JP5509349B2 - 弾性複合撚糸とその製造方法、並びに同弾性複合撚糸を使ったパイル繊維製品 - Google Patents

弾性複合撚糸とその製造方法、並びに同弾性複合撚糸を使ったパイル繊維製品 Download PDF

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Description

本発明は、2本以上の低伸縮糸の1本に、収縮性を有する被覆弾性糸が挿入された伸縮糸と、他の低伸縮糸とが撚合された弾性複合撚糸、及びその弾性複合撚糸の製造方法、並びに前記弾性複合撚糸を使った、カーペットやダストコントロールマットに代表されるパイル織物などからなる各種敷物、或いは自動車用内装品などのパイル繊維製品に関する。
カットパイルを含むパイル織物を使った代表的な製品にはカーペットやダストコントロールマットなどの各種敷物(タフト、ウイルトン、アキスミンスター、ミシンタフト)及び自動車用の内装品がある。これらの製品には、各種のパイル糸が使用されているが、近年はポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンなどの熱可塑性合成繊維素材からなる2本又は3本のマルチフィラメント糸条が多用されている。これらの複数のマルチフィラメント糸条は撚り合せたり、若しくはマルチフィラメント繊維をインターレース加工することが主流となっている。この際、通常は色相の異なる、あるいは同色の2本又は3本の糸を使用するが、基本的には加工性が共通し、もしくは求められる敷物の風合いに適合する同様の素材を使用するのが一般的である。
この場合、紡績糸にみられる、優れた機能、物性等を得ようとして、それらの長所をもつ異種の合成樹脂製繊維を混合することが考えられてきた。例えば、特開昭61−13265号公報(特許文献1)によれば、バルキー性に富み、かつ糸条の形態が均一で、耐久性及びバルキー保持性を兼ね備えた太物交絡複合糸の製造方法を提供することを目的として、単糸繊度が5d以上で、かつ総デニールが500d以上の少なくとも1 種の繊維糸条と、少なくとも1種の捲縮加工糸とを合糸状態で流体交絡処理した後、該糸条を1.05倍以上の延伸倍率で延伸し、次いで弛緩処理を施して交絡複合糸を製造している。ここで、上記捲縮加工糸の例として、押込加工糸、非対称加熱加工糸、賦型加工糸(ニットデニット)、仮ヨリ加工糸(加撚一熱固定一解撚したものを含む)、擦過捲縮糸、複合捲縮糸(潜在捲縮糸)、DTY糸(高速紡糸した未延伸糸を延伸仮ヨリ加工したもの)などを挙げている。
また例えば、特開平06−10225号公報(特許文献2)によれば、少なくとも1本のフィラメント糸に対して、実質的に芯部を形成する単繊維束の大部分が平行束で、該芯部の繊維束に単繊維を巻付けて部分的に結束した紡績糸を1本以上引き揃えて合糸したのち、撚り合わせて撚り糸とする複合糸が開示されている。この複合糸にあって、前記フィラメント糸が紡績糸より高い熱収縮率又は伸縮率を有することが好ましい。
こうして得られる複合糸は、結束紡績糸が形成された状態でフィラメント糸と引揃えて合糸しているため、フィラメント糸の熱収縮特性、或いは伸縮特性を損なわない状態に拘束させることができると共に、撚糸操作、紡編織操作時に素抜けによる糸切れが発生せず、また粗硬感と嵩高感を有するため、通常の編織物にとどまらず、パイル織物、カーペット、起毛織物等の独特の感触を有する糸が得られるとしている。
特開昭61−132651号公報 特開平06−10225号公報
ところで、上記特許文献1により提案された複合糸は、糸条の嵩高性の大部分を捲縮加工糸に依存している。しかして、前記複合糸を製造する工程では、常時、緊張と熱収縮とが繰り返されることが多く、仮に複合糸の原料糸の一部に捲縮加工がなされていたとしても、続く染色工程や乾燥工程などの加熱と冷却、或いは撚糸工程、巻取工程、更には延伸工程などによる緊張と弛緩の繰り返しによって、先になされた捲縮加工による形態が崩れやすく、捲縮加工により付与された繊維形態を100%回復させることは難しい。このことは、敷物類の主原料の一つとして期待されているポリプロピレン繊維やポリエステル繊維の販路拡大を妨げている要因の一つとなっている。
