JP5503671B2 - 差動増幅回路 - Google Patents

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Description

本発明は、適応バイアス電流発生回路を用いた超低電力の差動増幅回路に関する。
LSIの超低消費電力化を実現するためにMOSFETのサブスレッショルド領域動作を利用したサブスレッショルドLSIが注目されている。しかし、この設計手法は発展の初期段階にあるため超低消費電力回路の設計技術の確立が強く求められる。これまで、超低電力LSIを実現するために様々な研究が行われてきた(例えば、非特許文献1参照。)。
差動増幅回路は、基本的なアナログ要素回路の一つであり、様々なアナログ演算機能を実現する汎用性の高い要素回路である。差動増幅回路の一つであるオペアンプは負帰還構成で用いられ、2つの入力端子が仮想接地となるように動作する。一般に、オペアンプの特性は、そのバイアス電流で決定される。
図1は従来技術に係るオープンループ構成のオペアンプ回路の基本構成を示すブロック図である。図1のオペアンプ回路において、オペアンプ1はバイアス電流源回路2からのバイアス電流で動作する。従って、オペアンプ回路の低電力特性を実現するためには、バイアス電流を削減し、例えばサブスレッショルド領域において微小電流動作させることで実現できる。しかし、超低電力動作のオペアンプ回路は、微小電流バイアスによるドライブ能力の低下が原因となり、入力変化による仮想接地の崩れからの応答時間が増加する問題点があった。
特開2010−239554号公報 特開2011−182188号公報
T. Hirose et al., "A nano−ampere current reference circuit and its temperature dependence control by using temperature characteristics of carrier mobilities", Proceedings of the 36th European Solid−state Circuits Conference, pp. 114−117, September 2010. M. Degrauwe et al., "Adaptive biasing CMOS amplifiers", IEEE Journal of Solid−State Circuits, Vol. 17, pp. 522−528, June 1982.
上記の問題を解決するために、適応バイアス技術を用いた超低電力CMOSオペアンプが提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。適応バイアス技術は微小電流を用いたオペアンプ設計において有用である。しかし、提案された方式では大きな適応バイアス電流を発生することが困難であり、オペアンプの高速化を実現できない問題がある。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して高速化できかつ低電力で動作可能な差動増幅回路を提供することにある。
本発明に係る差動増幅回路は、差動入力電圧を入力する差動対回路を含み、バイアス電流源回路から供給される定バイアス電流に基づいて動作する差動演算増幅器を備えた差動増幅回路において、
上記差動対回路に入力される差動入力電圧に対応して上記差動対回路に流れる2つの電流を検出し、上記差動入力電圧の差電圧に対して上記2つの電流のうちの最小の電流をモニタ電流として検出する電流モニタ回路と、
上記モニタ電流を、上記バイアス電流源回路から供給される定バイアス電流と比較し、比較結果に対応する電圧信号を出力する電流比較回路と、
上記比較結果に対応する電圧信号に基づいて上記差動対回路に流れる電流を増幅して制御する電流増幅回路と
を含むバイアス電流発生回路を備え、
上記バイアス電流発生回路は、上記モニタ電流が小さくなるにつれて上記差動対回路に流れるバイアス電流が大きくなるように負帰還適応制御することを特徴とする。
上記差動増幅回路において、上記電流比較回路は、互いに直列接続されたPチャンネルMOSトランジスタ及びNチャンネルMOSトランジスタを備え、
上記PチャンネルMOSトランジスタと上記NチャンネルMOSトランジスタとのうち、一方のMOSトランジスタに固定バイアス電圧が印加されかつ他方のMOSトランジスタに上記モニタ電流に対応する電圧が印加され、
上記電流比較回路は、上記PチャンネルMOSトランジスタと上記NチャンネルMOSトランジスタの接続点の電圧により上記比較結果に対応する電圧を発生することを特徴とする。
また、上記差動増幅回路において、上記電流モニタ回路は、互いに直列接続された第1及び第2のMOSトランジスタを備え、
上記第1のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの一方の電流に対応する電圧が印加され、上記第2のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの他方の電流に対応する電圧が印加され、
上記電流モニタ回路は、上記第1及び第2のMOSトランジスタに流れる電流をモニタ電流として検出することを特徴とする。
ここで、上記電流モニタ回路はさらに、上記互いに直列接続された第1及び第2のMOSトランジスタの回路に対して並列に接続されかつ互いに直列接続された第3及び第4のMOSトランジスタをさらに備え、
