JP5499075B2 - 屠殺された家禽の胴体部を処理する方法および装置 - Google Patents

屠殺された家禽の胴体部を処理する方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも肋骨の部分、および肋骨に自然に付いている肉の部分を有する、屠殺された家禽の胴体部を処理する方法および装置に関する。
現在、家禽、特に鶏から得られた肉生産品の消費者は、様々な形にカットされた内側ささみ(フィレット)、外側ささみ(シングル、ダブル)、ドラムスティック、もも、および手羽のような多数の高級生産品の中から幅広く選択することに慣れ始めている。消費者の要望を満足させるため、屠殺された家禽の加工業者は、高品質生産品に対する消費者の要望を効率的に満足させるように、屠殺された家禽の胴体部を処理する柔軟な方法および装置が必要である。
屠殺された家禽を消費者の目を引く部分に解体するため、従来、家禽は解体ラインに送られる。このラインでは、家禽は、その脚部を使って、多数の処理ステーションを通過するようにガイドされる搬送システムの適当なフックから吊り下げられる。
従来の解体ラインは、一般的に、(胸部、および胸部に直接隣接する背中の部分からなる)胴体の前半分と、(脚部、および脚部に繋がる背中の部分からなる)胴体の後半分とが互いに分離されるステーションを含む。胴体の後半分は、その脚部を使って吊り下げられたまま解体ラインで更に処理され、一方、前半分は、更に処理を施すため別個のささみ処理ラインへ移される。
従来、首と首皮は、胴体から分離され、胴体はそのまま解体ラインに残される。手羽が胴体部から取り外される場所は、胸肉がどのように採取されるかに応じる。胸肉が胴体部から切り取られる場合、手羽は解体ラインで取り外される。胸肉を採取するため使用される別の方法では、胴体部から胸肉を引き離すため、力が手羽に加えられる。手羽は、次に、胸肉から切り取られるか、または引き抜かれる。この方法の場合、手羽および胸肉は、ささみ処理ラインで互いに分離される。
効率および柔軟性の観点から、(別の変形例における)手羽切断、首および/または首皮の取り外しのような処理操作は、ささみ処理ラインで実行できるようにすることが望ましい。
オランダ国特許第1014845号明細書には、頭上搬送装置に固定された生産品運搬装置を含む、屠殺された家禽生産品を処理する装置が記載されている。屠殺生産品を処理するこの従来の装置は、搬送装置を含み、この搬送装置は、パスに沿って移動可能であり、第1の軸回りに回転可能な第1の本体部が連結される。第2の本体部は、第2の軸回りに回転可能であり、第1の本体部に連結される。第1の作動装置は、第1の軸に対する第1の本体部の様々な第1の角度位置を設定し、第2の作動装置は、第2の軸に対する第2の本体部の様々な第2の角度位置を設定する。ロック装置は、第1の角度位置および/または第2の角度位置を固定する。ロック装置は、第2の軸の近くに設けられた作動カムによって作動される。作動カムは、第1の本体部および第2の本体部の異なる角度位置で動作させることができる。屠殺生産品固定装置は、屠殺生産品の胸部を第2の本体部に連結する。オランダ国特許第1014845号明細書の記述内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
手羽の有無に関わりなく前半分および胸キャップの両方、手羽の部分、首、首皮、および/または背骨は、このタイプの生産品運搬装置に被せられる。この従来の生産品運搬装置は、固定された胴体部が多数の処理ステーションを通過するように案内し、胴体部が解体ラインに付いたフックから吊り下げられているかのように、胴体部を処理ステーションの各々に対して正しい位置に移すことが可能である。かくして、生産品運搬装置は、胴体部が運ばれる間、後半分に対するプロテーゼであると見なされる。これは、オランダ国特許第1014845号明細書のタイプの生産品運搬装置が、従来の解体ラインの後半分の機能を引き受けるからである。これは、解体ラインの一部を予め形成し得る処理装置を、ささみ処理ラインに統合し得るという点で有利である。
実際、これまで解体ラインで実行しなければならなかった作業、または、少なくとも解体ラインで実行することが非常に好ましいとされていた作業を、ささみ処理ラインで実行する可能性は、少なくとも肋骨の部分および肋骨に自然に付いている肉の部分を含む胴体部の処理を最適化することに関する可能性を生じることが分かった。
しかし、開発された最適化のすべてが、必ずしもオランダ国特許第1014845号明細書に記載されているような生産品運搬装置の使用を必要とはしない。より簡単な生産品運搬装置でさえ、例えば、単一平面内の旋回だけが可能である生産品運搬装置でも足りる。その上、このことは、本発明による方法および装置が、パスに沿って移動する生産品運搬装置と特に組み合わせること無く使用することができるという例にも当てはまる。これに関連して、例えば、独立型機械、または処理されるべき生産品が手渡しで装置の側を通るように移動させられる装置に、最適化を使用する場面を想定することができる。開発されたあらゆる最適化は、従来技術の方法または装置と組み合わせた様な形で適用されてもよい。二つ以上の最適化を組み合わせることも考えられる。
オランダ国特許第1014845号明細書 欧州特許出願公開第0695506号明細書 欧州特許第0336162号明細書 国際公開第01/03509号 欧州特許第0551156号明細書 オランダ国特許第1002831号明細書 独国特許出願公開第19525154号明細書
本発明の目的は、屠殺された家禽の胴体部の処理を最適化する可能性を利用することである。これにより、高い生産速度、高い生産性、および生産物の高品質化を実現できる。また、処理対象の胴体部の形状、寸法、および重量に関する非常に高い柔軟性と、獲得される最終生産品に関するより高い柔軟性も得られる。
本発明の第1の態様によれば、上記目的は、屠殺された家禽の胴体部を処理する方法によって達成され、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉と、頚部開口と、手羽関節とを含み、胴体部は内部を有し、上記方法は、
移動可能であり、かつ胴体部の内部を係止する生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
一つ以上の手羽関節位置合わせ面が設けられる手羽関節位置合わせ部材を、前記頚部開口を介して、胴体部の内部に移動するステップとを有し、手羽関節位置合わせ面は、胴体部に対する第1の叉骨刃の確定した位置で、手羽関節位置合わせ面が前記手羽関節を所定の位置に保持するように構成され、上記方法はさらに、
一つの前記手羽関節が、第1の叉骨刃の手羽関節位置合わせ面によって所定の位置に支持されるように、胴体部に内圧を加えるステップを有する。
手羽関節を位置合わせする方法は、叉骨の無い胴体部に巧く適用することが可能である。叉骨が付き、叉骨を切り離す必要がない場合にも、手羽関節位置合わせ部材は使用に適している。これらの場合、手羽関節位置合わせ部材は、手羽関節位置合わせ面のサポート材として機能する。手羽関節位置合わせ部材の使用によって、手羽関節は、処理中に関節の骨に損傷を加えることなく、手羽関節を通る切り込みを形成するような手羽関節の正確な処理が可能になるように、確実にかつ再現可能な形で位置合わせされる。
しかし、殆どの場合に、叉骨または叉骨の一部は、胴体部から取り外されるか、または少なくとも切り離す必要がある。脆い叉骨を胴体部から切り離すために、手羽関節位置合わせ部材は、このような場合には、好ましくは、適当な刃先が設けられる。叉骨(または叉骨の一部)の切り離しの作業は、適当な刃先を備えた手羽関節位置合わせ部材が適用されるとき、処理中に関節の骨に損傷を加えることなく、手羽関節を通る切り口を形成するような手羽関節の正確な処理作業と巧く組み合わせ得ることが分かった。
処理される前に、処理されるべき胴体部は、生産品運搬装置に被せられ固定される。生産品運搬装置は、オランダ国特許第1014845号明細書によって知られており、特に、この目的のために適している。この生産品運搬装置は、処理されるべき胴体部を、第1の処理装置に対して正確な向きに移す。手羽関節の正確な処理は、この第1の処理装置で行われ、適宜、胴体部にある叉骨または叉骨の一部は切り離され、適宜に胴体部から取り外される。
手羽関節位置合わせ部材は、頚部開口を介して胴体部の中へ移動させられる。首若しくは首皮を含む生産品が処理されているならば、何よりも首および/または首皮を頚部開口から離すことが有利であり、その結果として、頚部開口から邪魔なものが巧く取り外され、手羽関節位置合わせ部材を、問題なく胴体の内部に差し込むことができる。一つ以上の手羽関節位置合わせ面が手羽関節位置合わせ部材に設けられる。手羽関節位置合わせ部材が胴体部に対して所定の位置へ動かされたとき、一つ以上の位置合わせ面は、例えば、手羽関節を僅かに外側へ押し出すことによって、手羽関節を実質的に所定の位置へ動かすように機能する。かくして、手羽関節の全体的な位置合わせは、胴体の内部から実現される。
手羽関節の正確な位置合わせを実現するため、手羽関節が、胴体部の内部から所定の位置へ動かされた後、外圧が加圧手段によって胴体部に加えられる。これらの加圧手段は、手羽関節が前記手羽関節位置合わせ面にしっかりと押圧されることを保証し、手羽関節は確実に所定の位置に置かれるようになる。
胴体部の内部および外部からの手羽関節の位置合わせの組み合わせは、処理装置に対する手羽関節の位置が、確実に、正確に、かつ明確に定められるという利点、並びに処理装置に対する手羽関節の位置が、処理対象の胴体部のサイズ、重量、および形状とは全く無関係になるという利点を奏する。
各手羽関節が、背骨の位置からかなり短い距離の場所にある比較的小型または中型の理想的な形状の胴体部の場合、各手羽関節は、手羽関節位置合わせ面によって、所定の位置へ向かって外側へ押される。これらの場合、手羽関節は、既に、手羽関節位置合わせ面にしっかりと押圧され、この面によって定められた位置をとる。これらの場合、胴体部を外側から押圧することにより、手羽関節が、主として処理作業中に十分な精度で理想的な位置を保つことが更に確実になる。
比較的大型のあまり理想的ではない形状の胴体部の場合、手羽関節位置合わせ部材の手羽関節位置合わせ面によって、胴体部の内部から手羽関節に作用することによって意図されるように、手羽関節が直ちに位置合わせされるという保証はない。このような場合、手羽関節は、直ちに関連した手羽関節位置合わせ面に正確に押圧されるとは限らない。この場合、手羽関節位置合わせ面は、手羽関節の全体の予備的な位置合わせの役割を担うだけである。加圧手段は、好ましくは、外部から目標圧力を胴体部に加え、その結果として、各手羽関節は、関連した手羽関節位置合わせ面に正確に押圧されるようになるので、手羽関節は高い精度で所定の位置へ到達する。
手羽関節の位置は、かくして正確に知られ、胴体部のサイズおよび形状には殆ど応じないので、手羽関節への処理操作を正確に実施することが可能である。
このような処理操作の一例は、手羽(または手羽部分)と胴体部の他の部分との間を繋ぐ腱の一部を、外側ささみと手羽または手羽部分との間を繋ぐ少なくとも一つの腱がそのまま保たれるように、切り開く処理作業である。関節の骨に損傷を与えることなく、手羽関節の少なくとも大半を確実に再現できるように切り開く作業は、手羽関節の正確な位置合わせによって実現可能なこのような処理作業の別の例である。
これらの二つの処理作業は、実質的に鎌形の特殊な手羽切刃を使用することによって組み合わせることが可能である。これらの刃は、切断作業中に、腱が手羽切刃から滑り落ちることを防止する面が設けられている。
