以下に、図1を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置100について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、たとえば、タンデム方式のカラー複合機であり、コピー、プリント、スキャナおよびファックスなどの複数種のジョブを実行することができる。そして、これら複数種のジョブを実行するため、画像形成装置100は、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などを備える。
操作パネル101は、表示制御装置として機能し、たとえば、図1中の破線で示された箇所に配置される。この操作パネル101には、図2に示すように、液晶表示部11(表示部に相当)が設けられている。液晶表示部11には、各種設定などを行うためのメニューおよびソフトキーが表示されるとともに、装置状態などを示すメッセージも表示される。そして、ユーザーは、液晶表示部11に表示されたソフトキーを押下することで、各種設定などを行うことができる。なお、液晶表示部11は、その表示面がタッチパネルで覆われた形態をとる。これにより、液晶表示部11に表示されたソフトキーがユーザーによって押下されたとき(タッチパネルが押下されたとき)、タッチパネルの出力に基づいて押下位置の座標を検出できるようになっている。
また、操作パネル101には、テンキー12やスタートキー13などのハードキーが設けられている。テンキー12は、数値入力が必要な設定指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。スタートキー13は、各種ジョブの実行開始の指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。
さらに、操作パネル101には、コピーキー14、送信キー15およびボックスキー16などのハードキーも設けられている。そして、コピーキー14がユーザーによって押下されると、コピーを利用する上で必要なソフトキーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。送信キー15がユーザーによって押下されると、スキャナおよびファックスを利用する上で必要なソフトキーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。ボックスキー16がユーザーによって押下されると、ボックスを利用する上で必要なソフトキーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。なお、ボックスというのは、ボックスと呼ばれる所定の保存領域(たとえば、後述する記憶部113に設けられたフォルダ)に画像データなどを保存しておくジョブである。
図1に戻って、画像読取部102は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。この画像読取部102は、コンタクトガラス21に載置される原稿にビームを照射し、その原稿の反射ビームを受けたイメージセンサーの各画素の出力値をA/D変換することにより、画像データを生成する。これにより、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー)。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを蓄積することもできる(スキャナ)。なお、画像読取部102による原稿の読み取り時には、コンタクトガラス21に載置された原稿を原稿カバー22で押えることができる。
給紙部103は、記録媒体としての用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを搬送路104に供給する。また、この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33などが設けられている。
搬送路104は、装置内部において用紙Pを搬送するものである。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、搬送路104によって、中間転写部106および定着部107をこの順番で通過して排出トレイ109に導かれる。この搬送路104には、用紙Pを中間転写部106の手前で待機させ、タイミングを合わせて中間転写部106に送り出すレジストローラー対41などが設けられている。
画像形成部105は、画像データに基づいてトナー像を形成するものであって、4色分の画像形成部50(ブラックのトナー像を形成する画像形成部50Bk、イエローのトナー像を形成する画像形成部50Y、シアンのトナー像を形成する画像形成部50C、および、マゼンダのトナー像を形成する画像形成部50M)と、露光装置5とを備えている。なお、画像形成部50Bk、50Y、50Cおよび50Mは、互いに異なる色のトナー像を形成するが、いずれも基本的に同様の構成である。したがって、以下の説明では、各色を表す符号(Bk、Y、CおよびM)を省略する。
各画像形成部50のそれぞれは、図3に示すように、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3および清掃装置4を含んでいる。
