以下に、図1を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置100について説明する。
本実施形態の画像形成装置100は、たとえば、タンデム方式のカラー複合機であり、コピー、プリント、スキャナおよびファックスなどの複数のジョブを実行することができる。そして、これら複数のジョブを実行するため、画像形成装置100は、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などを備える。
操作パネル101は、表示制御装置として機能し、たとえば、図1中の破線で示された箇所に配置される。この操作パネル101には、図2に示すように、液晶表示部11(操作表示部に相当)が設けられている。液晶表示部11には、各種設定などを行うためのメニューおよびキーが表示されるとともに、装置状態などを示すメッセージも表示される。そして、ユーザーは、液晶表示部11に表示されたキーを押下することで、各種設定などを行うことができる。なお、液晶表示部11は、その表示面がタッチパネルで覆われた形態をとる。これにより、液晶表示部11に表示されたキーがユーザーによって押下されたとき(タッチパネルが押下されたとき)、タッチパネルの出力に基づいて押下位置の座標を検出できるようになっている。
また、操作パネル101には、テンキー12やスタートキー13などのハードキーが設けられている。テンキー12は、数値入力が必要な設定指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。スタートキー13は、各種ジョブの実行開始の指示をユーザーから受け付けるためのハードキーである。
さらに、操作パネル101には、コピーキー14、送信キー15およびボックスキー16などのハードキーも設けられている。そして、コピーキー14がユーザーによって押下されると、コピーを利用する上で必要なキーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。送信キー15がユーザーによって押下されると、スキャナおよびファックスを利用する上で必要なキーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。ボックスキー16がユーザーによって押下されると、ボックスを利用する上で必要なキーやメッセージなどが液晶表示部11に表示される。なお、ボックスというのは、ボックスと呼ばれる所定の保存領域(たとえば、後述する記憶部113に設けられたフォルダ)に画像データなどを保存しておくジョブである。
また、操作パネル101には、ワークフローキー17やエンターキー18(操作部に相当)などのハードキーも設けられている。なお、ワークフローキー17やエンターキー18の機能については、後で詳細に説明する。
図1に戻って、画像読取部102は、原稿を読み取り、原稿の画像データを形成する。画像読取部102には、図示しないが、露光ランプ、ミラー、レンズおよびイメージセンサーなどの光学系部材が設けられている。この画像読取部102は、コンタクトガラス21に載置される原稿にビームを照射し、その原稿の反射ビームを受けたイメージセンサーの各画素の出力値をA/D変換することにより、画像データを生成する。これにより、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データに基づき印刷を行うことができる(コピー)。また、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データを蓄積することもできる(スキャナ)。なお、画像読取部102による原稿の読み取り時には、コンタクトガラス21に載置された原稿を原稿カバー22で押えるようになっている。
給紙部103は、記録媒体としての用紙Pを収容するカセット31を複数有し、それら複数のカセット31に収容された用紙Pを搬送路104に供給する。また、この給紙部103には、収容された用紙Pを引き出すピックアップローラー32や、用紙Pの重送を抑制するための分離ローラー対33などが設けられている。
搬送路104は、装置内部において用紙Pを搬送するものである。具体的に言うと、給紙部103から供給された用紙Pは、搬送路104によって、中間転写部106および定着部107をこの順番で通過して排出トレイ109に導かれる。この搬送路104には、用紙Pを中間転写部106の手前で待機させ、タイミングを合わせて中間転写部106に送り出すレジストローラー対41などが設けられている。