一方、上記特許文献2により提案された複合糸は、同文献2に記載されているとおり、複合糸自体が嵩高性があるものの粗硬感が強すぎる場合があり、特に各種の敷物や自動車の内装材などのパイル製品のパイル糸として使われる場合には感触的にそぐわず、更には使用する繊維糸条が通常の熱可塑性合成繊維からなる一般糸条又は捲縮加工糸により嵩高性を依存するだけでは、上述と同じ理由から、それらの糸条による収縮性や伸縮性に乏しく、パイル製品となったときの膨み感や風合い、更には弾性回復率に関してもあまり期待することができない。
こうしたことから、上記特許文献1や特許文献2に開示された複合糸には、特に敷物類としてのボリュームに欠けると同時に外観の美しさにも欠けるきらいがある。
特に、現在、敷物用糸の主原料の一つである、ポリプロピレンやポリエステルに関しては、この傾向が顕著であり、他の合成繊維においても程度に差はあるものの、同様の現象が見られる。
また、意匠性の面から、熱セット時に、加工糸全体を波状に湾曲固定する、いわゆるフリーズ加工がなされた糸状は、一般の加工糸とは差別化された市場を形成しているものの、このフリーズ加工糸においても、直線状のマルチフィラメント糸に、機械的に2次元的な波状の形状を付与して、熱セット時にその形状を記憶させたものであり、以降の様々な工程を経ること間に、繰り返しテンションが加えられることにより、上記一般の捲縮加工糸と同様に、復元される形状が減退しやすく、また熱セット時に固定された2次元的波状も崩れやすく、意匠性だけでなく嵩高性にも次第に影響し、ふんわり感が長続きしない。
本発明は、こうした従来の課題を克服すべくなされたものであり、特に敷物に使用されるパイル糸にあって、捲縮の減退を劇的に減らし、外観の美しさに加えて、糸自体に膨らみがあり、柔らかな風合いを有しており、長期にわたって激しく押圧が繰り返されることにより、一時的に嵩が低くなった場合にあっても直ちに元の姿に戻る回復性に優れ、いつまでもボリューム感が維持され、しかも弾力性に富み、更には意匠性に富んだ弾性複合撚糸と、その製造方法及び前記弾性複合撚糸を使った高品位のパイル繊維製品を開発することを目的としている。
かかる目的は、本発明の基本構成である、自己伸縮性を有する弾性糸からなる芯糸に、熱可塑性マルチフィラメントを鞘糸とする被覆弾性糸と、熱可塑性マルチフィラメント糸又は紡績糸からなる第1及び第2低伸縮糸を含む2本以上の低伸縮糸とを備え、前記被覆弾性糸は所定の延伸倍率の延伸下にて前記第1低伸縮糸に挿入され、前記第2低伸縮糸と前記被覆弾性糸が挿入された前記第1低伸縮糸とが撚合されてなる弾性複合撚糸であって、前記被覆弾性糸の収縮力により弛緩時に発現する、前記芯糸を中心として径方向に突出する前記鞘糸の構成単繊維からなる多数の異形微小ループが、前記第1及び第2低伸縮糸の構成単繊維と絡合し熱セットされてなることを特徴とする弾性複合撚糸により達成される。
好適な態様によれば、前記被覆弾性糸の前記芯糸がポリウレタン糸又は捲縮加工糸である。なお、芯糸としてポリウレタン糸の他にも、例えば天然又は合成ゴム糸や、熱可塑性エラストマ糸などが使用できる。また好ましくは、前記被覆弾性糸の前記鞘糸と、前記第1及び第2低伸縮糸とが同一又は異質の材質からなるマルチフィラメントであり、更に好ましくは、前記第1低伸縮糸に挿入される前記被覆弾性糸を2本以上とする。また、前記熱可塑性マルチフィラメントがポリプロピレン、ポリエステル又はポリアミドのいずれか、或いはそれらの組み合わせからなることが好ましいが、他の熱可塑性合成繊維から構成してもよい。
更に、前記鞘糸を構成する単繊維の繊度は、前記第1及び第2低伸縮糸を構成する単繊維の繊度と同等或いはそれ以下であることが望ましい。また、最終製品としての熱セット後の前記弾性複合撚糸の撚数は収縮時にあって48〜430回/mであることが好ましい。
また、上記弾性複合撚糸は、次に挙げる本発明に係る弾性複合撚糸の製造方法により効率的に製造される。