各感光体ドラム1は、外周面にトナー像を担持するものであって、外周面に感光層を有するとともに、周方向に回転可能に支持されている。各帯電装置2は、対応する感光体ドラム1を一定の電位で帯電させる。各現像装置3は、対応する色の現像剤を収容し、対応する感光体ドラム1にトナーを供給する。各清掃装置4は、対応する感光体ドラム1の清掃を行う。そして、各感光体ドラム1の外周面は、露光装置5によって露光される。これにより、各感光体ドラム1の外周面に静電潜像が形成される。
露光装置5は、図示しないが、半導体レーザー素子、ポリゴンミラー、ポリゴンモーター、Fθレンズおよび反射ミラーなどを含む。なお、これら露光装置5の構成部材は、各色の画像形成部50に対して1セットずつ設けられていてもよい。あるいは、半導体レーザー素子、Fθレンズおよび反射ミラーのみを各色の画像形成部50に対して1セットずつ設け、ポリゴンミラーおよびポリゴンモーターについては2色分(または、4色分)の画像形成部50で共用してもよい。
図1に戻って、中間転写部106は、画像形成部105からトナー像の1次転写を受けた後、用紙Pに2次転写を行う。中間転写部106は、中間転写ベルト61と、各画像形成部50にそれぞれ割り当てられた1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mとを少なくとも含んでいる。1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mは、対応する画像形成部50(具体的には、感光体ドラム1)との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
また、中間転写部106は、駆動ローラー63および従動ローラー64も含んでいる。そして、駆動ローラー63および従動ローラー64は、1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mと共に、中間転写ベルト61を張架している。このため、駆動ローラー63が回転駆動すると、中間転写ベルト61が循環移動する。
さらに、中間転写部106は、2次転写ローラー65も含んでいる。この2次転写ローラー65は、駆動ローラー63との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
そして、各画像形成部50で形成されたトナー像は、転写用電圧が印加された1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mにより、順次、ずれなく重畳して中間転写ベルト61に1次転写される。すなわち、中間転写ベルト61にフルカラートナー像が転写される。その後、中間転写ベルト61に1次転写されたトナー像は、転写用電圧が印加された2次転写ローラー65により、用紙Pに2次転写される。
また、中間転写部106は、ベルト清掃装置66も含んでいる。そして、このベルト清掃装置66によって、中間転写ベルト61から用紙Pへのトナー像の2次転写の後、中間転写ベルト61の清掃が行われる。
定着部107は、用紙Pに2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させるものである。この定着部107は、発熱源を内蔵する定着ローラー71と、定着ローラー71に圧接される加圧ローラー72とを含んでいる。そして、トナー像が2次転写された用紙Pは、定着ローラー71と加圧ローラー72との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着される。
そして、用紙Pは、定着部107を通過した後、排出トレイ109に排出される。これによって、画像形成処理が完了する。
また、両面搬送路108は、両面印刷を可能とするものである。この両面搬送路108は、定着ローラー71および加圧ローラー72の下流側おいて搬送路104と分岐し、レジストローラー対41の上流側において搬送路104と合流している。そして、両面搬送路108には、搬送路104との分岐点に配置された切替爪81、排出トレイ109に繋がる排出口109aに配置されているとともに正逆回転の切り換えが可能な排出ローラー対82、および、用紙Pを搬送する搬送ローラー対83などが設けられている。
両面印刷を行う場合、切替爪81は、両面搬送路108を閉じるポジションとなり、定着部107から送られた用紙Pを排出トレイ109に導く。また、排出ローラー対82は、ひとまず正回転して用紙Pの一部分を排出トレイ109に排出する。この後、排出ローラー対82は、用紙Pが排出ローラー対82を通過しきる前に逆回転する。このとき、切替爪81は、両面搬送路108を開く方向に回動する。これにより、片面印刷された用紙Pは、両面搬送路108に導かれる。
両面搬送路108に導かれた用紙Pは、搬送ローラー対83により搬送され、レジストローラー対41の上流側に至る。そして、再び、中間転写部106から定着部107へと送られる。このときには、用紙Pの表裏が逆転しているので、用紙Pの裏面(未印刷面)に対して、2次転写処理および定着処理がなされる。そして、両面印刷が終わった用紙Pは、排出トレイ109に排出される。
次に、図4を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
画像形成装置100は、主制御部110を有する。この主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111や画像処理部112などを含む。また、主制御部110は、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などと接続されている。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータに基づき、各部の制御や演算などを行う。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモーターのオン/オフを制御するエンジン制御部とに分割されていてもよい。
