JP4796381B2 - 収支管理システム - Google Patents

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Description

本発明は収支管理システムに関する。さらに詳しくは、検査部門を有する病院や検査センター等の医療機関の収支を管理する収支管理システムに関する。
従来より、病院を始めとする医療機関において、財務会計の一環として病院単位での損益計算が行われたり、管理会計の一環として診療科別又は部門別の原価計算が行われたりしている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、病院等の医療機関における原価計算手法が開示されており、この原価計算手法は、疾患別・医師別・患者別の少なくとも1つを指標として詳細な収入、費用(原価)及び収支を算出し、医療機関全体としての収支状況を把握することができる情報を提供するものである。
特開2004−213236号公報
しかしながら、病院の検査部門や検査センター等では、疾患、医師及び患者は、通常複数の臨床検査(血液検査、免疫検査、生化学検査、尿便検査等)に関わっているため、前述したような疾患別・医師別・患者別を指標として詳細な収支の内訳を算出することは、検査を中心に運営されている前記検査部門や検査センター等の収支管理システムとして適切であるとはいえない。
また、近年、国民医療費の増大を抑制するため、複数の検査項目を実施した場合に、各検査項目の保険点数を積み上げる方式に代えて、いわゆる包括化が拡大されつつある。この包括制度では、患者から1回に採取した検体を用いて特定の複数項目における検査を行った場合、検査種毎に、検査項目数に応じて複数のランクを設定し(例えば、生化学的検査Iの場合、検査数が5〜7のランク、8〜9のランク、及び10以上のランク)、同一ランク内の保険点数を同じにするというものである。このため、実施した検査項目の診療保険点数と受付数とから、又は診療保険点数と受付数及び再検査数の合計とから単純に診療報酬を算出することはできない。また、複数の検査項目を実施するに際し、あるランク内において実施する検査項目を少なくすれば(例えば、ランク内の最低数の検査項目だけを実施する)、医療機関の利益率は高くなるが、医療の質と安全の観点からは好ましくない場合もある。これとは逆に、検査項目を増大させたとしても、同一ランク内では請求可能な保険点数が同じであることから、経費が嵩むこととなる。このため、医療の質と安全及び医療機関の効率的なマネジメントを両立させるために、臨床検査に関する収支の適切な管理を行うことが要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、検査部門を有する病院や検査センター等の医療機関において、臨床検査に関する収支の適切な管理を可能にする収支管理システムを提供することを目的としており、より具体的には各検査項目の診療保険点数の集計結果と実際の保険点数との差異に基づき、各検査項目の点数を補正可能な収支管理システムを提供することを目的としている。
本発明の収支管理システムは、検査臨床部門を有する医療機関の収支を管理する収支管理システムであって、
検査項目毎の受付数と、複数の検査項目からなる検査種毎のレセプト点数とを入力するための入力手段と、
検査項目毎の診療保険点数が予め記憶されており、前記入力手段により入力された情報を記憶するための記憶手段と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、検査項目毎に診療保険点数と受付数との積である点数計を算出し、複数の検査項目からなる検査種毎に点数計の総和である集計点数を算出し、検査種毎に集計点数とレセプト点数との差である差異値を算出し、検査種毎に算出された差異値を集計点数および点数計に基づき検査項目毎に案分し、案分された差異値に基づき検査項目毎に点数計を補正することを特徴としている(請求項1)。
また、検査臨床部門を有する医療機関の収支を管理する収支管理システムであって、
検査項目毎の受付数と、検査項目毎の再検査数と、複数の検査項目からなる検査種毎のレセプト点数とを入力するための入力手段と、
検査項目毎の診療保険点数が予め記憶されており、前記入力手段により入力された情報を記憶するための記憶手段と、
制御手段と、を備え、
前記制御手段は、検査項目毎に診療保険点数と受付数および再検査数の和との積である点数計を算出し、複数の検査項目からなる検査種毎に点数計の総和である集計点数を算出し、検査種毎に集計点数とレセプト点数との差である差異値を算出し、検査種毎に算出された差異値を集計点数および点数計に基づき検査項目毎に案分し、案分された差異値に基づき検査項目毎に点数計を補正することを特徴としている(請求項2)。
