JP5512341B2 - 金属管の引抜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製引抜管、例えば複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置におけるOPC感光ドラム用基体として好適に用いられる、寸法精度の優れた引抜管を製造できる金属管の引抜方法、およびこの引抜方法を実施するための引抜装置に関する。 また、本明細書の記載において、引抜方法および引抜装置における「後方」とは引抜管に対して素管側の方向を表し、「前方」とは素管に対して引抜管側の方向を表している。さらに、「上側」とは重力方向と逆の方向側を表し、「下側」とは重力方向の方向側を表している。
近年、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置におけるOPC感光ドラム用基体として、大量生産に適した無切削管が多用されるようになっている。
無切削管の一つに、アルミニウム押出素管を引抜加工したED管があり、複数の製品管を1回の引抜きで生産できる点で大量生産に向いており、市場拡大に伴う大量消費に応える製法として注目されている。
このED管は、まずアルミニウム製のビレットを押出してアルミニウム押出素管を得、該押出素管を所定長さに切断した後、ダイスとプラグによる1パスまたは2パス以上の引抜加工を行って、所定形状(外径、内径、肉厚)に規定されたアルミニウム管を得、切断、端部の面取り加工、洗浄を行い、寸法と外観を検査することによって製造されている。
かかる感光ドラム用基体用アルミニウム管の引抜加工において、管の外面への潤滑剤供給は予め塗布しておくことも引抜加工中に潤滑剤を随時流下させることも容易である。しかし、管の内面への潤滑剤供給、特に素管を高速で2パス以上の連続引抜きをするED管の場合には、管の内面に予め潤滑剤を流入させておくことは困難であるため、プラグに潤滑剤を塗布して素管内に挿入し、そのまま引抜かざるを得なかった。このため、随時潤滑剤を供給できる外面に対し、内面は引抜途中で潤滑剤が不足して焼付きが発生し、引抜管フレ精度が低下することがあった。
このような問題に対し、本出願人は、プラグを支持する中空のロッドの周壁に開口部を設け、ロッドの後端部から内部に供給した潤滑剤を前記開口部から吐出させ、素管の内面に随時潤滑剤を供給できる引抜装置を提案した。これらの引抜装置においては、プラグの管の内面に付着させた潤滑剤を均等に塗り広げるために、ロッドに中子を取り付けている(特許文献1、2)。
特開2009−22982号公報 特開2009−45663号公報
上述の引抜装置では一定量の潤滑剤を吐出しながら引き抜いている。しかしながら、量を一定とし1本の押出素管の引抜が完了すると潤滑剤の供給を止めて加工した引抜管を装置から取り出し、次の押出素管を装置にセットして引抜き始める時に潤滑剤供給を再開する。このように潤滑剤供給が断続する工程では、潤滑剤の供給を停止するとロッド内の潤滑剤が開口部から流出してしまう。しかも、ロッド内部が潤滑剤で満たされていないので、潤滑剤供給を再開してもプラグ近傍に設けられた開口部から一定量の潤滑剤を吐出させるまでに時間がかかり、潤滑剤吐出の応答性が悪かった。このため、潤滑剤が十分吐出していない状態で引抜くと引抜き始めの部分で焼付が生じるおそれがあり、吐出量の回復を待って引抜き始めると加工効率が低下するという問題があった。
また、素管に接触する中子が摩耗すると潤滑剤の均一塗布ができなくなるので、中子は消耗品として交換しなければならない。
また、中子を使用せずにロッドの吐出口から素管内面に直接吹き付ける方法では、油切れを起こさないために潤滑剤の使用量を増やすことになる。その結果、潤滑剤の消費量が増えることに加え、引抜管への潤滑剤の持ち出し量が多くなって後工程の洗浄の負担が増大する。
本発明は上述した技術背景に鑑み、ロッドの吐出口から素管の内面に潤滑剤を供給しながら引抜く引抜方法において、中子のような塗布用部材を用いることなく、素管の周方向においても長さ方向においても潤滑剤を過不足なく付着させることを目的とする。
引抜きダイスとプラグによる引抜においては、金属製素管とプラグとが接触する面に必要量の潤滑剤が満たしている必要がある。過剰の潤滑剤の量を減らすには金属製素管とプラグとが接触する面に近い場所から潤滑剤を過不足無く供給することが好ましい。しかし金属製素管とプラグとが接触する面に近い場所から潤滑剤を供給する場合には、(1)潤滑剤供給機構設置隙間の問題、(2)金属製素管とプラグとが接触する面において潤滑剤の厚さが不均一になる問題、(3)潤滑剤が不足すると焼きつきが発生する恐れがあるので潤滑剤付着量を焼きつきに対する安全側である過量にしなくてはならない問題、がある。
