JP5641189B2 - モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置、並びにモータインピーダンスの最適化方法 - Google Patents
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Description
V=I×Z+Ke×ω ・・・(1)
(但し、V:モータ電圧、I:モータ電流、Z:モータインピーダンス、Ke:逆起電圧定数、ω:モータ回転角速度)
に示されるモータ電圧方程式に基づいて、その電流指令値に対応した電圧指令成分を制御出力として演算することにより行われる。そして、同式中の制御パラメータであるモータインピーダンスには、事前の実験或いはシミュレーション等により得られた実測値の平均、即ちノミナル値を用いるのが一般的となっている。
そして、このとき、モータインピーダンスは、モータ電圧及びモータ電流がゼロでない限りにおいて、モータ電圧をモータ電流で除した値となる。従って、上記構成によれば、簡素な構成により、制御状態においても、随時、その制御パラメータとして管理するモータインピーダンスを最適化することができる。その結果、その個体差や温度特性等に依らず、より高精度な制御出力を得ることができる。
また、上記構成によれば、モータ電圧及びモータ電流に基づいて、モータが非回転状態にあるか否かを判定することができる。従って、その制御対象が回転角センサを備えていないブラシ付の直流モータである場合にも、構成の追加を要することなく、その制御パラメータであるモータインピーダンスの最適化による利益を享受することができる。
上記構成によれば、回転角センサを備えていないブラシ付の直流モータを制御対象とする場合であっても、モータ電圧方程式を用いたフィードフォワード制御の実行、及び、その制御パラメータであるモータインピーダンスの最適化による利益を享受することができる。
上記構成によれば、より操舵フィーリングに優れた電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト3a、インターミディエイトシャフト3b、及びピニオンシャフト3cを連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
図2に示すように、モータ制御装置としてのECU11は、モータ制御信号を出力するマイコン21と、そのモータ制御信号に基づいて、モータ12に駆動電力を供給する駆動回路22とを備えている。
Vm_ff*=(Im*×Z+Ke×ωm)×Kff ・・・(2)
(但し、ωm:モータ回転角速度、Kff:フィードフォワードゲイン)
を用いることにより、その制御出力Vm_ff*となる電圧指令成分を演算する。
具体的には、本実施形態のマイコン21は、モータ速度検出部29を備えるとともに、同モータ速度検出部29には、上記電流センサ25により検出されるモータ電流Im、及び電圧センサ30により検出されるモータ電圧Vmが入力される。尚、本実施形態の電圧センサ30は、そのモータ電圧Vmとして、モータ12の端子間電圧を検出する。そして、モータ速度検出部29は、上記(1)式を変形することにより得られる次式、
ωm=(Vm−Im×Z)/Ke ・・・(3)
を用いることにより、そのモータ回転角速度ωmの推定演算を実行する。
次に、本実施形態におけるモータインピーダンスの最適化制御について説明する。
図2に示すように、本実施形態のマイコン21には、モータインピーダンス管理部33が設けられるとともに、その記憶領域33aには、上記各制御演算に用いる制御パラメータとしてのモータインピーダンス(保持値Z_m)が保持されている。そして、上記F/F制御演算部28及びモータ速度検出部29は、このモータインピーダンス管理部33が管理するモータインピーダンスZに基づいて、その上記(2)式を用いたフィードフォワード制御演算、及び上記(3)式を用いたモータ回転角速度ωmの推定演算を実行する。
Z=Vm/Im ・・・(4)
が成立する場合には、その検出されたモータ電流Im及びモータ電圧Vmに基づいて、新たなモータインピーダンス(Z´)を演算する。
即ち、モータ電圧Vm及びモータ電流Imの検出周期が十分に短く、その一周期が経過する前後においてモータインピーダンスZが不変であるとすれば、以下に示す二式、
Vm=Im×Z+Ke×ωm ・・・(6)
Vm_b=Im_b×Z+Ke×ωm ・・・(7)
からモータインピーダンスZを消去することにより以下の(8)式を得る。
そして、モータ12が非回転状態である場合(ωm=0)には、この(8)式における両辺の第2項(逆起電圧項)がゼロである場合に上記(5)式が成立、即ちモータ電圧Vmにモータ電流の前回検出値Im_bを乗じた値(左辺)とモータ電流Imに前記モータ電圧の前回検出値Vm_bを乗じた値(右辺)とが等しくなる。
図3のフローチャートに示すように、モータインピーダンス管理部33は、モータ電圧Vm及びモータ電流Im(今回検出値)を取得すると(ステップ101)、まず、これらのモータ電圧Vm及びモータ電流Im、並びにその各前回検出値Vm_b,Im_bに基づいて、制御対象であるモータ12が非回転状態にあるか否かを判定する(ステップ102)。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜のため、上記第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
