JP5505134B2 - プログラムおよび診療支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プログラムおよび診療支援装置に関する。
ある傷病を有する患者に対して過去に行われた診療行為の履歴から、当該傷病に関する標準的な診療のプロセス(クリニカルパス)を生成する技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の技術では、医療実績データに設定されている治療行為を治療行為予定として設定した仮パスが生成される。この仮パス中の治療行為予定は、各患者に対して実際に行われた診療行為と比較され、治療行為予定の項目ごとに、患者に対して実際に行われた診療行為と一致すれば評価ポイントが加算される。各項目の評価ポイントの合計を用いて仮パスの評価が行われ、評価が所定の基準を超えている仮パスを本パスとして登録する。
また、特許文献2には、クリニカルパスと実際の診療との差異であるバリアンスを記録して評価し、医療の質に重大な影響を及ぼすバリアンスを絞り込んで分析する技術が開示されている。特許文献2に記載の技術では、クリニカルパスに含まれる診療行為ごとにバリアンスを記録し、各バリアンスの発生頻度および各バリアンスにより最終的に起こる障害の重症さの程度を表したバリアンス影響度を示したバリアンス影響度データを生成する。
特開2007−265080号公報 特開2007−108814号公報
クリニカルパスに含まれる診療行為ごとに、各患者に対して実際に行われたか否かを確認することでクリニカルパスの評価および更新を行う技術では、1人の患者に対する治療において実際には行われたことのない診療行為の組合せを含むクリニカルパスが作成される場合がある。
本発明は、患者に対して実際に行われた診療行為の組合せと整合するようにクリニカルパスを更新することを支援するプログラムおよび診療支援装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、患者に対して実施された診療プロセスである実施プロセスと当該実施プロセスで行われた1以上の診療行為とを関連付けて記憶した履歴情報記憶手段から、複数の前記実施プロセスにおいて共通して行われた診療行為の組合せを複数抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップで抽出された複数の組合せの中から、より少ない数の組合せを選択する選択ステップであって、前記抽出された複数の組合せそれぞれについて、当該組合せに含まれる診療行為と、標準的な診療プロセスで行われる診療行為として予め設定された1以上の診療行為を表す標準プロセス情報における診療行為と、の間で共通する診療行為の数が大きい程より高い評価を表すように評価値を求め、より高い評価の評価値を有する前記組合せを優先して選択する、選択ステップと、前記選択ステップで選択された組合せに含まれる診療行為と、前記標準プロセス情報が表す診療行為と、を比較した結果を表す情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記選択ステップにおいて、前記複数の組合せそれぞれの前記評価値は、さらに、当該組合せの診療行為が行われた前記実施プロセスの数が大きい程より高い評価を表すように求められる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記選択ステップにおいて、前記複数の組合せそれぞれの前記評価値は、さらに、当該組合せに含まれる診療行為の数が大きい程より高い評価を表すように求められる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に係る発明において、前記出力ステップにおいて、前記選択された組合せおよび前記標準プロセス情報の両方に含まれる診療行為と、前記選択された組合せに含まれていて前記標準プロセス情報に含まれていない診療行為と、前記標準プロセス情報に含まれていて前記選択された組合せに含まれていない診療行為と、を互いに区別可能な態様で表示装置に表示させるための表示制御情報を出力する。
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項に係る発明において、前記履歴情報記憶手段は、さらに、各実施プロセスで行われた1以上の診療行為それぞれの実施時期を表す情報を記憶し、前記標準プロセス情報は、さらに、標準的なプロセスで行われる1以上の診療行為それぞれの実施時期を表し、前記抽出ステップにおいて、複数の前記実施プロセスにおいて共通する、診療行為とその実施時期との対の組合せを抽出し、前記選択ステップにおいて、前記複数の組合せそれぞれの前記評価値は、さらに、当該組合せに含まれる診療行為とその実施時期との対と、前記標準プロセス情報に含まれる診療行為とその実施時期との対と、の間で共通する対の数が大きい程より高い評価を表すように求められる。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記出力ステップにおいて、前記選択された組合せおよび前記標準プロセス情報の両方に含まれる診療行為であって実施時期が同じである診療行為と、前記選択された組合せおよび前記標準プロセス情報の両方に含まれる診療行為であって実施時期が異なる診療行為と、前記選択された組合せに含まれていて前記標準プロセス情報に含まれていない診療行為と、前記標準プロセス情報に含まれていて前記選択された組合せに含まれていない診療行為と、を互いに区別可能な態様で表示装置に表示させるための表示制御情報を出力する。
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれか1項に係る発明において、前記履歴情報記憶手段は、さらに、各実施プロセスにおける患者の治療成績を表す情報を記憶し、前記選択ステップにおいて、さらに、前記複数の組合せそれぞれを含む前記実施プロセスの前記治療成績がより良い前記組合せを優先して選択する。