病院の検査部門や医療センターにおいては、当該検査部門等で実施した検査項目と受付数及び再検査数を把握するのは容易であることから、これらを用いて収支を管理することができると便利である。その一方において、検査項目の診療保険点数と受付数との積、又は検査項目の診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積で単純に収入を算出すると、診療報酬の包括評価部分や再検査(減額要因)、及び医師等による検査の判断料・実施料(増額要因)が原因となって、前記算出結果と実際の収入である保険点数請求(レセプト請求)との間に差異が生じる。したがって、この差異を、検査項目別に、集計点数および点数計(診療保険点数と受付数との積)に基づいて(請求項1)、又は集計点数および点数計(診療保険点数と受付数および再検査数の和との積)に基づいて(請求項2)案分することにより、検査というサービスに即した収入の管理を適切に行うことができる。
前記制御手段が、自動分析装置による検査のみに掛かる原価を、当該自動分析装置が検査する検査項目毎に案分するように構成することができる。臨床検査では、血球計数装置、血液凝固測定装置、免疫測定装置、尿検査装置等の自動分析装置が使用されることが多いが、このように検査項目毎に原価を案分することにより、自動分析装置の検査項目毎に適切に原価を管理することができる。
前記制御手段が、検体毎に対応付けられる原価を、当該検体を用いて行われる検査項目毎に案分するように構成することができる。臨床検査の検査項目は、自動分析装置による検査項目と、医師や検査技師が手作業で行う検査項目とに大別される。したがって、例えば血液検体は、自動分析装置による血液検査も行われるし、また手作業による血液検査も行われる。さらに、血液検体は、血球計数検査、血液凝固検査、免疫検査等の複数の検査種、すなわち複数の検査項目の検査対象ともなる。したがって、検体(血液検体、尿検体、便検体)に係る原価は、その検体に係る検査項目について案分することにより、適切に原価を管理することができる。
前記制御手段が、前記原価を、関連する検査項目の診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積で案分するように構成することができる。原価を、前記積で案分することにより、原価の管理を適切に行うことができる。
本発明の収支管理システムによれば、検査部門を有する病院や検査センター等の医療機関において、臨床検査に関する収支の適切な管理を行うことができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の収支管理システムの実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、病院の検査部門や検査センター等の医療機関で行われる種々の検査について検査項目毎に収支の管理を行っている。そのために、各検査項目には、小分類として、例えば検査項目名と診療保険点数が登録されており、臨床検査システムと接続すると、受付日と受付数が自動的に登録される。
また、中分類として、検査に用いられる自動分析装置名と直接手作業の区分が登録されている。さらに、大分類として、検査種別名と検体名が登録されている。これにより、所定期間、例えば1ヵ月の間に受け付けられた検査数や再検査数を抽出したり、又は所望の自動分析装置や検体に関連する検査項目を抽出したりすることができる。なお、前記項目以外に、例えば患者IDと主病名を登録しておいてもよく、これにより疾病別の管理も可能になる。
以下、大きく収入(収益)の管理と、支出(費用)の管理とに分けて本実施の形態に係る収支管理システムを説明する。
[収入(収益)の管理]
図2は病院の検査部門や検査センターにおける収入を検査項目別に算出する処理の一例を示すフローチャートである。病院の検査部門や検査センターにおける収入源は、保険点数請求値ないしは保険請求額であるが、各検査種に対する保険点数請求値(レセプト請求値)は、前述したように、当該検査種を構成する検査項目のそれぞれの診療保険点数に受付数及び再検査数の合計を乗じた値の総和とは異なっている。
具体的にいえば、検体検査については、実施した検査に係る検体検査実施料及び当該検査が属する区分に係る検体検査判断料を合算した点数を算定する。そして、検体検査の種類及び回数にかかわらず、月1回に限り初回検査の実施日に算定する。この場合、前記診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積以外に、判断料・実施料を請求することができる。一方、包括制度により診療報酬を包括請求する場合、同一の請求ランク内において検査項目を増やしても、増加に応じて費用請求することができず、その分減額されたのと同じことになる。また、通常範囲を超える検査結果が出た場合に、それが自動分析装置の故障によるエラー値であるか否かの確認をする等の理由により再検査が必要になった場合も費用請求することができないので、その分減額されたのと同じことになる。