(1)潤滑剤供給機構設置隙間の問題
金属製素管とプラグとが接触する面に近い場所はプラグと金属製素管との隙間が小さく、供給機構を設けるのが困難である。そこで本発明は金属素管との隙間が大きいロッドに潤滑剤供給機構を設けた。
(2)金属製素管とプラグとが接触する面において潤滑剤の厚さが不均一になる問題
潤滑剤の潤滑剤供給機構の供給精度が高くないと、金属製素管とプラグとが接触する面の周方向おいて潤滑剤の厚さが不均一になる。供給精度の高い潤滑剤供給機構は構造が複雑であり高価である。本発明では、金属製素管とプラグとが接触する面よりも引抜方向手前位置にあるロッドに設けた吐出口から潤滑剤を素管内面に素管の上下方向の中心位置よりも高い上側領域に吐出し、素管内面の最も高い位置を含む部分に吹き付けた潤滑剤の過剰分を自重で流れ落ちさせる。自重で過剰分が流れ落ちた後に素管内面に残った潤滑剤には、引き抜きに必要な厚さの均一性が得られる。過剰分が自重で流れ落ちるには時間が必要なので、金属製素管とプラグとが接触する面に近い場所ではなく、金属製素管とプラグとが接触する面から離れたロッドに突出口を設けた。好適には金属製素管とプラグとが接触する面から10mm以上離れた位置に突出口を設けるのが良い。
(3)潤滑剤が不足すると焼きつきが発生する恐れがあるので潤滑剤付着量を焼きつきに対する安全側である過量にしなくてはならない問題
焼つきを防ぐ為には素管とプラグとの間の隙間を充満するよりも多くの潤滑剤を付着さ必要があるので、従来技術では潤滑剤の供給を継続的に行い常に余分な潤滑剤を存在させていた。
本発明では、潤滑剤を断続的に吐出することで、プラグに達する前の素管内面に潤滑剤が付着していない領域を敢えて設け、余分な潤滑剤を“潤滑剤が付着していない領域”で使用(消費)する。
即ち、本発明は下記[1]〜[7]に記載の構成を有する。
[1]金属製素管を、外面を成形するダイスと内面を成形するプラグと間に通して引抜きながら、
前記プラグを支持するロッドに設けられた吐出口から、素管の上下方向の中心よりも高い上側領域に向かって断続的に吐出させた潤滑剤を、素管内面の最も高い位置を含む部分に吹き付けて付着させることを特徴とする金属管の引抜方法。
[2]前記潤滑剤の吹き付け量が漸次増加するように断続的に吐出する前項1に記載の金属管の引抜方法。
[3]前記吐出口が中空のロッドの外周面に設けられている前項1または2に記載の金属管の引抜方法。
[4]前記潤滑剤を、素管内面の最も高い位置から周方向の両側30°以内の領域に吹き付ける前項1〜3のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
[5]前記潤滑剤を吐出口よりも前方に向かって吐出する前項1〜4のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
[6]前記潤滑剤を吐出口の周縁に設けられたノズルから吐出する前項1〜5のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
[7]金属製素管を、外面を成形するダイスと内面を成形するプラグと間に通すことで加工する引抜装置において、
前記プラグを支持する中空のロッドの外周面に潤滑剤を吐出させる吐出口が開口し、該吐出口はロッドの上下方向における中心よりも上の領域にのみ設けられ、
前記素管の引抜中に、前記潤滑剤の吐出と停止とを断続的に行う吐出制御装置を備えることを特徴とする金属管の引抜装置。
上記[1]に記載の発明においては、ロッドの吐出口から素管内面の上側領域に向かって潤滑剤を吐出し、素管内面の最も高い位置を含む部分に潤滑剤を吹き付け、吹き付け位置よりも下方には吹き付け位置から潤滑剤が流れ落ちることによって潤滑剤を付着させるので、素管の下側領域に溜まる過剰量の潤滑剤を減らすことができる。また、潤滑剤を断続的に吐出させることによって、吐出流に素管の内面に到達させるための勢いを与えつつ、潤滑剤の過剰供給分を可及的に減らしている。よって、素管の周方向においても長さ方向においても必要量を満たす潤滑剤を付着させ、かつ過剰の潤滑剤を可及的に減らすことができる。
