JP2006144853A - 電動シートリクライニング用ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【選択図】 図1
Description
電動シートリクライニング装置では、このようなリクライニング機構33において、図24に概略を示すように、背もたれ32に固定される金具34に軸受嵌合孔35を設け、軸受嵌合孔35に嵌合した軸受36を、軸受中心に対して偏心した中心Pを持つカム37で受けるようにしたものがある。金具34およびこれに固定された背もたれ32は、傾き角度が変わるとカム37の作用により、上下位置が変わる。電動シートリクライニング装置では、モータ(図示せず)により背もたれ32の角度を変える。
例えば、非脱落タイプの総ころ軸受のうち、キーストンタイプのものは、ころ本数20本以上では設計が困難である。ころ本数が少ないと、上記のゴリ感の解消は図れない。
非脱落タイプの総ころ軸受のうち、C端面のタイプのもの(例えば特許文献2)は、ころ端面に尖り部を設けて脱落防止を図るものであるが、尖り部のために幅寸法が大きくなる。さらに、有効接触長さも短く、かつころ端面、および外輪のころ端面との接触部が摩耗する問題がある。ころ端面に尖りがある形状では、特に、誘起スラスト力が大きい使用形態では、ころ端面の摩耗が顕著となる。シートリクライニング装置では、シート座面を広くするために、リクライニング機構の低断面化が望まれ、その軸受の幅寸法を小さくしたいという市場の要求がある。したがって、C端面のタイプの総ころ軸受の採用は好ましくない。
この構成によると、保持器の柱部が、ころを内径側から保持するものであり、その柱部の外径を、ころ配列のピッチ円直径よりも小径としたため、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、保持器を用いてころ非脱落形式としながら、総ころ形式と同じ程度のころ本数を有するものとできる。
(1) ころピッチが小さくなるため、円周方向の一部に設けられたカムにころが接する構成の電動シートリクライニング装置に使用した場合に、ころがカムに断続的に乗ることが無くなり、そのため動作時のゴリ感が軽減し、フィーリング特性が向上する。
(2) フィーリング特性が向上するため、低振動となる。
(3) 総ころ形式並のころ本数を保有できることから、負荷容量がアップし、長寿命となる。
(4) 負荷容量がアップすることにより、ころとカム面との面圧が下がり、低トルクとなる。勿論、滑り軸受に比べ、滑り軸受のコーティングの有無に関係なく、転がり形式であるため低いトルクである。
(5) 樹脂コーティングの滑り軸受のように、コーティングが剥がれ、摩耗することがなく、摩耗による遊びで応答性が低下することがない。
(6) 平面の端面のころを使用した軸受においても、非脱落とすることができる。平面の端面のころを使用できるため、限られた幅寸法の中でも、ころ有効長さを最大限に設定できる。従って幅寸法を小さくできる。外輪が鍔付きであれば、ころに発生した誘起スラスト力を、外輪の鍔部で受けることができる。
(7) 保持器によりころを非脱落にできるため、熱固化グリースによりころを非脱落にする必要がないため、低トルクとできる。また、そのため、潤滑剤の種類が制限されず、潤滑剤を自由に選ぶことができる。
(8) 組立が従来の非脱落総ころ軸受よりも容易である。
ころ配列における隣合うころ間の隙間は、内径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ間の間隔を広げることなく柱部の断面積を大きくするには、柱部を外径側へ先狭まりとなる断面形状とすることが好ましい。しかし、柱部の幅が最も広がる最内径部は、ころ表面に沿って広げずに、略一定幅としてころ表面と柱部表面との隙間を広げることにより、潤滑油の流れの阻害が回避でき、潤滑性の低下が防止できる。
保持器を合成樹脂製とする場合に、上記合成樹脂を、非強化のもの、または強化繊維を30wt%以下添加したものとしても良い。強化繊維にはカーボンファイバやグラスファイバ等が好ましい。
この構成によると、保持器の柱部が、ころを内径側から保持するものとしたため、非脱落形式としながら、保持器柱部がころ配列のピッチ円上に存在しないものとできる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、総ころ形式と同じ本数、あるいは1本または2本少ない本数だけのころ本数を有するものとできる。
スリット内にもころを配置することで、スリットを設けながら、ころ本数を増やすことができて、ころ軸受の負荷容量を増大させることができる。
