JP2013236027A - エッチング液及びこれを用いたシリコン系基板の製造方法 - Google Patents

エッチング液及びこれを用いたシリコン系基板の製造方法 Download PDF

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Hiroyuki Tsurumoto
浩之 鶴本
Terumi Watanabe
照巳 渡辺
Shinji Kawahara
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Abstract

【課題】シリコンを主成分とするウエハの表面に対して、微細な凹凸構造をウエハ全体に均一に形成することができ、更には、種々のウエハに適用可能な太陽電池製造用アルカリエッチング液、並びに該エッチング液を用いる太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩、(B)アルカリ化合物、並びに(C)水を含む、太陽電池製造用アルカリエッチング液、並びに該エッチング液を用いてシリコンを主成分とするウエハをエッチングし、該ウエハの表面に凹凸構造を形成することを特徴とする、太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法。
【化1】
Figure 2013236027

{式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム(NH)基又はテトラアルキルアンモニウム(R N)基(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表し、nは、1〜5の整数を表す。}
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池用の半導体基板として有用な表面に凹凸構造を有するシリコンを主成分とするシリコン系基板の製造に適した太陽電池製造用アルカリエッチング液、並びに該エッチング液を用いてシリコンを主成分とするウエハをエッチングし、該ウエハの表面に凹凸構造を形成することを特徴とする、太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法に関する。
今般、環境問題を背景に、クリーンエネルギーの1つである太陽電池が注目を集め、需要が拡大しつつある。しかしながら、太陽電池は一般の商用電力と比較してエネルギー生成コストが高く、これが原因となってその普及が妨げられている。このような普及の障害となっている太陽電池のコストを下げるためには、基板の製造コストを下げる一方でその変換効率(光電変換効率)を高めることが必要とされている。変換効率(光電変換効率)とは、光のエネルギーを電気エネルギーに変換して取り出せるエネルギーの割合を百分率で表した値であり、太陽電池として最も重要な特性である。この変換効率(光電変換効率)が高い太陽電池として、変換効率が25%近くに達する化合物半導体太陽電池が挙げられるが、化合物半導体太陽電池は、材料となる化合物半導体を作製することが非常に難しく、製造コスト面で一般に普及するには問題があり、その用途は限られている。このため、変換効率(光電変換効率)の面では化合物半導体太陽電池には及ばないものの、基板の調達が容易で製造コストが安価であるという面から、変換効率(光電変換効率)が20%前後の単結晶シリコン太陽電池、変換効率(光電変換効率)が5〜15%程度の多結晶シリコン太陽電池が、一般に普及している太陽電池の主力となっている。
このような単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池の製造にあたっては、シリコンウエハの表面に微細な凹凸加工を施して微細な凹凸によるテクスチャ構造を形成させ、その表面に照射する太陽光を凹凸部分で繰り返し反射させることによりJsc(短絡電流密度)特性を上げて、その変換効率を向上させる必要がある。
そのため、シリコンウエハの表面に微細な凹凸加工を施すための種々の技術開発が進められている。そのような技術としては、例えば水酸化ナトリウムとイソプロピルアルコールとを含む水溶液を用いて異方エッチングを行い、シリコンウエハの表面に凹凸構造を形成させる技術(例えば特許文献1、非特許文献1等)、30重量%以上の水酸化カリウムとアニオン系界面活性剤とを含む水溶液を用いてシリコン単結晶基板を湿式エッチングする技術(例えば特許文献2等)、カルボン酸とシリコンとを含むアルカリエッチング液を用いて半導体基板の表面に凹凸構造を形成させる技術(例えば特許文献3等)、アルキルスルホン酸等と0.1重量%以上30重量%以下の水酸化アルカリとを含有するエッチング液を用いてシリコン基板表面にピラミッド状の凹凸構造を形成させる技術(例えば特許文献4等)などが知られている。
特開昭61−96772号公報 特開昭64−42824号公報 WO2007/129555号再公表公報 特開2012−4528号公報
Progress in Photovoltaics: Research and Applications, Vol.4, 435-438 (1996)
上述したように、アルカリ水溶液に種々の添加剤を添加してシリコンウエハ(半導体基板)をエッチングする技術が知られてはいるものの、上述したような技術には以下のような問題点がある。すなわち、特許文献1、非特許文献1の技術では、イソプロピルアルコールの揮発性が高いことが原因となって、エッチング時にエッチング液の組成比が変化してしまい、ウエハの表面に形成される凹凸構造の形状や大きさにムラができ、均一な凹凸構造をウエハ全体に形成できない。また、特許文献2の技術では、エッチング液中の水酸化カリウムの濃度が高すぎて、ウエハ表面にエッチングされない平坦部が残ってしまい、均一な凹凸構造が形成されないばかりか、エッチングレートが高いためにエッチング後のウエハが薄くなりすぎて太陽電池用基板に向かなくなってしまう。更に、特許文献3の技術では、エッチングアマウント(取りしろ)を大きくしないと均一な凹凸構造となり難く、凹凸構造の大きさに差が出たりする場合がある。更にまた、特許文献4の技術では、エッチング時にエッチング液が泡立ってしまったり、更には、ウエハの引き上げ時にエッチング液が気泡としてウエハ表面に残存したり、筋状に寄ったりすることによってウォーターマークが生じてしまうことなどが原因で、ウエハの製造不良が出やすい。
本発明は、上述したごとき状況に鑑み成されたものであり、シリコンを主成分とするウエハの表面に、微細な凹凸構造をウエハ全体に均一に形成することができ、更には、種々のウエハに適用可能な太陽電池製造用アルカリエッチング液、並びに該エッチング液を用いる太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法を提供することを目的とする。本発明者らは、このような太陽電池製造用アルカリエッチング液の開発について鋭意研究を重ねた結果、アルカリ水溶液に特定構造のスルホン酸を添加することにより、上述した問題点を解決したエッチング液を提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下の構成よりなる。
(1)(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩、(B)アルカリ化合物、並びに(C)水を含む、太陽電池製造用アルカリエッチング液。
Figure 2013236027
{式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム(NH)基又はテトラアルキルアンモニウム(R N)基(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表し、nは、1〜5の整数を表す。}
