以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、ブラック単色モードではフルカラーモードよりも排出トナー像のトナー消費が節約される限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、二成分現像剤を用いて画像形成を行う、ブラック単色モードが実行可能な画像形成装置であれば、タンデム型/1ドラム型、中間転写型/記録材搬送型/直接転写型の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図2はブラックの画像形成部の構成の説明図である。図3は現像装置の構成の説明図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、記録材搬送ベルト7に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部PY、PM、PC、PKを配列した記録材搬送ベルト方式のフルカラープリンタである。
画像形成部PYでは、感光ドラム1Yにイエロートナー像が形成されて記録材搬送ベルト7上の記録材Pに転写される。画像形成部PMでは、感光ドラム1Mにマゼンタトナー像が形成されて記録材搬送ベルト7上の記録材Pのイエロートナー像に重ねて転写される。画像形成部PC、PKでは、それぞれ感光ドラム1C、1Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて同様に記録材搬送ベルト7上の記録材Pに順次重ねて転写される。
記録材搬送ベルト7に担持された状態で四色のトナー像を転写された記録材Pは、駆動ローラ71で曲率分離して定着装置8へ送り込まれる。定着装置8は、記録材Pを加熱加圧して表面にトナー像を定着させる。その後、記録材Pが機体外部へ排出される。
記録材搬送ベルト7は、テンションローラ72と駆動ローラ71に掛け渡して支持され、駆動ローラ71に駆動されて所定のプロセススピードで矢印R2方向に回転する。
記録材カセット70から引き出された記録材Pは、分離ローラ76で1枚ずつに分離して、レジストローラ75へ送り出される。レジストローラ75は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、感光ドラム1Yのトナー像にタイミングを合わせて記録材搬送ベルト7に記録材Pを供給する。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、現像装置4Y、4M、4C、4Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、ブラックの画像形成部PKについて説明し、他の画像形成部PY、PM、PCについては、説明中の構成部材に付した符号の末尾のKをY、M、Cに読み替えて説明されるものとする。
図2に示すように、画像形成部PKは、感光ドラム1Kの周囲に、コロナ帯電器2K、露光装置3K、現像装置4K、転写ブレード5K、ドラムクリーニング装置6Kを配置している。露光装置(静電像形成手段)3Kは、感光ドラム(感光体)1Kに静電像を形成する。現像装置4Kは、トナーとキャリアを含む現像剤(二成分現像剤)の攪拌を伴って感光ドラム1Kの静電像を現像する。現像剤補給装置(補給手段)25は、現像装置4Kで消費されたトナーを現像装置4Kに補給する。制御部(制御手段)30は、画像形成におけるトナー消費の不足を補うように、非画像形成時に露光装置3Kを制御して排出トナー像を感光ドラム1Kに形成させる。
感光ドラム1Kは、帯電極性が負極性の感光層をアルミニウムシリンダの基体上に形成して構成される。コロナ帯電器2Kは、コロナ放電に伴う荷電粒子を照射して感光ドラム1Kの表面を負極性の暗部電位VDに一様に帯電処理する。
露光装置3Kは、ブラックの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム1Kの表面に画像の静電像を書き込む。暗部電位VDに帯電した感光ドラム1Kの表面電位が露光を受けて明部電位VLに低下することで、トナー像を担持する露光部が形成される。なお、露光装置3Kは、レーザービームスキャナに代えて、発光ダイオード素子アレイ等他の画素列発光体を用いることもできる。
現像装置4Kは、感光ドラム1Kに形成された静電像を反転現像してトナー像を形成する。転写ブレード5Kは、記録材搬送ベルト7の内側面を押圧して感光ドラム1Yと記録材搬送ベルト7の間に転写部TKを形成する。電源D1は、転写ブレード5Kに正極性の電圧を印加して、感光ドラム1Kに担持されたトナー像を記録材搬送ベルト7に担持された記録材Pへ転写させる。
ドラムクリーニング装置6Kは、感光ドラム1Kにクリーニングブレード61を摺擦させて、記録材Pへの転写を逃れて感光ドラム1Kに残った転写残トナーを回収する。
<現像装置>
図3に示すように、現像装置4Kは、感光ドラム1K表面に対して300μmの間隔を隔てて現像スリーブ11が対向するように配置されている。現像装置4Kは、帯電させた現像剤を現像スリーブ11に担持させて磁気ブラシ状態で感光ドラム1Kとの対向部に搬送して静電像を反転現像する。
