JP5495780B2 - 仕上げロボットの倣い装置および倣い方法 - Google Patents

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Description

本発明は、処理対象表面の仕上げ作業を行う仕上げロボットの倣い装置および倣い方法に関する。
尚、本明細書において、「表面の仕上げ作業」とは、表面に付着もしくは固着した例えば塵埃,錆,塗膜片,溶接スラグ等または他の異物等を単に除去する通常の清掃作業の他、表面の磨き(研磨)や研削など表面自体の性状の改良を伴う磨き(研磨)作業や研削作業等をも含むものとする。
処理対象表面の仕上げ作業を行う方法として、例えば回転ブラシやゴム砥石などの回転ツールを、当該処理対象表面に接触させつつ所定の軌跡に沿って移動させることで、表面の仕上げを行う方法は一般に良く知られている。また、かかる仕上げ作業を自動的に行わせるようにした仕上げロボットも公知である。
例えば、特許文献1には、6軸円筒座標形ロボットの手先部にグラインダを取り付け、このグラインダをワーク表面に接触させつつ所定の軌跡に沿って移動させることで、自動的に当該ワークの表面を仕上げる(研削する)ことができるようにした力制御ロボットが開示されている。
このようなロボットによる自動仕上げ作業を円滑に行い、且つ、良好な仕上げ品質を確保する等のために、回転ツールと処理対象表面との接触点1点のみで回転ツールに作用する反力の大きさ(つまり、処理対象表面に対する回転工具の押し付け力の反力の大きさ)を計測し、この計測値を利用して当該回転ツールを倣い制御することにより、回転ツールの押し付け力を調整することが知られている。すなわち、従来では、少なくとも最終的には回転工具の押し付け力の反力の大きさを検知して、専ら反力の方向のみおける一次元的な回転ツールの位置制御を行うようにしている(例えば、前記特許文献1参照)。
特開平4−164585号公報
ところで、回転ツールを用いてワークの隅角部や段部を仕上げる場合、回転ツールの少なくとも2点をワーク表面に接触させて仕上げ作業を行う必要がある。
図3及び図4は、後でより詳しく説明するが、壁面Waと壁面Wbとで形成される隅角部Wc(若しくは段部)を仕上げる場合の回転ツール5(例えば回転ブラシ)の両壁面Wa,Wbとの接触状態を模式的に示している。これらの図において、回転ツール5は、A点で壁面Waと接触し、B点で壁面Wbと接触しており、各接触点A,Bで摩擦反力が回転ツール5に作用している。
このような箇所に回転ツール5を用いたロボットによる自動仕上げ作業を適用する場合、従来のような一方向のみの一次元的な位置制御では、自動仕上げ作業を円滑に行い、また、良好な仕上げ品質を確保することは難しい。
すなわち、図3に示されるように、回転ツール5が両壁面Wa,Wbに対して2点A,Bで均等に接触している状態では、各接触点A,Bでの摩擦反力F1a,F1bは互いに等しくなるように維持され(F1a=F1b)、その合力F1は、図3の例では水平方向左向きに作用することになる。
しかし、回転ツール5と壁面Wa,Wbとの位置関係にズレが生じたり、壁面Wa,Wbの表面形状に変動がある場合など、例えば図4に示されるように、回転ツール5の両壁面Wa,Wbに対する接触状態が不均等になった場合には、各接触点A,Bでの摩擦反力F2a,F2bの大きさに差が生じ(例えばF2a>F2b)、その合力F2の作用する大きさ及び方向が図3の状態(合力F1)から変化することになる。
このような変化が生じた場合、従来の一方向のみの一次元的な制御では、押し付け方向のみの倣いはできても、それ以外の方向では倣いができず、その結果、隅角部Wc(若しくは段部)を構成する両壁面Wa,Wbについて良好な仕上げ品質を安定して確保することはできない。また、回転ツール5の移動動作についても壁面Wa側にずれた場合には押付反力と施工部摩擦力が加算され、実際の押付力が不足したり、壁面Wb側にずれた場合には強く押し付けすぎてしまい、壁面との角度によっては不安定な挙動となる場合もある。
