JP5426701B2 - 金属管の引抜装置および引抜方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製引抜管、例えば複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置におけるOPC感光ドラム用基体として好適に用いられる、寸法精度の優れた引抜管を製造できる金属管の引抜装置、およびこの引抜装置を用いた引抜方法に関する。
また、本明細書の記載において、引抜装置および引抜方法における「後方」とは引抜管に対して素管側の方向を表し、「前方」とは素管に対して引抜管側の方向を表している。
近年、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置におけるOPC感光ドラム用基体として、大量生産に適した無切削管が多用されるようになっている。
無切削管の一つに、アルミニウム押出素管を引抜加工したED管があり、10本以上の製品管を1回の引抜きで生産できる点で大量生産に向いており、市場拡大に伴う大量消費に応える製法として注目されている。
このED管は、まずアルミニウム製のビレットを押出してアルミニウム押出素管を得、該押出素管を所定長さに切断した後、引抜加工を行って、所定形状(外径、内径、肉厚)に規定されたアルミニウム管を得、切断、端部の面取り加工、洗浄を行い、寸法と外観を検査することによって製造されている。
かかる感光ドラム用基体用アルミニウム管の引抜加工においては、高度の表面平滑性と寸法精度、とりわけ管のフレ精度を得るための引抜装置が提案されている(特許文献1、2)。また、寸法精度を高めるために2パス以上の連続引抜を行うこともある。
特許文献1に記載の引抜用金型は、高度の表面平滑性を達成するために、ダイスのアプローチ角とベアリング長さを規定したものである。また、特許文献2に記載の引き抜き加工機は、引抜中に内面成形用のプラグを支持するロッド棒が撓まないように支持する構造を有している。
特公平4−13044号公報 特開平9−29324号公報
しかしながら、上述したように多くの工程を経て製作されるED管は、素管を押出す際のビレット成分、押出素管の外径、肉厚、硬度等の多くのバラツキ要素を含んでいるため、寸法精度や表面品質を高めることは容易ではなかった。
そもそも、押出管の寸法精度を向上させるために引抜くことは公知であり、多くの製品製造において引抜加工が行われている。その場合、管の焼付きを防止するための潤滑油の供給は、管の内面に対しては傾けた管内に予め潤滑油を流し込んでおき、外面に対しては予め潤滑油を塗布しておくか、引抜加工中に潤滑油を随時流下させる方法を採っていた。
しかしながら、感光ドラム基体用のED管のように長い素管を高速で2パス以上の連続引抜きをする場合には、管の内面に予め潤滑油を流入させておくことは困難である。このため、プラグに潤滑油を塗布して素管内に挿入し、そのまま引抜かざるを得なかった。かかる引抜方法では、随時潤滑油を供給できる外面に対し、内面は引抜途中で潤滑油が不足して焼付きが発生することがあった。焼付きが発生するとキズが発生するだけでなく、加工熱によって寸法精度を低下させる原因となる。潤滑油切れは、素管の長さが長いほど、また引抜速度が速いほど生じやすいため、長い素管を高速で引抜いてED管の生産性を高めるには内面の焼付きを克服することが課題となっている。
本発明は、上述した背景技術に鑑み、引抜時の管の内面潤滑を改善して長い素管の引抜や高速引抜における焼付きを防止しうる金属管の引抜装置、およびこの引抜装置を用いた金属管の引抜方法の提供を目的とする。
即ち、本発明の金属管の引抜装置および引抜方法は下記[1]〜[14]に記載の構成を有する。
[1]金属製素管の外面を成形するダイスと内面を成形するプラグと間に通すことで加工する引抜装置において、前記プラグを支持するロッド棒に前記素管の内面に接触した状態に取付けられて、素管の内面に付着させた潤滑油を塗り拡げる中子を備えることを特徴とする金属管の引抜装置。