記憶部113は、ROM113a、RAM113bおよびHDD113cなどの揮発性の記憶装置と不揮発性の記憶装置とを含む。そして、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータは、ROM113aに記憶され、RAM113bに展開される。
記憶部113に記憶されるプログラムとしては、複数種のジョブをそれぞれ実行するための複数のアプリケーションプログラムがあり、たとえば、コピーを実行するためのコピーアプリ、プリントを実行するためのプリントアプリ、スキャナを実行するためのスキャナアプリ、ファックスを実行するためのファックスアプリ、および、ボックスを実行するためのボックスアプリなどが挙げられる。なお、これら基本的なジョブに対応したアプリ以外の種々のアプリなどが記憶されていてもよい。
また、主制御部110は、通信部114と接続される。通信部114は、たとえば、外部のコンピューター200とネットワーク(あるいは、ケーブル)を介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができる(プリント)。さらに、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる(スキャナ)。さらに、たとえば、通信部114にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる(ファックス)。
主制御部110に接続される操作パネル101は、表示制御部19を有する。この表示制御部19は、CPUやICなどからなり、液晶表示部11の表示動作を制御する。また、表示制御部19は、液晶表示部11(タッチパネル)に表示されたソフトキーがユーザーによって押下されると、タッチパネルの出力を受けて押下位置の座標を特定する。これによって、液晶表示部11に対してユーザーが押下した位置(選択したソフトキー)が特定される。なお、タッチパネルの出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、たとえば、記憶部20に記憶される。
また、操作パネル101は、各種ジョブの実行に際して、実行するジョブに関する設定値の設定指示をユーザーから受け付ける。具体的には、コピーを例にとると、ユーザーがコピーキー14を押下することによって、コピーに関する設定値の設定指示を受け付けるための設定画面(ソフトキーとしての設定キーやメッセージなど)が液晶表示部11に表示される。これにより、ユーザーは、設定画面を見ながら、操作パネル101に対して、コピーに関する設定値の設定指示を行う(液晶表示部11に表示されたソフトキーとしての設定キーやハードキーとしてのテンキー12を押下することで設定を行う)ことができる。
設定画面を液晶表示部11に表示するためのデータは、たとえば、記憶部20に記憶される。そして、表示制御部19は、ユーザーが操作パネル101に対して行った操作に基づき、液晶表示部11に表示すべき設定画面に応じたデータを記憶部20から読み出し、液晶表示部11に適切な設定画面を表示させる。
なお、各種ジョブの実行に際して設定可能な設定項目は多数ある。たとえば、コピーの実行に際して設定可能な設定項目としては、用紙選択、縮小/拡大、濃度、両面/分割、ページ集約、ソート/仕分け、原稿サイズ、原稿セット向き、原稿サイズ混載、排紙先、ステープル、カラー選択、原稿画質、エコプリント、色相調整、カラーバランス、シャープネス、地色調整、うら写り防止、彩度、とじしろ、連続読み込み、自動画像回転、ジョブ終了通知、文書名入力、優先印刷、および、割り込みコピーなどである。また、コピー以外の他のジョブについても、実行に際して設定可能な設定項目は多数ある。
そして、操作パネル101は、実行するジョブに関する設定値の設定をユーザーが終えた後、ジョブの開始指示をユーザーから受け付けるため、ソフトキーとしてのスタートキーを液晶表示部11に表示させる。これにより、ユーザーは、液晶表示部11に表示されたソフトキーとしてのスタートキーを押下することによって、設定値を設定したジョブの実行を開始することができる。あるいは、ハードキーとしてのスタートキー13をユーザーが押下した場合にも、ジョブの実行が開始される。
ここで、ジョブの実行に際して、設定値の設定が正しく行われていなかったり、紙詰りやトナー切れなどが起こったりする場合がある。この場合、表示制御部19は、エラーが発生したことをユーザーに認識させるため、エラーが発生した旨のメッセージを含むダイアログボックスDB(図5〜図7参照)を液晶表示部11に表示させる。なお、表示制御部19は、エラーが発生したときに限らず、ユーザーに対して何らかの注意を喚起する必要がある場合に、ダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させる。
