JP5425686B2 - 医療情報処理装置およびプログラム - Google Patents

医療情報処理装置およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5425686B2
JP5425686B2 JP2010079202A JP2010079202A JP5425686B2 JP 5425686 B2 JP5425686 B2 JP 5425686B2 JP 2010079202 A JP2010079202 A JP 2010079202A JP 2010079202 A JP2010079202 A JP 2010079202A JP 5425686 B2 JP5425686 B2 JP 5425686B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medical
group
practice
medical practice
implementation rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010079202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011210142A (ja
Inventor
実 大野
亮治 祖山
陽介 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Secom Co Ltd
Original Assignee
Secom Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Secom Co Ltd filed Critical Secom Co Ltd
Priority to JP2010079202A priority Critical patent/JP5425686B2/ja
Publication of JP2011210142A publication Critical patent/JP2011210142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5425686B2 publication Critical patent/JP5425686B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Description

本発明は、患者に対して実施された診療行為の質の良否を評価し、その評価結果を出力する医療情報処理装置およびプログラムに関する。
医療機関の経営に関する情報を分析する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、医事会計データおよび病歴データを統計処理して分析可能とするシステムにおいて、患者ごとの診療報酬を出来高評価およびDPC評価でそれぞれ演算し、DPC評価の報酬から出来高評価の報酬を減算した値であるDPC差が負となる患者の情報を表示させる技術が開示されている。特許文献1に記載のシステムでは、縦軸にDPC差、横軸に特定の診療行為の費用をとり、患者ごとに各値をプロットした2次元グラフを生成し、表示する。
特開2006−18532号公報
患者ごとに出来高評価の報酬と包括評価の報酬との差額を求め、患者ごとの情報を表示させる技術では、出来高評価の報酬と包括評価の報酬との差を生じさせる要因となっている診療行為を特定したり、そのような診療行為を評価したりすることは困難である。
本発明の目的は、出来高評価の報酬と包括評価の報酬との差を生じさせる要因となり得る診療行為を特定し、診療行為の質の良否を評価することを支援する医療情報処理装置およびプログラムを提供することである。
本発明の一態様は、患者に対して行われた診療行為と各診療行為の診療報酬点数とを、1患者の1回の入院を単位とした診療レコードとして記憶した診療データベースを参照し、包括評価で算出された包括報酬額から出来高評価で算出された出来高報酬額を減算した値が、前記診療レコードの診療内容を標準的であると判断できる程度の範囲に予め設定された値の範囲内である診療レコードのグループである第1群、前記減算した値が負であり、かつ前記第1群に含まれない診療レコードのグループである第2群、および前記減算した値が正であり、かつ前記第1群に含まれない診療レコードのグループである第3群のそれぞれについて、診療行為ごとに、当該診療行為が行われた診療レコード数の割合である実施率を算出する算出手段と、診療行為ごとに算出された、前記第1群、前記第2群、および前記第3群それぞれにおける前記実施率を用いて、各診療行為の質の良否を評価する評価手段と、前記評価の結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする医療情報処理装置である。
本発明の一態様において、前記評価手段は、診療行為ごとに算出された前記第1群における前記実施率および前記第2群における前記実施率を用いて、当該第2群の実施率の方が高い診療行為を過剰な診療行為である可能性がある診療行為と評価し、診療行為ごとに算出された前記第1群における前記実施率および前記第3群における前記実施率を用いて、当該第1群の実施率の方が高い診療行為を過少な診療行為である可能性がある診療行為と評価するものであってよい。
本発明の一態様において、前記算出手段は、さらに、前記第1群、前記第2群、および前記第3群のそれぞれについて、診療行為ごとに、1患者の1回の入院当たりの出来高報酬額である平均出来高を算出し、前記評価手段は、診療行為ごとに算出された前記第1群における前記実施率および前記平均出来高と前記第2群における前記実施率および前記平均出来高とを用いて、当該第2群の実施率と平均出来高との積が当該第1群の実施率と平均出来高との積よりも大きい診療行為を過剰な診療行為である可能性がある診療行為と評価し、診療行為ごとに算出された前記第1群における前記実施率および前記平均出来高と前記第3群における前記実施率および前記平均出来高とを用いて、当該第1群の実施率と平均出来高との積が当該第3群の実施率と平均出来高との積よりも大きい診療行為を過少な診療行為である可能性がある診療行為と評価するものであってよい。
本発明の一態様において、前記評価手段は、診療行為ごとに算出された、前記第1群、前記第2群、および前記第3群それぞれにおける前記実施率の値の組合せに応じた、診療行為の質の良否を評価するものであってよい。
本発明の一態様において、前記算出手段は、さらに、前記第1群、前記第2群、および前記第3群のそれぞれについて、診療行為ごとに、1患者の1回の入院当たりの出来高報酬額である平均出来高を算出し、前記評価手段は、診療行為ごとに算出された、前記第1群、前記第2群、および前記第3群それぞれにおける前記実施率および前記平均出来高の値の組合せに応じた、診療行為の質の良否を評価するものであってよい。
本発明の他の一態様は、コンピュータに、患者に対して行われた診療行為と各診療行為の診療報酬点数とを、1患者の1回の入院を単位とした診療レコードとして記憶した診療データベースを参照し、包括評価で算出された包括報酬額から出来高評価で算出された出来高報酬額を減算した値が、前記診療レコードの診療内容を標準的であると判断できる程度の範囲に予め設定された値の範囲内である診療レコードのグループである第1群、前記減算した値が負であり、かつ前記第1群に含まれない診療レコードのグループである第2群、および前記減算した値が正であり、かつ前記第1群に含まれない診療レコードのグループである第3群のそれぞれについて、診療行為ごとに当該診療行為が行われた診療レコード数の割合である実施率を算出するステップと、診療行為ごとに算出された、前記第1群、前記第2群、および前記第3群それぞれにおける前記実施率に基づいて、各診療行為を評価するステップと、前記評価の結果を出力するステップと、を実行させることを特徴とするプログラムである。
