JP5512149B2 - 剥離剤組成物および剥離シート - Google Patents

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Description

本発明は、剥離剤組成物および剥離シートに関するものである。
従来より、基材と剥離層とを備えた剥離シートの粘着層に対する剥離力を軽くするために、軽剥離コントロール剤として比較的低分子量のポリシロキサンを添加した剥離剤組成物を用いて剥離層を形成することが行われている。
このような剥離剤組成物を用いて形成された剥離層を備えた剥離シートでは、剥離シートを巻き取って保管した際に、剥離層中に含有する軽剥離コントロール剤が、その巻き圧によって、基材側(巻き取ることによって剥離層と接することとなった基材側)へ移行してしまうといった問題があった。このように軽剥離コントロール剤が基材側へ移行してしまうと、粘着層を形成した場合に重剥離化してしまうといった問題があった。
また、滑り性を付与した無溶剤型の剥離剤組成物として、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、軽剥離コントロール剤としての直鎖状または分岐状のオルガノポリシロキサンとを含有する剥離剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような剥離剤組成物を用いて形成された剥離層を備えた剥離シートでは、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの分子量が低く、1分子中のアルケニル基の含有比率が高いため、粘着層を形成した場合に剥離力が大きくなるうえ、剥離シートを巻き取って保管した際に、巻き圧により剥離性が低下し、剥離力の安定性が十分に得られなかった。
特開2003−128925号公報
本発明の目的は、剥離力が小さく、かつ、剥離シートを巻き取って保管した際に、剥離性の低下を防止できる剥離層を形成することが可能な剥離剤組成物を提供すること、そのような剥離層を備えた剥離シートを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
(1) 分子の末端にアルケニル基を備え、分子の側鎖にアリール基を備えたオルガノポリシロキサンAと、
分子の末端にアルケニル基を備え、質量平均分子量が50000〜500000の直鎖状のオルガノポリシロキサンBとを含み、
前記オルガノポリシロキサンBの含有量は、前記オルガノポリシロキサンA100質量部に対して、0.5〜10質量部であることを特徴とする剥離剤組成物。
(2) 前記オルガノポリシロキサンAの質量平均分子量は、5000〜100000である上記(1)に記載の剥離剤組成物。
) ケイ素原子と結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む上記(1)または(2)に記載の剥離剤組成物。
) 触媒として、白金族金属系化合物を含む上記(1)ないし()のいずれかに記載の剥離剤組成物。
) 25℃における粘度が、50〜600mPa・sであり、かつ、有機溶剤を含有しない上記(1)ないし()のいずれかに記載の剥離剤組成物。
) 前記オルガノポリシロキサンAの1分子中に含まれるアリール基の含有量は、0.5〜20質量%である上記(1)ないし()のいずれかに記載の剥離剤組成物。
) 上記(1)ないし()のいずれかに記載の剥離剤組成物を用いて形成された剥離層を備えることを特徴とする剥離シート。
本発明によれば、剥離力が小さく、かつ、剥離シートを巻き取って保管した際に、剥離性の低下を防止できる剥離層を形成することが可能な剥離剤組成物を提供することができる。また、そのような剥離層を備えた剥離シートを提供することができる。
以下、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
《剥離シート》
まず、本発明の剥離シートについて説明する。
本発明の剥離シートは、少なくとも、基材と、該基材の一方の面側に形成された剥離層とを備えている。
基材は、剥離層を支持する機能を有するものである。
基材を構成する材料としては、特に制限はなく、従来剥離シートの基材として知られている公知の基材の中から、適宜選択して用いることができる。そのような基材としては、例えば、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリメチルペンテンなどのポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、酢酸セルロース系フィルムなどのプラスチックフィルムや、これらを含む積層シートなどが挙げられる。
基材の平均坪量は、特に限定されないが、10〜200g/mであるのが好ましく、30〜150g/mであるのがより好ましい。