[2]前記素管の内面に潤滑油を供給する内面用潤滑油供給部を備え、前記内面用潤滑油供給部において、前記プラグを支持するロッド棒の外面に開口して素管の内面に向かって潤滑油を吐出させる吐出口を有する前項1に記載の金属管の引抜装置。
[3]前記中子が、多孔質体、ブラシ、板状体のいずれかで構成されている前項1または2に記載の金属管の引抜装置。
[4]前記中子は、前記ロッド棒の吐出口と前記プラグとの間に取付けられている前項2または3に記載の金属管の引抜装置。
[5]前記中子は、前記ロッド棒の吐出口に重ねて取付けられている前項2または3に記載の金属管の引抜装置。
[6]前記素管の内面に潤滑油を供給する内面用潤滑油供給部を備え、前記内面用潤滑油供給部において、前記プラグの外面に開口して潤滑油を吐出させる吐出口を有する前項1に記載の金属管の引抜装置。
[7]金属製素管の外面を成形するダイスと内面を成形するプラグとで引抜加工するに際し、前記素管の内面に付着させた潤滑油を、前記ロッド棒に取り付けられた中子を素管の内面に接触させることによって塗り拡げながら引抜くことを特徴とする金属管の引抜方法。
[8]前記潤滑油を、前記プラグを支持するロッド棒の外面に開口する吐出口から吐出させて素管の内面に付着させる前項7に記載の金属管の引抜方法。
[9]前記中子が、多孔質体、ブラシ、板状体のいずれかで構成されている前項7または8に記載の金属管の引抜方法。
[10]前記素管の内面に付着させた潤滑油を、前記ロッド棒の吐出口と前記プラグとの間に取付けた中子によって塗り拡げる前項8または9に記載の金属管の引抜方法。
[11]前記ロッド棒の吐出口から吐出される潤滑油を、前記中子を介して素管に付着させ、かつ付着させた潤滑油を中子で塗り拡げる前項8または9に記載の金属管の引抜方法。
[12]前記潤滑油を、前記プラグの外面に開口する吐出口から吐出させて素管の内面に付着させる前項7に記載の金属管の引抜方法。
[13]前記素管はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる前項7〜12のいずれかに記載の金属管の引抜方法。
[14]前記引抜管は感光ドラム基体用の管である前項13に記載の金属管の引抜方法。
上記[1]に記載の金属管の製造装置は、引抜き中に素管の内面に付着させた潤滑油を中子によって潤滑油を均一に塗り拡げることができ、かつ過剰の潤滑油を後方に押しやって適正量の潤滑油を付着させることができるから、素管の長さにかかわらず潤滑油切れを起こすことなく引抜くことができ、焼付きを防止することができる。このため、焼付きによる引抜管の寸法精度の低下を抑制し、寸法精度、特にフレ精度の優れた引抜管を製造できる。しかも、確実に潤滑油を供給できることで高速引抜が可能である。また、引抜中に潤滑油を供給するので、2回以上の連続引抜を行う場合においても潤滑油供給のためのパス間作業を行う必要がなく、速やかな連続引抜を実施できる。
上記[2]に記載の金属管の引抜装置によれば、ロッド棒の吐出口から吐出させた潤滑油を素管の内面に付着させることができ、上記[1]に記載の効果を奏することができる。
上記[3][4][5]に記載の金属管の装置によれば、中子によって潤滑油を均一に塗り拡げることができ、かつ過剰の潤滑油を後方に押しやって適正量の潤滑油を付着させることができる。
上記[6]に記載の金属管の引抜装置によれば、プラグの吐出口から吐出させた潤滑油を素管の内面に付着させることができ、上記[1]に記載の効果を奏することができる。
上記[7]に記載の金属管の引抜方法は、素管の内面に付着させた潤滑油を中子によって潤滑油を均一に塗り拡げ、かつ過剰の潤滑油を後方に押しやって適正量の潤滑油を付着させながら引抜くものであるから、素管の長さにかかわらず潤滑油切れを起こすことなく引抜くことができ、焼付きを防止することができる。このため、焼付きによる引抜管の寸法精度の低下を抑制し、寸法精度、特にフレ精度の優れた引抜管を製造できる。しかも、確実に潤滑油を供給できることで高速引抜が可能である。また、引抜中に潤滑油を供給するので、2回以上の連続引抜を行う場合においても潤滑油供給のためのパス間作業を行う必要がなく、速やかな連続引抜を実施できる。