画像形成部105は、画像データに基づいてトナー像を形成するものであって、4色分の画像形成部50(ブラックのトナー像を形成する画像形成部50Bk、イエローのトナー像を形成する画像形成部50Y、シアンのトナー像を形成する画像形成部50C、および、マゼンダのトナー像を形成する画像形成部50M)と、露光装置5とを備えている。なお、画像形成部50Bk、50Y、50Cおよび50Mは、互いに異なる色のトナー像を形成するが、いずれも基本的に同様の構成である。したがって、以下の説明では、各色を表す符号(Bk、Y、CおよびM)を省略する。
各画像形成部50のそれぞれは、図3に示すように、感光体ドラム1、帯電装置2、現像装置3および清掃装置4を含んでいる。
各感光体ドラム1は、外周面にトナー像を担持するものであって、外周面に感光層を有するとともに、周方向に回転可能に支持されている。各帯電装置2は、対応する感光体ドラム1を一定の電位で帯電させる。各現像装置3は、対応する色の現像剤を収容し、対応する感光体ドラム1にトナーを供給する。各清掃装置4は、対応する感光体ドラム1の清掃を行う。そして、各感光体ドラム1の外周面は、露光装置5によって露光される。これにより、各感光体ドラム1の外周面に静電潜像が形成される。
露光装置5は、図示しないが、半導体レーザー素子、ポリゴンミラー、ポリゴンモーター、Fθレンズおよび反射ミラーなどを含む。なお、これら露光装置5の構成部材は、各色の画像形成部50に対して1セットずつ設けられていてもよい。あるいは、半導体レーザー素子、Fθレンズおよび反射ミラーのみを各色の画像形成部50に対して1セットずつ設け、ポリゴンミラーおよびポリゴンモーターについては2色分(または、4色分)の画像形成部50で共用してもよい。
図1に戻って、中間転写部106は、画像形成部105からトナー像の1次転写を受けた後、用紙Pに2次転写を行う。中間転写部106は、中間転写ベルト61と、各画像形成部50にそれぞれ割り当てられた1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mとを少なくとも含んでいる。1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mは、対応する画像形成部50(具体的には、感光体ドラム1)との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
また、中間転写部106は、駆動ローラー63および従動ローラー64も含んでいる。そして、駆動ローラー63および従動ローラー64は、1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mと共に、中間転写ベルト61を張架している。このため、駆動ローラー63が回転駆動すると、中間転写ベルト61が循環移動する。
さらに、中間転写部106は、2次転写ローラー65も含んでいる。この2次転写ローラー65は、駆動ローラー63との間で中間転写ベルト61を挟み込んでいるとともに、転写用電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。
そして、各画像形成部50で形成されたトナー像は、転写用電圧が印加された1次転写ローラー62Bk、62Y、62Cおよび62Mにより、順次、ずれなく重畳して中間転写ベルト61に1次転写される。すなわち、中間転写ベルト61にフルカラートナー像が転写される。その後、中間転写ベルト61に1次転写されたトナー像は、転写用電圧が印加された2次転写ローラー65により、用紙Pに2次転写される。
また、中間転写部106は、ベルト清掃装置66も含んでいる。そして、このベルト清掃装置66によって、中間転写ベルト61から用紙Pへのトナー像の2次転写の後、中間転写ベルト61の清掃が行われる。
定着部107は、用紙Pに2次転写されたトナー像を加熱・加圧して定着させるものである。この定着部107は、発熱源を内蔵する定着ローラー71と、定着ローラー71に圧接される加圧ローラー72とを含んでいる。そして、トナー像が2次転写された用紙Pは、定着ローラー71と加圧ローラー72との間を通過することで、加熱・加圧される。これにより、用紙Pにトナー像が定着される。
そして、用紙Pは、定着部107を通過した後、排出トレイ109に排出される。これによって、画像形成処理が完了する。
また、両面搬送路108は、両面印刷を可能とするものである。この両面搬送路108は、定着ローラー71および加圧ローラー72の下流側おいて搬送路104と分岐し、レジストローラー対41の上流側において搬送路104と合流している。そして、両面搬送路108には、搬送路104との分岐点に配置された切替爪81、排出トレイ109に繋がる排出口109aに配置されているとともに正逆回転の切り換えが可能な排出ローラー対82、および、用紙Pを搬送する搬送ローラー対83などが設けられている。