(2)上記(1)の太陽電池製造用アルカリエッチング液を用いてシリコンを主成分とするウエハをエッチングし、該ウエハの表面に凹凸構造を形成することを特徴とする、太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、シリコンを主成分とするウエハの表面にピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造を形成できるエッチング液であり、従来のアルカリエッチング液と比較して、(1)より微細な(小さいピラミッド形状の)凹凸構造をウエハ表面全体に形成でき、平坦部をほとんど生じない、(2)不良の凹凸構造がほとんど形成されることなく、ウエハ全体に均一な凹凸構造を形成できる、(3)エッチング時にエッチング液が泡立ったりせず、更には、ウエハの引き上げ時にエッチング液が気泡としてウエハ表面に残存し難く、筋状にも寄り難いため、ウォーターマークが生じにくく、これらが原因となるウエハの製造不良が出にくい、などの効果を奏する。このため、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、太陽電池に適した光閉じ込め効果の高い(光吸収率の高い・光反射率の低い)基板を効果的に作製できる。また、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液によれば、従来法では均一な凹凸構造をウエハ全体に形成させるのが困難とされていた固定砥粒方式により作製されたウエハやミラーウエハに対しても、製造不良を生じさせずに、効果的にピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造を形成することができる。
本発明の太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法は、シリコンを主成分とするウエハの表面に凹凸構造を形成させるための効果的な方法であり、本発明のエッチング液を用いることにより、ウエハの表面にピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造をウエハ全体に形成することができ、更には、ピラミッドの底面の最大辺長が、0.1μm以上、25μm以下の微細な凹凸構造を形成することができる。
実施例1で得られたエッチング後のウエハ表面のレーザー顕微鏡写真(倍率3000倍)である。 比較例1で得られたエッチング後のウエハ表面のレーザー顕微鏡写真(倍率3000倍)である。 実施例2で得られたエッチング後のウエハ表面のレーザー顕微鏡写真(倍率3000倍)である。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩(以下、本発明にかかるモノスルホン酸類と略記する場合がある。)、(B)アルカリ化合物、並びに(C)水を含むことを特徴とするものである。
Figure 2013236027
{式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム(NH)基又はテトラアルキルアンモニウム(R N)基(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表し、nは、1〜5の整数を表す。}
一般式[1]におけるR及びRで示される炭素数1〜5のアルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、s-ペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、シクロペンチル基等が挙げられる。このような炭素数1〜5のアルキル基のなかでも、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基が好ましく、そのなかでも、炭素数1のアルキル基であるメチル基がより好ましい。なお、上述の具体例において、n-はnormal-体を表し、s-はsec-体を表し、t-はtert-体を表す。
一般式[1]におけるR及びRとしては、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。
一般式[1]におけるMで示されるアルカリ金属原子としては、例えばナトリウム原子、カリウム原子、リチウム原子等が挙げられ、なかでも、ナトリウム原子、カリウム原子が好ましい。
一般式[1]のMにおいて、R N基で示されるテトラアルキルアンモニウム基におけるRで示される炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、分枝状もしくは環状のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基等が挙げられ、なかでも、炭素数1のアルキル基であるメチル基が好ましい。なお、上述の具体例において、n-はnormal-体を表し、s-はsec-体を表し、t-はtert-体を表す。
一般式[1]のMにおけるR N基で示されるテトラアルキルアンモニウム基の具体例としては、例えばテトラメチルアンモニウム基、テトラエチルアンモニウム基、テトラ-n-プロピルアンモニウム基、テトライソプロピルアンモニウム基、テトラ-n-ブチルアンモニウム基、テトライソブチルアンモニウム基、テトラ-s-ブチルアンモニウム基、テトラ-t-ブチルアンモニウム基、テトラシクロブチルアンモニウム基等が挙げられ、なかでも、テトラメチルアンモニウム基が好ましい。なお、上述の具体例において、n-はnormal-体を表し、s-はsec-体を表し、t-はtert-体を表す。
一般式[1]におけるMとしては、水素原子がより好ましい。
一般式[1]におけるnとしては、通常1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1である。
本発明にかかるモノスルホン酸類の好ましい具体例としては、例えば2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ブタンスルホン酸、2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ペンタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸(10-カンファースルホン酸)、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ブタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ペンタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ブタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ペンタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ブタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ペンタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ブタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ペンタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ブタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-ペンタンスルホン酸、又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム塩等が挙げられる。