JP6620401B2 - ロボットの工具メンテナンス判定装置 - Google Patents

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本発明は、ロボットのツールとして用いる工具のメンテナンスを行うタイミングを判定する装置に関するものである。
手先にツールを取り付けて各種の作業を行うロボットの一つに、ワークを加工する工具をツールとして用いる加工ロボットがある。加工ロボットの代表例としては、スピンドルモータによって回転される砥石を手先に取り付けたワークの仕上げ加工ロボットがある。仕上げ加工ロボットでは、ロボットの動きを制御して砥石をワークの仕上げ部分に当接させる。その際、砥石のワークに対する押し付け力を目標値に保つために、ロボットの動きを力制御するものもある(例えば、特許文献1)。
ところで、砥石等の研磨工具は、摩耗すると研磨効率が低下する。このため、摩耗の進行に伴ってドレッシングを行って、低下した研磨工具の研磨効率を復元させる必要がある。ドレッシングに関しては、一定量のワークを加工する毎にドレッシングを行うようにする提案がある(例えば、特許文献2)。
特開平4−164585号公報 特開2001−54865号公報
研磨工具のドレッシングでは、ドレス用の砥石等によって研磨工具の研磨面を削って研磨面の状態を整える。したがって、ドレッシング時の研磨面の削り量を極力抑えることが、研磨工具の寿命を延ばす上で重要となる。そのためには、研磨工具のドレッシングを定期的に行うよりも、必要なときに限って行う方が好ましい。
この種の問題は、ドレッシングを必要とする研磨工具を手先に取り付ける仕上げ加工ロボットに限らず、使用量の増加に伴い交換や調整等のメンテナンスを要する加工工具を手先に取り付ける加工ロボットに全般に広く共通する問題である。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ロボットの手先に取り付けた加工工具をメンテナンスする適切なタイミングを判定することができるロボットの工具メンテナンス判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明のロボットの工具メンテナンス判定装置は、
駆動源にかかる負荷状態に対応する物理量を検出する負荷状態センサと、
前記駆動源により駆動される手先の工具による被加工物の加工動作時に、前記負荷状態センサが検出した前記負荷状態に対応する物理量を利用して、前記工具の被加工物に対する押し付け力を目標値に保つように力制御されるロボットと、
前記工具による前記被加工物の加工条件に応じた前記駆動源の基準の負荷状態に対応する基準物理量と前記負荷状態センサが検出した前記負荷状態に対応する物理量との比較に基づいて、前記被加工物から前記工具が受ける加工面圧の上昇を検出し、前記工具のメンテナンス動作の実行条件の成立、非成立を判定する判定部と、
を備えることを特徴とする。
請求項1に記載した本発明のロボットの工具メンテナンス判定装置によれば、駆動源により駆動させた工具を目標値の押し付け力で被加工物に押し付けると、駆動源の負荷状態は目標の押し付け力に応じた負荷状態となる。しかし、工具が劣化すると、同じ押し付け力で工具を被加工物に押し付けていても駆動源の負荷状態は変化する。
このため、工具による被加工物の加工条件を考慮して定めた駆動源の基準の負荷状態に対応する基準物理量との比較により、ロボットの力制御中に被加工物から工具が受ける加工面圧の上昇を検出して、負荷状態センサが検出する駆動源の実際の負荷状態に対応する物理量を通じて工具の劣化の度合いを認識し、その度合いに基づいて、メンテナンス動作の実行条件の成立、非成立という形で、工具のメンテナンスが必要かどうかを判定することができる。
よって、ロボットの手先に取り付けた加工工具をメンテナンスする適切なタイミングを判定することができる。
また、請求項2に記載した本発明のロボットの工具メンテナンス判定装置は、請求項1に記載した本発明のロボットの工具メンテナンス判定装置において、前記実行条件の成立時に、前記工具のメンテナンス動作を前記加工動作に割り込んで前記ロボットに実行させるメンテナンス動作制御部をさらに備えることを特徴とする。