剥離層は、剥離シートに剥離性を付与する機能を有している。
剥離層は、後述するような本発明の剥離剤組成物を用いて形成されたものである。
剥離層の平均坪量は、特に限定されないが、0.01〜20g/mであるのが好ましく、0.1〜10g/mであるのがより好ましい。
なお、剥離層は、基材の表面に直接形成されたものであってもよいし、任意の材料で構成された中間層を介して基材の一方の面側に設けられたものであってもよい。
このような剥離シートは、基材上に、後述するような本発明の剥離剤組成物を付与し、付与した本発明の剥離剤組成物を加熱等によって硬化させることにより製造することができる。
《剥離剤組成物》
次に、本発明の剥離剤組成物について、詳細に説明する。
本発明の剥離剤組成物は、分子の末端にアルケニル基を備え、かつ、分子の側鎖にアリール基を備えたオルガノポリシロキサンAと、分子の末端にアルケニル基を備え、かつ、質量平均分子量が50000〜500000の直鎖状のオルガノポリシロキサンBとを含むことに特徴を有している。
このような特徴を有することにより、形成される剥離層は、剥離力が小さく、また、剥離シートを巻き取って保管した際に、剥離性の低下が防止され、安定した剥離性を有するものとなる。
より詳細に説明すると、上記のような剥離剤組成物が硬化することによって形成される剥離層は、剥離層の基材側の架橋点密度に対して表層側の架橋点密度が低くなっている。言い換えると、その表面(剥離面)付近に、オルガノポリシロキサンBに由来する硬化成分が偏析しており、これによって、架橋点密度が上記のようになっている。このように偏析していることにより、高い剥離性を得ることができる。このような偏析は、オルガノポリシロキサンAがその分子側鎖に嵩高いアリール基を有しているため、オルガノポリシロキサンAとは分子構造、極性、分子量等の異なるオルガノポリシロキサンBが表面付近に押し上げられることにより生じるものと考えられる。また、表面付近に偏析することにより、オルガノポリシロキサンBの添加量が少ない場合であっても高い剥離性を付与することができる。また、オルガノポリシロキサンBは、分子の末端に架橋反応に寄与するアルケニル基を備えているため、オルガノポリシロキサンAと架橋剤によって架橋され、偏析した状態で剥離層中に固定化される。これにより、剥離シートを巻き取って保管した際に、巻き取ったことによって剥離層と接触することとなった基材(基材背面)に、その巻き圧により剥離層の剥離性付与成分(オルガノポリシロキサンB)が移行するのを防止することができ、安定した剥離性能を発揮させることができる。
なお、架橋点密度は、架橋前のオルガノポリシロキサンAおよびBの分子中に含まれるアルケニル基等の架橋し得る官能基の数(架橋点数)の、重合度に対する比率(架橋点数/重合度)として計算される値である。
以下、本発明の剥離剤組成物の構成成分について詳細に説明する。
[オルガノポリシロキサンA]
オルガノポリシロキサンAは、分子の末端にアルケニル基を備え、かつ、分子の側鎖にアリール基を備えている。
オルガノポリシロキサンAは、剥離剤組成物の主剤であり、剥離剤組成物に基材への塗布性を付与する成分であるとともに、剥離剤組成物の硬化に寄与する成分である。
本発明で用いるオルガノポリシロキサンAの質量平均分子量は、5000〜100000であるのが好ましく、7000〜80000であるのがより好ましい。オルガノポリシロキサンAの質量平均分子量が上記範囲のものであると、剥離剤組成物の基材への塗布性をより効果的に良好なものとすることができる。
また、本発明で用いるオルガノポリシロキサンAは、具体的には、下記一般式(I)で表される化合物であるのが好ましい。
SiO(RSiO)(RRSiO)SiR … (I)
(式(I)中に複数存在するRは、同一または異種の炭化水素基であり、かつ、少なくとも、その一部がアリール基である。また、式(I)中、Rは炭素数2〜10のアルケニル基、RはRまたはRと同じ置換基であり、m、nは自然数である。)
オルガノポリシロキサンAが備えるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜10のものが挙げられる。
オルガノポリシロキサンAの1分子中に含まれるアルケニル基の含有量は、0.1〜1.5質量%であるのが好ましく、0.2〜1質量%であるのがより好ましい。これにより、良好な強度を備えた剥離層を形成することができる。
また、上記式(I)中に複数存在するRは、少なくともその一部がアリール基である。オルガノポリシロキサンAがこのように嵩高い基を備えることにより、剥離剤組成物が硬化する際に、後述するオルガノポリシロキサンBが剥離層の表面付近に押し出され、形成される剥離層中において、オルガノポリシロキサンBに由来する硬化物を表面付近に偏在させることができ、剥離シートに高い剥離性を付与することができる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