このような本発明にかかるモノスルホン酸類のなかでも、2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸(10-カンファースルホン酸)、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジエチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-エタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジプロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-プロパンスルホン酸、又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム塩等が好ましく、そのなかでも、2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸(10-カンファースルホン酸)、又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム塩等がより好ましく、更にそのなかでも、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸(10-カンファースルホン酸)、又はこのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム塩等が特に好ましく、2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸(10-カンファースルホン酸)が最も好ましい。また、これらのモノスルホン酸類は、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらのモノスルホン酸類は、市販のものを用いればよい。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液における本発明にかかるモノスルホン酸類は、ラセミ体、例えばS-(+)-体、R-(−)-体等の光学活性体のいずれであってもよく、そのなかでも、光学活性体の具体例としては、例えば一般式[1']で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩、あるいは一般式[1'']で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩が挙げられる。
Figure 2013236027
{式中、R、R、M及びnは、上記に同じ。}
Figure 2013236027
{式中、R、R、M及びnは、上記に同じ。}
一般式[1']及び一般式[1'']におけるR及びRで示される炭素数1〜5のアルキル基、Mで示されるアルカリ金属原子、R N基で示されるテトラアルキルアンモニウム(R N)基におけるRで示される炭素数1〜4のアルキル基、R N基で示されるテトラアルキルアンモニウム基の具体例及びnとしては、上記一般式[1]において列挙したものと同様のものが挙げられる。
一般式[1']で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩、あるいは一般式[1'']で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩の好ましい具体例としては、上記一般式[1]で示されるモノスルホン酸の光学活性体が挙げられ、例えばR-(−)-2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸(R-(−)-10-カンファースルホン酸)、S-(+)-2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸(S-(+)-10-カンファースルホン酸)等を挙げることができるが、これらの例に何ら限定されない。なお、これらのモノスルホン酸のなかでも、経済性等の観点から、R-(−)-2-オキソ-7,7-ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-メタンスルホン酸(R-(−)-10-カンファースルホン酸)が好ましい場合もある。
本発明にかかるモノスルホン酸類は、調製前の段階ではモノスルホン酸(いわゆる酸そのもの)であったものが、調製後のエッチング液中ではモノスルホン酸の塩(モノスルホン酸塩)となっている場合もある。すなわち、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液のアルカリ化合物、あるいはこれら以外の成分と本発明にかかるモノスルホン酸類とで塩を形成している場合もあり、本発明においては、このようなモノスルホン酸を含むエッチング液も当然に本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液に含まれる。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液における本発明にかかるモノスルホン酸類の含有量としては、エッチング液の総重量に対する重量%として、下限が通常0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であり、上限が通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下である。本発明にかかるモノスルホン酸類の含有量が極めて少ない場合には、シリコンを主成分とするウエハの表面に均一な凹凸構造を形成できなくなる場合があり、これらの含有量が極めて多い場合には、本発明にかかるモノスルホン酸類がエッチング液中で固体として析出してしまう場合があるので望ましくない。
本発明の特徴の1つは、エッチング液に、本発明にかかるモノスルホン酸類を用いることである。シリコンを主成分とするウエハの表面に、例えばピラミッド状(四角錐状)の微細な凹凸構造を、製造不良なく効果的に形成させるには、スルホン酸であればどのようなものでもよいというわけではなく、本発明にかかるモノスルホン酸類を必要とする。この理由は、本発明にかかるモノスルホン酸類を用いたエッチングの機構と関係があり、その機構は以下のように考えられる。すなわち、本発明にかかるモノスルホン酸類は、エッチング対象であるウエハの表面に、該モノスルホン酸のスルホン酸基が付着し、その結果として、ウエハにアルカリ化合物が作用してウエハの表面をエッチングする際に、モノスルホン酸のビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン構造(嵩高いアルキル基)が後述するアルカリ化合物のウエハの表面へのエッチングを防止することで、モノスルホン酸が付着した部分(点)を基点(頂点)として異方エッチングが進行し、ピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造が形成される。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液における(B)アルカリ化合物の好ましい具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。