請求項2に記載した本発明のロボットの工具メンテナンス判定装置によれば、請求項1に記載した本発明のロボットの工具メンテナンス判定装置において、ロボットの手先に取り付けた加工工具を適切なタイミングでメンテナンスすることができる。
本発明のロボットの工具メンテナンス判定装置によれば、ロボットの手先に取り付けた加工工具をメンテナンスする適切なタイミングを判定することができる。
本発明の一実施形態に係るロボットの工具メンテナンス判定装置を有するロボットシステムの概略構成を示す説明図である。 図1のロボットシステムの電気的な概略構成を示すブロック図である。 図1のグラインダの砥石を示す拡大斜視図である。 (a),(b)は図1のグラインダの砥石の摩耗が進む前と進んだ後の各状態を示す説明図である。 図1のグラインダの砥石の摩耗が進んだ場合のグラインダのツールセンターポイントの移動の様子を示す説明図である。 図1のグラインダの砥石の摩耗の進行による被加工物に対する砥石の接触長さの変化とスピンドルモータの回転トルクの変動との相関を示すグラフである。 (a),(b)は図1のドレッシングテーブル上でドレッシングする前とドレッシングした後のグラインダの砥石をそれぞれ示す説明図である。 図1の制御用PCのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行う制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るロボットの工具メンテナンス判定装置を有するロボットシステムの概略構成を示す説明図である。
図1中引用符号1で示す本実施形態のロボットは、ワーク17(請求項中の被加工物に相当)の表面17a(図4参照)を加工するものである。このワーク17は、ロボット1の作業エリアに配置される。そして、本実施形態のロボット1は、円柱状の基台3上に設置された多関節型アーム5の先端にフランジ部9を有している。
多関節型アーム5は、基台3側から順に第1乃至第4の4つのアーム部6a〜6dを有している。基台3と第1アーム部6aはA1軸6eで回転可能に連結されている。第1アーム部6aと第2アーム部6bはA2軸6fで回転可能に連結されている。第2アーム部6bと第3アーム部6cはA3軸6gで回転可能に連結されている。第3アーム部6cの先端側(第4アーム部6d側)はA4軸6hにより、基端側(第2アーム部6b側)に対して回転可能とされている。第3アーム部6cと第4アーム部6dはA5軸6iで回転可能に連結されている。第4アーム部6dの先端には、A6軸6j及び力覚センサ11を介してフランジ部9が回転可能に連結されている。
このように構成された本実施形態のロボット1においては、多関節型アーム5に内蔵したA1〜A6の各軸6e〜6j用のロータリアクチュエータ5A〜5F(図2参照)に、ロボットコントローラ31から適切な制御値を与えることで、基台3に対して多関節型アーム5を適切な姿勢とする。
このような構成のロボット1は、位置ベクトルによって各部の位置及び姿勢を管理する。この位置及び姿勢の管理にはロボット座標系が用いられる。ロボット座標系は、ロボット原点Oを原点とする座標系である。このロボット原点Oは、基台3の設置面3aの中心点に設定される。
なお、フランジ部9にはエンドエフェクタとしてのグラインダ13が取り付けられている。グラインダ13は、ワーク17の表面17aを研磨加工するのに用いられる。
このグラインダ13は、ロボット1の出荷段階ではフランジ部9に取り付けられていない。したがって、後述するロボットコントローラ31がロボット1の位置及び姿勢を制御するために有しているロボット座標系における位置ベクトルのデータは、フランジ部9までの分だけである。フランジ部9に取り付けたグラインダ13の位置及び姿勢の管理には、グラインダ13の代表点であるツールセンターポイントTCPを原点とするツール座標系が用いられる。
ツール座標系は、ロボット1の受け入れ側において行う較正作業によって、後からロボットコントローラ31に設定される。ツール座標系の較正は、ロボット1のフランジ部9に対するグラインダ13の取付点を原点とするロボット手先座標系を用いて行う。具体的には、ロボット手先座標系から見たツール座標系の相対的位置・姿勢を較正することで行う。そして、ロボット手先座標系から見たツール座標系の相対的位置・姿勢を記述する行列やベクトルを表すデータを、ロボットコントローラ31に与える。