この発明は、かかる技術課題に鑑みてなされたもので、ツールを用いて処理対象表面の仕上げ作業を行う仕上げロボットにより、例えば隅角部や段部を仕上げる場合など、ツールを処理対象表面と複数点で接触させて仕上げ作業を行う場合について、各接触点での接触状態が変化してツールに作用する摩擦反力が変化し、その反力の合力の大きさ及び方向に変動が生じた場合でも、かかる変動に対応してツールを処理対象表面と複数点で適正に接触させるように制御することができる、仕上げロボットの倣い装置および倣い方法を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る仕上げロボットの倣い装置は、ツールを用いて処理対象表面の仕上げ作業を行う仕上げロボットの倣い装置であって、前記ツールを、前記処理対象表面との複数点での接触状態を維持しつつ、所定の軌跡に沿って移動させ得るツール移動手段と、前記複数点の各々で前記ツールに作用する摩擦反力の合力の方向を検出する検出手段と、該検出手段の検出結果に基づいて、前記合力の方向が予め設定された所定方向となるように、前記ツール移動手段によるツールの移動方向を制御する移動方向制御手段と、を備えたことを特徴としたものである。
この装置では、ツールが処理対象表面と接触する複数点の各々でツールに作用する摩擦反力の合力の方向を検出し、その結果に基づいて、摩擦反力の合力の方向が所定の方向となるように、ツールの移動方向を制御する。また、ツールに作用する摩擦反力の合力の方向をON/OFFスイッチで検出する。
また、本発明に係る仕上げロボットの倣い方法は、ツールを用いて処理対象表面の仕上げ作業を行う仕上げロボットの倣い方法であって、前記ツールを、前記処理対象表面との複数点での接触状態を維持しつつ、所定の軌跡に沿って移動させるツール移動工程と、前記ツール移動工程中に、前記複数点の各々で前記ツールに作用する摩擦反力の合力の方向を検出する検出工程と、前記検出工程での検出結果に基づいて、前記合力の方向が予め設定された所定方向となるように、前記ツール移動手段によるツールの移動方向を制御する移動方向制御工程と、を備えたことを特徴としたものである。
この方法では、ツールが処理対象表面と接触する複数点の各々でツールに作用する摩擦反力の合力の方向が検出され、その結果に基づいて、摩擦反力の合力の方向が所定の方向となるように、ツールの移動方向が制御される。また、ツールに作用する摩擦反力の合力の方向はON/OFFスイッチで検出される。
以上の場合において、前記所定方向は、前記ツールが前記処理対象面に対して前記複数点で均等に接触している状態での摩擦反力の合力の方向である、ことが好ましい。
この構成では、摩擦反力の合力の方向が、ツールが処理対象面に対して複数点で均等に接触している状態での摩擦反力の合力の方向となるように、ツールの移動方向が制御される。これにより、ツールに作用する摩擦反力が変化してその反力の合力の大きさ及び方向に変動が生じた場合でも、かかる変動に対応してツールを処理対象表面と複数点で均等に接触させるように制御することができる。
以上の場合において、前記ツールとしては回転ブラシを用いることができる。
この構成では、回転ブラシを用いて処理対象表面の仕上げ作業を自動的に行うに際して、以上の場合と同様の作用効果を奏することができる。
本発明によれば、ツールを用いて処理対象表面の仕上げ作業をロボットにより行うに際し、例えば隅角部や段部を仕上げる場合など、ツールを処理対象表面と複数点で接触させて仕上げ作業を行う場合について、ツールが処理対象表面と接触する複数点の各々でツールに作用する摩擦反力の合力の方向を検出し、その結果に基づいて、摩擦反力の合力の方向が所定の方向となるように、ツールの移動方向が制御されるので、各接触点での接触状態が変化してツールに作用する摩擦反力が変化し、その反力の合力の大きさ及び方向に変動が生じた場合でも、かかる変動に対応してツールを処理対象表面と複数点で適正に接触させるように制御することができる。また、ツールに作用する摩擦反力の合力の方向を、ツールの支持軸の外周近傍に円周等配状に配置された6個数以上のON/OFFスイッチで検出することにより、各スイッチのON/OFF状態から合力の方向のみが検出されるので、検出データの取り扱いが簡単で、ひいてはツールの移動方向の調整制御を簡素化することができる。
本発明の実施形態に係る仕上げロボットの要部の概略を示す説明図である。 前記仕上げロボットに備えられたセンサ機構部の構造を示す図で、図1におけるY2−Y2矢視方向から見て模式的に示した説明図である。 回転ブラシが隅角部の2つの壁面に対し2点で均等に接触している状態を示す図で、図1におけるY3−Y3矢視方向から見て示した説明図である。 回転ブラシが隅角部の2つの壁面に対し不均等に接触している状態を示す図で、図1におけるY3−Y3矢視方向から見て示した説明図である。 センサ機構部の変形例を示す図2と同様の説明図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る仕上げロボットの要部を概略的に示す説明図である。この図に示すように、前記仕上げロボット1は、処理対象表面の仕上げ作業を行うためのツールとして、例えば回転ツール、特に回転ブラシ5を用いるものである。この回転ブラシ5は、ブラシ軸5sの軸線L5を中心として回転するもので、ブラシ軸5sは、回転駆動源としてのモータ4の回転軸4s(モータ軸:後述する図2参照)に、互いの軸線L4,L5が一致するように一体的に結合されている。この一体的に回転するモータ軸4sとブラシ軸5sとが、回転ブラシ5の支持軸を構成している。また、モータ4は、後述するセンサ機構部3を介して、ロボットハンド2に保持されている。
