JP6282507B2 - テクスチャー形成用エッチング液およびそれを用いたテクスチャー形成方法 - Google Patents

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Description

本発明はシリコン基板の表面にテクスチャーと呼ばれる凹凸構造を形成するためのエッチング液およびエッチング方法に関するものである。
太陽電池に使用される結晶系シリコン基板には、基板表面における光の反射率を低減して、効率良く光を吸収するために、テクスチャーと呼ばれる表面構造処理が施されている。
従来、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性溶液に単結晶シリコン基板を浸漬して、エッチングすることによって、例えばピラミッド状のテクスチャー構造を形成させる方法がとられているが、エッチング液にアルカリ成分以外の添加剤を使用することにより、均一なサイズ、又は形状のテクスチャー構造を形成することができることが知られている。
このようなテクスチャー形成用のエッチング液として、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液とイソプロピルアルコール(IPA)とを混合したものが知られているが、歩留まりが低く、IPAの揮発による組成変化が起こりやすいという問題があり、その改善が求められている。
また、近年、シリコン基板のスライス方式は、従来の遊離砥粒方式から固定砥粒方式へと移行しつつあり、これらの方式ではスライス後の基板の表面状態が互いに異なるため、従来の遊離砥粒方式で製造されたシリコン基板で使用可能であったエッチング液がそのまま固定砥粒方式で製造されたシリコン基板に使用できない場合があるという問題も生じている。
上記のような種々の課題を解決し、優れたテクスチャー形成能と取扱いの容易さの双方を兼ね備え、しかも遊離砥粒方式と固定砥粒方式のいずれの方式で製造されたシリコン基板にも適用可能なエッチング剤として、本発明者らは、ホスホン酸誘導体又はその塩と、カルボキシル基やスルホ基等を有する化合物とを含むアルカリ液を用いることを提案している(特許文献1)。
本エッチング液は再使用が可能であるが、繰り返し使用回数が重なるにつれてテクスチャー形成能が低下し、やがて反射率の低い良好なテクスチャーを基板表面に均一かつ安定的に形成することが困難になる。これはシリコンがエッチング液に溶出するためと考えられるが、使用不可能となったエッチング液は再生困難なため、このようなエッチング液の耐久性をより向上させること、すなわちより多くの回数繰り返し使用可能とすることが望まれている。
また、太陽電池に用いるシリコン基板の場合は、電極形成工程で用いるペーストが定着しやすくなることから、より小さいサイズのテクスチャーを形成可能であることが望ましい。
国際公開第WO2014/024414号公報
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、良好なテクスチャーを基板表面に均一かつ安定的に形成可能なシリコン基板のテクスチャー形成用エッチング液であって、より多くの回数繰り返し使用可能であり、かつ従来より小さいサイズのテクスチャーを形成できるエッチング液を提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究した結果、ホスホン酸誘導体(又はその塩)と、スルホン酸(又はその塩)又はカルボン酸(又はその塩)とを含有するアルカリ液であるエッチング液において、上記ホスホン酸誘導体(又はその塩)とスルホン酸(又はその塩)やカルボン酸(又はその塩)との配合割合を一定の範囲内にした場合に、エッチング液の繰り返し使用可能性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のエッチング液は、シリコン基板表面に凹凸を形成させるエッチング液であって、上記の課題を解決するために、(A)アルカリ成分、(B)ホスホン酸誘導体又はその塩、並びに(C)ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、ポリスルホン酸、及びポリスルホン酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有し、前記ホスホン酸誘導体又はその塩(B)と上記化合物(C)との配合割合を、化合物(C)に対するホスホン酸誘導体又はその塩(B)の質量比(B/C)で、0.05〜1.2の範囲内とする。
また、上記化合物(C)は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合の塩、ポリスチレンスルホン酸、及びポリスチレンスルホン酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であることが特に好ましい。
また、上記ホスホン酸誘導体又はその塩(B)は、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸又はその塩であることが好ましい。
アルカリ成分(A)は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることが好ましい。
上記アルカリ成分(A)の濃度は0.3質量%〜25質量%であり、ホスホン酸誘導体又はその塩(B)の濃度は0.01質量%〜5質量%であり、化合物(C)の濃度は0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
本発明のシリコン基板の表面加工方法は、上記本発明のエッチング液にシリコン基板を浸漬して、基板表面に凹凸構造を形成させる工程を含む方法とする。