上記[8]に記載の金属管の引抜方法によれば、ロッド棒の吐出口から吐出させた潤滑油を素管の内面に付着させることができ、上記[7]に記載の効果を奏することができる。
上記[10][11][12]に記載の金属管の引抜方法によれば、中子によって潤滑油を均一に塗り拡げることができ、かつ過剰の潤滑油を後方に押しやって適正量の潤滑油を付着させることができる。
上記[12]に記載の金属管の引抜方法によれば、プラグの吐出口から吐出させた潤滑油を素管の内面に付着させることができ、上記[7]に記載の効果を奏することができる。
上記[13]に記載の金属管の引抜方法によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金製素管の引抜において上記[7]〜[12]の効果が得られる。
上記[14]に記載の金属管の引抜方法によれば、寸法精度の優れた感光ドラム基体用の引抜管を効率良く製造することができる。
本発明の金属管の引抜方法を実施する引抜装置の一例を示す断面図である。 本発明の金属管の引抜方法を実施する引抜装置の他の例を示す断面図である。 本発明の金属管の引抜方法を実施する引抜装置のさらに他の例を示す断面図である。 本発明の金属管の引抜方法を実施する引抜装置のさらに他の例を示す断面図である。 本発明の金属管の引抜方法を実施する引抜装置のさらに他の例を示す断面図である。 従来の金属管の引抜方法を実施する引抜装置を示す断面図である。 フレ精度の測定方法を示す斜視図である。
図1は本発明の金属管の引抜方法を実施するための引抜装置の一例である。この引抜装置(31)は、引抜用工具と、素管(10)の外面および内面に潤滑油を供給する潤滑油供給部とを備えている。
引抜用工具は引抜ダイス(1)とプラグ(6)とから構成されている。前記引抜ダイス(1)は、ダイスケース(2)内に嵌合されたダイス本体(3)を備え、前記ダイス本体(3)は中央のダイス孔の周囲にアプローチ部(4)とこれに続くベアリング部(5)とを有している。前記プラグ(6)は中空管からなるロッド棒(7)の先端に取り付けられ、アプローチ部(8)とこれに続くベアリング部(9)を有している。そして、前記引抜ダイス(1)およびプラグ(6)で素管(10)を引き抜くことにより、管の外面がダイス本体(3)のベアリング部(5)によって成形されるとともに、内面がプラグ(6)のベアリング部(9)によって成形され、引抜管(11)が製作される。
外面用潤滑油供給部として、前記引抜ダイス(1)後方の上方にノズル(20)が配置されている。図外のタンクから供給される潤滑油(L)はノズル(20)から素管(10)に向かって吐出され、素管(10)の上部に付着した潤滑油(L)は外面を伝って全周に供給され、過剰な潤滑油(L)は流れ落ちる。そして、外面に潤滑油(L)が付着した状態で素管(10)が引抜用工具に導入される。
内面用潤滑油供給部として、前記ロッド棒(7)に潤滑油用吐出口(12)が設けられているともに、このロッド棒(7)に円柱形の中子(21)が素管(10)の内面に接触した状態で配置されている。前記ロッド棒(7)は中空管であって潤滑油(L)の供給路として利用され、周壁を穿つことによって供給路に連通する吐出口(12)が形成されている。前記吐出口(12)は、周方向に複数個が設けられている。前記中子(21)は連通気孔を多数有する多孔質体からなり、中心の貫通孔にロッド棒(7)を挿通させ、前記吐出口(12)とプラグ(6)との間に取り付けられている。前記中子(21)の直径は素管(10)内径に対応し、中子(21)の外周面は素管(10)の内面に接触している。図外のタンクからロッド棒(7)内に導入された潤滑油(L)は、吐出口(12)から素管(10)の内面に向かって吐出されて素管(10)に付着する。こうして素管(10)の内面に潤滑油(L)を供給しつつ引抜くと、中子(21)の外周面が素管(10)の内面に擦りつけられた状態で相対的に移動し、潤滑油(L)が薄く均一に塗り拡げられる。そして、内面に潤滑油(L)が均一に塗布された状態で素管(10)が引抜用工具に導入される。引抜中に吐出口(12)から潤滑油(L)を連続的または断続的に吐出すれば、素管(10)の長さに関係なく所要量の潤滑油(L)を均一に供給することができる。
