(1)画像形成装置例
図3は本発明を適用した画像形成装置例の概略構成図である。この画像形成装置は電子写真フルカラー画像形成装置であり、プリンタ部1000と、このプリンタ部の上に搭載した画像読取り部(イメージスキャナ)2000を有する。Hは画像形成装置を統括制御するコントローラ(制御手段:制御回路部、制御基板)である。
プリンタ部1000は、4サイクルタイプ−中間転写構成の電子写真デジタルカラープリンタであり、画像読取り部2000からコントローラHに入力する画像信号に対応した画像を記録材Pに形成して出力する複写機として機能する。また、パソコン・ファクシミリ等のリモート端末(外部入力機器)からコントローラHの受信手段(不図示)に入力する画像信号に対応した画像を記録材Pに形成して出力する、プリンタやファクシミリとして機能させることもできる。即ち、1つの像担持体を備えた作像装置において、その1つの像担持体に電子写真プロセスにより画像情報に応じた複数色のトナー像を順次に形成させる。その各色のトナー像を像担持体に接触し得る状態で周回する中間転写体の表面に順次に重ね合わせるように一次転写させる。そして、中間転写体の表面に形成された多重トナー像を記録材に一括で二次転写し、次いで定着してフルカラーの画像形成物を出力するものである。
プリンタ部1000において、1は移動可能な光導電性の像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。感光ドラム1は中心支軸(不図示)を中心に所定の周速度(プロセススピード)、本実施の形態では300mm/secの速度で、矢印の反時計方向に回転駆動される。
感光ドラム1は、その回転過程において、除電装置11により均一に除電を受けた後、一次帯電器(感光ドラムの周面を均一に帯電するための帯電手段)2により一様なコロナ帯電処理を受ける。
除電装置11は、例えば除電光の波長および光量を厳密にコントロールできるLEDアレイである。除電装置11にはこの他にもヒューズランプアレイ等を用いても良い。
一次帯電器2は、本実施の形態においては、感光ドラム1に対して非接触のスコロトロン方式のコロナ帯電器である。この一次帯電器2には、放電バイアス印加電源(不図示)から直流電圧−900μAの放電バイアスと、グリッドバイアス印加電源(不図示)から直流電圧−800Vのグリッドバイアスが印加される。これにより、回転する感光ドラム1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電される。
一次帯電器2には、スコロトロン方式のコロナ帯電器の他にも、感光ドラム1に接触又は近接して設けられる、導電性の帯電ローラや帯電ブラシ、磁気ブラシ等の接触帯電器を用いることができる。
そして、感光ドラム1の帯電処理面に対して、露光装置3による像露光により感光ドラム1の周面に像露光パターンに対応した静電潜像(静電電荷像)が形成される。露光装置3は、帯電後の感光ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段であり、本実施の形態においては、レーザ走査露光装置である。レーザ走査露光装置3は、画像読取り部2000(やリモート端末、以下同じ)から入力する画像信号に対応してレーザ光を出力して、回転する感光ドラム1の帯電後の表面を走査露光Eする。これにより、感光ドラム1に表面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
露光装置3は、例えば図4に示すように、画像読取り部2000のフルカラーセンサ84で読み取られた画像信号に基づいて照射する光の発光信号を発生する発光信号発生器33を有する。また、発光信号発生器33からの発光信号に応じてレーザ光を発生させる半導体レーザ素子(固体レーザ)34、発生したレーザ光の光路幅を規定するコリメータレンズ系35と、光路幅が規定されたレーザ光を反射する回転多面鏡(ポリゴンミラー)31を有する。また、回転多面鏡31で反射したレーザ光を感光ドラム1に走査させるf/θレンズ群32と反射ミラー群36を有する。
露光装置3により感光ドラム1の表面をレーザ走査露光Eする場合には、まず、画像読取り部2000から入力された画像信号に基づき、発光信号発生器33により半導体レーザ素子34を所定タイミングで明滅(ON/OFF)させる。そして、半導体レーザ素子34から放射された光信号であるレーザ光を、コリメータレンズ系35によりほぼ平行な光束に変換し、さらに矢印aの方向に高速回転する回転多面鏡31により感光ドラム1を矢印bの方向(長手方向、ドラム母線方向)に走査する。これによってf/θレンズ群32、反射ミラー群36により感光ドラム1の表面にレーザスポットが結像される。
このようなレーザ走査露光Eにより、感光ドラム1の表面には走査分の露光分布が形成され、さらに、各走査毎に、感光ドラム1の表面に対して垂直に所定量だけスクロールさせれば、感光ドラム1の表面に画像信号に応じた露光分布が得られる。
即ち、感光ドラム1の一様な帯電面に対して露光装置3から出力される画像信号に応じてON/OFF発光される半導体レーザ素子34の光を高速で回転する回転多面鏡31によって走査する。これにより、感光ドラム1表面には走査露光パターンに対応した各色の静電潜像が順次形成されていく。
本実施の形態の画像形成装置には、後述するように、図2・図5で示される画像情報により露光強度を制御する露光制御手段が含まれている。
そして、上記のように感光ドラム1の表面に形成された静電潜像がロータリー現像装置4によりトナー像として現像される。ロータリー現像装置4は、ロータリー部41の円周部に、感光ドラム1の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する、4つの現像器(現像手段)4Y、4M、4C、4Kを装着したものである。
現像器4Yにはイエロートナー(Y)を有する現像剤が収容されている。現像器4Mにはマゼンタトナー(M)を有する現像剤が収容されている。現像器4Cにはシアントナー(Y)を有する現像剤が収容されている。現像器4Kにはブラックトナー(K)を有する現像剤が収容されている。そして、ロータリー部41が、矢印の反時計方向に、所定の制御タイミングにて所定の角度回転されることによって、現像器4Y、4M、4C、4Kが感光ドラム1と対向する現像位置に選択的に移動される。
感光ドラム1の表面に形成されたトナー像は、中間転写体ユニット5の一次転写部T1において、中間転写体としての中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)51の表面に一次転写される。ベルト51は、無端状の誘電体製ベルトであり、複数のローラ5a〜5g間に懸回張設されている。そして、ローラ5b・5c・5dにより感光ドラム1に対して接触状態にされている。感光ドラム1とベルト51との接触ニップ部が一次転写部T1である。ベルト51は、例えばローラ5aを駆動ローラとして、矢印の時計方向に感光ドラム1の回転速度に対応した速度で回転駆動される。また、ローラ5cを一次転写ローラ(一次転写部材)とし、このローラ5cに対して、一次転写バイアス印加電源(不図示)から、トナーの帯電極性とは逆極性の所定の一次転写電圧が所定の制御タイミングで印加される。これにより、感光ドラム1上のトナー像がベルト51の面に移動される。一次転写ローラ5cと一次転写バイアス印加電源が一次転写手段である。一次転写電圧は定電圧制御でも定電流制御であってもよく、ここでは、一次転写ローラ52cには、定電圧制御された直流電圧+700Vが印加される。
また、ローラ5gを二次転写対向ローラとし、この二次転写対向ローラ5gに対してベルト51を挟ませて二次転写ローラ(二次転写部材)57が接離可能に配設されている。二次転写ローラ57がベルト51に接触しているときの接触ニップ部が二次転写部T2である。二次転写ローラ57には、二次転写バイアス印加電源(不図示)から、トナーの帯電極性とは逆極性の所定の二次転写電圧が所定の制御タイミングで印加される。二次転写ローラ57と二次転写バイアス印加電源が二次転写手段である。本実施の形態では、二次転写ローラ57には、定電圧制御による直流電圧+2500Vが印加される。
二次転写ローラ57は、二次転写対向ローラ5gに対してベルト51を挟んで所定に圧接した第1の状態と、ベルト51の外面から離間した第の2状態とに不図示のシフト機構により切り換え制御される。二次転写ローラ57は、常時はベルト51の外面から離間した第2の状態に切り換えられて保持されている。第1の状態に切り換えられることで、ベルト51の外面との間に二次転写部T2が形成される。