すなわち、本発明に係る弾性複合撚糸の製造方法の基本手順は、自己伸縮性を有する弾性糸からなる芯糸に、熱可塑性マルチフィラメントを鞘糸とする2本以上の被覆弾性糸を緊張下で、熱可塑性マルチフィラメント糸又は紡績糸からなる第1低伸縮糸と引き揃えて、一方向に間欠的に回転する回転部材に所定長さを巻き掛け、前記回転部材に隣接して配される、例えばスピンドルのような回転導糸部材を介して、上方に配されるコーディングポイントに向けて引き出すこと、前記回転部材の上部に配された固定ポット内に、熱可塑性マルチフィラメント糸又は紡績糸からなる第2低伸縮糸を収容すること、該第2低伸縮糸を外取りしてポットの中心から上方の前記コーディングポイントに向けて引き出すこと、前記回転導糸部材と前記コーディングポイント間にバルーンを形成しつつ上方に引き取られる上記被覆弾性糸及び上記第1非伸縮糸の合糸と、ポット軸心から上方に引き上げられる第2低伸縮糸とを、前記コーディングポイントにて撚り合せること、及び前記コーディングポイントを過ぎた複合撚糸を巻き取ることを含んでなることを特徴とする。
ここで、本発明に係る弾性複合撚糸は、単一の撚糸機をもって連続的に撚糸加工して製造することもできるが、合理性に配慮しないで実施できるのであれば、上述の各手順を個別に実施して、各手順の実施後に適宜組み合わせることによっても弾性複合撚糸を製造することができる。
この弾性複合撚糸の製造方法にあって好適には、前記回転部材に巻き掛けられ合糸状態にある前記被覆弾性糸及び第1低伸縮糸の張力を、前記回転部材によって間欠的に調整すること、及び前記ポットと前記コーディングポイントとの間にて前記ポット内から引き出される前記第2低伸縮糸の張力を調整することを含んでおり、更には巻き取られた前記複合撚糸を弛緩したのち加熱セットすることを含んでいるとよい。こうして得られる、弾性複合撚糸は好適にはパイル繊維製品のパイル糸として使われる。そのパイル繊維製品の代表的な製品が既述したような各種の敷物又は自動車用内装品を含むが、当然に他の製品にも適用され得る。
本発明に係る弾性複合撚糸は、自己伸縮性を有する弾性糸を所要の延伸倍率で延伸した状態で芯糸とし、この芯糸に熱可塑性合成製のマルチフィラメント糸を巻き付けて鞘糸とした少なくとも2本の被覆弾性糸を、第1及び第2低伸縮糸のうちの1本である第1低伸縮糸に引き揃えて挿入して得られる合糸と、前記第1及び第2低伸縮糸のうちの第2低伸縮糸とを、前記合糸の緊張状態を維持しつつ撚り合わせてチーズに巻き取る。次いで、チーズに巻かれた弾性複合撚糸を解除するとともに弛緩させて熱セットを行う。
こうして弾性複合撚糸に熱セットを行う以前の撚糸工程の間に、前記被覆弾性糸における多数の低伸縮性マルチフィラメントからなる鞘糸は、上記回転部材の間欠回転による張力調整とバルーニングによる撚りによって緊張と弛緩とが繰り返され、その弛緩時に芯糸である弾性糸が収縮する。この収縮時には、芯糸に巻き付いているマルチフィラメントからなる鞘糸の構成単糸が、前記芯糸の長さ方向に沿って多数の微小な大小様々なループを形成して、芯糸を中心に径方向にランダムに延出する。このとき芯糸と鞘糸とからなる被覆弾性糸の芯糸は完全に鞘糸の芯部に埋もれておらず、鞘糸の外に露呈する部分が局部的に存在する。一方、撚糸工程中の弛緩時には、前記合糸の構成糸条である第1低伸縮糸も弛緩状態で撓んだ状態となる。この弛緩時に、前記被覆弾性糸の前記微小なループと前記第1低伸縮糸の構成単糸の撓み部分とが絡み付く。またコーディングポイント(結合点)にて前記合糸と第2低伸縮糸との撚合が開始されると、そこで被覆弾性糸の前記微小なループが第2低伸縮糸の構成単糸と絡み合うこともある。
このように撚糸工程における、弛緩と緊張の繰り返しの間に合糸の構成糸条の1つである被覆弾性糸が伸縮を繰り返し、被覆弾性糸と第1及び第2低伸縮糸条との各構成糸であるマルチフィラメントの単繊維同士が互いに局部的に絡み合い、その後の弛緩と熱セットにより、その糸形体が固定されるため、熱セット後の完成糸条である本発明の弾性複合撚糸は、上記被覆弾性糸の伸縮に合わせて伸長と収縮がなされる。このとき、第1及び第2低伸縮糸を残して被覆弾性糸のみが単独で収縮することはなく、3本の糸条が一体となって挙動し、第1及び第2低伸縮糸は前記被覆弾性糸の伸縮に追随して大きく伸縮する。その結果、本発明の弾性複合撚糸をパイル糸とするパイル繊維製品の、例えばパイル先端をカットしてカットパイルを形成したとき、そのカット端部全体が弾性糸の収縮に合わせて一緒になって収縮する。
ここで、第1低伸縮糸及び第2低伸縮糸の間の熱収縮率に差が生じると、前記熱セット時に例えば第1低伸縮糸が大きく収縮して、第1低伸縮糸が芯部となり、第2低伸縮糸が鞘部となる傾向が生じて、弾性複合撚糸全体が3次元コイル形状に近くなる。そのため、カット端部に第1及び第2低伸縮糸だけが残るようなことはなく、弛緩状態にあるカットパイル糸は長さ方向に全体が収縮して全体にふっくらした、曲がりくねった形体をもつようになり、従来のパイル糸条によるパイルと比較して弾性回復率が大幅に向上する。
