JP2006152265A - 硬化性シリコーン剥離剤組成物及びそれを使用してなる剥離紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)25℃における粘度が50〜500mPa.sである分子鎖末端にのみケイ素原子に結合したアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン、(B)25℃における粘度が50,000〜500,000mPa.sである分子鎖末端にのみケイ素原子に結合したアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン、(C)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも8個有し、25℃における粘度が3〜15mPa.sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)触媒量の白金族金属系触媒を必須成分とし、有機溶剤を含有しない硬化性シリコーン剥離剤組成物。
【選択図】 なし
Description
(1)白金系化合物を触媒として、脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを付加反応させて剥離性皮膜を形成する方法、
(2)有機錫化合物などの有機酸金属塩触媒を使用し、オルガノポリシロキサンを縮合反応させて剥離性皮膜を形成する方法、
(3)アクリル基を含有するオルガノポリシロキサンと光反応開始剤との組成物に紫外線を照射して剥離性皮膜を形成する方法、
(4)アクリル基を含有するオルガノポリシロキサンに電子線を照射して剥離性皮膜を形成する方法、などが知られている。また、形態としては、トルエン等の有機溶剤に溶解する溶剤タイプ、シリコーンをエマルジョン化したエマルジョンタイプ、シリコーンのみからなる無溶剤タイプに分類される。
このように、本報で目標とする上記性能の全ての要求を、白金触媒増量なしで満足できる無溶剤タイプの付加反応型剥離剤組成物はこれまで困難であった。
即ち、本発明は、下記(A)〜(D)成分を必須成分とし、25℃における粘度が100〜1,000mPa.sの範囲内であり、有機溶剤を含有しない、硬化性シリコ−ン剥離剤組成物である。
(ここで、R1はアルケニル基、Rは脂肪族不飽和結合を含有しない同種又は異種の一価の炭化水素基であり、35≦p+q≦350、aは1≦a≦6の整数)で示され、25℃における粘度が50〜500mPa.sである分子鎖末端にのみケイ素原子に結合したアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン 100質量部、
(ここで、R1はアルケニル基、Rは脂肪族不飽和結合を含有しない同種又は異種の一価の炭化水素基であり、1,000≦r+s≦3,000,bは0または1)で示され、25℃における粘度が50,000〜500,000mPa.sである分子鎖末端にのみケイ素原子に結合したアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン 3.0〜15.0質量部、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも8個有し、25℃における粘度が3〜15mPa.sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、1.0〜10.0質量部、
(D)触媒量の白金族金属系触媒 触媒量
かかるシリコーン組成物が、剥離性ライナーを提供することを知見し、本発明をなすに至った。
また、シリコーン組成物の硬化性、密着性、剥離力、残留接着率、シリコーン移行性は下記の方法により測定した。
シリコーン組成物を薄膜状フィルム又はシート状の基材表面に所定量塗布し、所定温度の熱風式乾燥機中で加熱して、形成される硬化皮膜を指で数回こすり、くもり及び脱落のない状態になるまでの時間(秒数)を測定し、これを以って硬化性とする。
シリコーン組成物を薄膜状フィルム又はシート状の基材表面に所定量塗布し、所定温度の熱風式乾燥機中で所定時間加熱して、硬化皮膜を成形した後、25℃、湿度70%の雰囲気で5日間及び10日間保管した後、シリコーン硬化皮膜を指で10往復こすり、脱落の有無を評価する。
脱落なし:○
脱落あり:×
シリコーン組成物を薄膜状フィルム又はシート状の基材表面に所定量塗布し、所定温度の熱風式乾燥機中で所定時間加熱して、硬化皮膜を成形した後、25℃で24時間、セパレーターでエイジング後、この硬化皮膜表面にアクリル系溶剤型粘着剤・オリバインBPS−5127(東洋インキ製造株式会社製商品名)をウエットで130μmの厚さに塗布して、100℃で3分間加熱処理する。次に、この処理面に、坪量64g/m2の上質紙を貼り合わせ、25℃で20時間エイジングさせた後、試料を50mm幅に切断し、引張り試験機を用いて180度の角度で剥離速度0.3m/分で、貼り合わせ紙を引張り、剥離させるのに要する力(N)を、株式会社島津製作所製DSC−500型試験機を用いて測定する。