ロボットハンド2は、回転ブラシ5を、処理対象表面との所定の接触状態を維持しつつ、例えば予めティーチングされた所定の軌跡に沿って移動させるものである。本実施形態では、以下に説明するように、ロボットハンド2は、特に、隅角部や段部を仕上げる場合などに、回転ブラシ5をワークW(後述する図3,図4参照)の処理対象表面と複数点(例えば2点)で接触させた状態を維持しつつ、所定の軌跡に沿って移動させることができるように構成されている。このロボットハンド2が、本発明の「ツール移動手段」に相当している。
図3及び図4は、例えば、壁面Waと壁面Wbとで構成されるワーク隅角部Wcの表面を仕上げる場合における回転ブラシ5の隅角部表面Wa,Wbに対する接触状態を、図1における下方から(Y3−Y3矢視方向から)見て模式的に示した説明図である。図3は、回転ブラシ5が隅角部表面Wa,Wbに対して2点A,Bで均等に接触している状態を示し、図は、回転ブラシ5の隅角部表面Wa,Wbに対する接触状態が不均等になった場合を示している。


これら図3及び図4においては、回転ブラシ5は、A点で壁面Waと接触し、B点で壁面Wbと接触した状態を維持しつつ、矢印Rの方向に回転しながら、図3及び図4の紙面方向に移動する。これにより、隅角部Wcの両壁面Wa,Wbの仕上げ作業が行われる。
このとき、前記各接触点A,Bでは、回転ブラシ5の壁面Wa,Wbに対する押し付け力と、回転ブラシ5と壁面Wa,Wbとの間の摩擦係数と、に応じた摩擦反力が回転ブラシ5に作用することになる。
図3に示されるように、回転ブラシ5が隅角部壁面Wa,Wbに対して2点A,Bで均等に接触している状態では、各接触点A,Bでの摩擦反力F1a,F1bは互いに等しくなるように維持され(F1a=F1b)、その合力F1は、図3の例では水平方向左向きに作用する。
一方、回転ブラシ5と隅角部壁面Wa,Wbとの位置関係に若干のズレが生じたり、ワークWの表面形状に若干の変動がある場合など、例えば図4に示されるように、回転ブラシ5の隅角部壁面Wa,Wbに対する接触状態が不均等になった場合、例えば、接触点Bでの回転ブラシ5の壁面Wbに対する当たり(つまり押し付け力)が接触点Aでの回転ブラシ5の壁面Waに対する当たりよりも弱くなった場合には、各接触点A,Bでの摩擦反力F2a,F2bの大きさに差が生じ(F2a>F2b)、その合力F2の作用する方向が図3の状態から変化することになる。図4の例では、合力F2は左斜め上方向きに作用することになる。
このように回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力の方向に変化が生じた場合、従来の一方向のみの一次元的な制御では、押し付け方向のみの倣いはできても、それ以外の方向では倣いができず、その結果、隅角部Wc(若しくは段部)を構成する両壁面Wa,Wbについて良好な仕上げ品質を安定して確保することはできない。また、回転ツール5の移動動作についても壁面Wa側にずれた場合には押付反力と施工部摩擦力が加算され、実際の押付力が不足したり、壁面Wb側にずれた場合には強く押し付けすぎてしまい、壁面との角度によっては不安定な挙動となる場合もある。このことは、前述の通りである。
そこで、本実施形態では、回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力の方向を検出し、その検出結果に基づいて、摩擦反力の合力の方向が予め設定された所定方向となるように、つまり、回転ブラシ5が隅角部表面Wa,Wbに対して2点A,Bで均等に接触している場合と同じ方向となるように、ロボットハンド2による回転ブラシ5の移動方向を制御するようにしている。
このため、回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力の方向を検出する検出手段としてのセンサ機構部3が、モータ4の直上側に配設されている。