また、図2の引抜装置(32)は、図1と同じ多孔質体からなる中子(21)をロッド棒(7)の吐出口(12)と重なるように取付位置を変更したものである。この例では、吐出口(12)から吐出された潤滑油(L)が中子(21)の連通気孔を通じて浸み込み、径方向の外方に拡がって中子(21)の外面に達した潤滑油(L)が素管(10)の内面に付着し、素管(10)の引抜きに伴って塗布される。
前記中子(21)を構成する多孔質体としては、管を傷つけない軟質のものが好ましく、発泡樹脂、海綿等の天然のスポンジを例示できる。
なお、引抜開始時において、引抜用工具にセットされた素管(10)の先端部、即ちプラグ(6)と吐出口(12)との間の部分には吐出口(12)から潤滑油を供給することはできない。しかし、従来の引抜方法で行っていたように、予めプラグ(6)に潤滑油を塗布しておけば素管(10)の先端部にも潤滑油(L)を供給することができるので、上述した内面への潤滑油供給と合わせると素管(10)の長さ方向の全体に潤滑油を塗布することができる。
内面用潤滑油供給部の構成および潤滑油供給方法は、上述した構成および方法に限定されない。以下に潤滑油供給部の他の構成について図面を参照しつつ説明する。
素管(10)の内面に潤滑油を供給する方法は中子を用いた方法に限定されるものではない。図1の引抜装置(31)から中子(21)を外し、ロッド棒(7)の吐出口(12)から潤滑油を吐出させるだけでも素管(10)の内面に潤滑油(L)を供給することができる。あるいは、図3の引抜装置(33)に示すように、プラグ(6)のベアリング部(9)の後方に潤滑油の吐出口(13)を設けても良い。前記吐出口(13)は、中空管からなるロッド棒(7)と連通するようにすれば随時潤滑油(L)を吐出させることができる。また、潤滑油の供給路をチューブ等で確保すれば、浮きプラグを用いた引抜きにおいても素管の内面に潤滑油を供給することができる。ただし、プラグの挿入に手間がかかるので、引抜管の量産や複数パスの連続引抜きには不利である。
中子を用いない場合は、素管(10)が引抜用工具に導入されるまでに潤滑油の一部が下方に流れ落ちて管内に溜まることがある。このような場合は、素管(10)側を低く引抜管(11)側を高くするように引抜の軸線を僅かに傾斜させれば素管(10)内に溜まった潤滑油(L)を管端から排出することができる。素管(10)の周方向において潤滑油(L)の付着量が不均一になると、潤滑のバランスが崩れて引抜管(11)のフレ精度低下の原因となるため、素管(10)内に潤滑油(L)が溜まったままで引抜用工具に導入されないように過剰の潤滑油(L)を排出させることが好ましい。
ただし、中子(21)を用いれば内面に付着させた潤滑油(L)が流れ落ちる前に塗り拡げることができるので、より均一な潤滑油供給が可能となる。また、過剰供給された潤滑油(L)が流れ落ちた場合でも中子(21)によって後方に押しやられるので、適正量の潤滑油(L)を付着させることができる。
潤滑油を塗布するための中子は、図1および図2に示した多孔質体からなる円柱形のものに限定されない。また、中子の材料も素管を傷つけることのない軟質材料であれば任意の材料を用いることができる。他の中子として、図4の引抜装置(34)および図5の引抜装置(35)における中子を例示でき、いずれも素管(10)の内面に付着させた潤滑油(L)を塗り拡げることができる。
図4に示した中子(22)はブラシ型であり、リング形基体の外面に多数のブラシ繊維を植え付けたものである。前記中子(22)は、図1の中子(21)と同じく、中心の貫通孔にロッド棒(7)を通して取り付けられ、ブラシ繊維が素管(10)の内面に接触することによって、内面に付着させた潤滑油(L)を塗り拡げることができる。ブラシ繊維としては、合成樹脂繊維、獣毛等の軟質繊維を任意に用いることができる。また、前記中子(22)の取付位置は、図示例のプラグ(6)と吐出口(12)の間の他、リング形基体に前記吐出口(12)に連通する孔を設ければ吐出口(12)に重ねて取り付け、ブラシ繊維を介して潤滑油(L)を素管(10)の内面に付着させることもできる。図5に示した中子(23)は板状のスクレイパー型であり、素管(10)を傷つけない軟質樹脂製板状体である。スクレイパー型の中子(23)は素管の内面に付着させた潤滑油(L)をこて塗りするように塗り拡げる。