すなわち、弾性複合撚糸を使った本発明に係る敷物や自動車用内装品は、従来の同種の製品には期待できない弾性回復力の高さをもつだけでなく、その弾性回復力の高さが長期にわたって保持されるため、上から繰り返される圧力に対しても、へたりにくく、且つ凹みの目立たない敷物類を得ることができる。しかも、本発明に係る弾性複合撚糸自体がもつ3次元コイル状の糸形体に由来する嵩高性に加えて、美麗で特異な製品表情が得られることから高い意匠性をも得ることができる。
その結果、本発明の弾性複合撚糸をパイル糸又はカットパイル糸を使って得られるタフトカーペットやパイルカーペットなどの各種敷物、或いは自動車用内装材は、従来のパイル糸やカットパイル糸を使った敷物類では得ることのできなかった嵩高性とボリューム感が得られ、その分、目付を従来の目付よりも低くしても同じボリュームが得られるようになり、現代の経済下に求められる省資源、エコロジーにもつながる。
ここで、上記第1低伸縮糸に沿わせる上記被覆弾性糸を2本以上とするメリットは、第1及び第2低伸縮糸との接触面積を増大させることができ、その結果、被覆弾性糸の被覆糸であるマルチフィラメントと第1及び第2低伸縮糸のマルチフィラメントとの間の絡み合いを多くすることができるようになる。
なお、上述の本発明に係る弾性複合撚糸及びその製造方法、並びに同弾性複合撚糸を使ったパイル繊維製品の具体的構成及び作用効果は以降に述べる本発明の実施形態により更に詳しく説明される。
本発明に係る弾性複合撚糸の原糸の一つである被覆弾性糸の弛緩開始時における構造例を模式的に示す部分立体図である。 同被覆弾性糸の収縮時における構造例を模式的に示す部分立体図である。 本発明に係る弾性複合撚糸の弛緩開始時における構造例を模式的に示す部分立体図である。 本発明に係る弾性複合撚糸の収縮時における構造例を模式的に示す部分立体図である。 本発明に係る弾性複合撚糸の製造装置の一例とその製造手順例を示す正面図である。
本発明にあって、弾性複合撚糸の主な特徴点は次の5点にある。
1.カーペット類及び自動車用内装材に一般的に用いられるフィラメント糸を撚糸するにあたり、それらのフィラメント糸に更にポリウレタン糸や高い嵩高性を有する嵩高加工糸などの自己伸縮性をもつ高弾性糸を挿入する。
ここでいう嵩高加工糸とは、本発明における第1及び第2低伸縮糸の伸縮性を越える高い嵩高性をもつ自己伸縮性の高い加工糸である。
2.前記高弾性糸は、例えばポリウレタン糸単独ではなく、ポリウレタン糸を芯糸として、この芯糸にポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンなどを鞘糸として被覆加工された被覆弾性糸である。
3.芯糸である高弾性糸を被覆する鞘糸が、透明性が高い白、もしくは、可染色性等、主原料と同色系であることが望ましい。
4.前記第1及び第2低伸縮糸が前記被覆弾性糸の鞘糸と同一の材質からなることが望ましく、その材質としてはポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンのいずれかであることが好ましい。前記被覆弾性糸は前記第1低伸縮糸と合糸され、第2低伸縮糸は単独であり、前記合糸と前記第2低伸縮糸とが撚糸される。
5.前記被覆弾性糸と第1低伸縮糸との合糸は、被覆弾性糸が挿入された後、受熱等により収縮をもたらす状態であることが望ましい。
以下、本発明を代表的な実施形態に基づいて図面を参照しながら具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明に係る弾性複合撚糸の原糸の一つである被覆弾性糸の弛緩開始時及び収縮時の構造例を模式的に示している。また図3は、本発明に係る弾性複合撚糸の弛緩開始時における構造例を模式的に示している。図4は、同弾性複合撚糸の収縮時における構造例を模式的に示している。
本発明に係る弾性複合撚糸1は、図3及び図5に示すとおり、自己伸縮性をもつ被覆弾性糸2と、少なくとも第1及び第2低伸縮糸3,4とを有する。
