JP2005054871A - ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 外輪1と、この外輪1の転走面1aに接する複数のころ2と、リング状の保持器3とを有するころ軸受である。上記保持器3は、円周方向に並ぶ複数のポケット4を有し、各ポケット4間の柱部5が各ころ2の間で上記ころ2を内径側から保持するものとする。
【選択図】 図1
Description
総ころ軸受では、保持器がないために機器への組み込み前の取扱時にころが脱落する。このため、ころを非脱落とするための提案が種々なされており、例えばころの両端に尖り部を設け、プレス製の外輪の鍔で尖り部を抱え込むようにしたものがある(例えば特許文献1)。また、熱固化性のグリースを充填することにより、総ころ軸受を非脱落とするものもある(例えば特許文献2)。
・ころ端面の尖り形状の寸法分だけ、ころの有効長さが小さくなる。
・ころ端面が尖り形状であるため、誘起スラスト力が大きい使用方法では、ころ端面の摩耗が顕著となる。
・ころ端面を尖り部とするため、平面の端面のころに比べて高価となる。
・熱固化性グリースの使用温度範囲に軸受の使用温度が限られる。
・軸受の潤滑の手段、例えばグリースの種類や油の種類が限定される。
この構成によると、保持器の柱部を、ころを内径側から保持するものであり、その柱部の外径を、ころ配列のピッチ円直径よりも小径としたため、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、保持器を用いてころ非脱落形式としながら、総ころ形式と同じ程度のころ本数を有するものとできる。このため例えば次の各利点が得られる。すなわち、平面の端面のころを使用した軸受においても、非脱落とすることができる。平面の端面のころを使用できるため、限られた幅寸法の中でも、ころ有効長さを最大限に設定できる。外輪が鍔付きであれば、ころに発生した誘起スラスト力を、外輪の鍔部で受けることができる。潤滑剤の種類が制限されず、潤滑剤を自由に選ぶことができる。組立が従来の非脱落総ころ軸受よりも容易である。ユーザの取扱が脱落タイプの総ころ軸受よりも容易である。
ころ配列における隣合うころ間の隙間は、内径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ間の間隔を広げることなく柱部の断面積を大きくするには、柱部を外径側へ先狭まりとなる断面形状とすることが好ましい。しかし、柱部の幅が最も広がる最内径部は、ころ表面に沿って広げずに、略一定幅としてころ表面と柱部表面との隙間を広げることにより、潤滑油の流れの阻害が回避でき、潤滑性の低下が防止できる。
保持器を合成樹脂製とする場合に、上記合成樹脂を、非強化のもの、または強化繊維を30wt%以下添加したものとしても良い。強化繊維にはカーボンファイバやグラスファイバ等が好ましい。
この構成によると、保持器の柱部を、ころを内径側から保持するものとしたため、非脱落形式としながら、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、総ころ形式と同じ本数、あるいは1本または2本少ない本数だけのころ本数を有するものとできる。
ころ径については、ころ径の太い軸受では、ころ本数を総ころ時の本数と同じかまたは2本以下だけ少なくする設計が容易であるが、ころ径を6mm以下の場合は設計が難しい。この発明は、このようなころ径の小さな軸受においても、保持器による非脱落形式とできる。また、ころ本数が15本以下の軸受では、キーストン型の総ころ軸受のように、ころ同士の干渉によって、各ころを外輪の内径面となる転走面に張り付かせたものとできて、保持器を有しなくてもころの脱落がない。したがって、ころ本数が15本以上のとなる場合に、保持器付きとしたことによるころ非脱落形式の効果が実用的となる。
組立方法(1) は、図3(A)に示すように、外輪1にころ2を組み立てた後に、内径側から保持器2を弾性変形させつつ挿入する方法である。この場合に、ころ2にグリースを塗布し、ころ2を外輪1にグリースの粘着性で付着させた状態で、その内径に保持器3が入るように弾性変形させ、保持器3を挿入した後、保持器3を元の形状に戻すと同時に保持器3のポケット4に各ころ2を挿入する。この方法の場合は、同図に強調して示すように、保持器2を大きく変形させる必要がある。
組立方法(2) は、図3(B)に示すように、保持器2と外輪1の鍔部1bとの隙間から、保持器2の弾性を利用してころ2を挿入して行く方法である。この場合に、ころ2のうち、2〜3個を除いて残りのころ2を外輪1に組付けた状態で保持器3を組み込み、残った2〜3個のころ2を、保持器3を変形させながら組み込む。組立方法(2) は、組立方法(1) では組立不可の場合に採用される。例えば、保持器2が薄肉である場合は、組立方法(1) のように組み立てると変形が大きくて塑性変形が残ることがあるので、組立方法(2) が採用される。
組立方法(3) は、図3(C)に示すように、保持器3のリング部6を外径が狭まった形状とし、幅面から保持器を押し込み、少量の弾性変形で、ころ2を保持器3の各ポケット4に挿入する方法である。