請求項8に係る発明は、患者に対して実施された診療プロセスである実施プロセスと当該実施プロセスで行われた1以上の診療行為とを関連付けて記憶した履歴情報記憶手段から、複数の前記実施プロセスにおいて共通して行われた診療行為の組合せを複数抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出された複数の組合せの中から、より少ない数の組合せを選択する選択手段であって、前記抽出された複数の組合せそれぞれについて、当該組合せに含まれる診療行為と、標準的な診療プロセスで行われる診療行為として予め設定された1以上の診療行為を表す標準プロセス情報における診療行為と、の間で共通する診療行為の数が大きい程より高い評価を表すように評価値を求め、より高い評価の評価値を有する前記組合せを優先して選択する、選択手段と、前記選択手段で選択された組合せに含まれる診療行為と、前記標準プロセス情報が表す診療行為と、を比較した結果を表す情報を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする診療支援装置である。
請求項1または8に係る発明によると、患者に対して実際に行われた診療行為の組合せと整合するようにクリニカルパスを更新することを支援できる。
請求項2に係る発明によると、実施された診療プロセスのうち、ある診療行為の組合せを含む診療プロセスの数を考慮して当該組合せを評価できる。
請求項3に係る発明によると、ある診療行為の組合せに含まれる診療行為の数を考慮して当該組合せを評価できる。
請求項4に係る発明によると、実施された複数の診療プロセスにおいて共通する診療行為の組合せおよび標準プロセスの一方に含まれていて他方に含まれない診療行為と、両方に共通して含まれている診療行為と、を互いに区別可能な態様でユーザに提示できる。
請求項5に係る発明によると、実施された複数の診療プロセスにおいて共通する、診療行為とその実施時期との対の組合せから得られる情報を用いて、クリニカルパスの更新を支援できる。
請求項6に係る発明によると、実施された複数の診療プロセスにおいて共通する診療行為の組合せおよび標準プロセスの両方に共通して含まれていて実施時期も同じである診療行為と、両方に共通して含まれているけれども実施時期が異なる診療行為と、一方に含まれていて他方に含まれていない診療行為と、を互いに区別可能な態様でユーザに提示できる。
請求項7に係る発明によると、実施された診療プロセスにおける患者の治療成績を考慮して、クリニカルパスとの比較の対象となる診療行為の組合せを選択できる。
診療支援装置の内部構成の概略の例を示すブロック図である。 クリニカルパス情報DBのデータ内容の例を示す図である。 診療履歴情報DBのデータ内容の例を示す図である。 診療履歴を図式的に表す木構造の例を示す図である。 診療履歴を図式的に表す木構造の他の例を示す図である。 共通パタンを図式的に表す木構造の例を示す図である。 診療支援装置が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。 クリニカルパスを図式的に表す木構造の例を示す図である。 共通パタンを図式的に表す木構造の他の例を示す図である。 共通パタンを図式的に表す木構造のさらに他の例を示す図である。 図8に示すクリニカルパスと図9に示す共通パタンとを比較した様子の例を表す図である。 図8に示すクリニカルパスと図10に示す共通パタンとを比較した様子の例を表す図である。 クリニカルパス更新支援情報の例を示す図である。 クリニカルパス更新支援情報の他の例を示す図である。 コンピュータのハードウエア構成の例を示す図である。
本発明の実施形態の例による診療支援装置は、患者に対して実際に行われた診療プロセスの履歴を用いて、クリニカルパスの更新を支援するための情報を生成する。ここで、診療プロセスとは、患者の治療において行われる診療行為の集合を意味する。以下の説明では、診療プロセスは、診療行為の集合に加えて各診療行為の実施の時期を表すものであるとする。また、クリニカルパスは、ある傷病について標準的な診療プロセスとして予め設定されたプロセスである。クリニカルパスは、傷病ごとに、標準的な診療プロセスにおいて当該傷病を有する患者に対して行われる診療行為として予め設定された診療行為および各診療行為の実施時期により表される。以下の説明では、クリニカルパスは、特定の傷病に対する治療(例えば手術などの処置)を受ける患者の1回の入院から退院までの間に行うべき診療行為のスケジュールであるとする。
図1に、診療支援装置の内部構成の概略の例を示す。診療支援装置10は、クリニカルパス情報DB(データベース)100、診療履歴情報DB102、共通パタン抽出部104、パタン選択部106、更新支援情報生成部108、出力処理部110、入力受付部112、および表示部114を備える。
クリニカルパス情報DB100は、クリニカルパスに関する情報を記憶する記憶手段である。図2に、クリニカルパス情報DB100のデータ内容の一例を示す。図2の表は、傷病の種類に対応するクリニカルパスごとに、いつ、どのような診療行為を行うかを表す。図2の表の「クリニカルパス名」は、ある傷病についてのクリニカルパスに付された名称である。また、「指定時期」は、対応する「指定診療行為」が表す診療行為を行う時期を表す。「指定診療行為」には、診療行為の識別情報を登録しておけばよい。例えば、「投薬」や「検査」など、診療行為の種類の名称を登録しておく。あるいは、より具体的な診療行為の内容を表す名称、すなわち、投与された薬剤の名称や検査の名称を登録しておいてもよい。図2では、クリニカルパス名「ヘルニア根治術」のクリニカルパスについて、指定時期「手術当日」に指定診療行為「行為A」,「行為B」,「行為C」,「行為D」の診療行為を行い、指定時期「手術翌日」に指定診療行為「行為E」,「行為F」の診療行為を行うことが表される。