現像容器10の内部は、垂直方向に延在する隔壁15によって現像室16と撹拌室17とに区画され、隔壁15の上方は開放され、長手方向の両端部には現像室16と撹拌室17との間で現像剤を移動させるための開口(不図示)が形成されている。現像室16及び撹拌室17には、トナー(非磁性)とキャリア(磁性)を含む現像剤(二成分現像剤)が収容されている。現像剤は、第1撹拌スクリュー18及び第2撹拌スクリュー19によって撹拌されながら長手方向の反対方向に搬送され、上記の開口を通じて現像室16と撹拌室17を循環する。
現像室16は、感光ドラム1Kに対面した現像域に相当する位置が開口しており、この開口部から一部露出するようにして、現像スリーブ11が回転可能に配置されている。現像スリーブ11は、非磁性材料であるアルミニウム円筒で構成され、現像動作時には、矢印R4方向に回転する。現像スリーブ11の内部には、磁界発生手段であるマグネットローラ(ローラ状の磁石)20が非回転に配置されている。現像スリーブ11は、規制ブレード14によって層厚規制された現像剤の層を担持して回転し、感光ドラム1Kと対向する現像域で現像剤中のトナーのみを感光ドラム1へ移転させて静電像を現像する。負極性に帯電したトナーを現像スリーブ11から感光ドラム1Kへ移動させるために、電源D4は、負極性の直流電圧Vdcに交流電圧を重畳した振動電圧を現像スリーブ11に印加する。
現像装置4のマグネットローラ20は、5極構成からなり、第1撹拌スクリュー18で撹拌された現像剤は、汲み上げのための磁極(汲み上げ極)N3の磁力で拘束されて現像スリーブ11の回転により現像剤溜まり部12へ搬送される。現像剤返し部材13は、現像剤溜まり部12を規制する。搬送される現像剤の量が現像剤返し部材13で規制されるため、ある一定以上の磁束密度を有する磁極(カット極)S2で安定した現像剤を十分に拘束できる。
規制ブレード14は、現像剤の穂高を規制する穂高規制部材である。現像剤は、磁束に応答して磁気ブラシを形成しつつ搬送され、規制ブレード14で磁気ブラシが穂切りされることにより、その量が適正化され、磁極N1でさらに搬送されて現像極S1で現像に供される。
<二成分現像剤>
現像剤は、ポリエステル樹脂に顔料を分散させたトナー(非磁性)と、フェライトをシリコン樹脂でコーティングしたキャリア(磁性)とを主成分として構成される。現像室16及び撹拌室17での撹拌と現像剤溜まり部12での摺擦によって、トナーとキャリアが摩擦帯電し、トナーにマイナスの電荷が付与されて負極性に帯電する一方、キャリアは正極性に帯電する。
トナー(非磁性)としては、体積平均粒径が3〜9μmの重合トナーが好ましい。重合トナーを用いることにより、高解像力であり、濃度が安定し。かぶりの発生が極めて少ない画像形成が可能となる。キャリア(磁性)としては、体積平均粒径が30〜65μmで磁化量が20〜70emu/gの磁性粒子からなるフェライトコアのキャリアが好ましい。
<現像剤補給装置>
電子写真方式のフルカラー画像形成装置において、トナー(非磁性)とキャリア(磁性)とを混合して現像剤として使用する二成分現像方式が広く利用されている。二成分現像方式は現在提案されている他の現像方式と比較して、画質の安定性、装置の耐久性などの長所を備えている。一方、画像形成に伴い、トナーのみが消費されていくため、それに応じてトナーを適宜補給し、現像剤全体の重量に対するトナーの重量比であるトナー濃度を適切な範囲内に制御する必要がある。
トナー濃度を制御する方法として、光検知方式、インダクタンス検知方式、パッチ検知方式、ビデオカウント方式等が従来から提案され、実施されている。
光検知方式は、現像装置の内部に反射光検出センサを設け、現像剤の反射光からトナー濃度を直接検知する。インダクタンス検知方式は、現像装置の近傍に磁気センサを設け、現像剤の透磁率からトナー濃度を直接検知する。また、パッチ検知方式は、感光ドラム上に形成したパッチ画像の濃度を光学式センサにより検出し、検出結果に基づいてトナー補給量を制御する。また、ビデオカウント方式は、1枚の画像形成に用いる画像情報信号を検出して1枚の画像形成に消費されるトナー量を推定し、その推定値に基づいてトナー補給を行う。具体的には、露光装置3Kに供給する二値の走査線露光信号を所定周波数のクロックでサンプリングして二値のカウントを行って積算することにより、現像に用いるトナー量に対応するビデオカウント値を得ることも可能である。
画像形成装置100では、ビデオカウント方式とインダクタンス検知方式とを組み合わせて現像剤補給装置25からトナーを補給する。ビデオカウント方式で1枚の画像形成に消費したトナー量を求めて、次の1枚の画像形成時に現像剤補給装置25から消費したトナー量だけのトナーを補給する。そして、インダクタンス検知方式で測定したトナー濃度に応じた補正を供給量に施すことで、ビデオカウント方式による演算誤差の累積でトナー濃度が許容範囲を逸脱することを阻止している。
