JP2927504B2 - 変性シリコーン乳化物 - Google Patents
変性シリコーン乳化物Info
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- JP2927504B2 JP2927504B2 JP14414990A JP14414990A JP2927504B2 JP 2927504 B2 JP2927504 B2 JP 2927504B2 JP 14414990 A JP14414990 A JP 14414990A JP 14414990 A JP14414990 A JP 14414990A JP 2927504 B2 JP2927504 B2 JP 2927504B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は変性シリコーン化合物を水に乳化させた変性
シリコーン乳化物に関し、更に詳しくは、優れた撥水
性、防水性、剥離性、防汚性、撥油・耐油性、滑性等、
特に優れた撥油・耐油性及び防汚性を簡便に付与でき、
また従来のパラフィン系ワックスと容易に混合してパラ
フィンワックスを改質でき、更に被膜形成ポリマーと併
用して前記撥水性等の優れた物性を有する強固な連続被
膜を与える変性シリコーン乳化物に関する。
シリコーン乳化物に関し、更に詳しくは、優れた撥水
性、防水性、剥離性、防汚性、撥油・耐油性、滑性等、
特に優れた撥油・耐油性及び防汚性を簡便に付与でき、
また従来のパラフィン系ワックスと容易に混合してパラ
フィンワックスを改質でき、更に被膜形成ポリマーと併
用して前記撥水性等の優れた物性を有する強固な連続被
膜を与える変性シリコーン乳化物に関する。
従来、紙基材等に防水性、剥離性、滑性等を付与する
目的で、パラフィン系ワックス乳化物が多用されてい
る。しかし、パラフィン系ワックス乳化物では、防水紙
を製造する場合、乳化物中の乳化剤が防水性に悪影響を
与えるため、乳化剤の少ないものを用いる必要がある。
しかし、乳化剤を減らすと乳化物の安定性が落ち、やや
もすると防水性を犠牲にせざるを得ない。一方、撥水
性、防水性と同時に撥油・耐油性が要求される場合があ
るが、パラフィン系ワックスではその性能は殆ど期待で
きない。
目的で、パラフィン系ワックス乳化物が多用されてい
る。しかし、パラフィン系ワックス乳化物では、防水紙
を製造する場合、乳化物中の乳化剤が防水性に悪影響を
与えるため、乳化剤の少ないものを用いる必要がある。
しかし、乳化剤を減らすと乳化物の安定性が落ち、やや
もすると防水性を犠牲にせざるを得ない。一方、撥水
性、防水性と同時に撥油・耐油性が要求される場合があ
るが、パラフィン系ワックスではその性能は殆ど期待で
きない。
他方、撥水性、防水性、剥離性、滑性等を付与するた
めに、シリコーンオイルの乳化物が多用されている。し
かし、シリコーンオイルもパラフィン系ワックス同様親
油性であり、撥油・耐油性は期待できない。
めに、シリコーンオイルの乳化物が多用されている。し
かし、シリコーンオイルもパラフィン系ワックス同様親
油性であり、撥油・耐油性は期待できない。
本発明はかかる実情に鑑み、特定の変性シリコーン化
合物の乳化物を単独で、あるいはパラフィン系ワックス
及び/又は被膜形成ポリマーとの組み合わせて得られる
乳化物を塗工することにより、安価且つ簡便に、乳化剤
の種類や量に殆ど左右されることなしに、塗工表面層に
優れた撥水性、防水性、防湿性、剥離性、防汚性、撥油
・耐油性、滑性等、特に優れた撥油・耐油性及び防汚性
を付与できることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。
合物の乳化物を単独で、あるいはパラフィン系ワックス
及び/又は被膜形成ポリマーとの組み合わせて得られる
乳化物を塗工することにより、安価且つ簡便に、乳化剤
の種類や量に殆ど左右されることなしに、塗工表面層に
優れた撥水性、防水性、防湿性、剥離性、防汚性、撥油
・耐油性、滑性等、特に優れた撥油・耐油性及び防汚性