上記[2]に記載の発明によれば、潤滑剤の吹き付け量を漸次増加させることにより、引抜の加工熱による上側領域の潤滑剤不足を回避することができる。即ち、引抜の加工熱によって潤滑剤の温度が上がり、潤滑剤の温度が上がるとその粘性が下がる。潤滑剤の粘性が下がると流れ落ちる潤滑剤の量が増えて上側領域に付着する潤滑剤が減少するが、潤滑剤の吹き付け量を漸次増加させることにより上側領域の潤滑剤不足を回避することができる。
上記[3]に記載の発明によれば、ロッドを潤滑剤の供給路として利用できるので、潤滑剤の供給機構を簡素化できる。
上記[4]に記載の発明によれば、潤滑剤不足が発生しやすい、素管内面の最も高い位置およびその近傍に潤滑剤を吹き付けるので、この領域の潤滑剤不足を確実に回避できる。
上記[5]に記載の発明によれば、吐出口の位置よりも前方に潤滑剤を吹き付けることができ、吹き付け位置からプラグのベアリング部までの距離が短くなるので、ベアリング部において潤滑剤が不足しやすい部分に確実に潤滑剤を付着させることができる。
上記[6]に記載の発明によれば、ノズルがロッドの外周面から突出することで潤滑剤の吐出位置が素管に近づくので、ロッド径に対して素管の内径が大きい場合や吐出量が少ない場合でも確実に所期する位置に付着させることができる。さらに、滑油供給停止時にはノズルが堰となるので、頂点以外の位置に設けた吐出口からの流出を防ぐことができる。
上記[7]に記載の発明によれば、上記[1]〜[6]の引抜方法を実施することができる。潤滑剤の吐出口はロッドの上部領域にのみ設けられているから、潤滑剤供給を停止してもロッド内部に充填された潤滑剤は吐出口から流出しないか、あるいは流出しても僅かな量であり、潤滑剤供給の停止中も、ロッド内部は潤滑剤で満たされているか、あるいは殆ど満たされている状態である。このため、1本の素管の引抜を完了した後、引抜管を装置から取り出し次の素管を装置にセットするまでの間に潤滑剤の供給を停止しても、ロッド内部は潤滑剤で満たされているか、あるいは殆ど満たされているので、潤滑剤供給を再開すると、直ちに、あるいは極めて短い時間で吐出口から潤滑剤を吐出させることができる。従って、複数本の素管の連続引抜加工において、素管の交換時に潤滑剤供給を停止する断続的な潤滑剤供給を行った場合に、各素管の引抜き始めから確実に潤滑剤を付着させて焼付を防止することができる。また、潤滑剤供給再開後に吐出量の回復を待つ必要がないので効率良く加工できる。
本発明の金属管の引抜方法を実施する引抜装置の一例を示す縦断面図である。 図1の引抜装置において、素管およびロッドの横断面図である。 ロッドの他の態様を示す横断面図である。 ロッドの他の態様を示す横断面図である。 ロッドの他の態様を示す横断面図である。 ロッドの他の態様を示す縦断面図である。 ロッドの他の態様を示す縦断面図である。 本発明の引抜方法における、潤滑剤の吐出量および素管内面の付着量の変化を示すグラフである。
図1は本発明の金属管の引抜方法を実施するための引抜装置の一例である。この引抜装置(1)は、引抜用工具と、素管(2)の外面および内面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部とを備えている。
引抜用工具は引抜ダイス(10)とプラグ(11)とから構成されている。前記引抜ダイス(10)は、ダイスケース(12)内に嵌合されたダイス本体(13)を備え、前記ダイス本体(13)は中央のダイス孔の周囲にアプローチ部(14)とこれに続くベアリング部(15)とを有している。前記プラグ(11)は中空管からなるロッド(20)の先端に取り付けられて支持され、アプローチ部(16)とこれに続くベアリング部(17)を有している。そして、素管(2)を引抜ダイス(10)とプラグ(11)との間に通して引き抜くことにより、管の外面がダイス本体(13)のアプローチ部(14)とベアリング部(15)によって成形されるとともに、内面がプラグ(11)のアプローチ部(16)ベアリング部(17)によって成形され、引抜管(3)が製作される。
外面用潤滑剤供給部として、前記引抜ダイス(10)後方の上方にノズル(18)が配置されている。図外のタンクから供給される潤滑剤(L)はノズル(18)から素管(2)に向かって吐出され、素管(2)上部に付着した潤滑剤(L)は外面を伝って全周に供給され、過剰な潤滑剤(L)は流れ落ちる。そして、外面に潤滑剤(L)が付着した状態で素管(2)が引抜用工具に導入される。