濃度センサ22は、現像剤の透磁率を検出して現像剤に占めるトナーの割合(トナー濃度)に応じた出力を制御部30に入力する。制御部30は、ビデオカウント方式による供給誤差が累積してトナー濃度が正常範囲(5〜12%)を逸脱すると、正常範囲に戻すように、ビデオカウント方式の補給量を調整する。
現像剤補給装置25は、画像形成を重ねてトナーが消費されていくと、消費量に応じたトナーを現像装置4Kへ補給する。このため、画像形成を繰り返すことで、現像剤中のトナーは順次新しいものに入れ替わっていく。
ところが、消費されるトナー量が少ない画像(画像比率が低い画像)を連続して出力し続けた場合、トナーの入れ替わりがほとんどなく、結果としてトナーが現像装置4K内に存在する時間が長くなり、長期に渡って現像装置4K内で循環し続けることになる。
そして、トナーの滞在時間が長くなると、トナーは現像装置4K内で長期的に摺擦、撹拌を繰り返され、形状が不規則になったり、粒径の分布に偏りを生じたりする。この結果、現像剤の流動性が低下する等の劣化が生じて十分な現像性能を発揮できなくなると、出力画像の品質が低下し易くなる。
また、現像剤に流動性を向上させる目的で添加されている酸化チタン粒子等の外添剤がトナー表面に埋め込まれて帯電性能が損なわれると、現像ムラや白地かぶりが発生して、出力画像の品質が低下する可能性も出てくる。
また、トナーはキャリアと摺擦することで電荷が付与されるが、同一のトナーが繰り返し摺擦され続けると、徐々に電荷が加算されて設計上の電荷量を大きく上回ってしまうことがある。トナーの持つ電荷が上昇していくと、反転現像では、感光ドラム1Kに形成された静電像に付着するトナー量が初期の状態に比べて減少し、画像出力した際に濃度の低下、低濃度部分の粒状性の悪化を引き起して、出力画像の品質が低化する可能性がある。
画像形成装置100では、トナー補給制御としてビデオカウントATR(Auto Toner Replenishment)を採用している。ビデオカウントATRとは、原稿画像の画素ごとのデジタル画像信号の出力レベルから1枚の画像形成に必要なトナー量を求め、現像装置4Kへ求めたトナー量だけのトナー補給を行う制御である。
制御部30は、画像情報信号のビデオカウント処理を行って、形成している画像の画像比率を算出する。そして、制御部30は、上記した画像品質の低下の問題を解決するために、算出された画像比率が所定値を下回っている場合には、画像と画像の間の非画像領域(紙間)に排出トナー像を形成して、強制的にトナーを消費させる。そして、排出トナー像を形成することで消費された分のトナーを現像剤補給装置25から新たに現像装置4K内に補給することで、劣化したトナーを新しいトナーと入れ替えている。
現像によって消費された分のトナーは、現像剤補給装置25から供給されるが、補給されたばかりのトナーも現像剤の撹拌に伴うキャリアとの摺擦によって適正な電荷が付与される。消費された分のトナーは、現像剤補給装置25のホッパー27の底から取り出され、トナー補給スクリュー26の回転に従って、現像装置4Kの撹拌室17内に補給される。撹拌室17内へのトナーの補給量(トナー補給量)は、トナー補給スクリュー26の回転時間によっておおよそ定められる。
このような制御を行うことで、画像比率の低い画像を連続して出力し続けた場合に、現像装置4K内のトナーの入れ替えが行われなくなることで生じる画質の低下や、画像濃度の低下を防止している。強制的にトナーを消費することにより、画像比率の低い画像を出力している場合においても、トナーの入れ替えが適宜行われ、出力画像のハーフトーン部のがさつきといった画質の低下を防止できる。そして、このようなトナーの入れ替えを多く行ってトナーを多く消費するほど、がさつきのような画像低下をより一層防止することが可能となる。
<ブラック単色モード>
図1に示すように、画像形成装置100は、その色処理モード(カラーモード)として、「フルカラー」、「ブラック単色」、「モノカラー」等の各モードを有している。フルカラーモードでは、原稿をフルカラーで再現する。ブラック単色モードでは、原稿の色味の有無を問わずに黒一色による再現を行う。モノカラーモードでは、原稿の色味の有無を問わずに黒以外の所望の単色による再現を行う。
フルカラーモードでは、上述したように、4つの画像形成部PY、PM、PC、PKを用いてフルカラー画像を形成する。フルカラーモードによる画像形成は、四色のトナーを相当量使用するため、1枚の画像形成あたりのコストが大きい。
ブラック単色モードは、画像形成部PKのみを用いてモノクロ画像を形成する。画像形成装置100にブラック単色モードが設定されると、破線の位置へ記録材搬送ベルト7が移動して、ブラック以外の画像を形成する感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写ベルト7が離間する。これにより、感光ドラム1Y、1M、1Cの摩耗が防止され、感光ドラム1Y、1M、1Cを停止させることで消費電力が節約される。また、ブラック以外の画像を形成する現像装置4Y、4M、4Cを停止させることで、現像剤の攪拌に伴うトナーの劣化が防止される。
