JP5424072B2 - 画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の電子写真方式を採用した画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法に関するものである。
近年、電子写真方式を採用した画像形成装置においては、高い階調性をもつ画像を得るために従来の一般的なシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色種に加え、例えば濃マゼンタトナー、淡マゼンタトナーなど、略同一色相で濃度の異なるトナーを加えたものが提案されている。特許文献1では、淡トナーの濃度を最適に設定することにより、全階調範囲において粒状性のよい画像が得られることを示している。特許文献2では、中間調画像や文字画像等の画像種に応じて淡、濃トナーの使い方を選択することにより、階調性のよい画像が得られることを示している。特許文献3では、濃トナーによるトナー像の形成を先に行うことにより、淡、濃トナー混在時での中間調画像の連続性を保ちながら、色差による画像ノイズの発生を抑制できることを示している。
特開2006−189727号公報 特開2001−318499号公報 特開2002−182439号公報
しかしながら、高い階調性をもった画像を得るために、トナーの4つの色種のうち少なくとも一色について淡トナーを加えてトナーの色種を増し、5乃至8つの像担持体と現像ユニットとを設置すると、装置全体が大きくなり、より大きな設置スペースが必要となる。1つの像担持体に濃トナーを収容する現像ユニットと淡トナーを収容する現像ユニットを設置してトナーの色種を増やした場合には、4つの像担持体ですみ省スペース化を図ることができるが、濃トナーと淡トナーとで混色の虞がある。また、トナーの色種を増やすと、これら現像ユニットに補給するトナーを収容するためのトナー収容器がトナーの色種分必要となり、そのための設置スペースが必要となり、コストも高くなり使用者への負担も大きくなる。
本発明は以上のような実情に鑑みなされたものである。その目的とするところは、トナーの色種を増やすことなく、高い階調性をもった画像を形成することができる画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の画像形成装置は、少なくとも一色種以上のトナー像を形成する画像形成装置において、像担持体と、該像担持体上に第一の潜像を形成する第一の潜像形成手段と、該像担持体上の第一の潜像をトナーを用いて現像する第一の現像手段と、該像担持体上に第二の潜像を形成する第二の潜像形成手段と、該第一の現像手段とは別に設けられ、該像担持体上の第二の潜像を該第一の現像手段と同一トナーを用いて該第一の現像手段とは異なる付着量で現像する第二の現像手段と、該像担持体上の未転写トナーを回収する回収手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の画像形成装置は、請求項2の画像形成装置において、上記第一及び第二の現像手段で用いるトナーは、付着量0.3mg/cmで画像濃度0.8以下、且つ付着量0.6mg/cmで画像濃度1.2以上であることを特徴とするものである。
請求項3の画像形成装置は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記第一の現像手段はトナーを低付着量で現像し、上記第二の現像手段は該第一の現像手段による現像後にトナーを高付着量で現像することを特徴とするものである。
請求項4の画像形成装置は、請求項3の画像形成装置において、上記第一の現像手段は接触現像又は非接触現像を行い、上記第二の現像手段は非接触現像を行うことを特徴とするものである。
請求項5の画像形成装置は、請求項3又は4の画像形成装置において、該回収手段で回収されたトナーが上記第二の現像手段に再投入されることを特徴とするものである。
請求項6の画像形成装置は、請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、第一及び第二の現像手段で用いるトナーは、重合法により作製された体積平均粒径が5.5μm以下である小粒径トナーであることを特徴とするものである。
請求項7のプロセスカートリッジは、像担持体と、該像担持体を一様に帯電する帯電手段、該像担持体上にトナー像を現像する現像手段、該像担持体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段の中から選択される少なくとも1以上の手段とが一体に支持されて、画像形成装置本体に着脱可能に構成されるプロセスカートリッジにおいて、上記現像手段は、同一トナーを互いに異なるトナー付着量によって現像を行う互いに別個に設けられた二つの現像手段から構成されることを特徴とするものである。
請求項8の画像形成方法は、少なくとも一色種以上のトナー像を形成する画像形成方法において、一色種のトナー像を形成する際に、像担持体上に第一の潜像を形成する第一の潜像形成工程と、該像担持体上の第一の潜像をトナーにより現像する第一の現像工程と、該像担持体上に第二の潜像を形成する第二の潜像形成工程と、該第一の現像工程に用いる第一の現像手段とは別に設けられた第二現像手段をより、該像担持体上の第二の潜像を該第一の現像工程と同一トナーにより該第一の現像工程とは異なるトナー付着量で現像する第二の現像工程と、これらの工程を経て該像担持体上に形成されたトナー像を転写する転写工程と、該転写工程後に該像担持体上に残った未転写トナーを回収する回収工程とを備えていることを特徴とするものである。
