JP2008102536A - 背面投写型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 第1の反射ミラーを製造の困難な非球面形状にすることなく、スクリーンに対する斜め投写を実現し、薄型化を図ることが可能な背面投写型表示装置を提供する。
【解決手段】 光学エンジン部と、光学エンジン部から出力された映像光を複数の反射ミラーでスクリーン裏面に対して斜めから拡大投写する投写手段とを備え、投写手段は、光学エンジン部2からの光束に対し凹面を向けた1番目の曲面反射ミラー3aと、1番目の曲面反射ミラー3aからの光束に対し凸面を向けた2番目の曲面反射ミラー5aと、2番目の曲面反射ミラー5aからの光束に対し凸面を向けた3番目の曲面反射ミラー6aと、3番目の曲面反射ミラー6aからの光束をスクリーン裏面に案内する4番目の反射ミラー7と、光学エンジン部2から第1番目の曲面反射ミラー3aに向かう光路中に配置された曲面反射ミラーの収差補正を補助する補助レンズ9と、を備える。
【選択図】 図6
【解決手段】 光学エンジン部と、光学エンジン部から出力された映像光を複数の反射ミラーでスクリーン裏面に対して斜めから拡大投写する投写手段とを備え、投写手段は、光学エンジン部2からの光束に対し凹面を向けた1番目の曲面反射ミラー3aと、1番目の曲面反射ミラー3aからの光束に対し凸面を向けた2番目の曲面反射ミラー5aと、2番目の曲面反射ミラー5aからの光束に対し凸面を向けた3番目の曲面反射ミラー6aと、3番目の曲面反射ミラー6aからの光束をスクリーン裏面に案内する4番目の反射ミラー7と、光学エンジン部2から第1番目の曲面反射ミラー3aに向かう光路中に配置された曲面反射ミラーの収差補正を補助する補助レンズ9と、を備える。
【選択図】 図6
Description
この発明は、映像投写装置(光学エンジン)からの投影映像をスクリーンの背面側で受け、スクリーンの正面側に位置する観察者に向けて映像光を発するようにした背面投写型表示装置に関する。
図10は、従来の背面投写型表示装置を示した概略構成図である。この背面投写型表示装置は、筺体101内に配置された映像投写装置(光学エンジン)102、投影レンズ103、反射ミラー104及び透過型の拡散スクリーン105により構成されている。映像投写装置102から出射された投影映像光は、投影レンズ103によって拡大投影され、反射ミラー104により反射され、透過型の拡散スクリーン105の背面側に入射される。観察者は、拡散スクリーン105の正面位置で映像を見ることができる。この種の背面投写型表示装置は、ブラウン管を画面とする構造に比べて、大画面化が容易であるという利点を有している。
上記構成において、大画面化を実現するためには、大きな拡大投写率を有する投影レンズ103を使用するか、あるいは映像投写装置102からスクリーン105間での光路距離を長くする必要がある。現状では投影レンズによる拡大投写には限界があり、また、拡大投写率の大きな投影レンズを設けた場合、反射ミラーの配置構成によっては筺体101の奥行きが大きくなり、薄型化が困難になるという問題を招来する。更に、映像投写装置102からスクリーン105までの光路距離を長くする場合には、同様に筺体101の奥行きが大きくなり薄型化できないという問題があった。
一方、従来の背面投写型表示装置の一例として、特開平10−111458号公報(Int.Cl G02B17/00)には、3枚の曲面形状の反射ミラーから構成される結像系を備えたものが記載されている。
この結像系は、球面凹形状の反射面を有する第1の反射ミラーと、非球面凸形状の反射面を有する第2の反射ミラーと、非球面凸形状の反射面を有する第3の反射ミラーとから構成されており、液晶パネルにて光学的に変調された映像光が、第1〜第3の反射ミラーにて順次反射されてスクリーンに照射される。
これにより、第1〜第3の反射ミラーにより光路が折りたたまれるため、薄型化を図ることが可能となる。
特開平10−111458号公報
