JP5602345B2 - 保持器および深溝玉軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、保持器および深溝玉軸受に関する。
深溝玉軸受は、図10に示すように、内周に円弧状の外側転走面1が形成された外輪2と、外周にこの外側転走面1に対向する円弧状の内側転走面3が形成された内輪4と、内輪4と外輪2との間に配置された保持器5と、保持器5にて転動自在に支持される複数のボールBoとを備える。
保持器5は、図11に示すように、円周方向に沿って所定間隔で配設された半球状膨出部6を有する2枚の環状保持板7,7が組み合わされてなる。すなわち、各環状保持板7は、円周方向に沿って配設される前記半球状膨出部6と、隣合う半球状膨出部6間の平坦部8とからなる。組み合わされた状態で、平坦部8、8が重ね合わされ、この平坦部8、8がリベット等の固着具9を介して連結される。このため、各半球状膨出部6、6が対向して、リング状のボール嵌合部(ポケット)10が形成される。
従来には、保持器とボールとの潤滑状態の向上を図るもの(特許文献1)、又は潤滑油の給排油を積極的に行わせて、軸受内での潤滑油の流動性を向上させるもの(特許文献2)等がある。
前記特許文献1に記載のものは、ポケットの内周側に補助凹部を設け、この補助凹部を潤滑剤が貯油する潤滑剤溜まりとして機能させるものである。これによって、ポケット内での潤滑剤の保持量を向上させて保持器とボールとの間の潤滑状態を向上させるものである。
また、前記特許文献2に記載のものも、ポケットの内周面に凹部を形成している。この凹部が、外輪と保持器との間の軸受空間側及び内輪と保持器との間の軸受空間側にそれぞれ連通して、凹溝形状の潤滑油の経路を形成している。
特開2003−13962号公報 特開2006−342901号公報
近年、自動車用の軸受においては、燃費向上や環境問題からトルクの低減が求められている。軸受に発生するトルクのうち、保持器が要因のトルクは、鋼球(ボール)による油(グリース等の潤滑材)のせん断抵抗に多くの割合を占めている。
そして、そのせん断抵抗のほとんどがポケット内径面と、ポケット内のボールとの間に形成される油膜をせん断する時の抵抗である。また、ポケットがボール形状に添う様な単一の曲面からできている場合、ボールとボールを覆う保持器ポケット内側との微少なスキマを潤滑剤が通過しようとする為、抵抗が発生し、トルクを大きくする要因の1つとなっている。
前記特許文献1に記載のものでは、補助凹部が潤滑剤溜まりとなって、この補助凹部に潤滑剤が貯油するものである。また、特許文献2に記載のものでは、微少なスキマを潤滑剤が通過する際の抵抗を軽減させるもではない。すなわち、この種の軸受においては、潤滑剤が通過する際の抵抗の減少と、ボールが運動する際にせん断する油膜量の減少との両立ができなかった。このため、従来においては、ポケットの内径面に凹部が形成されていたとしても、トルク低減を達成できるものではなかった。
本発明は、前記課題に鑑みて、トルク低減を達成できる保持器およびこのような保持器を用いた深溝玉軸受を提供する。
本発明の保持器は、円周方向に沿って所定間隔で配設された半球状膨出部を有する2枚の環状保持板が組み合わされてなり、対向する半球状膨出部にてボールを保持するポケットが形成される保持器であって、周方向長さが幅方向長さよりも長い矩形状の凸部をボールのピッチ円上において反ボール側へ突出させることによって、ポケットのボール対向面に、周方向長さが幅方向長さよりも長い矩形状であって、かつ軸受軸を含む断面形状において軸受軸方向深さよりも軸受半径方向長さが長い凹部を形成して、ポケットのボール対向面にボール非接触部を設け、トルク低減化のために、ポケットにおけるボールとの接触面積を、ボール非接触部を設けないときのボールとの接触面積よりも15%〜30%低減させたものである。