・平面の端面のころ2を使用した軸受においても、非脱落とすることができる。
・平面の端面のころ2を使用できるため、限られた幅寸法の中でも、ころ有効長さを最大限に設定できる。
・外輪1が鍔付きであれば、ころ2に発生した誘起スラスト力を、外輪1の鍔部1bで受けることができる。
・熱固化性のグリース充填タイプの場合のような潤滑剤の種類の制限がなく、潤滑剤を自由に選ぶことができる。
・組立が従来の非脱落総ころ軸受よりも容易である。
・ユーザの取扱が脱落タイプの総ころ軸受よりも容易である。
保持器3の上記柱部5の並びの外径寸法d3oは、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小さくし、その小さくする程度を、例えば上記ピッチ円直径PCDよりも0.1mm以上小さくしたため、ころ配列の間隔を広げる必要がなく、また柱部5の横断面における最外径部の幅が薄くなり過ぎて強度不足になることが回避される。
また、上記保持器3の柱部5の横断面形状を、最内径部5aが略一定幅の部分とされ、この最内径部5aよりも外径側の部分5bが外径側へ先狭まりとなる形状としたため、ころ2の間の間隔を広げることなく柱部5の断面積を大きくでき、かつ潤滑性にも優れる。すなわち、ころ配列における隣合うころ2の間の隙間は、内径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ2間の間隔を広げることなく柱部5の断面積を大きくするには、柱部5を外径側へ先狭まりとなる三角形状の断面形状とすることが好ましい。しかし、柱部5の幅が最も広がる最内径部5aは、ころ表面に沿って広げずに、略一定幅としてころ表面と柱部表面との隙間を広げることにより、潤滑油の流れの阻害が回避でき、潤滑性の低下が防止できる。また、柱部4に無駄部分が生じず、樹脂材料が節減される。
この構成の場合も、第1の実施形態で示した各作用,効果が得られる。
また、上記各実施形態は、いずれも例えば針状ころ軸受に適用することができる。
2…ころ
3…保持器
4…ポケット
5…ころ
Claims (7)
- 外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、上記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有する軸受において、各ポケット間の柱部が各ころ間で上記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であることを特徴とするころ軸受。
- 請求項1において、上記保持器の柱部の横断面形状を、内径部よりも外径側の部分が外径側へ先狭まりとなる形状としたころ軸受。
- 請求項1または請求項2において、上記保持器を合成樹脂製としたころ軸受。
- 請求項3において、上記保持器の合成樹脂を、非強化のもの、または強化繊維を30wt%以下添加したものとしたころ軸受。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、ころ径が直径6mm以下で、かつ総ころ形式とした場合のころ本数が15本以上となるころ径であって、ころ本数を前記総ころ形式としたものと同じか、または2本以下の本数だけ少なくしたころ軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、保持器の内径寸法を、ころ配列の内接円径の最大径よりも0.1mm以上大きくしたころ軸受。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、上記保持器の外径寸法を、ころ配列のピッチ円直径よりも0.1mm以上小さくしたころ軸受。
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Cited By (4)
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CN105593547A (zh) * | 2013-10-02 | 2016-05-18 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 滚针轴承系统 |
US10415429B2 (en) | 2015-09-25 | 2019-09-17 | General Electric Company | Planet gearbox with cylindrical roller bearing with high density roller packing |
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2003
- 2003-08-04 JP JP2003285566A patent/JP2005054871A/ja active Pending
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