しかしながら、更なる薄型化を図ることを目的に、映像光をスクリーンに対して斜め、すなわち、映像光の主光線をスクリーンの法線に対して傾けて照射させる構成とする場合には、第2及び第3の反射ミラーの非球面成分だけでは非点収差やコマ収差などの収差を補正するに十分なパワー配置を行うことが困難になる。
また、前記第1〜第3の反射ミラーからなる結像投写ミラー部は一般的な投写レンズと同様の作用を持つ光学部品であるため、本装置の組み立て工程での調整作業効率、各ミラー取り付け位置精度の保持及び、防塵効果を考えた場合、各ミラー間隔を短縮させ、一体型支持体にて保持することが望ましい。
しかしながら、各第1〜第3の反射ミラーは装置の筐体前面あるいは背面に近接して設置されるため、各反射ミラーを一体型機構で保持することを鑑みた場合、保持機構が大型化するため一体型機構を用いた保持並びに防塵のための機構の配置は困難であった。
例えば、光学エンジン内に配置される映像表示用液晶パネルを対角サイズ1インチ前後のものを用い、50インチのスクリーンに拡大投写を行う背面投写型表示装置では、各反射ミラーパワー配置及びMTF等の結像性能を考慮したときの各反射ミラー間隔は20cm〜30cm程度となるため、各反射ミラーの一体型保持が困難である。更に、背面投写型表示装置の組み立て時の効率、ミラー取り付け精度の維持及び防塵効果を考えた場合、問題があった。
さらに、一般的に反射ミラーを組み合わせた反射結像光学系における最大の問題の1つに、反射光束による装置内部材との干渉という点がある。3枚の反射ミラー構成の場合、第1の反射ミラーと第2の反射ミラー間を通過する光束が光学エンジン部上部と近接するため前記画像形成部保持機構と干渉する可能性があり、これが機構設計及びミラー光学系設計上の制約となっていた。
この発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたものにして、表示装置自体の奥行きの薄型化を図ることを目的とする。
さらに、この発明は、映像光が光学エンジン等に遮られることなく拡大投写系に与えることができる背面投写型表示装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、第1の反射ミラーを製造の困難な非球面形状にすることなく、スクリーンに対する斜め投写を実現し、薄型化を図ることが可能な背面投写型表示装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、光源から出射された光を映像情報に基づいて光学的に変調して出力する光学エンジン部と、この光学エンジン部から出力された映像光を複数の反射ミラーでスクリーン裏面に対して斜めから拡大投写する投写手段と、を備え、前記スクリーン表面側から映像を観察する背面投写型表示装置において、
前記投写手段は、前記光学エンジン部からの光束に対し凹面を向けた第1番目の曲面反射ミラーと、前記第1番目の曲面反射ミラーからの光束に対し凸面を向けた第2番目の曲面反射ミラーと、前記第2番目の曲面反射ミラーからの光束に対し凸面を向けた第3番目の曲面反射ミラーと、前記第3番目の曲面反射ミラーからの光束をスクリーン裏面に案内する第4番目の反射ミラーと、前記光学エンジン部から前記第1番目の曲面反射ミラーに向かう光路中に配置された曲面反射ミラーの収差補正を補助する補助レンズと、を備えていることを特徴とする。
前記投写手段は、前記光学エンジン部からの光束に対し凹面を向けた第1番目の曲面反射ミラーと、前記第1番目の曲面反射ミラーからの光束に対し凸面を向けた第2番目の曲面反射ミラーと、前記第2番目の曲面反射ミラーからの光束に対し凸面を向けた第3番目の曲面反射ミラーと、前記第3番目の曲面反射ミラーからの光束をスクリーン裏面に案内する第4番目の反射ミラーと、前記光学エンジン部から前記第1番目の曲面反射ミラーに向かう光路中に配置された曲面反射ミラーの収差補正を補助する補助レンズと、を備えていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、光学ユニットから出射された映像光が、曲面反射ミラーと補助レンズとで構成される投写手段により拡大及び収差補正されて、スクリーンに対して斜めから投写される。そして、最も精度の厳しい光学エンジン部の出射光が最初に照射される曲面反射ミラーのパワーが、補助レンズにて補助される。このとき、光学ユニットから出射された映像光は、スクリーンに近づくにつれて順次拡大させていくため、最も小さな光束として取り扱える光学ユニットと曲面反射ミラーとの間に補助レンズを配置することにより、補助レンズが小さくなる。