この構成の場合、総ころ形式と同程度のころ本数を有するという効果は必ずしも得られないが、保持器の挿入による軸受の組み立て性については、第2の発明と同様に良好に得られる。すなわち、外輪の内周にころを配置した後に、保持器をそのスリットの開口端側からころ配列の内側へ、保持器の挿入側部分を縮径させながら挿入してから、保持器を材質の持つ弾性で元の径に戻すことで、ころ軸受を組み立てることができる。このとき、保持器の挿入においては、上記スリットが設けられているため、保持器をその材質の弾性域内で変形させることができて、保持器の撓み変形が少なく、変形に伴う精度低下を防止でき、組立性の向上および精度向上を図ることができる。
この方法によると、内径面が円すい状面となった拡縮可能な治具により保持器の挿入側部分を縮径させながら、押し込み治具で押し込むため、保持器が片方のみにスリットを有するものであっても、保持器をころ配列の内側へ軸方向に挿入することが容易に行える。また、この挿入時に保持器に無理な荷重が作用せず、挿入時の変形に伴う精度の低下が防止され、組み立て性の向上および精度向上が得られる。また、組立の自動化も可能となる。
この方法の場合、コレットチャックのような拡縮可能な治具を用いることなく、保持器を上記した案内治具内に押し込むだけでころ軸受を組み立てることができる。この場合に、保持器の撓み変形が少なく、変形に伴う精度低下を防止でき、組立性の向上および精度向上を図ることができる。また、保持器は両側にスリットを有することから、保持器の組み込みの方向性を無くすことができ、より一層組立性が向上する。さらに、組立の自動化を簡単な装置で行うことができる。
この構成によると、内外2つの保持器を設けたため、軌道輪を有しない保持器付きころ軸受でありながら、機器への未組込み状態でころが非脱落形式のころ軸受とできる。この場合に、内外の保持器の柱部がころを内径側および外径側から保持するものであり、その内側の保持器柱部の外径をころ配列のピッチ円直径よりも小径とし、外側の保持器柱部の内径をころ配列のピッチ円直径よりも大径としたため、保持器柱部がころ配列のピッチ円直径上に存在しないものとすることができる。そのため、柱部によってころの配列間隔が広がらず、保持器を用いてころ非脱落形式としながら、総ころ形式と同程度のころ本数を有するものとでき、同じ断面高さの従来の外輪付きころ軸受に比べて、より大きな負荷容量を付与できる。そのため、脱落防止スリーブを用いることなく少ない工数で組立が可能となる等、総ころ形式の各種の課題を解消することができる。
ころ配列における隣合うころ間の隙間は、外径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ間の間隔を広げることなく柱部の断面積を大きくするには、柱部を内径側へ先狭まりとなる断面形状とすることが好ましい。しかし、柱部の幅が最も広がる最外径部は、ころ表面に沿って広げずに、略一定幅としてころ表面と柱部表面との隙間を広げることにより、潤滑油の流れが阻害されるのを回避でき、潤滑性の低下を防止できる。
先狭まり形状に構成することにより、組立時のころ配列の外側への保持器の挿入をより円滑に行うことができ、組立性がさらに向上する。
この構成によると、軸受の組み立てに際して、外側の保持器の挿入側部分を拡径させ、内側の保持器の挿入側部分を縮径させながらころ配列の内外に保持器を容易に挿入することができる。この後、保持器を材質の持つ弾性で元の径に自然復元させることで、ポケット内に各ころが入り、軸受が組み立てられる。上記保持器の挿入においては、上記スリットがあるため、保持器をその材質の弾性域内で変形させることができ、そのため保持器の撓み変形が少なく、変形に伴う精度低下を防止できる。これにより組立性の向上および精度向上を図ることができ、また組立の自動化も可能となる。
なお、内外の各保持器のいずれか一方の保持器の円周方向の複数箇所に、この保持器の一側縁から他側縁の近傍まで切り欠かれた形状のスリットを設けても良い。また、上記スリットは、円周方向の1箇所であっても良い。
内外の保持器が共に上記スリットを有する場合は、組立時に外側の保持器の挿入側部分を拡径させ、内側の保持器の挿入側部分を縮径させながらころ配列の内外に保持器を容易に挿入することができる。
スリット内にもころを配置することで、スリットを設けながら、ころ本数を増やすことができ、ころ軸受の負荷容量を増大させることができる。
このように、保持器3を用いてころ非脱落形式としながら、総ころ形式と同じ程度のころ本数を有するものとできるため、電動シートリクライニング装置に使用した場合に、次の各利点(1) 〜(8) が得られる。
(1) ころピッチが小さくなるため、例えば図24と共に前述したような円周方向の一部に設けられたカム37にころ2が接する構成の電動シートリクライニング装置に使用した場合に、ころ2がカム37に断続的に乗ることが無くなり、そのため動作時のゴリ感が軽減し、フィーリング特性が向上する。
(2) フィーリング特性が向上するため、低振動となる。
(3) 総ころ形式並のころ本数を保有できることから、負荷容量がアップし、長寿命となる。
(4) 負荷容量がアップすることにより、ころ2とカム面との面圧が下がり、低トルクとなる。勿論、滑り軸受に比べ、滑り軸受のコーティングの有無に関係なく、転がり形式であるため低いトルクである。