本発明の保持器によれば、ボール対向面にボール非接触部を設けたことによって、ポケット内部を潤滑剤が通過する際の抵抗を低減することができる。また、ボール非接触部を設けたことによって、ボールとポケットとの間に形成される油膜量を少なくできる。この場合、ボール非接触部が小さすぎると、せん断する油膜量の減少量も少なく、トルク低減を達成できない。また、ボール非接触部が大きすぎると、ボールとポケットとの間に形成される油膜量が小さくなり過ぎて、ボールの滑らかな転動を損なう。このため、本発明のように、ボール非接触部の範囲を設定することによって、ポケット内部を潤滑剤が通過する際の抵抗と、せん断する油膜量の減少との両立が可能となる。
金属製であってプレス加工に成型されてなるものであっても、金属製であって鋳造にて成型されてなるものであっても、樹脂製であって射出成型にて成型されてなるものであってもよい。また、削り加工(金属製であっても樹脂製であっても)にて成型されてなるものであってもよい。
本発明の深溝玉軸受は、内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に内側転走面が形成された内輪と、内側転走面と外側転走面との間を転動する複数のボールと、内輪と外輪との間に配置された前記保持器を備えたものである。
本発明では、ボール非接触部の範囲を設定することによって、ポケット内部を潤滑剤が
通過する際の抵抗と、せん断する油膜量の減少との両立が可能となる。ボール非接触部は、ボール対向面に反ボール側へ凹む凹部を設けることによって、確実に形成することができる。
全体形状が比較的単純であり、金属製であっても、樹脂製であっても、確実に形成することができる。また、成型方法としても、金属製であれば、プレス加工や鋳造にて成型することができ、樹脂製であれば射出成型にて成型することができ、従来から一般に用いられている種々の成型方法で成型でき、低コスト化を図ることができる。
このため、トルクの低減を図ることができ、この保持器を用いた軸受を自動車に使用すれば、燃費向上で環境に優しい運転が可能となる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態の保持器(玉軸受用保持器)を用いた軸受(深溝玉軸受)を示す。この玉軸受は、内周に円弧状の外側転走面11が形成された外輪12と、外周にこの外側転走面11に対向する円弧状の内側転走面13が形成された内輪14と、外側転走面11と内側転走面13との間に収容された複数のボール16と、ボール16を転動自在に支持する本発明に係る保持器15と、外輪12の軸方向端部に装着されたシール部材17、17とを備える。
外輪12、内輪14、及びボール16は、例えば、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、保持器15は、例えば、冷間圧延鋼(JIS規格のSPCC系等)の帯鋼のプレス加工品である。また、シール部材17は、芯金18と、この芯金18を被覆する合成樹脂やゴム材等からなる被覆部19とを備える。すなわち、外輪12の内径面の軸方向端部に装着溝20を形成し、この装着溝20にシール部材17の径方向外端部を嵌着させている。また、シール部材17の径方向内端部のリップ部22が内輪14の外径面の軸方向端部に設けられた凹溝21底面に接触している。
保持器15は、図2と図3に示すように、円周方向に沿って所定間隔で配設された半球状膨出部26を有する2枚の環状保持板27A,27Bが組み合わされてなる。すなわち、各環状保持板27A,27Bは、円周方向に沿って配設される半球状膨出部26と、隣合う半球状膨出部26間の平坦部28とからなる。組み合わされた状態で、平坦部28、28が重ね合わされ、この平坦部28、28がリベット等の固着具29を介して連結される。このため、各半球状膨出部26が対向して、リング状のボール嵌合部(ポケット)30が形成される。
そして、この保持器15においては、ポケット30のボール対向面にボール非接触部31を設けている。この場合、このポケット30におけるボール16との接触面積を、ボール非接触部31を設けないときのボール16との接触面積よりも15%〜30%低減させている。
すなわち、反ボール対向面に反ボール側へ突出する矩形状の凸部32を形成することによって、ボール対向面に反ボール側へ凹む矩形状の凹部33を設け、この凹部33をもってボール非接触部31を形成している。凸部32としては、図4に示すように、種々のものを採用することができる。