再び図1を参照し、診療履歴情報DB102は、患者に対して実施された診療プロセスの履歴の情報を記憶する記憶手段である。本実施形態の例では、診療履歴情報DB102は、1人の患者の1回の入院から退院までに行われた診療行為およびその実施時期を一単位の診療履歴として記憶する。診療履歴情報DB102は、例えば、医療機関に勤務する医師、看護師、検査技師、およびその他の職員などによる、診療プロセスに関する情報の入力を、図示しない管理装置が受け付けて診療履歴情報DB102に登録することで構築される。
図3に、診療履歴情報DB102のデータ内容の一例を示す。図3の表は、各患者の患者ID(識別子)に対応付けて、治療名、実施時期、および実施診療行為の各項目を含む。「治療名」は、対応する患者の傷病に関して行われた治療の名前を表す。本実施形態の例では、診療履歴情報DB102に登録される治療名は、クリニカルパス情報DB100に登録されたクリニカルパス名のいずれかに対応するものとする。「実施時期」の項目は、対応する「実施診療行為」が表す診療行為が行われた時期を表す。図3では、実施時期の値として、手術日を基準とした値「手術前日」,「手術当日」,「手術翌日」が登録されている。「実施診療行為」の項目は、対応する患者に対して、対応する実施時期に行われた診療行為を表す。なお、図3の表において、患者IDと治療名との各組に対応する各行の情報が、一単位の診療履歴であり、当該患者の1回の入院から退院までの間の診療プロセスの履歴を表す。
再び図1を参照し、共通パタン抽出部104は、診療履歴情報DB102に登録された複数の診療履歴の間で共通する診療行為の組合せを抽出する。以下では、複数の診療履歴の間で共通する診療行為の組合せを「共通パタン」と呼ぶ。本実施形態の例の共通パタン抽出部104は、クリニカルパス情報DB100に登録されたクリニカルパスのうちの1つが指定されると、当該クリニカルパスのクリニカルパス名に対応する治療名を含む診療履歴情報を診療履歴情報DB102から取得する。各治療名に関して複数の診療履歴が診療履歴情報DB102に登録されていれば、共通パタン抽出部104により複数の診療履歴が取得される。共通パタン抽出部104は、例えば、データ集合中で頻出するパタンを抽出するパタンマイニングの手法を用いて、取得した複数の診療履歴における共通パタンを抽出する。本実施形態の例の共通パタン抽出部104は、取得した診療履歴のそれぞれを木構造で表し、木構造のデータ集合において頻出するサブツリー(部分木)を抽出するツリーマイニングの手法を用いて、共通パタンを抽出する。なお、ツリーマイニングの手法としては、例えば、「”Efficiently mining frequent trees in a forest.”, M. Zaki, 8th ACM SIGKDD Int’l Conf Knowledge Discovery and Data Mining, July, 2002」などの文献を参照されたい。
図4から図6を参照し、共通パタンの抽出の一具体例を説明する。図4および図5は、それぞれ、図3に例示する患者ID「10001」の診療履歴および患者ID「10002」の診療履歴を木構造で表した例である。図4および図5では、患者IDを木構造のルート(根ノード)とし、各実施時期に対応するノードをルートの子ノードとする。さらに、各指定時期に行われた各指定診療行為は、各指定時期のノードの子ノードとして表される。図4および図5に示す木構造において共通する部分木は、「手術当日」ノードおよびその子ノード「行為C」からなる部分木である。したがって、ツリーマイニングの手法を用いると、図4および図5の例の木構造から、図6に例示するような木構造が共通パタンとして抽出される。図6の例の木構造は、当該共通パタンの識別情報「共通パタン1」に対応するルートノードに、「手術当日」ノードおよびその子ノード「行為C」からなる部分木を接続した構造を有する。
以下の説明では、本実施形態の例の診療支援装置10の処理において、診療プロセス、クリニカルパス、および共通パタンを木構造で表す場合、図4から図6に例示するような構成で表すものとする。具体的には、診療プロセス、クリニカルパス、または共通パタンの識別情報に対応するノードをルートとし、診療行為の実施時期に対応するノードをルートの子とし、診療行為に対応するノードを実施時期に対応するノードの子として表すものとする。
図1の説明に戻り、共通パタン抽出部104は、抽出した共通パタンをパタン選択部106に渡す。パタン選択部106は、共通パタン抽出部104から受け取った共通パタンの中から、共通パタンの抽出の基となった診療履歴の集合に対応するクリニカルパスの更新を支援するための情報(以下、「クリニカルパス更新支援情報」または単に「更新支援情報」と呼ぶ)の生成に用いるパタンを選択する。パタン選択部106は、クリニカルパスの更新を支援するために有用性が高いと考えられる共通パタンを選択する。この有用性の高さは、例えば、以下の3つの観点から評価される。
(観点1)共通パタンを含む診療履歴の数が多いほど有用性が高い。
共通パタンを含む診療履歴の数は、当該共通パタンの診療行為の組合せが行われた入院患者の数に相当する。共通パタンを含む診療履歴の数が多いほど、より多くの入院患者に対して行われた診療行為の組合せに該当する共通パタンであると言えることから、クリニカルパスの更新のために有用性が高いと考えられる。
(観点2)共通パタンに含まれる診療行為の数が多いほど有用性が高い。
より多くの診療行為を含む共通パタンほど、共通パタンが表す情報量が多いことから、参考になる情報を含む可能性が高いと考えられる。