この性質の手羽関節の切り込みを行うため、鎌形手羽切刃は、好ましくは、手羽関節の回りに位置するような別の方法で回転若しくは移動させられる。
回転運動中に、手羽関節の周囲の肉および組織は既に切り込まれている。次に、手羽切刃は更に移動させられ、その結果として、手羽切刃は更に関節を切り抜ける。この更なる移動中に、所定の瞬間に各手羽切刃は、関節の内側にある腱と接触させられる。継続した移動によって、腱は、腱が手羽切刃から滑り落ちることを防止する手羽切刃の面を用いて切断される。
手羽切刃の制御手段は、好ましくは、手羽切刃が、通過する生産品毎に手羽関節の切開を実行するかどうかを決定し得るように構成される。
好ましい一実施形態では、上述の特殊な手羽切刃を使用して手羽切断が実行され、外側ささみと手羽(部分)との間を繋ぐ腱がそのままの状態で残され、有利な方法で、胸のささみと、最上級の肉と、2番目のささみと、内側のささみとを採取することが可能である。
このようにして、欧州特許出願公開第0695506号明細書に記載されているような2番目のささみを採取する方法を実行することが可能になる。
また、本発明は、本発明の第1の態様による方法を実行する装置に関する。好ましくは、複数のこれらの装置が、タレット型機械に収容される。これらの装置は、このタイプのタレット型機械に、実質的に水平に、または実質的に垂直に配置される。
本発明の第2の態様は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉と、頚部開口と、叉骨の部分とを含む、屠殺された家禽の胴体部の処理の最適化に係わり、本発明の方法は、
パスに沿って移動可能であり、かつ胴体部の内部を係止する生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
付いている叉骨または叉骨の一部を収容する凹部を含み、叉骨の二つのリムの間、または、全叉骨が付いているならば、これらのリムが付いている場所の間に配置されたブロックを、胴体部の頚部開口を介して、胴体部の内部に移動するステップと、
刃先を含み、輪郭が完全な叉骨の外形と実質的に対応している第1の叉骨刃を、ブロックの一方の側に沿って、差し込むことにより、胴体部の背側に面するで、付いている叉骨または叉骨の一部を胴体部から切り離すステップと、
完全な叉骨の外形を実質的に倣う第2の叉骨刃を、好ましくは、第1の叉骨刃に対して実質的に垂直に、ブロックに沿ってどちらかの側で胴体部に差し込み、かつ付いている叉骨または叉骨の一部が、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃の間に囲まれるように、付いている叉骨または叉骨の一部を胴体部から切り離すステップと、
付いている叉骨または叉骨の一部が、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃の間に囲まれた状態を保ち、胴体部から取り外されるように、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃を胴体部から一体的に取り出すステップとを有する。
処理動作が、付いている手羽関節で実行された後、好ましくは、依然として付いている叉骨または叉骨の一部が胴体部から取り外される。本発明の第2の態様によれば、これは、第1の叉骨刃が差し込まれる前に、ブロックを、叉骨の2本のリムの間の胴体部へ移動させることによって実現される。叉骨の一部だけが付いている場合、ブロックは、完全な叉骨が未だ付いているならば、ブロックが、叉骨の2本のリムの間に置かれたであろう位置で、胴体部へ差し込まれる。ブロックには、依然として付いている叉骨または叉骨の一部を収容する凹部が設けられる。叉骨の少なくとも一部を収容するブロックは、欧州特許第0336162号明細書によって知られている。
第1の叉骨刃は、好ましくは、平坦な刃部を有する。この刃部の外側輪郭の形状は、実質的に、叉骨の外側輪郭の形状に対応し、即ち、刃部は、実質的に三角形状の輪郭を有する。刃部は少なくとも一つの刃先が設けられる。
有利な実施形態では、第1の叉骨刃の刃部は、形状が実質的に三角形であり、三角形の広い辺は叉骨よりも広い。その結果として、背骨だけではなく、周囲の肉が胴体部から切り離される。これは、回収される肉の量の点で有利であるだけではなく、この付加的な肉が本当に採取されることを保証する。
好ましい実施形態において、第1の叉骨刃の三角形形状の広い辺は非常に幅が広いので、肉は、手羽関節の直ぐ近くの所まで胴体部から切り離される。その結果として、叉骨と手羽関節との間の肉も採取されるが、従来は、この肉は胴体部に付着したままであった。
第1の叉骨刃は、胴体部内にブロックの一方の側に沿って配置される。その結果として、叉骨(または胴体部に依然として付いている叉骨の一部)は、胴体部の背側に面する側で切り離される。
次に、第2の叉骨刃は、実質的に、第1の叉骨刃に対して垂直に、ブロックのいずれかの側でブロックに沿って胴体部に突き刺される。これらの第2の叉骨刃は、叉骨の外側輪郭を実質的に倣い、叉骨を胴体部から切り離す。
ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃が、胴体部に配置されたとき、叉骨はそれらによって取り囲まれる。叉骨は、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃を同時に引き戻すことによって胴体部から取り外される。
有利な実施形態では、ブロック、第1の叉骨刃および第2の叉骨刃が、胴体部から取り出されたとき、それらは離れ、叉骨は、例えば、圧縮空気を用いてブロックから取り外される。圧縮空気の代わりに水を使用してもよく、或いは、機械的手段を利用してもよい。
首または首皮を含む生産品が処理されるとき、何よりも首および/または首皮を頚部開口から遠ざけるのが有利であり、その結果として、頚部開口から邪魔なものが巧く除去され、第1の叉骨刃を、問題なく胴体の内部に差し込むことができる。より一般的には、好ましくは、頚部開口は、付いている叉骨または叉骨の一部に対する作業を実行する前に、邪魔なものが除去される。「頚部開口からの邪魔なものの除去」からは、皮、餌袋脂、および/またはその他の組織の除去が、認識されるべきである。
更に有利な実施形態では、本発明の第2の態様による処理は、タレット型機械で行われる。これにより生産速度は著しく増大する。なぜならば、複数の生産物が、同時に、かつ連続的に処理されるからである。従来のシステムでは、1時間当たり約2300個の生産品を処理可能であったが、本発明による方法では、生産速度は1時間当たり約3000個の生産品以上であり、本発明による方法がタレット型機械で使用されるとき、1時間当たり5000個の生産品の生産速度を達成することが可能である。
一部の領域では、たとえ、肉を残さずに部分的にカットされているとしても、叉骨を残したままの生産品が要求される。このタイプの生産品は、第2の態様による方法および装置によって生産することも可能である。このような場合、第1の叉骨刃は、叉骨を部分的に切り離すが、第2の叉骨刃を差し込む作業は省かれる。また、この場合、叉骨は胴体部から取り外されない。
また、本発明は、本発明の第2の態様による方法を実行する装置を含む。好ましくは、複数のこれらの装置が、タレット型機械に収容される。装置は、このタイプのタレット型機械に、実質的に水平に、または実質的に垂直に設置されることができる。
本発明の第3の態様によれば、屠殺された家禽の胴体部は、胴体部に自然に付いている胸郭の少なくとも一部と皮の部分とを含み、胴体部は内部を有し、屠殺された家禽の胴体部の処理は、以下のステップを有する方法によってさらに最適化され、この方法は、
パスに沿って移動可能であり、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、かつ胴体部の内部を係止するように構成された生産品運搬装置に、胴体部を被せ固定するステップと、
胴体部を第1の処理ユニットに対して位置合わせするステップと、
皮剥用ロールが、取り外されるべき皮を捕らえ、かつ皮を胴体部から引き離すように、皮剥されるべき胴体部の一部が皮剥用ロールに押し付けられる相互作用し弾性的に取り付けられた少なくとも2対の皮剥用ロールに、胴体部を通過させることにより、皮を取り外すステップとを有し、少なくとも2対の皮剥用ロールは、胴体部の輪郭に合うように相互に位置合わせされる。
国際公開第01/03509号パンフレットには、一対の皮剥用ロールを使用して、胴体部から皮を取り外す装置が開示されている。国際公開第01/03509号パンフレットによって知られている装置の皮剥用ロールは、付加的な自由度をもっているので、胴体部に対して最適な位置に配置することができる。
従来の装置の欠点は、皮剥用ロールの付加的な自由度を追加したために機械的に複雑化している点である。このため、この構造体は故障し易くなる。
オランダ国特許第1014845号明細書によって知られている生産品運搬装置は、胴体部がパスに沿って動かされるとき、胴体部の位置を変更するように構成されている。したがって、胴体部が皮剥用ロールを通過するとき、胴体部の位置を合わせることが可能である。即ち、皮剥される胴体部の最適位置が常に実現され得る。
胴体部の皮剥を最適化するため、弾性的に配置された二対の皮剥用ロールが、本発明の第3の態様による方法で使用される。更に、皮剥用ロールは、胴体部の搬送方向で見られるように、皮剥されるべき胴体部(または、この胴体部の少なくとも一部分)の輪郭を実質的に倣うように相対的な位置をとる。
胴体部が皮剥用ロールを通過するとき、胴体部は、弾性的に取り付けられた皮剥用ロールにある程度の圧力で押し付けられる。皮剥用ロールが、胴体部の輪郭を実質的に倣うように相互に配置されることの結果として、その圧力は、胴体部の全周に実質的に均一に分布し、皮剥プロセスが穏やかに、かつ柔軟に行われる利点が得られる。
取り外されるべき皮の少なくとも一部は、胴体部が皮剥用ロールへ導かれる前に、ある程度たくし上げられている方が好ましい。皮をたくし上げることの利点は、皮剥用ロールが、引き離されるべき皮をより良く捕らえ得ることである。この結果として、特に、ドライおよび/またはハング生産品の場合に、皮剥プロセスの確実性が非常に高まる。
背皮と胸皮の両方が胴体部に付いている場合、胸皮は、好ましくは、背皮が取り外される前に除かれる。適切な運搬装置に載せられ、背皮と胸皮の両方が付いているような胴体部を処理する間に、有利的には、背皮を取り外す前に、胸骨の長手方向と平行に、或いは直角に向けられた皮剥用ロールを用いて、または削り取り手段およびロールを組み合わせて胸皮を取り外す。
この原理の使用は、全タイプの胴体部(例えば、脚部分、背断片、胸キャップなど)の皮剥に適用可能であり、特に上述のタイプの胴体部の皮剥に限定されるものではない。外皮取り外しロールを、任意に削り取り要素と組み合わせて、従来の皮剥用ロールの代わりに使用してもよい。
更に、本発明は、本発明の第3の態様による方法を実行する装置に関する。
本発明の第4の態様によれば、屠殺された家禽の胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉の部分と、少なくとも一つの手羽と、背皮、胸皮、および手羽皮の部分とを含み、胴体部は内部を有し、屠殺された家禽の胴体部の処理は、以下のステップを有する方法によってさらに最適化され、この方法は、
搬送方向にパスに沿って移動可能であり、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、かつ好ましくは、胴体部の内部を係止するように構成された生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