本発明によると、出来高評価の報酬と包括評価の報酬との差を生じさせる要因となり得る診療行為を特定し、診療行為の質の良否を評価することを支援することができる。
医療情報処理装置の概略構成の例を示すブロック図である。 記憶部に記憶される診療データの内容の一部の例を示す図である。 記憶部に記憶される診療データの内容の一部の例を示す図である。 包括報酬の算出に用いられる情報テーブルの内容の例を示す図である。 選別手段が各診療行為を診療データ群に選別した結果の例を示す図である。 過剰である可能性がある診療行為を特定する処理を説明するための図である。 過少である可能性がある診療行為を特定する処理を説明するための図である。 各診療行為を評価した結果の例を示す図である。 医療情報処理装置で行われる処理の手順の例を示すフローチャートである。 医療情報処理装置で行われる処理の部分的な手順の例を示すフローチャートである。 各診療行為が分類される評価区分の例を示す図である。 各診療行為を評価した結果の他の例を示す図である。
<第1実施形態>
図1に、本発明の第1実施形態による医療情報処理装置の概略構成の例を示す。図1の医療情報処理装置1は、医療情報処理部10、記憶部12、入力部14、および表示部16を備える。
医療情報処理部10は、記憶部12に記憶された診療データを用いた処理を行う。医療情報処理部10の詳細は後述する。
記憶部12は、医療機関の医療情報システム等(図示せず)において記録された診療実績情報から取得される診療データを記憶する。記憶部12は、例えば、コンピュータのハードディスクや、各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体(例えば、CD、DVD、フラッシュメモリ)等により実現される。診療データは、1人の患者の1回の入院から退院までを単位として、少なくともその入院期間で実施した診療項目およびその費用を対応づけた情報である。
図2に、記憶部12に記憶される診療データの内容の一部の例を示す。図2の表の1行は、1人の患者の1回の入院に関する情報を表す。図2の表は、医療機関ID、データID、入院日、退院日、入院期間、DPCコード、年齢、性別、および入院時併存症の各項目を有する。医療機関IDは、診療データの基となる診療実績情報を記録した医療機関の識別情報である。データIDは、診療データの単位を識別するための識別情報である。データIDとして患者の識別情報を用いてもよい。入院日および退院日は、それぞれ、対応する患者が入院した年月日および退院した年月日を表す。入院期間は、対応するデータIDの患者が入院していた期間を日数で表す。
DPCコードは、診療群分類(Diagnosis Procedure Combination, DPC)を表す番号であり、入院期間において最も資源を投入した傷病名、患者の年齢や手術の有無、重傷度等に基づいて決定される14桁の番号である。DPCは、入院医療費の包括支払制度における傷病の分類に用いられる。医療費の包括支払制度では、実際に行われた検査や投薬の回数に関わらず、DPCコードが表す診断群分類に応じて包括化された診療報酬が定められる。DPCによる医療費の包括支払制度に従う医療機関では、DPCコードを用いて、患者に対する診療の実績を管理する。よって、1人の患者の1回の入院から退院までの診療実績情報から、診療データの一項目としてDPCコードを取得できる。
DPCでは、約2450の診断群分類が定義されており、DPCコードは、各診断群分類に割り当てられている。DPCコードの14桁の各桁は、左から順に以下の内容を表す。
・1〜2桁目
MDC(主要診断群,Major Diagnostic Category)2桁コード。MDCは、DPCを16のグループに分類したコードである(例:MDCの「01」は神経系疾患、「02」は「眼科系疾患」等)。
・3〜6桁目
最も医療資源を投入した傷病名の4桁分類コード。
・7桁目
入院目的。2006年4月改定より未使用。
・8桁目
特定の条件を表す。例えば、年齢条件、出生体重条件、JCS(Japan Coma Scale)条件(意識障害レベルの指標)、Burn Index条件(熱傷の重症度を判断する指標)、GAF(Global Assessment of Functioning)条件(心理的、社会的、職業的機能の全体的評価・尺度)。
・9〜10桁目
手術情報。
・11桁目
手術・処置等1の有無。
・12桁目
手術・処置等2の有無。
・13桁目
副傷病の有無。
・14桁目
重症度等の有無。
なお、各桁において、該当する情報が存在しない場合、数字の代わりに「該当なし」を表す「x」が設定される。例えば、7桁目は未使用であるため「x」とされる。
以上、DPCコードについて説明した。同一のDPCコードの診療データ群について後述の処理を行うことで、同一症例における診療行為を評価できる。
なお、各診療データがどのような傷病におけるデータであるのかを識別可能にするものであれば、14桁のDPCコードの他のコードを登録しておいてもよい。例えば、DPCコードの最初の6桁分だけを登録しておいてもよい。あるいは、例えば、DPCコードの代わりに、米国で開発された診断群分類のコードであるDRG(Diagnosis Related Group)コードを登録しておいてもよい。
図2の表の年齢および性別の各項目には、対応するデータIDの患者の年齢および性別が登録される。入院時併存症は、対応するデータIDの患者が、入院での主な治療目的となる傷病の他に入院時に患っていた傷病を表す。
記憶部12に記憶される診療データは、図2に示す表のデータ内容に加えて、図2に示す各データIDの患者に対して実施された診療行為および各診療行為の診療報酬点数を含む。診療行為および各診療行為の診療報酬点数の例を図3に示す。図3に例示する表の1行は、1人の患者に対して実施された1回の診療行為に関する情報を表す。図3の表は、データID、診療行為、診療報酬点数、および実施日の各項目を含む。データIDは、図2に示すデータIDに対応し、図3の表において同一のデータIDを含む行は、同一の患者に対して、当該患者の入院期間中に実施された診療行為の情報を表す。診療行為の項目は、実施された診療行為の名称を表す。診療報酬点数の項目は、対応する診療行為の診療報酬点数を表す。診療報酬点数とは、病院や医師が患者に対して行う各種の診療行為やサービスにつけられた点数であり、厚生労働大臣により定められる。診療行為やサービスの費用(医療費)は、診療報酬点数の1点当り10円として計算される。したがって、図3の表の診療報酬点数の項目は、対応する診療行為の費用を表す情報であると言える。また、図3の表において、各診療行為の診療報酬点数を登録しておく代わりに、診療報酬点数の値を10倍して診療行為の費用の金額を登録しておいてもよい。実施日の項目には、対応する診療行為が実施された年月日が登録される。
以上で説明した図2および図3の表において同一のデータIDに関連づけられた情報は、1人の患者の1回の入院から退院までを単位とする1つの診療レコードに含まれる情報であると言える。つまり、記憶部12には、複数の診療レコードを含む診療データベースが記憶されると言える。
