、ボール23との接触部にはエッジ接触が含まれない。このため、ボール23のエッジあたりにより摩擦抵抗を生じさせない。ところで、低減させる面積が50%よりも大きいと、保持器24の強度が低下するため、上限を50%とした。また、低減させる面積が30%より小さいと、トルクを十分に低減することができない。
次に、図5に第3の実施形態を示し、この場合の保持器24(24C)は、図1や図3等に示すような第1周方向切欠部40、50及び第2周方向切欠部50、51を有するものではなく、ポケット39の内周面53に図6に示すように、溝(周方向凹溝)52を形成している。すなわち、この周方向凹溝52を形成することによって、接触面積減少部M5を構成している。
この場合も、ボール23との接触面積を、接触面積減少部M5を設けないときのボール23との接触面積よりも30%〜50%低減させることになる。また、図6(a)に示すように、接触面積減少部M5のコーナ部、つまり周方向凹溝52のコーナ部にアール部55を設けたり、図6(b)に示すように、接触面積減少部M5のコーナ部、つまり周方向凹溝52のコーナ部にテーパ部56を設けたりできる。
このように、アール部55やテーパ部56を設けることによって、エッジ接触回避構造を構成し、ボール23との接触部にはエッジ接触が含まれないものとできる。これに対して、周方向凹溝52を設けたものにおいて、図13に示すように、コーナ部にアール部55やテーパ部56を設けなければ、ボール23とエッジ接触eが生じる。
次に図7に示す保持器24(24D)は、図5に示す保持器24において、肉抜き部57を形成している。この肉抜き部57としては、保持器本体35のポケット39間の反爪部側の端面に凹部を設けることによって形成することができる。
次に図8に示す保持器24(24E)においては、ポケット39の内周面に貫通孔58を設けている。すなわち、貫通孔58は、ポケット39の底と、保持器本体35の反爪部側の端面とを貫通するものである。このため、この貫通孔58を設けることによって、接触面積減少部M6を形成することができる。この場合も、ボール23との接触面積を、接触面積減少部M6を設けないときのボール23との接触面積よりも30%〜50%低減させることになる。また、貫通孔58のエッジ部にアール部やテーパ部を設けることによって、エッジ接触回避構造を構成し、ボール23との接触部にはエッジ接触が含まれないものとする。
このように、前記図3、図5、図8、図9に示す保持器24B、24C、24D、24Eであっても、前記図1等に示す保持器24(24A)と同様の作用効果を奏する。
図9に示す軸受は、金属製保持器24(24F)を用いている。すなわち、この保持器24Fは、前記図17で示したように、円周方向に沿って所定間隔で配設された半球状膨出部61を有する2枚の環状保持板62,62が組み合わされてなる。この場合、各環状保持板62は、円周方向に沿って配設される前記半球状膨出部61と、周方向に隣合う半球状膨出部11間の平坦部(図示省略)とからなる。
組み合わされた状態で、平坦部が重ね合わされ、この平坦部がリベット等の固着具(図示省略)を介して連結される。このため、各半球状膨出部61、61が対向して、リング状のボール嵌合部(ポケット)65が形成される。
この場合、各半球状膨出部61、61の内面に溝(凹窪部)66を設けている。この凹窪部66を設けることによって、接触面積減少部M7を形成している。また、凹窪部66のエッジ部において、図10(a)に示すように、アール部67を形成したり、図10(b)に示すように、テーパ面部68を形成したりして、エッジ接触回避構造を構成できる。なお、各半球状膨出部61、61に凹窪部66を形成することによって、各半球状膨出部61、61の外面側に凸隆部69を形成している。
次に、図11に示す保持器24(24G)は、前記図10に示す保持器24(24F)と同様、金属製保持器である。この場合、半球状膨出部61に貫通孔70を設けている。この貫通孔70を設けることによって、接触面積減少部M8を形成している。また、図12(a)に示すように、貫通孔70の内面側のエッジにアール部71を形成したり、図12(b)に示すように、貫通孔70の内面側のエッジにテーパ面部72を形成したりして、エッジ接触回避構造を構成できる。
図9や図11に示す保持器24F、24Gであっても、ボール23との接触面積を、接触面積減少部M7、M8を設けないときのボール23との接触面積よりも30%〜50%低減させることになる。このため、図9や図11に示す保持器24F、24Gであっても、前記図1等に示す保持器24と同様の作用効果を奏する。
このように、本発明に係る軸受用保持器では、トルク低減を図ることができる。しかも、ボールのエッジあたりにより摩擦抵抗を生じさせないので、トルク低減率が低くならず、低トルク化を安定して図ることができる。
摩擦抵抗の低減には、接触面積減少部のコーナ部をアール状等とすればよく、その構成の容易化を図ることができる。また、樹脂保持器の場合、鉄製保持器に対して軽量化を図ることができるので、更なる低トルク化を達成できる。トルク低減を図るための接触面積減少部を種々の方法にて実現でき、低コスト化を図ることができる。