第1の処理ユニットに対して胴体部を位置合わせするステップと、
胴体部上の第1の切り込みが、生産品のサイズとは無関係に、胴体部で事実上同じ位置に設けられるように、胸側で、本体と手羽との間を繋ぐ領域の皮に第1の切り込みを入れるステップと、
皮剥用ロールが胸皮を捕らえ、胸皮を胴体部から引き離し、胸皮が皮に入れられた第1の切り込みで引き剥がされ、その結果として、背皮と手羽皮が胴体部に繋がったままにされるように、少なくとも一対の相互作用する皮剥用ロールに胴体部を通過させることにより、胸皮を取り外すステップと、
第2の処理ユニットに対して胴体部を位置合わせし、胴体部を搬送方向に対して第1の向きに置くステップと、
胴体部が、切り込み作業中に、搬送方向に対して第1の向きから第2の向きへ動かされ、その結果として、曲線状の第2の切り込みが形成されるように、背側で、本体と手羽との間を繋ぐ領域の皮に切り込みを入れるステップと、
皮剥用ロールが背皮を捕らえ、背皮を胴体部から引き離し、背皮が本体と手羽との間の第2の切り込みで引き剥がされ、その結果として、手羽皮の所定の部分が胴体部に繋がったままにされるように、少なくとも一対の相互作用する皮剥用ロールに胴体部を通過させることにより、背皮を取り外すステップとを有する。
殆どの場合に、屠殺された家禽の手羽の生産品は、皮付きのままにされる方が望ましく、これに対して、胸および/または背の肉から形成された生産品は、好ましくは、皮なしの形で供給される。従来、これは、ささみ処理ラインで本体と手羽との間の境目に、胸側と背側の両方で皮に切り込みを入れることにより実現されている。従来の方法では、これは、固定して設置された刃または人手によって実行されている。
次に、皮は、少なくとも一対の相互作用する皮剥用ロールによって知られている方法で、胸および背から引き離される。皮に入れられた切り込みによって、皮は切り込みがある場所で確実に引き剥がされる。
特に、処理されるべき胴体部の形状およびサイズにばらつきがある場合、従来の方法では、正確に、再現可能に、かつ所定の場所で、胴体部の皮に切り込みを形成することは不可能だった。この結果として、皮が引き剥がれる場所を予め正確に決めることができなかった。
しかし、これは、本発明の第4の態様によって実現可能である。最初に、複数の平面内で旋回可能にされた生産品運搬装置の使用は、切り込みを入れる刃に対して胴体部を正確に位置合わせするための選択の幅を提供する。
また、生産品運搬装置は、第2の切り込みが入れられているときに移動する。その結果として、切り込みの形状は、静止刃によって作られる標準的な直線な切り込み、または回転刃によって作られる僅かに湾曲した切り込みから逸らせることができる。これにより、切り込みの形状を最適化することが可能である。生産品運搬装置の柔軟性によって、処理されるべき胴体部を、処理ユニットに対して再現可能に位置合わせすることが可能になり、切り込みも胴体部の最適な位置に入れられる。
好ましくは、刃によって入れられる切り込みの深さは、皮だけに切り込みが入り、下の肉には触れないように十分な精度で調整される。これは、第1の切り込みと第2の切り込みの両方に当てはまる。好ましくは、これは、切断手段が胴体部に深く切り込むことを防止する保持装置を、切断手段の近くに取り付けることによって実現される。切断手段が回転ナイフである場合、保持手段は、好ましくは円板である。この円板は、回転ナイフと向かい合う側に、回転ナイフの径よりも多少とも小さい径を有する。回転ナイフから更に遠い場所で、円板の径は、好ましくは、回転ナイフの径と同じである。
本発明の第4の態様による方法において、胴体部の内部を係止する生産品運搬装置を使用することは不可欠ではない。胴体部の外部を係止する運搬装置を使用することも考えられる。第1の位置から第2の位置への移行は、運搬装置を係止する手段によって、または、胴体部を直接に係止する装置によって作動することが可能である。
更に有利な実施形態では、胸肉は、第1の切り込みが実際に入れられる前に、第1の切り込みが入れられるべき領域から僅かに押しのけられる。この結果として、皮は対応した場所で張られ、切り込みは、より簡単に、かつより正確に入れられることができる。これは、また、皮に切り込みが入れられるときに、胸肉に接触する危険性を抑える。
好ましくは、胴体部は、第2の処理装置に送られる前に、搬送方向に対して一定の向きにされ、胴体部の長手軸が、実質的に垂直方向に、かつ搬送方向に対して直角に向けられ、その背側は下流側方向に向けられる。切断中に、胴体部は、好ましくは、胴体部の長手軸が、実質的に水平方向にされ、搬送方向に対して平行にされ、胴体部の頚部開口が上流側方向に向けられる方向に回転させられる。その結果として、第2の切り込みは、少なくとも部分的に、手羽の始まりの部分の周辺付近を通り得る。
好ましくは、取り外されるべき皮の少なくとも一部分は、胴体部が皮剥用ロールに導かれる前に、ある程度までたくし上げられる。皮をたくし上げることの利点は、皮剥用ロールが、引き離されるべき皮をより良く捕らえることである。この結果として、特に、ドライおよび/またはハング生産品の場合に、皮剥プロセスの確実さが非常に高くなる。
更に、本発明は、本発明の第4の態様による方法を実行する装置に関する。
本発明の第5の態様によれば、屠殺された家禽の胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、胸側と背側の両方で前記胸郭に自然に付いている肉とを含み、胴体部は内部を有し、屠殺された家禽の胴体部の処理は、以下のステップを有する方法によって更に最適化され、この方法は、
パスに沿って移動可能であり、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、かつ胴体部の内部を係止する生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
背骨側、または背骨が取り外される前に背骨が付いていた胴体部の中の場所側に延び、実質的にそれらに対して平行に延びる二つの切り込みを、胴体部の背側の肉に入れるステップと、
一方で背肉と肩肉との間の繋ぎが残り、他方で胴体部の本体の骨部分に繋がったままの胸肉が残り、背肉および肩肉が、既に背骨の両側に入れられた切り込みから削り取りを始める削り取り手段の使用によって取り外されるように、背肉および肩肉を胴体部の本体の骨部分から外すステップと、
胸肉、背肉、および肩肉が、胴体部の本体の骨部分から完全に取り外されたときに、胸肉、背肉、および肩肉が一つに繋がっているように、胴体部の本体の骨部分から胸肉を取り外すステップとを有する。
これまで、従来の方法は、実質的に胸肉をささみとして採取していた。取り外すことが非常に難しい背肉および肩肉は、胴体部の本体の骨部分の裏側に取り残され、しばしば胸肉とは別に、細切れにして後で採取されていた。その結果として、背肉および肩肉は、品質が同等に良好であるにもかかわらず、胸肉よりも低価格で販売しなければならなかった。
その上、ささみが従来から知られている方法を使用して引き離されるとき、肉は、しばしば胴体の本体の骨部分の裏側に残り、一方、骨部分は、しばしば引き離された肉と一緒に取り外される。本発明の第5の態様は、この状況を著しく改善する。
本発明の第5の態様によれば、背肉および肩肉は、胸肉に繋がったままの状態で採取されるので、胸肉、背肉、および肩肉を含む完全な一群を、ささみとして販売することが可能である。好ましくは、本発明の第5の態様は、最上級の肉が採取される本発明の第2の態様の好ましい実施形態と組み合わされる。これによって、胸肉、背肉、肩肉、最上級の肉、および2番目のささみを含む大きいささみが構成される。
このタイプの大きいささみを採取可能にするため、第一に、実質的に背骨と平行に、背骨の両側に二つの大きい切り込みが背肉に入れられる。これらの切り込みは、例えば、回転刃を使用して入れることができる。これらの切り込みを入れるとき、好ましくは、胴体部の本体の骨部分が刃と接触しないようにする。
弾性的に取り付けられた削り取り手段は、胴体部の両側に配置される。削り取り手段は、手羽関節が削り取り手段を通過すると直ちに、背骨に沿った切断中に削り取りを開始する。胴体部が削り取り装置を通過する間に、弾性的に取り付けられた削り取り手段は、胴体部の輪郭を倣い、このようにして、胴体部の本体の骨部分から背肉および肩肉を取り外す。胸肉と、背肉および肩肉との間の繋ぎはそのまま残される。
少なくとも本発明の第1の態様および第5の態様が、相互に組み合わされた有利な実施形態において、削り取り手段は、好ましくは、背骨に沿った切り込みと、手羽関節切り込みの両方から削り取りを始める。
好ましくは、削り取り手段は、手羽関節が通過した直後に空気圧作動される。
削り取り手段の形は、好ましくは、胴体部の本体の骨部分から削り取られた肉を保持するような形である。このため、胴体部の本体の骨部分と、背肉および肩肉との間に空間が形成される。この空間は、小さい刃を用いて、肩甲骨の下側に切り込みを入れるために使用され、この小さい刃は、好ましくは、弾性的に取り付けられ、好ましくは、ガイドに固定される。後の段階で、胸肉、背肉、肩肉、並びに好ましくは最上級の肉、および2番目のささみを含むささみを、胴体部の本体の骨部分から取り外す間に、この切り込みは、本体のささみと骨部分を分離するための初期点として機能する。
本発明の第5の態様による方法を使用するとき、皮が付いているささみを採取することも可能である。これは、この方法を使用して達成できる全体的な効率を高める。
本発明は、本発明の第5の態様による方法を実行する装置にも関する。
本発明の第6の態様によれば、屠殺された家禽の胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉の部分と、少なくとも一方の手羽の部分とを含み、胴体部は内部を有し、屠殺された家禽の胴体部の処理は、以下のステップを有する方法によって更に最適化され、この方法は、
パスに沿って移動可能であり、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、かつ胴体部の内部を係止するように構成された生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
胴体部の長手軸が、実質的に垂直に、かつ生産品運搬装置の搬送方向に対して実質的に直角に位置し、付いている手羽または手羽部分が、実質的に胴体部の長手軸の方向に下向きに垂れ下がるように、胴体部を位置合わせするステップと、
垂れ下がっている手羽または手羽部分を、生産品運搬装置の搬送方向に実質的に延びる水平ガイドの間に差し込むステップと、
付いている手羽または手羽部分が、胴体部に付いている胸肉に繋がった状態を維持するように、生産品運搬装置が、胴体部の本体の骨部分を前方へ搬送し、同時に第1の切り込みが手羽の始まりの場所へ入れられる間に、付いている手羽または手羽部分をそのままにしておくステップと、
胸肉、背肉、肩肉、および可能であれば最上級の肉を含むささみと、付いている手羽または手羽部分とが、胴体の本体の骨部分から一緒に引き離されるように、付いている手羽または手羽部分に力を加えることにより、付いている手羽または手羽部分と胴体部の本体の骨部分との間の距離を増加させるステップと、
ささみと、付いている手羽または手羽部分とにより構成された組を、下向きに搬送するステップと、
生産品の処理が始まる高さよりも低い位置で、ささみと、付いている手羽または手羽部分とを切り離すステップと、
生産品の処理が始まる高さよりも低い場所で、ささみと手羽を降ろすステップとを有する。