すなわち、診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積の総和と、保険点数請求値との間には、差異が存在し、その差異額は、
差異額=判断料・実施料−包括による減額−再検査による減額
により算出することができる。診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積の総和を基準にすると、各要因のうち「判断料・実施料」は増額要因であり、包括による減額及び再検査による減額は減額要因である。
本実施の形態では、かかる差異額を検査項目別に案分し、各検査項目の点数を補正している。なお、以下に述べる演算等の各種処理は、マウスやキーボード等の入力手段1、RAMやROM等の記憶手段2、CPU等の制御・演算手段3、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示手段4、及びプリンタ等の出力手段5を備えたシステムS(図1参照)を用いて行うことができる。また、前記記億手段2には、予め検査項目毎に診療保険点数、当該検査項目が属する検査種名、直接手作業によるものか否か、使用自動分析装置名、使用検体名等の情報が記憶されている。
まず、各検査項目について、その受付数が入力される(ステップS10)。ついで、同様にして再検査の数が入力手段により入力される(ステップS11)。
つぎに、検査項目毎に当該検査項目の診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積が算出され、この積は当該検査項目が属する検査種別に集計される(ステップS12)。
ついで、検査種毎に実際の保険点数(レセプト点数)が入力手段により入力され(ステップS13)、その後、検査種別に、入力された保険点数とステップS12で集計された点数との差異値が算出される(ステップS14)。図3は、このようにして算出された検査種毎の差異値を、当該検査種を構成する検査項目に案分する手法を説明する図であり、分かり易くするために検査種及び検査項目の双方について、一部だけを例示している。図3の上半分の表は、検査種別にステップS12で算出された集計点数、ステップS13で入力されたレセプト点数、及びステップS14で算出された差異値を示している。この差異値は、レセプト点数から集計点数を引き算することで求められる。
つぎに、ステップS14で算出された差異値を、検査種を構成する検査項目に案分する(ステップS15)。この案分は、各検査項目の診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積で行われる。具体的には、生化学の差異値「−135,691」を案分する場合、この生化学の集計点数は3,456,789であることから、例えば検査項目Abcの差異値案分は、点数計(診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積)である3,024を生化学の集計点数である3,456,789で割った値に前記生化学の差異値「−135,691」を掛けることで求めることができる(図3の下半分の表参照)。
検査項目Abcの差異値=(3,024÷3,456,789)×(−135,691)=−118.7
そして、各検査項目について、点数計にステップS15で算出した差異値案分を加えることで、当該検査項目の点数を補正することができる(ステップS16)。補正後点数の合計は、当該検査種のレセプト点数に等しくなる。これにより、各検査項目の点数(補正後点数)の総和と実際の保険請求額が一致するだけでなく、単に検査項目の受付数や結果報告数で案分する場合に比べて、検査に際し現実に投入されたサービスの量及び質に対応した、収入の管理を適切に行うことができる。
なお、以上の説明において、差異値の算出(取得)、差異値の案分及び検査項目の点数補正は、いずれもCPU等からなる演算手段により行うことができる。
また、再検査が必要になる割合は検査項目間であまり差がないことから、前記受付数及び再検査数の合計に代えて、受付数を診療保険点数に乗じてもよい。このことは、以下の支出の管理における材料費等の案分においても同様である。
[支出(費用)の管理]
病院の検査部門や検査センターで発生する費用は、大きく材料費、労務費及び経費(外注委託費、償却費、その他一般経費)に分類することができる。そして、本実施の形態では、各費用について、できるだけ検査項目別に振り分ける処理が行われる。
[材料費]
材料費は、各検査項目に対応付けることができる、すなわち特定の検査項目においてのみ使用される各種試薬や検査紙のような直接材料費と、複数の検査項目において使用される洗浄液、希釈液及び各種フィルターのような間接材料費とに分類することができる。また、直接検査において使用されるものではないが、検体を採取する際に使用される採血管やハルンカップ等の消耗品も間接材料費に区分けされる。