本発明に係る保持器を用いた軸受は、トルク低減を図ることができる。しかも、ボールのエッジあたりにより摩擦抵抗を生じさせないので、トルク低減率が低くならず、低トルク化を安定して図ることができ、高品質の軸受を提供することができる。
軸受として、自動車のオルタネータに使用することができる。ここで、オルタネータとは、交流発電機であって、エンジンの力で回転させることで車に必要な電力をつくる発電機である。
軸受として、自動車のアイドラープーリに使用したり、自動車のカーエアコンコンプレッサーに使用したり、自動車のカーエアコンコンプレッサーの電磁クラッチ付きプーリに使用したり、自動車のトランスミッションに使用したりすることができる。このように、本発明に係る保持器を自動車(2輪車も含む)の各種部品に適用することで自動車の低燃費化に寄与する軸受を供給することが可能となる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、保持器にて保持するボール数の変更は任意である。また、図9と図11に示す保持器24F、24Gのタイプにおいて、金属製とすることなく、樹脂製としてもよい。図1や図3に示す保持器においては、第1周方向切欠部40、50及び第2周方向切欠部41、51を有するものであったが、第1周方向切欠部40、50と第2周方向切欠部41、51とのいずれか一方のみであってもよい。この場合、省略されない周方向切欠部のみをもって接触面積減少部Mを構成することになり、この接触面積減少部Mでもって、ボール23との接触面積を、この接触面積減少部Mを設けないときのボール23との接触面積よりも30%〜50%低減させることになる。
図5や図7に示すように、ポケット39の内面にポケット周方向に沿って周方向凹溝52を設ける場合や図9に示すように凹窪66を設ける場合、軸受PCD上に配設されるものであっても、軸受PCDよりも外径側に配置されても、軸受PCDよりも内径側に配置されてもよい。また、周方向凹溝52や凹窪66としては、ポケット周方向の全周に沿って配設するものであって、所定寸のものを周方向に沿って所定ピッチで配設されたものであってもよい。周方向凹溝52や凹窪66の幅寸法や深さとしても、任意に設定できるが、深さとして、深いほど保持器の軽量化を達成できるが、強度との関係で、あまり深くできない。さらに、周方向凹溝52や凹窪66を設ける場合、径方向に沿って2本以上の複数本を設けてもよい。
ところで、接触面積減少部Mによる減少率は、使用する材質により変更することができる。すなわち、材料によって強度が異なるためである。このため、使用する材質としては、実施形態で記載した材質以外に、図1等に示すように、樹脂冠型保持器には、PA46、PA66、PA9T、PPS等を使用できる。また、図9と図11に示すようなタイプの保持器の金属として、鉄等を使用できる。なお、図9と図11に示すようなタイプの保持器であっても、樹脂製とすることに可能であるので、この場合の材質としては、PA46、PA66、PA9T、PPS等を使用できる。
実施例1
トルク低減率と接触面積低減率との関係について調べた。軸受として、図11に示すタイプであって、サイズとして、内径φ35mm、外径φ72mm、幅17mm(NTN社製:軸受番号 6207 )を使用した。また、使用する保持器の材質は鉄とした。実験条件として、表1に示すように、ラジアル荷重を500Nとし、回転速度を4000r/minとし、軸受温度を30℃とし、潤滑条件を油潤滑(ATF)とした。そして、その実験結果を図14に示した。
トルク低減率と接触面積低減率との関係について調べた。軸受として、図11に示すタイプであって、サイズとして、内径φ35mm、外径φ72mm、幅17mm(NTN社製:軸受番号 6207 )を使用した。また、使用する保持器の材質は鉄とした。実験条件として、表1に示すように、ラジアル荷重を500Nとし、回転速度を4000r/minとし、軸受温度を30℃とし、潤滑条件を油潤滑(ATF)とした。そして、その実験結果を図14に示した。
この図からわかるように、エッジを除去したものが、エッジ当たりを有するものに比べてトルク低減率が高くなるのが分かる。また、接触面積低下率(エッジ当たりを有するものとエッジを除去したものとを比べた接触面積低下率)が小さいほどトルク低減率が小さくなり、接触面積低下率が大きいほどトルク低減率が大きくなる。
実施例2
金属製(鉄製)保持器と樹脂製保持器とにおけるトルクを比較した。鉄製保持器として、図18に示すタイプであり、樹脂製保持器(材質PA46、PA66、PA9T、PPSをとした保持器)として、図16に示すタイプである。また、鉄製保持器及び樹脂製保持器は、サイズが内径φ8mm、外径φ22mm、幅7mm(NTN社製:軸受番号 608 )の軸受を使用した。実験条件として、アキシャル荷重、回転速度、グリースの種類、及びグリース封入量等を次の表2に示すものとした。そして、その実験結果を図15に示した。なお、表2において、マルテンプSRLとは、協同油脂株式会社の商品名である。