内面用潤滑剤供給部として、前記ロッド(20)に潤滑剤用吐出口(21)が設けられている。前記ロッド(20)は中空管であって潤滑剤(L)の供給路として利用され、周壁を穿つことによって供給路に連通する吐出口(21)が形成されている。このように、中空のロッド(20)の外周面に吐出口(21)を設けることでロッド(20)を潤滑剤の供給路として利用でき、潤滑剤の供給機構を簡素化できる。本実施形態においては、ロッド(20)の頂点(上下方向において最も高い位置)に1つの吐出口(21)が真上に向かって開口するように形成されている。そして、図外のタンクからロッド(20)の後部から内部に導入された潤滑剤(L)は、吐出口(21)から吐出して素管(2)の内面上部に吹き付けられて付着し、壁面を伝って周方向に拡がる。こうして素管(2)の内面に潤滑剤(L)を供給しつつ引抜くと、内面全体に潤滑剤(L)が付着した状態で素管(2)が引抜用工具に導入される。素管(2)に付着させた潤滑剤(L)の一部は引抜管(3)とともに持ち出され、残りは素管(2)に残って後方に送られていく。潤滑剤(L)の吐出と停止の切り換え、および吐出量の調節は吐出制御装置(45)によって制御される。
本発明の引抜方法においては、ロッド(20)の吐出口(21)から吐出させた潤滑剤(L)を素管(2)の内面に吹き付けながら引抜く際の、潤滑剤(L)の吐出方向、吹き付け位置、および吹き付け量を以下のように規定する。
〔潤滑剤の吐出方向および吹き付け位置〕
潤滑剤(L)は、吐出口(21)から素管(2)内面の上側領域(40)に向かって吐出し、最も高い位置(P)を含む部分に付着させる。前記上側領域(40)とは、素管(2)の上下方向の中心よりも上側の領域である。図2の素管(2)およびロッド(20)の断面図において、(H)は素管(2)の中心を通る水平面を示している。この水平面(H)よりも上側の領域が本発明における素管(2)内面の上側領域(40)であり、水平面を含む上側領域(40)よりも下側の領域が下側領域(41)である。また、(P)は素管(2)内面における最も低い位置である。
潤滑剤(L)を最も高い位置(P)を含む部分に吹き付けて付着させれば、付着した潤滑剤(L)は壁面を伝って流れ落ちて吹き付け位置よりも低い部分には自ずと潤滑剤(L)が供給され、最終的に最も低い位置(P)を含む部分に潤滑剤(L)が溜まっていく。従って、上側領域(40)の最も高い位置(P)を含む部分に潤滑剤(L)を吹き付ければ、上側領域(40)の吹き付けられなかった部分および下側領域(41)にも供給され、全周に潤滑剤(L)が供給される。
潤滑剤(L)は必要量を満たしていれば良好な引抜きを達成でき、過剰量の潤滑剤(L)は引抜管(3)とともに持ち出されるか、あるいは素管(2)の後方に送られていく。引抜管(3)とともに持ち出される潤滑剤(L)が増えるほど後工程の洗浄に手数がかかり、素管(2)内に残った過剰の潤滑剤(L)は無駄となる。従って、素管(2)内面の全周に必要量の潤滑剤(L)が付着している限り、必要量を超える過剰分は可及的に減らすことが好ましい。
また、潤滑剤(L)の流れ落ちによって上側領域(40)で潤滑剤不足が起こり易い状況下では、上側領域(40)の吹き付け位置における付着量が必要量を満たしていれば、下側領域(41)には必要量の潤滑剤(L)が自ずと供給される。よって、下側領域(41)の過剰の残油量を可及的に減らすために、潤滑剤(L)を上側領域(40)に向かってのみ吐出することとし、下側領域(41)に向かっては吐出しない。なお、潤滑剤(L)の吐出方向は吐出流の中心によって規定するものであり、吐出流の中心が上側領域(40)に向かい、かつ吹き付け位置に最も高い位置(P)が含まれている限り本発明の要件を満たしている。従って、上側領域(40)に向かって吐出された潤滑剤(L)が、吐出流の拡散によってその一部が下側領域(41)に付着した場合も本発明に含まれる。
また、素管(2)の上側領域(40)の中でも最も潤滑剤不足が起こりやすいのは最も高い位置(P)とその近傍であるから、この領域に潤滑剤(L)を吹き付けることが好ましい。ここで、素管(2)内面における周方向の位置を、素管(2)の中心に対し、最も高い位置(P)からの角度(α)で表すと、好ましい吹き付け位置(40a)は(P)から周方向の両側に角度(α)以内の領域として表すことができる(図2参照)。本発明において、好ましい吹き付け位置は、最も高い位置(P)から両側にα=30°以内の領域である。