すなわち、図4(a)に示す形状Aは、円周方向長さLがLAとされ、その幅寸法WがWAとされている。また、図4(b)に示す形状Bは、円周方向長さLがLAよりも短いLBとされ、その幅寸法WがWAと同一のWBとされている。
図4(c)に示す形状Cは、円周方向長さLがLBと同一のLCとされ、その幅寸法WがWAよりも大きいWCとされている。図4(d)に示す形状Dは、円周方向長さLがLAと同一のLDとされ、その幅寸法WがWAと同一のWDとされている。
図4(e)に示す形状Eは、円周方向長さLがLBと同一のLEとされ、その幅寸法WがWAと同一のWEとされている。図4(f)に示す形状Fは、円周方向長さLがLBと同一のLFとされ、その幅寸法WがWAと同一のWFとされている。
図4(a)に示す形状Aと、図4(b)に示す形状Bと、図4(f)に示す形状Fとは、凸部32の中央線Oがボール16のピッチ円PCDに一致しているものであって、凸部32がピッチ円PCD上に配設されている。図4(c)に示す形状Cと、図4(d)に示す形状Dと、図4(e)に示す形状Eとは、凸部32の中央線Oが、ボール16のピッチ円PCDよりも軸受外径側へずれている。この場合、図4(c)に示す形状Cでは、そのずれは僅かであるが、図4(d)に示す形状Dと、図4(e)に示す形状Eでは、そのずれは大きく、一方の長辺がボール16のピッチ円PCDに一致している。
すなわち、凸部32が図4(a)(b)(c)(d)(e)(f)の示すうような種々のものであっても、これによって形成される凹部33のボール非接触部31が、ポケット30において、ボール非接触部31を設けないときのボール16との接触面積よりも15%〜30%低減させるものであればよい。
ところで、凸部32としては、径方向寸法に対して回転方向寸法が長い矩形(長方形)であっても、逆に回転方向寸法に対して径方向寸法が長い矩形(長方形)であっても、回転方向寸法と径方向寸法とが同一の正方形であってもよい。また、長方形とせずに、長円または楕円形状であってもよい。このような楕円形状である場合でも、径方向寸法に対して回転方向寸法が長いものであっても、逆に回転方向寸法に対して径方向寸法が長いものであってもよい。さらに、円形であってもよい。
本発明では、ボール対向面にボール非接触部31を設けたことによって、ポケット内部を潤滑剤が通過する際の抵抗を低減することができる。また、ボール非接触部31を設けたことによって、ボール16とポケット30との間に形成される油膜量を少なくできる。この場合、ボール非接触部が小さすぎると、せん断する油膜量の減少量も少なく、トルク低減を達成できない。また、ボール非接触部31が大きすぎると、ボール16とポケット30との間に形成される油膜量が小さくなり過ぎて、ボール16の滑らかな転動を損なう。このため、本発明のように、ボール非接触部31の範囲を設定することによって、ポケット内部を潤滑剤が通過する際の抵抗と、せん断する油膜量の減少との両立が可能となる。このため、トルクの低減を図ることができ、この玉軸受用保持器を用いた軸受を自動車に使用すれば、燃費向上で環境に優しい運転が可能となる。
ボール非接触部31は、ボール対向面に反ボール側へ凹む凹部33を設けることによって、確実に形成することができる。
ボール非接触部31を、ボール16のピッチ円よりも外径側に配置すれば、周速の高い位置でのせん断抵抗を低減することができ、より安定してトルクの低減を図ることができる。
図5に示す玉軸受(深溝玉軸受)は、シール部材17を有さないタイプである。すなわち、図5に示す玉軸受は、シール部材17、シール部材17が装着される装着溝20、およびシール部材17のリップ部22が接触する凹溝21を有さない点を省いて、図1に示す玉軸受(深溝玉軸受)と同様である。
このため、図5に示す玉軸受(深溝玉軸受)であっても、図1に示す玉軸受(深溝玉軸受)と同様の作用効果を奏する。