したがって、ロボットコントローラ31では、ロボット座標系におけるロボット手先座標系の原点の位置ベクトルに基づいて、グラインダ13のツールセンターポイントTCPのロボット座標系における位置ベクトルを特定する。
図2は、図1のロボットの電気的な概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、ロボットコントローラ31は、ロボット座標系におけるグラインダ13のツールセンターポイントTCPの座標値を管理し、ロボット1の多関節型アーム5の動作を制御するために、CPUやRAM及びROMを有するコンピュータによって構成される。このロボットコントローラ31には、ドライブ回路5G〜5Lと、ロータリセンサ5M〜5Rとが接続される。
ドライブ回路5G〜5Lはロータリアクチュエータ5A〜5Fに対応している。ロータリアクチュエータ5A〜5Fは、ロボット1の多関節型アーム5のA1軸乃至A6軸6e〜6jを回転させる駆動源である。ロータリセンサ5M〜5Rはロータリアクチュエータ5A〜5Fに対応している。ロータリセンサ5M〜5Rは、対応するロータリアクチュエータ5A〜5FによるA1軸乃至A6軸6e〜6jの各軸の回転方向及び回転角度(又は回転量)を検出する。
ロボットコントローラ31は、力制御でロボット1の多関節型アーム5乃至グラインダ13を移動させる。力制御では、外部からロボットコントローラ31に、ワーク17に対するグラインダ13の押し付け力と、ロボット座標系におけるグラインダ13のワーク17に対する押し付け開始位置とを示すデータが入力される。
そして、ロボットコントローラ31は、入力されたロボット座標系におけるワーク17への押し付け開始位置にグラインダ13を移動させるための、ロータリアクチュエータ5A〜5Fの駆動信号を生成し、対応するドライブ回路5G〜5Lに出力する。
また、入力された押し付け力に相当する出力に力覚センサ11の出力を保つように押し付け開始位置からグラインダ13をワーク17の表面17aに沿って移動させるための、ロータリアクチュエータ5A〜5Fの駆動信号を生成し、対応するドライブ回路5G〜5Lに出力する。
さらに、ロボットコントローラ31は、外部からの多関節型アーム5の姿勢を示すデータの出力要求に呼応して、要求時点におけるロータリセンサ5M〜5Rの出力を、ロボット1の姿勢データとして外部に出力する。
一方、制御用PC19は、ワーク17の表面17aをグラインダ13で研磨加工するためのロボット1の力制御パターンを決定する処理を行うために、CPUやRAM及びROMを有するコンピュータによって構成される。RAMは、CPUがROMに格納されたプログラムを実行する際の作業エリア等として利用される。制御用PC19には、ロボットコントローラ31やロボット1の力覚センサ11、後述するトルクセンサ15が接続されている。
そして、制御用PC19は、力覚センサ11の出力を監視して、ワーク17の表面17aに対するグラインダ13の砥石13bの押し付け力を一定に保つための指令内容を決定し、決定した指令内容のデータをロボットコントローラ31に出力する。ロボットコントローラ31は、制御用PC19から受け取った指令内容と、グラインダ13によるワーク17の加工内容とに応じて、ロボット1の各ロータリアクチュエータ5A〜5Fの駆動内容を決定し、それに応じた駆動信号を対応するドライブ回路5G〜5Lに出力する。
ところで、グラインダ13は、スピンドルモータ13a(請求項中の駆動源に相当)とこれによって回転される砥石13b(請求項中の手先の工具に相当)とを有している。砥石13bは、図3の拡大斜視図に示すように、スピンドルモータ13aの回転軸13cが一方の端面の中央に挿通された円柱状を呈している。ワーク17の表面17aを研磨加工する際には、スピンドルモータ13aによって回転された砥石13bの他方の端面の周縁部が、図4の説明図に示すように、ワーク17の表面17aに押し当てられる。