上述した種々の中子の外径は、中子の外面で潤滑油を塗り拡げられるように材質や形状に応じて適宜設定する。
また、ロッド棒(7)またはプラグ(6)の吐出口(12)(13)は少なくとも1つ有れば良く、2個以上設けることもできる。吐出口が1つの場合は、ロッド棒(7)またはプラグ(6)の上側に設けて潤滑油(L)を上方に吐出させることが好ましい。素管(10)内の上側に潤滑油(L)を付着させれば、周面を伝って下方にも供給されるので、より均一に供給できる。周方向に複数個の吐出口を設ける場合は、等間隔に設けても良いし、付着させた潤滑油が流下することを考慮して上側により多くの吐出口を設けても良い。また、引抜方向に沿って複数の吐出口を設けても良い。
一方、外面への潤滑油供給は、引抜用工具の後方に上述した潤滑油吐出用ノズル(20)を設ける等の周知の方法で行うことができる。また、必ずしも引抜きながら潤滑油を供給する必要はなく、引抜前に予め素管(10)の外面全体に潤滑油を塗布しておいても良い。外面においては、内面のように位置的な制限を受けないので、引抜中でも引抜前でも潤滑油を供給することができ、潤滑油切れを起こすことなく引抜くことができる。ただし、2パス以上の連続引抜を効率良く行うためには、外面に対しても引抜きながら潤滑油を供給することが好ましい。
本発明の引抜装置を用いた金属管の引抜方法によれば、内面に潤滑油を供給しつつ引抜くので、素管の長さにかかわらず潤滑油切れがなく焼付を防止することができ、ひいては引抜管のフレ精度を高めることができる。しかも、確実に潤滑油を供給できることで高速引抜が可能となる。また、引抜中に潤滑油を供給するので、2回以上の連続引抜を行う場合においても潤滑油供給のためのパス間作業を行う必要がなく、速やかな連続引抜を実施できる。
本発明は素管の長さを限定するものではないが、短い素管に対しては従来のように引抜前に潤滑油をプラグに塗布することでも内面の潤滑性を確保できるので、長い素管を引抜く場合に顕著な効果を奏し、長い素管の引抜きに適している。具体的には、2m以上、特に2.5m以上の素管に対して顕著な効果が得られる。
本発明の金属管の引抜方法は、金属の種類に限定されることなく、アルミニウム、鉄、銅、またはこれらの合金等に広く適用できる。長い素管を引抜く場合に顕著な効果が得られることから、感光ドラム基体用アルミニウム管の製造に適している。感光ドラム基体用アルミニウム管の製造においては、多数本の製品管を1回の引抜きで製造するために長い素管を用いる傾向があり、本発明の引抜方法を適用することによってフレの少ない高品質のアルミニウム管を効率良く製造できる。また、寸法精度を高めるために2パス以上の連続引抜を行う場合においても、潤滑油供給のためのパス間作業を行う必要がないので速やかな連続引抜を実施できる。また、感光ドラム基体用アルミニウム管の材料としては、Al−Mn系合金、Al−Mg系合金、Al−Mg−Si系合金、純アルミニウムを例示できる。
図1〜6に示した引抜装置(31)(32)(33)(34)(35)(36)を用いて引抜試験を行った。
各引抜装置(31)(32)(33)(34)(35)(36)は、引抜ダイス(1)とプラグ(6)を組み合わせた引抜用工具を備えている。前記引抜ダイス(1)のダイス本体(3)においてアプローチ部(4)のアプローチ角は15°であり、ベアリング部(5)のベアリング長さは15mmである。また、前記プラグ(6)において、アプローチ部(8)のアプローチ角は7°であり、ベアリング部(9)のベアリング長さは2mmである。
各引抜装置(31)(32)(33)(34)(35)(36)には、それぞれの引抜ダイス(1)の後方の上方に共通の外面用潤滑油供給部としてのノズル(20)が配置されている。図外のタンクから供給された潤滑油(L)は前記ノズル(20)から吐出し、素管(10)の上面側に供給されて外面を伝って全周に供給される。