両面印刷を行う場合、切替爪81は、両面搬送路108を閉じるポジションとなり、定着部107から送られた用紙Pを排出トレイ109に導く。また、排出ローラー対82は、ひとまず正回転して用紙Pを排出トレイ109に排出する。この後、排出ローラー対82は、用紙Pが排出ローラー対82を通過しきる前に逆回転する。このとき、切替爪81は、両面搬送路108を開く方向に回動する。これにより、片面印刷された用紙Pは、両面搬送路108に導かれる。
両面搬送路108に導かれた用紙Pは、搬送ローラー対83により搬送され、レジストローラー対41の上流側に至る。そして、再び、中間転写部106から定着部107へと送られる。このときには、用紙Pの表裏が逆転しているので、用紙Pの裏面(未印刷面)に対して、2次転写処理および定着処理がなされる。そして、両面印刷が終わった用紙Pは、排出トレイ109に排出される。
次に、図4を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。
画像形成装置100は、主制御部110を有する。この主制御部110は、中央演算処理装置であるCPU111や画像処理部112などを含む。また、主制御部110は、操作パネル101、画像読取部102およびエンジン部(給紙部103、搬送路104、画像形成部105、中間転写部106、定着部107および両面搬送路108)などと接続されている。そして、主制御部110は、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータに基づき、各部の制御や演算などを行う。なお、主制御部110は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成や各種回転体を回転させるモーターのオン/オフを制御するエンジン制御部とに分割されていてもよい。
記憶部113は、ROM113a、RAM113bおよびHDD113cなどの揮発性の記憶装置と不揮発性の記憶装置とを含む。そして、記憶部113に記憶された各種のプログラムおよびデータは、ROM113aに記憶され、RAM113bに展開される。
記憶部113に記憶されるプログラムとしては、複数のジョブをそれぞれ実行するための複数のアプリケーションプログラムであり、たとえば、コピーを実行するためのコピーアプリ、プリントを実行するためのプリントアプリ、スキャナを実行するためのスキャナアプリ、ファックスを実行するためのファックスアプリ、および、ボックスを実行するためのボックスアプリなどが挙げられる。なお、これら基本的なジョブに対応したアプリ以外の種々のアプリなどが記憶されていてもよい。
また、主制御部110は、通信部114と接続される。通信部114は、たとえば、外部のコンピューター200とネットワーク(あるいは、ケーブル)を介して通信可能に接続される。これにより、コンピューター200から送信された画像データに基づき印刷を行うことができる(プリント)。さらに、画像読取部102による原稿の読み取り動作によって得られた画像データをコンピューター200に送信することもできる(スキャナ)。さらに、たとえば、通信部114にモデムなどを内蔵してもよく、この場合、電話回線などのネットワークを介して、外部のファックス装置300とファックス通信を行うことができる(ファックス)。
主制御部110に接続される操作パネル101は、表示制御部19を有する。この表示制御部19は、CPUやICなどからなり、液晶表示部11の表示を制御する。また、表示制御部19は、液晶表示部11(タッチパネル)に表示されたキーがユーザーによって押下されると、タッチパネルの出力を受けて押下位置の座標を特定する。これにより、液晶表示部11に対してユーザーが押下した位置(選択したキー)が特定される。なお、タッチパネルの出力と押下位置の座標との対応を示すテーブルなどのデータは、たとえば、記憶部20に記憶される。
また、操作パネル101は、各種ジョブの実行に際しての設定指示をユーザーから受け付けるようになっている。具体的には、コピーを例にとると、ユーザーがコピーキー14を押下することにより、コピーの実行に際しての設定指示を受け付けるための設定画面(ソフトキーとしての設定キーやメッセージなど)が液晶表示部11に表示される。これにより、ユーザーは、設定画面を見ながら、操作パネル101に対して、コピーの実行に際しての設定指示を行う(液晶表示部11に表示されたソフトキーとしての設定キーやハードキーとしてのテンキー12を押下することで設定を行う)ことができる。
なお、たとえば、設定画面を液晶表示部11に表示するためのデータは、記憶部20に記憶される。そして、表示制御部19は、ユーザーが操作パネル101に対して入力操作を行う度に、液晶表示部11に表示すべき設定画面に応じたデータを記憶部20から読み出し、液晶表示部11に適切な設定画面を表示させる。