剥離力測定の場合と同様にして、基材表面に形成されたシリコーン組成物の硬化皮膜の表面にポリエステルテープ(商品名:No.31Bテ−プ、日東電工株式会社製)を貼り合わせ、1.96KPaの荷重を載せて70℃で20時間エイジングした後、テープを剥がして、ステンレス板に貼り付ける。次に、このテープをステンレス板から180度の角度で剥離速度0.3m/分で剥がし、剥離させるのに要する力A(N)を測定する。また、ブランクとしてポリエステルテープをテフロン(デュポン社の登録商標)板に貼り合わせ、同様に処理したテープをステンレス板から剥離するのに要する力B(N)を測定し、(A/B)×100の値を残留接着率(%)とする。
剥離力測定の場合と同様にして、基材表面に形成されたシリコーン組成物の硬化皮膜の表面に、厚さ36μmのPETフィルムを重ね、室温で、0.98MPaで、20時間圧着した後、シリコーン塗工面に接した側のPETフィルム面に油性のインキ(商品名:マジックインキ、寺西化学工業株式会社製)を塗布し、そのハジキ具合により下記の評価基準で、シリコーンオイルの移行性を評価する。
インキのハジキなし:○、
インキのハジキあり:×。
20mm×20mm×2mmのネオプレンブタジエンラバー(NBR)を200gの分銅の下面に貼り付けた。これを剥離力測定の場合と同様にして、基材表面に形成されたシリコーン組成物の硬化皮膜の表面に載せて水平方向に0.3m/分の速度で同様に引張り試験機を用いて安定状態になったときの力C(N)を測定する。
動摩擦係数:C/(200×0.0098) の値をもって滑り性の評価とする。
B型回転粘度計により、25℃における粘度を測定した。(JIS−Z−8803)
(A)成分として下記式(4)及び表1の平均組成式(A−1)で示される、粘度が280mPa.sの分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された分岐状のジメチルポリシロキサン100部、(B)成分として下記式(4)及び表1の平均組成式(B−1)で示される、粘度が100,000mPa.sである分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン6.9部、(C)成分として下記式(5)及び表1の平均組成式(C−1)で示される、粘度が8.5mPa.sである分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された分岐状のメチルハイドロジェンポリシロキサン4.3部[SiH/(SiCH=CH2)=1.8]、更に任意成分として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.2部及び、1,1−ジメチルプロピニルオキシトリメチルシラン0.6部を加え、均一になるまで攪拌した後、(D)成分として、式:Pt/[H2C=C(CH3)2Si]2Oで示される白金とビニルシロキサンとの錯体を上記ジメチルポリシロキサンに対して白金換算で100ppmになるように添加し、粘度392mPa.sのシリコーン組成物を調製した。
実施例1中で(C)成分として下記式(5)及び表1の平均組成式(C−2)で示される、粘度が20mPa.sである分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキサン3.6部[SiH/(SiCH=CH2)=1.8]とした以外は実施例1と同様にして粘度が414mPa.sであるシリコーン組成物を調製し、実施例1と同様の物性試験を行い、結果を表2に示した。
実施例1中で(C)成分として下記式(5)及び表1の平均組成式(C−3)で示される、粘度が2.5mPa.sである分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキサン4.8部[SiH/(SiCH=CH2)=1.8]とした以外は実施例1と同様にして粘度が366mPa.sであるシリコーン組成物を調製し、実施例1と同様の物性試験を行い、結果を表2に示した。
実施例1中で(A)成分として下記式(4)及び表1の平均組成式(A−2)で示される、粘度が380mPa.sの分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンとし、(C)成分の配合量を2.4部、[SiH/(SiCH=CH2)=1.8]とした以外は実施例1と同様にして粘度が570mPa.sであるシリコーン組成物を調製し、実施例1と同様の物性試験を行い、結果を表2に示した。
実施例1中で(B)成分を使用しなかった以外は実施例1と同様にして粘度が225mPa.sであるシリコーン組成物を調製し、実施例1と同様の物性試験を行い、結果を表2に示した。
実施例1中で(B)成分の配合量を20部とした以外は実施例1と同様にして粘度が950mPa.sであるシリコーン組成物を調製し、実施例1と同様の物性試験を行い、結果を表2に示した。