(観点3)クリニカルパスに含まれる指定診療行為と一致する診療行為を多く含む共通パタンほど有用性が高い。
クリニカルパスに含まれる指定診療行為と一致する診療行為を多く含む共通パタンは、実際に行われた診療プロセスのうちクリニカルパスに類似した診療プロセスの間で共通する診療行為の組合せを表すものであると言える。よって、このような共通パタンとクリニカルパスとの差異を確認することにより、クリニカルパスの更新のために有益な情報が得られる可能性が高いと考えられる。
なお、以上の(観点1)〜(観点3)は、臨床医に対するインタビューを基に見出された観点である。
本実施形態の例のパタン選択部106は、共通パタン抽出部104が抽出した共通パタンのそれぞれについて、(観点1)〜(観点3)を反映させた評価値であるパスヒント指数を求める。パスヒント指数は、例えば、次の式(1)に従って計算すればよい。
Figure 0005505134
式(1)において、「該当履歴数」は、計算対象の共通パタンを含む診療履歴の数を表し、(観点1)を反映させるための項である。また、「診療行為数」は、当該共通パタンに含まれる診療行為の数を表し、(観点2)を反映させるための項である。さらに、「一致行為数」は、当該共通パタンに含まれる診療行為のうち、クリニカルパスに含まれる診療行為と一致する診療行為の数を表し、(観点3)を反映させるための項である。式(1)は、「該当履歴数」および「診療行為数」それぞれの1乗の項と「一致行為数」の2乗の項とを含む。臨床医に対するインタビューの結果、(観点1)〜(観点3)のうち臨床医が最も重視するのは(観点3)であることが分かったことから、式(1)は、パスヒント指数に対する「一致行為数」の影響が「該当履歴数」および「診療行為数」と比較してより大きくなるように設定されている。
パタン選択部106は、各共通パタンについて求めたパスヒント指数に基づいて、クリニカルパス更新支援情報の生成に用いるパタンを選択する。例えば、求めたパスヒント指数が最も大きい共通パタンから順に予め設定された数の共通パタンを選択する。選択する共通パタンの数は、例えば、各共通パタンから生成された更新支援情報をユーザが容易に確認できる程度の数(例えば10以内の数)に設定しておけばよい。あるいは、選択する共通パタンの数をユーザに指定させ、パスヒント指数の最も大きいものから順に指定された数だけ選択してもよい。さらに他の例では、パスヒント指数の閾値を予め設定しておき、この閾値を超えるパスヒント指数を有する共通パタンを選択してもよい。また、この閾値についてユーザの指定を受け付けてもよい。
更新支援情報生成部108は、パタン選択部106が選択した各共通パタンとクリニカルパスとを比較し、更新支援情報を生成する。例えば、選択された共通パタンに含まれる診療行為とクリニカルパスに含まれる診療行為とを比較して、両方に含まれている診療行為と、一方のみに含まれている診療行為とを特定し、特定した診療行為を表す情報をクリニカルパス更新支援情報とする。更新支援情報生成部108は、生成した更新支援情報を出力処理部110に渡す。
出力処理部110は、更新支援情報生成部108が生成した更新支援情報を出力する処理を行う。例えば、更新支援情報を表示部114に表示させる態様を制御する表示制御情報を生成して表示部114に対して出力し、その表示制御情報に従った更新支援情報の表示を表示部114に行わせる。出力処理部110は、また、図示しない記憶手段に対して更新支援情報を出力して保存させる処理を行ってもよい。
入力受付部112は、診療支援装置10に対するユーザによる指示などの入力を受け付ける。例えば、入力受付部112は、クリニカルパスを指定する入力を受け付けて、共通パタン抽出部104、パタン選択部106、および更新支援情報生成部108に通知する。また、入力受付部112は、パタン選択部106の処理に関するユーザの指示の入力を受け付けてパタン選択部106に渡すこともある。入力受付部112は、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置によって実現されてよい。
表示部114は、診療支援装置10における処理の結果などを表示する。出力処理部110からの表示制御情報に従った表示を行う。表示部114は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示装置により実現される。
以下、診療支援装置10の動作の例を説明する。図7は、診療支援装置10が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。診療支援装置10は、例えば、クリニカルパス支援情報の生成を指示するユーザの入力を入力受付部112が受け付けた場合に、図7の例の手順を開始する。
図7を参照し、まず、入力受付部112は、クリニカルパスの指定を受け付ける(ステップS10)。例えば、診療支援装置10は、クリニカルパス情報DB100に登録されたクリニカルパスのクリニカルパス名の一覧を表示部114に表示させ、その一覧の中からユーザが指定したクリニカルパス名を入力受付部112が取得する。入力受付部112は、指定されたクリニカルパス名を共通パタン抽出部104、パタン選択部106および更新支援情報生成部108に通知する。なお、ステップS10では、1つのクリニカルパスの指定を受け付けてもよいし、複数のクリニカルパスの指定を受け付けてもよい。複数のクリニカルパスの指定を受け付けた場合、指定されたクリニカルパスのそれぞれに対して、ステップS12以降の処理を行えばよい。
クリニカルパスの指定を入力受付部112から通知された共通パタン抽出部104は、指定されたクリニカルパスに対応する診療履歴を診療履歴情報DB102から取得する(ステップS12)。例えば、指定されたクリニカルパスのクリニカルパス名と同一の治療名を含む診療履歴を診療履歴情報DB102から取得する。