上記第3のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの他方の電流に対応する電圧が印加され、上記第4のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの一方の電流に対応する電圧が印加され、
上記電流モニタ回路は、上記第1及び第2のMOSトランジスタ並びに上記第3及び第4のMOSトランジスタに流れる電流をモニタ電流として検出することを特徴とする。
さらに、上記差動増幅回路において、上記電流モニタ回路は、
所定のバイアス電圧の第1の電流源に接続されかつ互いに並列接続された第1及び第2のMOSトランジスタと、
上記第1の電流源と、上記バイアス電圧の半分の電圧の第2の電流源との間に接続された第3のMOSトランジスタとを備え、
上記第1のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの一方の電流に対応する電圧が印加され、上記第2のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの他方の電流に対応する電圧が印加され、
上記電流モニタ回路は、上記第3のMOSトランジスタに印加される電圧に対応する電流をモニタ電流として検出することを特徴とする。
またさらに、上記オペアンプ回路において、上記バイアス電流源回路は、サブスレッショルド領域で動作し、微小電流のバイアス電流を発生することを特徴とする。
本発明に係るバイアス電流発生回路を用いた差動増幅回路によれば、上記バイアス電流発生回路は2つの入力電圧を監視し、差動対回路とバイアス電流発生回路のネガティブフィードバック構成により適応バイアス電流を制御する。ここで、適応バイアス電流を発生するのは2つの入力電圧が一致しない場合のみであるため、高速かつ低消費電力で動作することができる。
従来技術に係るオペアンプ回路の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るオペアンプ回路の構成を示すブロック図である。 図2のオペアンプ回路の具体的な回路図である。 図3のオペアンプ回路の電流モニタ回路3の基本回路を説明するための回路図である。 図3のオペアンプ回路の差動対回路と電流モニタ回路3の回路図である。 図3のオペアンプ回路の電流モニタ回路3の動作を説明するための、差動対への入力差電圧(VIN+−VIN−)に対する電流IP3,IP4特性を示すグラフである。 図3のオペアンプ回路の電流モニタ回路3の動作を説明するための、差動対への入力差電圧(VIN+−VIN−)に対するモニタ電流IMNT,IMNTa特性を示すグラフである。 図3のオペアンプ回路の電流比較回路4の動作を説明するための回路図である。 (a)は図3のオペアンプ回路の電流比較回路4の動作を説明するための、モニタ電流IMNTに対する電流IMNT,IBIAS特性を示すグラフであり、(b)は図3のオペアンプ回路の電流比較回路4の動作を説明するための、モニタ電流IMNTに対する電圧V特性を示すグラフであり、(c)は図3のオペアンプ回路の電流比較回路4の動作を説明するための、モニタ電流IMNTに対する適応電流IADP特性を示すグラフである。 図6Aの電流比較回路4の変形例である電流比較回路4aの構成を示す回路図である。 本発明の第1の変形例に係るオペアンプ回路の構成を示す回路図である。 本発明の第2の変形例に係るオペアンプ回路の電流モニタ回路3aを示す回路図である。 本発明の第3の変形例に係るオペアンプ回路の電流モニタ回路3bを示す回路図である。 図9の電流モニタ回路3bの第1の動作を示す回路図である。 図9の電流モニタ回路3bの第2の動作を示す回路図である。 本発明の第4の変形例に係るオペアンプ回路の構成を示す回路図である。 本発明の第5の変形例に係るオペアンプ回路の構成を示す回路図である。 図12の差動増幅回路の基本構成を示すブロック図である。 (a)は図3の実施形態及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果であって、入出力信号波形を示す波形図であり、(b)はそのときの電流波形を示す波形図である。 図3の実施形態に係るオペアンプ回路のシミュレーション結果であって、差電圧ΔVINに対する適応電流IADPを示すグラフである。 図3の実施形態、第1及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果であって、バイアス電流IBIASに対する立ち上がりスルーレートSRを示すグラフである。 図3の実施形態、第1及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果であって、バイアス電流IBIASに対する立ち下がりスルーレートSRを示すグラフである。 図3の実施形態、及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果であって、消費電流の周波数特性を示すグラフである。 図3の実施形態に係るオペアンプ回路のシミュレーション結果であって、適応バイアスループ回路の(a)利得及び(b)位相の周波数特性(ボード線図)を示すグラフである。 図3の実施形態に係るオペアンプ回路のシミュレーション結果であって、オペアンプ回路全体の(a)利得及び(b)位相の周波数特性(ボード線図)を示すグラフである。 図3の実施形態、第1及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果における性能諸元を示す表である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