被覆弾性糸2は、図1及び図2に示すように、芯糸21として高弾性糸が使われ、この芯糸21を熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメント糸からなる鞘糸22で被覆している。なお、以下の説明では、弾性複合撚糸1の構成糸条の一つである被覆弾性糸2について、ポリウレタン糸を芯糸21とし、熱可塑性樹脂からなる低伸縮糸であるマルチフィラメント糸を鞘糸22として例示するが、これに限定されず、例えば伸縮性があまり要求されない製品であれば、芯糸21にポリアミド6やポリアミド66などからなる高捲縮加工糸を使うこともあり得る。ただし、その場合には、鞘糸22にも芯糸21と同様の材料を使用し、芯糸21の自己伸縮性が鞘糸22の構成フィラメントの伸縮性を大きく上回る必要がある。
前記鞘糸22には、通常、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドからなるマルチフィラメントが使われるが、用途により他の熱可塑性合成樹脂からなるマルチフィラメントを使うこともできる。これらのマルチフィラメントには通常の嵩高加工や捲縮加工がなされているとよい。この芯糸21及び鞘糸22からなる被覆弾性糸2は1本でもよいが、第1及び第2低伸縮糸3,4との接触面積を増やすため、その総繊度を1本の被覆弾性糸2の繊度と同じにして2本以上とするのが好ましい。本実施形態では、2本の被覆弾性糸2の総繊度は75×2d(デニール)であり、それぞれの被覆弾性糸2に挿入される芯糸21であるポリウレタン糸の繊度は20〜30d、鞘糸22の単糸繊度は1〜2dである。
通常、上記第1及び第2低伸縮糸3,4には、上記鞘糸22と同じ材質で無撚りのマルチフィラメント糸が使われる。ただし、用途によっては、例えば仮撚り加工により得られる紡績糸を使うことができる。上述のマルチフィラメント糸も、通常の捲縮加工や嵩高加工がなされているのが好ましい。この第1及び第2低伸縮糸3,4の総繊度はそれぞれ600〜2500d、第1及び第2低伸縮糸3,4を構成する各フィラメントの単繊度は3〜20dであり、通常、上記鞘糸22の単糸繊度1〜2dと比較して大幅に大きい。また、この第1及び第2低伸縮糸3,4に捲縮加工や嵩高加工がなされる場合であっても、その伸縮率は上記芯糸21である弾性糸の伸縮率と比較して大幅に小さく設定される。
次に、かかる構造を有する本発明に係る弾性複合撚糸1の製造方法の概要を説明する。
クリールに上げられた自己伸縮性を有する弾性糸からなる2個の被覆弾性糸用チーズ6,6と、低伸縮性の熱可塑性マルチフィラメントからなる1個以上の第1低伸縮糸用チーズ7とから、各被覆弾性糸2を所定の延伸倍率の延伸下で縦取りして下方に引き出し、第1低伸縮糸3と引き揃えて撚糸機の間欠回転可能な回転部材(ヤーンリザーブ用ディスク)10に180°から360°未満巻き回したのち、前記回転部材に隣接して配される図示せぬ自由回転可能な導糸部材を介して上方に引き上げる。このとき同時に、前記回転部材10の上部に近接して固設されたポット11内に収容された第2低伸縮糸用チーズ8から第2低伸縮糸4を外取りして、その第2低伸縮糸4を、ポット中心上方に位置するテンションコントローラーを通して上方へと引き出す。
合糸となって図示せぬ上記回転導糸部材を介して上方に引き上げられた被覆弾性糸2,2及び第1低伸縮糸3はコーディングポイント9と図示せぬ上記回転導糸部材との間でポット11外をバルーンを形成しつつ上方に引き取られる。ここで、被覆弾性糸2,2と第1低伸縮糸3との合糸と、ポット軸心から上方へと引き取られてくる第2低伸縮糸4とを、ポット軸心の上方のコーディングポイント9にて撚り合せたのち、巻取部13により巻き取り複合撚糸を製造する。
上記回転部材10に巻き掛けられた前記被覆弾性糸2及び第1低伸縮糸3からなる合糸の張力を、前記回転部材10を間欠的に回転させて、同回転部材10に巻き掛けられた前記合糸の引き取り長さが変動させることにより、前記合糸の張力を間欠的に調整する。このとき、上記ポット11から引き出される前記第2低伸縮糸4の張力を、前記コーディングポイント9との間にて張力調整装置を介して常時調整している。被覆弾性糸2,2、第1及び第2低伸縮糸3,4からなる前記複合撚糸がチーズ14に巻き取られたのち、これを解舒し弛緩状態として高温で加熱セットし、本発明に係る上記弾性複合撚糸の製造が完了する。
