JP5499886B2 - 車両用高電圧回路遮断装置 - Google Patents
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Description
プラグ式の遮断装置(「安全プラグ」ともいう。)の場合、設置に要する寸法が大きいため、特開平10−214544号公報によると、ハンドルタイプが提案されているが、グリップ部の推定寸法から、少なくとも数リットルの大きな空間が車両搭載に必要となる。
そのため、搭載スペースが小さくて済むスイッチレバータイプの安全装置も存在する(「安全スイッチ」ともいう。)。
この安全プラグは、組立時やサービス以外に、車両事故におけるレスキュー対応として安全プラグを抜くことによってレスキュー者の感電を防ぐためにも使用される。
更に、前記安全プラグを抜く場合、プラグ部での漏電の可能性があるため作業者は絶縁手袋を着用する必要がある。
車両用に限らず、一般的に、人為操作によって機械的に接点状態(導通/遮断)を切り換えるスイッチでは、漏電等によってスイッチのレバー操作時に感電を起こすということがある。
このとき、漏電させないようにすることも大事であるが、このスイッチを不用意に操作することができないようにすることも大事である。
バッテリパックは、単一のユニット化されているものが多く、そのユニットに1つの遮断装置である安全プラグあるいは安全スイッチを設けている。
上述の特許文献1に開示されるものは、安全スイッチを安全プラグの着脱によって構成する例であるが、大型の安全プラグの設置するスペースと引き抜き作業を行うスペースとを確保する必要がある。
そして、車両のユーザーが誤って安全プラグを触ってしまうことを防ぐために、一般的に種々の部品を取り外さなければ、安全プラグにアクセスできないところに安全プラグはレイアウトされている。
しかし、安全プラグへのアクセスのために種々の部品を取り外す必要があるレイアウト(「バリア構造」とも換言できる。)とする場合、至急の操作が必要な時に、迅速に操作することができないという不都合がある。
逆に、アクセス容易な場所に安全プラグをレイアウトした場合、運転者等の一般ユーザーにとってもバリアの少ない構造となり、望まないユーザーのアクセスを招来してしまうという不都合がある。
また、それらの不都合を解決するために、一般的な遮蔽部材によってカバーを設けた場合には、安全スイッチの状態がそのままでは確認できないという不都合がある。
更に、バッテリパックを複数搭載した場合には、安全プラグあるいは安全スイッチが相当数存在することになり、占有スペースを削減しつつ、その状態確認や操作のし易さを確保する必要がある。
更にまた、走行中に、車両への外力によって、あるいは、それに走行に伴う振動や慣性力が組み合わさった複合要因等によって、車両に大きな急加速度が加わることが考えられる。大型の安全プラグを比較的小型の安全スイッチに置き換えて搭載性を向上させた場合、安全スイッチに加速度が加わることによって、操作性の高い安全スイッチが意図せずに切り換わってしまう可能性も考えられる。
よって、そのような切り換わりを防止するか、切換有無の確認を容易とするかの対策を考える必要がある。
図2において、1は車両、2は車体、3は左側後輪、4はフロアパネル、5はサイドパネルである。
前記車両1の車体2の後部には後部シート6が取り付けられており、この後部シート6の背面に高電圧回路を構成するバッテリユニットからなる車両用高電圧回路遮断装置7を搭載し、この車両用高電圧回路遮断装置7の側面に安全スイッチ8を配設している。
このとき、前記車両用高電圧回路遮断装置7は、下部バッテリ9と、この下部バッテリ9の上面に位置する上部バッテリ10とからなる。この上部バッテリ10の上面には配置されるコンバータやブロアファンなどの電装品11を配設している。
また、前記安全スイッチ8は、図示しない電源から供給される高電圧の電力の供給遮断状態を切り換える。
詳述すれば、このカバー13を、絶縁性を有する無色透明な樹脂製材料により形成する。
従って、前記カバー13を外すことなく状態を確認する視認性を確保できる。
また、前記カバー13によって前記安全スイッチ8、特に後述するスイッチレバー14の全体を被覆することができることにより、スイッチレバー14を密閉状態とすることができ、防水性や防塵性を向上させることができる。
このとき、前記カバー13は、スイッチレバー14の可動範囲の雰囲気を全体的に被覆する。
つまり、前記カバー13は、前記スイッチレバー14がスイッチON位置およびスイッチOFF位置に選択切換されている時に収容可能な容積空間を有し、ここでは階段のような段形状を有する。
前記安全スイッチ8に組み付けられて前記スイッチレバー14を被覆している際には、段の入り込み部分の内壁面が前記阻害部15として機能し、スイッチレバー14の回動的に切換動作を阻害する。