次に、共通パタン抽出部104は、取得した診療履歴から共通パタンを抽出する(ステップS14)。本実施形態の例では、共通パタン抽出部104は、取得した診療履歴のそれぞれを、図4および図5に例示するような木構造で表した上で、上述のツリーマイニングの手法を用いて、診療履歴の木構造の間で共通する部分木(図6参照)を抽出する。共通パタン抽出部104は、抽出した部分木を共通パタンとしてパタン選択部106に渡す。共通パタン抽出部104は、さらに、各共通パタンを含む診療履歴の数、つまり各共通パタンが何個の診療履歴の間で共通しているかを表す数をパタン選択部106に渡す。
共通パタン抽出部104が抽出した共通パタンを受け取ったパタン選択部106は、受け取った共通パタンの中から、クリニカルパス更新支援情報の生成に用いるパタンを選択する(ステップS16)。例えば、共通パタンのそれぞれについて、上述の式(1)に従ってパスヒント指数を求める。図8〜図10を参照し、ステップS16で行われるパスヒント指数の計算の具体例を説明する。
図8は、図2に例示するクリニカルパス「ヘルニア根治術」を木構造で表した例である。図9および図10に、このクリニカルパスに対応する治療名「ヘルニア根治術」を含む診療履歴から抽出された共通パタンの例を木構造で示す。図9の例の「共通パタンA」のパスヒント指数を求める場合、パタン選択部106は、共通パタン抽出部104から受け取った、共通パタンAを含む診療履歴の数を式(1)の該当履歴数とする。また、共通パタン抽出部104は、共通パタンAに含まれる診療行為の数を数える。図9を参照すると、共通パタンA中の診療行為の数は「6」である。さらに、共通パタン抽出部104は、共通パタンA中の診療行為のうち、クリニカルパス中の診療行為と一致する診療行為の数(一致行為数)を数える。図8および図9を参照すると、両者で一致する診療行為は、行為A,行為B,行為D,行為E,行為Fであるため、一致行為数は「5」である。以上より、例えば、該当履歴数が「3」であるとすると、式(1)に従って計算される共通パタンAのパスヒント指数は、(3+6)×5/100=2.25となる。
同様に、図10の例の「共通パタンB」の場合、診療行為数は「5」である。図8および図10を参照すると、共通パタンBとクリニカルパスとの間で一致する診療行為は、行為A,行為B,行為C,行為D,行為Eであり、一致行為数は「5」である。行為Dは、クリニカルパスでは「手術当日」に行われており、共通パタンBでは「手術翌日」に行われているが、本例では、診療行為の実施時期が異なっていても、両者に共通して含まれる診療行為は一致行為数に含めることとする。本例において、共通パタンBの該当履歴数が「6」であるとすると、式(1)に従って計算される共通パタンAのパスヒント指数は、(6+5)×5/100=2.75となる。
再び図7を参照し、パタン選択部106は、各共通パタンのパスヒント指数を求めると、パスヒント指数に基づいて、更新支援情報の生成に用いる共通パタンを選択する。説明のための具体例として、ステップS16で、パタン選択部106は、パスヒント指数が大きい順に上位2つの共通パタンを選択するものとする。パタン選択部106は、選択した共通パタンを更新支援情報生成部108に渡す。以下、上述の図9および図10に示す共通パタンAおよび共通パタンBが選択された場合を例にとりステップS18以降の処理を説明する。
更新支援情報生成部108は、選択された共通パタンを用いて、クリニカルパス更新支援情報を生成する(ステップS18)。ステップS18で、更新支援情報生成部108は、選択された共通パタンに含まれる診療行為とクリニカルパスに含まれる診療行為とを比較する。図11に、図8のクリニカルパスと図9の共通パタンAとの比較の様子を示し、図12に、図8のクリニカルパスと図10の共通パタンBとの比較の様子を示す。
図11を参照し、クリニカルパス「ヘルニア根治術」と共通パタンAとを比較すると、「行為C」は、クリニカルパスに含まれているが、共通パタンAには含まれていない。さらに、「行為Z」は、クリニカルパスには含まれていないが、共通パタンAには含まれていることがわかる。その他の診療行為は両者で一致している。
図12を参照し、クリニカルパス「ヘルニア根治術」と共通パタンBとを比較すると、クリニカルパスでは「行為D」が「手術当日」に行われるのに対し、共通パタンBでは、「行為D」は「手術翌日」に行われている。また、「行為F」は、クリニカルパスに含まれているが、共通パタンBには含まれていない。
更新支援情報生成部108は、図11および図12を参照して説明したような比較の結果を表す情報を、クリニカルパス更新支援情報とする。例えば、クリニカルパスと共通パタンとの間で一致する診療行為、クリニカルパスに含まれていて共通パタンに含まれていない診療行為、および、共通パタンに含まれていてクリニカルパスに含まれていない診療行為を互いに区別して表す情報をクリニカルパス更新支援情報とする。さらに、クリニカルパスおよび共通パタンの両方に含まれているけれども、両者の間で実施時期が異なる診療行為を区別するようにしてもよい。図13および図14に、共通パタンAおよび共通パタンBをそれぞれ用いて生成されるクリニカルパス更新支援情報の例を示す。
図13の表では、共通パタンAに含まれていてクリニカルパスに含まれていない診療行為「行為Z」を「追加候補」とし、クリニカルパスに含まれていて共通パタンAに含まれていない診療行為「行為C」を「妥当性検討候補」として示す。また、クリニカルパスと共通パタンAとの間で一致する診療行為「行為A,行為B,行為D,行為E,行為F」を「一致行為」として示す。「追加候補」は、クリニカルパスには含まれていないけれども、実際の診療履歴から抽出された共通パタンには含まれている診療行為であることから、クリニカルパスに追加すべき診療行為である可能性がある。また、「妥当性検討候補」は、クリニカルパスに含まれているけれども、実際の診療履歴から抽出された共通パタンには含まれていない診療行為であることから、クリニカルパスから削除すべき診療行為である可能性がある。