を付与できることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。
即ち、本発明はポリメチルハイドロジェンシロキサン
及び/又はメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチル
シロキサンコポリマーに、末端に二重結合を少なくとも
1個有する炭化水素化合物を付加反応させ、側鎖に前記
炭化水素化合物をグラフト重合した変性シリコーン化合
物を乳化剤を用いて水に乳化させてなる撥油、耐油性に
優れた変性シリコーン乳化物を内容とするものである。
及び/又はメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチル
シロキサンコポリマーに、末端に二重結合を少なくとも
1個有する炭化水素化合物を付加反応させ、側鎖に前記
炭化水素化合物をグラフト重合した変性シリコーン化合
物を乳化剤を用いて水に乳化させてなる撥油、耐油性に
優れた変性シリコーン乳化物を内容とするものである。
本発明に用いられる変性シリコーン化合物は、ポリメ
チルハイドロジェンシロキサン及び/又はメチルハイド
ロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー
に、末端に二重結合を少なくとも1個有する炭化水素化
合物を付加反応させ、側鎖に前記炭化水素化合物をグラ
フト重合した変性シリコーン化合物である。
チルハイドロジェンシロキサン及び/又はメチルハイド
ロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー
に、末端に二重結合を少なくとも1個有する炭化水素化
合物を付加反応させ、側鎖に前記炭化水素化合物をグラ
フト重合した変性シリコーン化合物である。
末端に二重結合を少なくとも1個有する炭化水素化合
物としては、α−オレフィン、ポリエチレンワックス、
1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ポリブテ
ン、1−オクタデセン等、及びこれらの混合物が挙げら
れる。
物としては、α−オレフィン、ポリエチレンワックス、
1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ポリブテ
ン、1−オクタデセン等、及びこれらの混合物が挙げら
れる。
変性シリコーン化合物の合成例を示すと、ポリメチル
ハイドロジェンシロキサン(メチルハイドロジェンシロ
キサン−ジメチルシロキサンコポリマーも含む)と末端
にビニル基1個を有するα−オレフィンを混合し、触媒
として塩化白金酸を添加し、加温し付加反応させる。こ
の反応は、メチルハイドロジェンシロキサンのもつ水素
基にα−オレフィンを付加させるものであるが、すべて
の水素基に付加させることは難しい。そこで、より熱安
定性に優れたものにする場合は、α−オレフィンを最大
限に付加反応させた後、残った水素基にプロピレンを付
加反応させて水素基を封鎖することもできる。得られた
反応生成物はアセトン等により数回洗浄して精製され
る。
ハイドロジェンシロキサン(メチルハイドロジェンシロ
キサン−ジメチルシロキサンコポリマーも含む)と末端
にビニル基1個を有するα−オレフィンを混合し、触媒
として塩化白金酸を添加し、加温し付加反応させる。こ
の反応は、メチルハイドロジェンシロキサンのもつ水素
基にα−オレフィンを付加させるものであるが、すべて
の水素基に付加させることは難しい。そこで、より熱安
定性に優れたものにする場合は、α−オレフィンを最大
限に付加反応させた後、残った水素基にプロピレンを付
加反応させて水素基を封鎖することもできる。得られた
反応生成物はアセトン等により数回洗浄して精製され
る。
かくして得られる変性シリコーン化合物は、側鎖に炭
化水素鎖をグラフト重合しているので、従来のシリコー
ンオイルとは異なり撥油・耐油性を示すと同時に、パラ
フィン系ワックスに相溶し、またポリエチレン樹脂等の
被膜形成ポリマーに容易に混合できる。従来のシリコー