図6は、参考例の玉軸受用保持器を用いた軸受(深溝玉軸受)を示す。この場合の保持器15は、半球状膨出部26においてスリット35を設け、このスリット35をもってボール非接触部31としている。この場合のスリット35は、図7に示すように、矩形状であって、その中心線O1がボール16のピッチ円PCDに一致するピッチ円PCD上に配設されるものである。
ところで、スリット35としても、径方向寸法に対して回転方向寸法が長い矩形(長方形)であっても、逆に回転方向寸法に対して径方向寸法が長い矩形(長方形)であっても、回転方向寸法と径方向寸法とが同一の正方形であってもよい。また、長方形とせずに、長円または楕円形状であってもよい。このような楕円形状である場合でも、径方向寸法に対して回転方向寸法が長いものであっても、逆に回転方向寸法に対して径方向寸法が長いものであってもよい。さらに、円形であってもよい。
スリット35の配置位置としては、図7に示すように、ボール16のピッチ円PCD上に配設されものであっても、ピッチ円PCDよりも外径側へ配設されるものであってもよい。この場合のずれ量も、任意に設定できる。すなわち、スリット35によって形成されるボール非接触部31が、ポケット30において、ボール非接触部31を設けないときのボール16との接触面積よりも15%〜30%低減させるものであればよい。なお、図6に示す軸受の他の構成は図1に示す軸受と同様であるので、これらの説明を省略する。
図6に示すように、ボール非接触部31がスリット35によって形成される場合であっても、ポケット内部を潤滑剤が通過する際の抵抗を低減することができ、また、ボール16とポケット30との間に形成される油膜量を少なくできる。このように、図6に示す保持器であっても、前記図1に示す保持器と同様の作用効果を奏する。また、スリット35を設けたものでは、凸部32を設けたものと相違して、保持器15の軸受軸方向の寸法が大きくならず、コンパクト化を図ることができる。すなわち、ボール非接触部31を有さない従来の保持器と同じ寸法を維持しつつトルクを低減させることができる。
図8に示す玉軸受(深溝玉軸受)は、シール部材17を有さないタイプである。すなわち、図8に示す玉軸受は、シール部材17、シール部材17が装着される装着溝20、およびシール部材17のリップ部22が接触する凹溝21を有さない点を省いて、図6に示す玉軸受(深溝玉軸受)と同様である。
このため、図8に示す玉軸受(深溝玉軸受)であっても、図6に示す玉軸受(深溝玉軸受)と同様の作用効果を奏する。
ところで、保持器15は、前記各実施形態ではプレス加工による金属製保持器であるが、鋳造による成型であってもよい。また、削り加工によっても、放電加工(ワイヤーカットを含む)によってもよい。ここで、放電加工とは、電極と被加工物との間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって被加工物表面の一部を除去する機械加工の方法である。ワイヤーカットとは、放電加工の一種で、ワイヤ線に張力を与え、放電を利用して金属材料を加工する方法である。
また、保持器15としては、金属製保持器に限るものではなく、合成樹脂の成形品であってもよい。樹脂製保持器の樹脂材料は、この種の保持器に従来から使用されるもの、例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、PPS樹脂と称する)やポリアミド46(PA46)が用いられる。特に、例えば自動車のオルタネータ用の軸受等、それ以上の温度(例えば、200℃程度以上)域の長期耐熱性が要求されるものについては、ポリイミド樹脂(以下、PI樹脂と称する)、ポリアミドイミド樹脂(以下、PAI樹脂と称する)、あるいはポリエーテルエーテルケトン樹脂(以下、PEEK樹脂と称する)等の材料が用いることができる。
この樹脂製保持器は、例えば射出成型にて成型することができる。また、削り加工にて成型してもよい。樹脂製保持器であっても、ボール非接触部31を設け、ポケット30におけるボール16との接触面積を、ボール非接触部31を設けないときのボール16との接触面積よりも15%〜30%低減させることになる。