上述したように、グラインダ13は、多関節型アーム5と共に、ロボットコントローラ31の力制御によってワーク17に対して移動される。このため、砥石13bのワーク17に対する押し付け力Fは、多関節型アーム5の動作の制御を介してロボットコントローラ31により目標の押し付け力F1を維持するように制御される。このような力制御を行うために、押し付け力Fに相当するグラインダ13に加わる荷重とその方向が、フランジ部9に取り付けた力覚センサ11によって検出される。力覚センサ11の検出出力は、制御用PC19(図1参照)に入力される。
ここで、例えば、砥石13bの他方の端面側が接触長さl1でワーク17の表面17aと接触し、目標の押し付け力F1で押し付けられている場合を想定する。このときのスピンドルモータ13aの回転トルクT1は、スピンドルモータ13aの回転数やワーク17の表面17aの粗さ等に応じた比例定数をαとすると、T1=α×l1×F1の式によって表すことができる。
なお、以下の説明では、ロボット座標系における砥石13bの位置を、砥石13bの一方の端面に対するスピンドルモータ13aの回転軸13cの挿通箇所Pの座標値で管理するものとする。また、本実施形態では、この挿通箇所Pを便宜的にグラインダ13のツールセンターポイントTCPであるものとする。そして、図4(a)に示す初期状態におけるツールセンターポイントTCP(挿通箇所P)のロボット座標系における位置座標P1を、P1(x1,y1,z1)であるものとする。
この初期状態から、仮に、力制御を行わずにグラインダ13の砥石13bによりワーク17の表面17aを研磨加工し続けると、砥石13bが摩耗して砥石13bのワーク17に対する押し付け力Fが低下し、力覚センサ11の出力が低下する。
そこで、砥石13bのワーク17に対する押し付け力Fが目標の押し付け力F1に保たれて、力覚センサ11の低下した出力が元に戻るように、図4(b)に示すように、ロボットコントローラ31の制御により砥石13bがワーク17の表面17aに近づくようにグラインダ13が移動される。
この移動により、グラインダ13のツールセンターポイントTCPは、図5の説明図に示すように、ツールセンターポイントTCPの元の(初期状態における)位置座標P1(x1,y1,z1)よりもワーク17に近い、位置座標P2(x2,y2,z2)に移動する。
このように、砥石13bの摩耗が進んでグラインダ13のツールセンターポイントTCPが初期状態の位置座標P1から位置座標P2に移動すると、ワーク17の表面17aに対する砥石13bの接触長さlが、砥石13bが摩耗する前の、グラインダ13の砥石13bが位置座標P1にあったときの接触長さl1よりも長い接触長さl2となる。
このとき、スピンドルモータ13aの回転トルクT2は、T2=α×l2×F1の式によって表される。回転トルクT2は、ワーク17に対する砥石13bの接触長さlがl1からl2に増加するので、これに比例して、図6の説明図に示すように、元の回転トルクT1よりも上昇する。
砥石13bの摩耗が進むにつれて、スピンドルモータ13aの回転トルクTがT1からT2に増加するということは、砥石13bの摩耗が進むにつれてワーク17の表面17aから砥石13bが受ける加工面圧が上がるということである。砥石13bがワーク17側から受ける加工面圧が上がると、砥石13bからスピンドルモータ13aが受ける負荷が増加する。スピンドルモータ13aの負荷が増加すると、スピンドルモータ13aの回転が過負荷によって頻繁に低下したり停止するようになり、グラインダ13によるワーク17の研磨加工にムラが生じたり研磨加工が行えなくなってしまう。
このように、砥石13bの摩耗に伴いグラインダ13のツールセンターポイントTCPをワーク17側に移動させると、その移動量に比例して、ワーク17に対する砥石13bの接触長さlが増加する。そして、ワーク17に対する砥石13bの接触長さlが増加すると、スピンドルモータ13aの回転トルクTが増加する。
そこで、本実施形態では、制御用PC19が、グラインダ13のツールセンターポイントTCPの初期状態の座標位置P1からの移動量Lや、ワーク17の表面17aに対する砥石13bの接触長さlに比例する、スピンドルモータ13aの回転トルクTを基準にして、グラインダ13の砥石13bをドレッシングするタイミングを判定する。