なお、上記芯糸21を構成する弾性糸の表面を被覆する鞘糸22を構成するマルチフィラメントの単繊維の太さ(繊度)を第1及び第2低伸縮糸3,4の太さと同等か細くすることにより、鞘糸22を構成する単繊維が主に第1低伸縮糸3の構成単繊維と馴染みやすくなり、同時に両者の接触面積が増大されて摩擦が強くなり、被覆弾性糸2が収縮する際に発生する多様な形状と大きさをもつ多数の微少なループが、周辺の第1低伸縮糸3の構成繊維からなるフィラメント単糸を的確に絡め取り、弾性複合撚糸の収縮時において第1低伸縮糸の捲縮を最大限に発現させる。このとき、第2低伸縮糸4の一部に前記ループの一部が絡み付くこともある。
また本発明にあって、被覆弾性糸2を第1低伸縮糸3に挿入させることが肝要であり、第2低伸縮糸4やその他の低伸縮糸に挿入しない理由は、熱セット時に捲縮を発現させる際、被覆弾性糸2、第1低伸縮糸3及び第2低伸縮糸4間に収縮差をもたせることにより、第1低伸縮糸3が全体的に芯部を構成し、他方が第2低伸縮糸4が全体としての鞘部を構成する傾向が生まれ、その結果、弾性複合撚糸の全体の撚り構造が3次元コイルに近くなって、最終製品において、本発明特有の意匠性と今までにはない弾性回復性能をもたらす。
以下、本発明を代表的な実施例に基づいて、図面を参照しながら更に具体的に説明する。
(実施例1)
図5は、本発明に係る弾性複合撚糸の製造装置の一例と、その製造手順を示している。
前記製造装置としてケーブルツイスター(CarpetCabler8.02、オーリコン織物(有)製)5を使ってカーペット用の弾性複合撚糸を製造した。
上記被覆弾性糸2は、30dのポリウレタン繊維を芯糸21とし、ポリエステル繊維からなる捲縮加工がなされた75d/36fのマルチフィラメントを芯糸21に巻き付けて鞘糸22とした、通常は靴下やタイツ、パンティストッキングなどの伸縮性と弾力性が要求される製品に用いられる市販の被覆弾性糸であり、この被覆弾性糸2を2本採用した。
上記第1及び第2低伸縮糸3,4には、それぞれ無撚りの捲縮加工が施されたポリエステル繊維からなる総繊度1200dのマルチフィラメント糸を使用した。
上記ケーブルツイスター5の上部クリールに配された、2個の上記被覆弾性糸用チーズ6,6及び交換用チーズをも含めた2個の第1低伸縮糸用チーズ7,7から、2本の被覆弾性糸2,2と1本の第1低伸縮糸3を下方に配された導糸管12に合糸状態で導入する。このとき2本の被覆弾性糸2,2は所定の倍率に延伸されるとともに、1本の第1低伸縮糸3は、機台に配置されている図示せぬ張力コントローラーにより所定の張力にコントロールされる。前記導糸管12は装置下端部に設置された上記回転部材としてのヤーンリザーブ用ディスク10の下面中心部から同ディスク10の内部に入り、同ディスク10の周面に形成された糸案内溝の糸導出口10aから溝底に導出されたのち、前記糸案内溝に沿って3/4回りから1回り未満の間を巻き回され、回転する図示せぬ回転導糸部材を介して前記ディスク10の周縁に沿って回転し、バルーンを形成しながら上方の前記コーディングポイント9に到達する。
一方、前記ポット11の内部には第2低伸縮糸4の第2低伸縮糸用チーズ8が収納されており、その外周から第2低伸縮糸4がポット上方の軸線上に配された糸ガイド15を介して前記コーディングポイント9に向けて引き出される。このとき、上記ポリウレタン糸を芯糸21とする被覆弾性糸2,2と第1低伸縮糸3との合糸は、図示せぬ前記回転導糸部材とコーディングポイント9との間でバルーンの形成に伴って撚りが入り、前記第2低伸縮糸4と撚り合わされて、上方の巻取部13により巻き取られてチーズ14を形成する。このチーズ14が形成される間、前記被覆弾性糸2及び第1低伸縮糸3の合糸は上記ディスク10の間欠的な回転によって合糸の引き出し量を変えながら細かく張力を調整する。また上記第2低伸縮糸4は、撚り合わされた前記合糸と共に、コーディングポイント9と巻取部13との間に配された張力調整装置16により調整される。