実施例1中で(C)成分として下記式(5)及び表1の平均組成式(C−4)で示される、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ジメチルシロキサン単位を33.3モル%有する粘度が5.5mPa.sであるメチルハイドロジェンポリシロキサン6.9部、[SiH/(SiCH=CH2)=1.8]とした以外は実施例1と同様にして粘度が370mPa.sであるシリコーン組成物を調製し、実施例1と同様の物性試験を行い、結果を表2に示した。
(A)成分として下記式(4)及び表1の平均組成式(A−3)で示される、粘度が230mPa.sの分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された分岐状のジメチルポリシロキサン100部、(B)成分として下記式(4)及び表1の平均組成式(B−2)で示される、粘度が80,000mPa.sである分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン8部、(C)成分として下記式(5)及び表1の平均組成式(C−5)で示される、粘度が6.6mPa.sである分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキサン4.7部[SiH/(SiCH=CH2)=1.9]、更に任意成分として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.2部及び、1,1−ジメチルプロピニルオキシトリメチルシラン0.6部を加え、均一になるまで攪拌した後、(D)成分として、式:Pt/[H2C=C(CH3)2Si]2Oで示される白金とビニルシロキサンとの錯体を上記ジメチルポリシロキサンに対して白金換算で100ppmになるように添加し、粘度370mPa.sのシリコーン組成物を調製し実施例1と同様の物性試験を行い、結果を表2に示した。
(A)成分として下記式(4)及び表1の平均組成式(A−1)で示される、粘度が280mPa.sの分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された分岐状のジメチルポリシロキサン100部、(B)成分として下記式(4)及び表1の平均組成式(B−3)で示される、粘度が200,000mPa.sである分子鎖末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された分岐状ジメチルポリシロキサン5部、(C)成分として下記式(5)及び表1の平均組成式(C−6)で示される、粘度が4.6mPa.sである分子鎖両末端がトリメチルメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキサン4.1部[SiH/(SiCH=CH2)=1.8]、更に任意成分として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.2部及び、1,1−ジメチルプロピニルオキシトリメチルシラン0.6部を加え、均一になるまで攪拌した後、(D)成分として、式:Pt/[H2C=C(CH3)2Si]2Oで示される白金とビニルシロキサンとの錯体を上記ジメチルポリシロキサンに対して白金換算で100ppmになるように添加し、粘度380mPa.sのシリコーン組成物を調製し実施例1と同様の物性試験を行い、結果を表2に示した。
本発明のシリコーン組成物は低温での硬化性が良好で,薄膜塗工性、基材への密着性に優れ、シリコーン移行なく、しかも滑り性の良好である剥離性能のすぐれた無溶剤型のシリコーン硬化性皮膜の形成が可能である。
Claims (3)
- 下記(A)〜(D)成分を必須成分とし、25℃における粘度が100〜1,000mPa.sの範囲内であり、有機溶剤を含有しない硬化性シリコーン剥離剤組成物。
(A)下記一般式(1)
(ここで、R1はアルケニル基、Rは脂肪族不飽和結合を含有しない同種又は異種の一価の炭化水素基であり、35≦p+q≦350、aは1≦a≦6の整数)で示され、25℃における粘度が50〜500mPa.sである分子鎖末端にのみケイ素原子に結合したアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)下記一般式(2)
(ここで、R1はアルケニル基、Rは脂肪族不飽和結合を含有しない同種又は異種の一価の炭化水素基であり、1,000≦r+s≦3,000、bは0または1)で示され、25℃における粘度が50,000〜500,000mPa.sである分子鎖末端にのみケイ素原子に結合したアルケニル基を有するジオルガノポリシロキサン 3.0〜15.0質量部、
(C)ケイ素原子に結合した水素原子を一分子中に少なくとも8個有し、25℃における粘度が3〜15mPa.sであるオルガノハイドロジェンポリシロキサン 1.0〜10.0質量部、
(D)触媒量の白金族金属系触媒 触媒量 - 請求項1及び2に記載の剥離剤組成物の硬化皮膜が形成されてなる剥離紙。
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