このようなアルカリ化合物のなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましく、そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムは、シリコンを主成分とするウエハの表面を効果的にエッチングできるという点で特に好ましいものとして挙げられる。また、これらのアルカリ化合物は、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらのアルカリ化合物は、市販のものを用いればよい。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液における(B)アルカリ化合物の含有量としては、エッチング液の総重量に対する重量%として、下限が通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、上限が通常25重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは7重量%以下である。アルカリ化合物の含有量が極めて少ない場合には、シリコンを主成分とするウエハの表面を効果的にエッチングできなくなる場合があるので望ましくない。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、必須成分である(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩、並びに(B)アルカリ化合物以外に、必要に応じて、その他の成分として、(D)カルボン酸、(E)ケイ酸又はケイ酸塩などを添加してもよい。
(D)カルボン酸は、シリコンを主成分とするウエハの表面をより短時間にかつ効果的にエッチングするという観点などから、適宜添加してもよい。このような(D)カルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸又はこれらの異性体等の飽和脂肪族モノカルボン酸、例えばアクリル酸、ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、ペンタジエン酸、ヘキサジエン酸、ヘプタジエン酸、アセチレンカルボン酸又はこれらの異性体等の不飽和脂肪族モノカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸又はこれらの異性体等の飽和脂肪族ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸、エチルマレイン酸、エチルフマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸又はこれらの異性体等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えばプロパントリカルボン酸、メタントリ酢酸又はこれらの異性体等の飽和脂肪族トリカルボン酸、例えばアコニット酸又はその異性体等の不飽和脂肪族トリカルボン酸、例えば安息香酸等の芳香族モノカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、例えばベンゼントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸、例えばメリト酸等の芳香族ヘキサカルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、グリセリン酸、タルトロン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、グルコン酸、サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸、例えばピルビン酸、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、レブリン酸等のケトカルボン酸、例えばメトキシカルボン酸、エトキシ酢酸等のアルコキシカルボン酸等が挙げられる。説明の便宜上、分子内に少なくとも1つのヒドロキシル基を有するカルボン酸は、カルボキシル基の数にかかわらず、ヒドロキシカルボン酸に分類する。また、これらのカルボン酸は、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらのカルボン酸は、市販のものを用いればよい。
(D)カルボン酸を添加する場合における当該カルボン酸の含有量としては、エッチング液の総重量に対する重量%として、下限が通常0.1重量%以上であり、上限が通常15重量%以下である。
(E)ケイ酸又はケイ酸塩は、シリコンを主成分とするウエハの表面をより短時間にかつ効果的にエッチングするという観点などから、適宜添加してもよい。このような(E)ケイ酸又はケイ酸塩としては、例えばオルトケイ酸(HSiO)、メタケイ酸(HSiO)、メタ二ケイ酸(HSi)、無水ケイ酸(SiO:シリカ)等のケイ酸、例えばオルトケイ酸ナトリウム(NaSiO)、メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)、メタ二ケイ酸ナトリウム(NaSi)、NaSi等のケイ酸ナトリウム、例えばケイ酸カリウム(KSiO)等のケイ酸塩等が挙げられる。また、これらのケイ酸又はケイ酸塩は、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、これらのケイ酸又はケイ酸塩は、市販のものを用いればよい。本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液でシリコンを主成分とするウエハをエッチングすることにより、該ウエハを構成するケイ素原子がエッチング液に溶解してくるため、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は実質的にケイ酸又はケイ酸塩を含むものとなる。本発明においては、このようなケイ酸又はケイ酸塩を含むエッチング液も使用できることから、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、繰り返しての使用が可能なエッチング液である。
(E)ケイ酸又はケイ酸塩を添加する場合における当該ケイ酸又はケイ酸塩の含有量としては、エッチング液の総重量に対する重量%として、下限が通常0.5重量%以上であり、上限が通常50重量%以下である。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩及び(B)アルカリ化合物と、要すれば(D)カルボン酸又は/及び(E)ケイ酸又はケイ酸塩を、上述した重量%となるように(C)水に溶解させることによって調製することができる。なお、調製方法は特に限定されず、(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩を適量の(C)水に溶解させたもの、(B)アルカリ化合物を適量の(C)水に溶解させたもの、要すれば(D)カルボン酸を適量の(C)水に溶解させたもの、並びに要すれば(E)ケイ酸又はケイ酸塩を適量の(C)水に溶解させたものを適宜混合するようにしてもよいし、(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩及び(B)アルカリ化合物、並びに要すれば(D)カルボン酸又は/及び(E)ケイ酸又はケイ酸塩を適宜の順序で(C)水に順次添加溶解させるようにしてもよい。このようにして調製した本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、水溶液であり、使用前にろ過処理等を行ってもよい。