請求項1乃至8の発明では、一色種のトナー像形成につき、同一トナーを用いて異なるトナー付着量による2回現像を行っている。このため、トナーの色種数を増やさなくても、階調性を高めた画像を得ることができる。また、本発明は、現像装置の数を増やしても、トナーの色種数を増やしていないため、現像装置に補給するトナーを収容するトナー収容器の数を増やす必要がなく、省スペース化、コストの低減につながり、使用者への負担も増やさずにすむ。
本発明によれば、トナーの色種を増やすことなく、高い階調性をもった画像を形成することができる画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法を提供できるという優れた効果がある。
以下、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す概略構成図である。この画像形成装置は、図1に示すように、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kを備える。なお、Y、C、M、Kの色順は、図1に限るものでなく、他の並び順であっても構わない。画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ像担持体としての感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの周囲に、後述するように、第一及び第二の現像装置、クリーニング装置等を備えている。各画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの配置は、各感光体ドラム2の回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように設定されている。
上記画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの下方には、第一の潜像形成手段である光書き込みユニット3が配置されている。光書き込みユニット3は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム2Y、2C、2M、2Kの表面にレーザー光を走査しながら照射し、静電潜像を形成する。上記画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの上方には、複数のローラによって掛け回されて回転駆動される転写搬送ベルト4を有する一次転写ユニット5が配置されている。一次転写ユニット5では、感光体2Y、2C、2M、2Kと一次転写ローラ6Y、C、M、Kとの間に転写搬送ベルト4を挟み込んでそれぞれ一次転写部を形成している。転写搬送ベルト4には、その無端移動に伴ってY、C、M、K用の一次転写部を通過していく過程で、各感光体2Y、2C、2M、2K上のYトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、転写搬送ベルト5上に4色重ね合わせトナー像が形成される。また、一次転写ユニット5は、2次転写バックアップローラ7と2次転写ローラ8との間に転写搬送ベルト4を挟み込んで2次転写部を形成している。2次転写部においては、転写紙9が互いに順方向に表面移動する転写搬送ベルト4と2次転写ローラ8との間に挟まれて、図1中上方に搬送される。転写搬送ベルト4上に形成された4色重ね合わせトナー像は、この2次転写部で転写紙9に転写されフルカラートナー像となる。2次転写部を通過した後の転写搬送ベルト5上に残った転写残トナー等の異物は、クリーニング装置10によってクリーニングされる。また、上記一次転写ユニット4の右上方には、定着ユニット11が配置される。定着ユニット11では、加圧ローラと定着ローラとの間に定着ベルトを挟み込んで定着ニップ部を形成している。定着ユニット11内に搬送された転写紙9は、定着ニップ部で受ける圧力と熱によりトナー像が定着される。トナー像が定着された転写紙9は、排出ローラによって機外に排出される。
一方、画像形成装置本体の下部には、転写紙を収容する給紙カセット12a、12bが配置され、画像形成装置本体の側面には、手差しで給紙するための手差しトレイ12cが配置されている。給紙カセット12a、12bから給紙ローラによって給紙される、又は手差しトレイ12cから手差しで給紙される転写紙9は、一対のレジストローラ13によって適切なタイミングで前述の二次転写部に向けて送り出され、上述したようにフルカラートナー像が転写、定着されることになる。
また、上記一次転写ユニット5の上方には、画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの各現像装置に補給するイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)のトナーをそれぞれ収容するトナー補給容器14Y、14C、14M、14Kを備えている。また、この画像形成装置には、図1中左測方には用紙の両面に画像を形成すべく用紙を反転する用紙反転ユニット15や、図示していない廃トナーボトル、電源ユニット等も備えられている。