本発明に係る実施形態では、新たなアーキテクチャに基づいた適応バイアス電流発生回路を提案する。また、これを用いた高速かつ低消費電力を実現するオペアンプを提案する。本実施形態に係るオペアンプ回路は、オペアンプの入力差動対回路を流れる電流をモニタし、これをバイアス電流と比較する。比較結果に基づいて適応バイアス電流を発生することで、オペアンプの高速動作を実現する。以下では、実施形態及びその変形例の構成、並びにシミュレーション評価結果の詳細を説明する。
図2は本発明の一実施形態に係るオペアンプ回路の構成を示すブロック図である。図2のオペアンプ回路は、差動演算増幅器であるオペアンプ1及びバイアス電流源回路2からなる図1のオペアンプ回路に比較して、適応バイアス電流発生回路10をさらに備えたことを特徴とする。適応バイアス電流発生回路10は、電流モニタ回路3と、電流比較回路4と、電流増幅回路5とを備えて構成される。電流モニタ回路3は、差動対回路を流れる電流をモニタして入力端子21,22の入力電圧VIN+とVIN−の不一致を検出する。電流比較回路4は電流モニタ回路3からのモニタ電流と、バイアス電流源回路2からのバイアス電流を比較する。その結果により電流増幅回路5が適応バイアス電流を発生してオペアンプ1に供給する。適応バイアス電流発生回路10が供給する大電流により、オペアンプ1の高速動作が可能となり、動作点へと高速に移行することができる。提案するアーキテクチャの詳細を以下に説明する。
図2において、電流モニタ回路3は、オペアンプ1の差動対回路を流れる電流に応じて出力電流が変化する。電流モニタ回路3は、差動対回路を流れる2つの電流が同じとき(すなわち、入力電圧VIN+=VIN−)に最も多くの電流を出力し、差動対回路を流れる電流が変化したとき(すなわち、入力電圧VIN+≠VIN−)には小さい方の電流に依存した対応する電流を出力する。
電流比較回路4は、モニタ電流とバイアス電流の大小関係を比較し、これに応じた電圧信号を出力して電流増幅回路5を制御する。モニタ電流とバイアス電流が等しいとき、電流比較回路4はある動作点で安定に動作し、電流増幅回路5は微小バイアス電流をオペアンプ1の差動対回路に供給する。一方で、モニタ電流がバイアス電流より小さくなるにつれて、電流比較回路4はこれを検出し、電流増幅回路5によって差動対回路を流れる電流が大きくなるように電流を供給する。すなわち、モニタ電流がバイアス電流より小さくなるにつれて、差動対回路を流れる電流が大きくなるように電流を供給するように制御される。ここで、オペアンプ1の差動対回路を流れる電流が増大することにより、モニタ電流とバイアス電流が等しくなるようにフィードバック動作する。そして入力電圧VIN+とVIN−が等しくなると安定動作点で動作する。
図3は図2のオペアンプ回路の具体的な回路図である。図3のオペアンプ回路は、複数のPチャンネルMOSFET(以下、PMOSトランジスタという。明細書及び図面において、MPiの形式の符号で示し、ここで、iは数字等である。)と複数のNチャンネルMOSFET(以下、NMOSトランジスタという。明細書及び図面において、MNiの形式の符号で示し、ここで、iは数字等である。)を備えて構成され、
(a)例えばサブスレッショルド領域で動作し、例えばナノアンペアオーダーの微小電流のバイアス電流IBIASの電流源31及び例えばナノアンペアオーダーの微小電流のバイアス電流IBIAS2の電流源32を含むナノアンペアバイアス電流源回路2と、
(b)入力端子21,22及び出力端子23と、MOSトランジスタMP2〜MP7,MN2〜MN6とを備えて構成された1段構成のオペアンプ1と、
(c)MOSトランジスタMP8,MP9,MN7,MN8,MN2を備えて構成された適応バイアス電流発生回路10とを備えて構成される。
当該オペアンプ回路において超低消費電力を実現するために、例えばサブスレッショルド領域で動作するナノアンペア電流源回路2を用いる(例えば、非特許文献1参照。)。なお、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを、MOSトランジスタという。
図3において、電流モニタ回路3はMOSトランジスタMN7とMN8の直列接続で構成され、MOSトランジスタMP3,MP4からなる差動対回路の両方のパスに流れる電流を監視する。各入力端子21,22に入力される入力電圧VIN+,VIN−が等しく差動対回路の両方のパスを流れる2つの電流が等しいときには、MOSトランジスタMN3とMN4を流れる電流IP3,IP4よりも小さな電流が出力される。一方で、入力電圧VIN+,VIN−が変化し、差動対回路を流れる電流IP3,IP4に差が生じると、MOSトランジスタMN3とMN4を流れる電流のうち小さい方の電流に依存した対応する電流が出力される。
電流比較回路4はMOSトランジスタMP9とMN2から構成され、電流増幅回路5はMOSトランジスタMP5で構成される。MOSトランジスタMP9を流れる電流とMOSトランジスタMN2を流れる電流は接続点41で比較され、比較結果の電圧VをMOSトランジスタMP5のゲートに出力する。MOSトランジスタMP9を流れるモニタ電流がMOSトランジスタMN2を流れるバイアス電流より大きい場合には、上記比較結果の電圧Vが上昇し、MOSトランジスタMP5の電流が小さくなるように制御する。また、MOSトランジスタMP9を流れる電流がMOSトランジスタMN2を流れる電流より小さい場合には、上記比較結果の電圧Vが低下し、MOSトランジスタMP5の電流が大きくなるように制御する。