そのために、本実施形態のロボット1では、スピンドルモータ13aの回転トルクT(請求項中の負荷状態に相当)を、図1に示す、スピンドルモータ13aに内蔵されたトルクセンサ15(請求項中の負荷状態センサに相当)によって検出する。トルクセンサ15の出力は、制御用PC19に入力される。
なお、砥石13bのドレッシングは、ロボット1の近傍に配置されたドレッシングテーブル21上のドレッシング用のダイヤモンド電着砥石21aに、砥石13bの先端を回転させながら押し付けることで行う。このドレッシングにより、図7(a)に示すように、砥石13bの他方の端面側から中心軸方向に砥石13bが研磨される。これにより、ワーク17の表面17aとの接触長さl2が、図7(b)に示すように、l1の接触長さに減り、砥石13bがワーク17側から受ける加工面圧が元の高さに下がる。
次に、制御用PC19のCPUがROMに格納されたプログラムにしたがって行う、グラインダ13の砥石13bのドレッシングを行うタイミングの判定に関する制御を、図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、制御用PC19のCPUは、ロボットコントローラ31に対してグラインダ13によるワーク17の表面17aの研磨加工工程の開始を指令する(ステップS1)。これにより、ロボットコントローラ31のCPUは、砥石13bがワーク17の表面17aに目標の押し付け力F1で押し付けられるように、ロボット1の多関節型アーム5によってグラインダ13を移動させる。
次に、制御用PC19のCPUは、力覚センサ11の出力から、ワーク17の表面17aに対するグラインダ13の砥石13bの押し付け力Fが、目標の押し付け力F1よりも低いか否かを確認する(ステップS3)。
目標の押し付け力F1よりも低い場合は(ステップS3でYES)、制御用PC19のCPUは、砥石13bをワーク17に押し付ける方向にロボット1の多関節型アーム5を移動させる指令を、ロボットコントローラ31に対して出力する(ステップS5)。
一方、目標の押し付け力F1よりも低くない場合は(ステップS3でNO)、制御用PC19のCPUは、砥石13bをワーク17から離す方向にロボット1の多関節型アーム5を移動させる指令を、ロボットコントローラ31に対して出力する(ステップS7)。
そして、制御用PC19のCPUは、スピンドルモータ13aの回転トルクTが、ワーク17の表面17aに対するグラインダ13の砥石13bの押し付け力Fが目標の押し付け力F1であるときの回転トルクT1(以下、「目標の回転トルクT1」と称する。請求項中の基準の負荷状態に相当)よりも大きいか否かを確認する(ステップS9)。
ここで、目標の回転トルクT1の算出式、即ち、砥石13bの押し付け力Fが目標の押し付け力F1であるときの回転トルクT1の算出式は、上述したように、スピンドルモータ13aの回転数やワーク17の表面17aの粗さ等に応じた比例定数αを係数として有している。このため、目標の回転トルクT1は、ワーク17の加工条件に応じて定まる値であることになる。
スピンドルモータ13aの回転トルクTが目標の回転トルクT1よりも大きくない場合は(ステップS9でNO)、ステップS3にリターンする。一方、目標の回転トルクT1よりも大きい場合は(ステップS9でYES)、制御用PC19のCPUは、グラインダ13のツールセンターポイントTCPのデフォルト点からの移動量Lが、許容範囲内であるか否かを確認する(ステップS11)。
ここで、グラインダ13のツールセンターポイントTCPのデフォルト点は、前回の砥石13bのドレッシングの終了地点となる。なお、砥石13bのドレッシングをまだ行っていない場合は、初期状態におけるグラインダ13のツールセンターポイントTCPの座標位置P1がデフォルト点となる。
また、移動量Lの許容範囲とは、砥石13bが受ける加工面圧(スピンドルモータ13aの回転トルクT)が許容範囲の上限に達するまで、ワーク17の表面17aに対する砥石13bの接触長さlが増えない範囲のことである。
即ち、ステップS11の確認は、スピンドルモータ13aの回転トルクTが目標の回転トルクT1を超えるまで増加した場合に、その原因が、摩耗に伴う砥石13bの移動によるワーク17の表面17aとの接触長さlの増加ではない別の原因であるかどうかを判断するためである。