なお、図2および図3の表は、診療データの具体的な態様を限定するものではない。例えば、図2および図3の表を1つの表に纏めた形式で診療データとして記憶部12に記憶させておいてよい。また、図2および図3の表は、それぞれ、上述の例の項目だけでなく、診療報酬の算定に必要な各種の情報を表す項目をさらに含んでいてもよい。あるいは、図2および図3の表において、それぞれ、上述の例の項目の一部を省略してもよい。例えば、図2における患者の入院日、退院日、入院期間、年齢、性別、および入院時併存症、ならびに図3における実施日は、後述の処理に用いない場合は省略してよい。また、同一の医療機関において記録された診療データのみを扱う場合、医療機関IDも省略可能である。
再び図1を参照し、医療情報処理部10は、算出手段100、選別手段102、評価手段104、および出力手段106を備える。医療情報処理部10は、コンピュータのCPU(Central Processing Unit、中央演算装置)等により実現される。例えば、図示しない記憶装置に後述の各手段による処理の手順を記述したプログラムを記憶させておき、このプログラムをCPUにおいて記憶装置から読み出して実行させることで、CPUを医療情報処理部10として機能させることができる。
算出手段100は、記憶部12に記憶された診療データのうち、処理対象として指定された診療データについて、診療データごとの包括報酬および出来高報酬を算出する。
包括報酬は、傷病の分類ごとに予め定められた基準に従って包括評価により算出される。本例では、算出手段100は、図4に示すような、DPCコードごとに定められた、入院期間と1日当りの報酬点数とを表す情報テーブルを用いて診療データごとの包括報酬を算出する。図4の表には、各DPCコードに関連づけて、3種類の入院期間(I〜III)と各入院期間における1日当りの報酬点数とが登録されている。図4の表において、入院期間I,II,IIIの各項目の値は、入院の何日目から何日目までを当該入院期間として扱うかを表す。例えば、図4の表のDPCコード「010010xx99x00x」の行を参照すると、入院から1日目〜3日目を「入院期間I」、4日目〜7日目を「入院期間II」、8日目〜21日目を「入院期間III」とすることが表される。また、「入院期間I点数/日」,「入院期間II点数/日」,「入院期間III点数/日」は、対応する各入院期間における1日当たりの診療報酬点数を表す。本実施形態では、図4のような情報テーブルを記憶部12に予め記憶させておき、診療データに含まれるDPCコードおよび入院期間の値と当該情報テーブルとを用いて当該診療データの包括報酬を算出する。例えば、図2を参照し、DPCコードが「050050x9901xx」であり、入院期間が15日間であるデータID「111111」の診療データの場合、図4の表のDPCコード「050050x9901xx」の行の情報を用いて包括報酬が算出される。すなわち、入院期間Iに該当する1日目〜3日目の報酬点数の合計は、3481(入院期間I点数/日)×3日=10443点であり、入院期間IIに該当する4日目〜9日目の報酬点数の合計は、2800(入院期間II点数/日)×6日=16800点であり、入院期間IIIに該当する10日目〜15日目の報酬点数の合計は、2380(入院期間III点数/日)×6日=14280点であり、これらの各入院期間の報酬点数の合計41523(=10443+16800+14280)を包括報酬として算出する。
出来高報酬の算出は、例えば、当該診療データに含まれる診療行為の診療報酬点数(図3参照)の合計を算出することで行われる。算出手段100は、さらに、診療データごとに、包括報酬と出来高報酬との間の差を算出する。本実施形態では、包括報酬から出来高報酬を減算した値を求め、この値を「包括出来高差」と呼ぶ。
算出手段100は、また、後述の選別手段102において選別(グループ分け)された診療データ群ごとに、各診療行為の実施率を算出する。診療行為の実施率は、当該診療行為を含む診療データ(つまり、当該診療行為が患者に対して実施されたことを表す診療データ)の数を、選別手段102によって選別された診療データ群に含まれる診療データの総数で除算することで求められる。例えば、ある診療データ群の診療データの総数が100であり、そのうち、85の診療データに診療行為「投薬A」が含まれる場合、診療行為「投薬A」の実施率は85%となる。実施率として、診療行為が実施された診療データの数を選別された診療データの総数で除算した値を用いることで、ある診療行為がある患者に対して偏って実施された場合と、複数の患者に対して満遍なく実施された場合とを区別することができる。算出手段100は、さらに、診療データ群ごとに、各診療行為の出来高報酬の平均値である平均出来高を算出する。各診療行為の平均出来高は、ある診療データ群に含まれる診療データの出来高報酬を診療行為ごとに合計し、その合計を当該診療データ群に含まれる診療データの総数で除算することで求められる。また、算出手段100は、診療データ群ごとに求めた各診療行為の実施率および平均出来高の積を算出する。
選別手段102は、算出手段100が求めた診療データごとの包括出来高差(=包括報酬−出来高報酬)を用いて、診療データのグループ分けを行う。本実施形態の選別手段102は、各診療データを、標準群、過剰群、および過少群の3つの診療データ群のいずれかに選別する。標準群には、算出手段100の処理対象の診療データのうち、包括出来高差が、その診療データの診療内容を標準的であると判断できる程度の範囲に予め設定された値の範囲内である診療データが選別される。過剰群には、包括出来高差が負である診療データであって標準群に含まれない診療データが選別される。過剰群に含まれる診療データは、その出来高報酬が包括報酬よりも大きいことから、標準的な診療内容と比較してより多くの診療行為が患者に対して行われたことを表すと考えられる。また、過少群には、包括出来高差が正である診療データであって標準群に含まれない診療データが選別される。過少群に含まれる診療データは、その出来高報酬が包括報酬よりも小さいことから、標準的な診療内容と比較してより少ない診療行為が患者に対して行われたことを表すと考えられる。
なお、選別手段102による各診療行為の診療データ群への選別は、例えば、以下の[例1]の規則に従って行われる。
[例1]
標準群:包括出来高差が包括報酬の±p%以内
過剰群:包括出来高差が負であり、包括出来高差の絶対値が包括報酬のp%より大きい
過少群:包括出来高差が正であり、包括出来高差の絶対値が包括報酬のp%より小さい
上記の[例1]において、pの値は、例えば、p=5.0に設定しておけばよい。[例1]は、診療データ群への選別規則の一例に過ぎず、他の規則に従って選別を行ってもよい。例えば、以下の[例2]のような規則が考えられる。
[例2]
標準群:包括出来高差が0
過剰群:包括出来高差が負
過少群:包括出来高差が正
また、選別手段102は、必ずしも、算出手段100が包括出来高差を求めた診療データの全てについて各診療データ群に選別しなくてもよい。例えば、以下の[例3]の規則に従って選別してもよく、この場合、いずれの診療データ群にも選別されない診療データが存在し得る。
[例3]
標準群:包括出来高差の絶対値の小さい順に上位10%
過剰群:包括出来高差が負であり、その絶対値の大きい順に上位10%
過少群:包括出来高差が正であり、その絶対値の大きい順に上位10%
[例1]〜[例3]を参照して上述したような選別の規則は、システムの管理者などにより予め設定されて記憶部12に記憶される。