以下では、各構成回路3,4,5の動作を詳細に説明する。
図4は図3のオペアンプ回路の電流モニタ回路3の基本回路を説明するための回路図である。図4の電流モニタ回路3は、直列接続した2つのMOSトランジスタMN7,MN8から構成され、差動対回路のMOSトランジスタMP4に流れる電流IP4により誘起される電圧VがMOSトランジスタMN7のゲートに印加され、差動対回路のMOSトランジスタMP3に流れる電流IP3により誘起される電圧VがMOSトランジスタMN8のゲートに印加される。従って、電流モニタ回路3は、差動対回路を流れる電流IP3,IP4を監視し、以下に説明するように、それらに対応するモニタ電流IMNTを出力する。
図5Aは図3のオペアンプ回路の差動対回路と電流モニタ回路3の回路図である。さらに、図5Bは図3のオペアンプ回路の電流モニタ回路3の動作を説明するための、差動対への入力差電圧(VIN+−VIN−)に対する電流IP3,IP4特性を示すグラフであり、図5Cは図3のオペアンプ回路の電流モニタ回路3の動作を説明するための、差動対への入力差電圧(VIN+−VIN−)に対するモニタ電流IMNT,IMNTa特性を示すグラフである。ここで、図5B及び図5Cはその回路動作を説明するための電流波形のイメージ図である。2つの入力電圧の差電圧(VIN+−VIN−)に対する電流波形応答を示している。なお、簡単のため電流波形を簡略表示している。
次いで、図5A〜図5Cを用いて、電流モニタ回路3の回路動作の詳細を説明する。
差動対回路は、入力電圧VIN+,VIN−に応じて流れる電流が変化する。その様子を図5Bに示す。入力電圧VIN+が入力電圧VIN−より大きくなると電流IP3が増加し、入力電圧VIN+が入力電圧VIN−より小さくなると電流IP4が増加する。差動対負荷のダイオード接続構成のMOSトランジスタMN3とMN4はこの電流を受け、それぞれの電流に応じたゲート・ソース間電圧を発生する。この電圧を直列接続したMOSトランジスタMN7,MN8からなる電流モニタ回路3が監視する。
電流モニタ回路3を流れる電流は、差動対回路から出力される電流IP3とIP4のうち、小さい方の電流に依存した対応するモニタ電流IMNTを出力する。電流モニタ回路3を流れるモニタ電流IMNTは、MOSトランジスタMN7とMN8が直列に接続されるため、MOSトランジスタMN7のゲート電圧がMOSトランジスタMN8のゲート電圧よりも小さい場合には、MOSトランジスタMN7によって決定される。しかし、MOSトランジスタMN8のゲート電圧が、MOSトランジスタMN7のゲート電圧よりも小さい場合には、MOSトランジスタMN8によって決定される。詳細は以下の通りである。
差動対回路の電流IP4が電流IP3よりも小さい場合を考える。このとき、MOSトランジスタMN7とMN8のゲート電圧は、電流IP3よりも小さな電流IP4が流れるMOSトランジスタMN7のゲート電圧の方が低くなる。MOSトランジスタMN4とMN7はカレントミラー回路を構成するため、MOSトランジスタMN7は、小さな電流IP4を流そうとする。一方、MOSトランジスタMN3とMN8の接続構成により、MOSトランジスタMN8は大きな電流IP3を流すようなゲート電圧でバイアスされる。しかし、流れる電流はMOSトランジスタMN7によって決定されるため、電流IP4以上の電流を流すことはできない。従って、電流IP4に依存した対応するモニタ電流IMNTが出力される。
また、差動対回路の電流IP3が電流IP4よりも小さい場合を考える。このとき、MOSトランジスタMN7とMN8のゲート電圧は、電流IP4よりも小さな電流IP3が流れるMOSトランジスタMN8のゲート電圧の方が低くなる。MOSトランジスタMN4とMN7はカレントミラー回路を構成するため、MOSトランジスタMN7は大きな電流IP4を流そうとする。しかし、MOSトランジスタMN3とMN8の接続構成により、MOSトランジスタMN8は小さな電流IP3を流すようなゲート電圧でバイアスされる。このことは、MOSトランジスタMN7のドレイン・ソース間電圧が減少することを意味し、MOSトランジスタMN7は線形領域で動作することになる。従って、MOSトランジスタMN4とMN7はカレントミラー回路として動作することができない。MOSトランジスタMN8は、MOSトランジスタMN3によって電流IP3を流すようなゲート電圧でバイアスされるため、電流IP3に依存した対応するモニタ電流IMNTが出力される。
さらに、差動対回路の電流IP3とIP4が等しい場合を考える。このとき、MOSトランジスタMN7とMN8はともに同じゲート電圧でバイアスされるため、MOSトランジスタMN7は線形領域で動作する。MOSトランジスタMN8は飽和領域動作となるため、電流IP3とIP4に依存した対応するモニタ電流IMNTが出力される。
なお、図5Cにおいて、電流IP3,IP4のうちのいずれか小さい方の電流(最小電流)は電流IMNTaとなるが、2つのMOSトランジスタMN7,MN8が直列直接された場合のゲート・ソース間電圧の関係のため実際には、図5Cに示すように、電流IMNTaよりも若干小さいモニタ電流IMNTが流れる。