そして、グラインダ13のツールセンターポイントTCPのデフォルト点からの移動量Lが許容範囲の上限以内である場合は(ステップS11でYES)、スピンドルモータ13aの回転トルクTの増加が、砥石13bとワーク17の表面17aとの接触長さlの増加以外の原因であるものとして、後述するステップS17に移行する。
一方、移動量Lが許容範囲の上限を超えている場合は(ステップS11でNO)、スピンドルモータ13aの回転トルクTの増加が、砥石13bとワーク17の表面17aとの接触長さlの増加が原因であるものとして、制御用PC19のCPUは、砥石13bのドレッシング工程の開始させる指令を、ロボットコントローラ31に対して出力する(ステップS13)。
これにより、ロボットコントローラ31のCPUは、図7(a),(b)を参照し先に説明したように、砥石13bの先端がドレッシングテーブル21上のドレッシング用のダイヤモンド電着砥石21aに回転しながら押し付けられるように、ロボット1の多関節型アーム5によってグラインダ13を移動させる。
ここで、砥石13bのドレッシング量は、砥石13bの中心軸方向の寸法が予め決めておいた一定量短くなる量としても良い。あるいは、ステップS9で目標の回転トルクT1と比較したスピンドルモータ13aの回転トルクTの値や、ステップS11で許容範囲内であるかどうか確認したグラインダ13のツールセンターポイントTCPのデフォルト点からの移動量Lに応じてその都度決定される量としても良い。
そして、制御用PC19のCPUは、ロボットコントローラ31から通知を受け取ったか否かによって、砥石13bのドレッシングが終了したか否かを確認する(ステップS15)。終了していない場合は(ステップS15でNO)、ステップS13にリターンする。一方、終了した場合は(ステップS15でYES)、ステップS3にリターンする。
ステップS11でツールセンターポイントTCPの移動量Lが許容範囲の上限以内である場合(YES)に進むステップS17では、制御用PC19のCPUは、ロボットコントローラ31からの通知を受け取ったか否かによって、ステップS1で開始指令したワーク17の表面17aの研磨加工工程が終了したか否かを確認する(ステップS17)。研磨加工工程が終了していない場合は(ステップS17でNO)、ステップS3にリターンし、終了した場合は(ステップS17でYES)、一連の処理を終了する。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のロボットシステムでは、図8のフローチャートにおけるステップS9及びステップS11が、請求項中の判定部に対応する処理となっている。また、本実施形態のロボットシステムでは、図8中のステップS13及びステップS15と、ステップS13の指令出力に呼応してロボットコントローラ31のCPUが行う砥石13bのドレッシングに関する処理とが、請求項中のメンテナンス動作制御部に対応する処理となっている。
以上に説明したように、本実施形態のロボットシステムによれば、グラインダ13の砥石13bをワーク17の表面17aに押し付け力F1で押し付けて表面17aの研磨加工を行う場合、砥石13bの摩耗が進むと表面17aとの接触長さlが増加する。すると、砥石13bがワーク17から受ける加工面圧が増加し、トルクセンサ15が検出するスピンドルモータ13aの回転トルクTが増加する。
そこで、スピンドルモータ13aの回転トルクTが、砥石13bと表面17aとが接触長さl1で接触するときのスピンドルモータ13aの回転トルクT1を超え、かつ、グラインダ13のツールセンターポイントTCPの移動量Lが許容範囲の上限を超えると、グラインダ13の砥石13bをドレッシングしてワーク17の表面17aとの接触長さlを減らすようにした。
このため、ドレッシングが必要になるまで砥石13bが摩耗したタイミングで砥石13bのドレッシングを行うようにして、必要以上に砥石13bがドレッシングにより消耗されてしまうのを防ぐことができる。