さらに、図1〜図5の引抜装置(31)(32)(33)(34)(35)は、以下に詳述する内面用潤滑油供給部を具備している。
〔図1:引抜装置(31)〕
ロッド棒(7)の周壁に、潤滑油(L)を吐出させるための8個の吐出口(12)が周方向に等間隔で穿設されている。中子(21)は発泡ポリウレタン製の円柱形であり、中心の貫通孔にロッド棒(7)を貫通させ、プラグ(6)と吐出口(12)との間に取り付けられている。潤滑油(L)はロッド棒(7)内を通って前記吐出口(12)から吐出され、素管(10)内面に付着した潤滑油(L)は中子(21)によって塗り拡げられる。
〔図2:引抜装置(32)〕
中子(21)の取付位置をロッド棒(7)の吐出口(12)に重なる位置とした。その他の構成は上記引抜装置(31)と同じである。
〔図3:引抜装置(33)〕
プラグ(6)のアプローチ部(8)の後方側にロッド棒(7)に連通する4個の吐出口(13)が、周方向に等間隔で設けられている。潤滑油(L)はロッド棒(7)内を通って前記吐出口(13)から吐出され、素管(10)の内面に吹き付けて付着させる。
〔図4:引抜装置(34)〕
ブラシ型の中子(22)を用いた。前記中子は(22)リング形基体に豚毛を植毛したものであり、取付位置は前記引抜装置(31)と同じく、プラグ(6)と吐出口(12)との間とした。その他の構成は上記引抜装置(31)と同じである。
〔図5:引抜装置(35)〕
図5に示すように、ポリエチレン製のスクレイパー型中子(23)を用いた。前記中子(23)の取付位置は、は前記引抜装置(31)と同じくプラグ(6)と吐出口(12)との間とした。その他の構成は上記引抜装置(31)と同じである。
〔図6:引抜装置(36)〕
内面用潤滑油供給部を具備しない引抜装置である。
各引抜試験において、アルミニウム合金(Mn:1.12質量%、Si:0.11質量%、Fe:0.39質量%、Cu:0.16質量%、Zn:0.01質量%,Mg:0.02質量%を含み、残部アルミニウム及び不可避不純物)からなるビレットを、押出温度:520℃、押出速度5m/分の条件で、外径32mm、肉厚1.5mmの円筒管を押出し、2.2mに切断したものを試験用素管(10)とした。
引抜条件は、引抜速度:30m/分、外径減少率:16%、断面積減少率:32%とした。また、全ての実施例および比較例において、素管(10)の外面に対し、引抜ダイス(1)の手前でノズル(20)から前記潤滑油(L)を1000g/minの割合で連続的に供給した。また、比較例1以外は、予めプラグ(6)に潤滑油(L)を塗布し、このプラグ(6)を素管(10)に挿入して引抜加工を行った。また、外面および内面用潤滑油(L)として、共栄油化株式会社製ストロールES150(粘度:1.4×10−4/s)を用いた。
(比較例1)
図6の引抜装置(35)により、素管(10)の内面に対し予めプラグ(6)に塗布した潤滑油(L)のみを供給して引抜いた。
(比較例2)
図6の引抜装置(35)により、素管(10)の内面に潤滑油を供給することなく、外面にのみ潤滑油(L)を供給して引抜いた。
(参考例1)
図3の引抜装置(33)により、プラグ(6)の吐出口(13)から潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給しながら引抜いた。
(参考例2)
ロッド棒の周壁に吐出口を有する引抜装置において、中子を取付けずに素管(10)の内面に潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給しながら引抜いた。即ち、図1の引抜装置(31)において中子(21)を取り外した状態で、吐出口(12)から潤滑油(L)を素管(10)の内面に吹き付けながら引抜いた。
参考例3)
図5の引抜装置(35)により、ロッド棒(7)の吐出口(12)から潤滑油(L)を300g/minの割合で連続供給しつつ、スクレイパー型の中子(23)で薄く均一に塗り拡げながら引抜いた。
参考例4)