選別手段102は、各診療データを診療データ群に選別すると、その結果を各診療データに関連づけて記憶部12に記憶させる。図5に、選別手段102による選別の結果の例を示す。図5の表には、各データIDの診療データに含まれる医療機関IDおよび入院日が示されると共に、各データIDの診療データについて算出手段100が算出した包括報酬、出来高報酬、および包括出来高差が示される。さらに、図5の表では、各データIDに関連づけて、当該データIDの診療データを選別手段102が選別した診療データ群を示す。算出手段100による算出および選別手段102による選別の結果を図5のような表の形式で記憶部12に記憶させておいてもよい。
図1の説明に戻り、評価手段104は、選別手段102が選別した診療データ群ごとに算出手段100が求めた各診療行為の実施率および平均出来高を用いて、各診療行為の質の良否を評価する。本実施形態において、評価手段104は、標準群について算出された各診療行為の実施率および平均出来高と、過剰群について算出された各診療行為の実施率および平均出来高と、を用いて、過剰な診療行為である可能性がある診療行為かを評価する。また、評価手段104は、標準群について算出された各診療行為の実施率および平均出来高と、過少診療群について算出された各診療行為の実施率および平均出来高と、を用いて、過少な診療行為である可能性がある診療行為かを評価する。
以下、図6および図7を参照し、過剰な診療行為である可能性がある診療行為および過少な診療行為である可能性がある診療行為の評価について説明する。
図6は、標準群および過剰群のそれぞれについて、診療行為ごとに算出手段100が算出した実施率および平均出来高の例を示す。図6の表の1行は、1つの診療行為に関する情報を表す。図6の表では、標準群および過剰群の各項目は、診療データ数、実施データ数、実施率(R)、平均出来高(A)、およびR×Aの下位項目を含む。診療データ数は、対応する診療データ群に含まれる診療データの数を表す。図6の表では、標準群および過剰群のいずれも、診療データ数は「100」である。実施データ数は、対応する診療データ群に含まれる診療データのうち、対応する行の診療行為を含む診療データの数を表す。実施率(R)は、対応する診療データ群における、対応する行の診療行為の実施率を表す。図6の表に示す実施率の値は、対応する診療データ群における、対応する行の実施データ数を診療データ数で除算してパーセント表示した値である。平均出来高(A)は、対応する診療データ群における、対応する行の診療行為の平均出来高を表す。平均出来高は、対応する診療データ群に含まれる診療データにおいて対応する行の診療行為の診療報酬点数の合計を、対応する行に示された診療データ数で除算した値である。R×Aは、対応する群の対応する行に示された実施率と平均出来高との積を表す。図6の表において、実施率、平均出来高、およびR×Aの値は、算出手段100により算出された値である。図6の表は、さらに、各診療行為について、過剰群のR×Aの値から標準群のR×Aの値を減算した値を示す(過剰(R×A)−標準(R×A))。この値も算出手段100が算出してよい。過剰群のR×Aから標準群のR×Aを減算した値(過剰群および標準群についての積の差)が大きい診療行為は、過剰群の診療データにおいて、標準群の診療データと比較してより多く実施された診療行為であると言える。したがって、評価手段104は、過剰群および適正群についての積の差が他の診療行為と比較して特に大きいと言える診療行為を、過剰な診療行為である可能性がある診療行為と評価する。例えば、各診療行為の過剰群および標準群についての積の差の平均および標準偏差を求め、平均値に標準偏差のm倍(mの値は、例えば、1.0〜2.0の範囲で予め設定しておく)を加算した値を超える積の差を有する診療行為を過剰である可能性がある診療行為と評価すればよい。例えば図6の例では、「注射B」および「検査C」が過剰な診療行為である可能性がある診療行為として評価される。
図7は、標準群および過少群のそれぞれについて、診療行為ごとに算出手段100が算出した実施率および平均出来高の例を示す。図7の表の各項目の意味は、図6の表と同様である。評価手段104は、標準群の実施率と平均出来高との積から過少群の実施率と平均出来高との積を減算した値(標準群および過少群についての積の差)が他の診療行為と比較して特に大きいと言える診療行為を、過少な診療行為である可能性がある診療行為と評価する。標準群および過少群についての積の差が大きい診療行為は、過少群の診療データにおいて、標準群の診療データと比較してあまり実施されていない診療行為であると言えるためである。過少群および標準群についての積の差が「他の診療行為と比較して特に大きい」診療行為の特定は、過剰な診療行為である可能性のある診療行為の評価について上述した例と同様に、積の差の平均値および標準偏差を用いて行えばよい。図7の例では、「検査E」および「画像検査F」が過少な診療行為である可能性がある診療行為として評価される。
図1の説明に戻り、出力手段106は、評価手段104による評価の結果を出力する処理を行う。例えば、評価手段104において過剰である可能性のある診療行為と評価された診療行為と、過少である可能性のある診療行為と評価された診療行為と、を表示部16に表示させる処理を行う。例えば、図6および図7を参照する上述の例のように、過剰である可能性のある診療行為として「注射B」および「検査C」が特定され、過少である可能性のある診療行為として「検査E」および「画像検査F」が特定された場合、出力手段106は、図8のような表を表示部16に表示させる。図8では、算出手段100、選別手段102、および評価手段104における処理対象の診療データの医療機関IDおよびDPCコードと共に、「過剰診療行為」として「注射B」および「検査C」を、「過少診療行為」として「画像検査F」および「検査E」を表す。なお、出力手段106による出力先は、表示部16に限られず、医療情報処理装置1に接続された他の情報処理装置に対して評価結果を出力してもよい。
再び図1を参照し、入力部14は、ユーザの入力を受け付けて医療情報処理部10に渡す。ユーザは、入力部14を用いて医療情報処理装置1に対する各種の指示を入力する。入力部14は、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置により実現される。
表示部16は、出力手段106により出力された医療情報処理部10の処理結果を表示する。表示部16は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示装置により実現される。
以下、医療情報処理装置1における処理の手順の例を説明する。図9は、医療情報処理装置1が行う処理の手順の例を示すフローチャートである。医療情報処理装置1は、例えば、入力部14を介してユーザから処理開始の指示を受け付けた場合に、図9の例の手順の処理を開始する。
まず、医療情報処理部10は、医療機関の医療情報システム等(図示しない)から出力された診療実績情報を読み込む(ステップS1)。例えば、インターネットまたはLAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、医療情報システム等が備えるデータベースから診療実績情報を取得すればよい。あるいは、例えば、CDまたはDVD等の可搬型記憶媒体に記録された診療実績情報を、その記憶媒体に応じた読取装置により読み取ってもよい。
医療情報処理部10は、ステップS1で取得した診療実績情報から、医療情報処理部10の各手段における処理に必要な情報を抽出し、記憶部12に診療データとして記憶させる(ステップS2)。記憶部12に記憶される診療データのテーブルは、図2および図3を参照して説明したとおりの表であってよい。