潤滑剤(L)の吐出方向および吹き付位置は、吐出口の位置によって設定することができる。ここで、周方向における吐出口の位置を、ロッドの中心に対し、ロッドの頂点からの角度(θ)で表すものとする。図2に示したロッド(20)はθ=0°の位置に吐出口(21)が設けられているので、潤滑剤(L)は真上に吐出し、吐出流の拡散によって最も高い位置(P)およびその周辺が吹き付け位置となる。潤滑剤(L)の吹き付け範囲は、吐出口の位置に加えて、吐出流の拡散角度、素管(2)の内径、吐出口と素管(2)内面間の距離等によって異なるので、所期する位置に吹き付けるようにこれらを適宜設定する。
吐出口の位置は、最も高い位置(P)を含む上側領域(40)に潤滑剤(L)を吹き付けることができる限り何ら限定されない。吐出された潤滑剤(L)は拡がりをもって素管(2)内面に吹き付けられるので、ロッドの頂点よりも下がった位置から吐出しても最も高い位置(P)に吹き付けることができるからである。また、吐出口の数も何ら限定されることはなく、複数の吐出口から潤滑剤(L)を吹き付けることも任意である。複数の吐出口から吐出させる場合は、少なくとも一つの吐出口から吐出された潤滑剤(L)が最も高い位置(P)を含む部分に吹き付けられれば良い。図3のロッド(22)は、0°<θ<90°を満たす位置に2つの吐出口(23)(23)を設けた例であり、吐出流の拡散によって両方向から素管(2)の最も高い位置(P)に吹き付けることができる。また、複数本の素管を順次引き抜く場合、素管をセットするために潤滑剤の供給を停止するが、この潤滑剤供給停止時に吐出口(23)から流出する潤滑剤量が少なくするためには、前記角度(θ)が60°以下の範囲に吐出口(23)を設けることが好ましく、特に40°以下の範囲に設けることが好ましい。前記角度(θ)が大きくなるほど吐出口(23)の位置が低くなり、潤滑剤供給停止時の流出量が増えるので再供給時の応答性が低下するからである。なお、素管(2)の内面に吹き付けた潤滑剤(L)は吹き付け位置よりも高いところには流れないので、図3のロッド(22)で斜め上に潤滑剤(L)を吹き付けると、素管(2)内面の最も高い位置(P)やその近傍で潤滑剤不足が発生するおそれがある場合は、頂点またはその近傍に吐出口を追加することで簡単に解決することができる。図4のロッド(24)は、図3の2つの吐出口(23)(23)(0°<θ<90°)に、図2の吐出口(21)(θ=0°の位置)を加え、3カ所に吐出口を設けた例である。
また、図5に示すように、周壁を穿った吐出口(21)の周縁にロッド(25)の外周面から突出するノズル(26)を設けることも好ましい。前記ノズル(26)を設けると潤滑剤(L)の吐出位置が素管(2)に近づくので、ロッド(25)径に対して素管(2)内径が大きい場合や吐出量が少ない場合でも確実に所期する位置に吹き付けることができる。また、潤滑剤供給停止時には前記ノズル(26)が堰となるので、θ=0°以外の位置に設けた吐出口からの流出を防ぐことができる。
なお、本発明においては1本の素管の引抜中に潤滑剤を断続的に吐出させるために潤滑剤の供給と停止を繰り返しているが、短時間のサイクルで供給と停止を切り換えているので、この停止時に吐出口からの潤滑剤流出は生じない。引抜中に行う潤滑剤の断続的吐出のための潤滑剤供給停止は、上述した素管セット時の潤滑剤供給停止とは異なる。
また、前記吐出口は、引抜方向においてプラグのベアリング部に近い位置に設けることが好ましい。素管の内面に吹き付けた潤滑剤は、素管(2)が吐出口(21)の位置からプラグ(11)のベアリング部(17)の位置に移動する間にも下方に流れていくので、最も高い位置(P)およびその近傍で潤滑剤不足が発生しやすい。このような潤滑剤(L)の流れに対し、吐出口(21)の位置をベアリング部(17)に近づけて、潤滑剤(L)の吹き付け位置からベアリング部(17)までの距離を短くすることで、ベアリング部(17)において潤滑剤(L)が不足しやすい上部領域に確実に潤滑剤(L)を付着させることができ、素管(2)の内面に効率良く潤滑剤(L)を付着させることができる。かかる観点より、吐出口(21)をベアリング部(17)から20cm以下の位置に設けることが好ましく、特に10cm以下の位置に設けることが好ましい。なお、図1のように、ロッド(20)の先端部がプラグ(11)に差し込まれて固定されている構造において、両者が重なっている部分に吐出口を設けた場合も本発明に含まれる。
