JP5487707B2 - 投写レンズ、およびプロジェクター - Google Patents
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Description
この構成によれば、複数のレンズの中で屈折角が大きく設定されたレンズ、つまり投写レンズのフォーカス変動に対して影響度が大きいレンズは、反射レンズ枠に保持される。反射レンズ枠は、温度上昇が抑制されるので、屈折角が大きく設定されたレンズは、温度上昇、および位置ずれが抑制される。したがって、投写レンズのフォーカス変動を効率的に抑制することが可能となる。
この構成によれば、瞳の位置近傍に配置されたレンズ、つまり複数のレンズの中で最も温度上昇する恐れがあるレンズは、反射レンズ枠に保持される。これによって、投写レンズの温度上昇を効率的に抑制することが可能となり、投写レンズの光学性能の維持が図れる。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して画像光を形成し、この画像光をスクリーン等に拡大投写する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成を示す模式的図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、略L字状の光学ユニット2、機器本体を収納し、外装を構成する外装筐体3、図示しない制御部、制御部等に電力を供給する電源装置、およびプロジェクター1内部を冷却する冷却ファン等を備えている。
図2は、投写レンズ5の斜視図であり、図3は、投写レンズ5の断面図である。
図2、図3に示すように、投写レンズ5は、入射側に配置されるフランジ51、案内筒52、カム筒53、前側筒54、および光軸Cに沿って前側から順に配置される第1レンズ群81〜第7レンズ群87を備えている。投写レンズ5は、第7レンズ群87から入射した画像光を光学的に処理した後、第1レンズ群81から射出する。
第2レンズ群82〜第6レンズ群86は、後述する5つのレンズ枠にそれぞれ保持されて案内筒52の小円筒部522に嵌挿され、光軸Cに沿って移動可能に構成されている。詳細は後述するが、レンズ枠には、カムピンが形成されており、このカムピンが直進溝およびカム溝に係合されている。そして、各レンズ枠は、このカムピンがカム筒53の回転により直進溝524とカム溝71,72,73,74との交点に誘導されることで光軸C方向に移動する。投写レンズ5は、これらのレンズ群が移動されることによって画像光のズーム調整やフォーカス調整を行う。
先ず、各レンズ枠について詳細に説明する。
図4は、投写レンズ5を分解した図であり、フランジ51および前側筒54を省略した図である。
図4に示すように、5つのレンズ枠は、前側からレンズ枠61,62、反射レンズ枠63,64,65の順に配置され、反射レンズ枠63,64,65は、レンズ枠ユニット60として構成されている。
保持部611は、第2レンズ群82の外周を覆うように環状に形成され、光軸Cを中心とする半径方向の肉厚は、第2レンズ群82を安定して保持するような肉厚に設定されている。
保持部621は、外径寸法が保持部611の外径寸法と同一の寸法を有している。カムピン622は、カムピン612と同形状に形成され、レンズ枠62が案内筒52に嵌挿された際に、カムピン612と同様に、先端が直進溝524から飛び出すように設定されている。
図5、図6は、レンズ枠ユニット60を分解した斜視図であり、図5は、前方から見た図、図6は、後方から見た図である。
反射レンズ枠63は、図5、図6に示すように、レンズ枠61と同様に、環状の保持部631、および3つのカムピン632を有している。保持部631は、外径寸法が保持部611の外径寸法と同一の寸法を有している。そして、図3に示すように、保持部631前側の内面には、第4レンズ群84が保持され、第4レンズ群84の後方には、反射レンズ枠64が移動可能に挿入されている。
また、保持部631の外周面後側には、図5、図6に示すように、外側に突出する突起部636が形成されている。突起部636は、光軸Cを中心とする円周方向に60°の等間隔に6つ形成されており、その6つの突起部636の外面を結ぶ外形寸法は、小円筒部522の内径寸法より僅かに小さく設定されている。
反射レンズ枠65は、反射レンズ枠63の後方端面にネジ固定されるよう構成されている。具体的に、反射レンズ枠65の外周縁部には、図6に示すように、反射レンズ枠63の位置決めピン634に嵌合する孔651、および反射レンズ枠63のネジ穴635に対応する丸孔652が形成されている。
また、各レンズ群から射出される光束の一部は、反射レンズ枠63,64,65に照射されて反射する。具体的に、第7レンズ群87から射出された光束の一部は、反射レンズ枠65に照射されて反射する。第6レンズ群86から射出された光束の一部は、反射レンズ枠64および反射レンズ枠63に照射されて反射する。同様に、第5レンズ群85から射出された光束の一部は、反射レンズ枠63に照射されて反射する。
図7は、案内筒52を後方から見た斜視図である。
案内筒52は、ガラス繊維入りPC(polycarbonate)等の合成樹脂製であり、図4、図7に示すように、前述した大円筒部521および小円筒部522を有している。なお、案内筒52は、合成樹脂に限らず、アルミニウム等の金属で形成してもよい。また、案内筒52は、大円筒部521および小円筒部522を別体で形成し、ネジ等で固定して一体的に構成してもよい。
前方係止部525は、3つの直進溝524同士の間に形成されている。後方係止部526は、前方係止部525に対して後方に所定の距離を有して形成され、直進溝524同士の間に、一方の直進溝524に対しては、所定の距離離間し、他方の直進溝524に対しては、端部まで形成されている。