金属製(鉄製)保持器と樹脂製保持器とにおけるトルクを比較した。鉄製保持器として、図18に示すタイプであり、樹脂製保持器(材質PA46、PA66、PA9T、PPSをとした保持器)として、図16に示すタイプである。また、鉄製保持器及び樹脂製保持器は、サイズが内径φ8mm、外径φ22mm、幅7mm(NTN社製:軸受番号 608 )の軸受を使用した。実験条件として、アキシャル荷重、回転速度、グリースの種類、及びグリース封入量等を次の表2に示すものとした。そして、その実験結果を図15に示した。なお、表2において、マルテンプSRLとは、協同油脂株式会社の商品名である。
起動トルクも運転トルクも鉄製保持器を用いたものが樹脂製保持器を用いたものよりも大きいことがわかる。このため、トルク低減を減少させるには樹脂製保持器を用いたものが好ましい。
23 ボール
24 保持器
35 保持器本体
36 軸方向一端面
37 凹部
38 爪部
61 半球状膨出部
62 環状保持板
M 接触面積減少部
24 保持器
35 保持器本体
36 軸方向一端面
37 凹部
38 爪部
61 半球状膨出部
62 環状保持板
M 接触面積減少部
Claims (18)
- ボールを保持するポケットを有する軸受用保持器であって、
ボールとの接触面積を減少させる接触面積減少部を設けるとともに、ボールとの接触部にエッジ接触回避構造を有することを特徴とする軸受用保持器。 - ボールとの接触面積を、前記接触面積減少部を設けないときのボールとの接触面積よりも30%〜50%低減させたことを特徴とする請求項1に記載の軸受用保持器。
- 接触面積減少部のコーナ部をアール状としてエッジ接触を回避したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸受用保持器。
- 環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成している樹脂冠型であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の軸受用保持器。
- 凹部の底側の外径側を減肉して前記接触面積減少部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の軸受用保持器。
- 凹部の底側の内径側を減肉して前記接触面積減少部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の軸受用保持器。
- 爪部の内径側を減肉して前記接触面積減少部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の軸受用保持器。
- 爪部の外径側を減肉して前記接触面積減少部を形成したことを特徴とする請求項4に記載の軸受用保持器。
- 円周方向に沿って所定間隔で配設された半球状膨出部を有する2枚の環状保持板が組み合わされてなり、対向する半球状膨出部にてボールを保持するポケットが形成される金属製保持器であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の軸受用保持器。
- ポケット内面に溝を設けて前記接触面積減少部を形成したことを特徴とする請求項4又は請求項9に記載の軸受用保持器。
- 前記溝はポケット内面の周方向全周にわたることを特徴とする請求項10に記載の軸受用保持器。
- ポケット内面に貫通孔を設けて前記接触面積減少部を形成したことを特徴とする請求項4又は請求項9に記載の軸受用保持器。
- 前記請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の軸受用保持器を用いたことを特徴とする軸受。
- 自動車のオルタネータに使用されることを特徴とする請求項13に記載の軸受。
- 自動車のアイドラープーリに使用されることを特徴とする請求項13に記載の軸受。
- 自動車のカーエアコンコンプレッサーに使用されることを特徴とする請求項13に記載の軸受。
- 自動車のカーエアコンコンプレッサーの電磁クラッチ付きプーリに使用されることを特徴とする請求項13に記載の軸受。
- 自動車のトランスミッションに使用されることを特徴とする請求項13に記載の軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009196785A JP2011047474A (ja) | 2009-08-27 | 2009-08-27 | 軸受用保持器および軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009196785A JP2011047474A (ja) | 2009-08-27 | 2009-08-27 | 軸受用保持器および軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011047474A true JP2011047474A (ja) | 2011-03-10 |
Family
ID=43834005