このような構成とすることにより、光学ユニットから出射された映像光は、補助レンズを透過した後、第1番目の曲面反射ミラー、第2番目の曲面反射ミラー、第3番目の曲面反射ミラーにて順次反射されて、スクリーンに照射される。
また、第1番目の曲面反射ミラーの反射面が球面形状であり、補助レンズが非球面形状であることを特徴とする。
このような構成とすることにより、第1番目の曲面反射ミラーにおける球面形状の反射面が高い面精度で形成されると共に、その非球面成分を補助する補助レンズが高い精度で形成される。これは、曲面反射ミラーの反射面が球面形状であり、また、補助レンズが比較的小さな形状であるため、従来から用いられている研磨により精度よく形成できる。
また、第2番目及び第3番目の曲面反射ミラーの反射面が非球面形状であることを特徴とする。
これは、第2番目及び第3番目の曲面反射ミラーが、第1の曲面反射ミラーと比較して大きく、且つ、面精度が緩やかであるため、従来から用いられている研磨により形成できる。
以上のように、この発明は、映像投写装置(光学エンジン)からの投影映像をスクリーンの背面側で受け、スクリーンの正面側に位置する観察者に向けて映像光を発するようにした薄型の表示装置に用いるのに適しており、大型で薄型のディスプレイ装置、大型で薄型のテレビジョン装置に用いることができる。
この発明を添付の図面に従って詳細に説明する。
図1はこの発明の背面投写型表示装置の概略構成を表す断面図、図2は図1の背面投写型表示装置における光学エンジンの概略構成を示す構成図、図3は、第1から第3の反射ミラーを一体に支持部材に保持した状態の一例を示す斜視図、図4は図1の背面投写型表示装置におけるスクリーンの構成を表す拡大断面図である。
この実施例1における背面投写型表示装置は、図1に示すように、映像光を生成する光学エンジン2と、その映像光が照射されて像が形成されるスクリーン8と、光学エンジン2から出射された映像光をスクリーン8に導く投写光学系と、これらを一体に保持する筐体1とを備えている。
投写光学系は、拡大投写及び結像性能を持つ同一軸上に配置された非球面反射ミラーからなる第1ないし第4の反射ミラー3、4、5、6と、折り返しのために光軸と垂直に配設された平面反射ミラーからなる第5の反射ミラー7と、で構成される。
この実施例1の特徴は、拡大投写及び結像性能を2枚の凸面形状の非球面反射ミラーと1枚の凹面形状の非球面反射ミラーで構成していたものを最適なパワー配分により3枚の非球面反射ミラー及び一枚の球面反射ミラーに分割したことである。
第1の反射ミラー3の反射面は非球面の凹面形状をなし、その反射面が光学エンジン2における映像光の出射と対向するように配置されている。第2の反射ミラー4は球面の凸面形状をなし、筐体1内において第1の反射ミラー3と対向する位置に配置されている。第3の反射ミラー5は非球面の凸面形状をなし、筐体1内において第2の反射ミラー4と対向する位置に配置されている。第4の反射ミラー6は第3の反射ミラー5同様非球面の凸面形状をなし、第3の反射ミラー5とスクリーン8との間に配置されている。第5の反射ミラー7は平板形状をなし、第3の反射ミラー5の上方においてスクリーン8と平行に配置されている。
光学エンジン2は、図2に示すように、いわゆる三板式のものであり、リフレクタ21aを有するメタルハライドランプ21と、赤色に対応する波長域の光を選択的に反射し、それ以外の波長域の光を透過する第1のダイクロイックミラー22と緑色に対応する波長域の光を選択的に反射し、それ以外の波長域の光を透過する第2のダイクロイックミラー23と、これら第1及び第2のダイクロイックミラー22、23にて色分離された各色光を映像情報に基づいて光学的に変調する第1ないし第3の液晶パネル27r、27g、27bと、これら第1ないし第3の液晶パネル27r、27g、27bにて変調された各色光を合成するダイクロイックプリズム28と、を備えている。