診療データを記憶部12に記憶させると、医療情報処理部10は、処理対象の診療データ群の選択を受け付ける(ステップS3)。例えば、入力部14を介して、診療データ群を指定するユーザの入力を受け付ける。診療データ群の指定は、例えば、DPCコードの14桁により行われる。また例えば、医療機関IDを指定する入力や、ある期間内の入院日または退院日を含む診療データ群を指定する入力を受け付けてもよい。あるいは、患者の年齢、性別、または入院時併存症の各項目の値によって診療データ群を指定してもよい。また、上述の各例を複数組み合わせて指定しても良い(例えば、「特定のDPCコード、特定の年齢、かつ特定の入院時併存症」など)。
次に、診療データを選別し、実施率および平均出来高を算出する処理が行われる(ステップS4)。図10に、ステップS4の詳細手順の例を示す。
図9のステップS4が開始されると、図10の手順の処理が開始され、算出手段100は、選択された診療データ群を記憶部12から読み出す(ステップS400)。つまり、図4のステップS3で指定された条件(DPCコード、入院日または退院日、患者の年齢、性別、入院時併存症などの条件)に該当するデータIDの診療データを記憶部12から読み出す。
読み出した診療データの中から1つ選択して注目データとする(ステップS402)。つまり、読み出した診療データのデータIDのうちの1つが選択され、選択されたデータIDの診療データが注目データとなる。
注目データを定めると、算出手段100は、注目データの包括報酬を算出する(ステップS404)。ステップS404では、図4を参照して上記で説明したとおり、注目データに含まれるDPCコードに応じて包括的な評価により定まる包括報酬が算出される。
また、算出手段100は、注目データの出来高報酬を算出する(ステップS406)。注目データの出来高報酬は、注目データに含まれる各診療行為の診療報酬点数(図3参照)の合計を求めることで算出される。
さらに、算出手段100は、ステップS404で求めた包括報酬とステップS406で求めた出来高報酬との間の差である包括出来高差を算出する(ステップS408)。本実施形態では、ステップS408で、包括報酬から出来高報酬を減算した値を包括出来高差とする。
ステップS408で算出された包括出来高差を用いて、選別手段102は、注目データを診療データ群(標準群、過剰群、または過少群)へ選別する(ステップS410)。ステップS410の選別は、注目データの包括出来高差の値に応じて、上述の[例1]〜[例3]のいずれかの規則に従って行えばよい。
ステップS410の後、ステップS400で読み出された処理対象の診療データのすべてについて処理済みであるか否かを判定する(ステップS412)。処理対象の診療データのすべてについて処理済みであれば(ステップS412でYes)、ステップS414に進む。未処理の診療データがあれば(ステップS412でNo)、ステップS402に戻って未処理の診療データのうちの1つを選択して新たな注目データとし、この注目データに対してステップS404以降の処理を行う。
なお、上述した図5の表は、ステップS402〜S412を含むループ処理を行った結果、各診療データについて決定される診療データ群の例を示す。
処理対象の診療データのすべてについて診療データ群への選別が終了すると(ステップS412でYes)、算出手段100は、診療データ中の診療行為を抽出する(ステップS414)。ステップS414では、例えば、読み出した診療データのそれぞれから診療行為(図3参照)を抽出し、抽出した診療行為のうち重複するものを削除すればよい。
また、算出手段100は、ステップS414で抽出された診療行為のうちの1つを選択して注目行為とする(ステップS416)。
次に、算出手段100は、標準群、過剰群、および過少群の各診療データ群について、注目行為の実施率を算出し、記憶部12に記憶させる(ステップS418)。例えば、標準群に含まれる診療データのうち注目行為を含む診療データの数を標準群に含まれる診療データの総数で除算した値を、標準群における注目行為の実施率とする。過剰群および過少群についても、同様に注目行為の実施率を算出する。
さらに、算出手段100は、標準群、過剰群、および過少群の各診療データ群について、注目行為の平均出来高を算出し、記憶部12に記憶させる(ステップS420)。例えば、標準群に含まれる診療データにおける注目行為の診療報酬点数の合計を求め、求めた合計を標準群に含まれる診療データの総数で除算した値を、標準群における注目行為の平均出来高とする。過剰群および過少群についても、同様に注目行為の平均出来高を算出する。
標準群、過剰群、および過少群の各診療データ群について、注目行為の実施率と平均出来高との積を算出し、記憶部12に記憶させる(ステップS422)。ステップS422で求められる積は、上述した図6および図7の表における「R×A」の値である。
算出手段100は、標準群についてステップS422で求めた積と、過剰群および過少群のそれぞれについてステップS422で求めた積と、の間の差を算出する(ステップS424)。本実施形態では、ステップS424で、過剰群について求めた積から標準群について求めた積を減算した値(過剰群および標準群についての積の差)と、標準群について求めた積から過少群について求めた積を減算した値(標準群および過少群についての積の差)と、を求める。図6および図7の表における「過剰(R×A)−標準(R×A)」および「標準(R×A)−過少(R×A)」の各項目の値は、ステップS424で算出される値の例である。
ステップS424の後、未処理の診療行為があれば(ステップS426でNo)、ステップS416に戻って未処理の診療行為のうちの1つを選択して注目行為とし、この注目行為に対してステップS418以降の処理を行う。
すべての診療行為について処理済であれば(ステップS426でYes)、図10の例の手順の処理を終了する。
再び図9を参照し、ステップS4(図10)の処理が終了すると、評価手段104は、ステップS4の処理の結果を用いて、各診療行為を評価する(ステップS5)。本実施形態では、評価手段104は、図10のステップS424で算出された、診療行為ごとの過剰群および標準群についての積の差を用いて、過剰な診療行為である可能性がある診療行為かを評価する。さらに、図10のステップS424で算出された、診療行為ごとの標準群および過少群についての積の差を用いて、過少な診療行為である可能性がある診療行為かを評価する。過剰(過少)な診療行為である可能性がある診療行為かを評価する処理の詳細の例は、図6および図7を参照して上述したとおりである。
ステップS5の後、出力手段106は、ステップS5の結果を表示部16に表示させる(ステップS6)。例えば、過剰(過少)な診療行為である可能性がある診療行為と評価された診療行為の情報を表示部16に表示させる。図8は、ステップS6で表示部16に表示される情報の一例である。ステップS6の後、図9の手順の処理は終了する。
以下、第1実施形態の変形例を説明する。上述の第1実施形態の処理では、診療行為ごとの過剰群および標準群についての積の差(診療行為ごとの標準群および過少群についての積の差)が他の診療行為と比較して特に大きいと言える診療行為を過剰(過少)である可能性がある診療行為と評価する。一変形例では、診療行為ごとの過剰群および標準群についての積の差(診療行為ごとの標準群および過少群についての積の差)が予め設定された閾値よりも大きい診療行為を過剰(過少)である可能性がある診療行為と評価してもよい。あるいは、診療行為ごとの過剰群および標準群についての積の差(診療行為ごとの標準群および過少群についての積の差)が大きい順に診療行為を順位付けし、上位k%内あるいは上位l位以内(k,lは予め設定しておく。例えば、k=5.0,l=3など)の診療行為を過剰(過少)である可能性がある診療行為と評価してもよい。