図2は、このセンサ機構部3の構造を示す図で、図1における上方から(Y2−Y2矢視方向から)見て模式的に示した説明図である。この図に示すように、センサ機構部3は、回転ブラシ5の回転支持軸(4s+5s)の上部を構成するモータ軸4sの上端近傍において、該モータ軸4sの外周を取り囲むようにして、複数個(本実施形態では8個)のON/OFF式の検出スイッチS1〜S8(方向検出スイッチ)が配設されている。
かかるON/OFF式の方向検出スイッチS1〜S8としては、例えば、所謂、近接スイッチのような接触式のものの他、電磁誘導の原理を応用した所謂マグネットスイッチのような非接触式のものなど、検知対象の物体の所定の変位に応じてON/OFF状態が変化し得る、種々のスイッチ類またはセンサ類を用いることができる。
この方向検出スイッチS1〜S8は、モータ軸4の外周近傍に円周8等配状に配置されており、モータ軸4sの上端近傍が特定の方向に変位すると、その変位方向に対応した位置に在るスイッチがOFF状態からON作動する(或いはON状態からOFF作動する)ことにより、モータ軸4sの上端近傍の変位方向、ひいては回転ブラシ5の回転支持軸(4s+5s)の変位方向を検出することができる。換言すれば、この回転ブラシ5に作用している摩擦反力の合力の方向を検出することができるのである。
前記センサ機構部3は、仕上げロボット1の制御ユニット8(図1参照)に信号授受可能に接続されており、センサ機構部3で検出された回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力方向の検出信号は、前記制御ユニット8に入力される。制御ユニット8では、その検出信号に基づいて、摩擦反力の合力の方向が予め設定された所定方向となるように、つまり、回転ブラシ5が隅角部表面Wa,Wbに対して2点A,Bで均等に接触している場合と同じ方向となるように、ロボットハンド2の駆動部(不図示)に制御信号を出力し、ロボットハンド2による回転ブラシ5の移動方向を制御するようになっている。この制御ユニット8が、「検出手段(センサ機構部3)の検出結果に基づいて、合力の方向が予め設定された所定方向となるように、ツール移動手段(ロボットハンド2)によるツール(回転ブラシ5)の移動方向を制御する」本発明の「移動方向制御手段」に相当している。尚、前記制御ユニット8は、例えば、マイクロコンピュータを主要部として構成されたものである。
以下、ON/OFF式の方向検出スイッチS1〜S8として、例えば、通常時OFFのスイッチ(例えば接触式のスイッチ)を用いた場合を例にとって説明する。この場合、回転ブラシ5がワーク隅角部Wcの両壁面Wa,Wbの何れにも接触していない無負荷の状態を初期状態に設定すれば、この初期状態では、全てのスイッチS1〜S8はOFF状態である。
次に、仕上げ作業が開始されて、図3に示されるように、回転ブラシ5が隅角部表面Wa,Wbに対して2点A,Bで均等に接触する状態になると、各接触点A,Bでの摩擦反力F1a,F1bは互いに等しくなるように維持され(F1a=F1b)、その合力F1は、図3の例では水平方向左向きに作用することになる。
この状態では、回転ブラシ5の回転支持軸(4s+5s)に図3における水平方向左向きの摩擦反力F1が作用し、回転支持軸(4s+5s)にはそれに応じた変位が生じ、その変位方向に対応した位置に在るスイッチ(例えばスイッチS1)のみがON作動する。つまり、この例では、スイッチS1のみがON状態で、他の全てのスイッチS2〜S8がOFFに維持されている状態が、回転ブラシ5の隅角部表面Wa,Wbに対する適正な接触状態を表している。尚、この状態を初期状態に設定するようにしても良い。また、回転ブラシ5が隅角部表面Wa,Wbに対して適正な接触状態の場合に、全てのスイッチS2〜S8がOFFになるように初期状態を設定しても良い。
その後、仕上げ作業の進行に伴い、例えば図4に示されるように、回転ブラシ5の隅角部表面Wa,Wbに対する接触状態が不均等になった場合には、各接触点A,Bでの摩擦反力F2a,F2bの大きさに差が生じ(例えばF2a>F2b)、その合力F2の作用する方向が図3の状態から変化することになる。図4の例では、合力F2は左斜め上方向きに作用する。
この状態では、回転ブラシ5の回転支持軸(4s+5s)に図4における左斜め上方向きの摩擦反力F2が作用し、回転支持軸(4s+5s)に生じる変位の方向に対応した位置に在るスイッチとして、例えば、スイッチS1以外にスイッチS2もON作動する。このとき、他のスイッチS3〜S8はOFFに維持されている。