ダイアログボックスDBのメッセージ用の表示領域は、たとえば、図5に示すように、4つの表示領域A1〜A4に区画されており、表示領域A1およびA4にはそれぞれ1行分のスペースが割り当てられ、表示領域A2およびA3にはそれぞれ6行分のスペースが割り当てられる。そして、たとえば、文字サイズが18ポイント(pt)の半角文字を使用する場合、表示領域A1およびA4には、それぞれ、最大で32文字を組み合わせたメッセージを盛り込むことができる。さらに、表示領域A2およびA3には、それぞれ、最大で192文字(各行に32文字ずつ)を組み合わせたメッセージを盛り込むことができる。
そして、画像形成装置100がユーザーによって使用されているときに、ユーザーに対して何らかの注意を喚起する必要があると主制御部110が判断した場合、表示制御部19は、主制御部110からの指示に基づき、表示領域A1〜A4のうちの少なくとも1つの表示領域にメッセージを盛り込んだダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させる。たとえば、メッセージを含むダイアログボックスDBとして、表示領域A1〜A3の3つの表示領域を使ったダイアログボックスDB1(図6参照)や、表示領域A2のみを使ったダイアログボックスDB2(図7参照)などがある。
ダイアログボックスDBのメッセージの文字列データは、たとえば、記憶部20(あるいは、記憶部113)に予め記憶されている。そして、表示制御部19は、主制御部110からの指示に沿った文字列データを記憶部20から読み出し、その文字列データに対応するメッセージを含むダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させる。
また、液晶表示部19は、ダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させた後、所定時間が経過した時点で、ダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を停止させる。なお、ダイアログボックスDBの最下端の表示領域A5には、ダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示の停止をユーザーから受け付けるためのソフトキーSK(たとえば、「OK」という文字列が付されたキー)が設けられている。このため、ユーザーは、ダイアログボックスDBが液晶表示部11に表示された後、所定時間が経過していなかったとしても、ソフトキーSKを押下することによって、ダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を強制的に停止させることができる。
また、この画像形成装置100では、装置の商品価値を高めるため、ダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を停止させる際に、アニメーション表示を行っている。図6のダイアログボックスDB1を例にとって具体的に説明すると、図8に示すように、表示制御部19は、ダイアログボックスDB1の液晶表示部11への表示を停止させる際に、ダイアログボックスDB1の表示を全部分の表示から一部分の表示に徐々に遷移させた後で、ダイアログボックスDB1の表示を完全に停止させるようにしている。このようなアニメーション表示を行う場合、たとえば、数百ミリ秒から数秒の時間をかけて、ダイアログボックスDBの表示の停止を完了させる。したがって、アニメーション表示を行うと、ダイアログボックスDBの表示は瞬時に停止されない。
なお、図8には、ダイアログボックスDBの表示が下側から上側に向かって徐々に消えていく例を示したが、たとえば、ダイアログボックスDBの表示が上側から下側に向かって徐々に消えていくようにしてもよいし、上側および下側の両側から徐々に消えていくようにしてもよい。また、ダイアログボックスDBの表示が右側および左側の少なくとも一方側から徐々に消えていくようにしてもよい。さらに、ダイアログボックスDBの表示が多方向(たとえば、4方向や8方向など)側から徐々に消えていくようにしてもよい。あるいは、ダイアログボックスDBの表示がモザイク状に消えていくようにしてもよい。
ところで、ダイアログボックスDBのメッセージの文字数(メッセージの量)は、メッセージの内容によって多くなったり少なくなったりする。たとえば、図6に示したダイアログボックスDB1と図7に示したダイアログボックスDB2とを比較すると、ダイアログボックスDB1のメッセージの文字数は、ダイアログボックスDB2のメッセージの文字数よりも多い。したがって、ダイアログボックスDB1のメッセージの確認に要する時間は、ダイアログボックスDB2のメッセージの確認に要する時間よりも長くなる。
ここで、たとえば、メッセージの文字数にかかわらず、ダイアログボックスDBの表示時間(ダイアログボックスDBが完全に開いている状態の時間)が一定であったとする。すなわち、ダイアログボックスDB1およびDB2のそれぞれの表示時間が同じであったとする。なお、ダイアログボックスDBの表示時間というのは、ダイアログボックスDBの全部分を表示する時間であって、アニメーション表示中(ダイアログボックスDBの表示が全部分の表示から一部分の表示に遷移している最中)の時間は含まない。
この場合、ダイアログボックスDB2のメッセージ(文字数の少ないメッセージ)については表示時間が終了する前にユーザーに確認させることができたとしても、ダイアログボックスDB1のメッセージ(文字数の多いメッセージ)についてはユーザーに十分に確認させる前に表示時間が終了してしまう、という不都合が生じる恐れがある。なお、ダイアログボックスDBの表示時間が比較的短く設定されていれば、ダイアログボックスDB2のメッセージについても、ユーザーに十分に確認させる前に表示時間が終了してしまうことがある。