さらに他の変形例では、実施率だけを用いて診療行為を評価してもよい。この場合、例えば、過剰群における実施率が標準群における実施率と比較して予め設定された閾値以上大きい診療行為を、過剰である可能性がある診療行為と評価し、標準群における実施率が過少群における実施率と比較して予め設定された閾値以上大きい診療行為を、過少である可能性がある診療行為と評価すればよい。あるいは、例えば、処理対象の診療行為について、過剰群における実施率と標準群における実施率との間の差分の平均および標準偏差と、標準群における実施率と過少群における実施率との間の差分の平均および標準偏差と、を求め、この差分と標準偏差を用いて、この差分が他の診療行為と比較して特に大きいと言える診療行為を過剰(過少)診療行為と評価してもよい。また例えば、この差分が大きい順に診療行為を順位付けし、上位k%以内あるいは上位l位以内(k,lは予め設定しておく。例えば、k=5.0,l=3など)の診療行為を過剰(過少)である可能性がある診療行為と評価してもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態において、医療情報処理装置1の構成は、図1に示す第1実施形態の例と同様である。以下では、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態では、評価手段104において、過剰である可能性のある診療行為および過少である可能性のある診療行為かを評価する代わりに、各診療行為を、診療データ群ごとに求められた実施率および平均出来高の値の組合せに応じた評価区分に分類する。評価区分は、診療行為の良否の質を表すものである。これらの値の組合せと評価区分との対応づけは、予め決定されて記憶部12に記憶される。
図11に、診療データ群ごとに求められた実施率および平均出来高の値の組合せと当該組合せに応じた評価区分との例を示す。図11の表の1行は、1つの評価区分の情報を表す。図11において、過少群、標準群、および過剰群のそれぞれの実施率および平均出来高に対応する欄には、文字「H」、「L」、または「*」が示される。文字「H」は、対応する値が比較的大きいことを表し、「L」は、対応する値が比較的小さいことを表す。「*」は、当該値が評価区分への分類において考慮されないことを表す。例えば、図11の行l1は、過少群の実施率が「H」、標準群の実施率が「H」、および過剰群の実施率が「H」である診療行為を、各診療データ群における平均出来高の値に関係なく、評価区分「必要不可欠な行為」に分類することが表される。この評価区分には、過少群、標準群、および過剰群のすべての診療データ群において、実施率が高い診療行為が分類される。よって、この評価区分に分類される診療行為は「必要不可欠な行為」であると考えられる。また例えば、行l2は、すべての診療データ群において実施率が高く、かつ過剰群のみにおいて平均出来高が大きい診療行為を評価区分「必要な診療行為だが、過剰群は内容が過剰」に分類することを表す。行l3は、すべての診療データ群において実施率が高く、かつ過少群のみにおいて平均出来高が小さい診療行為を評価区分「必要な診療行為だが、過少群は内容が過少」に分類することを表す。行l4は、過少群のみで実施率が小さい診療行為を評価区分「過少群で必要な診療が行われていない」に分類することを表し、行l5は、過剰群のみで実施率が高い診療行為を評価区分「過剰群で不必要な診療が行われている」に分類することを表す。行l6は、すべての診療データ群において実施率が低い診療行為を評価区分「不必要な診療行為」に分類することを表す。また、行l7は、過剰群においてのみ実施率が低い診療行為を、評価区分「この診療行為を行わないことで患者状態が悪化した可能性」に分類することを表す。過剰群の診療データは、包括報酬よりも出来高報酬の方が大きいものである。よって、過少群および標準群で実施率が高いにもかかわらず過剰群で実施率が低い診療行為について、当該診療行為を行わないことが出来高報酬を上げる要因となった可能性があると言える。また、行l8は、過少群においてのみ実施率が高い診療行為を、評価区分「この診療行為を行うことで患者状態が良化した可能性」に分類することを表す。過少群の診療データは、包括報酬よりも出来高報酬の方が小さいものである。よって、標準群および過剰群で実施率が低いにもかかわらず過少群で実施率が高い診療行為について、当該診療行為を行うことが出来高報酬を下げる要因となった可能性があると言える。
なお、評価手段104は、各診療行為の各診療データ群における実施率および平均出来高の値が「H」(または「L」)に該当するか否かを、例えば、実施率および平均出来高のそれぞれについて予め設定された閾値を超えるか否かによって判定する。あるいは、例えば、処理対象の診療行為についての各診療データ群における実施率および平均出来高の値の組合せにおいて、他の値との比較に応じて「H」および「L」のいずれに該当するかを判定してもよい。例えば、過少群の実施率、標準群の実施率、および過剰群の実施率について、ある診療データ群の実施率に対する他の2つの診療データ群の実施率の比を求め、これらの比を用いて、3つの診療データ群の実施率が同水準である(比の値がいずれも1.0前後)こと、ある1つの診療データ群の実施率が他の2つの診療データ群と比較して高い(比の値がいずれも所定の閾値θH(>1.0)以上)こと、または、ある1つの診療データ群の実施率が他の2つの診療データ群と比較して低い(比の値がいずれも所定の閾値θL(<1.0)以下)ことを判定する。この判定の結果により、例えば、各診療データ群の実施率のうち、いずれか1つのみが「L(またはH)」であることを判定できる。平均出来高についても同様である。
第2実施形態においても、医療情報処理装置1が行う処理は、図9および図10に例示するフローチャートに従って行われる。ただし、図9のステップS5において、過剰および過少である可能性がある診療行為を特定する代わりに、第2実施形態の評価手段104は、各診療行為を図11に例示するような評価区分に分類する。
図12は、図9のステップS6において出力手段106が表示部16に表示させる結果の例である。図12では、図11の評価区分ごとに予め設定されて記憶部12に記憶されたメッセージと共に、当該評価区分に分類された診療行為の名称を示す。図12の表において、行m1,m2,m3,m4,m5は、それぞれ、図11の行l5,l4,l3,l2,l8の評価区分に対応する。
図9のステップS6の表示処理では、各診療行為が分類された評価区分のすべてについて表示させる代わりに、ユーザが入力部14を介して指定した評価区分についてのみ、当該評価区分とこれに分類された診療行為とを表示させてもよい。
なお、評価区分は、各診療データ群における実施率のみの値の組合せに応じて定義してもよい。例えば図11の表において各診療データ群の平均出来高を考慮しない評価区分(行l1,l4〜l8)だけを用いて各診療行為を評価してもよい。
以上で説明した第1実施形態および第2実施形態において、各処理を医療機関IDごとに行い、医療機関ごとに求めた結果(特定した過剰(過少)診療行為あるいは評価区分への分類結果)を表示させてもよい。これにより、異なる医療機関の間の比較を行うことができる。