こうして2本の被覆弾性糸2,2と第1及び第2低伸縮糸3,4とが撚糸されたのち、図示せぬ熱セット機にて熱セットがなされる。この熱セットは、前記熱セット機の機台にて、被覆弾性糸2,2、第1低伸縮糸3及び第2低伸縮糸4の撚糸をチーズ14より解舒して、速度9m/minで移動する図示せぬステンレスベルト上に載置し、コイル状のまま拡幅して弛緩状態を維持したまま連続的に移動する。その移動の間に、図示せぬプレスチーマーとメインスチーマーとを順次通過させる。その間に、撚合した第1及び第2低伸縮糸3,4は、ポリウレタン繊維を芯糸21とする被覆弾性糸2の大きな収縮力を受け、鞘糸22を含む第1及び第2低伸縮糸3,4の構成繊維である各フィラメントの捲縮発現が最大化されると同時に、各糸条のフィラメント間に収縮差があると、最も収縮の大きなフィラメント糸の収縮がより強く発現する。その結果、得られる弾性複合撚糸1は3次元コイルに近い構造となり、本発明に特有の高い嵩高性に加えて他のカーペット糸類には見られない独特の意匠性が得られ、その後の乾燥工程をも含めて、上記熱セットにより構造が記憶される。この撚糸をパイル糸としてパイルカーペットを製造した。
得られたカーペットの圧縮率(%)、圧縮弾性率(%)及び圧縮による厚さ減少率(%)と、摩擦を伴った動的荷重による厚さ減少の厚さ(mm)、減少値(mm)及び減少率(%)との試験を行った。その結果を表1に示す。目付は660g/m2 とした。
(実施例2)
上記被覆弾性糸として、30dのポリウレタン繊維を芯糸21とし、捲縮加工がなされた75d/36fのポリプロピレンマルチフィラメント糸からなる鞘糸22を使用し、上記第1及び第2低伸縮糸3,4に、それぞれ無撚りの捲縮加工が施されたポリプロピレン製の総繊度1200dのマルチフィラメント糸を使用した以外は、実施例1と同様の条件で撚糸し、カーペットを製造した。目付を実施例1と同じ660g/m2 とした。
得られたカーペットについても実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
上記被覆弾性糸として、30dのポリウレタン繊維を芯糸21とし、捲縮加工がなされた75d/36fのポリアミド66からなるマルチフィラメントを芯糸21に巻き付けて鞘糸22とした。上記第1及び第2低伸縮糸3,4にも、それぞれ無撚りの捲縮加工が施されたポリアミド66製の総繊度1200dのマルチフィラメント糸を使用した以外は、実施例1と同様の条件で撚糸し、カーペットを製造した。目付は実施例1及び2と同様に660g/m2 とした。
得られたカーペットについても実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
上記被覆弾性糸を排除した以外は実施例1〜3と同様の条件にてカーペットを製造した。得られたカーペットの目付を実施例1〜3と同じ660g/m2 とした。
また、これらのカーペットについても実施例1〜3と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005509349
検体は全て、5/23Gタフトである。
また、圧縮率、圧縮弾性率、圧縮による減少率に関する試験法は、JIS L 1021−6に準じて行った。また、摩擦を伴った動的荷重による厚さ減少に関する試験法は、JIS L 1021−7に準じて行った。
表1から明らかなように、糸条の材質の変更によっても、圧縮率、圧縮弾性率、圧縮による減少率、並びに摩擦を伴った動的荷重による厚さ減少のいずれも同一傾向にあり、本発明の弾性複合撚糸から製造されたカーペットの特性は、被覆弾性糸を含まない複合撚糸と比較して大幅に向上していることが理解できる。
以上説明したとおり、本発明に係る弾性複合撚糸をタフト等の敷物や自動車用の内装品を製造することにより、従来のパイル糸には期待できなかった高い嵩高性が得られ、同じ目付であればより緻密で形態が安定したカーペット類が得られ、通常よりも目付を低くしても、通常と同じ感触が得られるカーペット類が得られるため、現代の経済下において求められる省資源、エコロジーにもつながる低目付化を図ることができ、また、前記弾性複合撚糸を使った敷物は、本発明品の特徴である、弾性回復力の高さにより、上方からの圧力に対して、へたりにくく、且つ凹みの目立たないふんわり感に優れた高品位の敷物となる。更に、3次元コイル形状をもつ本発明に特有の糸形体がもたらす、嵩高、美麗で独特の製品表情をもち、従来にない優れた意匠性が得られる。
1 弾性複合撚糸
2 被覆弾性糸
21 芯糸
22 鞘糸
3 第1低伸縮糸
4 第2低伸縮糸
5 ケーブルツイスター
6 被覆弾性糸用チーズ
7 第1低伸縮糸用チーズ
8 第2低伸縮糸用チーズ
9 コーディングポイント(結合点)