(5) 樹脂コーティングの滑り軸受のように、コーティングが剥がれ、摩耗することがなく、摩耗による遊びで応答性が低下することがない。
(6) 平面の端面のころを使用した軸受においても、非脱落とすることができる。平面の端面のころ2を使用できるため、限られた幅寸法の中でも、ころ有効長さを最大限に設定できる。従って幅寸法を小さくできる。外輪1が鍔1bを有するものであれば、ころに発生した誘起スラスト力を、外輪1の鍔部1bで受けることができる。
(7) 保持器3によりころ2を非脱落にできるため、熱固化グリースによりころを非脱落にする必要がないため、低いトルクとできる。また、そのため、潤滑剤の種類が制限されず、潤滑剤を自由に選ぶことができる。
(8) 組立が従来の非脱落総ころ軸受よりも容易である。
保持器3の上記柱部5の並びの外径寸法d3oは、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小さくし、その小さくする程度を、例えば上記ピッチ円直径PCDよりも0.1mm以上小さくしたため、ころ配列の間隔を広げる必要がなく、また柱部5の横断面における最外径部の幅が薄くなり過ぎて強度不足になることが回避される。
また、上記保持器3の柱部5の横断面形状を、最内径部5aが略一定幅の部分とされ、この最内径部5aよりも外径側の部分5bが外径側へ先狭まりとなる形状としたため、ころ2の間の間隔を広げることなく柱部5の断面積を大きくでき、かつ潤滑性にも優れる。すなわち、ころ配列における隣合うころ2の間の隙間は、内径側が次第に大きくなる三角形状の隙間となるため、ころ2間の間隔を広げることなく柱部5の断面積を大きくするには、柱部5を外径側へ先狭まりとなる三角形状の断面形状とすることが好ましい。しかし、柱部5の幅が最も広がる最内径部5aは、ころ表面に沿って広げずに、略一定幅としてころ表面と柱部表面との隙間を広げることにより、潤滑油の流れの阻害が回避でき、潤滑性の低下が防止できる。また、柱部4に無駄部分が生じず、樹脂材料が節減される。
この構成の場合も、第1の実施形態で示した各作用,効果が得られる。
保持器3は、ポリアミド(例えばPA66,PA46)、またはポリアセタール等の弾性変形が可能な合成樹脂製とされている。保持器3は、これらの合成樹脂を、非強化の状態、あるいはカーボンファイバやグラスファイバ等の強化繊維を30%以下添加した状態のものとして使用することにより、軸受寸法や軸受用途等に応じた適度の強度と柔軟性を持たせたものとしてある。
図6(A)は、スリット7が、一側縁(図中の左側)から切り欠かれたもののみである保持器3の例を示す。
図6(B)は、スリット7に、一側縁から切り欠かれたものと、他側縁から切り欠かれたものとがあって、両側のスリット7が円周方向に千鳥状に並ぶように設けられた保持器3の例を示す。
これら図6(A),(B)の例の保持器3は、いずれもリング状部6における隣合う柱部5間の部分の略全体を除去した部分と、隣合う柱部5間のポケットを兼用する部分とでスリット7が構成される。
図6(C)の例では、スリット7Aは複数個のポケット4の並びを開けて設けられ、柱部5は、ポケット4とポケットを兼用するスリット7との間に設けられたものの他に、同図では図示が省略されているが、専用のポケット4が隣合う部分にも設けられている。図6(A),(B)の例においても、スリット7は複数個のポケット4の並びを開けて設けられたものとしても良い。
柱部5の断面形状は、ポケット4とスリット7の間のものと、隣合う専用のポケット4間のものとのいずれも、図5(B)と共に前述した形状とされる。
第1の組立方法は、図8に示すように、保持器3が片側のみにスリット7(7A)を有するころ軸受、例えば図6(A),(C)に示す保持器3を有するころ軸受を組み立てる方法である。この方法では、外輪1の内周にころ2を配置した後に、保持器3をそのスリット7(7A)の開口端側からころ配列の内側へ軸方向に挿入する。外輪1の内周へのころ2の配置は、例えばころ2にグリースを塗布し、グリースの粘着性でころ2を外輪1に付着させることで行う。この場合の保持器挿入作業は、内径面が円すい状面となった拡縮可能な治具11により保持器3の挿入側部分を縮径させながら、押し込み治具12で押し込むことにより行う。上記拡縮可能な治具11には、円周方向に並ぶ複数個に分割された治具分割体からなるもの等で使用できる。この種の拡縮可能な治具としてコレットチャック等がある。この保持器3の挿入の後、保持器3を材質の持つ弾性で元の径に自然に復元させる。これにより、保持器3のポケット4に各ころ2が挿入される。
この実施形態の場合も、保持器を用いてころ非脱落形式としながら、総ころ形式と同じ程度のころ本数を有するものとできるため、電動シートリクライニング装置に使用した場合に、動作時のゴリ感等が生じず、フィーリング特性に優れ、起動時応答性の低下がなく、また長寿命、低トルク、低振動とでき、幅寸法の増大の問題も生じないという効果が得られる。