本発明のエッチング液は、シリコン基板の表面に均一なピラミッド状のテクスチャー構造を形成することができる優れたテクスチャー形成能を有し、使用温度において配合成分が揮発しないので、取扱いが容易で安全性が高く、遊離砥粒方式と固定砥粒方式のいずれの方式で製造されたシリコン基板にも適用可能である。しかも、良好なテクスチャー形成能を維持しつつ、エッチング液を繰り返し使用可能な回数がより多くなるので、太陽電池の性能を高めることができる高品質のシリコン基板を、より安定的に、より低コストで提供することが可能となる。さらに、従来より小さいサイズのテクスチャーを形成できるので、電極形成工程で用いるペーストがより定着しやすい太陽電池用シリコン基板を提供することが可能となる。また、テクスチャーのサイズをより小さくすることにより、エッチングにより除去されるシリコン量を低減して、シリコン基板の必要以上の薄型化と強度低下を抑制することもできる
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明で使用するアルカリ成分(A)は特に限定されず、シリコン基板用のエッチング液に従来から用いられてきたものが適宜使用できる。その例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物又はその塩が挙げられ、一般的に入手しやすい点では水酸化ナトリウムが好ましい。これらのアルカリ成分は、必要に応じて2種以上を混合して用いることもできる。
次に、本発明で用いるホスホン酸誘導体又はその塩(以下、「ホスホン酸誘導体等」と略記する場合がある)(B)は、一般的に金属イオン封鎖剤として使用されるものであれば、特に限定されず使用することができる。
ホスホン酸誘導体の好ましい例としては、下記式(1)で表される1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、下記式(2)で表されるニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、下記式(3)で表されるホスホノブタントリカルボン酸、下記一般式(4)で表されるアルキレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(例えば、式(4)中、n=2の場合であるエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、n=6の場合であるヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)など)、下記一般式(5)で表されるジアルキレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(例えば、式(5)中、n=2の場合であるジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)など)、及び/又はこれらの塩が挙げられる。これらの塩の例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアミン塩、アンモニウム塩が挙げられ、一般的に入手しやすいことから、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩が好適に用いられる。これらホスホン酸誘導体も必要に応じて2種以上を混合して用いることもできる。
Figure 0006282507
上記ホスホン酸誘導体のなかでも、得られるテクスチャー構造の均一性が高いこと、および本用途では忌避される不純物が少ない高純度品が得られやすいことから、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、又はホスホノブタントリカルボン酸が特に好ましい。
次に、本発明で用いる化合物(C)はスルホン酸、スルホン酸の塩、カルボン酸、及びカルボン酸の塩から選ばれた少なくとも1種(以下、「スルホン酸/カルボン酸等」と略記する)であり、スルホン酸とは分子内に少なくとも1個のスルホ基を有する化合物であり、スルホン酸の塩とは分子内に少なくとも1個のスルホネート基を有し、塩を形成している化合物であり、カルボン酸とは分子内に少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物であり、カルボン酸の塩とは分子内に少なくとも1個のカルボキシレート基を有し、塩を形成している化合物である。本発明では、このようなスルホン酸/カルボン酸等(C)をホスホン酸誘導体等(B)と併用することで、優れたエッチングを行うことができる。スルホン酸/カルボン酸等(C)は、下記一般式で表される構造を有する化合物又はその塩であることが望ましい。
Figure 0006282507
但し、式(I)において、nは2以上の整数であり、mは1〜5の整数であり、それぞれのmの値は全て同一であっても、相互に異なっていてもよく、Yは水素原子を示し、Y〜Yはそれぞれ炭素数1〜30の炭化水素基を示し、それらの炭化水素基の構造は、単結合、二重結合、三重結合のいずれを含んでいてもよく、また脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれでもよく、全て同一であっても、相互に異なっていてもよい。また、X〜Xはそれぞれ、スルホ基、カルボキシル基、又は水素原子のいずれかを示し、全て同一であっても、相互に異なっていてもよいが、少なくとも一つはスルホ基又はカルボキシル基である。
上記のようにホスホン酸誘導体と併用することで優れたエッチング液を構成できる効果が高い点から、上記一般式(I)において、X〜Xのn個のXのうち、少なくとも2個以上がスルホン酸基及び/又はその塩であるようなポリスルホン酸及びその塩、X〜Xのn個のXのうち、少なくとも2個以上がカルボキシル基及び/又はその塩であるようなポリカルボン酸及びその塩が好ましい。ここで、塩は、特に限定されるものではないが、例としてはナトリウム塩およびカリウム塩などが挙げられる。
このようなスルホン酸/カルボン酸等(C)の好ましい具体例として、次式で表されるアクリル酸が重合して生成するポリアクリル酸やナフタレンスルホン酸とホルマリンが縮重合して生成するナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。中でも、上記ホスホン酸との相乗効果が顕著に得られる点で、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物およびその塩が特に好ましい。