Vq_ff*=(Iq*×Z+Ke×ωm)×Kff ・・・(9)
に示されるモータ電圧方程式を用いることにより、これらq軸電流指令値Iq*及びモータ回転角速度ωmに基づいて、その制御出力Vq_ff*となる電圧指令成分を演算する。
具体的には、モータインピーダンス管理部54には、上記第1の実施形態におけるモータ電圧Vm及びモータ電流Imに対応する値として、q軸電圧値Vq及びq軸電流値Iqが入力されるようになっている。また、その記憶領域54aには、モータインピーダンスの保持値Z_mとともに、上記第1の実施形態における前回検出値Vm_b,Im_bに対応する値として、q軸電圧値及びq軸電流値の前回検出値Vq_b,Iq_bが保持されている。そして、モータインピーダンス管理部54は、上記第1の実施形態におけるモータインピーダンス管理部33と同様、これらq軸電圧値Vq及びq軸電流値Iq、並びにその前回検出値Vq_b,Iq_bに基づいて、新たなモータインピーダンスZ´の演算、及びその保持値Z_mの更新を実行する。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、フィードフォワード制御及びフィードバック制御の併用によりモータ制御信号を生成する構成に具体化した。しかし、これに限らず、フィードバック制御のみによりモータ制御信号を生成する構成に具体化してもよい。
Vm_ff*=(Im*×Z+Vm−Im×Z)×Kff ・・・(9)
により、モータ電圧Vm、モータ電流Im、及び電流指令値Im*に基づいて、直接的にフィードフォワード制御演算の制御出力Vm_ff*を得る構成としてもよい。
Claims (5)
- モータ制御信号を出力するモータ制御信号出力手段と、前記モータ制御信号に基づいてモータに駆動電力を供給する駆動回路とを備え、前記モータ制御信号出力手段は、次式、
V=I×Z+Ke×ω
(但し、V:モータ電圧、I:モータ電流、Z:モータインピーダンス、Ke:逆起電圧定数、ω:モータ回転角速度)
に示されるモータ電圧方程式に基づいて、電流指令値に対応した電圧指令成分を演算することにより前記モータ制御信号を生成するモータ制御装置において、
前記モータ電圧を検出する電圧検出手段と、
前記モータ電流を検出する電流検出手段と、
前記モータが非回転状態にある否かを判定する判定手段と、
前記モータが非回転状態にあり、且つ前記モータ電圧及びモータ電流がゼロでない場合に、前記モータ電圧を前記モータ電流で除した値により前記電圧指令成分の演算に用いる前記モータインピーダンスを更新する更新手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記モータ電圧及びモータ電流が、それぞれ、その前回検出値と非同一であり、且つ前記モータ電圧に前記モータ電流の前回検出値を乗じた値と前記モータ電流に前記モータ電圧の前回検出値を乗じた値とが等しい場合に、前記モータが非回転状態にあると判定すること、を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1に記載のモータ制御装置において、
前記モータ電圧方程式に基づいて前記モータ回転角速度を検出するモータ速度検出手段を備えること、を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置において、
前記モータ制御信号出力手段は、前記モータ電圧方程式に基づく電圧指令成分の演算とともに、電流フィードバック制御の実行に基づく第2の電圧指令成分を演算することにより、前記モータ制御信号を生成すること、を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置。
- モータ電圧及びモータ電流が、それぞれ、その前回検出値と非同一であり、且つ前記モータ電圧に前記モータ電流の前回検出値を乗じた値と前記モータ電流に前記モータ電圧の前回検出値を乗じた値とが等しい場合であって、且つ前記モータ電圧及びモータ電流がゼロでない場合に、前記モータ電圧を前記モータ電流で除した値により制御上のモータインピーダンスを更新するモータインピーダンスの最適化方法。
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JP2010040929A JP5641189B2 (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置、並びにモータインピーダンスの最適化方法 |
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JP7007370B2 (ja) | 2016-05-20 | 2022-01-24 | ジョン カーペンター,ブレイドリー | 流体積荷安定化装置 |
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