ここで使用される(C)水としては、シリコンを主成分とするウエハのエッチングにおいて悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されず、具体的には、例えば蒸留水、脱イオン水等の精製水、例えば超純水等が挙げられ、なかでも、超純水が好ましい。超純水は、不純物をほとんど含まないため、エッチング後のウエハを汚染しにくいという点で好ましい。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を調製する際に使用される混合装置としては、例えば通常この分野で用いられる攪拌機や分散機等が使用できる。攪拌機としては、例えばメカニカルスターラー、マグネチックスターラー等が挙げられる。また、分散機としては、例えばホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、ビーズミル等が挙げられる。
このようにして調製される本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、25℃において、アルカリ性領域のpHであるが、そのなかでも、シリコンを主成分とするウエハの表面をより短時間にかつ効果的にエッチングするという観点から、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、25℃において、12以上のpHであることが好ましく、そのなかでも、14以上のpHであることがより好ましい。本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液のpHが7以下(中性以下)の場合には、シリコンを主成分とするウエハの表面をエッチングすることができなくなってしまうことから望ましくない。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液のpHは、希釈せずにJIS Z8802−1984に準拠して、市販のpHメーターを用いて測定される。
上述のとおり、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液には、(D)カルボン酸又は/及び(E)ケイ酸又はケイ酸塩などの他の成分が含まれていてもよい。しかしながら、シリコンを主成分とするウエハの表面にピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造を形成するにあたって、ピラミッド(四角錐)底面の辺長が平均7μm以下の微細な凹凸構造を形成するためには、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩、(B)アルカリ化合物、並びに(C)水以外の成分(本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を構成する(A)〜(C)以外の第4の成分)を実質的に含有しないことが望ましい場合もある。なお、ここでいう第4の成分を実質的に含有しないとは、シリコンを主成分とするウエハの表面のエッチングに悪影響を及ぼすおそれのある量以上の、(A)〜(C)以外のその他の成分を添加しないことをいい、エッチング液中に不純物程度のごく微量の第4の成分を含んでいること、ウエハをエッチングすることにより該ウエハから生じるケイ酸又はケイ酸塩が結果的にエッチング液に含まれることなどを排除するものではない。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液には、例えばカチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、有機溶剤等の成分を添加しないことが望ましい。本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液に、カチオン性界面活性剤又は/及びノニオン性界面活性剤を数ppm単位で表される程度の量でしか添加しない場合であっても、シリコンを主成分とするウエハの表面をエッチングできなくなる場合がある。また、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液に有機溶剤を添加すると、凹凸構造(テクスチャ構造)ができず、本発明の目的が達成できなくなる場合がある。このため、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は/及び有機溶剤を、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液に添加することは望ましくない。
本発明にかかるシリコンを主成分とするウエハは、例えばシリコン(Si)ウエハ、シリコンカーバイド(SiC)ウエハ等のシリコンを主成分とするウエハを指し、シリコン(Si)ウエハに例えばリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)等の5価の原子をドープしたn型シリコン(Si)ウエハ、シリコン(Si)ウエハに例えばホウ素(B)、ガリウム(Ga)等の3価の原子をドープしたp型シリコン(Si)ウエハ等のウエハであってもよい。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液において、エッチング対象となるシリコンを主成分とするウエハは、例えばワイヤー列とシリコンインゴットとの接触部に、クーラントと研磨微粒子(研磨砥粒)とを混合したスラリーを供給することによって該シリコンインゴットを研磨切断して作製されたウエハ、いわゆる、遊離砥粒方式により作製されたウエハ、例えばワイヤーの表面にダイヤモンド等からなる研磨微粒子(研磨砥粒)を固定したワイヤー列を走行させ、このワイヤー列にシリコンインゴットを押し当てることによって該シリコンインゴットを研磨切断して作製されたウエハ、いわゆる、固定砥粒方式により作製されたウエハのいずれであってもよい。一般的に固定砥粒方式により作製されたウエハは、該ウエハ表面の平坦度が高いことが原因となって凹凸構造(テクスチャ構造)ができにくいが、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を用いれば、このような固定砥粒方式により作製されたウエハでも、該ウエハの表面に効果的に凹凸構造を形成できる。
本発明にかかるシリコンを主成分とするウエハは、上述したごときウエハの表面を更にポリッシングして高平坦な鏡面としたミラーウエハであってもよい。本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を用いれば、平坦度の高いウエハ(ミラーウエハ等)であっても効果的に凹凸構造を形成できるため、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、汎用性の高いエッチング液である。特に表面積を増大させる目的で異方エッチングを行う場合にも、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は効果を発揮する。
本発明にかかるシリコンを主成分とするウエハは、単結晶、多結晶のいずれであってもよいが、ウエハの表面全体に凹凸構造を形成させるためには、単結晶ウエハが好ましく、太陽電池に適した光閉じ込め効果の高い(光吸収率の高い・光反射率の低い)基板を効果的に作製できるという点で、(100)面を有する単結晶ウエハが特に好ましい。