図6Aは図3のオペアンプ回路の電流比較回路4の動作を説明するための回路図である。また、図6B(a)は図3のオペアンプ回路の電流比較回路4の動作を説明するための、モニタ電流IMNTに対する電流IMNT,IBIAS特性を示すグラフであり、図6B(b)は図3のオペアンプ回路の電流比較回路4の動作を説明するための、モニタ電流IMNTに対する電圧V特性を示すグラフであり、図6B(c)は図3のオペアンプ回路の電流比較回路4の動作を説明するための、モニタ電流IMNTに対する適応電流IADP特性を示すグラフである。
図6Aにおいて、MOSトランジスタMN2とMP9が電流比較回路4を構成し、MOSトランジスタMP5が電流増幅回路5を構成する。MOSトランジスタMN2はバイアス電流IBIASを流し、MOSトランジスタMP9はモニタ電流IMNTを流す。バイアス電流IBIASとモニタ電流IMNTの関係を図6B(a)に示す。バイアス電流IBIASは定電流であり、モニタ電流IMNTが変化する様子を示している。モニタ電流IMNTが変化することにより、接続点41の電圧Vが図6B(b)に示す通り変化する。この電圧が、電流増幅回路5のMOSトランジスタMP5のゲートに印加されるため、図6B(c)に示す通り、接続点41の電圧Vが低下するとMOSトランジスタMP5は大きな電流を流し、接続点41の電圧Vが高くなるとMOSトランジスタMP5は小さな電流を流すように制御される。
次いで、適応バイアス電流発生回路10を用いたオペアンプ回路の動作について以下に説明する。
適応バイアス電流発生回路10を用いたオペアンプ回路は、図5A〜図6Bを参照して説明した通り、入力電圧VIN+,VIN−の変化に応じてモニタ電流IMNTが変化し、この変化を電流比較によって検出し、適応バイアス電流IADPを制御する。図6Bに示す通り、モニタ電流IMNTの変化に対して適応バイアス電流IADPは逆相で変化する。すなわち、定常動作時にはバイアス電流IBIASで安定化するが、モニタ電流IMNTが変化すると、これをバイアス電流IBIASに戻すようにフィードバック動作する。
以上のように構成された、適応バイアス電流発生回路10を用いたオペアンプ1の回路動作について以下に説明する。
(1)入力電圧:VIN+=VIN−のとき:差動対の両パスには等しい電流が流れ、適応バイアス電流発生回路10により取り出される電流は最大となる。フィードバック構成によりバイアス電流IBIASとモニタ電流IMNTが等しくなるように動作する。
(2)入力電圧:VIN+≠VIN−のとき:入力電圧VIN+,VIN−が変化すると差動対の一方のパスにテイル電流ITAILのほとんどが流れ、もう一方のパスには微小な電流が流れる。適応バイアス電流発生回路10では最小電流に依存した対応する電流を出力するためモニタ電流IMNTには微小な電流が流れる。一方、MOSトランジスタMN2はバイアス電流IBIASを流すため、接続点41の電位Vが低下し、すなわちMOSトランジスタMP5のゲート電圧が下がることで適応バイアス電流IADPは大電流となる。
このように、モニタ電流IMNTをモニタしてフィードバック制御することで、入力電圧VIN+,VIN−に差が生じた場合のみに適応バイアス電流IADPが増加し、高速動作を可能にする。また、入力電圧VIN+,VIN−が変化しない待機時においては微小電流動作であるため低消費電力特性を実現している。
図6Cは図6Aの電流比較回路4の変形例である電流比較回路4aの構成を示す回路図である。図6Aの電流比較回路4においては、互いに直列接続されたMOSトランジスタMP9,MN2を備え、MOSトランジスタMP9のゲートにモニタ電流IMNTに対応する電圧VB2が印加されかつMOSトランジスタMN2に固定バイアス電圧VB1が印加されているが、本発明はこれに限らず、図6Cの変形例のごとく構成してもよい。すなわち、MOSトランジスタMP9のゲートに固定バイアス電圧VB1aが印加されかつMOSトランジスタMN2にモニタ電流IMNTに対応する電圧VB2aが印加され、接続点41の電圧VによりMOSトランジスタMN10に流れる適応バイアス電流IADPを制御するように構成してもよい。
図7は本発明の第1の変形例に係るオペアンプ回路の構成を示す回路図である。図7の第1の変形例は、図3の実施形態に比較して、
(a)バイアス電流源回路2aは、バイアス電流源回路2に比較して、電流源32及びMOSトランジスタMN1のみで構成したこと、
(b)オペアンプ1aは、オペアンプ1に比較して、MOSトランジスタMP2を省略したことを特徴としている。
すなわち、図3で示した実施形態のオペアンプ回路では、オペアンプ1に供給するバイアス電流IBIASと適応バイアス電流IADPを異なるMOSトランジスタMP2とMP5で供給していた。これをMOSトランジスタM のみに共通化することで回路を簡単化することができる。
図8は本発明の第2の変形例に係るオペアンプ回路の電流モニタ回路3aを示す回路図である。図8の第2の変形例は、図3の実施形態に比較して、電流モニタ回路3に並列に、MOSトランジスタMN7a,MN8aを直接続してなる電流モニタ回路3cをさらに接続したことを特徴としている。
図4で示した電流モニタ回路3は、グランド側に配置されたMOSトランジスタMN7が常に差動対回路の電圧Vをモニタし、直列接続した上段に配置されたMOSトランジスタMN8が常に差動対回路の電圧Vをモニタする。すなわち、図4の電流モニタ回路3には非対称性がある。これを緩和するために、対称性がある図8の電流モニタ回路3aを構成した。図8の回路構造から明らかなように、差動対回路の電圧VはMOSトランジスタMN8のゲート及びMOSトランジスタMN7aのゲートに印加され、差動対回路の電圧VはMOSトランジスタMN7のゲート及びMOSトランジスタMN8aのゲートに印加される。従って、対称性を有する電流モニタ回路3aを構成することにより、電流モニタ回路3aを構成する各MOSトランジスタのゲート・ソース間電圧を平均化することで、図4の電流モニタ回路3における非対称性を緩和することができ、モニタ電流IMNTを正確にモニタすることができる。