ところで、各種ジョブの実行に際しての設定項目は多数ある。たとえば、コピーの実行に際して設定可能な設定項目としては、用紙選択、縮小/拡大、濃度、両面/分割、ページ集約、ソート/仕分け、原稿サイズ、原稿セット向き、原稿サイズ混載、排紙先、ステープル、カラー選択、原稿画質、エコプリント、色相調整、カラーバランス、シャープネス、地色調整、うら写り防止、彩度、とじしろ、連続読み込み、自動画像回転、ジョブ終了通知、文書名入力、優先印刷、および、割り込みコピーなどである。なお、コピー以外の他のジョブについても、実行に際して設定可能な設定項目は多数ある。
このように、各種ジョブの実行に際しての設定項目は多数あるが、それら多数の設定項目のうち、頻繁に設定変更する設定項目はユーザーによって異なる。たとえば、コピーを例にとると、通常のコピーを多用するユーザーにおいては、用紙選択、縮小/拡大、および、濃度などの基本的な設定項目が頻繁に設定変更されると考えられる。また、用紙の消費抑制を所望するユーザーにおいては、基本的な設定項目に加えて、両面/分割、および、ページ集約などの設定項目が頻繁に設定変更されると考えられる。しかし、頻繁に設定変更する設定項目が多岐にわたる場合、ユーザーからすると、設定作業が煩雑になり、利便性が悪い。
したがって、この画像形成装置100では、液晶表示部11は、複数の設定項目の登録をユーザーから受け付け、記憶部20(または、記憶部113)は、液晶表示部11が受け付けた複数の設定項目をワークフローとして記憶し、表示制御部19は、記憶部20に記憶された複数の設定項目にそれぞれ対応する複数の設定画面のみをウィザード形式で液晶表示部11に順次切り換えて表示する。
具体的には、ワークフローキー17をユーザーが押下すると、表示制御部19は、予め記憶部20に記憶されたワークフローの登録名を液晶表示部11に表示させる。この際、予め記憶部20に記憶されたワークフローが複数であれば、表示制御部19は、複数のワークフローにそれぞれ対応する複数の登録名を液晶表示部11に表示させる。そして、液晶表示部11に表示された登録名をユーザーが押下(選択)すると、表示制御部19は、押下された登録名に対応するワークフローを記憶部20から読み出し、液晶表示部11に表示させる。このとき、選択されたワークフローで設定可能な設定項目が複数あれば、表示制御部19は、複数の設定画面を順次切り換えて液晶表示部11に表示させる。
ここで、たとえば、コピーに関するワークフローがユーザーによって選択され、その選択されたワークフローでは、用紙選択、縮小/拡大、および、濃度が設定可能になっているとする。さらに、用紙選択→縮小/拡大→濃度の順でユーザーからの設定指示を受け付けるようになっているとする。
この場合には、図5に示すように、まず、用紙選択に関する設定画面A1が液晶表示部11に表示される。設定画面A1において、たとえば、ユーザーが「カセット1」というソフトキーK1を押下すると、そのソフトキーK1が白黒反転され、「カセット1」に対応するカセット31に収容された用紙P(A4の普通紙)が出力用紙となるように設定される。
設定画面A1においてユーザーが「次へ」というソフトキーK2を押下すると、縮小/拡大に関する設定画面A2が液晶表示部11に表示される。設定画面A2において、たとえば、ユーザーが「自動」というソフトキーK3を押下すると、そのソフトキーK3が白黒反転され、印刷倍率が自動となるように設定される。
設定画面A2においてユーザーが「次へ」というソフトキーK4を押下すると、濃度に関する設定画面A3が液晶表示部11に表示される。設定画面A3において、たとえば、ユーザーが「0」というソフトキーK5を押下すると、そのソフトキーK5が白黒反転され、印刷濃度がふつうとなるように設定される。
設定画面A3においてユーザーが「次へ」というソフトキーK6を押下すると、確認画面Bが液晶表示部11に表示される。この確認画面Bは、各設定画面Aでの設定内容を羅列表示したものである。そして、ユーザーが「スタート」というソフトキーK7を押下すると、確認画面Bに表示された設定内容に基づきコピーが実行される。あるいは、「スタート」というソフトキーK7ではなく、ハードキーとしてのスタートキー13をユーザーが押下した場合にも、確認画面Bに表示された設定内容に基づきコピーが実行される。
なお、ワークフローの作成時には、通常、各設定画面Aで設定可能な設定項目を予め設定済みにした上で登録しておく。たとえば、縮小/拡大に関する設定画面A2において、印刷倍率が自動となるように予め設定されていたとする。この場合には、設定画面A1から設定画面A2に移行したとき、設定画面A2の「自動」というソフトキーK3が既に白黒反転された状態(印刷倍率が自動となるように既に設定された状態)となっている。そして、ユーザーは、設定画面A1から設定画面A2に移行したとき、「自動」のままでよければ、そそまま「次へ」というソフトキーK4を押下する一方、設定値を変更したければ、設定値を変更した上で「次へ」というソフトキーK4を押下する。