上記構成の保持器3を採用することにより、外輪1の両側を縁曲げした後においても、保持器3を組み込むことが可能である。例えば、外輪1の両側の鍔部1bをトランスファーで縁曲げしてから、外輪1の熱処理、外輪1にころ2を配置し、保持器3を挿入するという組立手順が採用できる。よって外輪1の鍔部1bの強度を向上させることができる。 すなわち、従来では、外輪1の片側の鍔部1bを縁曲げした後に、ころ2と保持器3をセットし、もう一方の鍔部1bを縁曲げしている。最後の縁曲げは、外輪1を熱処理した後であることから、縁曲げ部を焼き鈍しをしてから、縁曲げをしている。よって、この実施形態の保持器3を採用することにより、外輪1の鍔部1bを焼き鈍しする必要がないために、外輪1の強度向上を図ることができる。
図12(A)は、保持器3の外径面の左右両縁部3aをテーパ状の先狭まり形状とした例を示し、保持器3は両側にスリット7を有する形式(図6(B)の例)のものを用いている。このように、保持器3の外径面の縁部3aをテーパ状の先狭まり形状とすることにより、上記した組立時のころ配列の内側への保持器3の挿入を円滑に行うことができ、組立性がさらに向上する。ここでは組み込み方向性を問わない両側にスリット7を有する保持器3において、その外径面の両縁部3aともテーパ状の先狭まり形状としているので、保持器3をいずれの側縁からころ配列の内側へ挿入しても、その挿入を円滑に行うことができる。なお、図12(A)の例では、外輪1が削り加工品の場合を示している。
また、内側の保持器13の内径寸法d13iを、ころ配列の内接円径d2iの最大径よりも0.1mm以上大きくしたため、軸と保持器13との間に0.1mm以上の隙間が生じる。そのため、軸に保持器13が強く接触することがなく、保持器13によって摩擦トルクが増大することが回避される。
また、内側の保持器13の柱部5の並びの外径寸法d13oは、ころ配列のピッチ円直径PCDよりも小さくし、その小さくする程度を、例えばピッチ円直径PCDよりも0.1mm以上としたため、ころ配列の間隔を広げる必要がなく、また柱部5の横断面における最外径部の幅が薄くなりすぎて強度不足になることが回避される。
また、スリット7は、必ずしも内外両方の保持器13,23に設けなくても良く、例えば図15に示すように、内側の保持器13のみにスリット7を設けても良く、また図16に示すように外側の保持器23のみにスリット7を設けても良い。
図17(A)は、スリット7が、一側縁(図中の左側)から切り欠かれたもののみである保持器13の例を示す。
図17(B)は、スリット7に、一側縁から切り欠かれたものと、他側縁から切り欠かれたものとがあって、両側のスリット7が円周方向に千鳥状に並ぶように設けられた保持器3の例を示す。
図17(C)は、スリット7,7Aが一側縁から切りかかれたもののみの例であるが、2種類のスリット7,7Aを有している。その一つの種類のスリット7は、リング状部6における隣合う柱部5間の部分の略全体を除去した部分とポケットを兼用する部分とでスリット7とされる。他の一つの種類のスリット7Aは、リング状部6における隣合う柱部5間の部分の一部6aを除去した部分とポケットを兼用する部分とで構成される。2種類のスリット7,7Aは、円周方向に交互に設けられている。
図17(D)は、図17(B)と同様に、一側縁から切り欠かれたスリット7と他側縁から切り欠かれたスリット7とを、円周方向に千鳥状に並べた保持器3の例であるが、この場合には専用のポケット4を省略して、一側縁から切り欠かれたスリット7と、他側縁から切り欠かれたスリット7とが円周方向に交互に並ぶようにされている。
また、図17(A),(B)の各例は、いずれもポケット4とスリット7とが交互に形成されていて、柱部5は、ポケット4とポケットを兼用するスリット7との間に設けられたものとされている。
図17(C)の例では、スリット7Aは複数個のポケット4の並びを開けて設けられ、柱部5は、ポケット4とポケットを兼用するスリット7との間に設けられたものの他に、同図では図示が省略されているが、専用のポケット4が隣合う部分にも設けられている。図17(A),(B)の例においても、スリット7は複数個のポケット4の並びを開けて設けられたものとしても良い。
柱部5の断面形状は、ポケット4とスリット7の間のものと、隣合う専用のポケット4間のものとのいずれも、図13(B)と共に前述した形状とされる。
また、内外の保持器13,23のスリット7の円周方向位置が互いにずれた位置とされている場合は、内外の保持器13,3によるころ2の保持強度を十分確保できる。
図21の例は、保持器23の内径面の左右両縁部23cを、テーパ状の先狭まり形状としたものである。その他の構成は、図13〜図18に示す実施形態と同じである。