また、以上で説明した第1実施形態および第2実施形態の評価手段104の処理の両方を行ってもよい。例えば、第1実施形態の処理により特定された過剰診療行為および過少診療行為に対して、第2実施形態のように評価区分に分類する処理を行うことが考えられる。
また、以上で説明した第1実施形態および第2実施形態では、包括報酬および出来高報酬を報酬点数で表すが、報酬点数を10倍して金額(円単位)で表してもよい。
なお、以上で説明した各実施形態および変形例の医療情報処理装置1は、1台のコンピュータにより実現してもよいし、各部または各手段の機能を互いに接続された複数のコンピュータに分散させて実現してもよい。
1 医療情報処理装置、10 医療情報処理部、12 記憶部、14 入力部、16 表示部、100 算出手段、102 選別手段、104 評価手段、106 出力手段。

Claims (6)

  1. 患者に対して行われた診療行為と各診療行為の診療報酬点数とを、1患者の1回の入院を単位とした診療レコードとして記憶した診療データベースを参照し、包括評価で算出された包括報酬額から出来高評価で算出された出来高報酬額を減算した値が、前記診療レコードの診療内容を標準的であると判断できる程度の範囲に予め設定された値の範囲内である診療レコードのグループである第1群、前記減算した値が負であり、かつ前記第1群に含まれない診療レコードのグループである第2群、および前記減算した値が正であり、かつ前記第1群に含まれない診療レコードのグループである第3群のそれぞれについて、診療行為ごとに、当該診療行為が行われた診療レコード数の割合である実施率を算出する算出手段と、
    診療行為ごとに算出された、前記第1群、前記第2群、および前記第3群それぞれにおける前記実施率を用いて、各診療行為の質の良否を評価する評価手段と、
    前記評価の結果を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする医療情報処理装置。
  2. 請求項1に記載の医療情報処理装置において、
    前記評価手段は、
    診療行為ごとに算出された前記第1群における前記実施率および前記第2群における前記実施率を用いて、当該第2群の実施率の方が高い診療行為を過剰な診療行為である可能性がある診療行為と評価し、
    診療行為ごとに算出された前記第1群における前記実施率および前記第3群における前記実施率を用いて、当該第1群の実施率の方が高い診療行為を過少な診療行為である可能性がある診療行為と評価する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  3. 請求項1に記載の医療情報処理装置において、
    前記算出手段は、さらに、前記第1群、前記第2群、および前記第3群のそれぞれについて、診療行為ごとに、1患者の1回の入院当たりの出来高報酬額である平均出来高を算出し、
    前記評価手段は、
    診療行為ごとに算出された前記第1群における前記実施率および前記平均出来高と前記第2群における前記実施率および前記平均出来高とを用いて、当該第2群の実施率と平均出来高との積が当該第1群の実施率と平均出来高との積よりも大きい診療行為を過剰な診療行為である可能性がある診療行為と評価し、
    診療行為ごとに算出された前記第1群における前記実施率および前記平均出来高と前記第3群における前記実施率および前記平均出来高とを用いて、当該第1群の実施率と平均出来高との積が当該第3群の実施率と平均出来高との積よりも大きい診療行為を過少な診療行為である可能性がある診療行為と評価する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  4. 請求項1に記載の医療情報処理装置において、
    前記評価手段は、診療行為ごとに算出された、前記第1群、前記第2群、および前記第3群それぞれにおける前記実施率の値の組合せに応じた、診療行為の質の良否を評価する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  5. 請求項4に記載の医療情報処理装置において
    前記算出手段は、さらに、前記第1群、前記第2群、および前記第3群のそれぞれについて、診療行為ごとに、1患者の1回の入院当たりの出来高報酬額である平均出来高を算出し、
    前記評価手段は、診療行為ごとに算出された、前記第1群、前記第2群、および前記第3群それぞれにおける前記実施率および前記平均出来高の値の組合せに応じた、診療行為の質の良否を評価する、
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  6. コンピュータに、
    患者に対して行われた診療行為と各診療行為の診療報酬点数とを、1患者の1回の入院を単位とした診療レコードとして記憶した診療データベースを参照し、包括評価で算出された包括報酬額から出来高評価で算出された出来高報酬額を減算した値が、前記診療レコードの診療内容を標準的であると判断できる程度の範囲に予め設定された値の範囲内である診療レコードのグループである第1群、前記減算した値が負であり、かつ前記第1群に含まれない診療レコードのグループである第2群、および前記減算した値が正であり、かつ前記第1群に含まれない診療レコードのグループである第3群のそれぞれについて、診療行為ごとに当該診療行為が行われた診療レコード数の割合である実施率を算出するステップと、
    診療行為ごとに算出された、前記第1群、前記第2群、および前記第3群それぞれにおける前記実施率を用いて、各診療行為を評価するステップと、
    前記評価の結果を出力するステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
JP2010079202A 2010-03-30 2010-03-30 医療情報処理装置およびプログラム Expired - Fee Related JP5425686B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010079202A JP5425686B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 医療情報処理装置およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010079202A JP5425686B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 医療情報処理装置およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011210142A JP2011210142A (ja) 2011-10-20
JP5425686B2 true JP5425686B2 (ja) 2014-02-26

Family

ID=44941102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010079202A Expired - Fee Related JP5425686B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 医療情報処理装置およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5425686B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5769595B2 (ja) * 2011-11-17 2015-08-26 セコム株式会社 診療評価装置および診療評価プログラム