スイッチS1〜S8のON/OFF状態を示す検出信号を受けた制御ユニット8は、その検出信号に基づいて、摩擦反力の合力の方向が、回転ブラシ5が隅角部表面Wa,Wbに対して2点A,Bで均等に接触している場合と同じ方向となるように、換言すれば、スイッチS1のみがON状態で他の全てのスイッチS2〜S8がOFFに維持されている状態となるように、ロボットハンド2の駆動部(不図示)に制御信号を出力し、ロボットハンド2による回転ブラシ5の移動方向を制御する。例えば、ONになったセンサと真逆方向に、当該センサがOFFになるまでロボットハンド2を移動させてもよい。また、過去に一定時間ONになっていた時間の割合に応じて、ロボットハンド2の移動要求量を決定してもよい。
以上、説明したように、本実施形態によれば、回転ブラシ5を用いて処理対象表面の仕上げ作業をロボット1により自動で行うに際し、例えばワークWの隅角部Wc(または段部)を仕上げる場合など、回転ブラシ5を隅角部Wcの両壁面Wa,Wbと2点A,Bで接触させて仕上げ作業を行う場合について、回転ブラシ5が各壁面Wa,Wbと接触する2点A,Bの各々で回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力F1,F2の方向を検出し、その結果に基づいて、摩擦反力の合力F1,F2の方向が所定の方向となるように、回転ブラシ5の移動方向が制御されるので、各接触点A,Bでの接触状態が変化して回転ブラシ5に作用する摩擦反力が変化し、その反力の合力F1,F2の大きさ及び方向に変動が生じた場合でも、かかる変動に対応して回転ブラシ5を処理対象表面Wa,Wbと2点A,Bで適正に接触させるように制御することができる。
この場合において、摩擦反力の合力F2の方向が、回転ブラシ5が処理対象面Wa,Wbに対して2点A,Bで均等に接触している状態での摩擦反力の合力F1の方向となるように、回転ブラシ5の移動方向を制御することにより、回転ブラシ5に作用する摩擦反力が変化してその反力の合力の大きさ及び方向に変動が生じた場合でも、かかる変動に対応して回転ブラシ5を処理対象表面Wa,Wbと2点A,Bで均等に接触させるように制御することができる。
また、本実施形態では、前記2点A,Bの各々で回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力F1,F2の方向は、回転ブラシ5の回転支持軸(4s+5s)の外周近傍に円周等配状に配置された少なくとも8個のON/OFFスイッチS1〜S8で検出されるので、合力F1,F2の方向のみが検出されることとなり、検出データの取り扱いが簡単で、ひいては回転ブラシ5の移動方向の調整制御が簡素化される。
尚、ON/OFFスイッチの個数が8個より少なくても(例えば6個等でも)、回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力F1,F2の方向を検出することが可能ではあるが、方向検出の精度がそれだけ低下することになる。従って、かかるON/OFFスイッチの個数は多いほど良く、特に、8個以上であることが好ましい。
また、本実施形態では、回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力の方向を検出するために、少なくとも8個のON/OFFスイッチS1〜S8がセンサ機構部3に備えられていたが、摩擦反力の合力の方向を検出する検出素子としては、かかるON/OFFスイッチS1〜S8に限定されるものではなく、アナログ式センサを用いて検出するようにしてもよい。
図5は、センサ機構部の変形例を示す図2と同様の説明図である。この変形例では、回転ブラシ5に(つまり、回転ブラシ5の回転支持軸(4s+5s)に)作用する摩擦反力の合力の方向を検出するために、回転支持軸(4s+5s)の上部をなすモータ軸4sの外周近傍に所定角度をなして(例えば直交するように)配置された2個のアナログ式センサT1,T2が、センサ機構部53に備えられている。
かかるアナログ式センサT1,T2としては、例えば歪ゲージ又は圧電素子を組み込んだものなどを用いることができる。かかるアナログ式センサT1,T2で得られた検出値の解析(演算)データに基づいて、回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力の方向を(併せて、その大きさも)検出することができる。
この場合には、ON/OFFスイッチS1〜S8に比して、検出データの取り扱いが複雑になり、また、検出素子も一般に高価なものとなるが、検出素子の個数が少なくて済むという利点がある。尚、アナログ式センサとしては、上述のもの以外にも、例えば、ある種の回転角センサ(例えば、所謂レゾルバ)や変位センサ(例えば、所謂リニアゲージ)なども有効に使用することができる。