そして、メタルハライドランプ21から出射された白色光は、リフレクタ21aにて反射され、UV/IRフィルタ(図示省略)にて紫外線及び赤外線が除去された後、第1のダイクロイックミラー22に対して45度の角度で照射される。
第1のダイクロイックミラー22では、照射された白色光のうち赤色成分の光(以下、赤色光と称する)が選択的に反射される。反射された赤色光は、第1の反射ミラー24にて反射された後、第1の液晶パネル27rに照射される。この赤色光は、第1の液晶パネル27rで、赤色の映像情報に応じた光学的な変調が施された後、色合成用のダイクロイックプリズム28に入射される。
一方、第1のダイクロイックミラー22を透過した残りの色成分の光は、第2のダイクロイックミラー23に対して45度の角度で照射される。
第2のダイクロイックミラー23では、照射された色光のうち緑色成分の光(以下、緑色光と称する)が選択的に反射されて、第2の液晶パネル27gに照射される。この緑色光は、第2の液晶パネル27gで、緑色の映像情報に応じた光学的な変調が施された後、色合成用のダイクロイックプリズム28に入射される。
また、第2のダイクロイックミラー23を透過した青色成分の光(以下、青色光と称する)は、第2及び第3のミラー25、26にて順次反射された後、第3の液晶パネル27bに照射される。第3の液晶パネル27bでは、青色の映像情報に応じた光学的な変調が施された後、色合成用ダイクロイックプリズム28に照射される。
そして、ダイクロイックプリズム28に入射した各色光が色合成され、カラーの映像光として出射される。
ダイクロイックプリズム28から出射された映像光は、図1に示すように、右斜め上方に向けて出射され、非球面凹形状の第1の反射ミラー3に照射される。第1の反射ミラー3に照射された映像光は、球面凸形状の第2反射ミラー4、非球面凸形状の第3反射ミラー5、非球面凸形状の第4の反射ミラー6にて順次反射されて、平板形状の第5の反射ミラー7に照射される。このとき、第5の反射ミラー7に照射された映像光は、第1ないし第4の反射ミラー3〜6に応じたレンズ作用により映像光の非点収差やコマ収差などの収差補正が行われると同時に、拡大されている。そして、第5の反射ミラー7にて反射された映像光は、スクリーン8の裏面側に照射されて、そこに像が形成される。
スクリーン8は、図4に示すように、アクリル樹脂からなるフレネルレンズスクリーン81とレンチキュラレンズスクリーン82とから構成されている。フレネルレンズスクリーン81は、映像光の入射側の面がフラットに形成され、出射側の面に複数の輪体状の突起が形成されたものである。レンチキュラレンズスクリーン82は、映像光の入射側の面がフラットに形成され、出射側の面に複数の蒲鉾形状の突起が形成されたものである。
そして、第5のミラー7にて反射された映像光は、フレネルレンズスクリーン81の裏面に対し斜めに照射された後、そのレンズ作用により角度が修正されて出射される。フレネルレンズから出射された映像光は、レンチキュラレンズスクリーン82の裏面に照射され、その拡散作用により像が形成される。
上述したように、3枚の非球面ミラー構成の場合、第1ミラーと第2ミラー間を通過する光束が光学エンジン部2の上部と近接するために、画像形成部保持機構と干渉する可能性があり、これが機構設計及びミラー光学系設計上の制約となっていた。
そこで、この実施例1においては、投写ミラー部の性能を維持しながら、最適なパワー配分により反射ミラーを4枚構成とし、前記課題を解決している。上記課題を実現する為の制限条件を以下に示す。
D/H≦0.65 …(1)
3.2≦f123/fa≦4.3 …(2)
d1+d2≦D …(3)
ここで、
D:背面ミラーからスクリーン間距離