本発明の太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法は、上記(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩、(B)アルカリ化合物、並びに(C)水を含む、太陽電池製造用アルカリエッチング液を用いてシリコンを主成分とするウエハをエッチングし、該ウエハの表面に凹凸構造を形成することを特徴とするものである。
本発明の太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法の具体例としては、例えば本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を必要に応じて所望の温度に加温し、加温した本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を、上述のシリコンを主成分とするウエハと接触させる方法などが挙げられる。接触方式としては、例えば浸漬方式、スピン(滴下)方式、噴霧(スプレー)方式等の通常この分野で実施される方式であれば特に限定されない。
本発明の太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法は、枚葉方式、バッチ方式のいずれを採用してもよい。枚葉方式とは、シリコンを主成分とするウエハを1枚ずつ回転させ、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を注入しながらエッチングする方式である。バッチ方式とは、複数枚のシリコンを主成分とするウエハを、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液に浸漬させてエッチングする方式である。これらの方式のなかでも、生産コストの面で複数枚のウエハを同時にエッチングできるバッチ方式が好ましい。
本発明の太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法における、加温した本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液の温度(エッチング温度)としては、シリコンを主成分とするウエハの表面に目的のエッチングが達成できる温度(凹凸構造が形成できる温度)であれば特に限定されず、例えば下限が通常50℃以上、好ましくは60℃以上であり、上限が通常100℃以下、好ましくは95℃以下である。エッチング温度が50℃未満の場合には、シリコンを主成分とするウエハの表面のエッチングが進行しにくくなる傾向があり、エッチング温度が100℃を越える場合には、エッチング時に本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液における水が蒸発することにより、当該エッチング液における本発明にかかるモノスルホン酸類、並びにアルカリ化合物の組成比が激しく変化してしまい、エッチング性能に悪影響を及ぼすおそれがあるので望ましくない。
本発明の太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法における、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液とシリコンを主成分とするウエハの接触時間(エッチング時間)としては、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を構成する(A)〜(C)あるいは(A)〜(E)の重量%濃度、エッチング温度等の要因に依存するので一概に言えるものではないが、シリコンを主成分とするウエハの表面を効果的にエッチングし、効率的に太陽電池用のシリコン系基板を製造できるという点において、例えば下限が通常5分以上、好ましくは10分以上であり、上限が通常50分以下、好ましくは30分以下である。
上述のとおり、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液及び太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法は、シリコンを主成分とするウエハの表面に凹凸構造を形成できるものである。凹凸構造とは、形状の大部分がピラミッド状(四角錐状)の構造のことを指し、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を用いることにより、ピラミッド(四角錐)底面の最大辺長として、下限が通常0.1μm以上、上限が25μm以下、好ましくは7μm以下の凹凸構造を形成することができる。このように、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を用いることにより、平坦部をほとんど生じさせずに、不良の凹凸構造がほとんど形成されることなく、ウエハ全体に均一な凹凸構造が形成された基板を作製することができる。
更に、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、エッチングレートが安定しているため、いわゆるエージング処理(エッチング液にあらかじめケイ酸又はケイ酸塩を添加し、予備加熱することで共残物を除去してエッチングレートを安定化させる処理)を必要としないという点、エッチング時にエッチング液が泡立ったりせず、更には、ウエハの引き上げ時にエッチング液が気泡としてウエハ表面に残存し難く、筋状にも寄り難いため、ウォーターマークが生じにくく、これらが原因となるウエハの製造不良が出にくいという点などでも、従来のアルカリエッチング液と比較して優れたエッチング液である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の例中にある%は、特記しない限り重量基準(w/w)%である。
実施例1及び比較例1 各種のアルカリエッチング液を用いたシリコンを主成分とするウエハのエッチング試験
超純水に、エッチング液中の濃度が表1に示す%となるような量の水酸化カリウム(和光純薬工業(株)製)とエッチング液中の濃度が4%となるような量の(R)-(−)-10-カンファースルホン酸(和光純薬工業(株)製)を添加後、適宜攪拌して澄明なpH14のエッチング液5000gを調製した。次いで、各エッチング液を80℃に加熱保持し、これにあらかじめ重量を測定した(100)面を有するn型単結晶シリコンウエハ(遊離砥粒方式で作製されたもの:比抵抗3.0〜6.0Ω:156mm×156mm:厚さ200μm)を投入し、攪拌子でゆるやかに混合しながら20分間浸漬して、ウエハ表面をエッチングした。その後、溶液からウエハを取り出し、超純水で20分間オーバーフローリンスした後、該ウエハを自然乾燥させた。このようにしてエッチングしたウエハの重量を測定し、エッチング前後の重量変化を算出した(減少したウエハの重量を「取りしろ」と表記する)。また、エッチング後のウエハ表面を目視観察して、外観の良不良を確認するとともに、レーザー顕微鏡(キーエンス社製VK-9700)でウエハ表面の凹凸構造の有無を観察した。なお、目視による外観の観察にあたっては、ウエハ表面にしみやむらがない場合を「良好」、ウエハ表面にしみやむらがある場合を「不良」と評価した。また、レーザー顕微鏡による凹凸構造の観察にあたっては、ウエハ表面の任意の5箇所を観察し、観察した5箇所すべてにピラミッド状(四角錐状)の凹凸ができていれば「良好」、一部でも平坦部が存在する場合には「平坦有り」(不良)、ピラミッド(四角錐)が完全に形成できていない稜線が不明確な凹凸(テクスチャ)が全体の50%以上存在する場合には「未形成」(不良)と評価した。更に、レーザー顕微鏡で観察したうちの任意の1箇所内で、ピラミッド形状(四角錐形状)が最も大きい方から順に10個抽出し、これらピラミッド(四角錐)の底面の一辺の長さをそれぞれ測定して平均化したものをピラミッド長(四角錐長)として算出した。各実施例及び比較例のエッチング液の組成、取りしろの算出結果、外観の評価結果、レーザー顕微鏡による評価結果、並びにピラミッド長(四角錐長)の算出結果を表1に示すとともに、実施例1で得られたエッチング後のウエハ表面のレーザー顕微鏡写真(倍率3000倍)を図1に、比較例1で得られたエッチング後のウエハ表面のレーザー顕微鏡写真(倍率3000倍)を図2に示す。