さらに、ブラック単色モードは、線画像及び文字画像を形成する二値画像モードとスクリーンパターンのハーフトーン画像を形成する写真画像モードとを有する。二値画像モードでは、600dpiの解像度を最大限に生かした、高精細で画像エッジの明瞭なモノクロ画像を形成可能である。一方、写真画像モードでは、ハーフトーンを用いた階調表現によってなめらかなグレースケールのグラデーション画像を形成可能である。
ブラック単色モードは、フルカラーモードに比べて低コストで済むという利点があり、特にランニングコストを重視するユーザーに対して好まれる傾向がある。このため、画像スキャナ31で読み取る原稿画像がフルカラー部分を含んでいても、ユーザーが必ずしもフルカラーモードによる画像形成を行うとは限らない。
すなわち、原稿画像をフルカラーで再現する必要がなければ、より低コストなブラック単色モードによる複写処理を行う場合がある。また、フルカラー部分を含む原稿の複写を複数部作成する場合にも、複写物の用途に応じて、フルカラーモードとブラック単色モードとを使い分ける場合がある。
ユーザーは、操作パネル35を通じて設定を行うことで、フルカラーモードとブラック単色モードとを切り換え可能である。また、操作パネル35にブラック単色モード画面を表示させることで、さらに二値画像モードと写真画像モードとを切り換え可能である。
また、外部のコンピュータから送られてくる画像形成ジョブのデータには、フルカラーモード、ブラック単色画像モード、二値画像モード、写真画像モードの区別を示すデータが付加されている。制御部30は、画像形成ジョブに付加されたデータを読み込んで、指定されたモードを画像形成装置100に設定して、画像形成ジョブを開始する。
ところで、ブラック単色モード、特に二値画像モードでは、色数が少ないことから表現できる色域等もフルカラーに比べて必然的に狭くなる。このため、ユーザーもブラック単色モードを使用する際は、滑らかなハーフトーンを再現した写真調な画質というよりは、むしろ文字やグラフといった、ブラック単色でも十分表現できる画像を主に印字する傾向がある。これに対して、当然のことながら、フルカラーモードでは、色域がブラック単色モードに比較して広く、階調表現の幅も広がるため、ブラックの画像にも滑らかなハーフトーンの再現性を駆使した写真調画質を求める傾向がある。
従って、フルカラーモードとブラック単色モードの少なくとも2モードを有する画像形成装置では、ブラック単色モード時のランニングコストと、フルカラーモード時のハーフトーンのがさつき低減とを同時に満たす必要がある。
このため、フルカラーモードとブラック単色モードの双方において、等しく排出トナー像を形成して強制消費を行うと、文字の再現性等を重要視するブラック単色モードに対しては過剰にトナーを消費してしまう。その結果、ブラック単色モード時のランニングコストを圧迫してしまう。
一方、排出トナー像の形成による強制消費量を極力抑えることでランニングコストの低減を優先した場合、ハーフトーンの再現性が犠牲になって、フルカラーモード時に滑らかなハーフトーンを再現することが困難になる。
そこで、以下の実施例では、同じ画像比率の画像形成に対して、フルカラーモード時の排出トナー像によるトナー強制消費量を、ブラック単色モード時よりも多く設定するようにした。フルカラーモードとブラック単色モードとで、排出トナー像による強制消費を行うか否かを決定する画像比率の閾値を別々に設定可能とし、それぞれの閾値をユーザーが任意に設定できるようにした。これにより、フルカラーモード時のハーフトーン画像のがさつきの発生を防止しつつ、ブラック単色モード時のランニングコストの低減を可能にした。
<実施例1>
図4は画素の面積階調の説明図である。図5は出力画像の画像比率の説明図である。図6は実施例1のブラック強制消費制御のフローチャートである。図7は他色の強制消費制御のフローチャートである。図8は排出トナー像の形成タイミングの説明図である。
図2に示すように、制御部30は、露光装置3Kの制御に加え、画像形成装置100全体の動作を制御する。画像スキャナ31から送られてくる画像情報信号、あるいはコンピュータ等の出力装置33から画像情報処理装置32を介して送られてくる画像情報信号は、制御部30で受信される。制御部30は、線画像及び文字画像を出力する機会の多いブラック単色モー(第1モード)と、ドットを分散させたハーフトーン画像を出力するフルカラーモード(第2モード)とを切り換えて実行する。
制御部30は、露光装置3Kを制御して静電像を形成するためのレーザービームを発光させる。静電像は、感光ドラム1の主走査(長手)方向及び副走査(回転)方向にそれぞれ600dpiの解像度で形成される。
電子写真方式を用いたデジタル式の画像形成装置における画像処理の一つの代表的な方式は、光ビームを感光ドラム表面の感光層に照射するか否かによる二値記録方式である。原稿画像データに対して誤差拡散法、ディザ法、スクリーン処理等の画像処理を施すことによって、中間階調の画像をドットを分散させたハーフトーン画像データに再構成し、この再構成された画像データを分解して二値の走査線露光信号を形成している。レーザビームプリンタ等では、各種のスクリーン処理によりハーフトーン画像を再現している場合が多い。