H:スクリーン高さ
f123:第1,第2,第3の反射ミラーの合成焦点距離
fa:全焦点距離(第1〜第4の反射ミラーの合成焦点距離)
d1:第1の反射ミラー〜第2の反射ミラー間距離
d2:第2の反射ミラー〜第3の反射ミラー間距離
3.2≦f123/fa≦4.3 …(2)
d1+d2≦D …(3)
ここで、
D:背面ミラーからスクリーン間距離
H:スクリーン高さ
f123:第1,第2,第3の反射ミラーの合成焦点距離
fa:全焦点距離(第1〜第4の反射ミラーの合成焦点距離)
d1:第1の反射ミラー〜第2の反射ミラー間距離
d2:第2の反射ミラー〜第3の反射ミラー間距離
上記の条件式(1)、(2)はこの投写ミラー方式の薄型化を可能とするものである。条件式(3)は第1、第2、第3の反射ミラー3、4、5を近接することにより、一体保持可能な配置とするものである。
上記した構成により、3つの反射ミラー3、4、5が近接した配置となるため、図3に示すような一体型支持機構30を用いることが可能となる。支持本体30に第1の反射ミラー3、第2の反射ミラー4、第3の反射ミラー5の3つの反射ミラーを固定する。
支持本体30は、光学エンジン2からの光束を通す窓部31を有している。この窓部に対向して光束が取り込まれる位置に非球面凹面形状を有する第1の反射ミラー3を取り付けるための支持部30aが設けられている。この第1の反射ミラー3と対向して配置され、前記光学エンジン2の上部に位置するように、球面凸面形状を有する第2の反射ミラー4を取り付ける支持部30bが設けられている。この第2の反射ミラー4と対向して配置された非球面凸面形状を有する第3の反射ミラー5を取り付ける支持部30cが設けられている。
この支持本体30の各支持部30a、30b、30cにそれぞれ3つの反射ミラー3、4、5を固定することで、各ミラーが精度良く取り付けられる。
このように、支持本体30を用いることは、装置の組み立て効率及び反射ミラーの取り付け位置精度維持のために有利である。
また、この構成により、第1の反射ミラー3からの反射光を光学エンジン2に到達する直前に第2の反射ミラー4で再び反射するため、光学エンジン2上部を通過する光束が更に上方へ移動し、光学エンジン2上部の機構クリアランスが大幅に確保できる。一般的に光学エンジン2には画像形成素子を取り付けるための調整機構などが備えられ、多くは光学エンジン2の上部に突出している。本実施例1により前記調整機構等の機構設計、及び光束を制御し干渉回避を考慮した反射ミラー設計において有利である。
また、図3の一体型保持機構上部に透明材質の防塵板を配置することにより光路を遮ることなく、ほこり等の付着による映像のコントラスト低下を防ぐことが可能となる。
また、本実施例1において、これまで曲面反射ミラー形状について言及しなかったが、本来ミラー形状は光束を反射させる有効なエリアサイズであればよいが、反射ミラーの加工上、矩形であるよりは円形状である方がコスト的には望ましい。
以上、この発明の実施形態について述べたが、この発明に基づき設計された図1の具体的な結像系の構成データを図5に示す。faは全系の焦点距離、d1、d2、d3は各第1〜第2、第2〜第3、第3〜第4の反射ミラーの中心の直線距離である。各面データにおいて面番号は各第1、2、3、4の反射ミラーに対応しており、fは各ミラーの焦点距離である。またK、A、B、C、Dは非球面反射ミラー形状を表す数式1の非球面式の各係数に対応する。この図5に示すものは、fa=10.6、d1=74.5、d2=104.5、d3=252.5、FNo=6.3とした場合の構成データである。
以上説明したように、この実施例1によれば、反射型結像光学系を備えた背面投写型表示装置において、反射ミラー間を反射する光束と光学エンジンとの干渉を回避することが可能となる。また、光学エンジン近傍の反射ミラーとその前後で構成する反射ミラーを一体保持することにより、装置の組み立て効率や反射ミラーの取り付け精度の向上及び防塵機構の配置が可能となる。
図6はこの発明の実施例2に係る背面投写型表示装置の概略構成を表す断面図である。