また、ローラ5aのベルト懸回部に対向させてベルトクリーニング装置55が配設されている。このベルトクリーニング装置55は、クリーニング部材がベルト51に所定に接した第1の状態と、クリーニング部材がベルト51の外面から離間した第2の状態とに不図示のシフト機構により切り換え制御される。ベルトクリーニング装置55、常時はベルト51の外面から離間した第2状態に切り換えられて保持されている。
ベルト51を構成する誘電体シート素材としては、PET、ポリアセタール、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエーテルケトン、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテンのフィルム形状シートを用いることができる。また、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニリンスルフィド、ポリウレタン、シリコン樹脂、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリサルフォンを用いることができる。また、芳香族ポリエステル、ポリエーテルイミド、芳香族ポリイミド等、エンジニアリングプラスチックのフィルム形状シートを用いることができる。本実施の形態では、機械特性、電気的特性および難燃性等の点から、ポリイミド樹脂を使用した。また、体積抵抗は導電性フィラーを添加して109Ωcmとし、厚みは100μmでシームレスタイプのものを用いた。
一次転写ローラ5cは、6φ、327mmのSUSローラを芯金とし、芯金上にウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成する。それを、さらに切削研磨して形状及び表面性を整え、可撓性を有する、12φ、297mmの一次転写ローラを作成した。得られた一次転写ローラは、抵抗が107Ω・cmであり、硬度は、アスカーC硬度で28度であった。
フルカラー画像の形成は次のようにしてなされる。まず、感光ドラム1に対して、1色目としての例えばYトナー像が、上記の帯電・露光・現像の画像形成工程により形成される。そして、そのYトナー像が一次転写部T1において、一次転写電圧が印加されている一次転写ローラ5cによりベルト51上に一次転写される。ベルト51に転写されないで感光ドラム1の面に残った一次転写残トナーはドラムクリーニング装置6により感光ドラム1の面から除去される。クリーニング装置6により清掃された感光ドラム1は繰り返して画像形成に供される。
ドラムクリーニング装置6は、例えば図8に示すように、感光ドラム1側に開口するように設けられる容器状のケーシング61を有する。また、感光ドラム1の表面に当接するようにケーシング61の開口部の上方側端部に設けられているウレタンゴム等からなるクリーニングブレード62を有する。また、ケーシング61の開口部に回転自在にかつ感光ドラム1の表面を摺擦する位置に設けられているブラシ部材63と、ブラシ部材63に当接してブラシ部材63に捕集された捕集物をブラシ部材63から掻き落とすスクレーパ67を有する。また、ケーシング61の開口部の下端縁に設けられ、クリーニングブレード62で感光ドラム1の表面から除去された付着物やブラシ部材63から漏れた捕集物がケーシング61から落下するのを防止するためのスクイシート(トナー受け部材)64を有する。また、ケーシング61内に収容された付着物や捕集物等をケーシング61の外部に搬送するスクリュー65を有する。
クリーニングブレード62は、ケーシング61の枢軸66でもって取り付けてあり、ケーシング61とクリーニングブレード62の支持部材69の後端69bとの間に引張コイルばね68が張設されている。これにより、クリーニングブレード62の自由端縁の一つのエッジ62aが感光ドラム1に圧接している。
ブラシ部材63は、例えば回転軸とこの回転軸の表面に林立するブラシとから構成されている。回転軸は金属製であり、ケーシング61の回転可能に設置されている。ブラシは導電性の繊維によって形成され、繊維の太さは4〜30D/Fであり、ブラシ密度は1万〜40万本/平方インチとしている。
上記と同様の画像形成工程(帯電、露光、現像、一次転写)が、2色目、3色目、4色目としての、例えばMトナー像、Cトナー像、Kトナー像の順で繰り返えされて、ベルト5の表面に順次に重ね合わせるように一次転写される。これにより、ベルト5上に、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、Kトナー像の順次重畳転写からなる未定着のフルカラートナー像(多重トナー像)が合成形成される。なお、色トナー像の形成順序は上記の順序に限られるものではない。
一方、所定の制御タイミングで、第1〜第4の給紙カセット7A〜7D、マルチ手差しトレイ7Eの複数の給紙部のうちの予め選択された給紙部の給紙ローラ71・72が駆動される。これにより、その給紙部に積載収容された記録材Pが一枚分離されて送り出され、シートパス73からレジストローラ74へ送られる。レジストローラ74は、記録材Pの斜行補正と、ベルト51から記録材Pへのトナー像の二次転写のタイミングを制御するもので、給紙部側から給紙された記録材Pの先端を受け止めて一旦停止させる。
また、二次転写ローラ57が所定の制御タイミングで第1の状態に切り変えられる。そして、レジストローラ74の位置で停止されている記録材Pは所定の制御タイミングでレジストローラ74から再給紙され、第1の状態に切り変えられた二次転写ローラ57とベルト51との間の二次転写部T2に導入され、二次転写部T2を挟持搬送されていく。その間、二次転写ローラ57には所定の二次転写電圧が印加されて、ベルト51上のフルカラーのトナー像が記録材P上に静電的に一括転写される。即ち、ベルト51上のフルカラーのトナー像が記録材Pの面に移動される。これにより、記録材P上には未定着のフルカラートナー像が形成される。
記録材Pに転写されないでベルト51の面に残った二次転写残トナーはベルトクリーニング装置55によりベルト面から除去される。本実施の形態において、ベルトクリーニング装置55はクリーニングブレードとスクイシートを有している。このベルトクリーニング装置55により清掃されたベルト51は繰り返して画像形成に供される。ベルトクリーニング装置55は、二次転写部T2にてベルト51から記録材Pに対するトナー像の二次転写がなされるときに、所定の制御タイミングにてベルト51の外面に接触した状態に切り換えられる。ベルトクリーニング装置55は、フルカラー画像形成中はベルト51から離間しており、単色画像形成時は常時当接するように制御される。
二次転写部T2を出た記録材Pはベルト51の面から分離して、搬送ベルト58によって定着装置(定着手段)9へ搬送され、定着ニップ部に導入される。これにより、フルカラートナー像が記録材Pの表面に加熱加圧定着される。定着装置9は、例えばヒータを内蔵する定着ローラ91と、定着ローラ91に対して相対的に付勢して設けられている加圧ローラ92と、定着ローラ91の表面を加熱する外部加熱ローラ93を有する。また、定着ローラ91に付着したトナーや紙粉等を除去する定着ウェブ94を有する。
定着装置9を出た記録材Pはシートパス13aを通って排紙ローラ12により排紙トレイ10上に排紙される。
自動で両面画像を形成する場合には、記録材反転シートパス13b・13cを通過して、再度レジストローラ74へ送られる。そして、上記画像形成の一連プロセスを繰り返すことにより、記録材Pの裏面にも画像形成を行うことができる。
(2)画像読取り部2000
画像読取り部2000は、原稿80が載置される原稿台ガラス81と、原稿台ガラス81に載置された原稿80の画像を走査する露光ランプ82とミラーとからなる画像走査ユニット85を有する。また、露光ランプ82で照らされた原稿80の反射光像を集光する短焦点レンズアレイ83を有する。また、集光された原稿80の光像を読取り画像信号に変換するCCD等のフルカラーセンサ84を有する。フルカラーセンサ84は光像をRGB(レッド・グリーン・ブルー)の三原色で色分解読取りする。
原稿台ガラス81の上面に、複写すべき面を下面にして原稿80を載置し、その上に原稿圧着板(不図示)を被せてセットする。原稿圧着板を原稿自動送り装置(ADF、RGF)にして、原稿台ガラス81の上にシート状の原稿を自動で送る構成にすることもできる。
