JP5484966B2 - 資源並びにエネルギー消費節約の洗壜機およびその使用方法 - Google Patents
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Description
近年は、資源節約、地球温暖化防止等が強く叫ばれて、前記洗壜機においても水等の資源の節約が不可欠の課題となっており、また、消費するエネルギーの節約、即ちCO2排出量の削減も不可欠の課題となっている。
しかしながら、前記特許文献1の技術では、酸性電解水の使用は洗浄された壜の最終殺菌が目的であって、キャリアによって搬送される壜を浸漬させて洗浄する高温苛性浸漬槽と、該高温苛性浸漬槽の下流側に設けられ、苛性浸漬で洗浄された壜を予備濯ぎする温水浸漬槽と、該温水浸漬槽の下流側に設けられ、予備濯ぎされた壜を清水で濯ぎ洗浄する濯ぎ洗浄部を備えた洗壜機において、前記温水浸漬槽で酸によって苛性を中和することにより予備濯ぎの効率を向上させて、濯ぎ用清水の使用量の削減に繋げるというような水資源消費節約の技術は開示されていない。
しかしながら、前記特許文献2の技術では、キャリアによって搬送される壜を浸漬させて洗浄する高温苛性浸漬槽と、該高温苛性浸漬槽の下流側に設けられ、苛性浸漬で洗浄された壜を予備濯ぎする温水浸漬槽と、該温水浸漬槽の下流側に設けられ、予備濯ぎされた壜を清水で濯ぎ洗浄する濯ぎ洗浄部を備えた洗壜機において、生産運転中に前記温水浸漬槽の槽水の熱をヒートポンプにより回収して、苛性浸漬槽の槽液の加熱に利用するというようなエネルギー消費節約の技術は開示されていない。
(1)第1の手段の洗壜機は、筺体内を循環する無端状の搬送手段に取り付けられ、複数の壜を保持して搬送するキャリアと、前記筺体の端に設けられ、前記キャリアに壜を供給する給壜部と、前記筺体の端に設けられ、前記キャリアから洗浄後の壜を排出する排壜部と、前記給壜部と前記排壜部の間に設けられ、前記キャリアによって搬送される壜を浸漬させて洗浄する高温苛性浸漬槽と、該高温苛性浸漬槽の下流側に設けられ、前記高温苛性により洗浄された壜を予備濯ぎするとともに高温の壜を適宜の温度に冷却する温水浸漬槽と、該温水浸漬槽の下流側で前記排壜部の上流側に設けられ、前記予備濯ぎされた壜を清水で濯ぎ洗浄する濯ぎ洗浄部を備えた洗壜機において、前記温水浸漬漕内の漕液を外部に取り出して前記温水浸漬漕内に戻す配管と、前記配管を流れる前記漕液のph値を計測するph計測手段と、前記配管内であって、前記ph計測手段が前記配管内の前記漕液のph値を計測する位置よりも、漕液流れの下流側の位置に酸を投入する酸供給装置と、前記計測手段より計測したph値を取り込んで、前記酸供給装置からの酸投入量を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする。
(発明の実施の形態)
図1は、本発明に係わる洗壜機1を摸式的に示した側面図である。
図において、洗壜機1は、筺体3内に設けられた複数のスプロケット15に係合し、循環する無端状のチェン(搬送手段)4、該チェン4に適宜の間隔で取り付けられ、図示しない壜ホルダを有するキャリア4a、前記筺体3の上流端に設けられ、上流から矢印5aの方向で搬送されてくる複数の壜Bを壜ホルダに供給する給壜部5、予熱槽としての第1槽7a、高温洗浄槽としての第2槽7b、同第3槽7c、同第4槽7dの4個の槽から成り、前記キャリア4aによって搬送されてくる壜Bを高温の苛性溶液に浸漬させる高温苛性浸漬槽7、該高温苛性浸漬槽7の下流で前記キャリア4aによって搬送されてくる壜Bに付着した苛性を予備除去し、かつ壜Bを適度の温度(高温と常温の中間の温度)に冷却する温水浸漬槽8、該温水浸漬槽8の下流で前記キャリア4aによって搬送されてくる壜Bの内外を清水で濯ぐ濯ぎ洗浄部9、並びに、後述するph計測手段31、酸供給装置30、ヒートポンプ20によって主に構成されている。
また、前記給壜部5と前記第1槽7aとの間には、壜Bの前記キャリア4aによる搬送中に、壜Bの内外へ前洗い用の苛性溶液を噴射して壜Bを前洗いする一対の前洗い噴射ノズル群11が設けられており、さらに、前記第4槽7dの上方には、該第4槽7dから図示しない配管で導かれた高温の苛性溶液を壜B内に噴射する苛性洗浄噴射ノズル群12が設けられている。
なお、前記一対の噴射ノズル群14aは、矢印14vの方向から配管14pの2分岐を経由して新しい清水が供給されるようになっている。