次に、上記画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kの構成、動作について詳しく説明する。図2は、画像形成ユニットの構成を示す概略構成図である。なお、画像形成ユニット1Y、1C、1M、1Kは、使用するトナーの色種のみが異なる以外は同様の構成からなるので、以下、添字を省略して説明する。図2に示すように、画像形成ユニット1は、感光体ドラム2の周囲に、帯電ローラ16、第一の現像装置17、除電ランプ18、スコロトロン帯電器19、第二の潜像形成手段であるLED20、第二の現像装置21、一次転写ローラ6、クリーニング装置22、が感光体ドラム回転方向(矢印A方向)沿ってこの順に配置されている。なお、画像形成ユニット1は、装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジとして、帯電ローラ16、第一の現像装置17、除電ランプ18、スコロトロン帯電器19、LED20、第二の現像装置21、一次転写ローラ6、クリーニング装置22が一体に構成されている。このように画像形成ユニット1を装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとして構成することにより、メンテナンスが必要になった場合は画像形成ユニット1を交換すればよく利便性が向上する。
上記第一及び第二の現像手段である第一の現像装置17及び第二の現像装置21は、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を使用し、感光体ドラム2上の静電潜像を現像する。この現像装置17、21は、現像ケースの開口部を通して感光体ドラム2と対向する現像ローラ17a、21aや、現像ケース内の現像剤を攪拌・攪拌するスクリュー(図示せず)等を備えている。現像ローラ17a、21aは、外側の回転自在のスリーブと内側に固定された磁石から構成され、図示しない電源により現像バイアスが印加される。現像ローラ17a、21aに供給された現像剤は、磁石により汲み上げられて保持され、スリーブ上に磁気ブラシを形成し、現像ローラ17a、21aに印加される現像バイアスにより感光体ドラム2に転移して感光体ドラム2上の静電潜像を可視像化する。また、現像装置17、21には、図示しないトナー濃度センサも設けられ、トナー濃度センサの出力に応じて図示しないトナー補給装置によってトナー補給容器14からトナーが補給される。
図3は、本実施形態で使用される淡トナーの付着量と画像濃度との関係を示す特性図である。上記第一の現像装置17及び第二の現像装置21で使用するトナーは、図3に示すように、トナー付着量0.3(mg/cm)で画像濃度0.8以下、且つトナー付着量0.6(mg/cm)で画像濃度1.2以上である淡トナーが好ましい。このような淡トナーを用いることで、より広い画像部をもった画像パターンを使用することが可能となる。一般にハイライト領域で同じ画像濃度となる場合、非画像部に対してより広い画像部をもった画像パターンの方がよい粒状性が得られ、高い階調性をもった画像を形成することができる。
ここで、画像濃度は、例えば、デジタルフルカラープリンター(「IPSIO CX7500」;株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「TYPE 6000<70W>」;株式会社リコー製)にトナー付着量が例えば0.6±0.1mg/cmのベタ画像を形成し、得られたベタ画像における任意の5箇所の画像濃度を、分光計(「938スペクトロデンシトメータ」;X−ライト社製)を用いて測定しその平均値を算出することにより、測定することができる。
また、上記第一の現像装置17及び第二の現像装置21で使用するトナーは、重合法により作製された体積平均粒径が5.5μm以下である小粒径トナーであることが好ましい。小粒径トナーとすることにより、粒径の大きいトナーを用いる場合に比べ、低付着量でも画像濃度を高くすることができる。また、重合法により作成された小粒径トナーは、粒径の大きい粉砕トナーよりも、粒径分布がシャープでありまた高解像となるため、質感の高い画像を提供することができる。
上記構成の画像形成ユニット1では、先ず、帯電ローラ16に図示しない電源より例えば−690(V)の電圧が印加され、対向する感光体ドラム2表面が一様に帯電される。−690(V)の電位に帯電した感光体ドラム2表面には、引き続いて光書込ユニット3により画像データに基づくレーザー光が走査され、第一の静電潜像が書き込まれる(第一の潜像形成工程)。この第一の静電潜像を担持した感光体ドラム2表面が第一の現像装置17に到達すると、現像ローラ17aに図示しない電源により例えば−250(V)の現像バイアスが印加され、感光体ドラム2表面の第一の静電潜像にトナーが供給されて第一のトナー像が形成される(第一の現像工程)。続いて、除電ランプ18により一度感光体ドラム2表面の電位が除電され、スコロトロン帯電器19により例えば再び−690(V)の電圧が印加され、対向する感光体ドラム2表面が一様に帯電される。帯電した感光体ドラム2表面には、発光素子を感光体ドラム2の軸と平行して複数個アレイ状に並べたLED16により画像データに従って第二の静電潜像が書き込まれる(第二の潜像形成工程)。この第二の静電潜像を担持した感光体ドラム2表面が現像装置21に到達すると、現像ローラ21bに、図示しない電源により例えば−550(V)の現像バイアスが印加され、感光体ドラム2表面の第二の静電潜像にトナーが供給されて、第二のトナー像が形成される(第二の現像工程)。そして、感光体ドラム2上に形成された所定の色種の第一のトナー像と第二のトナー像は、一次転写ローラ6から図示しない電源により感光体ドラム2上のトナーと逆極性の電圧が印加されることで、転写搬送ベルト4に一括転写される。