オルガノポリシロキサンAの1分子中に含まれるアリール基の含有量は、0.5〜20質量%であるのが好ましく、1〜10質量%であるのがより好ましい。これにより、形成する剥離層中において、オルガノポリシロキサンBに由来する硬化物を表面付近により効果的に偏在させることができ、剥離シートに高い剥離性をより確実に付与することができる。
また、上記式(I)中に複数存在するRの一部は、アリール基以外の炭化水素基であってもよい。このような炭化水素基は、炭素数が1〜12の炭化水素基であるのが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であるのがより好ましい。このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、オルガノポリシロキサンAが、Rとして、アリール基以外に、上記のような炭化水素基を備えている場合、該炭化水素基は、80モル%以上がメチル基であるのが好ましい。これにより、剥離剤組成物の硬化性をより優れたものとすることができるとともに、形成される剥離層の剥離性をより優れたものとすることができる。
オルガノポリシロキサンAの25℃における粘度は、50〜600mPa・sであるのが好ましく、100〜500mPa・sであるのがより好ましい。これにより、剥離剤組成物の基材への塗布性をより優れたものとすることができる。
また、剥離剤組成物中におけるオルガノポリシロキサンAの含有量は、50〜98質量%であるのが好ましく、70〜95質量%であるのがより好ましい。これにより、剥離剤組成物の基材への塗布性をより優れたものとすることができるとともに、剥離剤組成物の硬化性を特に優れたものとすることができる。
[オルガノポリシロキサンB]
オルガノポリシロキサンBは、分子の末端にアルケニル基を備えた直鎖状の化合物であり、その質量平均分子量が50000〜500000の化合物である。
オルガノポリシロキサンBは、形成される剥離層に優れた剥離性を付与する成分である。
オルガノポリシロキサンBは、側鎖にアルケニル基、ヒドロシリル基等の反応性の官能基やアリール基を有さない方が好ましく、前述したオルガノポリシロキサンAよりも分子量が高い方が好ましい。このようにすることにより、剥離剤組成物が硬化する際に、オルガノポリシロキサンAとは分子構造、極性等の異なるオルガノポリシロキサンBが、剥離層表面付近に押し出され易くなり、形成される剥離層の表面付近にオルガノポリシロキサンBに由来する硬化物がより偏析し易くなる。これにより、得られる剥離シートは、優れた剥離性を発揮するものとなる。また、オルガノポリシロキサンBは、上述したように分子末端にアルケニル基を有しているため、剥離剤組成物を硬化させる際に、オルガノポリシロキサンAと架橋され、剥離層中の表面付近に固定化される。その結果、得られる剥離シートを巻き取って保管した際に、その巻き圧によって、オルガノポリシロキサンBが基材の背面に移行するのを防止することができ、剥離シートに安定した剥離性を付与することができる。
上述したように、オルガノポリシロキサンBの質量平均分子量は、50000〜500000であるが、100000〜500000であるのが好ましく、200000〜500000であるのがより好ましい。これにより、上述したような効果をより顕著なものとすることができる。
本発明で用いるオルガノポリシロキサンBは、具体的には、下記一般式(II)で表される化合物であるのが好ましい。
(3−a)SiO(R SiO)SiR (3−b) … (II)
(式(II)中、Rは脂肪族不飽和結合を有しない同一または異種の1価の炭化水素基、Rは炭素数2〜10のアルケニル基、Rは脂肪族不飽和結合を有しない同一または異種の1価の炭化水素基であり、a、b、pは自然数で、1≦a≦3、1≦b≦3である。)
オルガノポリシロキサンBが備えるアルケニル基としては、上記オルガノポリシロキサンAで述べたのと同様に、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜10のものが挙げられる。
また、上記式(II)中のRおよびRは、脂肪族不飽和結合を有しない同一または異種の炭化水素基であり、このような炭化水素基は、炭素数が1〜12の炭化水素基であるのが好ましく、炭素数が1〜10の炭化水素基であるのがより好ましい。このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。該炭化水素基は、アリール基を含まない方が好ましく、80モル%以上がメチル基であるのが好ましい。これにより、形成される剥離層の剥離性をより優れたものとすることができる。