10 回転部材(ヤーンリザーブ用ディスク)
10a 糸導出口
11 ポット
12 導糸管
13 巻取部
14 (巻取り)チーズ
15 糸ガイド
16 張力調整装置

Claims (12)

  1. 自己伸縮性を有する弾性糸からなる芯糸に、熱可塑性マルチフィラメントを鞘糸とする被覆弾性糸と、熱可塑性マルチフィラメント糸又は紡績糸からなる第1及び第2低伸縮糸を含む2本以上の低伸縮糸とを備え、
    前記被覆弾性糸が所定の延伸倍率の延伸下にて前記第1低伸縮糸に合糸状態で挿入されてなり、
    前記第2低伸縮糸と、前記被覆弾性糸が挿入された前記第1低伸縮糸とが撚合されてなる弾性複合撚糸であって、
    前記被覆弾性糸の収縮力により弛緩時に発現する、前記芯糸を中心として径方向に突出する前記鞘糸の構成単繊維からなる多数の異形微小ループが、前記第1低伸縮糸の構成単繊維と絡合し熱セットされてなる、
    ことを特徴とする弾性複合撚糸。
  2. 前記被覆弾性糸の前記芯糸がポリウレタン糸、天然又は合成ゴム、若しくは捲縮加工糸であることを特徴とする請求項1記載の弾性複合撚糸。
  3. 前記被覆弾性糸の前記鞘糸と、前記第1及び第2低伸縮糸とが同一又は異質の材質からなるマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性複合撚糸。
  4. 前記第1低伸縮糸に挿入される前記被覆弾性糸が2本以上であることを特徴とする請求項3記載の弾性複合撚糸。
  5. 前記熱可塑性マルチフィラメントがポリプロピレン、ポリエステル又はポリアミドのいずれか、或いはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項3記載の弾性複合撚糸。
  6. 前記鞘糸を構成する単繊維の繊度が前記低伸縮糸を構成する単繊維の繊度と同じかそれ以下であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の弾性複合撚糸。
  7. 熱セット後の前記弾性複合撚糸の撚数が48〜430回/mであることを特徴とする請求項1記載の弾性複合撚糸。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の弾性複合撚糸の製造方法であって、
    自己伸縮性を有する弾性糸からなる芯糸に、熱可塑性マルチフィラメントを鞘糸とする2本以上の被覆弾性糸を緊張下で、熱可塑性マルチフィラメント糸又は紡績糸からなる第1低伸縮糸と引き揃えて一方向に回転する下部フライヤに相当する回転部材に導入したのち、上方に配されたコーディングポイントに向けて引き出すこと、
    前記回転部材の上部に近接して配された固定ポット内に、熱可塑性マルチフィラメント糸又は紡績糸からなる第2低伸縮糸を収容すること、
    該第2低伸縮糸を外取りしてポットの中心から上方に配された前記コーディングポイントに向けて引き出すこと、
    前記回転部材と前記コーディングポイント間にバルーンを形成しつつ上方に引き取られる上記被覆弾性糸及び上記第1低伸縮糸の合糸と、ポット軸心から上方に引き取られる第2低伸縮糸とを、前記コーディングポイントにて撚り合せること、及び
    前記コーディングポイントを過ぎた複合撚糸を巻き取ること、
    を含んでなることを特徴とする弾性複合撚糸の製造方法。
  9. 前記回転部材に巻き掛けられた前記被覆弾性糸及び第1低伸縮糸の張力を、前記回転部材を間欠的に回転させることにより調整すること、及び
    前記ポットと前記コーディングポイントとの間にて前記ポット内から引き出される前記第2低伸縮糸の張力を調整すること、
    を含んでなることを特徴とする請求項8記載の弾性複合撚糸の製造方法。
  10. 巻き取られた複合撚糸を弛緩して加熱セットすることを含んでなることを特徴とする請求項9記載の弾性複合撚糸の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の弾性複合撚糸がパイル糸として使われてなることを特徴とするパイル繊維製品。
  12. 前記パイル繊維製品が各種の敷物又は自動車用内装品を含んでなることを特徴とする請求項11記載のパイル繊維製品。
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