従って、前記スイッチレバー14の切換選択軌跡に対する阻害部15によって、意図しない切換動作といった誤作動を防止できる。
つまり、前記カバー13は、視認部12を透明な窓16としている。
また、図1及び図3に示す如く、前記カバー13の視認部12に形成した段差17によって前記阻害部15を形成している。
このとき、前記段差17は、異なる2面以上を有する形状であり、視認性を確保している。
また、前記段差17の縦壁部分も前記視認部12の窓16として機能する。
従って、誤作動の防止と視認性の確保を両立できる。
また、前記段差17が視認する際の目安となり、離れた位置からの判断からの判断が容易となる。
従って、前記バッテリユニットからなる車両用高電圧回路遮断装置7に一体的に設けた前記安全スイッチ8を、前記保持フレーム18によって形成される余剰スペースを利用して容積効率を高めつつ、視認性を確保できる。
また、前記バッテリユニットからなる車両用高電圧回路遮断装置7の容積増大や積載方向といった搭載の自由度を高めることができる。
従って、アクセスも容易となる。
そして、前記車両用高電圧回路遮断装置7は、図2に示す如く、保持フレーム18により上下前後周囲を囲ませるように設け、前記安全スイッチ8の上面に前記カバー13を設け、作業用リッド19の開口20の正対位置から安全スイッチ8及びカバー13が外れていても視認可能に設けている。
また、前記車両用高電圧回路遮断装置7は、ラック状に組まれて前記フロアパネル4に固定される前記保持フレーム18によって前記車体2に固定される。
そして、この保持フレーム18の内部では、図2に示す如く、上下方向に積み重ねた複数のバッテリ、つまり下部バッテリ9、上部バッテリ10及びこの上部バッテリ10の上面に配置される電装品11を備え、部組されたユニットを構成する。
更に、前記後部シート6は、座面部分であるシート部22と、このシート部22に対して可倒式に設けられた前記シートバック21とからなり、このシートバック21は前記車両用高電圧回路遮断装置7や前記安全スイッチ8への作業をするための作業用リッド19を構成している。
このシートバック21の背面に対向する前記車両用高電圧回路遮断装置7の前面は前記カバー13によって被覆してあり、車両用高電圧回路遮断装置7の高電圧の下部バッテリ9及び上部バッテリ10やコンバータなど高電圧回路を構成する部位へ容易にアクセスできないように設けている。
参考までに記載すると、前記後部車体構成部材は、ほぼ水平に延びる前記フロアパネル4やその側方の前記サイドパネル5、それらの内装トリム(図示せず)などから構成する。
すなわち、カバー全体が視認部となる必要はないため、不要と思われる部位を半透明、あるいは着色して形成するものである。
さすれば、カバーによって、誤作動の防止と視認性の確保を両立できる。
このとき、欠如させた小窓の場合には、直接手指が触れないように距離を確保するか、手指が入らないような小孔とする。あるいは、多数の小孔を集中的あるいは分散させて設けて、視認性を向上させても良い。
2 車体
4 フロアパネル
5 サイドパネル
6 後部シート
7 車両用高電圧回路遮断装置
8 安全スイッチ
9 下部バッテリ
10 上部バッテリ
11 電装品
12 視認部
13 カバー
14 スイッチレバー
15 阻害部
16 窓
17 段差
18 保持フレーム
19 作業用リッド
20 開口
21 シートバック
Claims (4)
- 電源から供給される高電圧の電力の供給遮断状態を切り換える安全スイッチを備えた車両用高電圧回路遮断装置において、前記安全スイッチのON/OFFの各位置にあるスイッチの切換選択状態を確認できる視認部を備え、前記安全スイッチのON位置およびOFF位置に選択されているときに収容可能な容積空間を有する段形状のカバーを設けることを特徴とする車両用高電圧回路遮断装置。
- 前記カバーは、透明な窓とするとともに、異なる2面以上を有する段差の縦壁部分がスイッチのON−OFF間に位置しており、前記段差によって形成されるスイッチレバーの切換選択軌跡に対する阻害部を設けることを特徴とする請求項1に記載の車両用高電圧回路遮断装置。
- 前記安全スイッチを、高電圧回路を構成するバッテリユニットの保持フレームにより囲ませるように設け、その安全スイッチの上面に前記カバーを設け、この安全スイッチ及びカバーが作業用リッドの開口に正対位置から外れていても視認可能に設けることを特徴とする請求項1に記載の車両用高電圧回路遮断装置。
- 前記作業用リッドは、シートバッグであることを特徴とする請求項3に記載の車両用高電圧回路遮断装置。
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