Figure 0006282507
しかしながら、使用できる化合物は単量体が重合した重合体に限定されるわけではなく、また重合体であった場合にも重合する単量体の種類や重合数は限定されない。また、重合の仕方も1種類の単量体が連続して重合された状態(ブロック)、又は複数の単量体が複雑に重合した状態(ランダム)のいずれでもよい。また、重合数nは2以上であれば特に限定されず、ポリアクリル酸の例ではおよそ130分子のアクリル酸が重合して生成した分子量10000程度のポリアクリル酸でも、およそ40分子のアクリル酸が重合して生成した分子量3000程度のポリアクリル酸であっても適用可能である。
なお、本発明で使用可能なスルホン酸/カルボン酸等(C)は既存の化合物だけでなく、本発明が適用される高温のアルカリ水溶液に溶解できる構造を有していれば使用できる。溶解できない場合、エッチング液が不均一となり、基板の均一な処理に悪影響を及ぼす懸念が生じる。これらは、いずれか1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
本発明のエッチング液は、ホスホン酸誘導体等(B)がシリコン基板表面に規則的に配列して吸着し、アルカリ成分(A)によるエッチングが程よく抑制されるために基板表面にテクスチャーが形成されると考えられる。ただしアルカリとホスホン酸誘導体のみからなるエッチング液の場合には、シリコン基板表面にエッチングのムラが生じることがある。このムラは、エッチングの進行に伴い発生する水素の気泡がシリコン基板表面に不均一に付着したまま反応が進行するために生じると考えられるが、ホスホン酸誘導体等(B)と、スルホン酸/カルボン酸等(C)とを併用することにより、この気泡の付着が抑制され、ムラの問題を解決することができると考えられる。
本発明のエッチング液は、上記アルカリ成分(A)と、ホスホン酸誘導体等(B)と、スルホン酸/カルボン酸等(C)とを水に溶解させた水溶液である。使用する水はイオン交換水又は蒸留水のように不純物を除去した水であるのが好ましい。また、エッチング液中に不溶性成分が含有されている場合は、ろ過等の公知の分画操作を行って、除去してから使用するのが好ましい。
上記水溶液において、アルカリ成分(A)の濃度は0.3質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。また、同濃度は25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。上記範囲内であることにより、エッチング力と経済性が優れたものとなる。
また、このエッチング液におけるホスホン酸誘導体(B)の濃度は、0.01質量以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。また、同濃度は5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。ホスホン酸誘導体の濃度が上記範囲内であることにより、アルカリによるエッチングを抑制する効果が十分に得られるとともに、生産性が優れたものとなる。
また、スルホン酸/カルボン酸等(C)の濃度は0.01質量以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。また、同濃度は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。スルホン酸/カルボン酸等(C)の濃度が上記範囲内であることにより、より均一なエッチングが可能となる。
さらに、本発明のエッチング液は、上記ホスホン酸誘導体又はその塩(B)と上記化合物(C)との配合割合を、ホスホン酸誘導体又はその塩(B)の上記化合物(C)に対する質量比B/Cで、0.05以上1.2以下とする。B/C(質量比)は、0.1以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましい。また、B/C(質量比)は1.0以下であることが好ましい。B/Cが上記範囲内であることにより、エッチング液の耐久性、すなわち、エッチングを繰り返し用いた場合でも反射率の低い良好なテクスチャーを基板表面に均一かつ安定的に形成する能力がさらに優れたものとなる。また、形成されるテクスチャーのサイズをより小さくすることも可能となる。
また、本発明のエッチング液、すなわち上記水溶液は、アルカリ成分(A)に対するホスホン酸誘導体等(B)の配合割合は、A/B(質量比)が、2以上1000以下であることが好ましく、アルカリ成分(A)に対するスルホン酸/カルボン酸等(C)の配合割合は、A/C(質量比)が、2以上1000以下であることが好ましい。
A/B(質量比)は、750以下であることが好ましく、150以下であることがさらに好ましい。また、A/C(質量比)は500以下であることが好ましく、150以下であることがさらに好ましい。上記範囲内であることにより、エッチング液の耐久性、すなわち、エッチングを繰り返し用いた場合でも反射率の低い良好なテクスチャーを基板表面に均一かつ安定的に形成する能力がさらに優れたものとなる。
本発明のエッチング液には、本発明の目的に反しない範囲であれば、シリコン基板のテクスチャー形成用エッチング液に通常用いられることのあるイソプロピルアルコール、脂肪酸、珪酸塩等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