ンオイルは、パラフィン系ワックスとは相溶せず、また
ポリエチレン樹脂等にも混合しない。更にシリコーンオ
イルは、親油性であり撥油・耐油性に乏しい。
化水素鎖をグラフト重合しているので、従来のシリコー
ンオイルとは異なり撥油・耐油性を示すと同時に、パラ
フィン系ワックスに相溶し、またポリエチレン樹脂等の
被膜形成ポリマーに容易に混合できる。従来のシリコー
ンオイルは、パラフィン系ワックスとは相溶せず、また
ポリエチレン樹脂等にも混合しない。更にシリコーンオ
イルは、親油性であり撥油・耐油性に乏しい。
変性シリコーン化合物の乳化方法については特に制限
されないが、例えば、 溶融した変性シリコーン化合物と乳化剤を混合して、
加温水を少しずつ注加して撹拌し、乳化する方法、 変性シリコーン化合物と乳化剤を溶融液化しておき、
これを沸騰水の中へ注加し、撹拌して乳化する方法、 変性シリコーン化合物を機械力を用いて水中で微粒子
化する方法、 等の方法が挙げられる。中でもの方法は、作られる乳
化粒子も非常に小さい粒子であり最も好ましい製造方法
である。の方法は、の方法に較べると粒子分布が広
くなり、またの方法は、手軽で安価な方法であるが、
粒子径が1〜3μm程度が限度であり、それ以上細かい
微粒子にすることは不可能である。
されないが、例えば、 溶融した変性シリコーン化合物と乳化剤を混合して、
加温水を少しずつ注加して撹拌し、乳化する方法、 変性シリコーン化合物と乳化剤を溶融液化しておき、
これを沸騰水の中へ注加し、撹拌して乳化する方法、 変性シリコーン化合物を機械力を用いて水中で微粒子
化する方法、 等の方法が挙げられる。中でもの方法は、作られる乳
化粒子も非常に小さい粒子であり最も好ましい製造方法
である。の方法は、の方法に較べると粒子分布が広
くなり、またの方法は、手軽で安価な方法であるが、
粒子径が1〜3μm程度が限度であり、それ以上細かい
微粒子にすることは不可能である。
また乳化剤としては、ソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ステアリン酸
モルホリン塩等の公知のものが使用される。
ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ステアリン酸
モルホリン塩等の公知のものが使用される。
上記の如くして得られた変性シリコーン乳化物は、撥
水性、防水性、剥離性、防汚性、撥油・耐油性、滑性等
が要求され、乳化物の塗工が可能ないかなる表面、場所
にでも使用できる。
水性、防水性、剥離性、防汚性、撥油・耐油性、滑性等
が要求され、乳化物の塗工が可能ないかなる表面、場所
にでも使用できる。
例えば、変性シリコーン化合物単独からなる乳化物を
用いて紙基材に撥水性、防水性、剥離性、防汚性、撥油
・耐油性、滑性等を付与させる場合は、変性シリコーン
化合物のシリコーン含有率あるいは乳化物で使用される
乳化剤、さらには、使用される紙基材の紙質、要求され
る性能の程度等により一概に規定できないが、概ね固形
分で0.5〜5g/m2、より好ましくはシリコーン含有率45%
の場合で1〜3g/m2が塗工される。
用いて紙基材に撥水性、防水性、剥離性、防汚性、撥油
・耐油性、滑性等を付与させる場合は、変性シリコーン
化合物のシリコーン含有率あるいは乳化物で使用される
乳化剤、さらには、使用される紙基材の紙質、要求され
る性能の程度等により一概に規定できないが、概ね固形
分で0.5〜5g/m2、より好ましくはシリコーン含有率45%
の場合で1〜3g/m2が塗工される。
また、変性シリコーン化合物とパラフィン系ワックス
とを併用することによっても、前記したパラフィン系ワ
ックスの欠点を解消することができる。変性シリコーン
化合物とパラフィン系ワックスは相溶性があるので、要
求される性能により所望の混合割合で調整される。
とを併用することによっても、前記したパラフィン系ワ
ックスの欠点を解消することができる。変性シリコーン
化合物とパラフィン系ワックスは相溶性があるので、要