画像走査ユニット85は、コピー・キー(不図示)が押されることで、原稿台ガラス81の下面に沿って、図3におけるガラス左辺側のホームポジションからガラス右辺側に往動駆動される。そして、画像走査ユニット85は、所定の往復終点に達すると、復動駆動されて始めのホームポジションに戻される。画像走査ユニット85の往動駆動過程において、原稿台ガラス81上の載置された原稿80の下向き画像面が、露光ランプ82により左辺側から右辺側にかけて順次照明走査される。その照明走査光の原稿面の反射光が短焦点レンズアレイ83によってフルカラーセンサ84の受光面に結像される。
フルカラーセンサ84は、不図示の受光部、転送部、出力部より構成されており、受光部において光信号が電荷信号に変えられて、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送される。そして、出力部において電荷信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。このようにして得られたアナログ信号を周知の画像処理によりデジタル信号に変換してプリンタ部1000のコントローラHに出力する。すなわち、画像読取り部2000により原稿80の画像情報が時系列電気デジタル画素信号(画像信号)として光電読取りされる。
図5に画像処理の一例のブロック図を示す。同図において、フルカラーセンサ84から出力された画像信号は、アナログ信号処理部201に入力されてゲインやオフセットが調整される。その後、A/D変換部202で各色成分毎に、例えば、8ビット(0〜255レベル:256階調)のRGBデジタル信号に変換される。そして、シェーディング補正部203においてシェーディング補正が施される。即ち、色毎に基準白色板106(図3)を読み取った信号を用いて一列に並んだCCDのセンサセル群一つ一つの感度バラツキを無くすために、一つ一つのCCDセンサセルに対応させてゲインを最適化する公知のシェーディング補正が施される。
ラインディレイ部204は、シェーディング補正部203から出力された画像信号に含まれている空間的ずれを補正する。この空間的ずれは、フルカラーセンサ84の各ラインセンサが、副走査方向に、互いに所定の距離を隔てて配置されていることにより生じたものである。具体的には、B色成分信号を基準として、R及びGの各色成分信号を副走査方向にライン遅延し、三つの色成分信号の位相を同期させる。
入力マスキング部205は、ラインディレイ部204から出力された画像信号の色空間を、式(1)のマトリクス演算により、NTSCの標準色空間に変換する。つまり、フルカラーセンサ84から出力された各色成分信号の色空間は、各色成分のフィルタの分光特性で決まっているが、これをNTSCの標準色空間に変換するものである。
LOG変換部206は、例えばROMやRAMなどからなるルックアップテーブル(LUT)で構成され、入力マスキング部205から出力されたRGB輝度信号をCMY濃度信号に変換する。ライン遅延メモリ207は、黒文字判定部(不図示)が入力マスキング部205の出力から制御信号UCR、FILTER、SENなどを生成する期間(ライン遅延)分、LOG変換部206から出力された画像信号を遅延する。
ダイレクトマッピング部208は、ライン遅延メモリ207から出力された画像信号からプリンタ部1000へ例えば8bitの色成分画像信号として、3次元LUTを参照しダイレクトに出力する。ダイレクトマッピングは例えば、色空間内のL*a*b*やRGBなどの三つの入力信号を与えることにより、その色を再現するために必要な出力色空間内の信号値を、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の信号として出力する。本色変換法はマトリクス演算を必要とせず、非線形な変換が可能となることから、UCRの設定など色変換の自由度が大幅に向上し、載り量をコントロールしながら、所望の色再現を可能にすることができる。
γ補正部209は、画像信号をプリンタ部1000の理想的な階調特性に合わせるために、ダイレクトマッピング部208から出力された画像信号に濃度補正を施す。出力フィルタ(空間フィルタ処理部)210は、CPU214からの制御信号に従って、γ補正部209から出力された画像信号にエッジ強調又はスムージング処理を施す。
LUT211は、原画像の濃度と出力画像の濃度とを一致させるためのもので、例えばRAMなどで構成され、その変換テーブルは、CPU214によって設定されるものである。
こうして処理された画像信号は、露光手段としてのレーザ走査露光装置3の半導体レーザ素子34(図4)を駆動する発光信号発生器33へ入力される。
なお、この画像形成装置にはパターンジェネレーター212が搭載されており、階調パターンが登録されていて、発光信号発生器33に直接信号を渡すことができるようになっている。
外部入力機器220は、画像形成装置に接続したリモート端末であり、例えばパソコン・ファクシミリである。この外部入力機器220の画像信号がダイレクトマッピング部208に入力して画像処理され、露光手段としてのレーザ走査露光装置3の半導体レーザ素子34(図4)を駆動する発光信号発生器33へ入力される。これにより、外部入力機器220から入力する画像情報についても、それに対応した画像を記録材Pに形成して出力することができる。
(3)電子写真感光体1
図16は電子写真感光体の一例の層構成を示す模式図である。この電子写真感光体1は、支持体1aの上に、下引き層1b、感光層を構成する電荷発生層1c及び電荷輸送層1d、表面層である保護層1eを順次に積層している。
本実施例で用いた感光体は、負帯電のOPC感光体であり、φ84mmのアルミニウム製のドラム基体上に、導電層、電荷発生層、電荷輸送層を順番に浸漬塗布して作製されたものである。以下に具体的な製法を述べる。
ポリアミド(CM−8000:東レ製)10重量部、メタノール100重量部、及びブタノール80重量部を混合溶解した後、干渉縞が出ないように表面形状を加工したアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布し、乾燥後膜厚1.0μmの中間層を設けた。次にヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料10重量部、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−S:積水化学製)5重量部、及びシクロヘキサノン600重量部を、ガラスビーズを用いたサンドミル装置で分散し、電荷発生層塗料を得た。この塗料を前記中間層上に通常の浸積塗布法で塗布し乾燥後付着量150mg/cm2の電荷発生層を得た。
次に、トリアリルアミン化合物10重量部、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ型、商品名:ユーピロンZ200、三菱瓦斯化学製)10重量部をモノクロロベンゼン50重量部、メチラール20重量部に溶解させ、電荷輸送層塗料とした。この電荷輸送塗料を、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、乾燥後膜厚15μmの電荷輸送層を設けた。
電荷発生層である光導電層には前記化合物以外にも機械的特性の改良や耐久性向上のために添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定化剤、架橋剤、潤滑剤、導電性制御剤等が用いられる。また必要に応じて、ドラム最表面に保護層を設ける場合も本発明が適用できる。
(4)現像装置4
ローラリー現像装置4の前記4つの現像器4Y、4M、4C、4Kは、何れも、例えば図7に示すような二成分系現像器である。二成分系現像器は、現像剤として、トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を用いる。
各現像器4Y、4M、4C、4Kは、トナーtと磁性キャリアとからなる現像剤Tを収容する現像容器42と、現像容器42の開口部に回転自在に設けられ、現像容器42に収容されている現像剤Tを担持する現像スリーブ40を有する。また、現像スリーブ40の内側に固定され、所定の複数の位置に複数の磁極を着磁したマグネットローラ41と、現像スリーブ40に担持された現像剤Tの層厚を規制する規制ブレード43を有する。規制ブレード43は、例えば、現像スリーブ40の表面に対して離間して設けられる非磁性の金属プレート等である。また、現像容器42を開口部側の現像室42aと現像室42aよりも奥側の攪拌室42bとに区切る隔壁42cと、各室の現像剤Tを搬送、攪拌する搬送スクリュー44a、44bを有する。また、攪拌室42bに補給されるトナーtを収容するトナーホッパー45と、攪拌室42bに向けて開閉する、トナーホッパー45の開口部46を有する。現像スリーブ40は、例えばアルミニウムや非磁性ステンレス鋼等の非磁性材からなる。現像器は、用いる現像剤の種類に応じて適宜選択することができる。