図9は本発明の第3の変形例に係るオペアンプ回路の電流モニタ回路3bを示す回路図である。また、図10Aは図9の電流モニタ回路3bの第1の動作を示す回路図であり、図10Bは図9の電流モニタ回路3bの第2の動作を示す回路図である。
図4の電流モニタ回路3は直列接続した2つのMOSトランジスタMN7,MN8で最小モニタ電流IMNT(図5C)を検出していた。別手法として、図9に示す電流モニタ回路3bの構成によっても所望のモニタ電流IMNTをモニタすることができる。図9において、差動対回路の電圧V1,V2は、バイアス電流2IBIASの電流源33によりバイアス電流が供給されかつ並列接続されたMOSトランジスタMPM1,MPM2の各ゲートに印加され、電流モニタ回路3bは、バイアス電流IBIASの電流源34に接続されたMOSトランジスタMPM3と対をなすMOSトランジスタMNM1によりモニタ電流IMNTを生成する。
以上のように構成された図9の電流モニタ回路3bの動作について以下、図10A及び10Bを用いて説明する。
差動対回路の電圧VとVのうち、電圧Vの方が電圧Vよりも小さいときを考える。このとき、図10Aに示すように、電圧Vに関係するMOSトランジスタMPM2はオフとなり、その回路は実質的に関与しないので点線で図示している。2つのPMOSトランジスタMPM1とMPM2はそれぞれソースフォロワを構成し、電流源33の他端側の接続点42の電位Vは共通である。従って、電圧Vが電圧Vよりも小さいとき、電圧Vが入力されたMOSトランジスタMPM1のゲート・ソース間電圧の方がMOSトランジスタMPM のゲート・ソース間電圧よりも大きくなる。すなわち、バイアス電流2IBIASのうち、MOSトランジスタMPM3に流れる電流IBIASを除いた電流IBIASがMOSトランジスタMPM1を流れる。これにより、接続点42の電圧Vは、電圧VにMOSトランジスタMPM1のゲート・ソース間電圧を加算した電圧となる。この電圧からバイアス電流IBAISが流れるMOSトランジスタMPM3によってゲート・ソース間電圧を減算することで、MOSトランジスタMPM3,MNM1の各ゲートの接続点43の電圧Vは電圧Vとなる。すなわち、MOSトランジスタMPM1で加算されるゲート・ソース間電圧と、MOSトランジスタMPM3で減算されるゲート・ソース間電圧は等しい。これは、流れる電流がどちらもIBIASで等しいためである。電圧Vが入力されるMOSトランジスタMNM1によってモニタ電流IMNTが出力され、差動対回路を流れる2つの電流のうち小さな電流を出力することができる。
また、差動対回路の電圧VとVのうち、電圧Vの方が電圧Vよりも小さいときを考える。このとき、図10Bに示すように、電圧Vに関係するMOSトランジスタMPM1はオフとなり、その回路は実質的に関与しないので点線で図示している。この場合においても、上記と同様の動作を行う。
図11は本発明の第4の変形例に係るオペアンプ回路の構成を示す回路図である。すなわち、図11のオペアンプ回路は、2ステージオペアンプ1bへ適応バイアス電流発生回路2bを適用した例を示す。2ステージオペアンプ1bは、基本差動対回路とソース接地増幅器から構成される。1段構成のオペアンプよりも利得を大きく設定できるので一般的に利用されている。図11のオペアンプ1bは、差動対回路を流れる電流をモニタするために、図3のオペアンプ1に比較して、電流モニタ用の差動対回路(MP3a,MN3a,MP4a,MN4a)を追加したことを特徴とする。これにより、2ステージオペアンプ1bの差動対回路を流れる電流をモニタし、入力電圧VIN+とVIN−に応じてモニタ電流IMNTを増幅することができる。
図11のオペアンプ回路では、適応バイアス技術を用いることにより、初段の差動対回路の高速化を実現することができる。しかし、出力段における高速化に対しては未対応である。一般的には、差動対回路を流れる電流に対して、ソース接地増幅器の出力段を流れる電流は大きいことから差動対回路を流れる電流を増幅することで高速化できる場合が多い。しかし、さらなる高速化を実現するためには、出力段の高速化も必要となる。これを実現するための回路を以下に示す。
図12は本発明の第5の変形例に係るオペアンプ回路の構成を示す回路図である。また、図13は図12のオペアンプ回路の基本構成を示すブロック図である。すなわち、図12は、図11の改良型オペアンプ回路の構成を示す。このオペアンプ回路は、図13に示すアーキテクチャにより構成される。すなわち、オペアンプをメインオペアンプ1A(図3のオペアンプ1で使用するMOSトランジスタ)とサブオペアンプ1B(MOSトランジスタMP3a,MP4a,MP7a;MN3a,MN4a,MN6a)に分けた構成である。ここで、メインオペアンプ1Aは利得を確保するための、サブオペアンプ1Bは高速化を実現するための役割を持つ。
以上の実施形態及び変形例において、差動増幅回路の1つとしてオペアンプ回路の一例を示しているが、本発明はこれに限らず、差動対回路を含む差動増幅回路を構成してもよく、例えば差動対回路を含むコンパレータなどの差動増幅回路を構成してもよい。