屠殺された家禽の胴体部からささみを採取する有利な方法は、欧州特許第0551156号明細書により知られている。この文献に記載されたささみを採取する方法は、少なくとも一方の手羽の部分を含む胴体部に適している。
従来の方法でささみを採取する間に、付いている手羽または手羽部分は、胴体部の本体の骨部分が前方へ搬送されている間、そのままに保たれる。この方法では、第1の切り込みが手羽関節に入れられる。胴体部から遠ざかる方へ向けられた力を、付いている手羽または手羽部分に加え、胴体の本体の骨部分と手羽または手羽部分との間の距離を増大させると、ささみは胴体の本体の骨部分から引き離される。最後のステップとして、手羽は胸ささみから分離される。
従来の装置では、胴体部は、これまでは一般的にささみ処理ライン内の位置に置かれていた処理装置に、特に、胴体部の長手軸を実質的に垂直方向へ向け、頚部開口を上向きにして差し込まれる。しかし、これは、この方法を実行する処理装置において、手羽がそのままの状態にされ切り込まれる場所と、手羽がささみから分離される場所と、手羽およびささみが処理装置から降ろされる場所とを、一体的としてかなり近付けなければならないという欠点がある。このことによって、構成上の妥協が余儀なくされる。
オランダ国特許第1014845号明細書に記載されているような生産品運搬装置を使用するとき、生産品を「逆さまにして」処理装置に差し込むことが可能である。これにより、欧州特許第0551156号明細書により知られた方法で、上向きに引き離さなければならない代わりに、手羽を胴体部の本体の骨部分から下向きに引き離すことが可能になる。
ささみ、および手羽または手羽部分を降ろす作業は、ささみ、および手羽または手羽部分を、コンベヤベルトの上に落とすことを可能にすることによって実行される。したがって、このコンベヤベルトは、ささみと手羽または手羽部分とが、互いに分離されるポイントの下に設置しなければならない。従来の装置では、このポイントは、生産品が処理装置に入れられるポイントよりも上に設ける必要があった。このため、空間の不足による構成上の問題が生じる。
本発明の第6の態様による方法では、コンベヤベルトは、完全な処理装置の下側に配置することが可能である。更なる利点として、ささみが、胴体部の本体の骨部分から取り外される距離を著しく増加させることも可能である。
本発明は、更に、本発明の第6の態様による方法を実行する装置に関する。
本発明の種々の態様による装置および方法は、限定的ではない典型的な実施形態を示す添付図面を参照してより詳細に説明される。
本発明での使用に適した生産品運搬装置の一例を示す図である。 胴体部が図1に示された生産品運搬装置に置かれる状況を示す図である。 胴体部が図1に示された生産品運搬装置に置かれる状況を示す図である。 胴体部が図1に示された生産品運搬装置に置かれる状況を示す図である。 胴体部の手羽の引き伸ばしを示す図である。 胴体部の手羽の引き伸ばしを示す図である。 本発明の第1の態様による装置の一例の一部を示す図である。 本発明の第1の態様による手羽切刃を示す図である。 タレット型機械に収容された本発明の第1または第2の態様による装置を示す図である。 タレット型機械に収容された本発明の第1または第2の態様による装置を示す図である。 別の機械に収容された本発明の第1または第2の態様による装置を示す図である。 本発明の第2の態様による装置の一部の一例を示す図である。 本発明の第2の態様による装置の一部の一例を示す図である。 本発明の第3の態様による装置の一例を示す図である。 図10に示された装置の略正面図である。 本発明の第3または第4の態様による方法の実現可能な実施形態を示す図である。 本発明の第3または第4の態様による方法の実現可能な実施形態を示す図である。 本発明の第4の態様の第1の部分による方法の実現可能な実施形態を示す図である。 図13からの多数の細部を示す図である。 図13からの多数の細部を示す図である。 本発明の第4の態様の第2の部分による方法の実現可能な実施形態の略側面図である。 本発明の第4の態様の第2の部分による方法の実現可能な実施形態の略側面図である。 本発明の第4の態様の第1の部分による方法の実現可能な実施形態を示す図である。 本発明の第4の態様による第1の部分による方法の実現可能な実施形態の略正面図である。 本発明の第5の態様による方法の実現可能な実施形態の概略図である。 本発明の第5の態様による装置の実現可能な実施形態を示す図である。 本発明の第6の態様による装置の実現可能な実施形態を示す図である。 図20からの詳細図である。 餌袋脂および/または首皮を取り外す装置の実現可能な実施形態を示す図である。 2番目のささみの採取を準備する装置の実現可能な実施形態を示す図である。 2番目のささみの人手による採取を示す図である。 2番目のささみの自動採取を示す図である。 部分が胴体部から切り離される実現可能な実施形態を示す図である。
図1は、本発明の全ての態様において使用するために適した生産品運搬装置2の一例を示す図である。この生産品運搬装置2は、処理対象の胴体部1を支持し保持するべく構成されている。生産品運搬装置2は、パスに沿って移動するように構成されている。これは、例えば、生産品運搬装置2を頭上のコンベヤに取り付けることによって実現される。
図1に示された生産品運搬装置2は、例えば、矢印Aおよび矢印Bによって示されているように、複数の平面内で旋回可能である。生産品運搬装置2は、これらの運動を別々に、若しくは組み合わせて行うことが可能であり、同時にパスに沿って搬送される。生産品運搬装置2は、係止面4を含み、この係止面4によって、生産品運搬装置2は胴体部1の内部に、即ち胸郭(または、胴体部1に付いている胸郭の一部)の内側を係止する。生産品運搬装置2は、生産品運搬装置2のとる位置とは無関係に、生産品運搬装置2で胴体部1を保持する固定手段3を更に含む。
図2aおよび図2bは、胴体部1が、生産品運搬装置2に被せられる様子を示す図である。図2cは、生産品運搬装置2に被せられた前半分を示す図であるが、他のタイプの胴体部を処理することも可能である。これに関連して、例えば、前半分(完全な手羽付き、先端の無い手羽付き、セカンドパートの切り込みがある手羽付き、手羽無し、首付き、首皮付きなど)、胸キャップ、背骨無しの胴体部などのタイプの変化を考慮してもよい。処理されるべき胴体部は、処理される前に、いずれの場合でも、胸郭の少なくとも一部と、胸郭に自然に付いている肉の部分とを含む。
胴体部1が、生産品運搬装置2に被せられ固定されると直ぐに、胴体部1は、最終的に胴体部1の種々の部分の分離を伴う様々な処理作業を連続して受ける。
処理作業の前に、生産品運搬装置2は、処理対象の胴体部1を手羽引き伸ばしモジュールに案内する。これは、このモジュールを通過した後、付いている全ての手羽または手羽部分が、胴体部1に対して多少とも再現可能な位置に吊り下げられる点で有利である。手羽部分が付いていない胴体部は、好ましくは、このモジュールの周りに案内される。
図3aおよび図3bは、手羽引き伸ばしモジュールの一例を示す。本例の場合、このモジュールは、互いにある間隔で配置された2個の回転要素11を含む。胴体部1は回転要素11の間に案内され、回転要素11に設置された弾性要素12が、手羽または手羽部分を引き伸ばす。これらの弾性要素12は、例えば、ゴム製むしり取り用フィンガーによって形成される。図3bは、2個の回転要素11の回転方向を示し、図3aにおいて、Tは胴体部1の搬送方向、即ちパスの方向を示す。
自然に付いている胸郭の少なくとも一部の他に、頚部開口および手羽関節を含み、好ましくは、手羽の少なくとも一部分が手羽関節に付いている胴体部1は、本発明の第1の態様による方法および装置を使用して処理可能である。
本発明の第1の態様による装置は、胴体部1に差し込まれるように構成された手羽関節位置合わせ部材21を含む。この手羽関節位置合わせ部材21は、一つ以上の手羽関節位置合わせ面22が設けられている。図4に示された典型的な実施形態の場合、二つの手羽間接位置合わせ面が存在する。図4の典型的な実施形態では、手羽関節位置合わせ部材21は、叉骨を胴体部の他の部分から切り離す刃先21’が設けられる。
手羽関節位置合わせ面22は、胴体部1に対する手羽関節位置合わせ部材21の確定した位置(例えば、胴体部1に対して最も低い手羽関節位置合わせ部材21の位置)において、各手羽間接位置合わせ面が、胴体部1の内側から少なくとも実質的に所定の再現可能な位置へ手羽関節を保持するような形で配置される。
更に、この装置は、外側から胴体部1を押圧する加圧手段23を含む。かくして、付いている手羽関節は、手羽関節位置合わせ部材21の関節位置合わせ面22によって再現可能に支持される。その結果として、付いている手羽関節は、特に確実な方法で所定の位置に正確に保持される。
胴体部1が、胴体部から切り離す必要のある少なくとも叉骨の部分を更に含む場合、手羽関節位置合わせ部材21は、付いているその叉骨の部分を、胴体部1から少なくとも部分的に切り離すように構成されている方が有利である。このため、手羽関節位置合わせ手段は、好ましくは、適当な刃先21’が設けられる。叉骨(または、付いている叉骨の部分)を切り離し、胴体部1から取り外す更なる手段も存在する。これに関連して、例えば、本発明の第1の態様を本発明の第2の態様と組み合わせることが考慮される。その場合、手羽関節位置合わせ部材21は、第1の叉骨刃として使用され、この第1の叉骨刃は、本発明の第2の態様に関して説明される。
手羽関節の正確な位置合わせは、手羽関節に正確な処理作業を行うことが望ましい場合に重要である。
このような状況は、胴体部1が、一つ以上の内側ささみ(「2番目のささみ」としても知られている)を含む場合に生じる。その場合、外側ささみと手羽部分との間を繋ぐ少なくとも1つの腱がそのまま残されるように、胴体部1の手羽部分と他の部分の間を繋ぐ腱の一部だけを切り開くことが望ましい。その結果として、外側ささみの採取中に、内側ささみは、胴体部1の本体の骨部分の後側に残り、次に、内側ささみを、(好ましくは、欧州特許第0695506号明細書に記載されているような)従来の方法で、自動的若しくは人手で採取することが可能である。人手による採取の一つの利点は、胴体部1の最終検査を同時に行えることである。
正確な位置合わせを必要とする手羽関節に対する処理操作の別の例は、手羽関節の切り開きであり、この場合、切り込みを入れるため使用される手羽切刃は、実質的に各手羽関節の骨部分の間で移動し、その場合、切断操作後、胴体部1の手羽部分と他の部分との間に繋ぎが残る。
本発明の第1の態様によれば、これらの二つ正確な処理作業は、好ましくは、特殊な鎌形の手羽切刃24を使用して行われ、手羽切刃は、切り開かれるべき腱が切断操作中に刃から滑り落ちないようにする面25を含む。刃は、手羽関節の骨部分を押しのけるウェッジとしても機能する。図5には、手羽切刃24を差し込む様子が示されている。
高い生産速度を達成するため、好ましくは、本発明の第1の態様による多数の装置が、図6aおよび図6bに示されるように、タレット型機械に収容される。図7は、別の配置を示す図である。
首または首皮を有する生産品を処理する場合、首または首皮は、手羽関節位置合わせ部材21の差し込みを邪魔する。この邪魔を取り除くため、本発明による装置は、好ましくは、首または首皮を頚部開口から離れた状態にしておく手段、例えば、ガイドが設けられる。
好ましくは、本発明の第1の態様による装置および方法は、本発明の第2の態様による装置および方法と組み合わされる。その場合、手羽関節位置合わせ部材21は、適当な刃先が設けられるので、手羽関節位置合わせ部材は、第1の叉骨刃として使用することができる。
