JP5481185B2 - X線診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返すX線診断装置に関する。
X線診断装置によるX線撮影の応用として、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返す撮影方法がある。この撮影方法の一つにステッピングDSA(Digital Subtraction Angiography)撮影がある。ステッピングDSA撮影においては、天板を造影剤の進行に応じて段階的にスライド(ステップスライド)させることで、腹部から下肢までのDSA像を収集する。ステッピングDSA撮影における一般的なDSA像収集の手順は、以下の通りである。
(1)腹部(第1ステージ)から足先(最終ステージ)までの複数のステージを確定する。(2)腹部から足先にかけて各ステージで2秒以上X線透視し、各ステージにおける透視像とX線透視条件とから各ステージにおける被写体厚を推定し、推定された被写体厚に基づいて各ステージのX線撮影条件を決定する。(3)決定された各ステージのX線撮影条件で足先から腹部までの各ステージのマスク像を収集する。(4)造影剤を注入し、決定された各ステージのX線撮影条件で腹部から足先までの各ステージのコントラスト像を収集し、DSA像を表示する。
上述のように各ステージのX線撮影条件を決定するためには、全てのステージでX線透視を繰り返し行なわなければならない。従ってステッピングDSA撮影に大変な手間がかかっている。また被写体の負担も大きい。
本発明の目的は、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返すX線診断装置において、撮影の手間や被写体の負担減を実現することにある。
本発明の第1局面に係るX線診断装置は、X線を発生するX線管と、前記X線管から発生され天板に載置された被検体を透過したX線を検出する検出器と、前記X線管と前記検出器とを回動可能に支持する支持機構と、前記天板の長手方向に沿って第1撮影位置と第2撮影位置との間で前記天板を移動させる天板駆動部と、前記X線管と前記支持機構と前記天板駆動部とを制御して、前記第1撮影位置と前記第2撮影位置とにおいてそれぞれ所定のX線透視条件でX線透視を行う制御部と、前記第1撮影位置でのX線透視による前記検出器の出力と前記所定のX線透視条件とに基づいて前記第1撮影位置における被写体厚を決定し、前記第2撮影位置でのX線透視による前記検出器の出力と前記所定のX線透視条件とに基づいて前記第2撮影位置における被写体厚を決定する被写体厚決定部と、前記第1撮影位置における被写体厚と前記第2撮影位置における被写体厚とに基づいて前記第1撮影位置と前記第2撮影位置との間の各撮影位置における被写体厚を推定する被写体厚推定部と、前記第1撮影位置と前記第2撮影位置との間の各撮影位置における被写体厚に基づいて前記第1撮影位置と前記第2撮影位置との間の各撮影位置におけるX線撮影条件を決定する撮影条件決定部と、を具備し、前記X線透視条件及び前記X線撮影条件は、それぞれ管電流及び管電圧の条件である。
本発明の第2局面に係るX線診断装置は、X線を発生するX線管と、前記X線管から発生され天板に載置された被検体を透過したX線を検出する検出器と、前記X線管と前記検出器とを回動可能に支持する支持機構と、前記天板の長手方向に沿って複数の撮影位置に前記天板を順番に移動させる天板駆動部と、前記X線管と前記支持機構と前記天板駆動部とを制御して前記複数の撮影位置の内の所定の撮影位置において所定のX線透視条件でX線透視を行う制御部と、前記所定の撮影位置でのX線透視による前記検出器の出力と前記所定のX線透視条件とに基づいて前記所定の撮影位置における被写体厚を決定する被写体厚決定部と、前記所定の撮影位置における被写体厚に基づいて、前記複数の位置のうちの前記所定の撮影位置以外の他の撮影位置における被写体厚を推定する被写体厚推定部と、前記所定の撮影位置における被写体厚と前記他の撮影位置における被写体厚とに基づいて前記他の位置におけるX線撮影条件を決定する撮影条件決定部と、を具備し、前記X線透視条件及び前記X線撮影条件は、それぞれ管電流及び管電圧の条件である。