また、センサ機構部53に用いるセンサとしては、上述のON/OFFスイッチやアナログ式センサに限定されることはなく、所謂デジタルセンサを用いて反力方向と反力の大きさのデータを取得し、このうちの反力方向データのみを制御に利用するようにしてもよい。かかるデジタルセンサとしては、例えば、電気接点を利用したスイッチ,磁力や誘電起電力を利用した非接触型スイッチ,光遮断検知型スイッチなど、種々のものを用いることができる。
尚、以上の説明では、何れも、回転ブラシ5に作用する摩擦反力の合力の方向を検出する検出手段としてのセンサ機構部3,53がモータ4の直上側に設けられていたが、かかるセンサ機構部3,53を、回転支持軸(4s+5s)に沿った他の箇所、例えば、モータ4の直下側などに設けるようにしてもよい。
また、以上の説明は、何れも、回転ツールとして回転ブラシ5を用いた場合についてのものであったが、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、例えばゴム砥石など、他のタイプの回転ツールを用いて処理対象表面の仕上げ作業をロボットにより自動で行う種々の場合についても、有効に適用することができるものである。
更に、以上の説明は、何れも、回転ツールを用いて処理対象表面の仕上げ作業を行う場合についてのものであったが、本発明はかかる場合に限定されるものではなく、所謂ベルトサンダを用いて処理対象表面の仕上げ作業を行う場合や、ワークを把持して処理対象表面を回転ツールに押し付けることで仕上げ作業を行う場合にも、有効に適用することができる。
本発明は、例えば回転ブラシやゴム砥石などのツールを用いて、処理対象表面の仕上げ作業をロボットにより行うに際し、例えばワークの隅角部や段部を仕上げる場合など、ツールを処理対象表面と複数点で接触させて仕上げ作業を行う場合における仕上げロボットの倣い装置および倣い方法として、有効に利用することができる。
1 仕上げロボット
2 ロボットハンド
3,53 センサ機構部
4 モータ
4s モータ軸
5 回転ブラシ
5s ブラシ軸
8 制御ユニット
A,B 接触点
F1,F2 摩擦反力の合力
F1a,F2a 接触点Aでの摩擦反力
F1b,F2b 接触点Bでの摩擦反力
S1〜S8 ON/OFFスイッチ
T1,T2 アナログ式センサ
W ワーク
Wa,Wb 壁面
Wc 隅角部

Claims (4)

  1. ツールを用いて処理対象表面の仕上げ作業を行う仕上げロボットの倣い装置であって、
    前記ツールを、前記処理対象表面との複数点での接触状態を維持しつつ、所定の軌跡に沿って移動させ得るロボットハンドと、
    該ロボットハンドに対し一体的に取り付けられ、前記複数点の各々で前記ツールに作用する摩擦反力の合力の方向を検出する検出手段であって、前記ツールの支持軸の外周近傍に円周等配状に配置された6個数以上のON/OFFスイッチで構成された検出手段と、
    該検出手段の検出結果に基づいて、前記合力の方向が予め設定された所定方向となるように、前記ロボットハンドによるツールの移動方向を制御する移動方向制御手段と、
    を備えたことを特徴とする仕上げロボットの倣い装置。
  2. 前記ツールは回転ブラシであることを特徴とする請求項1に記載の仕上げロボットの倣い装置。
  3. ツールを用いて処理対象表面の仕上げ作業を行う仕上げロボットの倣い方法であって、
    前記ツールを、ロボットハンドを用いて、前記処理対象表面との複数点での接触状態を維持しつつ、所定の軌跡に沿って移動させるツール移動工程と、
    前記ロボットハンドに対し一体的に取り付けられた検出手段であって、前記ツールの支持軸の外周近傍に円周等配状に配置された6個数以上のON/OFFスイッチで構成された検出手段を用いて、前記ツール移動工程中に、前記複数点の各々で前記ツールに作用する摩擦反力の合力の方向を検出する検出工程と、
    前記検出工程での検出結果に基づいて、前記合力の方向が予め設定された所定方向となるように、前記ロボットハンドによるツールの移動方向を制御する移動方向制御工程と、
    を備えたことを特徴とする仕上げロボットの倣い方法。
  4. 前記ツールとして回転ブラシを用いて処理対象表面の仕上げ作業を行う、ことを特徴とする請求項に記載の仕上げロボットの倣い方法。
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