剥離剤組成物中におけるオルガノポリシロキサンBの含有量は、前述したオルガノポリシロキサンA100質量部に対して、0.5〜10質量部であるのが好ましく、1〜8質量部であるのがより好ましい。これにより、オルガノポリシロキサンBに由来する硬化物を剥離層の表面付近により確実に偏析させることができ、得られる剥離シートの剥離性をより効果的に向上させることができる。
[その他の成分]
また、本発明の剥離剤組成物は、上記成分の他、架橋剤や、触媒、反応抑制剤、密着向上剤等が含まれていてもよい。
架橋剤としては、例えば1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン、具体的には、ジメチルハイドロジェンシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖ジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ基末端封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)等が挙げられる。
剥離剤組成物中に架橋剤が含まれている場合、剥離剤組成物中の架橋剤の含有量は、上記オルガノポリシロキサンA100質量部に対して、1〜30質量部であるのが好ましく、1.5〜20質量部であるのがより好ましい。これにより、形成する剥離層中にオルガノポリシロキサンBをより確実に固定化することができ、安定した剥離性を備えた剥離シートをより容易に提供することができる。
また、触媒としては、微粒子状白金、炭素粉末担体上に吸着された微粒子状白金、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、パラジウム、ロジウム等の白金属金属系化合物等が挙げられる。このような触媒を用いることにより、剥離剤組成物の硬化反応をより効率よく進行させることができる。
このような触媒は、触媒以外の成分の合計量に対し、白金族金属としての添加量が1〜1000ppm程度となるように添加するのが好ましい。
上記のような成分で構成された剥離剤組成物の25℃における粘度は50〜600mPa・sであるのが好ましく、200〜500mPa・sであるのがより好ましい。これにより、剥離剤組成物の基材への塗布性をより良好なものとすることができる。
また、上述したような剥離剤組成物は、有機溶剤を含有していないのが好ましい。これにより、環境に優しい剥離剤組成物を提供することができる。
以上、本発明の剥離剤組成物および剥離シートの好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の剥離シートの製造は、前述した方法に限定されない。
なお、本明細書において粘度とは、JIS K7117−1の4.1(ブルックフィールド形回転粘度計)に準拠し、25℃において測定されたものである。
また、質量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、各オルガノポリシロキサンを測定し、ポリスチレン換算値として求めたものをいう。測定条件は以下の通りである。
測定装置:Shodex GPC SYSTEM-21H(商品名、昭和電工社製)
カラム:Waters, styragel(R) HR5E を2本使用
測定溶媒:クロロホルム 測定温度:40℃
流量:1.0ml/分 試料濃度:1.0%
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[1]剥離シートの作製
(実施例1)
まず、フェニル基の含有量が4.6質量%である分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン−メチルフェニルポリシロキサン共重合体(オルガノポリシロキサンA、質量平均分子量:10000、粘度:200mPa・s):100質量部、分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン(オルガノポリシロキサンB、質量平均分子量:400000):1.1質量部、架橋剤としての分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン:3.0質量部、反応抑制剤としての3−メチル−1−ブチン−3−オール:0.11質量部を用意した。
次に、上記成分と、白金錯体を白金換算で上記成分の合計に対して200ppmとなるように混合し、剥離剤組成物を得た。得られた剥離剤組成物の25℃における粘度は250mPa・sであった。
次に、基材としてのグラシン紙(坪量80g/m)を用意し、当該基材上に上記剥離剤組成物を塗布量:1.0g/mとなるように均一に塗布した。その後、110℃で30秒間加熱処理を施して剥離剤組成物を硬化させ、剥離シートを得た。