図14の表は、共通パタンBを用いて生成されるクリニカルパス更新支援情報の例である。図14の表において、追加候補、妥当性検討候補、および一致行為の意味は、図13を参照して説明したのと同様である。図14では、「実施時期検討候補」として、共通パタンBとクリニカルパスとの両方に含まれているけれども実施時期が互いに異なる「行為D」が示されている。なお、共通パタンBに含まれていてクリニカルパスに含まれていない診療行為は存在しないので、図14において、追加候補は「なし」と示されている。また、「妥当性検討候補」として「行為F」が示され、「一致行為」として「行為A,行為B,行為C,行為E」が示されている。
図7の手順の説明に戻り、更新支援情報生成部108は、生成したクリニカルパス更新支援情報を出力処理部110に渡し、出力処理部110は、受け取ったクリニカルパス更新支援情報を出力する(ステップS20)。出力処理部110は、例えば、図13および図14の例のような表を表示部114に表示させる処理を行う。また例えば、図11および図12のように、クリニカルパスの木構造と共通パタンの木構造とを図式的に表示部114に表示させると共に、一方に含まれていて他方に含まれていない診療行為、両者の間で実施時期が異なる診療行為、および両者の間で一致する診療行為を互いに区別可能に表示させてもよい。ステップS20の後、図7の例の手順の処理は終了する。
図7の例の手順の処理により、クリニカルパス情報DB100中のクリニカルパスの更新を支援する情報がユーザに提示される。図7の例のステップS14では、診療履歴から多数の共通パタンが抽出されることもある。例えば、本発明の発明者が行った、ある実験では、ヘルニア根治術に関し、89個の診療履歴から10338個の共通パタンが抽出された。このように多数の共通パタンがステップS14で抽出されたとしても、ステップS16の選択処理によって、更新支援情報の生成に用いられる共通パタンは絞り込まれる。
以上で説明した実施形態の例は、本発明の実施の形態の一例に過ぎず、各種の変形例が考えられる。以下、変形例を説明する。
上述の実施形態の例では、パスヒント指数を求める式(1)の「一致行為数」に関し、クリニカルパスと共通パタンとの間で共通する診療行為であれば、その実施時期が互いに異なっていても「一致行為」として数える。他の例では、実施時期も考慮して一致行為数を求めてもよい。例えば、一致行為数=(名称が一致する診療行為の数)×α+(実施時期および名称が一致する診療行為の数)×βとして求める。ただし、αおよびβは、予め設定される係数であり、α+β=1とする。例えば、α=0.6,β=0.4とすると、図10の共通パタンBの場合、一致行為数=5×0.6+4×0.4=4.6となる。また例えば、実施時期だけでなく、各診療行為において使用される薬剤などの量を表す数値(指定量)もさらに考慮してよい。指定量を考慮する場合、クリニカルパス情報DB100および診療履歴情報DB102において、各診療行為の指定量をさらに記憶しておく。そして、一致行為数=(名称が一致する診療行為の数)×α+(実施時期および名称が一致する診療行為の数)×β+(名称および指定量が一致する診療行為の数)×γとして求める。α,β,γは、予め設定される係数であり、α+β+γ=1となるような値に設定しておけばよい。例えば、α=0.5,β=0.3,γ=0.2とする。
また、パスヒント指数の計算は、式(1)の他の式に従って行ってもよい。例えば、次の式(2)を用いても、式(1)と同様に上述の(観点1)〜(観点3)に基づく評価値を表すパスヒント指数が求められる。
Figure 0005505134
式(2)において、「該当履歴数」、「共通パタンの診療行為数」、および「一致行為数」の意味は、それぞれ、式(1)の「該当履歴数」、「診療行為数」、および「一致行為数」と同様である。式(2)の「診療履歴総数」は、共通パタンを抽出する処理において処理対象となった診療履歴の数の合計を表す。つまり、図7のステップS12で取得された診療履歴の数を表す。また、式(2)の「クリニカルパスの診療行為数」は、処理対象の診療履歴に対応するクリニカルパス(図7のステップS10で指定されたクリニカルパス)に含まれる診療行為の数を表す。式(2)の第一項は、処理対象の診療履歴の総数に対する、当該共通パタンを含む診療履歴の数の割合を示す。式(2)の第二項は、クリニカルパスに含まれる診療行為の数に対する、共通パタンに含まれる診療行為の数の割合を示す。式(2)の第三項は、クリニカルパスに含まれる診療行為の数に対する、一致行為数の割合を示す。
パスヒント指数のさらに他の例では、上述の(観点1)〜(観点3)のうちの一部だけを考慮してもよい。例えば、臨床医が最も重視する(観点3)に基づく一致行為数の値をそのままパスヒント指数としてもよい。あるいは、一致行為数の値またはこれを2乗した値に、該当履歴数または診療行為数の値を加算あるいは乗算した結果をパスヒント指数としてもよい。
また、一変形例では、図7のステップS16において、パタン選択部106は、パスヒント指数だけでなく、共通パタンを含む診療履歴における治療成績の情報をさらに用いて共通パタンを選択してもよい。例えば、パスヒント指数が等しい複数の共通パタンについて、各共通パタンを含む診療履歴の集合における治療成績の平均がより良いものを優先して選択する。各診療履歴の治療成績の情報は、予め診療履歴情報DB102に登録しておけばよい。治療成績の情報の例としては、患者の入院から退院までの在院日数および患者の退院時の状態などが挙げられる。患者の退院時の状態としては、例えば、患者の健康状態を主治医が複数段階で評価した値を用いることが考えられる。一具体例として、DPC(Diagnosis Procedure Combination,診療群分類)コードを用いた包括診療報酬制度に参加している医療機関で各入院患者について記録される「退院時転帰」の情報を患者の退院時の状態として用いてもよい。「退院時転帰」の情報は、主治医の判断した区分に該当する「1」〜「7」,「9」の値で表される。各値は、次の区分に相当し、値「1」が最良の評価を表す(厚生労働省保険局医療課,「平成21年度『DPC導入の影響評価に係る調査』実施説明資料」,p.18−29,平成21年6月11日参照)。