Figure 2013236027
表1の結果から明らかなように、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、ピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造の形成に効果的なエッチング液であることが判った。また、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、凹凸構造をウエハ全体に形成できるばかりでなく、底面の一辺の長さが短いピラミッド(四角錐)、すなわち、形状の小さいピラミッド(四角錐)を形成できることが判った。このような小さい形状のピラミッド(四角錐)は光閉じ込め効果が高く、光吸収率を高めることができる(光反射率を低く抑えることができる)ことから、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を太陽電池用ウエハの作製に用いることで、変換効率(光電変換効率)の高い太陽電池を作製できるという効果が生じる。一方で、比較例1のように、水酸化カリウムの重量%が30重量%といった高濃度のアルカリ化合物を含むエッチング液でウエハをエッチングした場合には、エッチング速度が速すぎることが原因となって、均一なピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造が形成できなくなることが判った。
実施例2〜9 エッチング条件の違いによるシリコンを主成分とするウエハのエッチング試験
超純水に、エッチング液中の濃度が4%となるような量の水酸化カリウム(和光純薬工業(株)製)とエッチング液中の濃度が3%となるような量の(R)-(−)-10-カンファースルホン酸(和光純薬工業(株)製)を添加後、適宜攪拌して澄明なpH14のエッチング液5000gを調製した。次いで、上記エッチング液を用いて、表2に示す各条件で実施例1と同様にしてシリコンウエハ表面をエッチングした。エッチング後のシリコンウエハのリンス及び乾燥、並びに該ウエハの評価方法も実施例1に準じて行った。各実施例のエッチング条件、取りしろの算出結果、外観の評価結果、レーザー顕微鏡による評価結果、並びにピラミッド長(四角錐長)の算出結果を表2に示すとともに、実施例2で得られたエッチング後のウエハ表面のレーザー顕微鏡写真(倍率3000倍)を図3に示す。
Figure 2013236027
表2の結果から明らかなように、いずれのエッチング条件であっても、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を用いれば、ピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造がウエハ全体に形成できるばかりでなく、底面の一辺の長さが短いピラミッド(四角錐)、すなわち、形状の小さいピラミッド(四角錐)を形成できることが判った。また、エッチング時間が同じ場合にはエッチング温度が高いほど取りしろが多くなる傾向があり、エッチング温度が同じ場合にはエッチング時間が長いほど取りしろが多くなる傾向があることから、目的とする取りしろ量に応じて、エッチング温度とエッチング時間を上記した範囲から適宜設定すればよいことが判る。
実施例10〜12 エッチング条件の違いによるシリコンを主成分とするウエハのエッチング試験
超純水に、エッチング液中の濃度が3%となるような量の水酸化カリウム(和光純薬工業(株)製)とエッチング液中の濃度が4%となるような量の(R)-(−)-10-カンファースルホン酸(和光純薬工業(株)製)を添加後、適宜攪拌して澄明なpH14のエッチング液5000gを調製した。次いで、上記エッチング液を用いて、表3に示す各条件で実施例1と同様にしてシリコンウエハ表面をエッチングした。エッチング後のシリコンウエハのリンス及び乾燥、並びに該ウエハの評価方法も実施例1に準じて行った。各実施例のエッチング条件、取りしろの算出結果、外観の評価結果、レーザー顕微鏡による評価結果、並びにピラミッド長(四角錐長)の算出結果を表3に示す。
Figure 2013236027
表3の結果から明らかなように、エッチング時間が同じ場合には、エッチング温度が高いほど取りしろが多くなる傾向があり、エッチング温度が低いほど、底面の一辺の長さがより短いピラミッド(四角錐)、すなわち、より形状の小さいピラミッド(四角錐)を形成できることが判る。
実施例13〜17 ウエハの種類の違いによるシリコンを主成分とするウエハのエッチング試験
超純水に、エッチング液中の濃度が3%となるような量の水酸化カリウム(和光純薬工業(株)製)とエッチング液中の濃度が4%となるような量の(R)-(−)-10-カンファースルホン酸(和光純薬工業(株)製)を添加後、適宜攪拌して澄明なpH14のエッチング液5000gを調製した。次いで、上記エッチング液を80℃に加熱保持し、これに表4に示す各ウエハを投入し、攪拌子でゆるやかに攪拌しながら20分間浸漬して、ウエハ表面をエッチングした。エッチング後のシリコンウエハのリンス及び乾燥、並びに該ウエハの評価方法は実施例1に準じて行った。各実施例のウエハの種類、取りしろの算出結果、外観の評価結果、レーザー顕微鏡による評価結果、並びにピラミッド長(四角錐長)の算出結果を表4に示す。なお、表中のアルカリ前処理したものとは、48%水酸化カリウム水溶液:35%過酸化水素水:水=1:1:5となるように調製した溶液を70℃に加熱保持し、これにエッチング対象であるウエハを10分間浸漬処理したものを意味し、これにより不純物が吸着したウエハの表面が清浄化される。
Figure 2013236027
表4の結果から明らかなように、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、実施例1で用いた遊離砥粒方式により作製されたn型ウエハ以外の種々のウエハにも適用できることが判った。特に、従来法では、ウエハ表面の平坦度が高くなりやすい固定砥粒方式により作製されたウエハやミラーウエハに対してピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造をウエハ全体に形成させるのは困難であったが、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、このような平坦度の高いウエハであっても、微細なピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造をウエハ全体に形成できることが判る。
比較例2〜3 ウエハの種類の違いによるシリコンを主成分とするウエハのエッチング試験
超純水に、エッチング液中の濃度が4%となるような量の水酸化カリウム(和光純薬工業(株)製)とエッチング液中の濃度が2%となるような量のイソプロピルアルコール(和光純薬工業(株)製)を添加後、適宜攪拌して澄明なpH14のエッチング液5000gを調製した。次いで、上記エッチング液を80℃に加熱保持し、これに表5に示す各ウエハを投入し、攪拌子でゆるやかに攪拌しながら20分間浸漬して、ウエハ表面をエッチングした。エッチング後のシリコンウエハのリンス及び乾燥、並びに該ウエハの評価方法は実施例1に準じて行った。各比較例のウエハの種類、取りしろの算出結果、外観の評価結果、レーザー顕微鏡による評価結果、並びにピラミッド長(四角錐長)の算出結果を表5に示す。