感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4のロータリー部41を回転させて感光ドラム1に対向した現像位置へ所定の現像器を移動させ、二成分磁気ブラシ法によって、現像器により反転現像されて第一色目のトナー像として可視像化される。
各現像器において、現像室42aおよび攪拌室42b内には、上記トナー粒子と磁性キャリア粒子が混合された現像剤Tが収容されている。また、現像室42a内の現像剤Tは、搬送スクリュー44aの回転駆動によって現像スリーブ40の長手方向に向けて搬送される。攪拌室42b内の現像剤Tは、搬送スクリュー44bの回転駆動によって現像スリーブ40の長手方向に向けて搬送される。搬送スクリュー42bによる現像剤搬送方向は、搬送スクリュー42aによるそれとは反対方向である。
隔壁42cには、紙面と垂直方向である手前側と奥側に開口部(不図示)がそれぞれ設けられている。搬送スクリュー42aで搬送された現像剤Tがこの開口部の一つから搬送スクリュー44bに受け渡され、搬送スクリュー44bで搬送された現像剤Tが他のもう一つの開口部から搬送スクリュー44aに受け渡される。トナーは磁性キャリアとの摩擦で、静電潜像を現像するための極性に帯電する。
現像スリーブ40は矢印dの方向(時計方向)に回転駆動され、トナーおよび磁性キャリアの混合された現像剤Tを担持して現像部Dに搬送する。現像スリーブ40に担持された現像剤Tの磁気ブラシは、現像部Dで矢印の反時計方向に回転する感光ドラム1に接触する。感光ドラム1の周面の静電潜像はこの現像部Dで現像剤Tの磁気ブラシによりトナー像として現像される。
現像スリーブ40には、現像バイアス印加電源(不図示)から直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。静電潜像の暗部電位(非露光部電位)と明部電位(露光部電位)は、上記の振動バイアス電圧の最大値と最小値の間に位置している。これによって、現像部Dに、向きが交互に変化する交番電界が形成される。この交番電界中で、トナーと磁性キャリアは激しく振動し、トナーが現像スリーブ40および磁性キャリアへの静電的拘束力を振り切って静電潜像に対応して感光ドラム1の表面の明部電位部に付着する。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク電圧)は1〜5kVが好ましく、周波数は1〜10kHzが好ましい。また、振動バイアス電圧の波形は、矩形波やサイン波、三角波等であっても良く、またデューティを変えても良い。ここでは、ピーク電圧が1.8kV、周波数は2kHzの矩形波を用いている。
そして、上記の直流電圧成分は、静電潜像の暗部電位と明部電位の間の値のものであるが、絶対値で、最小の明部電位よりも暗部電位の方により近い値であることが、暗部電位領域へのカブリトナーの付着を防止する上で好ましい。例えば、暗部電位−700Vに対して、明部電位−200V、現像バイアスの直流成分を−550Vとするとよい。また、現像スリーブ40と感光ドラム1の最小間隙(この最小間隙は現像部D内にある)は0.1〜1mmであることが好ましい。ここでは、最小間隔を0.35mmとしている。
また、規制ブレード43で規制されて現像部Dに搬送される現像剤Tの量は、マグネットローラ41の現像磁極S1による現像部Dでの磁界により形成される現像剤Tの磁気ブラシの現像スリーブ40表面上での高さに関して次のようであることが好ましい。即ち、上記の高さが、感光ドラム1を取り除いた状態で現像スリーブ40と感光ドラム1との間の最小間隙値の1.2〜5倍となるような量であることが好ましい。例えば、最小間隔が0.35mmであれば0.42mmとすると良い。
マグネットローラ41の現像磁極S1は、現像部Dと対抗する位置に配置されており、現像磁極S1が現像部Dに形成する現像磁界により現像剤Tの磁気ブラシが形成され、この磁気ブラシが感光ドラム1に接触してドット分布静電潜像を現像する。その際、磁性キャリアの穂(ブラシ)に付着しているトナーも、この穂ではなく現像スリーブ40の表面に付着しているトナーも、静電潜像の明部電位部に転移してこれを現像する。
現像磁極S1による現像磁界の現像スリーブ40の表面上での強さ(現像スリーブ40表面に垂直な方向の磁束密度)は、そのピーク値が5x10−2T〜2x10−1Tであることが好適である。また、マグネットローラ41には、上記の現像磁極S1の他に、N1、N2、N3、S2極を有している。
ここで、感光ドラム1の表面の静電潜像を、現像器を用いて二成分磁気ブラシ法により顕像化する現像工程と現像剤Tの循環系について説明する。現像スリーブ40の回転によりN2極で汲み上げられた現像剤Tは、S2極からN1極と搬送され、その途中で規制ブレード43で層厚が規制され、現像剤薄層を形成する。そして、現像磁極S1の磁界中で穂立ちした現像剤Tが感光ドラム1上の静電潜像を現像する。その後、N3極、N2極間の反発磁界により現像スリーブ40上の現像剤Tは現像室42a内に落下する。現像室42a内に落下した現像剤Tは、搬送スクリュー44aにより攪拌搬送される。また、このような循環系において、消費されたトナーに見合った新規のトナーtが、トナーホッパー45の開口部46の開閉により攪拌室42b内に落下し補給される。
(6)実施例と比較例
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例においては、露光手段であるレーザ走査露光装置3は、均一に帯電した感光ドラム1の表面を、露光して静電潜像を形成する。レーザ走査露光装置3は、複数の露光強度に調整可能で、露光制御手段である発光信号発生器33により制御される。そして、少なくとも二次色文字・ラインを形成する際、感光ドラム1から中間転写ベルト51に移動される一色目の文字・ラインについて、エッジ部のトナー高さは、エッジ部以外のトナー高さより高くなるようにし、かつ感光ドラム1から中間転写ベルト51に移動される二色目の文字・ラインについて、エッジ部のトナー高さは、エッジ部以外のトナー高さよりも低くなるように、レーザ走査露光装置3で露光強度(レーザ露光光量)を切り換えて露光する。即ち、少なくとも二次色文字・ラインを形成する部分で、中間転写ベルト51上における、下層文字・ラインの端部のトナー量を増やし、上層文字・ラインの端部のトナー量を減らすようにレーザーの露光強度を制御する。これにより二次色の文字・ラインの濃度を下げることなく、飛び散りを抑制して、中間転写ベルト51の表面に二次色文字・ラインを形成する。
図6に発光信号発生器33の一例を示す。同図は特開平4−77050号公報に示されている、パルス幅変調とパワー変調を組み合わせた光量制御方式の半導体レーザ駆動装置の回路構成図である。図6の構成では、電流源308、310に対してスイッチング回路307、309がそれぞれ接続されている。電流源308が発生する電流をi1、電流源310が発生する電流をi2とすると、レーザ駆動電流はスイッチング回路307、309をそれぞれ独立に動作させることによって、i1、i2およびi1+i2の3パターンを作ることができる。各スイッチング回路307、309の駆動を指示するVin1、Vin2は、パワー切換回路302からドット毎に選択的に出力される信号S1、S2と、PWM信号の論理和である。
例えば、S1信号がHiの場合、PWM信号はそのままANDゲート303を通過して、スイッチング回路307を駆動し、PWM信号に追従して電流i1が半導体レーザ素子34に流れる。S1がLowの場合、スイッチング回路307はPWM駆動せずi1は半導体レーザ素子34に流れない。
S1、S2をドット毎に切換えることで、ドット毎に使用する駆動電流値(i1、又はi2、又はi1+i2)を選択し、PWM駆動させることができる。PWM信号とS1、S2信号は、入力された画像(Video)信号をもとにPWM回路301、パワー切換回路302により生成される。