なお、本実施形態では、グラインダ13のツールセンターポイントTCPの初期状態の座標位置P1からの移動量Lと、ワーク17の表面17aに対する砥石13bの接触長さlに比例する、スピンドルモータ13aの回転トルクTとを基準にして、グラインダ13の砥石13bをドレッシングするタイミングを判定した。しかし、グラインダ13の移動量Lとスピンドルモータ13aの回転トルクTとのどちらか一方だけを基準にして、ドレッシングタイミングを判定してもよい。
即ち、スピンドルモータ13aの回転トルクTが目標の回転トルクT1を超えるまで増加した場合に(図8のステップS9でYES)、砥石13bのドレッシング工程の開始させる指令を、ロボットコントローラ31に対して出力する(ステップS13)ようにしてもよい。この場合は、図8のステップS11で行った、グラインダ13のツールセンターポイントTCPのデフォルト点からの移動量Lが許容範囲の上限以内であるか否かの判定が、不要となる。
また、グラインダ13のツールセンターポイントTCPのデフォルト点からの移動量Lが許容範囲の上限を超えている場合に(図8のステップS11でNO)、砥石13bのドレッシング工程の開始させる指令を、ロボットコントローラ31に対して出力する(ステップS13)ようにしてもよい。この場合は、図8のステップS9で行った、スピンドルモータ13aの回転トルクTが目標の回転トルクT1よりも大きいか否かの判定が、不要となる。
さらに、グラインダ13の砥石13bをドレッシングするタイミングの判定は、スピンドルモータ13aの回転トルクTやグラインダ13の移動量Lと基準値との比較の他、スピンドルモータ13aの回転トルクTに対応する物理量とその基準値との比較によって行うこともできる。
なお、本実施形態では、ドレッシングが必要になった時点で実際に砥石13bのドレッシングを行うものとしたが、砥石13bのドレッシングが必要になったことを表示や音声等で通知するだけにしてもよい。
また、本実施形態では、使用に伴い砥石13bのドレッシングが必要になるグラインダ13を工具(エンドエフェクタ)として多関節型アーム5のフランジ部9に取り付けたロボット1を例に取って説明した。しかし、本発明は、使用に伴いドレッシング以外の、例えば交換や砥粒の薄め液の追加滴下等がメンテナンスとして必要となる工具についても広く適用可能である。
1 ロボット
3 基台
3a 設置面
5 多関節型アーム
5A〜5F ロータリアクチュエータ
5G〜5L ドライブ回路
5M〜5R ロータリセンサ
6a 第1アーム部
6b 第2アーム部
6c 第3アーム部
6d 第4アーム部
6e A1軸
6f A2軸
6g A3軸
6h A4軸
6i A5軸
6j A6軸
9 フランジ部
11 力覚センサ
13 グラインダ
13a スピンドルモータ(駆動源)
13b 砥石(手先の工具)
13c スピンドルモータ回転軸
15 トルクセンサ(負荷状態センサ)
17 ワーク(被加工物)
19 制御用PC(判定部、メンテナンス動作制御部)
21 ドレッシングテーブル
21a ダイヤモンド電着砥石
31 ロボットコントローラ(メンテナンス動作制御部)
TCP ツールセンターポイント

Claims (2)

  1. 駆動源にかかる負荷状態に対応する物理量を検出する負荷状態センサと、
    前記駆動源により駆動される手先の工具による被加工物の加工動作時に、前記負荷状態センサが検出した前記負荷状態に対応する物理量を利用して、前記工具の被加工物に対する押し付け力を目標値に保つように力制御されるロボットと、
    前記工具による前記被加工物の加工条件に応じた前記駆動源の基準の負荷状態に対応する基準物理量と前記負荷状態センサが検出した前記負荷状態に対応する物理量との比較に基づいて、前記被加工物から前記工具が受ける加工面圧の変化を検出し、前記工具のメンテナンス動作の実行条件の成立、非成立を判定する判定部と、
    を備えることを特徴とするロボットの工具メンテナンス判定装置。
  2. 前記実行条件の成立時に、前記工具のメンテナンス動作を前記加工動作に割り込んで前記ロボットに実行させるメンテナンス動作制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のロボットの工具メンテナンス判定装置。
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