さらに、潤滑剤(L)は吐出口から前方に向かって吐出させることも好ましい。上述したように、吐出口(21)をベアリング部(17)に近い位置に設けることで吹き付け位置をベアリング部(17)に近づけることができるのであるが、その吐出口(21)の設置位置から潤滑剤(L)を前方に向かって吐出させることで、吹き付け位置をさらにベアリング部に近づけることができる。素管(2)の長さ方向における潤滑剤(L)の吐出方向を設定する手段として、図6および図7に示す構造を例示できる。図6のロッド(27)は、周壁を斜めに穿孔して吐出口(28)を前方に向かって開口させたものである。図7のロッド(29)は、周壁を穿った吐出口(28)にノズル(30)を前方に向けて取り付けたものである。
〔潤滑剤の吹き付け量〕
引抜中の素管(2)は加工熱によって後方にいくほど温度が高くなり、素管(2)に吹き付けて付着させた潤滑剤(L)、あるいはロッド(20)内を通る潤滑剤(L)は後方にいくほど温度が上昇し、粘度低下によって流れ落ち易くなる。吹き付け位置で付着させた潤滑剤(L)がプラグ(11)に到達するまでの間に流れ落ちる油量は、後方にいくほど増加するので、素管(2)の長さ方向において一定量の潤滑剤(L)を吹き付けると、プラグ(11)に到達した時点の付着量は、上側領域(40)で漸次減少し、下側領域(41)では漸次増加していく。かかる状況に対し、本発明においては潤滑剤(L)の吹き付け量が漸次増加するように吐出量を変化させることにより、素管(2)の後方の上側領域(40)で必要量の潤滑剤(L)を確保して潤滑剤不足を回避し、かつ下方領域(41)に過剰に溜まる潤滑剤量を可及的に減らすこととする。「吐出量が漸次増加する」とは、1本の素管を引き抜く工程中の断続的な吐出において、n回目の吐出量が(n−1)回目の吐出量よりも多いことをいう。吐出量の変化は、単位時間当たりの吐出量の増減によって行っても、吐出時間の増減によって行っても良い。
また、潤滑剤(L)は断続的に吐出させて断続的に吹き付ける。「断続的に吐出する」とは、吐出と停止を交互に繰り返すことをいう。上方に向かって吐出した潤滑剤(L)を素管(2)内面に到達させるためには、吐出流に勢いを付けなければならない。吐出流に勢いを付けるには、単位時間当たりの吐出量を一定以上とすることが必要となるが、その吐出量で連続吐出すると吹き付け量が過剰となって引抜管(3)への持ち出し量および素管(2)内への残留量が増大する。そこで、本発明においては、潤滑剤(L)の吐出流の勢いを確保しつつ、過剰供給分を可及的に減らすために、潤滑剤(L)を断続的に吐出させ、素管(2)内面に断続的に吹き付けることとする。
以上より、本発明においては、温度が高くなるとその粘度が低くなるという、温度と粘度の関係にある潤滑剤を用いるときに、素管(2)内面への吹き付け量が漸次増加するように潤滑剤(L)を断続的に吐出させる。
〔引抜試験〕
前記引抜装置(1)において図2のロッド(20)を用い、素管(2)の内面への潤滑剤の吐出条件を変えて引抜試験を行った。なお、素管(2)の外面への潤滑剤供給は共通である。
前記引抜装置(1)において、引抜ダイス(10)のダイス本体(13)はアプローチ部(14)のアプローチ角は15°であり、ベアリング部(15)のベアリング長さは15mmである。また、前記プラグ(11)のアプローチ部(16)のアプローチ角は7°であり、ベアリング部(17)のベアリング長さは2mmである。
前記ロッド(20)はθ=0°の位置に1つの吐出口(21)を有し、潤滑剤(L)の吐出方向は真上であり、吹き付け位置は素管(2)内面の最も高い位置(P)およびその近傍である。また、前記吐出口(21)はプラグ(11)のベアリング部(17)から10cm後方に設けられている。また、外面および内面用潤滑剤(L)として、共英油化株式会社製ストロールES150(粘度:1.4×10−4/s)を用いた。
(発明例)
図8の上段のグラフの太実線で示すように、引抜開始から潤滑剤(L)を一定間隔で断続的に吐出させ、かつ1回あたりの吐出量を漸次増加させた。
(比較例)
図8の上段のグラフの細実線で示すように、1回あたりの吐出量を一定量とし、発明例と同じ間隔で断続的に吐出させた。
図8の中段に、上側領域(40)の最も高い位置(P)における潤滑剤(L)の付着量の変化を示し、下段に下側領域(41)の最も低い位置(P)における潤滑剤(L)の付着量の変化を示す。図8の付着量の変化のグラフにおいて、太実線は発明例を示し、細実線は比較例を示している。また、破線は潤滑剤(L)の必要量を表し、この量を下回ると潤滑剤不足を起こすことを示している。なお、図8においては、本発明例と比較例との吐出を1/2サイクルずらして図示している。これは、説明の便宜上両者の相違を見やすくするためにずらしたものであって、引抜開始からの吐出のタイミングを正確に示すものではない。