ところで、本実施形態では、装置の商品価値を高めるため、各設定画面Aを液晶表示部11に表示させる際に、アニメーション表示を行っている。具体的には、縮小/拡大に関する設定画面A2を例にとって説明すると、図6に示すように、表示制御部19は、設定画面A2を液晶表示部11に表示させる際に、設定画面A2を一部分の表示から全部分の表示に徐々に遷移させるような表示制御を行っている。このようなアニメーション表示を行う場合、たとえば、数秒から数十秒の時間をかけて、設定画面Aの一部分の表示を開始してから全部分の表示を完了させる。したがって、アニメーション表示を行うと、設定画面Aは瞬時に全部分の表示には至らない。
このように、各設定画面Aの液晶表示部11への表示をアニメーション表示で行った場合、装置の商品価値は高まるが、設定値の設定を速やかに終わらせてジョブを開始したいと考えるユーザーにとっては、各設定画面Aの表示が全部分の表示に至るまでにかかる時間は無駄である。したがって、本実施形態では、設定値の設定を速やかに終わらせてジョブを開始したいと考えるユーザーの利便性を考慮し、現時点で表示中の設定画面Aの表示が全部分の表示に至る前であったとしても、ハードキーとしてのエンターキー18をユーザーが押下すれば、現時点で表示中の設定画面Aから次画面(次の設定画面Aまたは確認画面B)への表示切り換えを強制的に行えるようになっている。すなわち、エンターキー18は、現時点で表示中の設定画面Aから次画面(次の設定画面Aまたは確認画面B)への強制的な表示切り換え指示を受け付ける機能を有する。
ただし、現時点で表示中の設定画面Aから次画面(次の設定画面Aまたは確認画面B)への強制的な表示切り換え指示をユーザーがエンターキー18を通じて行ったとき、現時点で表示中の設定画面Aの表示が全部分の表示に至る前であったとすれば、ユーザーは、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容を確認していないことになる。したがって、全部分の表示に至らなかった設定画面Aで設定されている設定内容がデフォルトの設定内容のままで、ユーザーがジョブを開始してしまう場合がある。この場合、デフォルトの設定内容がユーザーの所望する設定内容と合致していれば問題はないが、デフォルトの設定内容がユーザーの所望する設定内容と異なっていることもある。すなわち、ユーザーの所望する設定内容とは異なる設定内容でジョブが開始される恐れがある。
そこで、本実施形態では、全部分の表示に至らなかった設定画面Aが存在する場合、ユーザーがジョブを開始するのに先立って、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認をユーザーに促すための喚起情報を液晶表示部11に表示させることによって、ユーザーの意図しない設定内容でジョブが開始されるのを抑制するようにしている。以下に、図7および図8を参照して、現時点で表示中の設定画面Aから次画面(次の設定画面Aまたは確認画面B)への表示切り換えが強制的に行われたときの動作について説明する。
まず、図7のスタート時点では、或るジョブの実行に際して、ユーザーがワークフローを用いて設定値の設定操作を行っているとする。そして、ワークフローを用いた設定値の設定中に、ユーザーによってエンターキー18が押下され、それによって、現時点で表示中の設定画面Aから次画面(次の設定画面Aまたは確認画面B)への強制的な表示切り換えが行われたとき、図7のフローがスタートする。
ステップS1において、表示制御部19は、現時点で表示中の設定画面Aから次画面(次の設定画面Aまたは確認画面B)への強制的な表示切り換えが行われたとき、現時点で表示中の設定画面Aの表示が全部分の表示に至らなかったか否かを判断する。すなわち、表示制御部11は、現時点で表示中の設定画面Aのアニメーション表示が完了していなかったか否かを判断する。
図5に示したワークフローを例にとって具体的に説明すると、設定画面A1から設定画面A2への強制的な表示切り換えが行われたときには、設定画面A1の表示が全部分の表示に至ったか否かが判断される。また、設定画面A2から設定画面A3への強制的な表示切り換えが行われたときには、設定画面A2の表示が全部分の表示に至ったか否かが判断される。また、設定画面A3から確認画面Bへの強制的な表示切り換えが行われたときには、設定画面A3の表示が全部分の表示に至ったか否かが判断される。そして、現時点で表示中の設定画面Aの表示が全部分の表示に至らなかった場合には、ステップS2に移行する。言い換えると、現時点で表示中の設定画面Aの表示が全部分の表示に至る前に、現時点で表示中の設定画面Aからの強制的な表示切り換え指示をエンターキー18が受け付けたとき、ステップS2に移行する。