図4の(a)に示すように、ハーフトーン画像は、多値のドットを所定のスクリーンパターンで配置して構成される。スクリーンパターンの角度をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色で異ならせることで、モアレパターンがフルカラー画像に出ないようにしている。具体的には、4ドット×4ドットの単位面積内に所定のスクリーンパターンに基づいて多値のドットを分散した画素Giによって構成されている。ドットの露光に用いるレーザービームの強度は一定であるが、ドット位置での照射時間(走査長)が長くなるほど、静電像ドットが深く(明部電位VLが低く)なり、深い静電像ドットには、現像装置4によってより多くのトナーが付着される。すなわち、ドットの位置におけるレーザビームの走査時間が長いほど出力されるドットの画像濃度が高くなり、静電像ドットの面積と深さとの組み合わせで現像ドットの階調が複数段階に設定される。
画素Giの階調は、スクリーンパターンの16とおりの面積階調と各ドットの16とおりの階調との組み合わせで256段階が設定され、これを00HからFFHまでの16進数2桁で表示している。00Hが画像上で最も濃度が低い白地部となり、図4の(b)に示すFFHが最も濃度が高いベタ部となる。そして、00HからFFHまでの画素Giの数値を、出力画像1枚に存在する全画素分足し合わせた合計値を、その画像のビデオカウントデータと呼ぶ。
図5に示すように、画像1枚分のビデオカウントデータを、全面FFH画素(全面ベタ)である画像のビデオカウントデータで割った数値を、10進数のパーセントに換算した数値をその画像の画像比率と呼ぶ。これらの数値計算は、すべて制御部30内の画像比率算出プログラムで処理され、全面白地画像の画像比率は0%、全面ベタ画像の画像比率は100%、一般的文書の全面文字画像の画像比率は5%程度である。
図2を参照して図6に示すように、実施例1では、ブラックトナーの消費量が少ない画像形成が続いた場合に、フルカラーモード(第2モード)とブラック単色モード(第1モード)とで場合分けを行う(S12)。ブラックトナーの強制消費の閾値となる画像比率を、フルカラーモード時(S13)とブラック単色モード時(S14)とで個別に設定し、フルカラーモード時のブラックトナーの強制消費量をブラック単色モード時よりも多くしている。
制御部30は、画像形成がスタートすると、入力された画像データを読み込み、ビデオカウント処理を行う。制御部30は、ブラックの1枚の画像におけるドットごとの濃度をメモリ34に格納して積算し、積算値からブラック画像の画像比率Vk(%)を算出する(S11)。
次に、その画像形成が、フルカラーモードで行われたものか、ブラック単色モードで行われたものかを判断する(S12)。フルカラーモードで行われた場合は、強制消費に至らせる閾値を3%と高く設定して(S13)、差分値V(n)=3−Vkの計算を行う。一方、ブラック単色モードで行われた場合は、閾値を1%と低く設定して(S14)、差分値V(n)=1−Vkと計算を行う。
このように、モードごとに設けられた閾値との差分値V(n)を計算した後、差分値V(n)が0以上、すなわち低消費だと判断した場合、以下の様にトナーの強制消費制御を行う。
図5に示すように、差分値V(n)相当のトナーを消費するように、連続画像形成時の先行する画像G1の後端と、これに後続する画像G2の先端との間である画像間隔(いわゆる紙間)に、排出トナー像Z1を形成する。排出トナー像Z1は、最高濃度の階調FFHの露光条件で、感光ドラム1Kの長手方向の全域に静電像を形成し、これを現像装置4Kで現像することにより形成される。
すなわち、1枚の画像に消費されるトナー量の不足量に応じて感光ドラム1Kの回転方向で排出トナー像Z1の長さを設定する。これにより、1枚の画像に消費されるトナー量と排出トナー像Z1の合計のトナー消費量を一定値に保っている。
感光ドラム1Kに形成された排出トナー像Z1は、画像間隔で転写ブレード5Kに印加する電圧を反転して負極性とすることで、記録材搬送ベルト7への転写を回避する。転写部TKを通過した排出トナー像Z1は、ドラムクリーニング装置6Kへ送り込まれ、クリーニングブレード61によりすべて感光ドラム1Kから除去される。
また、排出トナー像Z1を現像している間、又はその後に、消費した量と同量のトナーが現像剤補給装置25から現像装置4K内に補給される。したがって、現像装置4K内のトナーの入れ替えが行われ、トナーの流動性及び帯電量が適切な範囲に維持される。
また、光学式センサ21は、感光ドラム1Kに所定の露光条件で形成したパッチ画像に赤外光を照射して反射光を検出することにより、パッチ画像のトナー載り量に応じた出力を行う。制御部30は、トナー消費量が少ないにもかかわらず、パッチ画像のトナー載り量が増えてくると、トナーが劣化してトナー帯電量Q/Mが低下したと判断して排出トナー像によるトナー強制消費制御を実行する。