本発明の第2の態様は、屠殺された家禽の胴体部1を処理する方法および装置に関する。対応した方法に従って、かつ対応した装置を使用して処理可能な胴体部は、少なくとも胸郭の部分と、胸郭に自然に付いている肉の部分と、頚部開口と、叉骨の部分とを含む。以下に説明する例では、叉骨の全体が存在する。
また、本発明の第2の態様によれば、処理されるべき胴体部1は、上記のタイプの生産品運搬装置2に被せられ固定される。
叉骨を取り外せるようにするため、ブロックが、頚部開口を介して胴体部1に差し込まれる。ブロックは、叉骨を受ける凹部を有し、叉骨の2本の間に配置される。
次に、第1の叉骨刃21が、頚部開口を介して胴体部1に差し込まれ、このようにして、第1の叉骨刃は、胴体部1内でブロックの一方の側に隣接して位置合わせされる。
第1の叉骨刃21は刃先を有し、その輪郭は、完全な叉骨の外形に実質的に対応するので、第1の叉骨刃は、差し込まれると、胴体部1の背側に面する叉骨の側を切り離す。本例では、第1の叉骨刃21は、実質的に矢の形状をしている。
次に、第2の叉骨刃31が、ブロックの両側に沿って、第1の叉骨刃21に対して実質的に垂直に、胴体部1の中に動かされる。第2の叉骨刃31は、叉骨の外形を実質的に倣い、胴体部1から叉骨を切断する。切り離された叉骨は、次に、ブロックと、第1の叉骨刃21と、第2の叉骨刃31との間に囲まれる。
胴体部1から叉骨を取り外すため、ブロック、第1の叉骨刃21、および第2の叉骨刃31は、一体的に胴体部1から引き出され、叉骨は、ブロックと、第1の叉骨刃21と、第2の叉骨刃31との間に囲まれたままの状態を保つ。かくして、叉骨は胴体部1から取り外される。
本発明の第1の態様と第2の態様を組み合わせるため、第1の叉骨刃21は、好ましくは、手羽関節位置合わせ面22が設けられる。
図8および図9は、第1の叉骨刃21に付加された補助的な切り込み面32を示す図である。これらの補助的な切り込み面32の付加によって、第1の叉骨刃21は、矢じり形の広い方の辺が更に広がる。これは第1の叉骨刃21の広い方の辺を、その場所の叉骨よりも著しく広げる。
第1の叉骨刃21の局所的な拡幅は、切断されるべき肉を、できるだけ手羽面の直ぐ近くで、下にある骨部分から切り離すことを可能にさせる。これにより、叉骨と手羽関節の間の肉は、ささみと共に確実に採取される。
叉骨が胴体部1から取り外されたとき、第1の叉骨刃21および第2の叉骨刃31は、ブロックからかなり離れた場所まで戻される。第1の例では、叉骨はそのとき依然としてブロックの上にある。好ましくは、叉骨をブロックから取り除くため圧縮空気を使用する。装置は、好ましくは、付いている叉骨または叉骨の部分をブロックから取り除くため圧縮空気手段を含む。
処理生産品に首または首皮が付いている場合、首または首皮は、ブロックおよび/または第1の叉骨刃21の差し込みを妨げる。これを防止するため、本発明による装置は、好ましくは、首または首皮を開口から遠ざけて保持する手段、例えば、ガイドを具備する。
高い生産速度を実現するため、好ましくは、本発明の第2の態様による多数の装置が、図6および図7に示されるように、タレット型機械に収容される。
本発明の第3の態様は、胸郭の部分と、胸郭に自然に付いている肉の部分と、皮の部分とを少なくとも含む胴体部の処理の最適化に関する。
また、本発明の第3の態様によれば、処理されるべき胴体部1は、上記のタイプの生産品運搬装置2に被せられ固定される。
上記の典型的な実施形態の場合、実際の皮剥の前に、取り外されるべき皮の少なくとも一部は、例えば、図12aに示されたスプリング付きアーム52上の歯状ブロックのような、たくし上げ手段51を使用してたくし上げられる。しかし、たくし上げ手段51は、全く異なる形に構成してもよく、例えば、粗いブラシとして、または、螺旋状たくし上げ手段として構成してもよい。
胴体部1は、次に、少なくとも二対の相互作用する弾性的に取り付けられた皮剥用ロール41ab、42abを通過する。胴体部1の皮剥されるべき部分は、皮剥用ロール41ab、42abが取り外されるべき皮膚を捕らえ、胴体部1から引き離すように、皮剥用ロール41ab、42abに押し付けられる。
本発明の第3の態様によれば、皮剥用ロール41ab、42abの相互の位置合わせは、胴体部1の予想される輪郭に合わされ、即ち、胴体部1の輪郭は、搬送方向Tとは逆方向で見られるように、皮剥用ロール41ab、42abの間の空間の形状に全体的に対応する。
皮剥作業を更に最適化するため、皮剥用ロール41ab、42abに対する胴体部1の向きは、胴体部が皮剥用ロール41ab、42abを通過するときに合わされるので、胴体部1は、常に、皮剥用ロール41ab、42abに対してできるだけ最適に位置合わせされる。
好ましくは、皮剥用ロール41ab、42abは、螺旋状の外形が付与される。しかし、他の外形、例えば、歯状の外形でも構わない。
従来の皮剥用ロールの代替として、外皮除去ロールを、任意に、削り取り要素と組み合わせて使用することも可能である。
背皮および胸皮の両方が胴体部1に付いている場合、好ましくは、胸皮は、背皮が取り外される前に取り外される。
本発明の第4の態様は、胸郭の少なくとも一部分と、自然に胸郭に付いている肉の部分と、少なくとも一方の手羽の部分と、背皮、胸皮、および手羽皮の部分とを含む胴体部の処理に関する。
また、本発明の第4の態様によれば、処理されるべき胴体部1は、上記のタイプの生産品運搬装置2に被せられ固定される。
次に、胴体部1は、皮に第1の切り込み56を入れるように構成された、第1の処理ユニットに対して正確に、かつ再現可能に位置合わせされる。上記の例では、この位置合わせは、生産品運搬装置2の動作中のロールによって少なくとも部分的に実現される。
図13に示された例は、2枚の可動な胸位置合わせ板53を利用する。好ましくは、切り込みを入れられる場所から僅かに離す方へ胸肉を押す手段も設けられる。
本発明の第4の態様による装置の一部を形成する第1の処理ユニットにおいて、正確な再現可能な第1の切り込み56は、生産品のサイズとは無関係に、第1の切り込み56が、各生産品の胴体部1で実質的に同じ場所に入るように、胸側の本体と手羽との間の繋ぎの領域で皮に入れられる。これは、生産品運搬装置2を第1の処理ユニットに対して正確に位置合わせすることによって実現可能になる。これに関連して、使用される生産品運搬装置2を、胴体部1の内側に係止することが特に有利であり、その結果として、平均的な生産品に関して補正されるべき変動はかなり小さくなる。
示される典型的な実施形態では、2枚の静止刃として構成された第1の切断手段55は、第1の切り込み56を入れるために設けられる。
図14aおよび図14bは、第1の切断手段55および胸位置合わせ板53をより詳細に示している。
図12aおよび図13によれば、胸皮の少なくとも一部は、位置合わせ後にたくし上げられる。これは、例えば、図12aに示されたスプリング付きアーム52上の歯状ブロックを使用して実行され得る。しかし、たくし上げ手段51は、全く異なる構成でもよく、例えば、粗いブラシまたは螺旋状たくし上げ手段によって形成してもよい。皮をたくし上げる利点は、皮剥用ロール54が、引き離されるべき皮をかなり良好につかむことである。この結果、特に、ドライおよび/またはハング生産品の場合に、皮剥処理は非常に確実になる。
胸皮は、たくし上げられた後に取り外される。これは、皮剥用ロール54が、胸皮を捕らえ胴体部1から引き離すように、胴体部1を、少なくとも一対の相互作用する皮剥用ロール54を通過させることによって達成される。処理中に、胸皮は、皮に入れられた第1の切り込み56で引き剥がれ、その結果として、背皮および手羽皮は、胴体部1に繋がったままの状態になる。
次に、胴体部1は、皮に第2の切り込み62を入れるように構成された第2の処理ユニットに対して正確かつ再現可能に位置合わせされる。上記の例では、この位置合わせは、生産品運搬装置2によって動かされる動作中のロールによって少なくとも部分的に実現される。
胴体部1は、第2の処理ユニットへ入るとき、搬送方向Tに対して決められた第1の向きになる。図15aに示された例では、この向きは、実質的に垂直に、かつ搬送方向Tに対して直角に向けられた胴体部1の長手軸を意味し、胴体部1の背側は下流側方向に向く。
第2の切断手段61は、背側の本体と手羽との間の繋ぎの領域で、皮に正確で再現可能な切り込みを入れる。第2の切り込み62が入れられているとき、胴体部1は、搬送方向に対して第1の向きから第2の向きへ動かされるので、湾曲した第2の切り込み62が形成される。図15a、図15b、図16、および図17に示された例では、第2の切断手段61は、二つの回転刃として構成される。
第2の向きの一例は図15bに示され、ここで、第2の向きにおいて、胴体部1の長手軸は、実質的に水平方向で搬送方向に対して平行になり、胴体部1の頚部開口は上流側方向を向く。
第1の向きから第2の向きへの変化は、図15aおよび図15bに示されている。図15bは、また、湾曲した第2の切り込み62を示す。
胸皮がたくし上げられた後、胸皮のたくし上げと同様にして、皮剥用ロール54が、背皮を捕らえ胴体部1から背皮を引き離すように、背皮は、胴体部1が少なくとも一対の相互作用する皮剥用ロール54を通過させられた結果として取り外される。背皮は、本体と手羽との間の第2の切り込み62で引き剥がれ、その結果として、手羽皮の所定の部分が、胴体部1に繋がれたままの状態で残される。
第1および第2の両方の切断手段61は、好ましくは、皮だけに切り込みを入れ、その下の肉と接触しないように調整される。その結果として、ささみは無傷の表面を維持する。
本発明の第5の態様は、胸側と背側の両方で、胸郭の少なくとも一部と、自然に付いている肉の一部とを含む胴体部の処理に関する。
また、本発明の第5の態様において、処理されるべき胴体部1は、上記のタイプの生産品運搬装置2に被せられ固定される。
背切断手段71は、胴体部1の背側で肉に二つの切り込みを入れる。これらの切り込みは、背骨の両側(または、背骨が取り外される前に存在していた胴体部1内の場所)に延び、実質的に背中と平行である。これは図18および図19に示されている。本例の場合、背切断手段71は回転刃として構成される。
削り取り手段72は、一方で背肉と肩肉との間の繋ぎが存在し、他方で胴体部1の本体の骨部分に依然として連結されている胸肉が存在するように、胴体部1の本体の骨部分から背肉および肩肉を離す。削り取り手段72は、背骨の両側に背切断手段71によって既に入れられた切り込みから削り取りを開始する。手羽関節切り込みも、例えば、鎌形手羽切刃24によって既に入れられている場合、削り取りは、好ましくは、背骨の両側に背切断手段71によって入れられた切り込み、および手羽関節切り込みの両方から始まる。
削り取り手段72は、好ましくは、弾性的に取り付けられ、好ましくは、手羽関節が通過させられた後に空気圧式に作動される。
図19に示された削り取り手段72と、削り取り手段の後に続くガイド板73は、胴体部1の本体の骨部分からある程度離れた場所で、削り取られた肉を保持するように形成される。その結果として、前記骨部分と、背肉および肩肉との間に空間が形成される。図19に示された例では、この空間は、小型の弾性的に取り付けられた刃74によって、肩甲骨の下に入れられた切り込みのため使用される。その結果として、付いている外皮は、肉と共により簡単に採取できる。
次に、胸肉は、例えば、本発明の第6の態様による方法および装置を使用して、胸肉が胴体部1の本体の骨部分から完全に取り外されたときに、胸肉、背肉、および肩肉が依然として繋がっているように、胴体部1の本体の骨部分から取り外される。
本発明の第6の態様は、胸郭の少なくとも一部と、自然に胸郭に付いている肉の部分と、少なくとも一方の手羽の部分とを含む胴体部の処理に関する。