本実施例2における背面投写型表示装置は、図6に示すように、映像光を生成する光学エンジン2と、その映像光が照射されて像が形成されるスクリーン8と、光学エンジン2から出射された映像光をスクリーン8に導く投写光学系と、これらを一体に保持する筐体1とを備えている。
投写光学系は、第1番目、第2番目及び第3番目の反射ミラー3a、5a、6aと、補助レンズ9とから構成されている。
第1番目の反射ミラー3aの反射面は球面の凹面形状をなし、その反射面が光学エンジン2における映像光の出射と対向するように配置されている。第2番目の反射ミラー5a(実施例1の第3の反射ミラー5に相当)は非球面の凸面形状をなし、筐体1内において第1の反射ミラー3aと対向する位置に配置されている。第3番目の反射ミラー6a(実施例1の第4の反射ミラー6に相当)は第2番目の反射ミラー5a同様非球面の凸面形状をなし、筐体1内において第1の反射ミラー3aとスクリーン8との間に配置されている。第4番目の反射ミラー7(実施例1の第5の反射ミラー7に相当)は平板形状をなし、第2番目の反射ミラー5aの上方においてスクリーン8と平行に配置されている。
光学エンジン2は、上記した実施例1と同様図2に示すように、いわゆる三板式のものである。
ダイクロイックプリズム28から出射された映像光は、図6に示すように、左斜め上方に向けて出射され、非球面形状の補助レンズ9を透過して、球面凹形状の反射ミラー3aに照射される。第1番目の反射ミラー3aに照射された映像光は、非球面凸形状の第2番目及び第3番目の反射ミラー5a、6aにて順次反射されて、平板形状の第4番目の反射ミラー7に照射される。このとき、第4番目の反射ミラー7に照射された映像光は、第1番目、第2番目、第3番目の反射ミラー3a、5a、6aと補助レンズ9の形状に応じたレンズ作用により映像光の非点収差やコマ収差などの収差補正が行われると同時に、拡大されている。ここでは、図7に示すような光学的構成を有するように、第1番目、第2番目、第3番目の反射ミラー3a、5a、6aと補助レンズ9とが設計されている。
そして、第4番目の反射ミラー7にて反射された映像光は、スクリーン8の裏面側に照射されて、そこに像が形成される。
第4番目の反射ミラー7にて反射された映像光は、フレネルレンズスクリーン81の裏面に対し斜めに照射された後、そのレンズ作用により角度が修正されて出射される。フレネルレンズから出射された映像光は、レンチキュラレンズスクリーン82の裏面に照射され、その拡散作用により像が形成される。
このように、本実施例2によれば、最も面精度の厳しい第1番目の反射ミラー3aに求められる非球面成分を補助レンズ9にもたせたため、第1番目の反射ミラー3aを研磨などにより精度よく形成することが可能となる。
また、光学エンジン2から出射された後順次拡大されていく映像光の中で、光束の細い光学エンジン2と第1番目の反射ミラー3aとの間に補助レンズ9を配置したため、補助レンズ9を比較的小さな形状とすることができ、研磨などにより精度よく形成することが可能となる。
なお、本実施例2においては、投写光学系として、球面凹形状の第1番目の反射ミラー3a及びそれを補助する非球面形状の補助レンズ9と、非球面凸形状の第2番目及び第3番目の反射ミラー5a、6aとを用いて構成したが、それに限定されることなく、3枚以上の曲面反射ミラーを用いてもよい。
また、本実施例2においては、第1番目の反射ミラー3aの球面成分を補助するために補助レンズ9を光学エンジン2と第1番目の反射ミラー3aとの間に配置したが、第1番目の反射ミラー3aと第2番目の反射ミラー5aとの間に配置してもよいし、両方に配置してもよい。
この実施例2によれば、面精度の厳しい曲面反射ミラーに求められる非球面成分を補助レンズにもたせたために、その曲面反射ミラーを研磨などにより精度よく形成することができ、装置の信頼性を向上させることが可能となる。