本発明の第3局面に係るX線診断装置は、X線を発生するX線管と、前記X線管から発生され天板に載置された被検体を透過したX線を検出する検出器と、前記X線管と前記検出器とを回動可能に支持する支持機構と、前記天板の長手方向に沿って前記天板を複数の撮影位置に順番に移動させる天板駆動部と、前記X線管と前記支持機構と前記天板駆動部とを制御して前記複数の撮影位置のうちの所定の撮影位置において所定のX線撮影条件でX線撮影する制御部と、前記所定の撮影位置でのX線撮影による前記検出器からの画像のデータと前記所定のX線撮影条件とに基づいて前記所定の撮影位置の次の撮影位置における被写体厚を推定する被写体厚推定部と、前記次の撮影位置における被写体厚に基づいて前記次の撮影位置におけるX線撮影条件を決定する撮影条件決定部と、を具備する。
本発明によれば、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返すX線診断装置において、撮影の手間や被写体の負担減を実現することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るX線診断装置の構成を示す図。 図1のシステム制御部による制御のもとに行なわれるステッピングDSA撮影の概略的な流れを示す図。 図2のステッピングDSA撮影により収集されるマスク像、コントラスト像、及びDSA像を示す図。 図3のX線撮影条件決定フェーズの典型的な流れを示す図。 第1実施形態に係る被写体厚推定部による被写体厚の推定処理を説明するための図。 第2実施形態に係る被写体厚推定部による被写体厚の推定処理に用いられる被写体厚モデルの一例を示す図。 第4実施形態に係る被写体厚推定部による被写体厚の推定処理を説明するための図。 第5実施形態に係る被写体厚推定部による被写体厚の推定処理を説明するための図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。本実施形態に係るX線診断装置は、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返すものである。この撮影方法として様々なものが知られており、本実施形態に係るX線診断装置は、これら全ての撮影方法に適用可能である。しかしながら、以下の説明を具体的に行なうため、撮影方法としてステッピングDSA撮影を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るX線診断装置の構成を示す図である。図1に示すように、X線診断装置1は、撮影機構3とコンピュータ装置5とを有している。撮影機構3は、Cアーム11を支持するCアーム支持器13を有している。Cアーム支持器13は、一端が床面上に設けられている。Cアーム支持器13は、Cアーム11をそのC形状に沿う方向(A1方向)にスライド可能に支持している。また、Cアーム支持器13は、A1方向に直交するA2方向に回転可能にCアーム11を支持している。Cアーム支持器13にはCアーム駆動部15が内蔵されている。Cアーム駆動部15は、Cアーム制御器17に接続されている。Cアーム制御器17は、コンピュータ装置5からの指示に応じた制御信号をCアーム駆動部15に供給する。Cアーム駆動部15は、Cアーム制御器17からの制御信号に応じた駆動信号をCアーム支持器13に供給してCアーム11をA1方向にスライド、又はA2方向に回転させる。Cアーム11は、X線管19とX線検出器21とを互いに向き合うように搭載している。
X線管19は、X線制御器23の制御のもと高電圧発生器25からの高電圧の印加とフィラメント電流の供給とを受けてX線を発生する。X線検出器21は、X線管19から発生され被写体(被検体)Pを透過したX線を検出する。例えば、X線検出器21は、イメージインテンシファイア211とTVカメラ213との組み合わせにより構成される。イメージインテンシファイア211は被写体Pを透過したX線を光に変換し、TVカメラ213はその光をビデオ信号に変換する。ビデオ信号は、コンピュータ装置5に供給される。なおX線検出器21は、イメージインテンシファイア211とTVカメラ213との組み合わせでなく、フラットパネルパネルディテクタ(FPD)により構成されるものであってもよい。