ステップS2に移行すると、表示制御部19は、全部分の表示に至らなかった設定画面Aを記憶部20に記憶させる。
一方で、ステップS1において、現時点で表示中の設定画面Aの表示が全部分の表示に至っていた場合には、ステップS2の動作は行われない。
なお、図7のフローは、現時点で表示中の設定画面Aから次画面(次の設定画面Aまたは確認画面B)への強制的な表示切り換えが行われる度に繰り返しスタートする。
そして、複数の設定画面Aの全てを順次表示した後、最後の設定画面Aから確認画面Bへの表示切り換えが行われるとき、図8のフローがスタートする。
ステップS11において、表示制御部19は、記憶部20に記憶された設定画面Aの情報に基づき、全部分の表示に至らなかった設定画面Aが存在するか否かを判断する。そして、全部分の表示に至らなかった設定画面Aが存在する場合には、ステップS12に移行する。なお、全部分の表示に至らなかった設定画面Aが存在しない場合には、ステップS16に移行する。
ステップS12において、表示制御部19は、全部分の表示に至らなかった設定画面Aの情報を記憶部20から取得する。引き続き、ステップS13において、表示制御部19は、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認をユーザーに促すための喚起情報を液晶表示部11に表示させる。たとえば、表示制御部19は、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容を液晶表示部11に表示させ、その上で、喚起情報を液晶表示部11に表示させる。
ここで、通常であれば、液晶表示部11に表示される確認画面Bは、図5に示したように、複数の設定画面Aのそれぞれにおける設定内容を単に羅列しただけである。一方で、本実施形態では、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認をユーザーに促すため、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の表示形態を全部分の表示に至った他の設定画面Aでの設定内容の表示形態とは異ならせている。
具体的には、図5に示したワークフローにおいて、縮小/拡大に関する設定画面A2が全部分の表示に至らなかったとする。この場合、図9に示すように、表示制御部19は、確認画面Bにおいて、縮小/拡大に関する設定画面A2での設定内容の表示形態を、用紙選択に関する設定画面A1および濃度に関する設定画面A3のそれぞれにおける設定内容の表示形態とは異ならせる。一例として、縮小/拡大に関する設定画面A2での設定内容のみを白黒反転させる(すなわち、縮小/拡大に関する設定画面A2での設定内容の表示色を異ならせる)。これにより、縮小/拡大に関する設定画面A2での設定内容の確認をユーザーに促すことができる。
なお、図9に示した表示形態は一例であり、図9に示した表示形態に限定されない。たとえば、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容のみをカラー表示(たとえば、目立ち易い赤表示)にしてもよいし、太字にしてもよい。あるいは、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認を促すメッセージ(たとえば、「設定内容を確認してください」といったメッセージ)を表示してもよい。さらには、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容に記号(たとえば、「?」といった記号)を付与してもよい。
ステップS13からステップS14に移行すると、表示制御部19は、全部分の表示に至らなかった設定画面Aに関して設定値の設定変更があったか否かを判断する。たとえば、図9に示した喚起情報を含む確認画面Bにおいて、白黒反転された「縮小/拡大」というソフトキーK8をユーザーが押下すると、図5に示した縮小/拡大に関する設定画面A2が液晶表示部11に再表示される。これにより、ユーザーは、縮小/拡大に関する設定値の設定変更を行うことができる。そして、このように、全部分の表示に至らなかった設定画面Aに関して設定値の設定変更があれば、ステップS15に移行する。
ステップS15において、表示制御部19は、喚起情報(全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認をユーザーに促すための情報)の液晶表示部11への表示を停止する。たとえば、表示制御部19は、図9に示した喚起情報を含む確認画面Bを液晶表示部11に表示した後、縮小/拡大に関する設定値をユーザーが設定変更すれば、図5に示した喚起情報を含まない確認画面B、すなわち、「縮小/拡大」というソフトキーK8が白黒反転されていない確認画面Bを液晶表示部11に表示する。この後、ステップS16に移行する。