前記直接材料費は、特定の検査項目に振り分けることができるが、間接材料費は、関連する検査項目に案分する必要がある。この案分に際し、処理を簡略化するとともに、検査項目との関連性を高めるために、例えば前記間接材料費を、自動分析装置と密接に関連する洗浄液、希釈液、フィルター、ピアサ(吸引管)等の1群と、検体と密接に関連する採血管、注射針、採血管ラベル、ハルンカップ等の2群とに分類することができる。
そして、1群については、まず第1段階として、自動分析装置毎にそれぞれが関連する間接材料費を振り分け、ついで第2段階として、この振り分けられた間接材料費を各自動分析装置が受け持つ検査項目の前記積(診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積)で案分する(以下、このように自動分析装置毎に振り分けられた費用を、各自動分析装置が受け持つ検査項目に案分する手法を「ME案分法」ともいう)。臨床検査では、血球計数装置、血液凝固測定装置、免疫測定装置、尿検査装置等の自動分析装置が使用されることが多いが、特定の自動分析装置による検査のみに掛かる間接材料費を、当該自動分析装置が検査する検査項目毎に案分するように構成することにより、自動分析装置の検査項目毎に適切に原価を管理することができる。
一方、2群については、まず第1段階として、尿、糞便、血液、細菌、細胞、痰等の検体別に間接材料費を振り分け、ついで第2段階として、この振り分けられた間接材料費を各検体が関連するすべての検査項目の前記積(診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積)で案分する(以下、このように検体毎に振り分けられた費用を、各検体に関連する検査項目に案分する手法を「検体案分法」ともいう)。前述した血液や尿等の検体は複数の検査項目の対象となる。例えば、血液検体は、生化学的検査、血球計数検査、血液凝固検査、免疫検査等の複数の検査種、すなわち複数の検査項目の検査対象ともなる。したがって、検体(血液検体、尿検体、便検体)に係る間接材料費は、その検体に係る検査項目について案分することにより、適切に原価を管理することができる。
図4は、材料費を検査項目別に算出する処理の一例を示すフローチャートであり、図5は、材料費の案分手法を説明する図である。なお、図5においても、分かり易くするために、試薬や検査等の一部だけを例示している。また、システムの記憶手段には、検査項目毎に使用自動分析装置名、使用試薬名、試薬単価、ME案分法に係る消耗品名、この消耗品単価、検体案分法に係る消耗品名、この消耗品単価等の情報が記憶されている。
各材料は、名称、期首棚卸、当月仕入、期末棚卸、当月使用量、単価及び消費額の項目を有しており、期首棚卸高を入力し(ステップS20)、当月仕入高を入力し(ステップS21)、ついで期末棚卸高を入力する(ステップS22)と、当月使用量は、期首棚卸高と当月仕入高の和から期末棚卸高を引くことで求めることができる(ステップS23)。つぎに、得られた当月使用量に各材料の単価を掛けることで、当該材料の消費額が算出される(ステップS24)。
得られた材料の消費額は各検査項目に振り分けられるが、材料費のうち直接材料費は、算出された消費額をそのまま該当する検査項目の費用とする。図5の右上には、試薬等が複数の検査に用いられる場合に、当該試薬等が消費される検査の割合が表示されている。この割合は、予めシステムの記憶手段に登録されている。試薬Rは、すべて検査Tで消費されるので、検査Tにおける直接材料費である。同様に、スピッツも尿検査における直接材料費である。
一方、試薬Rや採血管は複数の検査で消費されるので、各検査項目にその消費割合に応じて案分される。例えば、試薬Rは検査項目Tに80%、検査項目Tに20%の割合で消費されるので、当該試薬Rの消費額f2は、その80%が検査項目Tに、20%が検査項目Tに案分される。このようにして、材料消費額が各検査項目に案分される(ステップS25)。そして、各検査項目について関連する試薬等の材料費を加算することで、当該検査項目の材料費を得ることができる。
なお、以上の材料費の案分例は、試薬や希釈液等がいずれの検査項目でどの程度消費されているのかという情報が予め明らかであるか、又はある程度正確に定め得る場合に採用することができるが、現実の検査部門や検査センターでは多種多様の検査が行われ、多数の試薬や洗浄液等が多数の検査項目と関連して使用されていることから、すべての間接材料に対して図4の右上に示されるような案分表を作成することは、困難である。
そこで、前述したように、検査項目に直接案分することが困難な間接材料費については、これを1群と2群とに分類し、1群については、前記「ME案分法」で案分し、一方、2群については、前記「検体案分法」で案分することができる。
なお、以上の説明において、複数の検査項目に関連する材料費の算出や、この算出された材料費の案分は、いずれもCPU等からなる演算手段により行うことができる。
[労務費(人件費)]
