JP5510034B2 - モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置、並びにモータ回転角速度の検出方法及びモータインピーダンスの最適化方法 - Google Patents
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Description
(但し、V:モータ電圧、I:モータ電流、Z:モータインピーダンス、Ke:逆起電圧定数、ω:モータ回転角速度)
更に、モータレゾルバの故障、或いはモータレゾルバを有しないブラシ付の直流モータを制御対象とする等、直接的にはモータ回転角速度を検出することができない場合でも、モータ電圧、モータ電流、及びモータ回転角速度の相互関係を示す上記のモータ電圧方程式に基づく推定演算により、モータ回転角速度を検出することができる。そして、この推定により検出されるモータ回転角速度に基づいて、そのモータ制御を実行(継続)することが可能となっている。
上記構成によれば、より高精度なパワーアシストを行うことができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のモータ回転角速度の検出方法において検出される前記モータ回転角速度又は前記モータ回転角速度変化量に基づいて、前記モータ電圧方程式に用いるモータインピーダンスを更新するモータインピーダンスの最適化方法であること、を要旨とする。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト3a、インターミディエイトシャフト3b、及びピニオンシャフト3cを連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
図2に示すように、モータ制御装置としてのECU11は、モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段としてのマイコン21と、そのモータ制御信号に基づいて、モータ12に駆動電力を供給する駆動回路22とを備えている。
(但し、Kff:フィードフォワードゲイン)
本実施形態のモータ制御信号出力部24において、これらF/B制御部26及びF/F制御演算部28の各制御出力Vm_fb*,Vm_ff*は、加算器31に入力される。即ち、本実施形態では、F/B制御部26の制御出力Vm_fb*が第2の電圧指令成分を構成する。そして、モータ制御信号出力部24は、これら二つの電圧指令成分を加算した値を電圧指令値Vm*とする構成となっている。
次に、本実施形態におけるモータ回転角速度検出の態様について説明する。
図2に示すように、本実施形態のモータ回転角速度検出部29には、上記電流センサ25により検出されるモータ電流Im、及び電圧センサ33により検出されるモータ電圧Vmが入力される。尚、本実施形態の電圧センサ33は、そのモータ電圧Vmとして、モータ12の端子間電圧を検出する。また、モータ回転角速度検出部29は、その記憶領域29aに上記モータ電流及びモータ電圧の各前回検出値Im_b,Vm_bを保持する。そして、電圧変化量検出手段及び電流変化量検出手段としてのモータ回転角速度検出部29は、モータ電流Im及びモータ電圧Vm(の各今回検出値)とその各前回検出値Im_b,Vm_bとの差分を求めることにより、その検出周期毎に、モータ電流変化量(δIm)及びモータ電圧変化量(δVm)を検出する。
δVm_b=δIm_b×Z+Ke×δωm_b ・・・(4)
次に、これら(3)(4)式をモータインピーダンスZについて解き、整理することで次式を得る。
・・・ (5)
そして、この(5)式をモータ回転角速度変化量δωm(今回検出値)について解くことで次式を得る。
即ち、モータ電流変化量、モータ電圧変化量、及びモータ回転角速度変化量の各前回検出値δIm_b,δVm_b,δωm_b、並びにモータ電流変化量及びモータ電圧変化量の各今回検出値(δIm,δVm)が既知であれば、モータインピーダンスZを用いることなく、各検出周期においてモータ回転角速度変化量δωmを導出することが可能である。そして、本実施形態のモータ回転角速度検出部29は、検出周期毎に、上記(6)式に基づきモータ回転角速度変化量δωmを演算するとともに、その値を積算することによりモータ回転角速度ωmを検出する。
尚、本実施形態では、上記(7)式に用いるモータインピーダンスZについては、後述するモータインピーダンス管理部(35)により更新されない予め設定された値を用いる構成となっている。
図3のフローチャートに示すように、モータ回転角速度検出部29は、先ずモータ電流変化量δIm及びモータ電圧変化量δVmを検出する(ステップ101)。次に、記憶領域29aに保持するモータ電流変化量、モータ電圧変化量、及びモータ回転角速度変化量、並びにモータ回転角速度の各前回検出値δIm_b,δVm_b,δωm_b,ωm_bを読み出す(ステップ102)。そして、これらの各状態量に基づきモータ停止判定を実行し(ステップ103)、モータ12が停止状態にあるか否かを判定する(ステップ104)。
次に、本実施形態におけるモータインピーダンスの最適化制御について説明する。
図2に示すように、本実施形態のマイコン21には、モータインピーダンス管理部35が設けられるとともに、当該モータインピーダンス管理部35の記憶領域35aには、制御演算に用いる制御パラメータとしてのモータインピーダンス(保持値Z_m)が保持されている。そして、本実施形態の上記F/F制御演算部28は、このモータインピーダンス管理部35が管理するモータインピーダンスZに基づいて、その上記(2)式を用いたフィードフォワード制御演算を実行する構成となっている。