このように、保持器23の内径面の縁部23cをテーパ状の先狭まり形状とすることにより、組立時のころ配列の外側への保持器23の挿入を円滑に行うことができ、組立性がさらに向上する。また、保持器23の内径面の両縁部23cともテーパ状の先狭まり形状としているので、保持器23をいずれの側縁からころ配列の外側へ挿入しても、その挿入を円滑に行うことができる。
その他の構成は図13〜図18に示す実施形態と同じである。この構成の場合も、第13〜図18の各の実施形態で示した各作用、効果が得られる。
1a…転走面
2…ころ
3…保持器
3a…保持器の外径面縁部
4…ポケット
5…柱部
7,7A…スリット
11…拡縮可能な治具
10…連結部
12…押し込み治具
13…内側の保持器
23…外側の保持器
30…案内治具
Claims (29)
- 電動シートリクライニング装置に用いられ、背もたれを傾き角度調整自在に支持するころ軸受であって、外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、上記保持器は円周方向に並ぶ複数のポケットを有する軸受において、各ポケット間の柱部が各ころ間で上記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であることを特徴とする電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項1において、上記保持器の柱部の横断面形状を、内径部よりも外径側の部分が外径側へ先狭まりとなる形状とした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項1または請求項2において、上記保持器を合成樹脂製とした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項3において、上記保持器の合成樹脂を、非強化のもの、または強化繊維を30wt%以下添加したものとした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、ころ本数を前記総ころ形式としたものと同じか、または2本以下の本数だけ少なくした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、保持器の内径寸法を、ころ配列の内接円径の最大径よりも0.1mm以上大きくした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、上記保持器の外径寸法を、ころ配列のピッチ円直径よりも0.1mm以上小さくした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、保持器の外径面の縁部を、テーパ状または断面円弧状の先狭まり形状とした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 電動シートリクライニング装置に用いられ、背もたれを傾き角度調整自在に支持するころ軸受であって、外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記保持器が、前記ころを保持するポケットを円周方向に複数並べて設けた梯子状のものであり、
各ポケット間の柱部が各ころの間で上記ころを内径側から保持し、前記保持器の前記柱部における外径が、ころ配列のピッチ円直径よりも小径であり、前記保持器の円周方向の複数箇所に、この保持器の一側縁から他側縁の近傍まで切りかかれた形状のスリットを設けたことを特徴とする電動シートリクライニング用ころ軸受。 - 請求項9において、前記スリットが、ころを保持するポケットを兼ねるものである電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項9または請求項10において、前記保持器の前記スリットを除く円弧状の周方向部分を繋ぎ合わせたと仮定したリング状体の外径寸法が、ころ配列の内接円径よりも小さくなるように、保持器のスリットの円周方向幅およびスリット個数を設定した電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項9ないし請求項11のいずれか1項において、保持器の外径面の縁部を、テーパ状または断面円弧状の先狭まり形状とした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 電動シートリクライニング装置に用いられ、背もたれを傾き角度調整自在に支持するころ軸受であって、外輪と、この外輪の転走面に接する複数のころと、リング状の保持器とを有し、前記保持器が、前記ころを保持するポケットを円周方向に複数並べて設けた梯子状のものであり、