実施例1の制御を行うことで、フルカラーモードを多用するユーザーの場合は、強制消費の閾値は3%となる。これにより、フルカラーモード時はブラックトナーの強制消費量が多くなるため、低消費画像を連続して形成された場合であっても、ハーフトーン部のがさつきの低下を招くことなく良好に画像形成を行うことができる。
一方、ブラック単色モードを多用するユーザーは、強制消費の閾値は1%となる。これにより、ブラック単色モード時の強制消費量を抑えることで、文字再現等に不具合を起こすことなく、ランニングコストを低く抑えることができる。
図1を参照して図7に示すように、ブラックトナー以外の有彩色トナー(Y、M、C)の低消費時には、低消費のY、M、Cについて、フルカラーモード時のみ画像比率を計算する(S21)。基準値を3%として、画像ごとに基準値3%と各色の画像比率Vy、Vm、Vcとの差分値Vnを求めて(S22)、積算する(S24)。
図8に示すように、各回の差分量V(n)の積算値Sv(n)が100%を超えた場合(S24のYES)に強制消費(S25)と補給(S26)を行う。なお、上述したように、ブラック単色モード時は、現像装置4Y、4M、4Cは停止して使用されないため、強制消費は行われない。
実施例1の制御では、排出トナー像を形成するか否かを分けるための、画像の現像に消費されるトナー量に対応させた閾値が、ブラック単色モード(1%)では、フルカラーモード(3%)よりも低く制御される。このため、画像の現像に消費されるトナー量と前記排出トナー像として排出されるトナー量との1枚の画像あたりの和が、ブラック単色モードではフルカラーモードよりも少なく制御される。また、連続画像形成で画像の現像に消費される総トナー量をMgとし、当該連続画像形成に対応して形成される排出トナー像の総トナー量をMhとする。このとき、Mh/(Mg+Mh)が、ブラック単色モードでは、フルカラーモードよりも少なく制御される。
すなわち、フルカラーモード時のブラックトナー強制消費の閾値を、ブラック単色モード時の閾値よりも大きく設定し、フルカラーモードとブラック単色モードとでそれぞれに適した強制消費の閾値を設定する。これにより、フルカラーモード時のハーフトーン画像のがさつきの発生を防止し、かつブラック単色モード時のランニングコストも低減できる。
なお、実施例1では、排出トナー像Z1の濃度階調を最高濃度FFHとしたが、必ずしも最高濃度FFHである必要はなく、ある程度効率良くトナーを現像させるような濃度階調であればよい。
また、実施例1では、ビデオカウントATR方式によってトナー補給制御を行ったが、上述したパッチ検ATR方式や光検知ATR方式によるトナー補給制御を行ってもよい。
また、露光装置3Kの制御以外の制御を、他の制御装置(CPU:不図示)によって行ってもよく、ビデオカウント処理は、他に専用の演算部を設けてそこで処理することも可能である。
また、トナーの強制消費モードの実行時に、排出トナー像を感光ドラムの非画像領域に転移させる例を説明したが、感光ドラムの画像領域に転移させるようにしてもよい。例えば、1サイズ大きな記録材を用いて画像と排出トナー像とを転写する画像形成を行った後に、排出トナー像が転写・定着された部分を切断分離してもよい。
<実施例2>
実施例2では、フルカラーモード時のブラック分版画像の画像処理とブラック単色モード時のブラック画像の画像処理とを異ならせる。すなわち、フルカラーモード(第2モード)では、多値のドットを所定のスクリーンパターンで配置したスクリーン画像を出力するが、ブラック単色モード(第1モード)では、二値のドットを所定の拡散規則で配置したディザ画像を出力する。排出トナー像を用いたブラックトナーの強制消費に関する構成及び制御は、実施例1と同様であるためここでは述べない。
一定強度のレーザービームのON/OFFで静電像を形成する場合、上述したように、原画像データに対して二値記録方式の画像処理が施される。二値記録方式の画像処理の長所としては、多値記録に比較して画像データが少ないことが挙げられる。そのため、メモリ容量が少なくて済む他に、画像データの高速処理が可能であり、ページメモリやイメージサーバ利用時のデータのハンドリングの良さも大きなメリットである。そのため、高速複写機、高速プリンタにも用いられている。また、画像形成プロセス上、出力画像の濃度や色味が安定する等の長所もある。
画像形成装置100では、記録密度上の最小画素は、主走査方向及び副走査方向に600dpi(dot per inch)の解像度を有するため、約42μm角となる。そして、現像を経た最小画素(最小ドット)の形状がハーフトーンの均一性や滑らかさの重要な因子となる。従って、上記した二値画像の短所としては、最小ドットの粒状感が目立ち易くなるということがある。特に、人物写真等の画像中にドットが目立つのは一般的に好ましくない。