発明例および比較例において、潤滑剤(L)を素管(2)内面の上側領域(40)に吹き付けると、上側領域(40)の最も高い位置(P)では吹き付け直後に付着量が極大となり、引抜管(3)による持ち出しと流れ落ちによって漸次減少し、断続的吐出によってこの増減を繰り返す。加工熱によって流れ落ち量は漸次増加するが、本発明例では1回あたりの吐出量を漸次増加させているので、付着量の極小値が必要量を下回ることはない。これに対し、比較例では、1回あたりの吐出量が一定であるために、流れ落ち量が漸次増加すると後方部分では付着量が必要量を下回る。比較例のような一定量の吐出において後方部分でも必要量を確保できる吐出量に設定すると、前方部分における過剰量が増えるので、引抜管(3)への持ち出し量や潤滑剤(L)の消費量が増加するといった不都合な現象が発生する。換言すると、後方部分においても必要量を確保できる吐出量に設定すれば、前方部分では必要量を大きく上回って大過剰となる。
一方、下側領域(41)の最も低い位置(P)では上からの流れ落ちによって潤滑剤(L)が供給されるために吹き付けからタイミングがずれて付着量が極大、極小となる。また、最も低い位置(P)では引抜管(3)による持出分を除いて蓄積されていき、付着量は増減を繰り返しながら後方に行くほど増加するので、後方部分における潤滑剤不足は生じない。このような増減パターンは本発明例と比較例とで共通である。また、最も高い位置(P)で付着量が極小となるときに必要量を下回らない量の潤滑剤(L)が吹き付けられている限り、最も低い位置(P)においても必要量を下回ることはない。
また、吹き付け位置以外は潤滑剤(L)の流れ落ちによって付着されるので、図示した最も高い位置(P)の付着量が必要量を満たしかつ最も低い位置(P)に必要量を満たす潤滑剤(L)が溜まっていれば、その間の部分にも必要量を満たす潤滑剤(L)が付着している。従って、本発明例においては図8のグラフに示していない最も高い位置(P)と最も低い位置(P)との間の部分にも必要量を満たす潤滑剤(L)が付着しており、周方向の全体に必要量を満たす潤滑剤(L)を付着させることができる。
以上より、素管(2)内面への潤滑剤(L)の吹き付け量が漸次増加するように吐出量を変化させながら断続的に吐出することによって、素管(2)の周方向においても長さ方向においても潤滑剤不足を起こさせないように潤滑剤(L)を付与して焼付を防止することができる。また、プラグ(11)を支持するロッド(20)の吐出口(21)から潤滑剤(L)を吐出させるので、素管(2)の長さに関係なく所要量の潤滑剤(L)を付着させることができ、かつ潤滑剤を塗り広げるための中子も必要としない。
前記潤滑剤の吹き付け量および増加量は、潤滑剤の粘性、素管の長さおよび直径、引抜時に発生する加工熱等によって適宜設定する。
また、吹き付け量を漸次増加させる方法は、上記例のように1回あたりの吐出量を増やすことに限定されない。1回の吐出時間を長くする、あるいは吐出間隔を短くすることによっても漸次増加させることができる。また、これらを複数組み合わせることもできる。これらの吐出条件は吐出制御装置(45)において設定する。
前記素管(2)を引抜装置(1)にセットしたとき、素管(2)の前方部分でプラグ(11)から吐出口(21)までの間に潤滑剤(L)を吹き付けることができない。また、吐出口(21)よりも後方であっても、吹き付け位置よりも下の部分には吹き付け位置から流れ落ちてくるまでは潤滑剤(L)が付与されない。このような素管の引抜始めの部分の潤滑剤切れに対しては、素管(2)の前方部分に予め潤滑剤(L)を塗布しておくか、あるいはプラグ(11)に潤滑剤(L)を塗布しておくことによって対処すれば良い。
前記引抜装置(1)において複数本の素管(2)を順次引き抜く場合、引抜加工と素管内面への潤滑剤供給は下記工程(i)〜(vi)を繰り返して行う。
(i)ロッド(20)内に潤滑剤(L)を供給して吐出口(21)から吐出させ、素管(2)の内面の最も高い位置(P)を含む部分に、吹き付け量が漸次増加するように断続的に吹き付けながら引き抜く。
(ii)1本の素管(2)の引抜が完了した後、潤滑剤(L)の供給を停止する。
(iii)引抜管(3)を引抜装置(1)から取り出して、次の素管を引抜装置にセットする。
(iv)潤滑剤(L)の供給を再開する
(v)潤滑剤(L)の吐出量が安定するまで供給する
(vi)(i)に戻る