本実施例における図6の電流源308が発生する電流i1と電流源310が発生する電流i2の関係はi1=i2/2に設定している。また通常の画像形成は電流i2のみで制御され、前記の明部電位−200Vは電流i2でレーザ駆動電流は制御されている。
図9にレーザ駆動電流と感光ドラム1上のレーザ露光光量の関係を示す。ここでレーザ露光強度は、レーザ駆動電流に対する単位時間当たりのレーザの積分光量である。
露光強度は図4においてコリメータレンズ系35の直後に、(株)アドバンテスト社製高出力用光センサQ82313を取り付け、同社製光パワー・メータQ8230と組み合わせて測定することができる。
ここではレーザ駆動電流を切り換えて常時点灯させることによりその露光強度を測定している。同図において、図6の電流源308が発生する電流i1と電流源310が発生する電流i2の関係はi1=i2/2に設定しており、レーザ露光光量も電流と同じく比例関係にある。また通常の画像形成は電流i2のみで制御され、上述の明部電位−200Vは電流i2のレーザ駆動電流で制御されている。
なお、半導体レーザ素子34の制御は、レーザ駆動電流をモニタすることにより確認することができる。また、その制御によるトナープロファイルは、(株)KEYENCE社製カラー3Dレーザ顕微鏡(VK−9510)を用いることにより測定することができた。
本実施例では、半導体レーザ素子34は、少なくとも、L1、L2、L3(L1>L2>L3)の露光強度に調整可能である。以下、説明のためL1を露光強度(大)、L2を露光強度(中)、L3を露光強度(弱)とする。即ち、図9のように、半道体レーザ素子34をレーザ駆動電流i1+i2で制御したときのレーザ露光光量150%が露光強度(大)である。また、レーザ駆動電流i2で制御したときのレーザ露光光量100%が露光強度(中)である。そして、レーザ駆動電流i1で制御したときのレーザ露光光量50%が露光強度(小)である。通常の画像形成は露光強度(中)で行われる。
そして、少なくとも二次色文字・ラインを形成する際、感光ドラム1から中間転写ベルト51に移動される一色目の文字・ラインについて、エッジ部のトナー高さは、エッジ部以外のトナー高さより高くなるようにし、かつ感光ドラム1から中間転写ベルト51に移動される二色目の文字・ラインについて、エッジ部のトナー高さは、エッジ部以外のトナー高さよりも低くなるように、レーザ走査露光装置3で露光強度を切り換えて露光する。これにより、中間転写ベルト51の表面に二次色文字・ラインを形成する。
図2に、図6に示したパワー切換回路302における二次色文字・ライン判定フローチャートを示す。
図2において、入力された画像信号はS101により文字・ライン判定を、S103により二次色判定をそれぞれ行われどちらにも該当しない場合S102によりS1をオフ、S2をオンにして処理を終了する。
二次色文字・ライン判定された場合、S104により一色目かどうかの判定が行われ、一色目の場合、S105によりエッジ判定が行われる。エッジの場合、S106によりS1およびS2をオンとし、さらにエッジ近傍判定がS107により行われる。そして、エッジ近傍の場合、S108によりS1をオン、S2をオフ、エッジおよびエッジ近傍以外ではS102によりS1をオフ、S2をオンにして処理を終了する。
一方、二色目の場合、S109によりエッジ判定が行われ、エッジの場合、S110によりS1をオン、S2をオフとし、さらにエッジ近傍判定がS111により行われる。そして、エッジ近傍の場合、S112によりS1およびS2がオンされ、それ以外はS102によりS1をオフ、S2をオンにして処理を終了する。
以下、具体的に、解像度600dpiの二次色ラインとして、マゼンタトナーとシアントナーのベタを重ねた、ライン幅169.5μm(4画素)のブルーラインを形成する場合を例にとる。
ここで、図10には(a)の画像信号に対するレーザ駆動電流の制御を、また図1A、図1Bには一次転写工程におけるトナー像の形成状況を、それぞれ示す。
図10の(a)に示す画像信号に対し、図10の(e)に示すように、両端の画素のみ電流源308と電流源310が発生する電流の和であるi1+i2のレーザ駆動電流で制御する。そして、中央の2画素には電流源308が発生する電流i1のレーザ駆動電流で制御した半導体レーザ素子34による静電潜像をマゼンタトナーで現像し、幅169.5μmのマゼンタトナーライン像を感光ドラム1上に得る。この一色目のトナー像はエッジ部では中央部よりもトナー高さが高くなった形態の像である。
図1Aの(a)に示すように、一色目のトナー像であるマゼンタトナー層Mtを担持する感光ドラム1が、(b)に示すように一次転写部T1において中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つマゼンタトナー層Mtは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(c)に示すように、中間転写ベルト51上に転写されて、マゼンタトナー層Mt´が形成される。このマゼンタトナー層Mt´もエッジ部では中央部よりもトナー高さが高くなった形態である。また、(d)に示すように、中間転写ベルト51の裏面電荷は減衰しつつ、マゼンタの一次転写終了後、感光ドラム1と中間転写ベルト51は互いに離れていく。
続いて、次の色の画像形成工程において、図10の(d)に示すように、マゼンタの時とは逆に、両端の画素のみ電流源308が発生する電流i1のレーザ駆動電流で制御する。そして、中央の2画素には電流源308と電流源310が発生する電流の和であるi1+i2のレーザ駆動電流で制御した半導体レーザ素子34による静電潜像をシアントナーで現像し、幅169.5μmのシアントナーライン像を感光ドラム1上に得る。この二色目のトナー像はエッジ部では中央部よりもトナー高さが低くなった形態の像である。
こうして、図1Bの(e)に示すように、シアントナー層Ctを担持する感光ドラム1が、(f)に示すように、一次転写部T1において既にマゼンタトナー層Mt´が形成された中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つシアントナー層Ctは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(g)に示すように、先に転写されたマゼンタトナー層Mt´上に重畳されるように転写されたシアントナー層Ct´が形成される。その際、転写を終えた中間転写ベルト51が感光ドラム1から離れていくポストニップ部では、図1Bの(h)に示すように、転写電荷がライン中央と画像のない部分の両方向に拡散する。これにより弱いフリンジ電界Edが発生し、トナー像端部で僅かながらトナー散りが発生したが、ブルーラインのエッジのボケは、次に説明する比較例1と比べて大幅に抑えられ、濃度も確保できた画像となった。
[比較例1]
図10の(b)に示すように、現像器4Mを用いてマゼンタトナーを現像する際、4画素とも電流源310が発生する電流i2のレーザ駆動電流で制御された半導体レーザ素子34によって静電潜像が形成される。これにより、幅169.5μmのライン像を感光ドラム1上に得る。
次に図11Aの(a)に示すように、マゼンタトナー層Mtを担持する感光ドラム1が、(b)に示すように、一次転写部T1において中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つマゼンタトナー層Mtは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられる。そして、(c)に示すように、中間転写ベルト51上に転写されて、マゼンタトナー層Mt´が形成される。また、(d)に示すように、マゼンタの一次転写終了後、感光ドラム1と中間転写ベルト51は互いに離れていく。
続いて、次の色の画像形成工程において、図10の(b)に示すように、現像器4Cを用いてシアントナーを現像する際、4画素とも電流源310が発生する電流i2のレーザ駆動電流で制御された半導体レーザ素子34によって静電潜像が形成される。そして、幅169.5μmのライン像を感光ドラム1上に得る。