次に、実施例1を50インチのスクリーンを有する背面投写型表示装置に適用した場合と、実施例1の第1ないし第3の反射ミラー3、4、5が有する拡大投写及び結像性能をレンズで構成した光学エンジンを用いて構成した50インチのスクリーンを有する背面投写型表示装置の寸法の関係につき説明する。図8は、実施例1を50インチのスクリーンを有する背面投写型表示装置に適用した場合の概略断面図、図9はレンズで構成した光学エンジンを用いて構成した50インチのスクリーンを有する背面投写型表示装置の概略断面図である。図9に示すように、第1ないし第3の反射ミラー3、4、5が有する拡大投写及び結像性能をレンズで構成した光学エンジン2aからの映像光を平面反射ミラー2bで反射させ、非球面凸形状の第4の反射ミラー6にて反射させて、平板形状の第5の反射ミラー7に照射する。そして、第5の反射ミラー7にて反射された映像光は、スクリーン8の裏面側に照射されて、そこに像が形成される。この図8に示す背面投写型表示装置と図9に示す背面投写型表示装置において、奥行きを320mmと同じにした場合、図8に示す構成のものにおいては、高さが1400mmになるのに対して、図9に示すものにおいては、高さが1600mmになる。このように、4枚の反射ミラーで構成したこの実施例1のものの方が小型化が図れる。
2 光学エンジン
3 第1の反射ミラー
4 第2の反射ミラー
5 第3の反射ミラー
6 第4の反射ミラー
7 平面反射ミラー
8 スクリーン
3 第1の反射ミラー
4 第2の反射ミラー
5 第3の反射ミラー
6 第4の反射ミラー
7 平面反射ミラー
8 スクリーン
Claims (3)
- 光源から出射された光を映像情報に基づいて光学的に変調して出力する光学エンジン部と、この光学エンジン部から出力された映像光を複数の反射ミラーでスクリーン裏面に対して斜めから拡大投写する投写手段と、を備え、前記スクリーン表面側から映像を観察する背面投写型表示装置において、
前記投写手段は、前記光学エンジン部からの光束に対し凹面を向けた第1番目の曲面反射ミラーと、前記第1番目の曲面反射ミラーからの光束に対し凸面を向けた第2番目の曲面反射ミラーと、前記第2番目の曲面反射ミラーからの光束に対し凸面を向けた第3番目の曲面反射ミラーと、前記第3番目の曲面反射ミラーからの光束をスクリーン裏面に案内する第4番目の反射ミラーと、前記光学エンジン部から前記第1番目の曲面反射ミラーに向かう光路中に配置された曲面反射ミラーの収差補正を補助する補助レンズと、を備えていることを特徴とする背面投写型表示装置。 - 前記第1番目の曲面反射ミラーの反射面が球面形状であり、前記補助レンズが非球面形状であることを特徴とする請求項1に記載の背面投写型表示装置。
- 前記第2番目及び第3番目の曲面反射ミラーの反射面が非球面形状であることを特徴とする請求項1に記載の背面投写型表示装置。
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Family Applications (1)
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-
2007
- 2007-11-07 JP JP2007289586A patent/JP2008102536A/ja active Pending
Cited By (6)
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JP2007233056A (ja) * | 2006-03-01 | 2007-09-13 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | 投写型表示装置 |
JP4584160B2 (ja) * | 2006-03-01 | 2010-11-17 | Necディスプレイソリューションズ株式会社 | 投写型表示装置 |
JP2010014816A (ja) * | 2008-07-01 | 2010-01-21 | Mitsubishi Electric Corp | 背面投射型表示装置 |
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