カム筒53は、案内筒52が嵌挿された後、後述するネジ孔534(図4参照)にネジが挿通され、このネジは、カム筒53の内面から飛び出し、2つの回転規制突起529の間に位置するようになっている。そして、カム筒53は、案内筒52に対して回転されることによって、内面から飛び出たネジが左右の回転方向に対応して2つの回転規制突起529のいずれかに当接し、回転される範囲が規定される。カム筒53は、回転される範囲が規定されることによって、案内筒52から離脱されないようになっている。また、小円筒部522の後側端面には、図7に示すように、フランジ51が取り付けられる位置決めピン527およびネジ穴528が複数形成されている。
カム筒53は、ガラス繊維入りPC(polycarbonate)等の合成樹脂製であり、案内筒52の小円筒部522が嵌挿される。そして、カム筒53は、前述したように、案内筒52に挿入されたレンズ枠61,62、および反射レンズ枠63,64,65の移動動作を規定するカム溝等が形成されている。なお、カム筒53は、合成樹脂に限らず、アルミニウム等の金属で形成してもよい。
前方突出部531は、光軸Cを中心とする円周方向に120°の等間隔で形成されており、その内径は、小円筒部522の外径より僅かに大きく、案内筒52の前方係止部525および後方係止部526の外径寸法より小さく設定されている。
また、前方突出部531は、円周方向における長さが案内筒52の後方係止部526同士の間隔より短く、光軸C方向の幅寸法が前方係止部525と後方係止部526との間の距離より僅かに小さく設定されている。カム筒53は、案内筒52が嵌挿され、所定の位置まで回転された際に、この前方突出部531が前方係止部525と後方係止部526との間に挟持され、案内筒52に対して光軸C方向において位置決めされる。
カム筒53は、図8に示すように、後側端部に内側全周に亘って帯状に突出する後方突出部532が形成されている。
後方突出部532の内径は、前方突出部531の内径と同寸法に設定されている。
カム筒53は、小円筒部522が嵌挿された際に、この前方突出部531および後方突出部532が小円筒部522の外面と当接し、小円筒部522に対してガタつくこと無く滑らかに回転される。
図8、図9に示すように、カム筒53の内面には、断面が凹形状の案内溝70、および前側から順に形成されたカム溝71,72,73,74がそれぞれ光軸Cを中心とする円周方向に120°の等間隔で3組設けられている。
そして、案内溝70は、レンズ枠61,62およびレンズ枠ユニット60が案内筒52に挿入される際に、直進溝524から飛び出したカムピン612,622,632,642が係合される。
導入部71A,72A,73A,74Aは、案内溝70、つまり光軸Cに対して略直交する方向に延出している。そして、導入部71A,72A,73A,74Aは、各レンズ枠が最も後退した位置、つまりワイド端に位置するように形成されている。
具体的に、レンズ枠61は、カムピン612がカム溝71に案内されて移動し、レンズ枠62は、カムピン622がカム溝72に案内されて移動する。
反射レンズ枠63,65は、カムピン632がカム溝73に案内されて移動し、反射レンズ枠64は、カムピン642がカム溝74に案内されて移動する。また、反射レンズ枠63,65は、カムピン642の前方に設けられたカムピン632に案内されるが、前述した突起部636によって光軸Cに対する傾きが抑制され、滑らかに移動可能になっている。
(1)反射レンズ枠63,64,65は、照射された光束を効率良く反射させるので、温度上昇が抑制される。これによって、反射レンズ枠63,64,65は、熱変形等が抑制され、安定した寸法を維持して第4レンズ群84〜第6レンズ群86をそれぞれ保持し、精度良く案内筒52に配置されることが可能となる。また、反射レンズ枠63,64,65にそれぞれ保持されている第4レンズ群84〜第6レンズ群86の温度上昇の抑制が可能となる。したがって、投写レンズ5は、フォーカス変動等を抑制して所望の光学性能を維持することが可能となる。
また、第4レンズ群84〜第6レンズ群86の近傍に配置されている第3レンズ群83や第7レンズ群87の温度上昇の抑制が図れるので、投写レンズ5は、さらにフォーカス変動等を抑制することが可能となる。
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
反射レンズ枠63,64,65は、白色の合成樹脂で形成されているが、白色以外の合成樹脂を使用し、塗装やメッキ処理等を施すことによって照射される光束を反射するように構成してもよい。また、光束が照射される部位を部分的に塗装したり、部分的にメッキしたりするように構成してもよい。また、反射レンズ枠63,64,65は、合成樹脂に限らず金属で形成してもよい。
Claims (2)
- 光軸上に順次配置される複数のレンズを有する投写レンズであって、
前記複数のレンズのうち一部のレンズのそれぞれを保持し、当該投写レンズに入射する光束を反射させる部材で形成された複数の反射レンズ枠と、
前記複数の反射レンズ枠を保持部によりユニット化した反射レンズ枠ユニットと、
前記反射レンズ枠が嵌挿され、前記反射レンズ枠を前記光軸に沿って案内する案内筒と、
を備え、
前記保持部は、前記複数の反射レンズ枠のうちの前記反射レンズ枠ユニットの一方端に位置する反射レンズ枠の環状部を含み、前記環状部の前記反射レンズ枠ユニットの他方端側には前記複数の反射レンズ枠のうち前記他方端に位置する反射レンズ枠が固定され、
瞳の位置は前記反射レンズ枠ユニット内に位置することを特徴とする投写レンズ。 - 光源と、
前記光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、画像光を形成する電気光学装置と、
前記画像光を投写する請求項1に記載の投写レンズと、
を備えていることを特徴とするプロジェクター。
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