求される性能により所望の混合割合で調整される。
更に、変性シリコーン化合物と相溶性があり、造膜性
のある防湿性能を有する被膜形成ポリマーを併用する場
合は、高度の防湿性を有し、且つ強固な連続被膜をもつ
撥水性、防水性、剥離性、防汚性、撥油・耐油性、滑性
等を有する表面層が得られる。
のある防湿性能を有する被膜形成ポリマーを併用する場
合は、高度の防湿性を有し、且つ強固な連続被膜をもつ
撥水性、防水性、剥離性、防汚性、撥油・耐油性、滑性
等を有する表面層が得られる。
被膜形成ポリマーとしては、オレフィン系樹脂及びア
クリル系樹脂等が好適で、その使用量は固形分として10
〜70重量%程度が好適である。特に、アクリル系樹脂、
変性シリコーン化合物、パラフィン系ワックスからなる
乳化物は、アクリル系樹脂とパラフィン系ワックスでは
得られない高度な、撥水性、防水性、防湿性被膜を与
え、特に優れた防湿性を与える。さらには、この被膜は
機械的に水中で微細化されうるので、紙基材に塗工され
た場合、紙再生可能な防水、防湿包装紙として好適に利
用される。その配合割合は特に制限されないが、それぞ
れ固形分として、変性シリコーン化合物1〜10重量%、
パラフィンワックス20〜80重量%、アクリル系樹脂10〜
70重量%、乳化材1〜10重量%(合計量で100重量%)
程度が好適である。
クリル系樹脂等が好適で、その使用量は固形分として10
〜70重量%程度が好適である。特に、アクリル系樹脂、
変性シリコーン化合物、パラフィン系ワックスからなる
乳化物は、アクリル系樹脂とパラフィン系ワックスでは
得られない高度な、撥水性、防水性、防湿性被膜を与
え、特に優れた防湿性を与える。さらには、この被膜は
機械的に水中で微細化されうるので、紙基材に塗工され
た場合、紙再生可能な防水、防湿包装紙として好適に利
用される。その配合割合は特に制限されないが、それぞ
れ固形分として、変性シリコーン化合物1〜10重量%、
パラフィンワックス20〜80重量%、アクリル系樹脂10〜
70重量%、乳化材1〜10重量%(合計量で100重量%)
程度が好適である。
更に、これら変性シリコーン化合物含有乳化物に、エ
チルアルコールやミネラルスピリッツ等の有機溶剤、ア
ルミニウム等の金属粉、クレイ、カーボンブラック等の
無機充填剤、アスファルト、ゴム等の有機充填剤を必要
に応じて配合することもできる。
チルアルコールやミネラルスピリッツ等の有機溶剤、ア
ルミニウム等の金属粉、クレイ、カーボンブラック等の
無機充填剤、アスファルト、ゴム等の有機充填剤を必要
に応じて配合することもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるもの
ではない。
尚、以下の記載において、「部」及び「%」は特に断
らない限り、「重量部」、「重量%」をそれぞれ意味す
る。
らない限り、「重量部」、「重量%」をそれぞれ意味す
る。
合成例:変性シリコーン化合物の合成 ポリメチルハイドロジェンシロキサン(P=300、MW
=22000)45.6部、α−オレフィン(「ダイヤレン−3
0」、三菱化成製、MW=450)54.4部、0.1%H2PtCl6・6H
2Oテトラヒドロフラン溶液8部を反応器に仕込み、80℃
で8時間付加反応させ、更に130℃で18時間反応させ
た。反応生成物の粘度が約10000cpsに達した時反応を停
止させた。反応生成物はアセトンで3回洗浄し、精製乾
燥した。得られた変性シリコーン化合物のシリコーン含
有率は45.6%、分子量は32000であった。
=22000)45.6部、α−オレフィン(「ダイヤレン−3
0」、三菱化成製、MW=450)54.4部、0.1%H2PtCl6・6H
2Oテトラヒドロフラン溶液8部を反応器に仕込み、80℃
で8時間付加反応させ、更に130℃で18時間反応させ
た。反応生成物の粘度が約10000cpsに達した時反応を停
止させた。反応生成物はアセトンで3回洗浄し、精製乾
燥した。得られた変性シリコーン化合物のシリコーン含
有率は45.6%、分子量は32000であった。