また、本発明の第6の態様において、処理されるべき胴体部1は、上記のタイプの生産品運搬装置2に被せられ固定される。
胴体部1は、長手軸が、実質的に垂直方向になり、かつ生産品運搬装置2の搬送方向に対して直角な位置へ動かされ、付いている手羽または手羽部分91は、図20に示されるように、実質的に胴体部1の長手軸の向きに、下向きに吊される。この位置で、胴体部1は、本発明の第6の態様による装置へ送られる。
胴体部が装置に入るとき、垂れ下がる手羽または手羽部分91は、実質的に生産品運搬装置2の搬送方向に延びる水平方向手羽ガイド81の間に差し込まれる。
手羽または手羽部分91は、次に、突起部82によって保持され、その間に生産品運搬装置2は、胴体部1の本体の骨部分を前方へ運ぶ。突起部82は、同時に、付いている手羽または手羽部分91が、胴体部1に付いている肉に繋がったままの状態で、手羽の始まりの部分に予備的な切り込みを入れる。
突起部82は手羽または手羽部分91を保持し、生産品運搬装置2は胴体部1の本体の骨部分を搬送方向Tに沿って前方へ運ぶので、付いている手羽または手羽部分91と胴体部1の本体の骨部分との間の距離は増加する。生産品運搬装置2は、更に、前記距離が更に増加するように回転させられる。
上記距離の増加によって、手羽または手羽部分91に力が加えられる。その結果として、胸肉、背肉、肩肉、および可能であれば最上級の肉を含むささみ90と、付いている手羽または手羽部分91とは、胴体の本体の骨部分から一緒に引き離される。内側ささみ(「2番目のささみ」)は、人手によってまたは自動的に、簡単に採取できるような状態で胴体部1の本体の骨部分の後側に残される。
駆動装置83は、ささみ90と、下向きに付いている手羽または手羽部分91とを含む引き剥がされた集合物を、本発明の第6の態様による装置において、胴体部の処理が始まる高さよりも低いレベルに配置された分離手段84へ向けて運ぶ(図20にXによって示されている)。
分離手段84は、付いている手羽または手羽部分91をささみ90から分離し、その後、手羽または手羽部分91およびささみ90は、送出ベルト85によって装置から降ろされる。
本発明の様々な態様による装置は、好ましくは、生産品運搬装置が沿って動くパスに沿って配置される。必ずしも説明された全ての装置を組み合わせて使用しなくてもよい。1台以上の処理装置を迂回することを可能にさせる態様を与えることも可能である。
上記の装置は、自立型機械として構成することも可能であり、即ち、胴体部を様々の処理装置を通過させて案内する頭上のコンベヤ、またはその他のタイプのコンベヤと組み合わせないことも可能である。
生産品運搬装置を、上述の全ての処理作業に対するパスに関して複数の平面内で旋回可能にさせることも必要ではない。場合によっては、生産品運搬装置を、一つの平面内で旋回可能にするだけで十分であり、または、固定式生産品運搬装置を使用することも可能である。
長手方向(即ち、実質的に、背骨および/または胸骨の方向に)の中間で、胴体部を分割する処理装置が、胴体部の通過するパスに沿って組み込まれる。また、上記のような処理装置は、このようにして作成された半分の胴体部に処理作業を実行してもよい。また、処理装置は、このタイプの半分の胴体部を処理し、生産運搬装置の片側だけで処理作業を実行するように完全に構成されてもよい。
首皮および/または餌袋脂の残りの部分を取り外す処理装置を、胴体部の通過するパスに沿って組み込んでもよい。このタイプの装置は図22に示されている。
胴体部1の一部(例えば、スープパケットのための背断片など)を切り離す処理装置が、胴体部の通過するパスに沿って組み込まれる。生産品運搬装置2の形状は、好ましくは、応じて調整されるので、胴体部1の一部を切り離す刃は、生産品運搬装置2を破損しないようにすることができる。このタイプの装置は図26に示されている。
胴体部1が本発明の第6の態様による装置を通過させられた後、胴体部1の本体の骨部分に残った2番目のささみを採取する処理装置は、胴体部が通過するパスに沿って組み込まれる。これは、好ましくは、欧州特許第0695506号明細書に記載され、図23、図24、および図25に示された方法で実行される。この方法は、2番目のささみおよび一体になった外皮を切り離し、それらを胸骨に沿って細長く切り、2番目のささみを剥がす(それぞれ、図23のステップI、II、およびIIIを参照のこと)。2番目のささみは、人手で採取してもよく(図24を参照のこと)、或いは、自動的に採取してもよい(図25を参照のこと。)。人手による採取は、採取中に、胴体部1に残っている肉の最終的な検査を行うことができるので有利である。
好ましくは、生産品運搬装置2はチェーンコンベヤによってそのパスに沿って前進させられ、生産品運搬装置2は常にチェーンコンベヤの下に置かれる。
好ましくは、生産品運搬装置2は、各個の処理ステップを実行するため使用される装置に対して最適な向きに旋回させられる。
したがって、請求項1から12のうちいずれかに記載の方法、および請求項13から20のうちいずれかに記載の装置に加えて、本発明は、第2の態様において、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉と、頚部開口と、叉骨の部分とを含む、屠殺された家禽の胴体部を処理する方法に係わり、この方法は、
パスに沿って移動可能であり、かつ胴体部の内部を係止する生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
付いている叉骨または叉骨の一部を収容する凹部を含み、叉骨の二つのリムの間、または全叉骨が付いているならば、これらのリムが付いている場所の間に配置されたブロックを、胴体部の頚部開口を介して、胴体部の内部に移動するステップと、
刃先を含み、輪郭が完全な叉骨の外形と実質的に対応している第1の叉骨刃を、ブロックの一方の側に沿って、差し込むことにより、胴体部の背側に面する側で、付いている叉骨または叉骨の一部を胴体部から切り離すステップと、
完全な叉骨の外形を実質的に倣う第2の叉骨刃を、好ましくは、第1の叉骨刃に対して実質的に垂直に、ブロックに沿ってどちらかの側で胴体部に差し込み、かつ付いている叉骨または叉骨の一部が、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃の間に囲まれるように、付いている叉骨または叉骨の一部を胴体部から切り離すステップと、
付いている叉骨または叉骨の一部が、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃の間に囲まれた状態を保ち、胴体部から取り外されるように、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃を胴体部から一体的に取り出すステップとを有する。
好ましくは、本発明の第2の態様による方法は、更に、請求項1に記載されている手羽関節位置合わせ面が設けられている第1の叉骨刃が使用されることを特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による方法は、更に、少なくとも部分的に完全な叉骨の外形よりも幅の広い第1の叉骨刃が使用されることを特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による方法は、更に、手羽表面の直ぐ近くまで切断するように構成されている第1の叉骨刃が使用されることを特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による方法は、更に、付いている叉骨または叉骨の一部が胴体部から取り外された後、付いている叉骨または叉骨の一部をブロックから除去するため圧縮空気が使用されることを特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による方法は、更に、第1の叉骨刃が差し込まれる前に、頚部開口が不要物を取り除かれ、またはより一般的には、頚部開口は、付いている叉骨または叉骨の一部に作業を実行する前に、不要物が取り除かれることを特徴とする。「頚部開口からの邪魔なものの除去」からは、皮、餌袋脂、および/またはその他の組織の除去が、理解されるべきである。
本発明の第2の態様は、屠殺された家禽の胴体部を処理する装置に関し、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、胸郭に自然に付いている肉と、頚部開口と、叉骨の部分とを含み、胴体部は内部を有し、この装置は、
パスに沿って動くように構成され、好ましくは、このパスに関して複数の平面内で旋回可能であり、胴体部の内部を係止するように構成され、かつ胴体部を支持し保持する生産品運搬装置と、
叉骨の2本のリムの間に置かれるまで、または叉骨の全体が付いていた場合にこれらのリムが存在したであろう場所の間に置かれるまで、頚部開口を通って胴体部へ移動させられるように構成され、付いている叉骨または叉骨の一部を受ける凹部を有するブロックとを含む装置であって、前記装置はさらに、
ブロックの一方の側に沿って胴体部へ差し込まれるように構成され、付いている叉骨または叉骨の一部を、胴体部の背側に面する側の胴体部から切り離すため、完全な叉骨の外形に実質的に対応する輪郭をもつ刃先を有する第1の叉骨刃と、
好ましくは、第1の叉骨刃に対して実質的に直角に、ブロックのいずれかの側に沿って胴体部へ導入されるように構成される少なくとも2個の第2の叉骨刃とを有することを特徴とし、該第2の叉骨刃は、完全な叉骨の外形を実質的に倣い、付いている叉骨または叉骨の一部が、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃の間に囲まれるような形で、付いている叉骨または叉骨の一部を胴体部から切り離すように構成され、前記装置は、
付いている叉骨または叉骨の一部が、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃の間に囲まれた状態を保つような形で、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃を胴体部から一体的に引き出すように構成され、その結果として、付いている叉骨または叉骨の一部は、ブロック、第1の叉骨刃、および第2の叉骨刃を用いて胴体部から一体的に取り外されることを特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による装置は、第1の叉骨刃が、請求項1に記載された手羽関節位置合わせ面を有することを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による装置は、第1の叉骨刃が、少なくとも部分的に完全な叉骨の外形よりも幅広くされていることを特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による装置は、第1の叉骨刃が、できる限り手羽表面の直ぐ近くを切断するように構成されることを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による装置は、付いている叉骨または叉骨の一部をブロックから取り外す圧縮空気手段を有することを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第2の態様による装置は、第1の叉骨刃が差し込まれる前に、頚部開口から邪魔なものを除去する手段、またはより一般的には、付いている叉骨または叉骨の一部に対する作業を実行する前に、頚部開口から邪魔なものを除去する手段を有することを更に特徴とする。「頚部開口からの邪魔なものの除去」からは、皮、餌袋脂、および/またはその他の組織の除去が、理解されるべきである。