そして、更新手段としてのモータインピーダンス管理部35は、その記憶領域35aに保持された保持値Z_mをモータインピーダンスZとして出力するとともに、当該保持値Z_mを上記新たなモータインピーダンス(Z´)により随時更新することによって、その制御パラメータとして管理するモータインピーダンスZの最適化を図る構成となっている。
図4のフローチャートに示すように、モータインピーダンス管理部35は、先ずモータ回転角速度検出部29からモータ回転角速度ωmを取得すると(ステップ201)、当該モータ回転角速度ωmの値が「0」であるか否かを判定する(ステップ202)。
(1)モータ回転角速度検出部29は、モータ電流変化量δIm及びモータ電圧変化量δVmを検出するとともに、その記憶領域29aに上記モータ電流変化量及びモータ電圧変化量の各前回検出値δIm_b,δVm_b、並びにモータ回転角速度変化量の前回検出値δωm_bを保持する。更に、モータ回転角速度検出部29は、これらモータ電流変化量、モータ電圧変化量、及びモータ回転角速度変化量の各前回検出値δIm_b,δVm_b,δωm_b、並びにモータ電流変化量及びモータ電圧変化量の各今回検出値(δIm,δVm)に基づいて、今回の検出周期におけるモータ回転角速度変化量δωm(今回検出値)を検出する。そして、本実施形態のモータ回転角速度検出部29は、検出周期毎に、このモータ回転角速度変化量δωmを積算することにより、モータ回転角速度ωmを検出する。
・上記各実施形態では、本発明をEPSアクチュエータ10の駆動源であるモータ12の作動を制御するモータ制御装置としてのECU11に具体化した。しかし、これに限らず、EPS以外の用途に適用してもよい。
・上記各実施形態では、フィードフォワード制御及びフィードバック制御の併用によりモータ制御信号を生成する構成に具体化した。しかし、これに限らず、フィードフォワード制御のみによりモータ制御信号を生成する構成に具体化してもよい。
Claims (7)
- モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段と、前記モータ制御信号に基づいてモータに駆動電力を供給する駆動回路と、モータ電圧、モータ電流、及びモータ回転角速度の相互関係を示すモータ電圧方程式に基づいてモータ回転角速度を検出する回転角速度検出手段とを備え、前記モータ制御信号出力手段は、前記モータ回転角速度に基づく制御成分の演算により前記モータ制御信号を生成するモータ制御装置において、
モータ電圧変化量を検出する電圧変化量検出手段と、
モータ電流変化量を検出する電流変化量検出手段と、
前記モータが停止状態にある否かを判定する判定手段と、
前記モータ電圧変化量及び前記モータ電流変化量、並びにモータ回転角速度変化量の各前回検出値を保持する記憶手段とを備え、
前記回転角速度検出手段は、前記モータ電圧方程式に基づいて、モータ回転後における最初のモータ回転角速度変化量を検出するとともに、前記各前回検出値、並びに前記モータ電圧変化量及びモータ電流変化量の各今回検出値から、今回の検出周期における前記モータ回転角速度変化量を検出し、検出周期毎に前記モータ回転角速度変化量の今回検出値を積算することにより、前記モータ回転角速度を検出すること、
を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1に記載のモータ制御装置において、
新たに検出されたモータ回転角速度又はモータ回転角速度変化量に基づいて、前記モータ電圧方程式に用いるモータインピーダンスを更新する更新手段を備えること、
を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置において、
前記モータ制御信号出力手段は、前記モータ電圧方程式に基づいて、電流指令値に対応した電圧指令成分を演算することにより前記モータ制御信号を生成すること、
を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項3に記載のモータ制御装置において、
前記モータ制御信号出力手段は、前記モータ電圧方程式に基づく電圧指令成分の演算とともに、電流フィードバック制御の実行により第2の電圧指令成分を演算して、前記モータ制御信号を生成すること、を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置。
- モータ電圧変化量及びモータ電流変化量を検出し、並びにモータ電圧、モータ電流、及びモータ回転角速度の相互関係を示すモータ電圧方程式に基づいてモータ回転後における最初のモータ回転角速度変化量を検出するとともに、これら各変化量の各前回検出値を保持し、該各前回検出値並びに前記モータ電圧変化量及びモータ電流変化量の各今回検出値から導出される前記モータ回転角速度変化量の今回検出値を検出周期毎に積算することにより、モータ回転角速度を検出するモータ回転角速度の検出方法。
- 請求項6に記載のモータ回転角速度の検出方法において検出される前記モータ回転角速度又は前記モータ回転角速度変化量に基づいて、前記モータ電圧方程式に用いるモータインピーダンスを更新するモータインピーダンスの最適化方法。
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