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009196785A Withdrawn JP2011047474A (ja) | 2009-08-27 | 2009-08-27 | 軸受用保持器および軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011047474A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013200008A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Ntn Corp | 保持器および玉軸受 |
DE102015214850A1 (de) * | 2015-08-04 | 2016-12-01 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Schnappkäfig für Kugellager |
JPWO2015146811A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2017-04-13 | 日本精工株式会社 | アンギュラ玉軸受 |
WO2024019011A1 (ja) * | 2022-07-21 | 2024-01-25 | Ntn株式会社 | 冠形保持器および玉軸受 |
-
2009
- 2009-08-27 JP JP2009196785A patent/JP2011047474A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013200008A (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Ntn Corp | 保持器および玉軸受 |
WO2013146662A1 (ja) * | 2012-03-26 | 2013-10-03 | Ntn株式会社 | 保持器および玉軸受 |
US9709095B2 (en) | 2012-03-26 | 2017-07-18 | Ntn Corporation | Retainer and ball bearing |
JPWO2015146811A1 (ja) * | 2014-03-28 | 2017-04-13 | 日本精工株式会社 | アンギュラ玉軸受 |
DE102015214850A1 (de) * | 2015-08-04 | 2016-12-01 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Schnappkäfig für Kugellager |
WO2024019011A1 (ja) * | 2022-07-21 | 2024-01-25 | Ntn株式会社 | 冠形保持器および玉軸受 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5531966B2 (ja) | 玉軸受及びハイブリッド車用変速機 | |
WO2009150935A1 (ja) | 保持器、深溝玉軸受、およびシール付軸受 | |
JP2007040383A (ja) | 玉軸受用保持器及び玉軸受 | |
WO2012157411A1 (ja) | 玉軸受用保持器および玉軸受 | |
US20190219102A1 (en) | Sealed bearing | |
JP2018119580A (ja) | クリープ防止転がり軸受 | |
JP2009281399A (ja) | 深溝玉軸受用保持器及び深溝玉軸受 | |
JP2011047474A (ja) | 軸受用保持器および軸受 | |
JP2006300261A (ja) | 玉軸受 | |
EP1857693B1 (en) | Drawn cup roller bearing | |
JP2015148241A (ja) | 玉軸受用保持器及び玉軸受 | |
JP2017198298A (ja) | 冠型保持器及び玉軸受 | |
JP5602345B2 (ja) | 保持器および深溝玉軸受 | |
JP5863284B2 (ja) | 玉軸受用保持器および玉軸受 | |
JP2012107674A (ja) | 玉軸受 | |
JP5661410B2 (ja) | 玉軸受用保持器および玉軸受 | |
JP2011256914A (ja) | 深溝玉軸受 | |
JP2012047269A (ja) | 玉軸受 | |
JP5376310B2 (ja) | 深みぞ玉軸受用の合成樹脂製保持器および深みぞ玉軸受 | |
WO2020059829A1 (ja) | 玉軸受用保持器および転がり軸受 | |
JP5109653B2 (ja) | 深溝玉軸受 | |
JP2006071076A (ja) | スラスト針状ころ軸受の取付構造 | |
JP2007263316A (ja) | ころがり軸受の高効率潤滑構造 | |
JP2019027586A (ja) | クラッチ用軸受 | |
US10378584B2 (en) | Cage for radial roller bearing |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120726 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20121227 |