本発明者らは、図3の実施形態に係るオペアンプ回路を0.18μmスタンダードCMOSプロセスによりシミュレーションして評価した。比較回路として、図3のオペアンプ回路において適応バイアス技術を用いない1段構成のオペアンプ(第1の従来例)と適応バイアス技術を用いた既存回路(非特許文献2に開示された第2の従来例)を用いた。シミュレーション条件は、電源電圧Vddを3.0Vとし、入力パルス波を0.5〜1.3Vppで周波数1kHzとした。また、安定性確保のための位相補償容量はそれぞれCC1=146.5fF、CC2=CC3=111.2fF、C=988.8fFとした。
図14(a)は図3の実施形態及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果であって、入出力信号波形を示す波形図であり、図14(b)はそのときの電流波形を示す波形図である。すなわち、図14(a)及び(b)に本実施形態に係るオペアンプ回路をユニティ・ゲイン・バッファ構成にしたときの入出力波形と、適応バイアス電流IADPを示す。第2の従来例に係るオペアンプ回路の出力波形と比較している。図14(a)及び(b)から明らかなように、第2の従来例と比較して、実施形態に係るオペアンプ回路は高速応答を実現できていることが確認できる。入力電圧が上がった際に、すなわち入力電圧VIN+≠VIN−のとき、適応電流IADPが発生され、それと共に出力波形が立ち上がっている。これにより、入力電圧VIN+とVIN−の変動に対して適応バイアス電流発生回路10の制御により適応電流IADPが発生されることを確認した。
図15は図3の実施形態に係るオペアンプ回路のシミュレーション結果であって、差電圧ΔVINに対する適応電流IADPを示すグラフである。すなわち、図15は、基準電源電圧1.5V、入力電圧0〜3VによるDC解析を行った結果求めた入力間電圧に対するIADPの関係性を示す。図15から明らかなように、入力電圧の差(ΔVIN=VIN+−VIN−)が大きくなるほど適応電流IADPが増加しており、必要に応じたバイアス電流が発生されている。
図16は図3の実施形態、第1及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果であって、バイアス電流IBIASに対する立ち上がりスルーレートSRを示すグラフである。また、図17は図3の実施形態、第1及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果であって、バイアス電流IBIASに対する立ち下がりスルーレートSRを示すグラフである。このとき、オペアンプ回路はユニティ・バッファ・ゲイン構成とした。図16及び図17から明らかなように、各オペアンプ回路でバイアス電流に比例してスルーレートSR、SRが増加することを確認した。第2の従来例は第1の従来例に対して、スルーレートSR、SRともに約2倍程度の高速化となっている。一方、本実施形態に係るオペアンプ回路では、第1の従来例に対してスルーレートSRが約5倍、スルーレートSRが約7倍程度の高速化を実現した。
図18は図3の実施形態、及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果であって、消費電流の周波数特性を示すグラフである。ここで、第1の従来例に係るオペアンプ回路は一定の電流が供給されるので周波数依存はないので、本実施形態と第2の従来例を比較した。図18から明らかなように、第2の従来例と本実施形態に係るオペアンプ回路は、周波数が高くなるに従い消費電流が増加し、それぞれ約4.4nA/kHz、4.0nA/kHzの増加となっている。従って、本実施形態に係るオペアンプ回路の消費電流は周波数依存度が低く高い周波数においても低消費電力で動作ができる。また、利用最大周波数fmaxは第2の従来例と本実施形態のオペアンプ回路でそれぞれ32kHz、70kHzとなり、本実施形態に係るオペアンプ回路の方が利用できる周波数帯域を拡大することができる。
図19は図3の実施形態に係るオペアンプ回路のシミュレーション結果であって、適応バイアスループ回路の(a)利得及び(b)位相の周波数特性(ボード線図)を示すグラフである。すなわち、オペアンプ回路におけるフィードバック回路の安定性を検証した。図19から明らかなように、本実施形態に係るオペアンプ回路において、利得は43.9dB、位相余裕は61.3度であった。これより、本実施形態に係るオペアンプ回路は位相余裕が60度程度確保されていることから安定性が保証されたオペアンプ回路であることを確認した。
図20は図3の実施形態に係るオペアンプ回路のシミュレーション結果であって、オペアンプ回路全体の(a)利得及び(b)位相の周波数特性(ボード線図)を示すグラフである。すなわち、オペアンプ回路全体の安定性についても検討した。図20から明らかなように、本実施形態に係るオペアンプ回路において、利得は61.5dB、位相余裕は57.5度であった。これよりオペアンプ回路全体においても安定動作を確認できた。その他のオペアンプ回路の利得と位相余裕については図21に示す。
図21は図3の実施形態、第1及び第2の従来例に係る各オペアンプ回路のシミュレーション結果における性能諸元を示す表である。図21から明らかなように、本実施形態に係るオペアンプ回路は、第1及び第2の従来例に比較して、高速かつ低消費電力での動作を実現できることを確認した。
まとめ
以上説明したように、上記バイアス電流発生回路10を用いた本発明に係る超低消費電力オペアンプ回路によれば、バイアス電流発生回路10は2つの入力電圧を監視し、差動対回路とバイアス電流発生回路10のネガティブフィードバック構成により適応バイアス電流を制御する。ここで、適応バイアス電流を発生するのは2つの入力電圧が一致しない場合のみであるため、高速かつ低消費電力で動作することができる。