好ましくは、本発明の第2の態様による装置は、タレット型機械に収容されることを更に特徴とする。
本発明の第2の態様は、本発明の第2の態様による装置での使用に適したブロックに更に関係する。
第3の態様によれば、本発明は、屠殺された家禽の胴体部を処理する方法に関係し、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉と、皮の部分とを含み、胴体部は内部を有し、この方法は、
パスに沿って移動可能であり、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、かつ胴体部の内部を係止するように構成された生産品運搬装置に、胴体部を被せ固定するステップと、
胴体部を第1の処理ユニットに対して位置合わせするステップと、
皮剥用ロールが、取り外されるべき皮を捕らえ、かつ皮を胴体部から引き離すように、皮剥されるべき胴体部の一部が皮剥用ロールに押し付けられる相互作用し弾性的に取り付けられた少なくとも2対の皮剥用ロールに、胴体部を通過させることにより、皮を取り外すステップとを有し、少なくとも2対の皮剥用ロールは、胴体部の輪郭に合うように相互に位置合わせされる。
好ましくは、本発明の第3の態様による方法は、背皮と胸皮の両方が胴体部に付いていること、および、胸皮は、背皮が取り外される前に取り外されることを更に特徴とする。
適当な運搬装置に載せられ、背皮と胸皮の両方が付いている胴体部を、このようにして処理する間に、背皮の取り外し前の胸皮の取り外しは、皮剥用ロールを用いて、または、削り取り手段とロールの組み合わせを用いて実行する方が有利であり、ロールは、胸骨の長手方向と平行に、または、それに対して直角に向けられる。
第3の態様は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉と、皮の部分とを有する屠殺された家禽の胴体部を処理する装置に関し、胴体部は内部を有し、この装置は、
パスに沿って動くように構成され、好ましくは、このパスに関して複数の平面内で旋回可能であり、胴体部の内部を係止するように構成され、胴体部を正確に位置合わせするように構成され、かつ胴体部を支持し保持する生産品運搬装置と、
生産品運搬装置に載せられた胴体部が通過するときに、皮剥される胴体部の一部が押し付けられ、取り外されるべき皮を捕らえ、皮を胴体部から引き離す少なくとも二対の相互作用する皮剥用ロールとを含む装置であって、
皮剥用ロールが弾性的に配置されていること、および皮剥用ロールの相対的な位置合わせが予想される胴体部の輪郭に合わされることを特徴とする。
好ましくは、第3の態様による装置は、背皮を取り外す前に胸皮を取り外すように構成される。皮の取り外しは、皮剥用ロールを用いて、または削り取り手段とロールの組み合わせを用いて実行する方が有利であり、ロールは、胸骨の長手方向と平行に、または、それに対して直角に向けられる。
第4の態様によれば、本発明は、屠殺された家禽の胴体部を処理する方法に関し、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉の部分と、少なくとも一つの手羽と、背皮、胸皮、および手羽皮の部分とを含み、胴体部は内部を有し、この方法は、
搬送方向にパスに沿って移動可能であり、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、かつ好ましくは、胴体部の内部を係止するように構成された生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
第1の処理ユニットに対して胴体部を位置合わせするステップと、
胴体部上の第1の切り込みが、生産品のサイズとは無関係に、胴体部で事実上同じ位置に設けられるように、胸側で、本体と手羽との間を連結する領域の皮に第1の切り込みを入れるステップと、
皮剥用ロールが胸皮を捕らえ、胸皮を胴体部から引き離し、胸皮が皮に入れられた第1の切り込みで引き剥がされ、その結果として、背皮と手羽の皮が胴体部に繋がったままにされるように、少なくとも一対の相互作用する皮剥用ロールに胴体部を通過させることにより、胸皮を取り外すステップと、
第2の処理ユニットに対して胴体部を位置合わせし、胴体部を搬送方向に対して第1の向きに置くステップと、
胴体部が、切り込み作業中に、搬送方向に対して第1の向きから第2の向きへ動かされ、その結果として、曲線状の第2の切り込みが形成されるように、背側で、本体と手羽との間を連結する領域の皮に切り込みを入れるステップと、
皮剥用ロールが背皮を捕らえ、背皮を胴体部から引き離し、背皮が本体と手羽との間の第2の切り込みで引き剥がされ、その結果として、手羽の皮の所定の部分が胴体部に繋がったままにされるように、少なくとも一対の相互作用する皮剥用ロールに胴体部を通過させることにより、背皮を取り外すステップとを有する。
本発明の第4の態様による方法では、胴体部の内部を係止する生産品運搬装置を使用することは不可欠ではない。また、胴体部の外部を係止する運搬装置を使用することも考えられる。
好ましくは、本発明の第4の態様による方法は、第1の向きで、胴体部の長手軸が、実質的に垂直に、かつ搬送方向に対して直角に向けられ、その背側は下流側方向に向けられることを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第4の態様による方法は、第2の向きで、胴体部の長手軸が、実質的に水平に、かつ搬送方向に対して平行に向けられ、胴体部の頚部開口は上流側方向に向けられることを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第4の態様による方法は、皮に切り込みが入れられるときに皮の下にある肉が無傷の状態で保たれるように、第1の切り込みおよび第2の切り込みの深さが選択されることを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第4の態様による方法は、第1の切り込みが入れられる前に、胸肉が、胴体部内の第1の切り込みが入れられた場所から押しのけられることを更に特徴とする。
更に、第4の態様は、屠殺された家禽の胴体部を処理する装置に関し、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉の部分と、少なくとも一つの手羽と、背皮、胸皮、および手羽皮の部分とを含み、胴体部は内部を有し、この装置は、
パスに沿って移動するように構成され、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、好ましくは、胴体部の内部を係止するように適合し、胴体部を正確に位置合わせするように構成され、かつ胴体部を支持し保持する生産品運搬装置と、
胸側で本体と手羽との間を繋ぐ領域の皮に、第1の切り込みを入れる第1の切断手段と、
生産品運搬装置上にある胴体部が通過するとき、胸皮を捕らえ、胸皮を胴体部から引き離し、胸皮は、皮に入れられた第1の切り込みで引き剥がれ、その結果として、背皮および手羽皮が胴体部に繋がったままの状態にされるようにする、少なくとも一対の第1の相互作用する皮剥用ロールと、
背側で本体と手羽の間を繋ぐ領域の皮に、第2の切り込みを入れる第2の切断手段と、
生産品運搬装置上にある胴体部が通過するとき、背皮を捕らえ、背皮を胴体部から引き離し、背皮は皮に入れられた第2の切り込みで引き剥がれ、その結果として、背皮の所定の部分が、付いている一つ以上の手羽または手羽部分に、付いたままの状態にされるようにする、少なくとも一対の第2の相互作用する皮剥用ロールとを有し、
生産品運搬装置および第1の切断手段は、生産品のサイズとは無関係に、第1の切り込みを各生産品の胴体部のほぼ同じ位置に設けるため相互作用するように構成されることと、
生産品運搬装置および第2の切断手段は、生産品のサイズとは無関係に、第2の切り込みを各生産品の胴体部のほぼ同じ位置に設けるため相互作用するように構成され、生産品運搬装置は、第2の切断手段が通過するとき、正確に成形された曲線状の第2の切り込みが形成されるように移動することとを特徴とする。
好ましくは、本発明の第4の態様による装置は、皮に切り込みが入れられたとき、皮の下にある肉が無傷のままの状態を保つように、第1および/または第2の切断手段の切り込みの深さが調整可能であることを更に特徴とする。好ましくは、これは、切断手段が胴体部に深く切り込みを入れることを防止する保持装置を、切断手段に隣接させて取り付けることによって実現される。切断手段が回転ナイフである場合、保持手段は、好ましくは、円板である。この円板は、回転ナイフと向かい合う側に、回転ナイフの径よりも多少とも小さい径を有する。回転ナイフから更に遠い場所で、円板の径は、好ましくは回転ナイフの径と同じである。
好ましくは、本発明の第4の態様による装置は、第1の切り込みが入れられる前に、第1の切り込みが入れられる胴体部の場所から胸肉を押しのける手段を有することを更に特徴とする。
第5の態様によれば、本発明は、屠殺された家禽の胴体部を処理する方法に関し、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、胸側と背側の両方で前記胸郭に自然に付いている肉とを含み、胴体部は内部を有し、この方法は、
パスに沿って移動可能であり、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、かつ胴体部の内部を係止する生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
背側、または背骨が取り外される前に背骨が付いていた胴体部の中の場所の側に延び、実質的にそれらに対して平行に延びる二つの切り込みを、胴体部の背側の肉に入れるステップと、
一方で背肉と肩肉の間の繋ぎが残り、他方で胴体部の本体の骨部分に繋がったままの胸肉が残り、背肉および肩肉が既に背骨の両側に入れられた切り込みから削り取りを始める削り取り手段の使用によって取り外されるように、背肉および肩肉を胴体部の本体の骨部分から外すステップと、
胸肉、背肉、および肩肉が、胴体部の本体の骨部分から完全に取り外されたときに、胸肉、背肉、および肩肉が一つに繋がっているように、胴体部の本体の骨部分から胸肉を取り外すステップとを有する。
好ましくは、本発明の第5の態様による方法は、削り取り手段が、弾性的に配置されていることを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第5の態様による方法は、背骨に沿った切り込みが、回転刃を使用して入れられることを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第5の態様による方法は、背肉および肩肉が、胴体部の本体の骨部分から取り外された後、肩甲骨の下に切り込みが入れられ、肋骨に付いている実質的に全ての肉が採取されることを更に特徴とする。
第5の態様は、屠殺された家禽の胴体部を処理する装置にも関係し、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、胸側と背側の両方で前記胸郭に自然に付いている肉とを含み、胴体部は内部を有し、この装置は、
パスに沿って移動するように構成され、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、胴体部の内部を係止するように構成され、胴体部を位置合わせするように構成され、かつ胴体部を支持し保持する生産品運搬装置と、