(実施例2、3)
オルガノポリシロキサンBとしての分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサンの含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離シートを製造した。
(実施例4)
オルガノポリシロキサンAとして、フェニル基の含有量が5.1質量%である分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン−メチルフェニルポリシロキサン共重合体(質量平均分子量:12000、粘度:230mPa・s)を用いた以外は、前記実施例3と同様にして剥離シートを製造した。
(実施例5)
オルガノポリシロキサンAとして、フェニル基の含有量が2.3質量%である分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン−メチルフェニルポリシロキサン共重合体(質量平均分子量:8000、粘度:190mPa・s)を用いた以外は、前記実施例3と同様にして剥離シートを製造した。
(実施例6、7)
オルガノポリシロキサンBとして、表1に示すものを用いた以外は、前記実施例2と同様にして剥離シートを製造した。
(比較例1)
まず、ビニル基の含有量が3.6質量%である分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン−メチルビニルポリシロキサン共重合体(質量平均分子量:5000、粘度:170mPa・s):100質量部、分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン(オルガノポリシロキサンB、質量平均分子量:400000):3.6質量部、架橋剤としての分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン:17.2質量部を用意した。
次に、上記成分と、白金錯体を白金換算で上記成分の合計に対して200ppmとなるように混合し、剥離剤組成物を得た。得られた剥離剤組成物の25℃における粘度は420mPa・sであった。
次に、基材としてのグラシン紙(坪量80g/m)を用意し、当該基材上に上記剥離剤組成物を塗布量:1.0g/mとなるように均一に塗布した。その後、110℃で30秒間加熱処理を施して剥離剤組成物を硬化させ、剥離シートを得た。
(比較例2)
まず、ビニル基の含有量が1.2質量%である分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン−メチルビニルポリシロキサン共重合体(質量平均分子量:10000、粘度:200mPa・s):100質量部、分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン(オルガノポリシロキサンB、質量平均分子量:400000):3.4質量部、架橋剤としての分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン:5.0質量部、反応抑制剤としての3−メチル−1−ブチン−3−オール:0.17質量部を用意した。得られた剥離剤組成物の25℃における粘度は360mPa・sであった。
次に、上記成分と、白金錯体を白金換算で上記成分の合計に対して100ppmとなるように混合し、剥離剤組成物を得た。
次に、基材としてのグラシン紙(坪量80g/m)を用意し、当該基材上に上記剥離剤組成物を塗布量:1.0g/mとなるように均一に塗布した。その後、110℃で30秒間加熱処理を施して剥離剤組成物を硬化させ、剥離シートを得た。
(比較例3)
まず、フェニル基の含有量が4.6質量%である分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン−メチルフェニルポリシロキサン共重合体(オルガノポリシロキサンA、質量平均分子量:10000、粘度:200mPa・s):100質量部、架橋剤としての分子鎖両末端トリメチルシリル基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン:3.0質量部、反応抑制剤としての3−メチル−1−ブチン−3−オール:0.11質量部を用意した。
次に、上記成分と、白金錯体を白金換算で上記成分の合計に対して200ppmとなるように混合し、剥離剤組成物を得た。得られた剥離剤組成物の25℃における粘度は240mPa・sであった。
次に、基材としてのグラシン紙(坪量80g/m)を用意し、当該基材上に上記剥離剤組成物を塗布量:1.0g/mとなるように均一に塗布した。その後、110℃で30秒間加熱処理を施して剥離剤組成物を硬化させ、剥離シートを得た。