US20170024784A1 (en) * 2013-11-29 2017-01-26 Hitachi, Ltd. Computer System and Cost Calculating Method
WO2015162716A1 (ja) * 2014-04-23 2015-10-29 株式会社日立製作所 業務支援システム、業務支援方法及び業務支援プログラム

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4250285B2 (ja) * 1999-12-16 2009-04-08 株式会社エム・エイチ・アイ 疾病別診療報酬明細書分析システム
JP2002149817A (ja) * 2000-11-10 2002-05-24 Tokyo Ais:Kk 診療データ判定システム及び診療データ判定用プログラムがコンピュータで読取可能に記録された情報記録媒体
JP2003108662A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Nippon Keiei:Kk 診療報酬評価システム、診療報酬評価プログラム
JP2006018532A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Toshiba Corp 病院経営情報分析システム、病院経営情報分析方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータプログラム
JP4488833B2 (ja) * 2004-07-13 2010-06-23 ニッセイ情報テクノロジー株式会社 診療情報分析システム
JP4796381B2 (ja) * 2005-12-01 2011-10-19 シスメックス株式会社 収支管理システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011210142A (ja) 2011-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Garrido et al. Effect of electronic health records in ambulatory care: retrospective, serial, cross sectional study
Bergmo How to measure costs and benefits of eHealth interventions: an overview of methods and frameworks
McLeod et al. Health care provider surveys in the United States, 2000–2010: a review
Donnolley et al. The development of a classification system for maternity models of care
Buckman et al. Socioeconomic indicators of treatment prognosis for adults with depression: a systematic review and individual patient data meta-analysis
Stiglic et al. Challenges associated with missing data in electronic health records: a case study of a risk prediction model for diabetes using data from Slovenian primary care
JP5505134B2 (ja) プログラムおよび診療支援装置
JP2007034700A (ja) 予測プログラムおよび予測装置
De Donno et al. Dental age estimation: Demirjian’s versus the other methods in different populations. A literature review
Elm et al. Screen failure data in clinical trials: Are screening logs worth it?
Tanuseputro Delivering care to those in need: improving palliative care using linked data
Zhang et al. Reporting quality of discrete event simulations in healthcare—results from a generic reporting checklist
JP5425686B2 (ja) 医療情報処理装置およびプログラム
Seffens et al. Machine learning data imputation and classification in a multicohort hypertension clinical study
CA3194432A1 (en) Medical fraud, waste, and abuse analytics systems and methods
Mantsiou et al. A simple guide to systematic reviews and meta-analyses
JP5361683B2 (ja) 医療情報処理装置およびプログラム
US20230055277A1 (en) Medical fraud, waste, and abuse analytics systems and methods using sensitivity analysis
JP5514607B2 (ja) 医療情報処理装置およびプログラム
Grabowska et al. Developing and evaluating pediatric phecodes (Peds-Phecodes) for high-throughput phenotyping using electronic health records
JP5473564B2 (ja) 医療情報処理装置およびプログラム
US20100250282A1 (en) Custom order sets
Lin et al. Development and validation of a quality indicator system for outpatient service in Shenzhen, China
Spatz et al. Association of Population Well-Being With Cardiovascular Outcomes
Chen et al. Prediction of response to thrombolysis in acute stroke using neural network analysis of CT perfusion imaging

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5425686

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees