JP2017040901A - 投写光学装置、およびプロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成で容易に第1レンズの偏心調整が可能な投写光学装置を提供する。【解決手段】投写光学装置5は、光軸Axに沿う第1方向において、第1レンズ8の端部の一方側に当接し、第1方向に交差する第2方向において、第1レンズ8が移動可能に配置される第1レンズ枠61と、第1レンズ8の端部の第1方向における他方側に当接し、第1レンズ8を一方側に付勢する板バネ9と、を備え、第1レンズ8の他方側の端部には、板バネ9が当接するレンズ当接面82a,82b,82cが形成され、板バネ9は、レンズ当接面82a,82b,82cに当接する付勢当接面を有し、レンズ当接面82a,82b,82cおよび付勢当接面は、少なくともいずれか一方が凸面に形成されている。【選択図】図5
Description
本発明は、投写光学装置、およびプロジェクターに関する。
従来、光源と、光源から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置で変調された光を投写する投写光学装置とを備えたプロジェクターが知られている。そして、複数のレンズ群を有して構成された投写光学装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の投写光学装置(投射レンズ)は、固定筒、カム環、および複数のレンズ群を備える。固定筒には、直進キー溝が形成され、固定筒の周りで回転可能に取り付けられたカム環には、カム溝が形成されている。複数のレンズ群は、それぞれ保持部材に保持されている。そして、この保持部材の中には、直進キー溝およびカム溝に係合するコロ等が設けられ、光軸に沿って移動可能に構成されている。
しかしながら、特許文献1に記載の投写光学装置は、レンズの光軸に対する偏心を抑制するための構成が保持部材等の部材の加工精度に頼るものであり、投写される画像の品質を向上させることが難しいという課題がある。特に高精細な画質の投写が望まれる投写光学装置においては、その課題が顕著なものとなる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る投写光学装置は、光軸に沿って配置される第1レンズを含む複数のレンズを備える投写光学装置であって、前記第1レンズは、レンズ部と前記レンズ部の周囲を囲む端部とを有し、当該投写光学装置は、前記光軸に沿う第1方向における前記端部の一方側に当接し、前記第1方向に交差する第2方向において、前記第1レンズが移動可能に配置される支持部材と、前記端部の前記第1方向における他方側に当接し、前記第1レンズを前記一方側に付勢する付勢部と、を備え、前記他方側の端部には、前記付勢部が当接するレンズ当接面が形成され、前記付勢部は、前記レンズ当接面に当接する付勢当接面を有し、前記レンズ当接面および前記付勢当接面は、少なくともいずれか一方が凸面であることを特徴とする。
この構成によれば、第1レンズは、支持部材と付勢部とに挟持されて第1方向の位置が決められる。また、第1レンズは、第1方向に交差する第2方向において、移動可能に支持部材に配置されるので、光軸に対する位置の調整(偏心調整)が可能となる。そして、第1レンズと付勢部とは、少なくともいずれか一方が凸面であるレンズ当接面と付勢当接面とが当接するので、第1レンズを滑らかに移動させることができる。よって、簡素な構成で第1レンズの光軸に対する偏心を調整し、画質を高めた画像の投写が可能な投写光学装置を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に係る投写光学装置において、前記第1レンズは、合成樹脂製であることが好ましい。
この構成によれば、第1レンズは、合成樹脂製なので形状の自由度が高まり、例えば、非球面レンズとしての構成が可能となる。また、合成樹脂製の第1レンズは、ガラス製より硬度が低いが、上述したように付勢当接面とレンズ当接面とが当接するので、第1レンズを滑らかに移動させることが可能となる。よって、容易に第1レンズの位置を調整し、非点収差や湾曲収差等の収差を補正し、より画質が良好な画像を投写する投写光学装置の提供が可能となる。
[適用例3]上記適用例に係る投写光学装置において、前記付勢部は、前記第1レンズの周縁に沿って複数配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1レンズは、支持部材と上述した複数の付勢部とに挟持されるので、安定して位置が維持される。
[適用例4]上記適用例に係る投写光学装置において、前記付勢部は、板バネであることが好ましい。
この構成によれば、付勢部は板バネなので、省スペースで第1レンズを保持する構成が可能となる。
[適用例5]上記適用例に係る投写光学装置において、前記付勢部は、前記支持部材に固定される固定部、および前記付勢当接面が設けられ、前記レンズ当接面を押圧する押圧部を有し、前記レンズ当接面は、前記第2方向における前記第1レンズの周縁に交差する方向に沿って延出する凸面であり、前記付勢当接面は、前記レンズ当接面が延出する方向に交差する方向に沿って延出する凸面であることが好ましい。
この構成によれば、レンズ当接面および付勢当接面は、凸面で、それぞれが互いに交差する方向に延出している。そして、レンズ当接面は、第2方向、すなわち第1レンズの偏心調整において移動される方向に沿って延出している。これによって、第1レンズをより滑らかに移動させることが可能となるので、容易に第1レンズの位置の微調整が可能となり、投写光学装置は、より画質の良好な画像の投写が可能となる。
[適用例6]上記適用例に係る投写光学装置において、前記支持部材は、前記第1レンズが前記第2方向において遊嵌され、前記固定部が固定される周縁部を有し、前記周縁部は、前記第1レンズの対向する側の側面を露出させる一対の開口部を有し、前記レンズ当接面、および当該レンズ当接面に当接する前記付勢当接面のいずれかは、前記一対の開口部が対向する方向に延出していることが好ましい。
この構成によれば、支持部材の外部から一対の開口部それぞれに治具を挿入させ、第1レンズの側面を押圧することで、第2方向における第1レンズの位置を調整することができる。そして、レンズ当接面およびこのレンズ当接面に当接する付勢当接面のいずれかは、一対の開口部が対向する方向に延出している。これによって、第1レンズの偏心調整の際に、一対の開口部から挿入された治具が第1レンズを押圧する方向と凸面が延出する方向とが同一の方向となるので、第1レンズをさらに滑らかに移動させるとともに、第1レンズの偏心調整を簡単に行える投写光学装置の提供が可能となる。
[適用例7]上記適用例に係る投写光学装置において、前記第1レンズは、前記複数のレンズのうち、最も光射出側に配置されるレンズであり、当該投写光学装置は、前記第1レンズから射出された光を反射する反射部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、偏心調整可能な第1レンズからの光を反射部によって反射し、光の方向の変更および広角化が可能となる。よって、簡素な構成で光学的な歪を抑え、投写面に近接して配置し、広角な投写が可能な投写光学装置を提供できる。
[適用例8]本適用例に係るプロジェクターは、光源と、前記光源から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置にて変調された光を投写する上記に記載の投写光学装置と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、プロジェクターは、上述した投写光学装置を備えるので、画質が良好な画像を投写することが可能となる。
以下、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、壁面等に設置された支持具に支持された状態や、机上等に載置された状態でスクリーン等の投写面に画像を投写できるように構成されている。
図1は、本実施形態のプロジェクター1の使用形態の一例を示す模式図である。具体的に、図1は、壁面に設置された支持具Mtに支持されたプロジェクター1、および壁面に配置されたスクリーンSCを模式的に示す図である。
プロジェクター1は、図1に示すように、スクリーンSCの上方に設置され、下方を向く側からスクリーンSCに画像を投写する。なお、以下では、説明の便宜上、支持具Mtに支持されたプロジェクター1において、壁面に対する法線方向を前後方向として壁面に向かう方向を前方向(+Y方向)、重力に逆らう方向を上方向(+Z方向)、壁面に向かって右側を右方向(+X方向)として記載する。また、本実施形態のプロジェクターは、図1に示す姿勢における+Y側や+Z側が机上や床等に載置された姿勢でも画像を投写できるように構成されている。
本実施形態のプロジェクターは、壁面等に設置された支持具に支持された状態や、机上等に載置された状態でスクリーン等の投写面に画像を投写できるように構成されている。
図1は、本実施形態のプロジェクター1の使用形態の一例を示す模式図である。具体的に、図1は、壁面に設置された支持具Mtに支持されたプロジェクター1、および壁面に配置されたスクリーンSCを模式的に示す図である。
プロジェクター1は、図1に示すように、スクリーンSCの上方に設置され、下方を向く側からスクリーンSCに画像を投写する。なお、以下では、説明の便宜上、支持具Mtに支持されたプロジェクター1において、壁面に対する法線方向を前後方向として壁面に向かう方向を前方向(+Y方向)、重力に逆らう方向を上方向(+Z方向)、壁面に向かって右側を右方向(+X方向)として記載する。また、本実施形態のプロジェクターは、図1に示す姿勢における+Y側や+Z側が机上や床等に載置された姿勢でも画像を投写できるように構成されている。
〔プロジェクターの主な構成〕
図2は、本実施形態のプロジェクター1の概略構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図2に示すように、外装を構成する外装筐体2、制御部(図示省略)、光源装置31を有する光学ユニット3、および撮像装置4を備えている。なお、図示は省略するが、外装筐体2の内部には、さらに、光源装置31や制御部等に電力を供給する電源装置や、光学ユニット3等を冷却する冷却装置が配置されている。
図2は、本実施形態のプロジェクター1の概略構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図2に示すように、外装を構成する外装筐体2、制御部(図示省略)、光源装置31を有する光学ユニット3、および撮像装置4を備えている。なお、図示は省略するが、外装筐体2の内部には、さらに、光源装置31や制御部等に電力を供給する電源装置や、光学ユニット3等を冷却する冷却装置が配置されている。
外装筐体2は、詳細な説明は省略するが、複数の部材で構成され、外気を取り込む吸気口や、外装筐体2内部の温まった空気を外部に排気する排気口等が設けられている。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、画像の投写に関わる制御等を行う。
光学ユニット3は、制御部による制御の下、光源装置31から射出された光を光学的に処理して投写する。
光学ユニット3は、図2に示すように、光源装置31に加え、インテグレーター照明光学系32、色分離光学系33、リレー光学系34、光学装置35、投写光学装置5、およびこれらの光学部品を光路上の所定位置に配置する光学部品用筐体37を備える。
光学ユニット3は、図2に示すように、光源装置31に加え、インテグレーター照明光学系32、色分離光学系33、リレー光学系34、光学装置35、投写光学装置5、およびこれらの光学部品を光路上の所定位置に配置する光学部品用筐体37を備える。
光源装置31は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源311、リフレクター312および平行化レンズ313等を備えている。光源装置31は、光源311から射出された光をリフレクター312にて反射した後、平行化レンズ313によって射出方向を揃え、インテグレーター照明光学系32に向けて射出する。
インテグレーター照明光学系32は、第1レンズアレイ321、第2レンズアレイ322、偏光変換素子323、および重畳レンズ324を備える。
第1レンズアレイ321は、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有しており、光源装置31から射出された光を複数の部分光に分割する。第2レンズアレイ322は、第1レンズアレイ321と略同様の構成を有しており、重畳レンズ324とともに、部分光を後述する液晶パネルの表面に略重畳させる。偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム光を液晶パネルで利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有している。
第1レンズアレイ321は、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有しており、光源装置31から射出された光を複数の部分光に分割する。第2レンズアレイ322は、第1レンズアレイ321と略同様の構成を有しており、重畳レンズ324とともに、部分光を後述する液晶パネルの表面に略重畳させる。偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム光を液晶パネルで利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有している。
色分離光学系33は、2枚のダイクロイックミラー331,332、および反射ミラー333を備え、インテグレーター照明光学系32から射出された光を赤色光(以下「R光」という)、緑色光(以下「G光」という)、青色光(以下「B光」という)の3色の色光に分離する機能を有する。
リレー光学系34は、入射側レンズ341、リレーレンズ343、および反射ミラー342,344を備え、色分離光学系33で分離されたR光をR光用の液晶パネルまで導く機能を有する。なお、光学ユニット3は、リレー光学系34がR光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
光学装置35は、各色光用に設けられた光変調装置351(R光用の光変調装置を351R、G光用の光変調装置を351G、B光用の光変調装置を351Bとする)、および色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム352を備えている。
各光変調装置351は、透過型の液晶パネル、液晶パネルの光入射側に配置された入射側偏光板、および液晶パネルの光射出側に配置された射出側偏光板を備え、各色光を画像情報に応じて変調する。
各光変調装置351は、透過型の液晶パネル、液晶パネルの光入射側に配置された入射側偏光板、および液晶パネルの光射出側に配置された射出側偏光板を備え、各色光を画像情報に応じて変調する。
クロスダイクロイックプリズム352は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム352は、誘電体多層膜が光変調装置351R,351Bにて変調されたR光およびB光を反射し、光変調装置351Gにて変調されたG光を透過して、3色の変調光を合成する。
投写光学装置5は、後で詳細に説明するが、光軸Axを有する第1光学系6、および第1光学系6から射出された光を反射する第2光学系7を備える。そして、投写光学装置5は、クロスダイクロイックプリズム352にて合成された光を、図1に示すように、プロジェクター1の下方に配置されたスクリーンSCに拡大投写する。
撮像装置4は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子(図示省略)を備え、投写面を撮影し、撮影した情報を制御部に出力する。また、撮像装置4は、ユーザーによって投写面上で操作される指示具(例えば、電子ペン等)から発せられる光を検出し、検出した情報を制御部に出力する。制御部は、撮像装置4から出力された情報に基づいて指示具の位置を解析し、その解析結果に基づいて、例えば指示具の軌跡を点や線で表す画像として投写させる。
〔投写光学装置の構成〕
ここで、投写光学装置5について詳細に説明する。
図3は、投写光学装置5の断面図である。
投写光学装置5は、図3に示すように、光軸Axに沿って配置される1つあるいは複数のレンズを1つのレンズ群とする複数のレンズ群を有する第1光学系6、および第1光学系6から射出された光を反射する第2光学系7を備える。なお、図1に示すように、壁面に設置された支持具Mtに支持されたプロジェクター1においては、光軸Axに沿う方向がY方向となり、第1光学系6において、クロスダイクロイックプリズム352にて合成された光が入射する光入射側(光路前段側)が+Y側、光が射出する光射出側(光路後段側、第2光学系7側)が−Y側となる。
ここで、投写光学装置5について詳細に説明する。
図3は、投写光学装置5の断面図である。
投写光学装置5は、図3に示すように、光軸Axに沿って配置される1つあるいは複数のレンズを1つのレンズ群とする複数のレンズ群を有する第1光学系6、および第1光学系6から射出された光を反射する第2光学系7を備える。なお、図1に示すように、壁面に設置された支持具Mtに支持されたプロジェクター1においては、光軸Axに沿う方向がY方向となり、第1光学系6において、クロスダイクロイックプリズム352にて合成された光が入射する光入射側(光路前段側)が+Y側、光が射出する光射出側(光路後段側、第2光学系7側)が−Y側となる。
投写光学装置5は、図3に示すように、第1光学系6および第2光学系7に加え、投写光学用筐体51および透光板53を備える。
図4は、第1光学系6の分解斜視図である。
第1光学系6は、図3、図4に示すように、光軸Axに沿い、光射出側(−Y側)から光入射側(+Y側)に向かって順に配置される第1レンズ群L1〜第4レンズ群L4、第1レンズ群L1を保持する第1レンズ保持部60、第2レンズ群L2〜第4レンズ群L4をそれぞれ保持する第2レンズ枠62〜第4レンズ枠64、案内筒65、およびカム筒66を備える。
図4は、第1光学系6の分解斜視図である。
第1光学系6は、図3、図4に示すように、光軸Axに沿い、光射出側(−Y側)から光入射側(+Y側)に向かって順に配置される第1レンズ群L1〜第4レンズ群L4、第1レンズ群L1を保持する第1レンズ保持部60、第2レンズ群L2〜第4レンズ群L4をそれぞれ保持する第2レンズ枠62〜第4レンズ枠64、案内筒65、およびカム筒66を備える。
第1レンズ群L1は、1つのレンズ(第1レンズ8とする)で構成され、第1光学系6に配置される複数のレンズのうちの最も光射出側(−Y側、第2光学系7側))に配置される。また、第1レンズ8は、合成樹脂、例えば、シクロオレフィンポリマー等の材料で非球面レンズとして形成されている。第1レンズ8については、後で詳細に説明する。
第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4は、それぞれ複数のレンズで構成されている。なお、第2レンズ群L2は、平面視円形の形状から−Z側の一部が削除されたような形状を有している。
第2レンズ群L2、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4は、それぞれ複数のレンズで構成されている。なお、第2レンズ群L2は、平面視円形の形状から−Z側の一部が削除されたような形状を有している。
第1レンズ保持部60は、後で詳細に説明するが、第1レンズ8を支持する支持部材としての第1レンズ枠61を備え、光軸Axに対する第1レンズ8の位置の調整(偏心調整)が可能に構成されている。
第1レンズ枠61は、第1レンズ8を保持する保持部611、および保持部611から光軸Axに対して直交する方向に突出する複数のカムピン61pを備える。
第1レンズ枠61は、図4に示すように、カムピン61pが保持部611の+Y側端部近傍に形成され、図3に示すように、保持部611の−Y側がカム筒66から飛び出すように形成されている。保持部611のカム筒66から飛び出すこの部位における−Z側には、傾斜部6111が形成されている。傾斜部6111は、カム筒66近傍から第2光学系7に向かう程、光軸Axに近づくように傾斜している。
第1レンズ枠61は、第1レンズ8を保持する保持部611、および保持部611から光軸Axに対して直交する方向に突出する複数のカムピン61pを備える。
第1レンズ枠61は、図4に示すように、カムピン61pが保持部611の+Y側端部近傍に形成され、図3に示すように、保持部611の−Y側がカム筒66から飛び出すように形成されている。保持部611のカム筒66から飛び出すこの部位における−Z側には、傾斜部6111が形成されている。傾斜部6111は、カム筒66近傍から第2光学系7に向かう程、光軸Axに近づくように傾斜している。
第2レンズ枠62は、第2レンズ群L2を保持する筒状の保持部621、および保持部621から光軸Axに対して直交する方向に突出する複数のカムピン62pを備える。
第2レンズ枠62は、図3に示すように、カムピン62pが保持部621の+Y側端部近傍に形成され、保持部621の−Y側が第1レンズ枠61の保持部611内に挿入可能に形成されている。そして、保持部621には、第1レンズ枠61の傾斜部6111の内側に位置する凹部621cが設けられている。第2レンズ群L2は、凹部621cの内側に保持されている。
第2レンズ枠62は、図3に示すように、カムピン62pが保持部621の+Y側端部近傍に形成され、保持部621の−Y側が第1レンズ枠61の保持部611内に挿入可能に形成されている。そして、保持部621には、第1レンズ枠61の傾斜部6111の内側に位置する凹部621cが設けられている。第2レンズ群L2は、凹部621cの内側に保持されている。
第3レンズ枠63は、第3レンズ群L3を保持する筒状の保持部631、および保持部631から光軸Axに対して直交する方向に突出する複数のカムピン63pを備える。
第3レンズ枠63は、図3に示すように、カムピン63pが保持部631の+Y側端部近傍に形成され、保持部631の−Y側が第2レンズ枠62の保持部621内に挿入可能に形成されている。そして、第3レンズ群L3は、保持部631の−Y側に保持される。
カムピン61p,62p,63pそれぞれは、光軸Axを中心とする円周方向に120°の略等間隔で3つ設けられており、先端部は、縁部が細くなるテーパー状に形成され、先端部が案内筒65の後述する直進溝651から飛び出すような長さに設定されている。
第3レンズ枠63は、図3に示すように、カムピン63pが保持部631の+Y側端部近傍に形成され、保持部631の−Y側が第2レンズ枠62の保持部621内に挿入可能に形成されている。そして、第3レンズ群L3は、保持部631の−Y側に保持される。
カムピン61p,62p,63pそれぞれは、光軸Axを中心とする円周方向に120°の略等間隔で3つ設けられており、先端部は、縁部が細くなるテーパー状に形成され、先端部が案内筒65の後述する直進溝651から飛び出すような長さに設定されている。
第4レンズ枠64は、筒状に形成され、第4レンズ群L4を保持し、案内筒65に固定される。
案内筒65は、合成樹脂製であり、前後方向(Y方向)に開口部を有し、図3、図4に示すように、カム筒66に嵌挿される円筒状の嵌挿部65A、嵌挿部65Aの−Y側に設けられた円筒状の筒突出部65B、および嵌挿部65Aの+Y側に設けられた円筒状の取付部65Cを有している。
嵌挿部65Aの内径は、保持部631,621,611が光軸Axに沿って滑らかに移動可能な大きさに設定されている。
筒突出部65Bは、外径が嵌挿部65Aの外径より大きく、第3レンズ枠63、第2レンズ枠62、第1レンズ枠61それぞれの全体が挿入可能な大きさに設定されている。また、筒突出部65Bは、カム筒66から−Y側(第2光学系7側)に飛び出すように形成されており、図4に示すように、−Z側が切断されたような開口部65Baを有している。開口部65Baは、第1レンズ枠61の傾斜部6111が露出するように形成され、その端面は、傾斜部6111に倣うように傾斜している。
筒突出部65Bは、外径が嵌挿部65Aの外径より大きく、第3レンズ枠63、第2レンズ枠62、第1レンズ枠61それぞれの全体が挿入可能な大きさに設定されている。また、筒突出部65Bは、カム筒66から−Y側(第2光学系7側)に飛び出すように形成されており、図4に示すように、−Z側が切断されたような開口部65Baを有している。開口部65Baは、第1レンズ枠61の傾斜部6111が露出するように形成され、その端面は、傾斜部6111に倣うように傾斜している。
また、嵌挿部65Aには、嵌挿部65Aと筒突出部65Bとで形成される段差部から+Y方向に向かって、光軸Axに沿う3つの直進溝651が形成されている。
取付部65Cは、外径が嵌挿部65Aの外径より小さく、カム筒66から+Y側に飛び出すように形成されている。
取付部65Cは、外径が嵌挿部65Aの外径より小さく、カム筒66から+Y側に飛び出すように形成されている。
第3レンズ枠63、第2レンズ枠62、第1レンズ保持部60は、この順で筒突出部65Bから挿入される。具体的に、第3レンズ枠63、第2レンズ枠62、第1レンズ保持部60は、カムピン63p,62p,61pが直進溝651に挿通され、保持部631,621,611が嵌挿部65Aに嵌挿される。第4レンズ枠64は、詳細な説明は省略するが、部材を介して取付部65Cに固定される。なお、案内筒65は、合成樹脂製に限らず、アルミニウム等の金属製であってもよい。
カム筒66は、合成樹脂製であり、前後方向(Y方向)に開口部を有し、案内筒65の嵌挿部65Aが嵌挿され、案内筒65に対して光軸Axを中心に回転可能に形成されている。そして、カム筒66の内面には、直進溝651から突出するカムピン61p,62p,63pがそれぞれ係合するカム溝661が形成されている。カム溝661の断面形状は、カムピン61p,62p,63pのテーパー状の先端部が係合するように形成されている。
カム溝661は、カムピン61p,62p,63pを導入するために光軸Axに沿って直線的に形成された導入部、および導入部から分岐し第1レンズ枠61、第2レンズ枠62、第3レンズ枠63それぞれの移動を規定する規定部を有している。
カム溝661は、カムピン61p,62p,63pを導入するために光軸Axに沿って直線的に形成された導入部、および導入部から分岐し第1レンズ枠61、第2レンズ枠62、第3レンズ枠63それぞれの移動を規定する規定部を有している。
カム筒66は、図示しないレバーが取り付けられ、プロジェクター1の外部からこのレバーが操作されることによって回転する。
カム筒66が回転されると、第1レンズ保持部60、第2レンズ枠62、第3レンズ枠63は、カムピン61p,62p,63pが直進溝651とカム溝661とに誘導されて、直進溝651に沿って互いに独立して移動する。また、第1レンズ保持部60、第2レンズ枠62、第3レンズ枠63の移動量は、互いに異なっており、第2レンズ枠62の移動量が最も大きく設定されている。第1光学系6は、カム筒66が回転されることによりフォーカス調整が行われる。すなわち、第1レンズ群L1〜第3レンズ群L3は、フォーカス調整に寄与する。なお、ここでいうフォーカス調整とは、焦点距離の調整に限らず像面湾曲の調整を含む調整であってもよい。また、カム筒66は、合成樹脂製に限らず、アルミニウム等の金属製であってもよい。
カム筒66が回転されると、第1レンズ保持部60、第2レンズ枠62、第3レンズ枠63は、カムピン61p,62p,63pが直進溝651とカム溝661とに誘導されて、直進溝651に沿って互いに独立して移動する。また、第1レンズ保持部60、第2レンズ枠62、第3レンズ枠63の移動量は、互いに異なっており、第2レンズ枠62の移動量が最も大きく設定されている。第1光学系6は、カム筒66が回転されることによりフォーカス調整が行われる。すなわち、第1レンズ群L1〜第3レンズ群L3は、フォーカス調整に寄与する。なお、ここでいうフォーカス調整とは、焦点距離の調整に限らず像面湾曲の調整を含む調整であってもよい。また、カム筒66は、合成樹脂製に限らず、アルミニウム等の金属製であってもよい。
第2光学系7は、図3に示すように、反射部としての凹面状の反射ミラー71を備える。反射ミラー71は、第1光学系6から射出された光を広角化して反射し、第1光学系6近傍を通過させる。なお、第2光学系7は、複数のミラーや平面ミラーを備える構成であってもよい。
投写光学用筐体51は、図3に示すように、筐体本体51Aおよびカバー51Bを備え、第1光学系6および第2光学系7を収納する。
筐体本体51Aは、−Z側が開口する箱状に形成され、図3に示すように、+Y側の壁部511に第1光学系6の第4レンズ枠64が挿通される挿通孔512が形成され、−Y側の壁部に反射ミラー71で閉塞される開口部513が形成されている。
壁部511は、平面視矩形状に形成され、+Y側の面には、図示しない保持部材を介して光学装置35が取り付けられる。
第1光学系6は、案内筒65が筐体本体51Aにネジ固定されて、筐体本体51A内に配置される。反射ミラー71は、板バネ等の部材を介して筐体本体51Aにネジ固定される。
筐体本体51Aは、−Z側が開口する箱状に形成され、図3に示すように、+Y側の壁部511に第1光学系6の第4レンズ枠64が挿通される挿通孔512が形成され、−Y側の壁部に反射ミラー71で閉塞される開口部513が形成されている。
壁部511は、平面視矩形状に形成され、+Y側の面には、図示しない保持部材を介して光学装置35が取り付けられる。
第1光学系6は、案内筒65が筐体本体51Aにネジ固定されて、筐体本体51A内に配置される。反射ミラー71は、板バネ等の部材を介して筐体本体51Aにネジ固定される。
カバー51Bは、筐体本体51Aにおける−Z側の開口する部位の−Y側を閉塞し、カム筒66の−Z側が露出するように形成されている。
カバー51Bには、第1レンズ枠61の傾斜部6111の外側に位置し、傾斜部6111と略平行に形成された傾斜部521、傾斜部521の端部から+Z側に延出する壁部522、および反射ミラー71で反射した光が通過する開口部523が形成されている。
傾斜部521,6111は、反射ミラー71で反射された光が通過する側に形成されており、反射ミラー71で反射した光うちの最も第1光学系6側の光線Riと略平行となるように設定されている。投写光学装置5は、この傾斜部521,6111および開口部65Baが形成されることにより、投写面により近接して配置され、また、より広角化な投写が可能に構成されている。
カバー51Bには、第1レンズ枠61の傾斜部6111の外側に位置し、傾斜部6111と略平行に形成された傾斜部521、傾斜部521の端部から+Z側に延出する壁部522、および反射ミラー71で反射した光が通過する開口部523が形成されている。
傾斜部521,6111は、反射ミラー71で反射された光が通過する側に形成されており、反射ミラー71で反射した光うちの最も第1光学系6側の光線Riと略平行となるように設定されている。投写光学装置5は、この傾斜部521,6111および開口部65Baが形成されることにより、投写面により近接して配置され、また、より広角化な投写が可能に構成されている。
透光板53は、ガラス等の板材で矩形状に形成されており、カバー51Bに取り付けられ開口部523を閉塞する。
クロスダイクロイックプリズム352から射出された光は、図3に示すように、第1光学系6で屈折して、光軸Axよりも+Z側に傾斜した方向に向かう。そして、第1光学系6から射出された光は、第2光学系7で反射して光軸Axよりも−Z側に傾斜した方向に向かい、透光板53を透過し、カバー51Bの傾斜部521近傍を通過してスクリーンSCに投写される。
クロスダイクロイックプリズム352から射出された光は、図3に示すように、第1光学系6で屈折して、光軸Axよりも+Z側に傾斜した方向に向かう。そして、第1光学系6から射出された光は、第2光学系7で反射して光軸Axよりも−Z側に傾斜した方向に向かい、透光板53を透過し、カバー51Bの傾斜部521近傍を通過してスクリーンSCに投写される。
〔第1レンズおよび第1レンズ保持部の構成〕
ここで、第1レンズ8および第1レンズ保持部60について詳細に説明する。
図5は、第1レンズ8が取り付けられた状態の第1レンズ保持部60の斜視図である。図6は、第1レンズ8および第1レンズ保持部60の分解斜視図である。
第1レンズ8は、図5、図6に示すように、第1レンズ枠61の−Y側端部に配置される。
図7は、第1レンズ8の斜視図であり、−Y方向斜めから見た図である。図8は、第1レンズ8の斜視図であり、+Y方向斜めから見た図である。
ここで、第1レンズ8および第1レンズ保持部60について詳細に説明する。
図5は、第1レンズ8が取り付けられた状態の第1レンズ保持部60の斜視図である。図6は、第1レンズ8および第1レンズ保持部60の分解斜視図である。
第1レンズ8は、図5、図6に示すように、第1レンズ枠61の−Y側端部に配置される。
図7は、第1レンズ8の斜視図であり、−Y方向斜めから見た図である。図8は、第1レンズ8の斜視図であり、+Y方向斜めから見た図である。
第1レンズ8は、第2レンズ群L2(図3参照)から射出された有効な光が通過する光学的有効領域を含むレンズ部80、およびレンズ部80の周囲を囲む端部81を有し、図7、図8に示すように、平面視円形の形状から上下両側(Z方向の両側)の一部、および左右両側(X方向の両側)の一部が切断されたように形成されている。具体的に、第1レンズ8は、図7、図8に示すように、−Z側の側面81U、−X側の側面81L、+X側の側面81R、および+Z側の側面81Dを有している。各側面81U,81L,81R,81Dの光軸Axに対する距離は、側面81Uが最も小さく、側面81Dが最も大きく、側面81Lと側面81Rとが略同じに形成されている。
図7に示すように、側面81Uには、X−Y平面に倣う端面81Upを有する2つの突起部がX方向に沿って形成され、側面81Lには、Y−Z平面に倣う端面81Lpを有する2つの突起部がZ方向に沿って形成されている。そして、図8に示すように、側面81Rには、Y−Z平面に倣う端面81Rpを有する2つの突起部がZ方向に沿って形成され、側面81Dには、X−Y平面に倣う端面81Dpを有する2つの突起部がX方向に沿って形成されている。また、端面81Dpを有する2つの突起部の間には、第1レンズ8を成型するためのゲートによって形成された突起部が設けられている。
レンズ部80は、光軸Axに沿う第1方向(Y方向)において、一方側(+Y側)となる第1面80A(図8参照)、および第1面80Aとは反対側で第1方向における他方側(−Y側)となる第2面80B(図7参照)を有している。
図9は、Y−Z平面における第1レンズ8の断面図である。図10は、X−Y平面における第1レンズ8の断面図である。
第2面80Bは、凹面状に形成され、レンズ部80は、図9、図10に示すように、光軸Axから遠ざかる程、板厚が厚くなるように形成されている。
図9は、Y−Z平面における第1レンズ8の断面図である。図10は、X−Y平面における第1レンズ8の断面図である。
第2面80Bは、凹面状に形成され、レンズ部80は、図9、図10に示すように、光軸Axから遠ざかる程、板厚が厚くなるように形成されている。
端部81は、前述した側面81U,81L,81R,81D、および第1面80Aを囲む縁面81A(図8参照)、および第2面80Bを囲む縁面81B(図7参照)を有している。縁面81Aは、第1方向(Y方向)における一方側(+Y側)に位置し、縁面81Bは、第1方向(Y方向)における他方側(−Y側)に位置する。
図11は、図10におけるA部の拡大図である。
縁面81Aは、平坦面であり、図11に示すように、第1面80Aに対して僅かな段差を有している。具体的に、第1面80Aと縁面81Aとの最も大きな段差Daは、図11に示すように、第1レンズ8の+X側および−X側で、縁面81Aが第1面80Aより突出する段差である。そして、本実施形態の第1レンズ8においては、レンズ部80の厚み80Tに対する段差Daの割合は、約5%程度となっている。
縁面81Aは、平坦面であり、図11に示すように、第1面80Aに対して僅かな段差を有している。具体的に、第1面80Aと縁面81Aとの最も大きな段差Daは、図11に示すように、第1レンズ8の+X側および−X側で、縁面81Aが第1面80Aより突出する段差である。そして、本実施形態の第1レンズ8においては、レンズ部80の厚み80Tに対する段差Daの割合は、約5%程度となっている。
また、縁面81Aには、図8、図11に示すように、第1面80Aの上下左右に位置し、第1レンズ枠61への度当てとなる複数の度当て面81Aaが設けられている。度当て面81Aaは、縁面81Aより僅かに突出し、X−Z平面に沿う平坦面である。
縁面81Bは、図9〜図11に示すように、第2面80Bに対し、左右両側および+Z側が第2面80Bより僅かに凹んで形成されている。そして、縁面81Bの−Z側は、第2面80Bに倣うように、すなわち、殆どが第2面80Bの一部として視認されるように形成されている。このため、第2面80Bと縁面81Bとの段差は小さなものとなる。具体的に、第2面80Bと縁面81Bとの最も大きな段差Dbは、第1レンズ8の+X側および−X側で、図11に示すように、縁面81Bが第2面80Bより凹む段差である。そして、本実施形態の第1レンズ8においては、レンズ部80の厚み80Tに対する段差Dbの割合は、約8%程度となっている。
このように、第1レンズ8は、レンズ部80に対して端部81が小さな段差を有して形成されている。レンズ部80の厚み80Tに対する段差Da,Dbの割合は、前述した値に限らず、20%程度以下であればよく、10%程度以下であればさらによい。
このように、第1レンズ8は、レンズ部80に対して端部81が小さな段差を有して形成されている。レンズ部80の厚み80Tに対する段差Da,Dbの割合は、前述した値に限らず、20%程度以下であればよく、10%程度以下であればさらによい。
また、縁面81Bには、図7に示すように、第1レンズ保持部60の後述する板バネ9(図6参照)が当接するレンズ当接面82a,82b,82cが形成されている。
レンズ当接面82a,82b,82cそれぞれは、円柱形における曲面の一部のような凸面、すなわち、円弧状の形状がこの円弧状の中心軸に沿って延出するような凸面が、2つ並設された形状を有している。
レンズ当接面82a,82b,82cそれぞれは、円柱形における曲面の一部のような凸面、すなわち、円弧状の形状がこの円弧状の中心軸に沿って延出するような凸面が、2つ並設された形状を有している。
具体的に、図7に示すように、レンズ当接面82aは、側面81Dの近傍で、X方向における第1レンズ8の略中央に設けられ、第1方向に交差する第2方向のうちのZ方向に沿って延出するように形成されている。レンズ当接面82bは、側面81U寄りの側面81L近傍に設けられ、第2方向のうちのX方向に沿って延出するように形成されている。レンズ当接面82cは、側面81U寄りの側面81R近傍に設けられ、レンズ当接面82bと同様に、第2方向のうちのX方向に沿って延出するように形成されている。このように、レンズ当接面82a,82b,82cは、第2方向における第1レンズ8の周縁に交差する方向に沿って延出している。
第1レンズ保持部60は、図6に示すように、第1レンズ枠61に加え、第1レンズ8を付勢する付勢部としての板バネ9、およびネジNeを備える。
第1レンズ枠61は、前述したように、保持部611および複数のカムピン61pを備える。保持部611は、図5、図6に示すように、筒状部611A、および筒状部611Aの−Y側に形成されたレンズ取付部611Bを有し、カムピン61pは、筒状部611Aの+Y側端部近傍に形成されている。
レンズ取付部611Bおよび筒状部611Aの−Y側は、図3に示すように、カム筒66から飛び出すように形成されており、前述した傾斜部6111は、筒状部611Aに形成されている。
第1レンズ枠61は、前述したように、保持部611および複数のカムピン61pを備える。保持部611は、図5、図6に示すように、筒状部611A、および筒状部611Aの−Y側に形成されたレンズ取付部611Bを有し、カムピン61pは、筒状部611Aの+Y側端部近傍に形成されている。
レンズ取付部611Bおよび筒状部611Aの−Y側は、図3に示すように、カム筒66から飛び出すように形成されており、前述した傾斜部6111は、筒状部611Aに形成されている。
レンズ取付部611Bは、第1レンズ8を支持する部位であり、縁面81A(図8参照)、および第1レンズ8の外周端面を覆うように形成されている。具体的に、レンズ取付部611Bは、図6に示すように、縁面81A(図8参照)を覆う壁部6112、および壁部6112の周縁から−Y方向に突出し、第1レンズ8の外周端面を覆う周縁部6113を有している。壁部6112には、縁面81Aに形成された度当て面81Aa(図8参照)が当接する凸面6112aが形成されている。
図12は、投写光学装置5の断面図であり、第1レンズ8が配置された部位を−Y側から見た図である。
周縁部6113は、第1レンズ8が第2方向において遊嵌され、すなわち第1レンズ8が第2方向において移動可能に形成されている。周縁部6113は、図12に示すように、側面81Uの外側に位置する上壁部6113U、側面81L,81Rそれぞれの外側に位置する側壁部6113L,6113R、および側面81Dの外側に位置し、側壁部6113L,6113Rに繋がる下壁部6113Dを有している。
このように、第1レンズ8は、第1方向において、+Y側の度当て面81Aaが凸面6112aに当接し、第2方向において、移動可能に第1レンズ枠61に配置される。
周縁部6113は、第1レンズ8が第2方向において遊嵌され、すなわち第1レンズ8が第2方向において移動可能に形成されている。周縁部6113は、図12に示すように、側面81Uの外側に位置する上壁部6113U、側面81L,81Rそれぞれの外側に位置する側壁部6113L,6113R、および側面81Dの外側に位置し、側壁部6113L,6113Rに繋がる下壁部6113Dを有している。
このように、第1レンズ8は、第1方向において、+Y側の度当て面81Aaが凸面6112aに当接し、第2方向において、移動可能に第1レンズ枠61に配置される。
側壁部6113Lには、図12に示すように、2つの端面81Lpそれぞれが露出する2つの貫通孔6113Lhが形成され、図6に示すように、貫通孔6113Lh(図12参照)近傍の−Y側の面に、板バネ9を位置決めする2つのピン6113P、および2つのピン6113Pの間に設けられたネジ穴6113Sが形成されている。
側壁部6113Rには、図12に示すように、2つの端面81Rpそれぞれが露出する2つの貫通孔6113Rhが形成され、図6に示すように、貫通孔6113Rh近傍の−Y側の面に、板バネ9を位置決めする2つのピン6113P、および2つのピン6113Pの間に設けられたネジ穴6113Sが形成されている。
このように、貫通孔6113Lh,6113Rhは、板バネ9が配置される側と同一側に形成されている。また、2つの貫通孔6113Lhと2つの貫通孔6113Rhとは、X方向において、第1レンズ8の対向する側の側面を露出させる一対の開口部に相当する。第1レンズ8のレンズ当接面82b,82cは、この一対の開口部が対向する方向に延出していることとなる。
このように、貫通孔6113Lh,6113Rhは、板バネ9が配置される側と同一側に形成されている。また、2つの貫通孔6113Lhと2つの貫通孔6113Rhとは、X方向において、第1レンズ8の対向する側の側面を露出させる一対の開口部に相当する。第1レンズ8のレンズ当接面82b,82cは、この一対の開口部が対向する方向に延出していることとなる。
上壁部6113Uには、図6、図12に示すように、2つの端面81Upそれぞれが露出する2つの切欠き6113Unが形成されている。
下壁部6113Dには、図12に示すように、2つの端面81Dpそれぞれが露出する2つの貫通孔6113Dhが形成され、図6に示すように、−Y側の面のX方向における中央に、板バネ9を位置決めする2つのピン6113P、および2つのピン6113Pの間に設けられたネジ穴6113Sが形成されている。
下壁部6113Dには、図12に示すように、2つの端面81Dpそれぞれが露出する2つの貫通孔6113Dhが形成され、図6に示すように、−Y側の面のX方向における中央に、板バネ9を位置決めする2つのピン6113P、および2つのピン6113Pの間に設けられたネジ穴6113Sが形成されている。
このように、貫通孔6113Dhは、板バネ9が配置される側と同一側に形成されている。また、2つの切欠き6113Unと2つの貫通孔6113Dhとは、第1レンズ8の対向する側の側面を露出させ、第2方向におけるZ方向に貫通する一対の開口部に相当する。第1レンズ8のレンズ当接面82aは、この一対の開口部が対向する方向に延出していることとなる。
また、下壁部6113Dには、図12に示すように、2つの貫通孔6113Dhの両側に2つの貫通孔6113Bが形成されている。この2つの貫通孔6113Bは、第1レンズ8の位置が調整された後、第1レンズ8の位置を保持するために外部から接着剤が注入される孔である。
また、下壁部6113Dには、図12に示すように、2つの貫通孔6113Dhの両側に2つの貫通孔6113Bが形成されている。この2つの貫通孔6113Bは、第1レンズ8の位置が調整された後、第1レンズ8の位置を保持するために外部から接着剤が注入される孔である。
案内筒65には、図12に示すように、貫通孔6113Dh,6113Lh,6113Rh,6113Bそれぞれに対応する貫通孔65Dh,65Lh,65Rh,65Bhが形成されている。また、案内筒65は、−Z側に開口部65Ba(図4参照)を有していることにより、切欠き6113Unを露出させる。
筐体本体51Aには、貫通孔6113Dh,6113Bそれぞれに対応する貫通孔51Dh,51Bhが形成されている。また、筐体本体51Aは、−Z側が開口していることにより、切欠き6113Unおよび貫通孔6113Lh,6113Rhを露出させる。
このように、投写光学装置5は、カバー51Bが組み立てられていない状態で、外部から切欠き6113Un、および貫通孔6113Dh,6113Lh,6113Rhに治具が挿入可能で、貫通孔6113Bから接着剤を注入可能に構成されている。なお、投写光学装置5は、筐体本体51Aが−Z側に開口し、案内筒65が−Z側に開口部65Baを有していることにより、側面81Uと第1レンズ枠61との間に接着剤を注入可能に構成されている。
筐体本体51Aには、貫通孔6113Dh,6113Bそれぞれに対応する貫通孔51Dh,51Bhが形成されている。また、筐体本体51Aは、−Z側が開口していることにより、切欠き6113Unおよび貫通孔6113Lh,6113Rhを露出させる。
このように、投写光学装置5は、カバー51Bが組み立てられていない状態で、外部から切欠き6113Un、および貫通孔6113Dh,6113Lh,6113Rhに治具が挿入可能で、貫通孔6113Bから接着剤を注入可能に構成されている。なお、投写光学装置5は、筐体本体51Aが−Z側に開口し、案内筒65が−Z側に開口部65Baを有していることにより、側面81Uと第1レンズ枠61との間に接着剤を注入可能に構成されている。
付勢部としての板バネ9は、金属製(例えば、ステンレス等)で3つ設けられ、図5に示すように、第1レンズ枠61における周縁部6113の−Y側の面に取り付けられる。3つの板バネ9は共通の形状を有しており、それぞれがレンズ当接面82a,82b,82cに当接し、第1レンズ8を第1レンズ枠61の壁部6112側(+Y側)に付勢する。レンズ当接面82a,82b,82cそれぞれに当接する板バネ9を9A,9B,9Cとする。
板バネ9Aは、第1レンズ8の+Z側の端部近傍に配置され、板バネ9Bは、第1レンズ8の−X側の端部近傍に配置され、板バネ9Cは、第1レンズ8の+X側の端部近傍に配置される。また、板バネ9B,9Cは、第2方向のうちのX方向において、第1レンズ8を介して互いに対向して配置される。このように、板バネ9は、第1レンズ8の周縁に沿って複数配置されている。
板バネ9Aは、第1レンズ8の+Z側の端部近傍に配置され、板バネ9Bは、第1レンズ8の−X側の端部近傍に配置され、板バネ9Cは、第1レンズ8の+X側の端部近傍に配置される。また、板バネ9B,9Cは、第2方向のうちのX方向において、第1レンズ8を介して互いに対向して配置される。このように、板バネ9は、第1レンズ8の周縁に沿って複数配置されている。
ここで、板バネ9Aに注目して、第1レンズ8との関係を説明する。
図13は、第1レンズ8が取り付けられた状態の第1レンズ保持部60の部分斜視図であり、板バネ9A近傍の図である。図14は、第1レンズ8が取り付けられた状態の第1レンズ保持部60の部分断面図であり、−X方向から見た板バネ9A近傍の図である。
図13は、第1レンズ8が取り付けられた状態の第1レンズ保持部60の部分斜視図であり、板バネ9A近傍の図である。図14は、第1レンズ8が取り付けられた状態の第1レンズ保持部60の部分断面図であり、−X方向から見た板バネ9A近傍の図である。
板バネ9は、図13に示すように、周縁部6113に固定される固定部91、およびレンズ当接面82aを押圧する押圧部92を有している。
固定部91は、平面視矩形状の長尺状に形成され、2つのピン6113Pがそれぞれ挿通される挿通孔、およびネジ穴6113S(図6参照)に対応し、ネジNeのネジ部が挿通されるネジ挿通孔が、長手方向に沿って形成されている。
固定部91は、平面視矩形状の長尺状に形成され、2つのピン6113Pがそれぞれ挿通される挿通孔、およびネジ穴6113S(図6参照)に対応し、ネジNeのネジ部が挿通されるネジ挿通孔が、長手方向に沿って形成されている。
押圧部92は、図13、図14に示すように、固定部91の一方の長手方向側から延出している。押圧部92は、固定部91から第1レンズ8側に屈曲された平坦部921、および平坦部921から第1レンズ8とは反対側に屈曲された屈曲部922を有し、図14に示すように、平坦部921と屈曲部922との間の外面には、レンズ当接面82aに当接する付勢当接面92aが形成されている。
図15は、第1レンズ8が取り付けられた状態の第1レンズ保持部60の部分断面図であり、−Z方向から見た板バネ9A近傍の図である。
板バネ9Aにおける付勢当接面92aは、図14、図15に示すように、レンズ当接面82aが延出するZ方向に交差する方向(本実施形態では、Z方向に直交するX方向)に沿って延出する凸面である。
板バネ9Aにおける付勢当接面92aは、図14、図15に示すように、レンズ当接面82aが延出するZ方向に交差する方向(本実施形態では、Z方向に直交するX方向)に沿って延出する凸面である。
詳細な図は省略するが、板バネ9B,9Cも板バネ9Aと同様に配置される。すなわち、レンズ当接面82bに当接する板バネ9Bは、レンズ当接面82bが延出するX方向に交差する方向(本実施形態では、X方向に直交するZ方向)に沿って、付勢当接面92aが延出するように配置される。同様に、レンズ当接面82cに当接する板バネ9Cは、レンズ当接面82cが延出するX方向に交差する方向(本実施形態では、X方向に直交するZ方向)に沿って、付勢当接面92aが延出するように配置される。
このように、第1レンズ8は、板バネ9に付勢されてレンズ取付部611Bに配置される。また、レンズ当接面82a,82b,82cの長さ、すなわち縁面81Bの幅81Bw(図7参照)は、第1レンズ8の位置の調整において、板バネ9A,9B,9Cが確実に当接する長さに設定されている。
ここで、第1レンズ8の位置の調整方法について説明する。
第1レンズ8は、カバー51Bが組み立てられていない状態の投写光学装置5に、外部から切欠き6113Un、および貫通孔6113Dh,6113Lh,6113Rhに治具が挿入されて調整される。また、第1レンズ8は、作業者が投写画像を観察しながら調整される。
図示は省略するが、調整に用いられる治具としては、第1レンズ8を左右方向(X方向)において調整する左右治具、および第1レンズ8を上下方向(Z方向)において調整する上下治具がある。
左右治具は、2つの貫通孔6113Lhそれぞれに挿入される2つのL軸部、および2つの貫通孔6113Rhそれぞれに挿通される2つのR軸部を備え、2つのL軸部と2つのR軸部とは、互いに独立して左右方向(X方向)に移動可能に構成されている。また、各L軸部は、先端部と圧縮コイルバネと本体部とを有し、先端部が圧縮コイルバネに抗する力で移動するように構成されている。各R軸部は、圧縮コイルバネを備えず、先端部と本体部とが一体的に形成されている。また、L軸部およびR軸部の先端は球面状に形成されている。なお、R軸部が圧縮コイルバネを備え、L軸部が圧縮コイルバネを備えない構成としてもよい。
第1レンズ8は、カバー51Bが組み立てられていない状態の投写光学装置5に、外部から切欠き6113Un、および貫通孔6113Dh,6113Lh,6113Rhに治具が挿入されて調整される。また、第1レンズ8は、作業者が投写画像を観察しながら調整される。
図示は省略するが、調整に用いられる治具としては、第1レンズ8を左右方向(X方向)において調整する左右治具、および第1レンズ8を上下方向(Z方向)において調整する上下治具がある。
左右治具は、2つの貫通孔6113Lhそれぞれに挿入される2つのL軸部、および2つの貫通孔6113Rhそれぞれに挿通される2つのR軸部を備え、2つのL軸部と2つのR軸部とは、互いに独立して左右方向(X方向)に移動可能に構成されている。また、各L軸部は、先端部と圧縮コイルバネと本体部とを有し、先端部が圧縮コイルバネに抗する力で移動するように構成されている。各R軸部は、圧縮コイルバネを備えず、先端部と本体部とが一体的に形成されている。また、L軸部およびR軸部の先端は球面状に形成されている。なお、R軸部が圧縮コイルバネを備え、L軸部が圧縮コイルバネを備えない構成としてもよい。
上下治具は、2つの切欠き6113Unそれぞれに挿入される2つのU軸部、および2つの貫通孔6113Dhそれぞれに挿通される2つのD軸部を備え、2つのU軸部と2つのD軸部とは、互いに独立して上下方向(Z方向)に移動可能に構成されている。また、各U軸部は、先端部と圧縮コイルバネと本体部とを有し、先端部が圧縮コイルバネに抗する力で移動するように構成されている。各D軸部は、圧縮コイルバネを備えず、先端部と本体部とが一体的に形成されている。また、U軸部およびD軸部の先端は球面状に形成されている。なお、D軸部が圧縮コイルバネを備え、U軸部が圧縮コイルバネを備えない構成としてもよい。
左右治具は、各L軸部が第1レンズ8の各端面81Lpにそれぞれ当接し、各R軸部が第1レンズ8の各端面81Rpにそれぞれ当接するように配置される。上下治具は、各U軸部が第1レンズ8の各端面81Upにそれぞれ当接し、各D軸部が第1レンズ8の各端面81Dpにそれぞれ当接するように配置される。また、調整前の第1レンズ8は、周縁部6113内において、左右方向(X方向)においては圧縮コイルバネを備えないR軸部寄りで、上下方向(Z方向)においては圧縮コイルバネを備えないD軸部寄りに配置される。
そして、第1レンズ8は、各R軸部が移動されることで左右方向(X方向)の位置が調整され、各D軸部が移動されることで上下方向(Z方向)の位置が調整される。このように、第1レンズ8は、治具を用いて偏心調整が行われる。
そして、第1レンズ8は、各R軸部が移動されることで左右方向(X方向)の位置が調整され、各D軸部が移動されることで上下方向(Z方向)の位置が調整される。このように、第1レンズ8は、治具を用いて偏心調整が行われる。
また、第1レンズ8は、左右方向(X方向)の位置が調整される場合には、X方向に沿って延出するレンズ当接面82b,82c(凸面)が板バネ9B,9Cの付勢当接面92a(凸面)上を摺動し、また、レンズ当接面82a(凸面)がX方向に沿って延出する板バネ9Aの付勢当接面92a(凸面)上を摺動する。
そして、第1レンズ8は、上下方向(Z方向)の位置が調整される場合には、Z方向に沿って延出するレンズ当接面82a(凸面)が板バネ9Aの付勢当接面92a(凸面)上を摺動し、また、レンズ当接面82b,82c(凸面)がZ方向に沿って延出する板バネ9B,9Cの付勢当接面92a(凸面)上を摺動する。
そして、第1レンズ8は、上下方向(Z方向)の位置が調整される場合には、Z方向に沿って延出するレンズ当接面82a(凸面)が板バネ9Aの付勢当接面92a(凸面)上を摺動し、また、レンズ当接面82b,82c(凸面)がZ方向に沿って延出する板バネ9B,9Cの付勢当接面92a(凸面)上を摺動する。
このように、レンズ当接面82a,82b,82c、およびこのレンズ当接面82a,82b,82cに当接する付勢当接面92aのいずれかは、一対の開口部(貫通孔6113Lh、貫通孔6113Rh)が対向する方向、および一対の開口部(切欠き6113Un、貫通孔6113Dh)が対向する方向に延出している。そして、第1レンズ8は、偏心調整が行われる際に、移動される方向に延出する第1レンズ8または板バネ9に形成された凸面上に沿って移動する。
そして、偏心調整された第1レンズ8は、側面81Uおよび貫通孔6113Bから側面81Dに接着剤が注入されて第1レンズ枠61に固定される。
そして、偏心調整された第1レンズ8は、側面81Uおよび貫通孔6113Bから側面81Dに接着剤が注入されて第1レンズ枠61に固定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1レンズ8と板バネ9とは、凸面であるレンズ当接面82a,82b,82cと付勢当接面92aとが当接するので、第1レンズ8を滑らかに移動させることができる。よって、簡素な構成で第1レンズ8を偏心調整し、画質を高めた画像の投写が可能な投写光学装置5を提供することができる。
(1)第1レンズ8と板バネ9とは、凸面であるレンズ当接面82a,82b,82cと付勢当接面92aとが当接するので、第1レンズ8を滑らかに移動させることができる。よって、簡素な構成で第1レンズ8を偏心調整し、画質を高めた画像の投写が可能な投写光学装置5を提供することができる。
(2)第1レンズ8は、合成樹脂製の非球面レンズ等として構成されているので、非点収差や湾曲収差等の収差を補正できる投写光学装置5の提供が可能となる。また、合成樹脂製の第1レンズ8は、ガラス製より硬度が低いが、上述したように凸面の付勢当接面とレンズ当接面とが当接するので、第1レンズを滑らかに移動させることが可能となる。よって、画像の歪をより抑制し、画質が良好な画像を投写する投写光学装置5を提供することが可能となる。
(3)板バネ9は、第1レンズ8の周縁に沿って複数配置されているので、安定して位置が維持される。
(4)付勢部として板バネ9が用いられているので、省スペースで第1レンズ8を保持する構成が可能となる。
(5)レンズ当接面82a,82b,82cおよび付勢当接面92aは、凸面で、第1レンズ8は、偏心調整が行われる際に、移動される方向に延出する第1レンズ8または板バネ9に形成されたこの凸面上に沿って移動する。これによって、第1レンズ8をより滑らかに移動させることが可能となるので、容易に第1レンズ8の位置の微調整が可能となり、投写光学装置5は、より画質の良好な画像の投写が可能となる。
(6)レンズ当接面82a,82b,82c、およびこのレンズ当接面82a,82b,82cに当接する付勢当接面92aのいずれかは、一対の開口部(貫通孔6113Lh、貫通孔6113Rh)が対向する方向、および一対の開口部(切欠き6113Un、貫通孔6113Dh)が対向する方向に延出している。これによって、第1レンズ8の偏心調整の際に、一対の開口部から挿入された治具が第1レンズ8を押圧する方向と凸面が延出する方向とが同一の方向となるので、第1レンズ8をさらに滑らかに移動させるとともに、第1レンズ8の偏心調整を簡単に行える投写光学装置5の提供が可能となる。
(7)レンズ当接面82a,82b,82cは、凸面が2つ並設された形状を有しているので、板バネ9は、押圧部92の倒れが抑制され、第1レンズ8のより安定した保持が可能となる。
(8)投写光学装置5は、カバー51B以外が組み立てられた状態で第1レンズ8の偏心調整が行われるので、さらに光学的な歪を抑制した画像の投写が可能となる。
(9)第1レンズ8は、複数のレンズのうち、最も光射出側に配置されるレンズであり、また、非球面レンズである。この第1レンズ8が偏心調整されるので、より効率良く投写される画像の品質を向上させることができる。
また、投写光学装置5は、第1レンズ8から射出された光を反射する反射部を備えているので、偏心調整された第1レンズ8からの光を反射部によって反射し、光の方向の変更および広角化が可能となる。よって、簡素な構成で光学的な歪を抑え、投写面に近接して配置し、広角な投写が可能な投写光学装置を提供できる。
また、第1レンズ8は、移動可能に構成され、フォーカス調整に寄与するレンズなので、焦点距離の調整や像面湾曲の調整が可能で、投写面に近接して配置し、より広角化が可能な投写光学装置を提供できる。
また、投写光学装置5は、第1レンズ8から射出された光を反射する反射部を備えているので、偏心調整された第1レンズ8からの光を反射部によって反射し、光の方向の変更および広角化が可能となる。よって、簡素な構成で光学的な歪を抑え、投写面に近接して配置し、広角な投写が可能な投写光学装置を提供できる。
また、第1レンズ8は、移動可能に構成され、フォーカス調整に寄与するレンズなので、焦点距離の調整や像面湾曲の調整が可能で、投写面に近接して配置し、より広角化が可能な投写光学装置を提供できる。
(10)プロジェクター1は、投写光学装置5を備えているので、投写面に近接して配置され、広角化した画像を投写することが可能となる。
(11)第1レンズ8は、レンズ部80と端部81との段差が小さく形成されている。特に、凹面状に形成された第2面80B側の縁面81Bにおいては、−Z側が第2面80Bに倣うように形成されているので、段差が小さなものとなる。これによって、第1レンズ8は、良好な成型が可能となるので、光学性能の確保や歩留り向上が可能となる。
(12)縁面81Bの幅81Bw(レンズ当接面82a,82b,82cの長さ)は、第1レンズ8の位置の調整において、板バネ9A,9B,9Cが確実に当接する長さに設定されていればよいので、寸法を小さなものとすることが可能となる。すなわち、例えば、調整レンズの端部に孔を設け、この孔にピンを挿通させて仮配置した後、調整する構成においては、孔を確保するために、幅の寸法が大きくなるが、この構成に比べ、幅81Bwの寸法を小さくすることができる。よって、第1レンズ8の小型化や、レンズ部80を大きくできることによる第1光学系6の光学性能の向上が可能となる。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、レンズ当接面82a,82b,82c、および付勢当接面92aが凸面に形成されているが、付勢当接面およびレンズ当接面の少なくともいずれか一方が凸面に形成されていればよい。また、付勢当接面およびレンズ当接面が面で接触するのではなく、点や線で接触する構成であればよく、円柱形の曲面の一部のような形状に限らず他の形状であってもよい。
図16は、変形例の第1レンズ18および第1レンズ保持部160を示す図であり、−X方向から見た板バネ19近傍の部分断面図である。
図16に示すように、レンズ当接面182aは、球面状の凸面に形成されている。板バネ19は、固定部191および押圧部192を有している。押圧部192は、固定部191から第1レンズ18側に屈曲された第1平坦部、およびこの第1平坦部から第1レンズ18とは反対側に屈曲された第2平坦部を有し、付勢当接面192aは、第2平坦部の第1レンズ18側に平面状に形成されている。そして、板バネ19は、平面状の付勢当接面192aが凸面のレンズ当接面182aに当接して第1レンズ18を付勢する。
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、レンズ当接面82a,82b,82c、および付勢当接面92aが凸面に形成されているが、付勢当接面およびレンズ当接面の少なくともいずれか一方が凸面に形成されていればよい。また、付勢当接面およびレンズ当接面が面で接触するのではなく、点や線で接触する構成であればよく、円柱形の曲面の一部のような形状に限らず他の形状であってもよい。
図16は、変形例の第1レンズ18および第1レンズ保持部160を示す図であり、−X方向から見た板バネ19近傍の部分断面図である。
図16に示すように、レンズ当接面182aは、球面状の凸面に形成されている。板バネ19は、固定部191および押圧部192を有している。押圧部192は、固定部191から第1レンズ18側に屈曲された第1平坦部、およびこの第1平坦部から第1レンズ18とは反対側に屈曲された第2平坦部を有し、付勢当接面192aは、第2平坦部の第1レンズ18側に平面状に形成されている。そして、板バネ19は、平面状の付勢当接面192aが凸面のレンズ当接面182aに当接して第1レンズ18を付勢する。
図16に示した変形例の第2平坦部に凸面を形成し、第1レンズ18の凸面を削除して平坦面を形成し、第2平坦部の凸面を付勢当接面、第1レンズ18の平坦面をレンズ当接面として構成してもよい。
前記実施形態の第1レンズ8は、合成樹脂製であるが、ガラス製であってもよい。また、非球面形状以外の形状で第1レンズを形成してもよい。また、複数のレンズの最も光射出側に配置されるレンズ以外のレンズを第1レンズとして構成してもよい。
前記実施形態の第1光学系6は、移動するレンズ群が3つ(第1レンズ群L1〜第3レンズ群L3)で構成されているが、3つに限らず、1つや2つ、あるいは4つ以上で構成されてもよい。
前記投写光学装置5は、反射部を有する第2光学系7を備えているが、第2光学系7を備えない構成であってもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として透過型の液晶パネルを用いているが、反射型の液晶パネルを利用したものであってもよい。また、光変調装置としてマイクロミラー型の光変調装置、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものであってもよい。
前記実施形態の光変調装置は、R光、G光、およびB光に対応する3つの光変調装置を用いるいわゆる3板方式を採用しているが、これに限らず、単板方式を採用してもよく、あるいは、2つまたは4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも適用できる。
光源装置31は、放電型のランプを用いたものに限らず、その他の方式のランプや発光ダイオード、レーザー等の固体光源で構成してもよい。
1…プロジェクター、3…光学ユニット、5…投写光学装置、8,18…第1レンズ、9,9A,9B,9C,19…板バネ(付勢部)、31…光源装置、61…第1レンズ枠(支持部材)、65…案内筒、66…カム筒、71…反射ミラー(反射部)、80…レンズ部、81…端部、81D,81L,81R,81U…側面、82a,82b,82c,182a…レンズ当接面、91,191…固定部、92,192…押圧部、92a,192a…付勢当接面、311…光源、351,351B,351G,351R…光変調装置、6113…周縁部、6113Dh…貫通孔、6113Lh,6113Rh…貫通孔(一対の開口部)、6113Dh…貫通孔、6113Un…切欠き、Ax…光軸。
Claims (8)
- 光軸に沿って配置される第1レンズを含む複数のレンズを備える投写光学装置であって、
前記第1レンズは、レンズ部と前記レンズ部の周囲を囲む端部とを有し、
当該投写光学装置は、
前記光軸に沿う第1方向における前記端部の一方側に当接し、前記第1方向に交差する第2方向において、前記第1レンズが移動可能に配置される支持部材と、
前記端部の前記第1方向における他方側に当接し、前記第1レンズを前記一方側に付勢する付勢部と、
を備え、
前記他方側の端部には、前記付勢部が当接するレンズ当接面が形成され、
前記付勢部は、前記レンズ当接面に当接する付勢当接面を有し、
前記レンズ当接面および前記付勢当接面は、少なくともいずれか一方が凸面であることを特徴とする投写光学装置。 - 請求項1に記載の投写光学装置であって、
前記第1レンズは、合成樹脂製であることを特徴とする投写光学装置。 - 請求項1または請求項2に記載の投写光学装置であって、
前記付勢部は、前記第1レンズの周縁に沿って複数配置されていることを特徴とする投写光学装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の投写光学装置であって、
前記付勢部は、板バネであることを特徴とする投写光学装置。 - 請求項4に記載の投写光学装置であって、
前記付勢部は、前記支持部材に固定される固定部、および前記付勢当接面が設けられ、前記レンズ当接面を押圧する押圧部を有し、
前記レンズ当接面は、前記第2方向における前記第1レンズの周縁に交差する方向に沿って延出する凸面であり、
前記付勢当接面は、前記レンズ当接面が延出する方向に交差する方向に沿って延出する凸面であることを特徴とする投写光学装置。 - 請求項5に記載の投写光学装置であって、
前記支持部材は、前記第1レンズが前記第2方向において遊嵌され、前記固定部が固定される周縁部を有し、
前記周縁部は、前記第1レンズの対向する側の側面を露出させる一対の開口部を有し、
前記レンズ当接面、および当該レンズ当接面に当接する前記付勢当接面のいずれかは、前記一対の開口部が対向する方向に延出していることを特徴とする投写光学装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の投写光学装置であって、
前記第1レンズは、前記複数のレンズのうち、最も光射出側に配置されるレンズであり、
当該投写光学装置は、前記第1レンズから射出された光を反射する反射部をさらに備えることを特徴とする投写光学装置。 - 光源と、
前記光源から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置にて変調された光を投写する請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の投写光学装置と、
を備えることを特徴とするプロジェクター。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2015163477 | 2015-08-21 | ||
JP2015163477 | 2015-08-21 |
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JP2015211603A Pending JP2017040901A (ja) | 2015-08-21 | 2015-10-28 | 投写光学装置、およびプロジェクター |
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JP (1) | JP2017040901A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019168488A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | セイコーエプソン株式会社 | 調芯機構、レンズユニット、投射光学系及びプロジェクター |
CN115066581A (zh) * | 2020-02-07 | 2022-09-16 | 株式会社小糸制作所 | 灯具单元 |
-
2015
- 2015-10-28 JP JP2015211603A patent/JP2017040901A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20230097767A1 (en) * | 2020-02-07 | 2023-03-30 | Koito Manufacturing Co., Ltd. | Lamp unit |
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