上記各実施例および各比較例における、オルガノポリシロキサンAのアリール基の含有量、質量平均分子量、25℃における粘度、オルガノポリシロキサンBの質量平均分子量、含有量、他の成分の含有量、剥離剤組成物の25℃における粘度等を表1に示した。なお、比較例1および2におけるオルガノポリシロキサンBおよび架橋剤の含有量は、分子鎖両末端ジメチルビニルシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン−メチルビニルポリシロキサン共重合体100質量部に対するものを示した。
Figure 0005512149
[2]評価
[2−1]剥離力試験
各実施例および各比較例で作製した剥離シートの剥離層上に、アクリル酸エステル共重合体(モノマー組成:アクリル酸−2−エチルヘキシル49質量部、アクリル酸ブチル50質量部、アクリル酸1質量部)を含むアクリルエマルション系粘着剤(固形分60質量%)を塗工量30g/mとなるように塗工し、100℃で2分間加熱処理を施した。
次に、この処理面に上質紙(日本製紙製:NPiフォーム64g/m)を貼り合わせ、温度23℃・湿度50%RHの条件下に1日放置後、剥離力Aを測定し、以下の4段階の基準に従い評価した。
なお、剥離力Aの測定は、万能引っ張り試験機(オリエンテック製:TENSILON UTM−4−100)を用いて、温度23℃・湿度50%RHの条件下で、180°の方向に0.3m/minの速度で剥離シートを剥離した。
(剥離力A)
◎:剥離力Aが200mN/50mm以下。
○:剥離力Aが200mN/50mmよりも大きく、300mN/50mm以下。
△:剥離力Aが300mN/50mmよりも大きく、350mN/50mm以下。
×:剥離力Aが350mN/50mmよりも大きい。
[2−2]剥離安定性試験
各実施例および各比較例で作製した剥離シートの剥離層上に、坪量80g/mのグラシン紙を重ね合わせ、その上に50kg/cmの加重を掛けて、23℃24時間エージングを行った。
その後、グラシン紙を除去して露出した剥離層上に、アクリルエマルション系粘着剤を塗工量30g/mとなるように塗工し、100℃で2分間加熱処理を施した。
次に、この処理面に上質紙(日本製紙製:NPiフォーム64g/m)を貼り合わせ、温度23℃・湿度50%RHの条件下に1日放置後、剥離力Bを測定し、以下の4段階の基準で剥離力を評価した。
また、上記[2−1]で測定した剥離力Aを用いて剥離安定率を算出し、以下の基準に従い剥離安定性を評価した。なお、剥離安定率は、剥離力B/剥離力Aにより算出した。
(剥離力B)
◎:剥離力Bが200mN/50mm以下。
○:剥離力Bが200mN/50mmよりも大きく、300mN/50mm以下。
△:剥離力Bが300mN/50mmよりも大きく、350mN/50mm以下。
×:剥離力Bが350mN/50mmよりも大きい。
(剥離安定性)
○:剥離力B/剥離力Aが0.5〜2。
×:剥離力B/剥離力Aが2よりも大きい。
これらの結果を表2に示す。
Figure 0005512149
表2から明らかなように、本発明の剥離剤組成物を用いて作製された剥離シートは、剥離力が小さく、また、剥離安定性に優れたものであった。これに対して、比較例では満足な結果が得られなかった。

Claims (7)

  1. 分子の末端にアルケニル基を備え、分子の側鎖にアリール基を備えたオルガノポリシロキサンAと、
    分子の末端にアルケニル基を備え、質量平均分子量が50000〜500000の直鎖状のオルガノポリシロキサンBとを含み、
    前記オルガノポリシロキサンBの含有量は、前記オルガノポリシロキサンA100質量部に対して、0.5〜10質量部であることを特徴とする剥離剤組成物。
  2. 前記オルガノポリシロキサンAの質量平均分子量は、5000〜100000である請求項1に記載の剥離剤組成物。
  3. ケイ素原子と結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む請求項1または2に記載の剥離剤組成物。
  4. 触媒として、白金族金属系化合物を含む請求項1ないしのいずれかに記載の剥離剤組成物。
  5. 25℃における粘度が、50〜600mPa・sであり、かつ、有機溶剤を含有しない請求項1ないしのいずれかに記載の剥離剤組成物。
  6. 前記オルガノポリシロキサンAの1分子中に含まれるアリール基の含有量は、0.5〜20質量%である請求項1ないしのいずれかに記載の剥離剤組成物。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載の剥離剤組成物を用いて形成された剥離層を備えることを特徴とする剥離シート。
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