ここで上記第一の現像装置17により第一の現像工程で現像されたトナー像と、上記第二の現像装置21により第二の現像工程で現像されたトナー像とでは、トナー付着量が異なる。本実施形態では、現像ローラ17a、21aに印加する現像バイアスにより、第一の現像装置17(第一の現像工程)で淡トナーを低付着量で現像し、第二の現像装置21(第二の現像工程)で淡トナーを高付着量で現像している。このように淡トナーによる1度目の現像を低付着量、淡トナーによる2度目の現像を高付着量にすることで、1度目に形成されたトナー像の散りが2度目の潜像形成工程に与える影響を極力小さくすることができる。なお、ここでは現像ローラ17a、21aに印加する現像バイアスに差をつけてトナー付着量に差を持たせたが、この他にも露光エネルギーや現像剤の汲み上げ量など、付着量に差を持たせる制御因子はこの限りではない。
また、上述した現像工程では、第一の現像装置17による第一の現像工程では接触現像又は非接触現像を行い、第二の現像装置21による第二の現像工程では非接触現像を行うことが好ましい。第二の現像工程での現像を非接触現像で行うことにより、第一の現像工程で現像されたトナー像を掻き取ることを極力小さくすることができる。
さらに、上記構成の画像形成ユニット1では、トナー像転写後の感光体ドラム2に残留する転写残トナーは、クリーニング装置22によって回収される。図4は、クリーニング装置の構成を示す要部拡大構成図である。このクリーニング装置22は、図4に示すように、感光体ドラム2上に残留する転写残トナーをクリーニングブレード22aとクリーニングブラシ22bによって回収する。回収された転写残トナーは、搬送スクリュー23によりクリーニング装置22の外に搬送され、リサイクルトナーとして図示していないリサイクルトナータンクに集められる。そして、第二の現像装置21に具備されたトナー濃度センサからの出力に応じて、トナー収容器14とリサイクルトナータンクとから所定の比率の範囲内でトナーが混ぜ合わされて、第二の現像装置21内に投入されることになる。高付着量の現像を担う第二の現像装置22内にリサイクルトナートナーに投入することで、低付着量の現像を担う第一の現像装置17内にリサイクルトナーを投入する場合に比べ、経時での現像装置内のリサイクルトナーの比率を低くでき、画質への影響を抑えることができる。また、高明度領域のように画像部非画像部のある画像は低付着量の現像を担う第一の現像装置17により現像するため、高付着量の現像を担う第二の現像装置21にリサイクルトナーを投入することで、高明度領域での階調性を維持できる。このように、リサイクルトナーを高付着量現像を行う第二の現像装置21に投入することで、画質への影響を抑えつつ、トナーを有効に消費できるため、低コストで高い階調性をもった画像を形成することができる。なお、本実施形態では、クリーニング手段として、クリーニングブレード22aとクリーニングブラシ22bを採用しているが、クリーニング手段及びクリーニング方法についてはこの限りではない。
次に、本実施形態に係るプリンタにおいて、淡トナーによる第一の現像工程(低付着量現像)と第二の現像工程(高付着量現像)とを併用した画像処理の例を示す。ここでは最も高い画像濃度を1.4、中間濃度を0.7としている。図5(a)(b)は、中間濃度0.7までは第一の現像装置17による低付着量の現像のみを行い、画像濃度0.7以上1.4以下においては画像濃度1.4に向かって第二の現像装置21による高付着量現像の画像面積率を順次増やしていく画像処理の例である。図6(a)(b)は、第二の現像装置21による高付着量の現像で画像濃度を高くしていき、第一の現像装置17による低付着量の現像でより細かな階調をつくる画像処理の例である。図5及び図6で示すどちらの画像処理の場合も、淡トナーによる低付着量現像と淡トナーによる高付着量現像を併用することで、高い階調性をもった画像が得られる。しかし画像処理はこれに限ったものではない。