図1の引抜装置(31)により、ロッド棒(7)の吐出口(12)から潤滑油(L)を300g/minの割合で連続供給しつつ、発泡ポリウレタン製の中子(21)で薄く均一に塗り拡げながら引抜いた。
参考例5)
図4の引抜装置(30)により、ロッド棒(7)の吐出口(12)から潤滑油(L)を300g/minの割合で連続供給しつつ、ブラシ型の中子(22)で薄く均一に塗り拡げながら引抜いた。
(実施例6)
図2の引抜装置(32)により、ロッド棒(7)の吐出口(12)から発泡ポリウレタン製中子(21)に潤滑油(L)を300g/minの割合で連続供給しつつ、中子(21)から浸み出させた潤滑油(L)を薄く均一に塗り拡げながら引抜いた。
(参考例7)
図3の引抜装置(33)を、素管(10)側が低くなるように引抜軸を5°傾斜させて固定し、プラグ(6)の吐出口(13)から潤滑油(L)を600g/minの割合で連続供給しながら引抜いた。
各例の引抜管(11)は、引抜装置から搬送コンベアに移載して室温まで放冷し、長さ260mmに切断した。これらの260mm管について、内面の焼付きを目視観察するとともに、フレを下記の方法で測定した。
(フレの測定方法)
図7に示すように、260mm管(40)の両端から10mmの位置をポリエチレン製支持棒(41)に突き当て、管(40)の外面に接触するように3個のダイヤルゲージ(42)をセットした。ダイヤルゲージ(42)の位置は、管(40)の中央と前記各支持棒(41)に可及的に近い部分である。そして、管(40)を回転させ、ダイヤルゲージの読みの最大値と最小値の差をもってフレの値とした。
表1に、各引抜装置および内面への潤滑油供給方法の概要を示すとともに、評価結果を合わせて示す。
Figure 0005426701
表1の結果より、素管の内面に潤滑油を供給しながら引抜くことにより、内面の焼付きを防止するとともにフレ精度を向上しうることを確認した。
本発明の金属管の引抜方法によれば長い素管の引抜きにおいても内面の焼付きを防止できるので、感光ドラム基体用アルミニウム管の量産に適している。
1…引抜ダイス
6…プラグ
7…ロッド棒
10…素管
11…引抜管
12、13…吐出口(内面用潤滑油供給部)
20…ノズル(外面用潤滑油供給部)
21、22、23…中子(内面用潤滑油供給部)
31、32、33、34、35、36…引抜装置
L…潤滑油

Claims (6)

  1. 金属製素管の外面を成形するダイスと内面を成形するプラグと間に通すことで加工する引抜装置において、前記プラグを支持するロッド棒に前記素管の内面に接触した状態に取付けられて、素管の内面に付着させた潤滑油を塗り拡げる中子と、前記素管の内面に潤滑油を供給する内面用潤滑油供給部とを備え、
    前記内面用潤滑油供給部において、前記プラグを支持するロッド棒の外面に開口して素管の内面に向かって潤滑油を吐出させる吐出口を有し、
    前記中子は、前記ロッド棒の吐出口に重ねて取付けられていることを特徴とする金属管の引抜装置。
  2. 前記中子が、多孔質体、ブラシ、板状体のいずれかで構成されている請求項に記載の金属管の引抜装置。
  3. 金属製素管の外面を成形するダイスと内面を成形するプラグとで引抜加工するに際し、
    前記プラグを支持するロッド棒の外面に開口する吐出口から潤滑油を吐出させるとともに、前記ロッド棒の吐出口に重ねて取り付けられた中子を素管の内面に接触させることによって、前記潤滑油を中子を介して素管に付着させ、かつ付着させた潤滑油を中子で塗り拡げながら引抜くことを特徴とする金属管の引抜方法。
  4. 前記中子が、多孔質体、ブラシ、板状体のいずれかで構成されている請求項に記載の金属管の引抜方法。
  5. 前記素管はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる請求項3または4に記載の金属管の引抜方法。
  6. 前記引抜管は感光ドラム基体用の管である請求項に記載の金属管の引抜方法。
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