実施例1 合成例で得た変性シリコーン化合物45部を90℃で溶融
し、さらにその中へ乳化剤としてソルビタンモノステア
レート2部及びポリオキシエチレンステアリルエーテル
3部を添加混合した。
し、さらにその中へ乳化剤としてソルビタンモノステア
レート2部及びポリオキシエチレンステアリルエーテル
3部を添加混合した。
次に、該混合物中へ、85〜90℃に加温した水50部を充
分に撹拌しながら少量ずつ注加した。加温水の注加が完
了後も、撹拌を継続して少しずつ温度を下げて液温を室
温にまで冷却した。得られた乳化物は、塗工適性及び乳
化安定性が良好であった。
分に撹拌しながら少量ずつ注加した。加温水の注加が完
了後も、撹拌を継続して少しずつ温度を下げて液温を室
温にまで冷却した。得られた乳化物は、塗工適性及び乳
化安定性が良好であった。
この乳化物を上質紙(52.3g/m2)表面に塗工し、100
℃、2分で乾燥した。塗工量は固定分で2g/m2であっ
た。
℃、2分で乾燥した。塗工量は固定分で2g/m2であっ
た。
得られた塗工品の性能評価として、水に対する接触
角、防水性、剥離性、撥油・耐油性、防汚性を測定し
た。第1表にその結果を示す。本塗工品はワックス乳化
物塗工品及びシリコーンオイル乳化物塗工品と較べて、
特に撥油・耐油性に優れ、更に撥水性、剥離性が関係し
てくる防汚性に優れたものであった。
角、防水性、剥離性、撥油・耐油性、防汚性を測定し
た。第1表にその結果を示す。本塗工品はワックス乳化
物塗工品及びシリコーンオイル乳化物塗工品と較べて、
特に撥油・耐油性に優れ、更に撥水性、剥離性が関係し
てくる防汚性に優れたものであった。
さらに、防汚試験開始1年後の塗工面についてもクラ
ック発生を認めなかった。このことは変性シリコーン化
合物のもつ柔軟性によるものである。
ック発生を認めなかった。このことは変性シリコーン化
合物のもつ柔軟性によるものである。
実施例2 パラフィンワックス「140」(日本精蝋株式会社製)4
0.5部と、合成例で得た変性シリコーン化合物4.5部を90
℃で溶融し、乳化剤として実施例1と同じものを同量使
用し、加水(50部)して実施例1と同じ方法でワックス
混合乳化物を得た。本品の乳化安定性は良好であった。
このワックス混合乳化物を上質紙(52.3g/m2)の表面に
塗工し、100℃、2分で乾燥した。塗工量は固形分で20g
/m2であった。
0.5部と、合成例で得た変性シリコーン化合物4.5部を90
℃で溶融し、乳化剤として実施例1と同じものを同量使
用し、加水(50部)して実施例1と同じ方法でワックス
混合乳化物を得た。本品の乳化安定性は良好であった。
このワックス混合乳化物を上質紙(52.3g/m2)の表面に
塗工し、100℃、2分で乾燥した。塗工量は固形分で20g
/m2であった。
得られた塗工品について、実施例1で実施したと同様
の評価を行った。結果を第1表に示す。本塗工品は剥離
性がやや低下するものの、撥水性、防水性、撥油・耐油
性及び防汚性は実施例1の変性シリコーン化合物乳化物
とほぼ同等であった。また、塗工面の経時によるクラッ
ク発生も認められなかった。
の評価を行った。結果を第1表に示す。本塗工品は剥離
性がやや低下するものの、撥水性、防水性、撥油・耐油
性及び防汚性は実施例1の変性シリコーン化合物乳化物
とほぼ同等であった。また、塗工面の経時によるクラッ
ク発生も認められなかった。
比較例1 実施例1で使用した変性シリコーン化合物45部を実施
例2で使用したパラフィンワックス「140」45部に変更
し、乳化剤としては実施例1と同じものを同量使用し、
加水(50部)して実施例1と同じ方法でワックスの乳化
物を得た。
例2で使用したパラフィンワックス「140」45部に変更
し、乳化剤としては実施例1と同じものを同量使用し、
加水(50部)して実施例1と同じ方法でワックスの乳化
物を得た。
得られたワックスの乳化物を上質紙(52.3g/m2)表面
に塗工し、100℃、2分で乾燥した。塗工量は固形分で1
5g/m2であった。得られた塗工品について、実施例1で
実施したと同様の評価を行った。結果を第1表に示す。