また、たとえば、ダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を停止させる際において、メッセージの文字数にかかわらず、ダイアログボックスDBの表示を全部分の表示から一部分の表示に遷移させるときの速度(以下、便宜上、表示停止時の遷移速度と称する場合もある)が一定であったとする。すなわち、ダイアログボックスDB1およびDB2のそれぞれの表示停止時の遷移速度が同じであったとする。
この場合、停止時の遷移速度が比較的遅く設定されていれば、文字数の多いメッセージを含むダイアログボックスDB1の液晶表示部11への表示を停止させる際に、画像形成装置100の処理速度が落ちているとユーザーに受け取られてしまうことがある。なお、表示停止時の遷移速度がさらに遅く設定されていれば、文字数の少ないメッセージを含むダイアログボックスDB2の液晶表示部11への表示を停止させる際にも、画像形成装置100の処理速度が落ちているとユーザーに受け取られてしまうことがある。
これら2つの不都合を解消するため、本実施形態では、表示制御部19は、メッセージを含むダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させるときに、記憶部20に記憶された文字列データからメッセージの文字数を判別する。
そして、表示制御部19は、メッセージの文字数が多くなるのに伴ってダイアログボックスDBの表示時間が長くなるように、メッセージの文字数に応じてダイアログボックスDBの表示時間を設定する。具体的に言うと、文字数の多いメッセージを含むダイアログボックスDB1の表示時間が文字数の少ないメッセージを含むダイアログボックスDB2の表示時間よりも長くなるように、表示制御部19が液晶表示部11の表示動作を制御する。すなわち、液晶表示部11は、メッセージの文字数が多くなるのに伴って、ダイアログボックスDBの表示時間を長くする。
さらに、表示制御部19は、ダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を停止させる(ダイアログボックスDBの表示を全部分の表示から一部分の表示に徐々に遷移させる)際に、メッセージの文字数が多くなるのに伴って表示停止時の遷移速度が速くなるように、メッセージの文字数に応じて表示停止時の遷移速度を設定する。具体的に言うと、文字数の多いメッセージを含むダイアログボックスDB1の表示停止時の遷移速度が文字数の少ないメッセージを含むダイアログボックスDB2の表示停止時の遷移速度よりも速くなるように、表示制御部19が液晶表示部11の表示動作を制御する。すなわち、液晶表示部11は、メッセージの文字数が多くなるのに伴って、表示停止時の遷移速度を速くする。
一例を挙げると、図9に示すように、表示の停止を開始してから100msが経過した時点では、ダイアログボックスDB1については、表示領域A1およびA2を残して、表示領域A3〜A5が消える。その一方、ダイアログボックスDB2については、表示領域A1〜A4を残して、表示領域A5のみが消える。そして、表示の停止を開始してから200msが経過した時点では、ダイアログボックスDB1については、表示領域A2の下部がさらに消え、ダイアログボックスDB2については、表示領域A4のみがさらに消える。
以下に、図10を参照して、ダイアログボックスDBを表示するときおよびダイアログボックスDBの表示を停止するときの動作について説明する。
まず、図10のフローのスタート時点では、ユーザーが画像形成装置100(操作パネル101)を使用しているとする。たとえば、図10のフローのスタート時点の画像形成装置100(操作パネル101)は、ユーザーの指示に基づきコピーなどのジョブを実行している、あるいは、実行するジョブに関する設定値の設定指示をユーザーから受け付けている。
そして、図10のフローは、画像形成装置100がユーザーによって使用されているときに、ユーザーに対して何らかの注意を喚起する必要があると主制御部110が判断した場合にスタートする(たとえば、ジョブの実行に際して、設定値の設定が正しく行われていなかったり、紙詰りやトナー切れなどが起こったりしたときなど)。言い換えると、主制御部110からの指示に基づいて表示制御部19がメッセージを含むダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させるときに、図10のフローがスタートする。
なお、画像形成装置100がユーザーによって使用されていなかったとしても、ユーザーに対して何らかの注意を喚起する必要があると主制御部110が判断する場合がある(たとえば、ファックスデータを受信中にエラーが発生したときなど)。この場合にも、図10のフローがスタートする。
ステップS1において、ユーザーに対して何らかの注意を喚起するメッセージの液晶表示部11への表示指示を表示制御部19が主制御部110から受けると、表示制御部19は、表示指示を受けたメッセージの文字列データを記憶部20から読み出し、表示指示を受けたメッセージの文字数を判別する。
ステップS2において、表示制御部19は、表示指示を受けたメッセージの文字数に応じてダイアログボックスDBの表示時間を設定する。そして、表示制御部19は、設定した表示時間を記憶部20に記憶させる。なお、ダイアログボックスDBの表示時間というのは、ダイアログボックスDBの全部分を表示する時間であって、アニメーション表示中(ダイアログボックスDBの表示が全部分の表示から一部分の表示に遷移している最中)の時間は含まない。