同様に、前記温水浸漬槽8の槽水(温水)は図示のような液面8sに保たれ、余剰となった槽水は前記第1槽7aに注がれるようになっており、該第1槽7aの洗浄水は図示のような液面7sに保たれ、余剰となった槽水の一部は、図示しない前洗い苛性溶液槽に注がれて前記前洗い噴射ノズル群11用の苛性溶液に流用され、余剰となった槽水の残りは外部へ排出されるようになっている。
なお、前記予熱槽としての第1槽7aの苛性溶液は、壜Bが高温洗浄槽で常温から一気に高温(1例として80℃)に曝されることによる熱ショックによって割れが生じないように、第2槽の苛性溶液の温度(1例として80℃)よりは低い温度(1例として55℃)になっているが、上流から搬送されてくる常温の壜Bによって冷却されてしまうため、図示しない蒸気源から適宜蒸気を投入して所定の温度(1例として55℃)に保持されるようになっている。
また、前記温水浸漬槽8内の槽水のph値は、壜Bが上流の高いph値(1例としてph14)の苛性溶液を付着したまま前記キャリア4aにより搬送されてくることにより、前記温水浸漬槽8内の槽水のphが高められることと、前記洗浄水槽10aの低いph値(1例としてph7強)の余剰の洗浄水が注がれてくることにより、ph14とph7の中間のph(1例としてph12)となっている。
なお、前記配管口8pは前記配管口8qよりも上方の位置に構成されている。
なお、前記配管口8aは前記配管口8bよりも上方の位置に構成されており、また、前記配管口7a1は前記配管口7a2よりも上方の位置に構成されている。
上流から矢印5aの方向で搬送されてくる壜Bは、給壜部5でキャリア4aの壜ホルダに取り込まれ、収容された後、前記キャリア4aの搬送によって一対の前洗い噴射ノズル群11で前洗い洗浄を受け、次いで、高温苛性浸漬槽7の予熱槽としての第1槽7aに浸漬されて予熱され、順次高温洗浄槽としての第2槽7b、第3槽7c、第4槽7dに浸漬されて高温(1例として80℃)苛性による洗浄後、苛性洗浄噴射ノズル群12による壜内の高温苛性洗浄を経て、温水浸漬槽8に浸漬されて、予備濯ぎされる。
これにより、一対の噴射ノズル群13aの長さ並びにノズル個数、一対の噴射ノズル群13bの長さ並びにノズル個数、および、一対の噴射ノズル群14aの長さ並びにノズル個数を短縮できて、洗壜機の機長も短縮できるとともに、一対の噴射ノズル群14aに供給する新しい清水の使用量を大幅に削減することができる。
また、前記予熱槽としての第1槽7aの苛性溶液は、前記キャリア4aにより搬送されてくる壜Bによって冷却されてしまうため、適宜蒸気を投入することにより、第1槽7aの苛性溶液の温度を、1例として55℃以下にならないように保持している。
これにより、前記温水浸漬槽8の槽水の温度を従来の温度より低目の温度(1例として45〜50℃)、即ち壜Bが熱ショックによって割れを生じない適切な温度まで冷やして、壜Bを有効に冷却するとともに、回収した熱で前記第1槽7aの苛性溶液を加熱し、従来の蒸気投入量を大幅に削減して前記第1槽7aの苛性溶液を適切な温度にすることができる。
また、前記温水浸漬槽8内の槽水の温度が低く(1例として従来よりも5〜10℃低く)なることにより、壜Bの予備冷却が有効に行われて、前記濯ぎ洗浄部9で壜Bを常温まで冷却する洗浄水および新しい清水の使用量の削減を図ることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図2に基づいて説明する。
図2は、本発明の第2の実施の形態の洗壜機2を摸式的に示した側面図である。
図2において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。
前記温水浸漬槽8の槽水が、前記配管口8a、配管21a、ヒートポンプ20、配管21b、配管口8bを経由して、前記温水浸漬槽8に戻される間に、該槽水のph値が前記ph計測手段31で計測されて制御装置33に取り込まれ、制御装置33からの指令で前記酸供給装置30から酸を投入することによって適宜中和されるので、前記槽水中和のための配管を別途設置する場合と比較して、配管のための装置コストを節約できるとともに、配管のための設置スペースが少なくてすむという利点がある。
1,2 洗壜機
4 (無端状の)チェン
4a キャリア
5 給壜部
6 排壜部
7 高温苛性浸漬槽
7a (高温苛性浸漬槽の予熱槽としての)第1槽
7b〜7d (高温苛性浸漬槽の高温洗浄槽としての)第2槽〜第4槽
