JP5484249B2 - テクスチャー形成用組成物 - Google Patents
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水、塩基、並びに下記式(1)
R1は、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜15のアリール基であり、
R2は、炭素数1〜6のアルキレン基、または炭素数3〜6のポリメチレン基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜15のアリール基である。)
で示されるアルコール、N−エチルジエタノールアミン、t−ブチルジエタノールアミン、及びN−フェニルジエタノールアミンから選ばれるアミノアルコールを含むことを特徴とするテクスチャー形成用組成物である。
水、塩基、並びに下記式(1)
R1は、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜15のアリール基であり、
R2は、炭素数1〜6のアルキレン基、または炭素数3〜6のポリメチレン基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜15のアリール基である。)
で示されるアルコール、N−エチルジエタノールアミン、t−ブチルジエタノールアミン、及びN−フェニルジエタノールアミンから選ばれるアミノアルコールを含むことを特徴とするテクスチャー形成用組成物である。以下、順を追って説明するが、先ず、テクスチャーを形成するシリコン基板について説明する。
本発明において、テクスチャーを形成するシリコン基板は、公知の方法で製造したものを使用することができ、単結晶および多結晶系のシリコン基板を使用することができる。中でも、得られた表面に凹凸部を有するシリコン基板を太陽電池用途に使用する場合、単結晶基板であることが好ましい。また、単結晶のシリコン基板を使用する場合、下記に詳述するテクスチャー形成用組成物と接触させるシリコン基板表面の面方位は、(100)であることが好ましい。このような面方位の表面と本発明のテクスチャー形成用組成物とを接触させることにより、該表面に良好なテクスチャー(ピラミッド状の凹凸部)を形成できる。
本発明のテクスチャー組成物は、水を含むものである。この水は、下記に詳述する塩基、及びアミノアルコールを溶解し、効率よく、両者をシリコン基板表面に作用させる役割を果しているものと考えられる。本発明で使用する水は、テクスチャー(凹凸部)が形成されたシリコン基板の用途に応じて適宜決定すればよいが、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、通常の水道水を使用することができる。これらの水の中でも、含有する金属等の不純物を考慮すると、超純水、純水、イオン交換水が好適である。
本発明のテクスチャー形成用組成物は、塩基を含むものである。この塩基は、シリコン基板表面をエッチングするのに重要な役割を果たしているものと考えられる。塩基としては、無機塩基、有機塩基の何れであってもよい。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物や炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。また、有機塩基としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、または、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド等の第4級アンモニウム化合物を挙げることができる。これらの塩基の中でも、シリコンのエッチング速度やテクスチャー形成能を考慮すると、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、TMAHが好適である。
本発明のテクスチャー形成用組成物は、下記式(1)で示されるアルコール、N−エチルジエタノールアミン、t−ブチルジエタノールアミン、及びN−フェニルジエタノールアミンから選ばれるアミノアルコールを含むことを最大の特徴とする。
R1は、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜15のアリール基であり、
R2は、炭素数1〜6のアルキレン基、または炭素数3〜6のポリメチレン基であり、
R3は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜15のアリール基である。)。
本発明のテクスチャー形成用組成物においては、使用する塩基、アミノアルコール、該組成物とシリコン基板との接触時間等により、各成分の最適な濃度が異なる。そのため、各成分の配合量は、一概に限定することはできないが、以下の配合割合を満足する場合、効率よく、シリコン基板表面にテクスチャー(凹凸部)を形成できる。
本発明のテクスチャー形成用組成物には、水、前記塩基、および前記アミノアルコールの他、本発明の効果を阻害しない範囲で通常のテクスチャー形成用組成物に使用される添加剤、有機溶媒を配合することもできる。ただし、これら添加剤、有機溶媒は、配合されなくてもよく、配合される場合であっても、水100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
本発明のテクスチャー形成用組成物は、水、前記塩基、および前記アミノアルコールとを混合し、均一な溶液とすることにより調製できる。これら成分を混合する方法は、特に制限されるものではなく、所定濃度の塩基性水溶液に所定量のアミノアルコールを添加し、溶解させる方法を採用することができる。また、所定濃度のアミノアルコールの水溶液に所定量の塩基を添加し、溶解させる方法も採用できる。さらに、所定濃度の塩基性水溶液と所定濃度のアミノアルコールの水溶液を混合する方法を採用することもできる。
本発明においては、前記テクスチャー形成用組成物とシリコン基板表面とを接触させることにより、シリコン基板表面に凹凸部(テクスチャー)を形成することができる。テクスチャー形成用組成物とシリコン基板表面とを接触させる方法としては、テクスチャー形成用組成物中に、シリコン基板を浸漬させればよく、通常の湿式エッチング処理を行えばよい。この方法は、従来のエッチング液(公知のテクスチャー形成用組成物)を用いた場合と特に変わる点はなく、例えば、本発明のテクスチャー形成用組成物が導入された処理槽にシリコン基板を浸漬させればよい。このとき、シリコン基板表面に均一にテクスチャー(凹凸部)を形成させるため、処理槽中でシリコン基板を揺動させたり、振動することもできる。また、処理槽中のテクスチャー形成用組成物を撹拌したり、循環混合を行いながら、シリコン基板表面と接触させることもできる。
(テクスチャー形成用組成物の調製)
水酸化ナトリウム2.0gを純水100gに溶解させた。この溶液にアミノアルコール化合物として、2−(エチルアミノ)エタノール1.0gを混合し、テクスチャー形成用組成物を調製した。配合割合を表1にまとめた。
上記のようにして得られたテクスチャー形成用組成物を処理槽中で80℃に加温した。このテクスチャー形成用組成物中に基板表面の面方位が(100)である単結晶シリコン基板を30分浸漬した。所定時間後シリコン基板を該組成物中から取り出し、基板表面を純水で洗浄・乾燥させて、テクスチャー形成基板を得た。
上記のようにして得られたテクスチャー形成基板表面の反射率を測定した。反射率の測定は、日本分光株式会社製紫外可視赤外分光光度計V−670を使用した。波長700nmの反射率を5箇所測定した。この5箇所の平均反射率の結果を表1にまとめた。また、凹凸部の均一性は、5箇所測定した反射率の標準偏差値で評価した。
実施例1において、使用した塩基の種類、塩基の量、使用したアミノアルコールの種類、アミノアルコールの量を表1に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様の方法でテクスチャー形成用組成物を調製した。また、シリコン基板の処理方法も、実施例1と同様の方法で実施し、得られたテクスチャー形成基板表面の反射率を同様に測定した。その結果を表1に示した。
比較例1〜8
実施例1において、使用した塩基の種類、塩基の量、使用した添加剤の種類、添加剤の量を表2に記載した通りに変更した以外は、実施例1と同様の方法でテクスチャー形成用組成物を調製した。また、シリコン基板の処理方法も、実施例1と同様の方法で実施し、得られたテクスチャー形成基板表面の反射率を同様に測定した。その結果を表2に示した。
Claims (4)
- 水100質量部に対して、塩基を0.3質量部以上15質量部以下、前記アミノアルコールを0.01質量部以上10質量部以下含むことを特徴とする請求項1に記載のテクスチャー形成用組成物。
- 請求項1に記載のテクスチャー形成用組成物とシリコン基板表面とを接触させて、シリコン基板表面に凹凸部を形成することを特徴とする表面に凹凸部を有するシリコン基板の製造方法。
- テクスチャー形成用組成物とシリコン基板表面とを接触させる温度を50℃以上100℃以下とする請求項3に記載の表面に凹凸部を有するシリコン基板の製造方法。
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