ここで、たとえば、記憶部20には、単位文字あたり(たとえば、1文字〜十数文字あたり)の表示時間が予め記憶されている。そして、表示制御部19は、単位文字あたりの表示時間と表示指示を受けたメッセージの文字数とに基づいて、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示時間を設定する。
一例として、図6に示したダイアログボックスDB1と図7に示したダイアログボックスDB2とを比較すると、ダイアログボックスDB1のメッセージの文字数は、ダイアログボックスDB2のメッセージの文字数よりも多い。したがって、ダイアログボックスDB1の表示時間は、ダイアログボックスDB2の表示時間よりも長くなる。
ただし、ダイアログボックスDBの表示時間は、上限なく長くなるわけではない。すなわち、ダイアログボックスDBの表示時間の上限値が予め設定され、記憶部20に記憶されている。そして、表示制御部19は、ダイアログボックスDBの表示時間が上限値を超えないようにする。
また、ステップS3において、表示制御部19は、表示指示を受けたメッセージの文字数に応じて表示停止時の遷移速度を設定する。そして、表示制御部19は、設定した表示停止時の遷移速度を記憶部20に記憶させる。なお、表示停止時の遷移時間というのは、ダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を停止する際においてアニメーション表示を行っている時間であって、ダイアログボックスDBの表示の停止を開始してからダイアログボックスDBの表示を完全に停止させるのに要する時間である。
たとえば、記憶部20には、単位文字あたり(たとえば、1文字〜十数文字あたり)の表示停止時の遷移速度が予め記憶されている。そして、表示制御部19は、単位文字あたりの表示停止時の遷移速度と表示指示を受けたメッセージの文字数とに基づき、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示停止時の遷移速度を設定する。
一例として、図6に示したダイアログボックスDB1と図7に示したダイアログボックスDB2とを比較すると、ダイアログボックスDB1のメッセージの文字数は、ダイアログボックスDB2のメッセージの文字数よりも多い。したがって、図9に示したように、ダイアログボックスDB1の表示停止時の遷移速度は、ダイアログボックスDB2の表示停止時の遷移速度よりも速くなる。
このように、表示制御部19は、表示指示を受けたメッセージの文字数に基づいて、ダイアログボックスDBの表示時間や、表示停止時の遷移速度を設定する。このとき、表示制御部19(および表示制御部19によって制御される液晶表示部11)は、表示指示を受けたメッセージ内に空白(スペース)が含まれていれば、表示指示を受けたメッセージ内の空白を文字としてカウントする。
ステップS4において、表示制御部19は、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させる。
この後、ステップS5において、表示制御部19は、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示時間が記憶部20に記憶された設定時間(ステップS2において、表示指示を受けたメッセージの文字数に応じて設定されたダイアログボックスDBの表示時間)に到達したか否かを判断する。そして、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示時間が設定時間に到達していれば、ステップS6に移行する。一方、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示時間が設定時間に到達していなければ、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示時間が設定時間に到達するまで、ステップS5の判断動作を繰り返す。
ステップS6に移行すると、表示制御部19は、記憶部20に記憶された設定速度(ステップS3において、表示指示を受けたメッセージの文字数に応じて設定された表示停止時の遷移速度)に基づいて、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示を全部分の表示から一部分の表示に徐々に遷移させる。そして、ステップS7において、表示制御部19は、最終的に、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を停止させる。
なお、本実施形態では、ダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を停止するときだけでなく、ダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示するときにも、メッセージの文字数に応じたアニメーション表示を行っている。すなわち、表示制御部19は、ダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させるときに、ダイアログボックスDBの表示を一部分の表示から全部分の表示に徐々に遷移させる。そして、このとき、表示制御部19は、メッセージの文字数が多くなるのに伴って表示時の遷移速度(ダイアログボックスDBの表示を一部分の表示から全部分の表示に遷移させるときの速度)が速くなるように、メッセージの文字数に応じて表示時の遷移速度を設定する。すなわち、液晶表示部11は、メッセージの文字数が多くなるのに伴って、表示時の遷移速度を速くする。