樹脂製保持器において、ボール非接触部31を設ける場合、図1に示すように、反ボール対向面に反ボール側へ突出する矩形状の凸部32を形成することによって、ボール対向面に反ボール側へ凹む矩形状の凹部33を設け、この凹部33をもってボール非接触部31とするものであってよい。また、スリット35を設けて、このスリット35をもってボール非接触部31とするものであってよい。
このため、樹脂製保持器であっても、図1に示すような金属製保持器と同様の作用効果を奏する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、ボール非接触部31は、前記実施形態では、回転方向に沿って配置されていたが、回転方向に対して傾斜するものであってもよい。また、形成されるボール非接触部31としては、半球状膨出部26に対して1個に限るものではなく、各半球状膨出部26に2個以上のボール非接触部31を設けてもよい。この場合、円周方向に沿って複数個配置するものであっても、径方向に沿って複数個配置するものであってもよい。
長方形状乃至正方形状の凸部32を設ける場合であっても、長方形状乃至正方形状のスリット35であっても、各コーナ部をアール形状としても、アール形状としないものであってもよい。また、長方形状乃至正方形状の凸部32を設ける場合、凸部32の突出量(凹部33の深さ)は、環状保持板27A,27Bの40%以下とするのが好ましい。すなわち、40%を越えると、凸部32の突出量が大きくなりすぎて、シール部材の装着が困難となったり、大型化したりするおそれがある。
実施例1
図4に示す形状A、B、C、D、E、Fの保持器(金属製保持器:プレス加工品)を製作して、これらを用いて図1に示す玉軸受を組立て、発生するトルクを測定した。その結果を次の表1に示す。表1において標準品とは、ボール非接触部31が形成されていない従来品である。
Figure 0005602345
表1において、形状Aでの1.6×9.0とは、寸法Wが1.6mmであり、円周方向長さLが9.0mmであることを示している。形状Bでの1.6×5.5とは、寸法Wが1.6mmであり、円周方向長さLが5.5mmであることを示しているとされている。形状Cでの2.6×5.5とは、寸法Wが2.6mmであり、円周方向長さLが5.5mmであることを示している。形状Dでの*1は、形状Aにおいて、PCDから外径側へ0.8mmずらせたことを示している。形状Dでの*2は、形状Bにおいて、PCDから外径側へ0.8mmずらせたことを示している。表1において、鋼球-保持器接触面積における形状A〜形状Fまでの欄は標準品の面積を100%とした場合の割合(%)を示している。また、軸受としては、外輪12の外径寸法が72.0mmであり、外輪12の内径寸法が60.2mmであり、内輪14の外径寸法が47.0mmであり、内輪14の内径寸法が35.0mmであり、ボール(鋼球)16の外径寸法が11.1mmのものを用いた。
これらの実験条件としては、500Nのラジアル荷重を付与した状態で、4000r/minの回転速度を与えた。30℃の潤滑油(トヨタ純正ATF T−4)に一部を浸漬させた。ここで、一部を浸漬とは、軸受軸心線を水平に保って、この鉛直方向最下位のボールのみが完全に浸漬することである。
図9に、接触面積を変更させた場合と、PCDから外径側へずらせた場合のトルクの変化を示すグラフを示した。このように、表1と図9からわかるように、接触面積を15%低減させることにより、トルクを約50%低減させることができた。また、接触面積を30%低減させるとともに、PCDから外径側へ0.8mmずらせることにより、トルクを約60%低減させることができた。
参考例1
図7に示すように、スリット35を有する保持器(金属製保持器:プレス加工品)を製
作して、これを用いて図6に示す玉軸受を組立て、発生するトルクを測定した。この場合
、接触面積を標準品(スリット35を有さない保持器)よりも30%低減させた。前記実
施例1と同様、500Nのラジアル荷重を付与した状態で、4000r/minの回転速
度を与えた。30℃の潤滑油(トヨタ純正ATF T−4)に一部を浸漬させた。この場
合、約40%のトルク低減となった。すなわち、標準品が0.152Nmであり、スリッ