背側、または背骨が取り外される前に背骨が付いていた胴体部の中の場所の側に延び、実質的にそれらに対して平行に延びる二つの切り込みを、胴体部の背側の肉に入れる切断手段と、
既に背骨の両側に入れられた切り込みから背肉および肩肉の削り取りを始める、背肉および肩肉を胴体部の本体の骨部分から外す削り取り手段と、
胴体部の本体の骨部分から胸肉を取り外す手段とを有し、
削り取り手段は、胴体部の本体の骨部分から背肉および肩肉を取り外す間に、一方で、背肉と肩肉の間に繋ぎが残り、他方で、胴体部の本体の骨部分に繋がったままの胸肉が残るように構成されることと、
胴体部の本体の骨部分から胸肉を取り外す手段は、胸肉、背肉、および肩肉が、胴体部の本体の骨部分から完全に取り外されたときに、繋がったままの状態になるように構成されることとを特徴とする。
好ましくは、本発明の第5の態様による装置は、削り取り手段が、弾性的に配置されていることを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第5の態様による装置は、切断手段が、回転刃であることを更に特徴とする。
好ましくは、本発明の第5の態様による装置は、胴体部の本体の骨部分から背肉および肩肉が取り外された後、肩甲骨の下に切り込みが入れられ、肋骨に付いた実質的に全ての肉が採取されることを更に特徴とする。
本発明の第6の態様は、屠殺された家禽の胴体部を処理する方法に関係し、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉の部分と、少なくとも一方の手羽の部分とを含み、胴体部は内部を有し、この方法は、
パスに沿って移動可能であり、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、かつ胴体部の内部を係止するように構成された生産品運搬装置に、胴体部を被せて固定するステップと、
胴体部の長手軸が、実質的に垂直に、かつ生産品運搬装置の搬送方向に対して直角に位置し、付いている手羽または手羽部分が、実質的に胴体部の長手軸の方向に下向きに垂れ下がるように、胴体部を位置合わせするステップと、
垂れ下がっている手羽または手羽部分を、生産品運搬装置の搬送方向に実質的に延びる水平ガイドの間に差し込むステップと、
付いている手羽または手羽部分が、胴体部に付いている胸肉に繋がった状態を維持するように、生産品運搬装置が胴体部の本体の骨部分を前方へ搬送し、同時に第1の切り込みが手羽の始まりの場所へ入れられる間に、付いている手羽または手羽部分をそのままにしておくステップと、
胸肉、背肉、肩肉、および可能であれば最上級の肉を含むささみと、付いている手羽または手羽部分とが、胴体の本体の骨部分から一緒に引き離されるように、付いている手羽または手羽部分に力を加えることにより、付いている手羽または手羽部分と胴体部の本体の骨部分との間の距離を増加させるステップと、
ささみと、付いている手羽または手羽部分とにより構成された組を、下向きに搬送するステップと、
生産品の処理が始まる高さよりも低い位置で、ささみと、付いている手羽または手羽部分とを切り離すステップと、
生産品の処理が始まる高さよりも低い場所で、ささみと手羽を降ろすステップとを有する。
第6の態様は、更に、屠殺された家禽の胴体部を処理する装置に関し、胴体部は、胸郭の少なくとも一部と、前記胸郭に自然に付いている肉の部分と、少なくとも一方の手羽の部分と、を含み、胴体部は内部を有し、この装置は、
パスに沿って移動するように構成され、好ましくは、このパスに対して複数の平面内で旋回可能であり、胴体部の内部を係止するように構成され、かつ胴体部を支持し保持する生産品運搬装置と、
実質的に生産品運搬装置の搬送方向に延び、付いている手羽または手羽部分を案内するための実質的に水平方向のガイドと、
生産品運搬装置が、胴体部の本体の骨部分を前方へ搬送する間に、付いている手羽または手羽部分を保持する保持手段と、
付いている手羽または手羽部分が、胴体部に付いている胸肉に繋がった状態を保つように、手羽または手羽部分が保持されるのと同時に、手羽の始まりの場所へ第1の切り込みを入れる第1の切断手段と、
胸肉、背肉、肩肉、および可能であれば最上級の肉を含むささみと、付いている手羽または手羽部分とが、胴体の本体の骨部分から一緒に引き離されるように、付いている手羽または手羽部分に力を加えることにより、付いている手羽または手羽部分と胴体部の本体の骨部分との間の距離を増加させ、かつささみと付いている手羽または手羽部分とにより構成される集合体を搬送する駆動部と、
ささみと、付いている手羽または手羽部分とを相互に分ける分離手段と、
装置から、ささみと手羽または手羽部分とを降ろす送出手段とを有し、
生産品運搬装置は、差し込み中に、胴体部の長手軸が、実質的に垂直に、かつ生産品運搬装置の搬送方向に対して実質的に直角になり、付いている手羽または手羽部分が、実質的に胴体部の長手軸の方向へ垂れ下がるように、胴体部を位置合わせするように構成されることと、
分離手段および送出手段の両方は、生産品運搬装置が入るときに置かれるレベルよりも低いレベルに置かれることとを特徴とする。
上記の全ての方法は、好ましくは、胴体部が生産品運搬装置に被せられ固定された後に、付いている手羽部分が引き伸ばされることを更に特徴とする。
上記の全ての方法は、好ましくは、首皮および/または餌袋脂の残りの部分が取り外されることを更に特徴とする。
上記の全ての方法は、好ましくは、生産品運搬装置が、チェーンコンベヤによってそのパスに沿って進められ、この生産品運搬装置が常にチェーンコンベヤの下側に置かれることを更に特徴とする。
上記の全ての方法は、好ましくは、生産品運搬装置が、処理ステップが実行される装置に対して、処理ステップ毎に最適な向きへ旋回されることを更に特徴とする。
1 胴体部
2 生産品運搬装置
3 固定手段
4 係止面
21 手羽関節位置合わせ部材
21’ 刃先
22 手羽関節位置合わせ面
23 加圧手段
24 手羽切刃
25 面
31 第2の叉骨刃
32 切り込み面
41ab、42ab 皮剥用ロール
51 たくし上げ手段
52 スプリング付きアーム
53 胸位置合わせ板
54 皮剥用ロール
55 第1の切断手段
56 第1の切り込み
61 第2の切断手段
62 第2の切り込み
71 背切断手段
72 削り取り手段
73 ガイド板
74 刃
81 水平方向手羽ガイド
82 突起部
83 駆動装置
84 分離手段
85 送出ベルト
90 ささみ
91 手羽部分
92 突起部
A、B 矢印
T パスの方向

Claims (14)

  1. 屠殺された家禽の胴体部を処理する方法であって、
    前記胴体部が、胸郭の少なくとも一部と、胸側と背側の両方で前記胸郭に自然に付いている肉とを含み、前記胴体部が内部を有し、前記方法が、
    パスに沿って移動可能であり、かつ前記胴体部の前記内部を係止する生産品運搬装置に、前記胴体部を被せて固定するステップと、
    背骨側、または前記背骨が取り外される前に前記背骨が付いていた前記胴体部の場所に延び、かつ実質的に前記背骨または前記場所に対して平行に延びる二つの切り込みを、前記胴体部の背側の肉に入れるステップと、
    一方で背肉と肩肉との間の繋ぎが残り、他方で前記胴体部の本体の骨部分に繋がったままの胸肉が残り、前記背肉および前記肩肉が、既に背骨の両側に入れられた前記切り込みから削り取りを始める削り取り手段の使用によって取り外されるように、前記背肉および前記肩肉を前記胴体部の本体の骨部分から外すステップと、
    前記胸肉、前記背肉、および前記肩肉が、前記胴体部の本体の骨部分から完全に取り外されたときに、前記胸肉、前記背肉、および前記肩肉が一つに繋がっているように、前記胴体部の本体の骨部分から前記胸肉を取り外すステップとを有する、方法。
  2. 前記削り取り手段が、弾性的に取り付けられることをさらに特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記背骨に沿った前記切り込みが、回転刃を使用して入れられることをさらに特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記胴体部の本体の骨部分から前記背肉および前記肩肉が取り外された後、肩甲骨の下に切り込みが入れられ、肋骨に付いた実質的に全ての肉が採取されることをさらに特徴とする、請求項1から3のいずれか一項の記載の方法。
  5. 屠殺された家禽の胴体部を処理する処理装置であって、
    前記胴体部が、胸郭の少なくとも一部と、胸側と背側の両方で前記胸郭に自然に付いている肉とを含み、前記胴体部が内部を有し、前記処理装置が、
    前記胴体部を支持しかつ保持する生産品運搬装置を具備し、前記生産品運搬装置は、パスに沿って移動するように構成され、前記生産品運搬装置が、前記胴体部の内部を係止するように構成され、かつ前記胴体部を位置合わせするように構成され、前記処理装置がさらに、
    背骨側、または背骨が取り外される前に前記背骨が付いていた前記胴体部の場所に延び、かつ実質的に前記背骨または前記場所に対して平行に延びる二つの切り込みを、前記胴体部の背側の肉に入れる切断手段と、
    既に前記背骨の両側に入れられた切り込みから前記背肉および前記肩肉の削り取りを始める、前記背肉および前記肩肉を前記胴体部の本体の骨部分から外す削り取り手段と、
    前記胴体部の本体の骨部分から胸肉を取り外す手段とを具備し、
    前記削り取り手段が、前記胴体部の本体の骨部分から前記背肉および前記肩肉を取り外す間に、一方で、前記背肉と前記肩肉との間に繋ぎが残り、他方で、前記胴体部の本体の骨部分に繋がったままの胸肉が残るように構成されることと、
    前記胴体部の本体の骨部分から胸肉を取り外す手段は、前記胸肉、前記背肉、および前記肩肉が、前記胴体部の本体の骨部分から完全に取り外されたときに、前記胸肉、前記背肉、および前記肩肉が、繋がったままの状態になるように構成されることとを特徴とする、処理装置。
  6. 前記削り取り手段が、弾性的に取り付けられることをさらに特徴とする、請求項5に記載の処理装置。
  7. 前記切断手段が、回転刃であることをさらに特徴とする、請求項5または6に記載の処理装置。
  8. 前記胴体部の本体の骨部分から前記背肉および前記肩肉が取り外された後、肩甲骨の下に切り込みが入れられ、肋骨に付いた実質的に全ての肉が採取されることをさらに特徴とする、請求項5から7のいずれか一項の記載の処理装置。
  9. 前記生産品運搬装置が、前記パスに対して複数の平面内で旋回可能である、請求項5に記載の処理装置。
  10. 前記胴体部が生産品運搬装置に被せて固定された後、付いている手羽部分が、引き伸ばされることをさらに特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  11. 残る首皮および/または餌袋脂が取り外されることをさらに特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記生産品運搬装置が、チェーンコンベヤによってパスに沿って前方へ進められ、前記生産品運搬装置が、常に前記チェーンコンベヤの下側に配置されることをさらに特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記生産品運搬装置が、処理ステップが実行される処理装置に対して、処理ステップ毎に最適な向きへ旋回されることをさらに特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記生産品運搬装置が、前記パスに対して複数の平面内で旋回可能である、請求項1に記載の方法。
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