こうして、図11Bの(e)に示すように、シアントナー層Ctを担持する感光ドラム1が、(f)に示すように、一次転写部において既にマゼンタトナー層Mt´が形成された中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つシアントナー層Ctは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(g)に示すように、先に転写されたマゼンタトナー層Mt´上に重畳されるように転写されてシアントナー層Ct´が形成される。その際、転写を終えた中間転写ベルト51が感光ドラム1から離れていくポストニップ部では、中間転写ベルト51の対向電極である感光ドラム1が離れていくことによりトナー層Ct´、Mt´を拘束していた電界Eが弱まる。そのため、体積抵抗率が109Ω・cmと低い中間転写ベルト51では、ライン像の裏面部分の転写電荷が移動しやすくなり、(h)に示すように、転写電荷が画像のない部分の裏面に拡散する。これにより、トナー像端部においてトナーを上方へと移動させようとする電界Ed(フリンジ電界)が形成される。中間転写ベルト51上のトナーは中間転写ベルト51の裏面の転写電荷に引きつけられているが、トナー層が4層、5層と積層されるに従い、トナー像の総電荷量が増加する。これにより、フリンジ電界も大きくなり、また上層のトナーの中間転写ベルト51への静電気的拘束力は下層のトナーに比べて弱くなる。そのため、トナー像端部の上層のトナーはフリンジ電界Edにより飛散し、トナー像端部周辺にトナー散りが発生した。このトナー散りによりブルーラインはエッジのぼけた画像となった。
[比較例2]
実施例1と逆の組み合わせで、図10の(a)に示す画像信号に対し、(d)に示すように、中央の2画素のみ電流源308と電流源310が発生する電流の和であるi1+i2のレーザ駆動電流で制御する。そして、両端の画素には電流源308が発生する電流i1のレーザ駆動電流で制御した半導体レーザ素子34による静電潜像をマゼンタトナーで現像し、幅169.5μmのライン像を感光ドラム1上に得る。
図12Aの(a)に示すように、マゼンタトナー層Mtを担持する感光ドラム1が、(b)に示すように、一次転写部において中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つマゼンタトナー層Mtは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(c)に示すように、中間転写ベルト51上に転写されて、マゼンタトナー層Mt´が形成される。また、(d)に示すように、中間転写ベルト51の裏面電荷は減衰しつつ、マゼンタの一次転写終了後、感光ドラム1と中間転写ベルト51は互いに離れていく。
続いて、次の色の画像形成工程において、図10の(e)に示すように、マゼンタの時とは逆に、中央の画素のみ電流源308が発生する電流i1のレーザ駆動電流で制御する。そして、両端の画素には電流源308と電流源310が発生する電流の和であるi1+i2のレーザ駆動電流で制御した半導体レーザ素子34による静電潜像をシアントナーで現像し、幅169.5μmのライン像を感光ドラム1上に得る。
こうして、図12Bの(e)に示すように、シアントナー層Ctを担持する感光ドラム1が、(f)に示すように、一次転写部において既にマゼンタトナー層Mt´が形成された中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つシアントナー層Ctは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(g)に示すように、先に転写されたマゼンタトナー層Mt´上に重畳されるように転写されたシアントナー層Ct´が形成される。その際、シアントナー層Ct´のエッジ部の量が多いために比較例1と比べて僅かながらトナー散りが発生する。こうして転写を終えた中間転写ベルト51が感光ドラム1から離れていくポストニップ部では、(h)に示すように、ライン中央に集中していた転写電荷がライン端部の画像のない部分の両方向に拡散する。これにより弱いフリンジ電界Edが発生し、トナー像端部でさらに僅かにトナー散りが発生したが、ブルーラインのエッジのボケは実施例1と比べてやや劣るものの、比較例1に比べて散りが抑えられ、濃度も確保できた画像となった。
[比較例3]
図10の(a)に示す画像信号に対し、(d)に示すように、中央の2画素のみ電流源308と電流源310が発生する電流の和であるi1+i2のレーザ駆動電流で制御する。そして、両端の画素には電流源308が発生する電流i1のレーザ駆動電流で制御した半導体レーザ素子34による静電潜像をマゼンタトナーで現像し、幅169.5μmのライン像を感光ドラム1上に得る。
図13Aの(a)に示すように、マゼンタトナー層Mtを担持する感光ドラム1が、(b)に示すように一次転写部において中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つマゼンタトナー層Mtは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(c)に示すように、中間転写ベルト51上に転写されて、マゼンタトナー層Mt´が形成される。また、(d)に示すように、中間転写ベルト51の裏面電荷は減衰しつつ、マゼンタの一次転写終了後、感光ドラム1と中間転写ベルト51は互いに離れていく。
続いて、次の色の画像形成工程において、図10の(d)に示すように、マゼンタの時と同様に、両端の画素のみ電流源308が発生する電流i1のレーザ駆動電流で制御する。そして、中央の2画素には電流源308と電流源310が発生する電流の和であるi1+i2のレーザ駆動電流で制御した半導体レーザ素子34による静電潜像をシアントナーで現像し、幅169.5μmのライン像を感光ドラム1上に得る。
こうして、図13Bの(e)に示すように、シアントナー層Ctを担持する感光ドラム1が、(f)に示すように、一次転写部において既にマゼンタトナー層Mt´が形成された中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つシアントナー層Ctは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(g)に示すように、先に転写されたマゼンタトナー層Mt´上に重畳されるように転写されたシアントナー層Ct´が形成される。その際、中央部のトナー量が多いために中央部からトナー量の少ないラインエッジ部へのトナー散りは多くなっているが、ほとんどライン内となっている。転写を終えた中間転写ベルト51が感光ドラム1から離れていくポストニップ部では、(h)に示すように、ライン中央部に集中していた転写電荷がライン端部の画像のない部分の両方向に拡散する。これにより弱いフリンジ電界Edが発生し、トナー像端部で僅かながらトナー散りが発生したが、ブルーラインのエッジのボケは比較例1と比べて大幅に抑えられたが、中央部では濃度が濃く、端部では薄くなっているために、ややぼけたラインとなった。
なお、図10の(a)に示す画像信号に対し、(c)に示すように、レーザ駆動電流を制御すると、特許文献2にある構成となり、上述の構成とほぼ同じ効果が得られる。しかし、ライン中央部の濃度は確保できないため、ラインとしては薄く、ややぼけたラインとなった。
[比較例4]
図10の(a)に示す画像信号に対し、(e)に示すように、両端の画素のみ電流源308と電流源310が発生する電流の和であるi1+i2のレーザ駆動電流で制御する。そして、中央の2画素には電流源308が発生する電流i1のレーザ駆動電流で制御した半導体レーザ素子34による静電潜像をマゼンタトナーで現像し、幅169.5μmのライン像を感光ドラム1上に得る。
図14Aの(a)に示すように、マゼンタトナー層Mtを担持する感光ドラム1が、(b)に示すように、一次転写部において中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つマゼンタトナー層Mtは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(c)に示すように、中間転写ベルト51上に転写されて、マゼンタトナー層Mt´が形成される。また、(d)に示すように、中間転写ベルト51の裏面電荷は減衰しつつ、マゼンタの一次転写終了後、感光ドラム1と中間転写ベルト51は互いに離れていく。
続いて、次の色の画像形成工程において、図10の(e)に示すように、マゼンタの時と同様に、中央の2画素のみ電流源308が発生する電流i1のレーザ駆動電流で制御する。そして、両端の画素には電流源308と電流源310が発生する電流の和であるi1+i2のレーザ駆動電流で制御した半導体レーザ素子34による静電潜像をシアントナーで現像し、幅169.5μmのライン像を感光ドラム1上に得る。