次に、本実施形態に係る淡トナーと通常の濃トナーを使用した場合の粒状度について説明する。図7は、淡トナーと濃トナーを用いた場合の、各明度に対する粒状度を示す特性図である。図7に示すように、濃トナーのみによる現像で階調画像をつくった場合より、淡トナーによる低付着量現像(0.30(mg/cm))若しくは淡トナーによる低付着量現像と高付着量現像(0.60(mg/cm))の併用でつくった階調画像の方が粒状性は良くなる。特に、高明度から中明度までは低付着量の淡トナーによる現像で階調画像を作り、低明度では高付着量の淡トナーによる現像で階調画像を作るような画像処理を行うことで、より良い粒状性で高い階調性をもった画像を提供することができる。ここで、通常の濃トナーとは、概ね付着量0.45(mg/cm)で画像濃度1.4となるトナーとする。粒状度とはざらつき感を示し、例えばスキャナで読み取った画像を空間周波数成分に変換して、視覚の空間周波数特性(VTF)による補正と、画像の平均明度による補正を行うことで計算される。この粒状度は、数値が低いほど、粒状性がよいことを示す。ただし、粒状度の値というのは、その値自体に物理的な意味があるわけではないので、0.05といったような具体的な値は粒状度の計算方法によって異なる。
なお、本実施形態では、Y、M、C、Kの4色種について、低付着量、高付着量現像を行う二つの現像装置を設けているが、少なくとも一色種以上につき同一色種のトナーを用いて互いに異なる付着量により現像を行うような構成であれば、本発明による優れた効果が得られるものである。例えば、Y、M、Cについては、それぞれ一つの現像装置により現像を行い、Kのみを二つの現像装置により異なる付着量(低付着・高付着)で現像を行う構成であってもよい。また、本発明は、K単色のモノクロの画像形成装置にも適用することができる。
また、本実施形態では、潜像形成手段と、現像手段が共に2つ備えられているが、1つの潜像形成手段により2つの潜像を形成し、1つの現像手段により互いに異なる付着量(低付着・高付着)で現像を行う構成であってもよい。具体的には、現像バイアスや露光エネルギーなどを切り替えて、1つの潜像形成手段と現像手段で付着量に差を持たせる。これにより同様の効果を得ることが可能である。この場合、低付着のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に、高付着の現像を行い、中間転写ベルトにて重ね合わせてもよいし、像担持体上で低付着と高付着のトナー像を重ね合わせた後に、一度に中間転写ベルトに転写してもよい。この構成では像担持体に接触している、帯電ローラ、クリーニングブレード等は、低付着と高付着の2つの潜像・現像形成の間で離間する。1つの潜像形成手段と現像手段にすることでさらに省スペース化を図ることができる。
以上、本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、一色種のトナー像形成につき第一の現像装置17(第一の現像工程)及び第二の現像装置21(第二の現像工程)により、同一色種のトナーを用い異なるトナー付着量で現像を行っている。これにより、トナーの色種を増やさなくても、従来用いられている4色種数でも階調性を高めた画像を形成することができる。また、本実施形態に係る画像形成方法及び画像形成装置は、現像工程及び現像装置の数を増やしても、トナーの色種を増やしていないため、現像装置に補給するトナーを収容するトナー収容器14の数を増やす必要がなく、省スペース化、コストの低減につながり、使用者への負担も増やさずにすむ。
また、本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、付着量0.3mg/cmで画像濃度0.8以下、且つ付着量0.6mg/cmで画像濃度1.2以上である淡トナーを用いている。そのため、より広い画像部をもつ画像パターンを使用することが可能となり、高い階調性をもった画像を形成することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、第一の現像装置17によりトナーを低付着量で現像する第一の現像工程の後に、第二の現像装置21によりトナーを高付着量で現像する第二の現像工程を行っている。これにより、第一の現像工程で現像したトナー像のチリが、第二の潜像形成工程に与える影響を極力小さくすることができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、第一の現像装置17(第一の現像工程)では接触現像を行い、第二の現像装置21(第二の現像工程)では非接触現像を行っている。これにより、第二の現像装置21(第二の現像工程)において、第一の現像装置17(第一の現像工程)で形成されたトナー像を掻き取ることを極力小さくすることができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、クリーニング装置22で回収した感光体ドラム2の未転写トナーを第二の現像装置21(第二の現像工程)に投入している。そのため、低付着量の現像を担う第一の現像装置17(第一の現像工程)でリサイクルトナーを用いる場合に比べ、経時での現像装置内のリサイクルトナーの比率を低くでき、画質への影響を抑えることができる。また、高明度領域のように画像部非画像部のある画像は低付着量の現像を担う第一の現像装置17により現像するため、高付着量の現像を担う第二の現像装置21にリサイクルトナーを投入することで、高明度領域での階調性を維持できる。このように、リサイクルトナーを高付着量現像を行う第二現像装置21に投入することで、画質への影響を抑えつつ、トナーを有効に消費できるため、低コストで高い階調性をもった画像を形成することができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、重合法により作製された体積平均粒径が5.5μm以下である小粒径トナーを用いている。よって、より少ない付着量で高い画像濃度を得ることができ、使用者の経済的負担を抑えることができる。
また、本実施形態に係る画像形成ユニット1によれば、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとして構成されているので、メンテナンスが必要になった場合は画像形成ユニット1を交換すればよく利便性が向上する。
本実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す概略構成図。 同画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す概略構成図。 本実施形態で使用される淡トナーの付着量と画像濃度との関係を示す特性図。 同画像形成ユニットのクリーニング装置の構成を示す要部拡大構成図。 (a)は、淡トナーによる低付着量現像と淡トナーによる高付着量現像とを併用したときの画像処理の例を示す画像パターン、(b)は、(a)の画像処理時における淡トナーの画像濃度と画像面積率との関係を示す特性図。 (a)は、淡トナーによる低付着量現像と淡トナーによる高付着量現像とを併用したときの画像処理の別の例を示す画像パターン、(b)は、(a)の画像処理時における淡トナーの画像濃度と画像面積率との関係を示す特性図。 淡トナーと濃トナーを用いた場合の、各明度に対する粒状度を示す特性図。
符号の説明
1 画像形成ユニット
2 感光体ドラム
3 光書き込みユニット
6 一次転写ローラ
16 帯電ローラ
17 第一の現像装置
18 除電ランプ
19 スコロトロン帯電器
20 LED
21 第二の現像装置
22 クリーニング装置

Claims (8)

  1. 少なくとも1色種以上のトナー像を形成する画像形成装置において、
    像担持体と、該像担持体上に第一の潜像を形成する第一の潜像形成手段と、該像担持体上の第一の潜像をトナーを用いて現像する第一の現像手段と、該像担持体上に第二の潜像を形成する第二の潜像形成手段と、該第一の現像手段とは別に設けられ、該像担持体上の第二の潜像を該第一の現像手段と同一トナーを用いて該第一の現像手段とは異なる付着量で現像する第二の現像手段と、該像担持体上の未転写トナーを回収する回収手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項2の画像形成装置において、
    上記第一及び第二の現像手段で用いるトナーは、付着量0.3mg/cmで画像濃度0.8以下、且つ付着量0.6mg/cmで画像濃度1.2以上であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記第一の現像手段はトナーを低付着量で現像し、上記第二の現像手段は該第一の現像手段による現像後にトナーを高付着量で現像することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    上記第一の現像手段は接触現像又は非接触現像を行い、上記第二の現像手段は非接触現像を行うことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項3又は4の画像形成装置において、
    該回収手段で回収されたトナーが上記第二の現像手段に再投入されることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、
    第一及び第二の現像手段で用いるトナーは、重合法により作製された体積平均粒径が5.5μm以下である小粒径トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 像担持体と、該像担持体を一様に帯電する帯電手段、該像担持体上にトナー像を現像する現像手段、該像担持体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段の中から選択される少なくとも1以上の手段とが一体に支持されて、画像形成装置本体に着脱可能に構成されるプロセスカートリッジにおいて、
    上記現像手段は、同一トナーを互いに異なるトナー付着量によって現像を行う互いに別個に設けられた二つの現像手段から構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 少なくとも一色種以上のトナー像を形成する画像形成方法において、
    一色種のトナー像を形成する際に、像担持体上に第一の潜像を形成する第一の潜像形成工程と、該像担持体上の第一の潜像をトナーにより現像する第一の現像工程と、該像担持体上に第二の潜像を形成する第二の潜像形成工程と、該第一の現像工程に用いる第一の現像手段とは別に設けられた第二現像手段をより、該像担持体上の第二の潜像を該第一の現像工程と同一トナーにより該第一の現像工程とは異なるトナー付着量で現像する第二の現像工程と、これらの工程を経て該像担持体上に形成されたトナー像を転写する転写工程と、該転写工程後に該像担持体上に残った未転写トナーを回収する回収工程とを備えていることを特徴とする画像形成方法。
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