ところで、多値画像を表現するにあたって、レーザービームの点灯時間を可変とすることにより、基本画素(ドット)の大きさを複数段階に可変とすることにより階調性を表現するパルス幅変調(PWM)がある。また、レーザービームの光量自体を可変とすることにより、基本画素(ドット)の静電像の明部電位VLを複数段階に可変とすることにより階調性を表現する輝度変調(パルス振幅変調(PAM))がある。
これに対して、擬似階調と呼ばれるディザ拡散法では、単純に1(黒)と0(白)の基本画素を分散して両者の比率を変化させることで、黒白の出現頻度によって中間調を表現する。ディザ拡散法では、元の画像の画素の階調に応じて、一定の規則の基に白黒の基本画素を生成していく演算によって、さまざまな濃さの灰色を表現することができる。ディザ拡散法は、原画の1画素を1ドットで表現する処理のため、1画素を複数ドットで表現する図4のスクリーンパターン手法に比較して演算回数が少なくて済むという特徴がある。
一般的に、パルス幅変調(PWM)、又は輝度変調による階調表現の方が、ディザ拡散法による階調表現に比べて階調性に優れていることが知られている。しかし、前者は、ドットの露光に多値データを取り扱うにあたり、データ数の多さから二値データに比べてハンドリングに難があり、後者に比べて画像処理に時間を要する。
このため、実施例3では、フルカラーモード時のブラック画像処理をPWM多値処理とする一方、ブラック単色モード時のブラック画像処理を二値処理とした。フルカラーモード時のブラック画像は、ドットあたりのトナー載り量を変化させて露光用のハーフトーン画像を形成する多値演算の画像処理を行う。実施例1と同様に、スクリーンパターンを用いてドットを配置し、ドットの露光については、パルス幅変調(PWM)による多値表現を採用する。
しかし、ブラック単色モードでは、ドットあたりのトナー載り量が一定となる露光用のハーフトーン画像を形成する二値演算の画像処理を行う。ブラック単色モード時の画像処理は、ディザ拡散法を用いた単純な二値画像処理を採用した。
これにより、ブラック単色モードにおける画像処理のデータ上のハンドリングが飛躍的に向上することから、ブラック単色モードの高速化が容易になる。また、二値画像が画像形成プロセス上安定であり、強制消費制御の閾値を下げた状態であっても安定した画像形成が行えるため好ましい。
また、ブラック単色モード時には、上記の通り中間階調の再現性よりも文字再現性等が重要視されるため、画像品質上も大きな問題とはならない。ブラック単色モードでは、フルカラーモードのように、他色のパターンと干渉してモアレパターンを発生することもない。
実施例3によれば、実施例1と同様に、フルカラーモード時のハーフトーン画像のがさつきの発生を防止し、かつブラック単色モード時のランニングコストを低減できる。加えて、ブラック単色モード時の高速化を容易にして、画像形成プロセスを安定化できる。
<実施例3>
図9は実施例3のブラック強制消費制御のフローチャートである。実施例2では、フルカラーモード時とブラック単色モード時とでブラックの画像比率の閾値を別々に設ける点は実施例1と同様である。しかし、画像比率の閾値との差分値V(n)が生じた場合でもすぐには強制消費を行わず、図8に示すように、ベタ画像1枚分の強制消費量が積算された段階で、ベタ画像1枚分の排出トナー像を形成して強制消費制御を行う。
また、実施例2では、トナーの強制消費量の積算に際して、フルカラーモードでの閾値と実際の画像比率との差分値と、ブラック単色モードでの閾値と実際の画像比率との差分値とを合算してトナーの強制消費量の積算を行う。これにより、ブラック単色モードとフルカラーモードとを混在させて使用するユーザーに対しても、バランスの取れたトナーの強制消費量を設定できる。
図2を参照して図9に示すように、制御部30は、実施例1と同様に、ブラックの1枚の画像の画像比率を算出し(S11)、フルカラーモードかブラック単色モードかを判断する(S12)。そして、画像比率の閾値を設定して、1枚の画像における差分値V(n)を求める(S13、S14)。
制御部30は、差分値V(n)の積算をSv(n)=Sv(n−1)+V(n)により行う(S35)。そして、積算値Sv(n)が100%以上になると(S36のYes)、以下の様に強制消費制御を行う(S38)。
図8に示すように、A4サイズ横送りで画像比率100%相当のトナー量の排出トナー像Znを形成する。画像形成動作を一次中断し、露光条件を最大濃度FFH相当に設定して感光ドラム1Kの軸方向の全域に静電像を形成し、これを現像して排出トナー像Znが形成される。感光ドラム1Kの1回転でちょうどA4サイズで100%相当の排出トナー像Znが形成されるように、主走査方向の露光長さが設定されている。
現像した排出トナー像Znは、転写ブレード5Kに印加する電圧を反転させることで、転写部TKで記録材搬送ベルト7へ転写せず、ドラムクリーニング装置6Kへ送り込んですべて除去される。トナーの強制消費と並行して新しいトナーが現像剤補給装置25から補給されることにより、現像装置4K内のトナーの流動性及び帯電量がより適切な範囲に回復する。