一方で、全部分の表示に至らなかった設定画面Aが存在したとしても、設定画面Aで設定されているデフォルトの設定内容がユーザーの所望する設定内容と合致している場合がある。この場合、ユーザーは、全部分の表示に至らなかった設定画面Aに関して設定値の設定変更は行わない。したがって、ステップS14からステップS16に移行する。
ステップS16において、操作パネル101は、ジョブの開始指示をユーザーから受け付ける。たとえば、確認画面Bに表示された「スタート」というソフトキーK7をユーザーが押下する、あるいは、ハードキーとしてのスタートキー13をユーザーが押下することで、コピーなどのジョブが実行される。なお、このとき、ハードキーとしてのエンターキー18は、ジョブの開始指示をユーザーから受け付けない。
本実施形態では、上記のように、現時点で表示中の設定画面Aの表示が全部分の表示に至る前に、現時点で表示中の設定画面Aからの強制的な表示切り換え指示をエンターキー18(操作部に相当)が受け付けたとき、記憶部20は、全部分の表示に至らなかった設定画面Aを記憶し、表示制御部19は、複数の設定画面Aの全てを順次表示した後に、全部分の表示に至らなかった設定画面Aの情報を記憶部20から取得し、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認を促すための情報を液晶表示部11(操作表示部に相当)に表示させる。これにより、全部分の表示に至らなかった設定画面Aが存在したとしても、確実に、複数の設定画面Aの全てを順次表示した後に(コピーなどのジョブの開始に先立って)、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容をユーザーに確認させることができる。このため、ユーザーの意図しない設定内容でジョブが開始されるのを抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、上記のように、表示制御部19は、複数の設定画面Aの全てを順次表示した後に、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容を液晶表示部11に表示させた上で、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認を促すための情報を液晶表示部11に表示させる。このように構成すれば、容易に、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容をユーザーに確認させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、表示制御部19は、複数の設定画面Aの全てを順次表示した後に、複数の設定画面Aのそれぞれにおける設定内容を液晶表示部11に羅列表示させ、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の表示形態を全部分の表示に至った他の設定画面Aでの設定内容の表示形態とは異ならせることによって、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認を促す。このように構成すれば、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の確認をユーザーに確実に促すことができ、加えて、全部分の表示に至った他の設定画面Aでの設定内容についてもユーザーに再確認させることができる。
この構成において、本実施形態では、表示制御部19は、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の表示色を全部分の表示に至った他の設定画面Aでの設定内容の表示色とは異ならせている。このように構成すれば、容易に、全部分の表示に至らなかった設定画面Aでの設定内容の表示形態を全部分の表示に至った他の設定画面Aでの設定内容の表示形態とは異ならせることができる。
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示部11は、複数の設定項目の登録をユーザーから受け付け、記憶部20は、液晶表示部11が受け付けた複数の設定項目を記憶し、表示制御部19は、記憶部20に記憶された複数の設定項目にそれぞれ対応する複数の設定画面Aを液晶表示部11に順次切り換えて表示させる。このように構成すれば、ユーザーの所望する設定項目に応じた設定画面Aのみを液晶表示部11に表示させることができるので、ユーザーの利便性が向上する。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。