に塗工し、100℃、2分で乾燥した。塗工量は固形分で1
5g/m2であった。得られた塗工品について、実施例1で
実施したと同様の評価を行った。結果を第1表に示す。
本塗工品は防汚試験開始3ケ月後に、塗工面に小さい
クラックが発生した。
クラックが発生した。
比較例2 シリコーンオイル乳化物として、ジメチルポリシロキ
サンを成分とするSM-7025(有効成分33%、東レ・ダウ
コーニングシリコーン株式会社製)を用い、上質紙(5
2.3g/m2)表面に塗工し、100℃、2分で乾燥した。塗工
量は固形分で2g/m2であった。
サンを成分とするSM-7025(有効成分33%、東レ・ダウ
コーニングシリコーン株式会社製)を用い、上質紙(5
2.3g/m2)表面に塗工し、100℃、2分で乾燥した。塗工
量は固形分で2g/m2であった。
得られた塗工品について、実施例1と同様の性能評価
を行った。結果を第1表に示す。本塗工品は剥離性に優
れるものの、撥油・耐油性については、変性シリコーン
乳化物に比べてかなり劣っていた。また、防汚性につい
ては、シリコーンオイルのベタ付き及び親油性のため
に、汚れの付着が起こった。
を行った。結果を第1表に示す。本塗工品は剥離性に優
れるものの、撥油・耐油性については、変性シリコーン
乳化物に比べてかなり劣っていた。また、防汚性につい
ては、シリコーンオイルのベタ付き及び親油性のため
に、汚れの付着が起こった。
註記 (1)接触角 塗工紙表面と水との接触角を測定した。測定は「高分
子」33巻、8月号(1984年)の第639頁に記載された神
戸大学方式による接触角測定装置を用いた。
子」33巻、8月号(1984年)の第639頁に記載された神
戸大学方式による接触角測定装置を用いた。
θa:前進接触角 θr:後退接触角 △θ:θa−θr 撥水性を示す表面において、Δθは水の排除性を示す
もので、Δθが小さい程撥水性が高い (2)撥水・防水性 塗工紙面上に一定量の水滴を一定高さより滴下し、そ
の水滴が弾く時の状態を観察した。
もので、Δθが小さい程撥水性が高い (2)撥水・防水性 塗工紙面上に一定量の水滴を一定高さより滴下し、そ
の水滴が弾く時の状態を観察した。
◎:非常によく水滴を弾く ○:水滴を弾く △:やや水滴が広がる ×:水滴が広がる (3)撥油・耐油性 塗工紙面上にサラダオイルを塗布し、その弾き具合を
観察した。
観察した。
◎:非常によく油を弾く ○:油を弾く △:やや油が広がる ×:油が広がる (4)剥離性 塗工紙上に、標準粘着テープとしてアクリル系粘着ク
ラフトテープ「エルムテープ」(創研化工製)を幅25mm
×長さ210mmに調整し、自重4.5kgのゴムローラで5mm/秒
の速度で1往復加圧して貼り合わせた。
ラフトテープ「エルムテープ」(創研化工製)を幅25mm
×長さ210mmに調整し、自重4.5kgのゴムローラで5mm/秒
の速度で1往復加圧して貼り合わせた。
テープ貼付後、荷重20g/cm2、23℃、65%RHの雰囲気
中で20時間エージングした後、測定した。剥離力はオー
トグラフ引張り試験機で0.3m/分の速度で剥離角度180°
で測定した。
中で20時間エージングした後、測定した。剥離力はオー
トグラフ引張り試験機で0.3m/分の速度で剥離角度180°
で測定した。
(5)防汚性 塗工紙を家庭用換気扇の吸込口のダクトに貼り付けて
1年間その汚れ具合を観察した。
1年間その汚れ具合を観察した。
◎:汚れが認められない ○:わずかに汚れが認められる △:汚れが相当認められる ×:汚れが著しい 〔作用・効果〕 側鎖に炭化水素鎖を有する変性シリコーン乳化物は、
単独でその塗工面に優れた撥水性、防水性、剥離性、防
汚性、撥油・耐油性、滑性等、特に優れた撥油・耐油性
及び防汚性を安価且つ簡便に付与することができる。さ
らに、炭化水素鎖を有するので他の成分との相溶性が良
好で、例えばパラフィン系ワックスと混合してパラフィ
ン系ワックスを改質したり、また防湿性に優れた被膜形
成ポリマーと併用して、一層優れた防湿性を有し、且つ
優れた撥水性、撥油・耐油性、防汚性等を有する強固な