こうして、図14Bの(e)に示すように、シアントナー層Ctを担持する感光ドラム1が、(f)に示すように、一次転写部において既にマゼンタトナー層Mt´が形成された中間転写ベルト51と対向し合う。そうすると、マイナスの電荷を持つシアントナー層Ctは裏面からプラスの電荷を付与された中間転写ベルト51に引きつけられ、(g)に示すように、先に転写されたマゼンタトナー層Mt´上に重畳されるように転写されたシアントナー層Ct´が形成される。その際、端部のトナー量が多いために感光ドラム1から中間転写ベルト51へのトナーの移動距離も大きくなっているため中間転写ベルト51へ移動したトナーは幾度かのバウンドを繰り返しながら中間転写ベルト51に転写される。従って、端部からトナー量の少ない中央部とライン端部の画像のない部分へのトナー散りは多くなっている。転写を終えた中間転写ベルト51が感光ドラム1から離れていくポストニップ部では、(h)に示すように、ライン端部に集中していた転写電荷がライン中央部とライン端部の画像のない部分の両方向に拡散する。これにより弱いフリンジ電界Edが発生し、トナー像端部でトナー散りが発生し、比較例1と比べてライン幅が太く変化し、トナー散りも多い画像ブルーラインとなった。
以上から、ライン濃度を確保しつつトナー散りが最も低減されるのは実施例1の構成であり、次いで比較例2、比較例3、大きく離れて比較例1、比較例4となった。
即ち、二次色飛び散りは、中間転写体上又は記録材上の文字・ラインの上に像担持体上の文字・ラインを重ねて転写した際に、トナー同士の静電的反発力により、上層にある文字・ラインのエッジ部のトナーが文字・ライン脇へと飛翔してしまう現象である。或いは中間転写体上の二次色文字・ラインを搬送している途中で、トナー同士の静電的反発力により、上層にある文字・ラインのエッジ部のトナーが文字・ライン脇へと飛翔してしまう現象である。
実施例1のように、少なくとも二次色文字・ラインを形成する際、一色目のエッジ部ではトナー高さが高くなるように、かつ二色目のエッジ部ではトナー高さが低くなるように、露光手段で露光強度を切り換えて露光する。この構成により、中間転写体の表面に二次色文字・ラインを形成する。この構成では、上層にある文字・ラインのトナーのほとんどは下層にある文字・ラインの内側にあり、かつ、エッジ部のトナーは僅かである。そのため、上層の文字・ラインエッジ部のトナーが飛び散っても飛び散りとして少なく肉眼では判別しがたい構成となる。
上記の構成にいては、下層にあるトナーのエッジ部のトナー高さが高くなるようにしているため濃度としては濃く、上層にあるトナーのエッジ部のトナー高さが低くなるようにしているため濃度としては薄くなる。そのため、二次色としては下層にあるエッジ部のトナーの色が強く出てきてしまう傾向がある。
そこで、下層文字・ラインのエッジ部のトナー量を増やした分だけ、下層文字・ラインのエッジ部以外の部分(中央部)のトナー量を増やすように露光を行なう。そして、上層文字・ラインの端部のトナー量を減らした分だけ、上層文字・ラインの端部以外の部分(中央部)のトナー量を増やすように露光を行なう。即ち、文字・ラインの画像形成を行なった時の単位面積あたりのトナー量と、文字・ライン以外の画像形成を行なった時の単位面積あたりのトナー量とが同じとなるように露光強度を設定する。そうすると、端部のトナー量補正を行わないような画像形成の時と同じような濃度で画像形成を行なうことができる。
また、実施例1と比較例1〜4では、600dpiで4画素に限定したラインで説明した。しかし、実施例1では、レーザ露光光量を増やした分に対応する量を減らすことによりトナー量を一定にしているため、解像度に依らず4画素以上で構成される文字・ラインに適用することができる。
さらに、レーザ露光露光強度を切り換えるレベルが実施例中は3段階であるため4画素以上としているが、切り換えるレベルが4段階以上持つことにより3画素以上に適用することができる。
なお、600dpiで4画素のラインは文字としてゴシック体の4ポイント相当であり、文字においても、二次色に本発明を適用すると上述の比較例と同様の結果が得られた。
したがって、二次色文字・ラインを形成する際、実施例1で示したように一色目のエッジ部ではトナー高さが高くなるように、かつ二色目のエッジ部ではトナー高さが低くなるように、露光手段3で露光強度を切り換えて露光する。これにより、中間転写ベルト51上で二次色文字・ラインを形成することが最も濃度を確保しトナー散りのない画像を得ることができた。
<実施例2>
実施例1では、図6に示す電流源308が発生する電流i1と、電流源310が発生する電流i2の関係をi1=i2/2と設定して駆動電流を制御している。この方法は制御としては簡便であるものの、各駆動電流(i1、i2、i1+i2)に対してトナー付着量は線形の関係には無いため、二次色ラインの濃度を所望の濃度とすることが感光体や現像剤の特性により困難となる場合がある。
半導体レーザ素子34を駆動するレーザ駆動電流を、図6に示した加算式ではなく、独立制御方式とし、図15に示すようにトナー付着量が1:2:3の関係となるようにi1´、i2´、i3´を制御する。つまり、露光強度(大)の露光強度で露光された感光ドラム1の領域を現像した時のトナー量をD1。露光強度(中)の露光強度で露光された感光ドラム1の領域を現像した時のトナー量をD2。露光強度(小)の露光強度で露光された感光ドラム1の領域を現像した時のトナー量をD3、とした時、(D1+D3)/2=D2となるように、露光強度を設定する。これにより、より安定したトナー層の形状を制御することが可能となる。
<実施例3>
実施例1は4サイクルタイプ−中間転写構成の画像形成装置で説明したが、本発明は、図17に示すようなタンデムタイプ−中間転写構成の画像形成装置においても適用でき、同様の効果が得られた。
図16の画像形成装置は、第1から第4の4つの作像装置UY・UM・UC・UKが図面上左側から右側に並列に配設されている。各作像装置は何れもレーザ走査方式の電子写真プロセス機構であり、感光ドラム1、一次帯電器(帯電ローラ)2、レーザ走査露光装置3、現像器4(4Y・4M・4C・4K)、一次転写ローラ5c、ドラムクリーニング装置6等を有している。第1の作像装置UYは感光ドラム1にY(イエロー)色のトナー像を形成する。第2の作像装置UMは感光ドラム1にM(マゼンタ)色のトナー像を形成する。第3の作像装置UCは感光ドラム1にC(シアン)色のトナー像を形成する。第4の作像装置UKは感光ドラム1にK(ブラック)色のトナー像を形成する。
上記4つの作像装置UY・UM・UC・UKの下側には、中間転写体ユニット5が配設されている。このユニット5は、無端状の中間転写ベルト51と、このベルト51を懸回張設して循環移動させる駆動ローラ5a・ターンローラ5e・二次転写内ローラ5gとを有する。上記4つの作像装置UY・UM・UC・UKの各感光ドラム1は、その下面が、駆動ローラ5aとターンローラ5eとの間の中間転写ベルト部分の上面に接している。ベルト51の内側には、上記のベルト部分を介して各作像装置UY・UM・UC・UKの感光ドラム1に対向させて4つの一次転写ローラ5cが配設されている。二次転写内ローラ5gには、ベルト51を介して二次転写ローラ57が当接されている。
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。第1から第4の各作像装置UY・UM・UC・UKの感光ドラム1が矢印の反時計方向に所定の制御速度で回転駆動される。ベルト51も矢印の時計方向(感光ドラム回転に順方向)に感光ドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザ走査露光装置3も駆動される。この駆動に同期して、各作像装置においてそれぞれ所定の制御タイミングで一次帯電器2が感光ドラム1の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。レーザ走査露光装置3は各感光ドラム1の表面を各色の画像信号に応じて変調されたレーザ光で走査露光Eする。これにより、各感光ドラム1の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成され、その静電潜像が現像器4によりトナー像として現像される。