図6は、労務費を検査項目別に算出する処理の一例を示すフローチャートであり、図7は、労務費の案分手法を説明する図である。なお、図7においても、分かり易くするために、検査部門のスタッフや検査の一部だけを例示している。システムの記憶手段には、予め検査技師等のスタッフの個人別賞与月額、退職金積立月額及び法定福利費が記憶されている。
労務費を検査項目に案分するには、まず、給料が入力され(ステップS30)、ついで福利厚生費が入力される(ステップS31)。つぎに、100%手作業による検査項目の労務費を算出するために当該手作業の時間及び検査項目名を得たり、打ち合わせ等の直接検査とは結びつかない作業時間を得たりするために、タイムカードの勤務情報が入力される(ステップS32)。こうして、図7に示されるように、個人別の人件費が集計されるとともに、個人別の作業時間の内訳が得られる。なお、看護士による検体採取や医師による診断穿刺等、検査部門以外のスタッフが検査に関与する場合があるが、このような検査部門以外のスタッフの労務費の一部を当該検査部門の間接費として集計する(図7において、「検査部外」で表示)。
検査部門のスタッフの業務としては、検体の採取振分けや自動分析装置のメンテナンス等、直接的に検査に関連する直接業務と、部門内の打ち合わせ、研修、管理業務及び他部門との連絡といった間接業務とがあるが、直接業務については、スタッフの人件費のうち当該直接業務に費やした分を検査項目別に案分し、間接業務については、当該間接業務に費やした分を検査部門の間接費として集計する。直接業務と間接業務の振分けは、図7に示されるように、スタッフの作業時間を基準として振り分けることができる。図7に示される例において、例えばスタッフA.Sは、尿検査、便潜血、検査T及び検査Tにそれぞれ10%、20%、30%及び10%の作業時間を費やし、また間接業務に30%の作業時間を費やしている。そして、各検査項目について、スタッフが費やした作業時間、すなわち人件費を集計することで、当該検査項目の労務費を算出することができる。
ところで、検査部門のスタッフの作業時間を検査項目毎に容易に振り分けることができる場合は、図7に示される例にしたがって各検査項目に対応する労務費を算出することができるが、現実には、検査部門のスタッフは作業時間の多くの部分を検体の採取振分けと自動分析装置の操作やメンテナンスに割いており、図7の例のように直接各検査項目に振り分けることができない時間が多い。そこで、スタッフの作業時間のうち、自動分析装置の操作やメンテナンスに費やした部分については、自動分析装置別に作業時間(人件費)を振り分け、ついで各自動分析装置に振り分けられた人件費について、前述したME案分法で検査項目別に案分する(ステップS33)。また、検体の採取振分けに費やした部分については、検体別の作業時間(人件費)を振り分け、ついで各検体に振り分けられた人件費について、前述した検体案分法で検査項目別に案分する(ステップS34)。このように、一旦、人件費を自動分析装置又は検体別に振り分けることにより、直接検査項目に振り分ける場合(通常、検査室における検査項目は数百項目に及ぶ)に比べて、人件費の検査項目別配賦を、より正確にかつ容易に行うことができる。
また、スタッフの間接業務に係る費用及び検査部門以外のスタッフの人件費の一部を間接人件費として集計する(ステップS35)。
[経費]
検査部門の経費は、外注委託費、償却費、その他一般経費に分類することができ、このうち外注委託費は、各検査項目と直接に対応付けることができるものであり、全額当該検査項目の直接費用として取り扱われる。
また、修繕費、事務用品費、通信費、水道光熱費、衛生費、研修費、雑費等の一般経費は、検査項目別の振り分けが現実的に困難であることから、全額間接費とするのが好ましい。
図8は、償却費を検査項目別に算出する処理の一例を示すフローチャートであり、図9は、償却費の費用振り分けを説明する図である。償却費については、図8に示されるように、検査室の建物部分、空調設備、電気設備及びLIS(Laboratory Information System。臨床検査情報システム)のようにすべての検査項目に関係する償却費は間接償却費とし、固定費として扱うのが妥当である。また、自動分析装置のうち、単独の検査項目の結果を出すのに用いられるもの(図8の例では、自動分析装置A)は、当該検査項目に振り分ければよい。一方、複数の検査項目に関連する自動分析装置については、前述したME案分法により検査項目別に振り分けることができる(ステップS40)。
また、図8の例における自動分析装置Aや、血液搬送ライン、遠心分離器のように特定の検体と密接に関連しているものの償却費については、前述した検体案分法により検査項目別に振り分けることができる(ステップS41)。なお、この案分を実行するに際し、システムの記憶手段には、予め固定資産名、残存価格、取得価格、耐用年数、検査室案分率、リース料月額、保守料月額等の情報が記憶されている。また、リース料月額や保守料月額は、その他一般経費と異なり、自動分析装置と綿密にかかわる原価であることから、この償却費という項目で処理するのが有効である。