1:最も医療資源を投入した傷病が治癒したと判断される場合
2:最も医療資源を投入した傷病が軽快したと判断される場合
3:最も医療資源を投入した傷病(白血病等)が寛解したと判断される場合
4:最も医療資源を投入した傷病が不変したと判断される場合
5:最も医療資源を投入した傷病が憎悪したと判断される場合
6:最も医療資源を投入した傷病による死亡
7:最も医療資源を投入した傷病以外による死亡
9:その他
在院日数を用いる場合、例えば、パスヒント指数が等しい各共通パタンを含む診療履歴の集合について、在院日数の平均値を求め、この平均値が最小である集合に含まれる共通パタンを選択する。また同様に、上述の「退院時転帰」の各区分の値を用いる場合も、各共通パタンを含む診療履歴の集合について求めた退院時転帰の値の平均が最小の集合に含まれる共通パタンを選択すればよい。
また、上述の実施形態の例では、クリニカルパスおよび診療履歴を、各診療行為の実施時期に対応するノードを含む木構造で表して、共通パタンの抽出(図7のステップS14)、パタンの選択(ステップS16)、および更新支援情報の生成(ステップS18)などの処理を行う。一変形例では、クリニカルパスおよび診療履歴を木構造で表さずに、図7の例の手順の処理を行ってもよい。例えば、クリニカルパスおよび診療履歴を、診療行為とその実施時期の対の集合として表し、ステップS14で、複数の診療履歴において共通する対(診療行為,実施時期)の組合せを共通パタンとして抽出してもよい。この変形例においても、ステップS16以降の処理は、上述の説明と同様に実行すればよい。
さらに他の変形例では、実施時期を考慮せずに、単に診療行為の組合せに対して上述の図7の例の手順の処理を行ってもよい。この変形例では、実施時期に対応するノードを含まず、ルートノードの子として診療行為に対応するノードを有する木構造でクリニカルパスおよび診療履歴を表し、上述の実施形態の例と同様の処理を行えばよい。あるいは、クリニカルパスおよび診療履歴を木構造で表すことなく、図7のステップS14で、複数の診療履歴の間で共通して含まれる診療行為の組合せを共通パタンとして抽出して、ステップS16以降の処理を行ってもよい。
なお、クリニカルパス情報DB100および診療履歴情報DB102の具体的な態様は、図2および図3を参照して上述した例に限られない。例えば、図2および図3では、「指定時期」および「実施時期」の項目に、手術日を基準とした値が示されているが、入院日を基準とした値(入院日からx日目など)を「指定時期」および「実施時期」の項目に登録しておいてもよい。また、図2および図3の例では、クリニカルパスに対応する傷病の診療履歴の治療名をクリニカルパス名と同一にすることで、クリニカルパスと診療履歴との対応付けを行っている。クリニカルパスと診療履歴との対応を明確にしておきさえすれば、必ずしも、クリニカルパス名と治療名とを同一にする必要はない。例えば、クリニカルパスに識別番号を付し、対応する診療履歴を当該クリニカルパスの識別番号に関連付けて診療履歴情報DB102に登録しておいてもよい。また、クリニカルパス情報DB100および診療履歴情報DB102は、図2および図3に示す項目の他の項目を含んでいてもよい。また例えば、各診療行為が実施された時期を考慮しない上述の変形例の場合、クリニカルパス情報DB100および診療履歴情報DB102において、指定時期および実施時期の項目を省略してもよい。
また、以上で説明した実施形態および変形例では、1人の患者の1回の入院から退院までの間に行われる(行われた)診療行為を、クリニカルパスおよび診療履歴の一単位とする。クリニカルパスおよび診療履歴の単位は、この例に限られず、例えば、1人の患者の外来診療が開始されてから終了するまでの間の診療行為を一単位としてもよい。
以上に例示した診療支援装置10は、典型的には、汎用のコンピュータにて上述の診療支援装置10の各部の機能又は処理内容を記述したプログラムを実行することにより実現される。コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、図15に示すように、CPU(中央演算装置)80、メモリ(一次記憶)82、各種I/O(入出力)インタフェース84等がバス86を介して接続された回路構成を有する。また、そのバス86に対し、例えばI/Oインタフェース84経由で、ハードディスクドライブ(HDD)88やCDやDVD、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体を読み取るためのディスクドライブ90が接続される。このようなドライブ88又は90は、メモリに対する外部記憶装置として機能する。実施形態の処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク経由で、HDD88等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがメモリに読み出されCPUにより実行されることにより、実施形態の処理が実現される。
なお、以上では、診療支援装置10を1台のコンピュータにより実現する例の実施形態を説明したが、診療支援装置10の上述の例の各種の機能を複数のコンピュータに分散させて実現してもよい。