8 温水浸漬槽
9 濯ぎ洗浄部
13a,13b 一対の噴射ノズル
14a 一対の噴射ノズル
20 ヒートポンプ
21a,21b,22a,22b 配管
21c,22c ポンプ
30 酸供給装置
31 ph計測手段
32c ポンプ
32p 配管
33 制御装置
Claims (7)
- 筺体内を循環する無端状の搬送手段に取り付けられ、複数の壜を保持して搬送するキャリアと、前記筺体の端に設けられ、前記キャリアに壜を供給する給壜部と、前記筺体の端に設けられ、前記キャリアから洗浄後の壜を排出する排壜部と、前記給壜部と前記排壜部の間に設けられ、前記キャリアによって搬送される壜を浸漬させて洗浄する高温苛性浸漬槽と、該高温苛性浸漬槽の下流側に設けられ、前記高温苛性により洗浄された壜を予備濯ぎするとともに高温の壜を適宜の温度に冷却する温水浸漬槽と、該温水浸漬槽の下流側で前記排壜部の上流側に設けられ、前記予備濯ぎされた壜を清水で濯ぎ洗浄する濯ぎ洗浄部を備えた洗壜機において、
前記温水浸漬漕内の漕液を外部に取り出して前記温水浸漬漕内に戻す配管と、
前記配管を流れる前記漕液のph値を計測するph計測手段と、
前記配管内であって、前記ph計測手段が前記配管内の前記漕液のph値を計測する位置よりも、漕液流れの下流側の位置に酸を投入する酸供給装置と、
前記ph計測手段より計測したph値を取り込んで、前記酸供給装置からの酸投入量を制御する制御装置と、
を備えていることを特徴とする洗壜機。 - 請求項1に記載の洗壜機において、
前記温水浸漬漕内の漕液を外部に取り出す前記配管の配管口は、前記漕液を前記温水浸漬漕内に戻す前記配管の他の配管口よりも、上方に位置していることを特徴とする洗壜機。 - 請求項1又は2に記載の洗壜機において、
前記温水浸漬槽の槽水から熱を回収し、該回収した熱を前記高温苛性浸漬槽の給壜部側槽の槽液の加熱に利用するように、前記温水浸漬槽から槽水を取り込んだ後再び前記温水浸漬槽へ槽水を戻すように配管接続し、また、前記高温苛性浸漬槽の給壜部側槽から槽液を取り込んだ後再び前記高温苛性浸漬槽の給壜部側槽へ槽液を戻すように配管接続したヒートポンプを設けたことを特徴とする洗壜機。 - 請求項3に記載の洗壜機において、
前記高温苛性浸漬槽の給壜部側槽から槽液を取り出す配管口を、前記高温苛性浸漬槽の給壜部側槽へ槽液を戻す他の配管口よりも上方に位置するように構成し、また、前記温水浸漬槽から槽水を取り出す配管口を、前記温水浸漬槽へ槽水を戻す他の配管口よりも、上方に位置するように構成したことを特徴とする洗壜機。 - 請求項3又は4に記載の洗壜機において、
前記酸供給装置及び前記ph計測手段を、前記温水浸漬槽から前記ヒートポンプへ槽水を取り込んだ後再び前記温水浸漬槽へ槽水を戻す配管の途中に設けたことを特徴とする洗壜機。 - 筺体内を循環する無端状の搬送手段に取り付けられ、複数の壜を保持して搬送するキャリアと、前記筺体の端に設けられ、前記キャリアに壜を供給する給壜部と、前記筺体の端に設けられ、前記キャリアから洗浄後の壜を排出する排壜部と、前記給壜部と前記排壜部の間に設けられ、前記キャリアによって搬送される壜を浸漬させて洗浄する高温苛性浸漬槽と、該高温苛性浸漬槽の下流側に設けられ、前記高温苛性により洗浄された壜を予備濯ぎするとともに高温の壜を適宜の温度に冷却する温水浸漬槽と、該温水浸漬槽の下流側で前記排壜部の上流側に設けられ、前記予備濯ぎされた壜を清水で濯ぎ洗浄する濯ぎ洗浄部を備えた洗壜機の使用方法において、
前記温水浸漬漕内の漕液を外部に取り出して前記温水浸漬漕内に戻す配管を設け、
前記配管を流れる前記漕液のph値を計測し、
前記配管内の前記漕液中であって、前記ph値を計測する位置よりも、漕液流れの下流側に前記ph値に応じたて定めた量の酸を投入することを特徴とする洗壜機の使用方法。 - 請求項6に記載の洗壜機の使用方法において、
前記温水浸漬槽から槽水を取り込んだ後再び前記温水浸漬槽へ槽水を戻すように配管接続し、また、前記高温苛性浸漬槽の給壜部側槽から槽液を取り込んだ後再び前記高温苛性浸漬槽の給壜部側槽へ槽液を戻すように配管接続したヒートポンプを設けて、前記温水浸漬槽の槽水から熱を回収し、該回収した熱を前記高温苛性浸漬槽の給壜部側槽の槽液の加熱に利用するようにしたことを特徴とする洗壜機の使用方法。
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