実施例2の制御によれば、フルカラーモードを多用するユーザーの場合は、強制消費の閾値は3%となる一方、ブラック単色モードを多用するユーザーは、強制消費の閾値は1%となる。これにより、フルカラーモード時は黒トナーの強制消費量が多くなるため、画像比率の小さい画像を連続形成した場合であっても、ハーフトーン部のがさつきの低下を招くことなく良好に画像形成を行うことができる。一方、ブラック単色モード時の強制消費量を抑えることで、文字再現等に不具合を起こすことなく、ランニングコストを低く抑えることができる。
実施例2の制御では、フルカラーモード時におけるブラックトナーの強制消費の閾値をブラック単色モード時よりも大きく設定する。言い換えれば、フルカラーモードとブラック単色モードとでそれぞれに適した強制消費の閾値を設定する。これにより、フルカラーモード時のハーフトーン画像のがさつきの発生を防止し、かつブラック単色モード時のランニングコストが低減される。
実施例2の制御では、フルカラーモードでの差分値の積算値とブラック単色モードでの差分値の積算値とを合算してトナーの強制消費制御のトリガーをかける。このため、フルカラーモードとブラック単色モードとを交互に利用する場合でも、適正なタイミングで強制消費制御が実行されて、劣化したトナーでフルカラーモードを開始する事態が回避される。
<実施例4>
図10は実施例4の画像形成装置の構成の説明図である。実施例4の画像形成装置100Aは、図1の画像形成装置100の画像形成部PY、PM、PC、PKを用いて中間転写型の画像形成装置を構成したものである。従って、図1〜図4と共通する構成には共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図10に示すように、画像形成装置100Aは、中間転写ベルト7Aに沿って画像形成部PY、PM、PC、PKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。画像形成部PY、PM、PC、PKで順次形成されて、下からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に中間転写ベルト7Aに転写されたフルカラートナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ一括二次転写される。
二次転写ローラ74は、対向ローラ73によって内側面を支持された中間転写ベルト7Aに当接して二次転写部T2を形成する。電源D2は、トナー像と重ねて記録材Pが二次転写部T2を挟持搬送される過程で二次転写ローラ74に正極性の直流電圧を印加して、フルカラートナー像を中間転写ベルト7Aから記録材Pへ二次転写させる。
パソコン等の外部入力装置33から送信された画像データは、画像情報処理装置32にて、必要に応じて、CMYK分版、グレートーン化、二値化、中間階調の変換等の画像処理を施されて露光画像データが形成される。
ブラック単色モードを使用するユーザーは、操作パネル36に表示させた画面上で希望するモードを選択可能である。線画像及び文字画像を出力するブラック単色モード(第1モード)36aと、ドットを分散させたハーフトーン画像(写真画像)を出力するブラック単色モード(第2モード)36bとを選択可能である。
また、フルカラーモードを使用するユーザーは、同様に、線画像及び文字画像を出力するフルカラーモード(第1モード)36cと、ドットを分散させたハーフトーン画像(写真画像)を出力するフルカラーモード(第2モード)36dとを選択可能である。
実施例4では、図6に示す差分値V(n)相当のトナーを消費するように、連続画像形成の画像間隔(紙間)に、排出トナー像Z1を形成してトナーの強制排出制御を行う。設定された閾値から形成中の画像の画像比率を差し引いて差分値V(n)を求め、差分値V(n)に相当するトナー量となるように排出トナー像Z1の長さを設定する。
このため、1枚の画像に消費されるトナー量と排出トナー像Z1の合計のトナー消費量は、閾値に対応する一定値に保たれる。ただし、差分値V(n)を求めるための閾値は、実施例1よりも細分化され、操作パネル36を通じて設定されたモードに応じて表1のように4とおりに設定される。
表1に示すように、ブラック単色モードでは、二値のドットを所定の拡散規則で配置したディザ画像を出力する。一方、フルカラーモードでは、多値のドットを所定のスクリーンパターンで配置したスクリーン画像を出力する。それぞれの閾値は、画像の画像比率と排出トナー像の画像比率の和である。閾値にA4サイズベタ画像の現像に要するトナー量を掛け合わせたトナー量は、画像の現像に消費されるトナー量と排出トナー像として排出されるトナー量との1枚の画像あたりの和である。フルカラーモードでもブラック単色モードでも、線画像及び文字画像を出力するモードでは、ハーフトーン画像を出力するモードよりも閾値が小さく設定される。
また、ハーフトーン画像を出力するモードでは、フルカラーモードのほうがブラック単色モードよりも閾値が大きく設定される。フルカラーモードの各色の濃度ムラは色ムラになって目立つため、トナーの劣化を抑制してドットのトナー載り量の再現性を高めている。