10 診療支援装置、80 CPU、82 メモリ、84 I/Oインタフェース、86 バス、88 HDD、90 ディスクドライブ、100 クリニカルパス情報DB、102 診療履歴情報DB、104 共通パタン抽出部、106 パタン選択部、108 更新支援情報生成部、110 出力処理部、112 入力受付部、114 表示部。

Claims (8)

  1. 患者に対して実施された診療プロセスである実施プロセスと当該実施プロセスで行われた1以上の診療行為とを関連付けて記憶した履歴情報記憶手段から、複数の前記実施プロセスにおいて共通して行われた診療行為の組合せを複数抽出する抽出ステップと、
    前記抽出ステップで抽出された複数の組合せの中から、より少ない数の組合せを選択する選択ステップであって、前記抽出された複数の組合せそれぞれについて、当該組合せに含まれる診療行為と、標準的な診療プロセスで行われる診療行為として予め設定された1以上の診療行為を表す標準プロセス情報における診療行為と、の間で共通する診療行為の数が大きい程より高い評価を表すように評価値を求め、より高い評価の評価値を有する前記組合せを優先して選択する、選択ステップと、
    前記選択ステップで選択された組合せに含まれる診療行為と、前記標準プロセス情報が表す診療行為と、を比較した結果を表す情報を出力する出力ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  2. 前記選択ステップにおいて、前記複数の組合せそれぞれの前記評価値は、さらに、当該組合せの診療行為が行われた前記実施プロセスの数が大きい程より高い評価を表すように求められる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記選択ステップにおいて、前記複数の組合せそれぞれの前記評価値は、さらに、当該組合せに含まれる診療行為の数が大きい程より高い評価を表すように求められる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
  4. 前記出力ステップにおいて、前記選択された組合せおよび前記標準プロセス情報の両方に含まれる診療行為と、前記選択された組合せに含まれていて前記標準プロセス情報に含まれていない診療行為と、前記標準プロセス情報に含まれていて前記選択された組合せに含まれていない診療行為と、を互いに区別可能な態様で表示装置に表示させるための表示制御情報を出力する、
    ことを特徴する請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
  5. 前記履歴情報記憶手段は、さらに、各実施プロセスで行われた1以上の診療行為それぞれの実施時期を表す情報を記憶し、
    前記標準プロセス情報は、さらに、標準的なプロセスで行われる1以上の診療行為それぞれの実施時期を表し、
    前記抽出ステップにおいて、複数の前記実施プロセスにおいて共通する、診療行為とその実施時期との対の組合せを抽出し、
    前記選択ステップにおいて、前記複数の組合せそれぞれの前記評価値は、さらに、当該組合せに含まれる診療行為とその実施時期との対と、前記標準プロセス情報に含まれる診療行為とその実施時期との対と、の間で共通する対の数が大きい程より高い評価を表すように求められる、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプログラム。
  6. 前記出力ステップにおいて、前記選択された組合せおよび前記標準プロセス情報の両方に含まれる診療行為であって実施時期が同じである診療行為と、前記選択された組合せおよび前記標準プロセス情報の両方に含まれる診療行為であって実施時期が異なる診療行為と、前記選択された組合せに含まれていて前記標準プロセス情報に含まれていない診療行為と、前記標準プロセス情報に含まれていて前記選択された組合せに含まれていない診療行為と、を互いに区別可能な態様で表示装置に表示させるための表示制御情報を出力する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
  7. 前記履歴情報記憶手段は、さらに、各実施プロセスにおける患者の治療成績を表す情報を記憶し、
    前記選択ステップにおいて、さらに、前記複数の組合せそれぞれを含む前記実施プロセスの前記治療成績がより良い前記組合せを優先して選択する、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
  8. 患者に対して実施された診療プロセスである実施プロセスと当該実施プロセスで行われた1以上の診療行為とを関連付けて記憶した履歴情報記憶手段から、複数の前記実施プロセスにおいて共通して行われた診療行為の組合せを複数抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段で抽出された複数の組合せの中から、より少ない数の組合せを選択する選択手段であって、前記抽出された複数の組合せそれぞれについて、当該組合せに含まれる診療行為と、標準的な診療プロセスで行われる診療行為として予め設定された1以上の診療行為を表す標準プロセス情報における診療行為と、の間で共通する診療行為の数が大きい程より高い評価を表すように評価値を求め、より高い評価の評価値を有する前記組合せを優先して選択する、選択手段と、
    前記選択手段で選択された組合せに含まれる診療行為と、前記標準プロセス情報が表す診療行為と、を比較した結果を表す情報を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする診療支援装置。
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