[損益分岐点分析]
以上のようにして算出した収入及び費用を基にして、種々の分析を行うことができる。例えば、検査項目別、自動分析装置別、検体別に損益分岐点分析を行うことができる。また、尿・糞便、血液、生化学、免疫、細菌、生理、病理といった検査種別の損益分岐点分析を行うこともできる。
図10は損益分岐点の考え方を説明する図であり、以下の表1に示されるように、案分後の収入を「収入」とし、材料費(直接材料費、及び案分により算出された間接材料費)、直接人件費、外注費及び直接償却費からなる変動費と、間接人件費、検査室一般経費及び間接償却費からなる固定費との和を「支出」とする。そして、収入及び支出のそれぞれを直線で表示する(収入:y=a2x、支出:y=a1x+b1)ことで、収入と支出がバランスする(等しくなる)収入高B、すなわち損益分岐点を図から容易に把握することができる。この分析結果を利用して、綿密な収支計画を立てたり、詳細な目標を設定したりすることができ、新たな経営戦略の発案へと有意義に展開することができる。
Figure 0004796381
なお、検査オーダーに患者IDと主病名を登録しておくことにより、疾病別・病棟別及び診断科別の損益分岐点分析をすることも可能になる。
本発明の収支管理システムの一実施の形態のブロック図である。 病院の検査部門や検査センターにおける収入を検査項目別に算出する処理の一例を示すフローチャートである。 収入における差異値の案分手法を説明する図である。 材料費を検査項目別に算出する処理の一例を示すフローチャートである。 材料費の案分手法を説明する図である。 労務費を検査項目別に算出する処理の一例を示すフローチャートである。 労務費の案分手法を説明する図である。 償却費を検査項目別に算出する処理の一例を示すフローチャートである。 償却費の費用振り分けを説明する図である。 損益分岐点の考え方を説明する図である。
符号の説明
1 入力手段
2 記憶手段
3 制御・演算手段
4 表示手段
5 出力手段
S システム

Claims (5)

  1. 検査臨床部門を有する医療機関の収支を管理する収支管理システムであって、
    検査項目毎の受付数と、複数の検査項目からなる検査種毎のレセプト点数とを入力するための入力手段と、
    検査項目毎の診療保険点数が予め記憶されており、前記入力手段により入力された情報を記憶するための記憶手段と、
    制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、検査項目毎に診療保険点数と受付数との積である点数計を算出し、複数の検査項目からなる検査種毎に点数計の総和である集計点数を算出し、検査種毎に集計点数とレセプト点数との差である差異値を算出し、検査種毎に算出された差異値を集計点数および点数計に基づき検査項目毎に案分し、案分された差異値に基づき検査項目毎に点数計を補正することを特徴とする収支管理システム。
  2. 検査臨床部門を有する医療機関の収支を管理する収支管理システムであって、
    検査項目毎の受付数と、検査項目毎の再検査数と、複数の検査項目からなる検査種毎のレセプト点数とを入力するための入力手段と、
    検査項目毎の診療保険点数が予め記憶されており、前記入力手段により入力された情報を記憶するための記憶手段と、
    制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、検査項目毎に診療保険点数と受付数および再検査数の和との積である点数計を算出し、複数の検査項目からなる検査種毎に点数計の総和である集計点数を算出し、検査種毎に集計点数とレセプト点数との差である差異値を算出し、検査種毎に算出された差異値を集計点数および点数計に基づき検査項目毎に案分し、案分された差異値に基づき検査項目毎に点数計を補正することを特徴とする収支管理システム。
  3. 前記制御手段が、自動分析装置による検査のみに掛かる原価を、当該自動分析装置が検査する検査項目毎に案分するように構成されている請求項1又は2に記載の収支管理システム。
  4. 前記制御手段が、検体毎に対応付けられる原価を、当該検体を用いて行われる検査項目毎に案分するように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の収支管理システム。
  5. 前記制御手段が、前記原価を、関連する検査項目の診療保険点数と受付数及び再検査数の合計との積で案分するように構成されている請求項3又は4に記載の収支管理システム。
JP2005347603A 2005-12-01 2005-12-01 収支管理システム Active JP4796381B2 (ja)

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