Figure 2013236027
表5の結果から明らかなように、従来から用いられてきたイソプロピルアルコールを含有するアルカリエッチング液を用いた場合には、ウエハ表面の平坦度が高くなりやすい固定砥粒方式により作製されたウエハやミラーウエハ表面には、ピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造をウエハ全体に形成することができない、あるいは稜線が不明確な不完全なピラミッド(四角錐)が多数生じてしまうことが判った。
実施例18〜19 エッチング液の組成の違いによるシリコンを主成分とするウエハのエッチング試験
超純水に、エッチング液中の濃度が3%となるような量の水酸化カリウム(和光純薬工業(株)製)とエッチング液中の濃度が4%となるような量の(R)-(−)-10-カンファースルホン酸(和光純薬工業(株)製)とエッチング液中の濃度が2%又は4%となるようなケイ酸ナトリウムを添加後、適宜攪拌して澄明なpH14のエッチング液5000gを調製した。次いで、各エッチング液を80℃に加温保持し、これに実施例1と同様のシリコンウエハを投入し、攪拌子でゆるやかに混合しながら20分間浸漬して、ウエハ表面をエッチングした。エッチング後のシリコンウエハのリンス及び乾燥、並びに該ウエハの評価方法も実施例1に準じて行った。各実施例のエッチング液の組成を表6に示すとともに、取りしろの算出結果、外観の評価結果、レーザー顕微鏡による評価結果、並びにピラミッド長(四角錐長)の算出結果を表7に示す。
Figure 2013236027
Figure 2013236027
表6及び表7の結果から明らかなように、例えばケイ酸塩などの、本発明の必須成分である本発明にかかるモノスルホン酸類、並びにアルカリ化合物以外の他の成分(第4の成分)を含むエッチング液であっても、シリコンを主成分とするウエハの表面にピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造をウエハ全体に形成できることが判った。
以上の結果から明らかなように、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、シリコンを主成分とするウエハの表面全体にピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造を形成することができる優れたエッチング液であることが判った。また、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、従来法によるエッチングでは均一な凹凸構造をウエハ全体に形成させるのが困難とされていた固定砥粒方式により作製されたウエハやミラーウエハに対しても、効果的にピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造を形成させることができるため、種々のウエハに適用可能な優れたエッチング液であることが判り、更には、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液を単結晶ウエハに適用すると、該ウエハ表面にテクスチャ構造に適した微細なピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造を形成することができるため、本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、変換効率(光電変換効率)に優れる太陽電池に適したウエハの製造に好適なエッチング液であることも判った。
本発明の太陽電池製造用アルカリエッチング液は、シリコンを主成分とするウエハの表面全体に凹凸構造を形成できるエッチング液であり、更に詳しくは、該ウエハの表面にピラミッド状(四角錐状)の微細な凹凸構造を形成できるものであり、特に太陽電池に適したシリコン系基板の製造に用いることができるものである。
本発明の太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法は、シリコンを主成分とするウエハの表面にピラミッド状(四角錐状)の凹凸構造を形成させるための効果的な方法であり、特に変換効率(光電変換効率)に優れる太陽電池用のシリコン系基板の製造にあたって好ましい方法である。

Claims (13)

  1. (A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩、(B)アルカリ化合物、並びに(C)水を含む、太陽電池製造用アルカリエッチング液。
    Figure 2013236027
    {式中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、アンモニウム(NH)基又はテトラアルキルアンモニウム(R N)基(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。)を表し、nは、1〜5の整数を表す。}
  2. 前記エッチング液が、シリコンを主成分とするウエハの表面に凹凸構造を形成させるためのものである、請求項1記載のエッチング液。
  3. 前記(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩の含有量が、0.05重量%〜30重量%である、請求項1記載のエッチング液。
  4. 前記(B)アルカリ化合物の含有量が、0.1重量%〜30重量%である、請求項1記載のエッチング液。
  5. 前記(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩が、10-カンファースルホン酸又はこの塩である、請求項1記載のエッチング液。
  6. 前記(A)一般式[1]で示されるモノスルホン酸又はこれらの塩が、R-(−)-10-カンファースルホン酸である、請求項1記載のエッチング液。
  7. 前記(B)アルカリ化合物が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドである、請求項1記載のエッチング液。
  8. 前記(B)アルカリ化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシドである、請求項1記載のエッチング液。
  9. 前記(B)アルカリ化合物が、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、請求項1記載のエッチング液。
  10. 請求項1記載のエッチング液を用いてシリコンを主成分とするウエハをエッチングし、該ウエハの表面に凹凸構造を形成することを特徴とする、太陽電池製造用シリコン系基板の製造方法。
  11. 50℃〜100℃のエッチング液を用いて前記ウエハをエッチングする、請求項10記載のシリコン系基板の製造方法。
  12. 前記凹凸構造がピラミッド状のものであって、その底面の最大辺長が0.1μm〜25μmである、請求項10記載のシリコン系基板の製造方法。
  13. 前記ウエハが、単結晶ウエハである、請求項10記載のシリコン系基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015191946A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 第一工業製薬株式会社 テクスチャー形成用エッチング液およびそれを用いたテクスチャー形成方法

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