連続被膜を形成することが可能である。
単独でその塗工面に優れた撥水性、防水性、剥離性、防
汚性、撥油・耐油性、滑性等、特に優れた撥油・耐油性
及び防汚性を安価且つ簡便に付与することができる。さ
らに、炭化水素鎖を有するので他の成分との相溶性が良
好で、例えばパラフィン系ワックスと混合してパラフィ
ン系ワックスを改質したり、また防湿性に優れた被膜形
成ポリマーと併用して、一層優れた防湿性を有し、且つ
優れた撥水性、撥油・耐油性、防汚性等を有する強固な
連続被膜を形成することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−308875(JP,A) 特開 平1−217040(JP,A) 特開 平2−64115(JP,A) 特開 昭63−3076(JP,A) 特開 昭61−115988(JP,A) 特開 昭54−3866(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/00 C09K 3/00 112 C09K 3/18 104
Claims (2)
- 【請求項1】ポリメチルハイドロジェンシロキサン及び
/又はメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロ
キサンコポリマーに、末端に二重結合を少なくとも1個
有する炭化水素化合物を付加反応させ、側鎖に前記炭化
水素化合物をグラフト重合した変性シリコーン化合物を
乳化剤を用いて水に乳化させてなる撥油、耐油性及び防
汚性に優れた変性シリコーン乳化物。 - 【請求項2】パラフィン系ワックス及び/又は被膜形成
ポリマーを含有する請求項1記載の変性シリコーン乳化
物。
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---|---|---|---|
JP14414990A JP2927504B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 変性シリコーン乳化物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14414990A JP2927504B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 変性シリコーン乳化物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0436374A JPH0436374A (ja) | 1992-02-06 |
JP2927504B2 true JP2927504B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=15355359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14414990A Expired - Lifetime JP2927504B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 変性シリコーン乳化物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2927504B2 (ja) |
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JPH07768B2 (ja) * | 1989-05-25 | 1995-01-11 | 信越化学工業株式会社 | つや出し剤組成物 |
-
1990
- 1990-05-31 JP JP14414990A patent/JP2927504B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH0436374A (ja) | 1992-02-06 |
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