従来の遊離砥粒方式で製造されたシリコン基板の場合、目的の性能を得るために調製されたエッチング液で適切なテクスチャーを形成できたとしても、このエッチング液をそのまま固定砥粒方式で製造されたシリコン基板に対して適用して、同様に適切なテクスチャーが形成できるとは限らない。これには、様々な要因が考えられるが、例えば、スライス後の基板表面の切断痕が異なるためであること、又はスライス時に使用するクーラントが異なるため、その後の洗浄工程での洗浄不良によりクーラント残渣が影響を及ぼすこと等が挙げられる。近年、遊離砥粒方式、固定砥粒方式のいずれの方法で製造されたシリコン基板に対しても、優れたエッチング性能を発揮するエッチング液が求められているところ、本発明のエッチング液はどちらのシリコン基板に対しても適用可能である点で優れている。また、本発明のエッチング液は、単結晶シリコン基板だけでなく多結晶シリコン基板に対しても適用可能であり、また遊離砥粒方式か固定砥粒方式かというスライス方式も含めて、あらゆるシリコン基板に対して適用可能である。その中でも、特に基板表面の面方位が(100)である単結晶シリコン基板に対して好適に使用できる。
本発明のエッチング液を使用したエッチング方法は特に限定されず、従来の方法と同様に、エッチング液を約70℃〜95℃程度に加温し、これに対象となるシリコン基板を10〜30分間浸漬させる方法を用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例、比較例]
アルカリ成分(A)と、ホスホン酸誘導体等(B)と、さらに実施例ではスルホン酸/カルボン酸等(C)とを、表1に示す割合で混合した水溶液5Lを調製した。調製用の水はイオン交換水を使用した。これを本発明のエッチング液とした。
続いて、このエッチング液に、シリコン粉150gまたは300gを溶解し、一定量のシリコン基板をエッチングした後を想定したエッチング液を作成した。
これらのエッチング液を80℃に加温して、これに表1に示したn型またはp型のいずれかの単結晶シリコン基板を15分間浸漬した後、水洗して乾燥させた。得られたシリコン基板のテクスチャー構造の評価を、次の2項目により実施した。なお、単結晶シリコン基板は、基板の表面の結晶面方位が(100)面となるようにスライスされたものを用いた。表1及び表2には、遊離砥粒方式で作成された単結晶シリコン基板を用いた結果を示す。また、表3及び表4には、固定砥粒方式で作成された単結晶シリコン基板を用いた結果を示す。
(1)シリコン基板の反射率評価
シリコン基板の反射率を紫外・可視分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製、U−3900H)で測定した。波長600nmと波長700nmの光を評価基準として採用した。波長600nmの場合の反射率が12%以下、かつ、波長700nmの場合の反射率が10%以下である場合は良好と判断して「○」とし、波長600nmおよび波長700nmのいずれかにおいて、反射率が上記基準を満たさない場合は、不良と判断して「×」とした。それぞれのエッチング液について、シリコン基板25枚を試験し、反射率の評価が「○」であるシリコン基板の割合(%)を評価した。
(2)テクスチャーのサイズ評価
上記(1)シリコン基板の反射率評価でシリコン粉150gを溶解したエッチング液を用いた場合に「○」と判断したシリコン基板から3枚を無作為に任意に抽出し、走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM-6380LV)を用いてテクスチャー構造を観察した。基板上の任意の5点を無作為に抽出してそれぞれ倍率4000倍で観察し、25μm×25μmの領域にあるピラミッドの頂点の個数を目視で数えることでテクスチャーの個数nを算出し、5点の平均値を求めた。続いて、次式を用いてテクスチャーの底辺の辺長L(μm)を算出し、3枚の平均値をテクスチャーのサイズとして評価した。
L=(625/n)1/2
Figure 0006282507
Figure 0006282507
Figure 0006282507
Figure 0006282507
本発明のエッチング液は、太陽電池のシリコン基板等のエッチングに使用することができる。

Claims (6)

  1. シリコン基板表面に凹凸を形成させるエッチング液であって、
    (A)アルカリ成分、
    (B)ホスホン酸誘導体又はその塩、並びに
    (C)ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、ポリスルホン酸、及びポリスルホン酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含有し、
    前記ホスホン酸誘導体又はその塩(B)の配合割合と前記化合物(C)との配合割合が、化合物(C)に対するホスホン酸誘導体又はその塩(B)の質量比(B/C)で、0.05〜1.2の範囲内である
    ことを特徴とする、エッチング液。
  2. 前記化合物(C)が、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、ポリスチレンスルホン酸、及びポリスチレンスルホン酸の塩からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のエッチング液。
  3. 前記ホスホン酸誘導体又はその塩(B)が、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸又はその塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエッチング液。
  4. 前記アルカリ成分(A)が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のエッチング液。
  5. 前記アルカリ成分(A)の濃度が0.3質量%〜25質量%であり、前記ホスホン酸誘導体又はその塩(B)の濃度が0.01質量%〜5質量%であり、前記化合物(C)の濃度が、0.01質量%〜10質量%であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のエッチング液。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のエッチング液にシリコン基板を浸漬して、基板表面に凹凸構造を形成させる工程を含むことを特徴とするシリコン基板の表面加工方法。
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