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1の作像装置UYの感光ドラム1にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色トナー像が形成され、そのトナー像が、一次転写部T1において、ベルト51上に一次転写される。第2の作像装置UMの感光ドラム1にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色トナー像が形成され、そのトナー像が、一次転写部T1において、ベルト51上にすでに転写されているY色トナー像に重畳されて一次転写される。第3の作像装置UCの感光ドラム1にはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色トナー像が形成され、そのトナー像が、一次転写部T1において、ベルト51上にすでに転写されているY色+M色トナー像に重畳されて一次転写される。第4の作像装置UKの感光ドラム1にはフルカラー画像のブラック成分に対応するK色トナー像が形成され、そのトナー像が、、一次転写部T1において、ベルト51上にすでに転写されているY色+M色+C色トナー像に重畳されて一次転写される。
かくして、ベルト51上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が形成される。
各作像装置UY・UM・UC・UKにおいて、ベルト13に対するトナー像の一次転写後のドラム1の表面に残留した転写残トナーはドラムクリーニング器6により除去される。
一方、所定の制御タイミングで給紙ローラ71・72が駆動される。これにより、給紙カセット7に積載されて収容されている記録材Pが一枚分離給送される。そして、記録材Pは、レジストローラ74で二次転写部T2に同期搬送される。これにより、記録材Pが二次転写部T2を挟持搬送されていく過程でベルト51上の4色重畳のトナー像が用紙Pの面に順次に一括転写される。
記録材Pはベルト51の面から分離されて定着装置9へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色トナー像の混色及び用紙への定着がなされる。そして記録材Pは、定着装置9を出て、フルカラー画像形成物として排紙トレイ上に排出される。
記録材Pに転写されないでベルト51の面に残った二次転写残トナーはベルトクリーニング装置55によりベルト面から除去される。
<実施例4>
さらに、中間転写方式に比べてトナー散りが発生しにくい直接転写方式の場合にも本発明は適用することができる。
図18は、4サイクルタイプ−直接転写方式の画像形成装置の一例の概略図である。この画像形成装置は、図3の4サイクルタイプ−中間転写構成の画像形成装置において、中間転写体ユニット5を記録材担持体ユニット20に変更したものである。図3の画像形成装置と共通する構成部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
記録材担持体ユニット20は、記録材担持体(記録材を担持搬送する部材)としてのドラム型の転写ドラム21を有する。この転写ドラム21は、その外周面に記録材Pを巻き付けて保持した状態で回転する。転写ドラム21は感光ドラム1に対して接触あるいは僅少な隙間を存して対向していて、矢印の時計方向に感光ドラム1の速度と略同じ速度で回転駆動される。感光ドラム1と転写ドラム21との対向部が転写部Tである。22は転写帯電器(転写部材)であり、転写部Tに対応させて転写ドラム21の内側に配設してある。この転写帯電器22には転写バイアス印加電源(不図示)から所定の制御タイミングで所定の転写電圧が印加される。転写ドラム21に対しては、給紙機構部(不図示)から一枚分離給紙された記録材Pがレジストローラ対74により所定の制御タイミングにて給送される。そして、その先端部が転写ドラム21のグリッパ21aに把持される。また吸着用帯電器23により帯電されて、回転する転写ドラム21の周面に静電吸着して巻き付き状態になって保持され、転写部Tへ搬送される。そして転写部Tにおいて感光ドラム1側のトナー像が転写ドラム21の周面に保持されている記録材Pの面に順次に静電転写される
本例の画像形成装置においては、感光ドラム1の面に、最初にY色トナー像が形成されて、転写ドラム21の外周面に巻き付いて保持されている記録材Pの面に直接に転写される。2回目にM色トナー像が、3回目にC色トナー像が、4回目にK色トナー像が順に形成される。それらのトナー像が回転している転写ドラム21に保持されている同一の記録材Pの面に順次に重畳転写される。これにより記録材Pの面に4色重ね合わせの未定着のトナー画像が合成形成される。
転写部Tにおいて最後のK色トナー像の転写を受けた記録材Pは、グリッパ21aが開かれることでその先端部が転写ドラム21から解放される。また分離用帯電器24で除電されて、転写ドラム21の面から順次に分離されていく。そして、定着装置9に導入されて熱と圧力を受ける。これにより、未定着の4色重ね合わせのトナー画像が溶融混色してフルカラー画像として定着される。
図19は、タンデムタイプ−直接転写方式の画像形成装置の一例の概略図である。この画像形成装置は、図16の4サイクルタイプ−中間転写構成の画像形成装置において、中間転写体ユニット5を記録材担持体ユニット25に変更したものである。図16の画像形成装置と共通する構成部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
記録材担持体ユニット20は、駆動ローラ27とターンローラ28との間に懸回張設した、記録材担持体としてのエンドレスベルト型の転写ベルト21を有する。第1〜第4の作像装置UY・UM・UC・UKの各感光ドラム1は、その下面が、駆動ローラ27とターンローラ28との間の上行側の転写ベルト部分の上面に接している。ベルト21の内側には、上記のベルト部分を介して各作像装置UY・UM・UC・UKの感光ドラム1に対向させて4つの一次転写ローラ5cが配設されている。ベルト21は矢印の時計方向(感光ドラム回転に順方向)に感光ドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。
第1の作像装置UY側において、転写ベルト26の上行側の転写ベルト部分に対して、給紙機構部(不図示)から一枚分離給紙された記録材Pがレジストローラ対74により所定の制御タイミングにて給送される。そして、その先端部が転写ベルト26と吸着用帯電器(電極ローラ)23とのニップ部に進入して、記録材Pが転写ベルト26の上行側の転写ベルト部分に静電的に吸着される。その記録材Pは転写ベルト26の回転によって、第1の作像装置UY側から第4の作像装置UK側に搬送される。即ち、記録材Pが、第1〜第4の作像装置の各転写部Tを順次に搬送通過する。これにより、転写ベルト26に保持されて搬送される同一の記録材Pの面に、1回目にY色トナー像が、2回目にM色トナー像が、3回目にC色トナー像が、4回目にK色トナー像が順次に重畳転写される。これにより記録材Pの面に4色重ね合わせの未定着のトナー画像が合成形成される。
第4の作像装置UKの転写部Tにおいて最後のK色トナー像の転写を受けた記録材Pは、分離用帯電器24で除電されて、転写ベルト26の面から順次に分離されていく。そして、定着装置9に導入されて熱と圧力を受ける。これにより、未定着の4色重ね合わせのトナー画像が溶融混色してフルカラー画像として定着される。
(7)その他の事項
1)画像形成装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング手段等の構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在のカートリッジに構成しても良い。例えば、感光ドラム1とドラムクリーニング装置6とを一体化して一つの装置ユニットとし、装置本体のレール等の案内部材を用いて着脱自在に構成しても良い。この時、上記の装置ユニットの方に帯電手段および/又は現像手段を伴って構成しても良い。
2)本発明の画像形成装置における露光手段、現像手段、転写手段等の、通常の電子写真プロセスを行うために必要な手段は何ら限定されるものではない。装置構成上クリーニング装置を除いたクリーナーレスシステムでの画像形成装置の構成要素を利用することなども可能である。
3)本発明の画像形成装置は、上記感光体および帯電手段等を備えた画像形成装置として構成され、電子写真複写機に利用するのみに限られない。たとえば、レーザビームプリンタ、CRTプリンタ、LEDプリンタ、液晶プリンタ、レーザ製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。