前記保持器の円周方向の複数箇所に、この保持器の一側縁から他側縁の近傍まで切りかかれた形状のスリットを設けたことを特徴とする電動シートリクライニング用ころ軸受。 - 請求項9ないし請求項13のいずれか1項に記載の電動シートリクライニング用ころ軸受において、前記保持器が片側のみに前記スリットを有するものであるころ軸受を組み立てる方法であって、外輪の内周にころを配置した後、前記保持器をころ配列の内側へ軸方向に挿入し、この挿入作業は、内径面が円すい状面となった拡縮可能なチャックにより保持器の挿入側部分を縮径させながら、押し込み治具で押し込むことにより行い、この挿入の後、保持器を材質の持つ弾性で元の径に復元させることを特徴とする電動シートリクライニング用ころ軸受の組み立て方法。
- 請求項9ないし請求項13のいずれか1項に記載の電動シートリクライニング用ころ軸受において、前記保持器が両側に前記スリットを有するものであるころ軸受を組み立てる方法であって、外輪の内周にころを配置した後、前記保持器をころ配列の内側へ軸方向に挿入し、この挿入は、内径が円すい状面となった案内治具内に押し込むことにより保持器を縮径させながら行い、この挿入の後、保持器を材質の持つ弾性で元の径に復元させることを特徴とする電動シートリクライニング用ころ軸受の組み立て方法。
- 電動シートリクライニング装置に用いられ、背もたれを傾き角度調整自在に支持するころ軸受であって、それぞれ円周方向に並ぶ複数のポケットを有するリング状に形成された内外2つの保持器と、これら2つの保持器のポケットに渡って保持された複数のころとを備え、内側の保持器は、各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを内径側から保持し、前記柱部の外径がころ配列のピッチ円直径よりも小径であり、外側の保持器は、各ポケット間の柱部が各ころ間で前記ころを外径側から保持し、前記柱部の内径がころ配列のピッチ円直径よりも大径であることを特徴とする電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16において、外側の保持器の柱部の横断面形状を、外径部よりも内径側の部分が、長方形または内径側へ先狭まりとなる形状とした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16または請求項17において、保持器を合成樹脂製とした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16ないし請求項18のいずれか1項において、ころ本数を総ころ形式と同じか、または2本以下の本数だけ少なくした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16ないし請求項19のいずれか1項において、外側の保持器の外径寸法を、ころ配列の外接円最小径よりも0.1mm以上小さくした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16ないし請求項20のいずれか1項において、外側の保持器の内径寸法を、ころ配列のピッチ円径よりも0.1mm以上大きくした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16ないし請求項21のいずれか1項において、外側の保持器の内径面における幅方向の縁部を、テーパ状または断面円弧状の先狭まり形状とした電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16ないし請求項22のいずれか1項において、内外の各保持器が、その各保持器の一側縁から他側縁の近傍まで切り欠かれた形状のスリットを有するものである電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16ないし請求項22のいずれか1項において、内外のいずれか一方の保持器が、一側縁から他側縁の近傍まで切り欠かれた形状のスリットを有するものである電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項23において、前記スリットは保持器の円周方向の複数箇所に設けた電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項24において、前記スリットは保持器の円周方向の複数箇所に設けた電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項25または請求項26において、内外の保持器のスリットの円周方向位置が互いにずれた位置である電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項23ないし請求項27のいずれか1項において、前記スリットが、ころを保持するポケットを兼ねるものである電動シートリクライニング用ころ軸受。
- 請求項16ないし請求項27のいずれか1項において、内側の保持器と外側の保持器とを互いに一体化させた電動シートリクライニング用ころ軸受。
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