以下に、図11を参照して、ダイアログボックスDBを表示するときの動作について説明する。
図11のフローは、画像形成装置100がユーザーによって使用されているときに、ユーザーに対して何らかの注意を喚起する必要があると主制御部110が判断した場合にスタートする。すなわち、主制御部110からの指示に基づいて表示制御部19がメッセージを含むダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させるときに、図11のフローがスタートする。
ステップS11において、ユーザーに対して何らかの注意を喚起するメッセージの液晶表示部11への表示指示を表示制御部19が主制御部110から受けると、表示制御部19は、表示指示を受けたメッセージの文字列データを記憶部20から読み出し、表示指示を受けたメッセージの文字数を判別する。
ステップS12において、表示制御部19は、表示指示を受けたメッセージの文字数に応じて表示時の遷移速度を設定する。そして、表示制御部19は、設定した表示時の遷移速度を記憶部20に記憶させる。なお、ダイアログボックスDBの表示時の遷移速度というのは、ダイアログボックスDBを液晶表示部11に表示させる際においてアニメーション表示を行っている時間であって、ダイアログボックスDBの表示を一部分の表示から全部分の表示に遷移させるのに要する時間である。
たとえば、記憶部20には、単位文字あたり(たとえば、1文字〜十数文字あたり)の表示時の遷移速度が予め記憶されている。そして、表示制御部19は、単位文字あたりの表示時の遷移速度と表示指示を受けたメッセージの文字数とに基づき、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示時の遷移速度を設定する。
ステップS13において、表示制御部19は、記憶部20に記憶された設定速度(ステップS12において、表示指示を受けたメッセージの文字数に応じて設定された表示時の遷移速度)に基づいて、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの表示を一部分の表示から全部分の表示に徐々に遷移させる。このようにして、表示制御部19は、最終的に、表示指示を受けたメッセージを含むダイアログボックスDBの液晶表示部11への表示を完了させる。
本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、メッセージの文字数が多くなるのに伴って、ダイアログボックスDBの表示時間を長くする。すなわち、液晶表示部11は、ユーザーによる読み取り時間が長くなるメッセージ(文字数が多いメッセージ)を含むダイアログボックスDBを表示する場合に、そのダイアログボックスDBの表示時間を長くする。これにより、ダイアログボックスDBの表示時間が短いことに起因してユーザーによるメッセージの確認が不十分になる、という不都合が生じるのを抑制することができる。
また、たとえば、メッセージの言語を変更した場合(たとえば、メッセージの言語を日本語から英語に変更した場合)には、メッセージの文字数が増減することがある。すなわち、言語を変更する前のメッセージの文字数が少なかったにもかかわらず、言語を変更した後のメッセージの文字数が多くなってしまう場合がある。この場合、本実施形態では、液晶表示部11は、メッセージの文字数に応じてダイアログボックスDBの表示時間を長くするので、言語を変更したメッセージの文字数が増加すれば、それに伴って、言語を変更したメッセージを含むダイアログボックスDBの表示時間を長くする。したがって、言語を変更したメッセージの文字数が増加したとしても、ユーザーによるメッセージの確認が不十分になるのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、ダイアログボックスDBの表示時間はメッセージの文字数に応じたものとなるので、予めメッセージ毎にダイアログボックスDBの表示時間を決めておく必要はない。
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、メッセージの文字数が多くなるのに伴って、表示停止時の遷移速度を速くする。これにより、文字数の多いメッセージを含むダイアログボックスDBの表示を停止するときに、装置の処理速度が落ちている、という誤った認識をユーザーに持たれてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、メッセージの文字数が多くなるのに伴って、表示時の遷移速度を速くする。これにより、文字数の多いメッセージを含むダイアログボックスDBを表示するときに、装置の処理速度が落ちている、という誤った認識をユーザーに持たれてしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、メッセージ内に空白(スペース)が含まれていれば、メッセージ内の空白を文字としてカウントする。これにより、ダイアログボックスDBの表示時間を容易に変更することができる。たとえば、メッセージ内に意図的に空白を挿入しておくことにより、そのメッセージを含むダイアログボックスDBの表示時間を長くすることができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。