工程(i)の引抜中は潤滑剤(L)が供給されるので、ロッド(20)内部は潤滑剤(L)で満たされている。工程(ii)で潤滑剤(L)の供給を停止すると、工程(iii)の素管交換の間に、ロッド(20)内部の潤滑剤(L)は吐出口(21)の高さまで外部に流出する。例えば、図1および図2のロッド(20)は吐出口(21)が頂点に設けられているので潤滑剤(L)は流出しないが、図3のロッド(22)の吐出口(23)は頂点よりも低い位置に設けられているので吐出口(23)の高さまで流出する。そして、工程(iv)において潤滑剤(L)の供給を再開しても流出分が補充されてされるまでは吐出せず、工程(v)を経てロッド(22)内部が潤滑剤(L)で満たされれば吐出する。安定して吐出するようになった後、工程(vi)に進む。工程(v)は流出分を補充して吐出量の回復を待つための待機期間であり、流出量が少ないほど待機時間が短縮されて潤滑剤吐出の応答性が良くなる。工程(v)を待たずに次の素管(2)を引き抜くと、引き抜き始めの部分で潤滑剤不足となる。
本発明においては、吐出口がロッドの上下方向における中心よりも上の領域にのみ設けられているので、潤滑剤供給停止時の流出量が少なく、引き抜き始めから素管の内面に確実に潤滑剤を供給し、かつ前記待機時間を可及的に短縮して複数本の連続引抜加工に要する時間を短縮することができる。
なお、前記引抜試験においては潤滑剤として油性潤滑剤を用いたが、本発明は潤滑剤を油性潤滑剤に限定するものではない。本発明は水性潤滑剤を用いても上記効果を奏することができる。
本発明の金属管の引抜方法は、金属の種類に限定されることなく、アルミニウム、鉄、銅、またはこれらの合金等に広く適用できる。長い素管を引抜く場合に顕著な効果が得られることから、感光ドラム基体用アルミニウム管の製造に適している。感光ドラム基体用アルミニウム管の製造においては、多数本の製品管を1回の引抜きで製造するために長い素管を用いる傾向があり、本発明の引抜方法を適用することによってフレの少ない高品質のアルミニウム管を効率良く製造できる。また、寸法精度を高めるために2パス以上の連続引抜を行う場合においても、潤滑剤供給のためのパス間作業を行う必要がないので速やかな連続引抜を実施できる。また、感光ドラム基体用アルミニウム管の材料としては、Al−Mn系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、純アルミニウムを例示できる。
本発明の金属管の引抜方法によれば、複数本の素管の連続引抜加工において素管の内面に確実にかつ効率良く潤滑剤を塗布できるので、感光ドラム基体用アルミニウム管の量産に適している。
1…引抜装置
2…素管
3…引抜管
10…引抜ダイス
11…プラグ
20、22、24、25、27、29…ロッド
21、23、28…吐出口
26、30…ノズル
40…上側領域
45…吐出制御装置
L…潤滑剤
…最も高い位置
α…吹き付け位置の好ましい領域を示す角度

Claims (6)

  1. 金属製素管を、外面を成形するダイスと内面を成形するプラグと間に通して引抜きながら、
    前記プラグを支持するロッドに設けられた吐出口から、素管の上下方向の中心よりも高い上側領域に向かって断続的に、かつ吹き付け量が漸次増加するように吐出させた潤滑剤を、素管内面の最も高い位置を含む部分に吹き付けて付着させることを特徴とする金属管の引抜方法。
  2. 前記吐出口が中空のロッドの外周面に設けられている請求項1に記載の金属管の引抜方法。
  3. 前記潤滑剤を、素管内面の最も高い位置から周方向の両側30°以内の領域に吹き付ける請求項1または2に記載の金属管の引抜方法。
  4. 前記潤滑剤を吐出口よりも前方に向かって吐出する請求項1〜のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
  5. 前記潤滑剤を吐出口の周縁に設けられたノズルから吐出する請求項1〜のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
  6. 金属製素管を、外面を成形するダイスと内面を成形するプラグと間に通すことで加工する引抜装置において、
    前記プラグを支持する中空のロッドの外周面に潤滑剤を吐出させる吐出口が開口し、該吐出口はロッドの上下方向における中心よりも上の領域にのみ設けられ、
    前記素管の引抜中に、前記潤滑剤の吐出と停止と断続的に行い、かつ吹き付け量が漸次増加するように吐出する吐出制御装置を備えることを特徴とする金属管の引抜装置。
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