以上詳述したように、本発明に係るバイアス電流発生回路を用いたオペアンプ回路によれば、上記バイアス電流発生回路は2つの入力電圧を監視し、差動対回路とバイアス電流発生回路のネガティブフィードバック構成により適応バイアス電流を制御する。ここで、適応バイアス電流を発生するのは2つの入力電圧が一致しない場合のみであるため、高速かつ低消費電力で動作することができる。
1…オペアンプ、
1A…メインオペアンプ、
1B…サブオペアンプ、
2…バイアス電流源回路、
3,3a,3b,3c…電流モニタ回路、
4…電流比較回路、
5…電流増幅回路、
10…適応バイアス電流発生回路、
21,22…入力端子、
23…出力端子、
31〜34…電流源、
41〜43…接続点、
C1,CC2,CC3,C…位相補償容量、
ADP…適応電流、
BIAS…バイアス電流、
MNT…モニタ電流、
TAIL…テイル電流、
P1〜MP9,MP3a〜MP8a,MPM1〜MPM3…PチャンネルMOSFET、
N1〜MN10,N3a〜MN8a,MNM1…NチャンネルMOSFET、
IN+,VIN−…入力電圧、
OUT…出力電圧。

Claims (6)

  1. 差動入力電圧を入力する差動対回路を含み、バイアス電流源回路から供給される定バイアス電流に基づいて動作する差動演算増幅器を備えた差動増幅回路において、
    上記差動対回路に入力される差動入力電圧に対応して上記差動対回路に流れる2つの電流を検出し、上記差動入力電圧の差電圧に対して上記2つの電流のうちの最小の電流をモニタ電流として検出する電流モニタ回路と、
    上記モニタ電流を、上記バイアス電流源回路から供給される定バイアス電流と比較し、比較結果に対応する電圧信号を出力する電流比較回路と、
    上記比較結果に対応する電圧信号に基づいて上記差動対回路に流れる電流を増幅して制御する電流増幅回路と
    を含むバイアス電流発生回路を備え、
    上記バイアス電流発生回路は、上記モニタ電流が小さくなるにつれて上記差動対回路に流れるバイアス電流が大きくなるように負帰還適応制御することを特徴とする差動増幅回路。
  2. 上記電流比較回路は、互いに直列接続されたPチャンネルMOSトランジスタ及びNチャンネルMOSトランジスタを備え、
    上記PチャンネルMOSトランジスタと上記NチャンネルMOSトランジスタとのうち、一方のMOSトランジスタに固定バイアス電圧が印加されかつ他方のMOSトランジスタに上記モニタ電流に対応する電圧が印加され、
    上記電流比較回路は、上記PチャンネルMOSトランジスタと上記NチャンネルMOSトランジスタの接続点の電圧により上記比較結果に対応する電圧を発生することを特徴とする請求項1記載の差動増幅回路。
  3. 上記電流モニタ回路は、互いに直列接続された第1及び第2のMOSトランジスタを備え、
    上記第1のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの一方の電流に対応する電圧が印加され、上記第2のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの他方の電流に対応する電圧が印加され、
    上記電流モニタ回路は、上記第1及び第2のMOSトランジスタに流れる電流をモニタ電流として検出することを特徴とする請求項1又は2記載の差動増幅回路。
  4. 上記電流モニタ回路はさらに、上記互いに直列接続された第1及び第2のMOSトランジスタの回路に対して並列に接続されかつ互いに直列接続された第3及び第4のMOSトランジスタをさらに備え、
    上記第3のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの他方の電流に対応する電圧が印加され、上記第4のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの一方の電流に対応する電圧が印加され、
    上記電流モニタ回路は、上記第1及び第2のMOSトランジスタ並びに上記第3及び第4のMOSトランジスタに流れる電流をモニタ電流として検出することを特徴とする請求項3記載の差動増幅回路。
  5. 上記電流モニタ回路は、
    所定のバイアス電圧の第1の電流源に接続されかつ互いに並列接続された第1及び第2のMOSトランジスタと、
    上記第1の電流源と、上記バイアス電圧の半分の電圧の第2の電流源との間に接続された第3のMOSトランジスタとを備え、
    上記第1のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの一方の電流に対応する電圧が印加され、上記第2のMOSトランジスタに上記差動対回路の2つの電流のうちの他方の電流に対応する電圧が印加され、
    上記電流モニタ回路は、上記第3のMOSトランジスタに印加される電圧に対応する電流をモニタ電流として検出することを特徴とする請求項1又は2記載の差動増幅回路。
  6. 上記バイアス電流源回路は、サブスレッショルド領域で動作し、微小電流のバイアス電流を発生することを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載の差動増幅回路。
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