ト35を有する保持器では0.093Nmとなった。また、軸受としては、外輪12の外
径寸法が72.0mmであり、外輪12の内径寸法が60.2mmであり、内輪14の外
径寸法が47.0mmであり、内輪14の内径寸法が35.0mmであり、ボール(鋼球
)16の外径寸法が11.1mmのものを用いた。なお、後述する比較例1、2において
も、同一サイズのものを用いた。
比較例1
凸部32やスリット35に代えて、半球状膨出部26の軸受内径及び軸受外径側をカットした金属製保持器を製作して、これを用いて図6に示す玉軸受を組立て、発生するトルクを測定した。接触面積を標準品(スリット35を有さない保持器)よりも25%低減させた。測定条件は前記実施例と同様とした。この場合、約11%のトルク低減となった。すなわち、標準品が0.152Nmであり、軸受内径及び軸受外径側をカットした保持器では0.135Nmとなった。
比較例2
また、半球状膨出部26の軸受外径側をカットした樹脂製保持器を製作して、これを用いて図6に示す玉軸受を組立て、発生するトルクを測定した。この場合、保持器の樹脂材料はPA66であり、接触面積を標準品よりも30%低減させた。測定条件は前記実施例と同様とした。この場合、約18%のトルク低減となった。すなわち、標準品が0.152Nmであり、軸受内径及び軸受外径側をカットした保持器では0.124Nmとなった。
本発明の第1実施形態を示す保持器を用いた軸受の断面図である。 前記図1の保持器の要部拡大断面図である。 前記図2のX方向矢視部である。 保持器の凸部を示し、(a)は図1に示すの保持器の要部簡略図であり、(b)は保持器の第1変形例の要部簡略図であり、(c)は保持器の第2変形例の要部簡略図であり、(d)は保持器の第3変形例の要部簡略図であり、(e)は保持器の第4変形例の要部簡略図であり、(f)は保持器の第5変形例の要部簡略図である。 前記図2に示す保持器を用いた他の軸受の断面図である。 参考例を示す保持器を用いた軸受の断面図である。 図6の保持器の要部簡略図である。 図6の保持器を用いた他の軸受の断面図である。 接触面積低減率とトルク低減率との関係を示すグラフ図である。 従来の保持器を用いた軸受の断面図である。 従来の保持器の斜視図である。
符号の説明
16 ボール
26 半球状膨出部
27A,27B 環状保持板
30 ポケット
31 ボール非接触部
32 凸部
33 凹部
35 スリット

Claims (6)

  1. 円周方向に沿って所定間隔で配設された半球状膨出部を有する2枚の環状保持板が組み合わされてなり、対向する半球状膨出部にてボールを保持するポケットが形成される保持器であって、
    周方向長さが幅方向長さよりも長い矩形状の凸部をボールのピッチ円上において反ボール側へ突出させることによって、ポケットのボール対向面に、周方向長さが幅方向長さよりも長い矩形状であって、かつ軸受軸を含む断面形状において軸受軸方向深さよりも軸受半径方向長さが長い凹部を形成して、ポケットのボール対向面にボール非接触部を設け、トルク低減化のために、ポケットにおけるボールとの接触面積を、ボール非接触部を設けないときのボールとの接触面積よりも15%〜30%低減させたことを特徴とする保持器。
  2. 金属製であってプレス加工に成型されてなることを特徴とする請求項1に記載の保持器。
  3. 金属製であって鋳造にて成型されてなることを特徴とする請求項1に記載の保持器。
  4. 削り加工にて成型されてなることを特徴とする請求項1に記載の保持器。
  5. 樹脂製であって射出成型にて成型されてなることを特徴とする請求項1に記載の保持器。
  6. 内周に外側転走面が形成された外輪と、外周に内側転走面が形成された内輪と、内側転走面と外側転走面との間を転動する複数のボールと、内輪と外輪との間に配置された請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の保持器を備えたことを特徴とする深溝玉軸受。
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