X線透視時やX線撮影時においては、X線管19とX線検出器21との間に天板27に載置された被写体Pが位置されている。天板27は、長手方向(A3方向)/横手方向(A4)に関してスライド可能、上下方向(A5方向)に関して昇降可能に天板支持器29に支持されている。天板支持器29には、天板駆動部31が内蔵されている。天板駆動部31には天板制御器33が接続されている。天板制御器33は、コンピュータ装置5からの指示に応じた制御信号を天板駆動部31に供給する。天板駆動部31は、天板制御器33からの制御信号に応じた駆動信号を天板支持器29に供給し、天板27を長手方向又は横手方向にスライドさせたり、上下方向に昇降させたりする。
このように天板27が移動されることにより被写体Pに対して撮影位置が移動される。ステッピングDSA撮影においては、天板27を長手方向に段階的にスライド(ステップスライド)させることで、天板27や被写体P上における撮影位置を段階的に移動させる。この天板27や被写体P上における撮影位置はステージと呼ばれている。
天板駆動部31には、ロータリーエンコーダ等により構成される位置センサが取り付けられている。位置センサは、天板27の長手方向/横手方向/上下方向に関する位置(撮影位置)を検出する。撮影位置は、例えば、撮影軸SA(X線管19の焦点とX線検出器21の検出面中心とを結ぶ軸)に交差する天板27上の位置に規定される。第1実施形態において典型的には、位置センサは、第1ステージ(撮影位置が腹部)における天板27の長手方向に関する位置と最終ステージ(撮影位置が足先)における天板27の長手方向に関する位置とを検出する。以下、各ステージにおける天板27の長手方向に関する位置をステージ位置と呼ぶことにする。検出された各ステージ位置のデータは、天板制御器33に供給され、そしてコンピュータ装置5に供給される。
コンピュータ装置5は、システム制御部51、コンソール53、Cアーム制御器インターフェース55、A/D変換器57、画像メモリ59、D/A変換器61、表示部63、画像ディスク65、画像処理部67、天板制御器インターフェース69、データメモリ71、天板位置設定部73、被写体厚決定部75、被写体厚推定部77、X線条件決定部79、及びX線制御器インターフェース81を有する。
システム制御部51は、X線診断装置1の中枢として機能し、各部を制御することによってステッピングDSA撮影を実行する。ステッピングDSA撮影は、ステージを順次切替えながらX線撮影を繰り返し、各ステージにおけるDSA像を収集する撮影方法である。X線撮影のためのX線撮影条件は、X線撮影の前段に行われるX線透視により決定される。本実施形態は、X線撮影条件の決定方法に特徴を有する。なおX線透視におけるX線透視条件は、予め決定されているものとする。以下、コンピュータ装置5に含まれる、システム制御部51以外の各部について説明する。
コンソール53は、キーボードやマウス、各種スイッチ、タッチキーパネル等の入力デバイスを備える。コンソール53は、X線診断装置1を操作するための各種指示を入力する。例えば、コンソール53には、透視開始/終了スイッチや撮影開始/終了スイッチ、天板移動スイッチ、ステージ位置記憶スイッチ等が設けられている。また、コンソール53には、Cアーム11を移動させるための移動スイッチが設けられている。この移動スイッチによる操作信号は、Cアーム制御器インターフェース55を介してCアーム制御器17に供給される。そしてCアーム制御器17は、供給された操作信号に従ってCアーム駆動部15を制御してCアーム11をA1方向にスライドさせたり、A2方向に回転させたりする。
A/D変換器57は、X線検出器21からのビデオ信号をデジタルに変換し画像メモリ57に供給する。画像メモリ59は、A/D変換器57からのデジタルのビデオ信号をX線画像のデータとして一時的に記憶する。X線画像は、撮影方法に応じて複数種類ある。例えば、X線透視により得られる透視像、造影剤注入前のX線撮影によって得られるマスク像、造影剤注入後のX線撮影によって得られるコントラスト像等がある。これらX線画像のデータは、D/A変換器61によりデジタルからアナログに変換され、表示部63に表示される。また、画像メモリ59に一時的に記憶されたX線画像のデータは、画像ディスク65に格納される。画像ディスク65に格納されたX線画像は、撮影終了後に必要に応じてコンソール53からの指示を契機として読み出され、D/A変換器61よりデジタルからアナログに変換され、表示部63に表示される。
画像処理部67は、コントラスト像からマスク像を減算し、差分画像(DSA像)のデータを発生する。発生されたDSA像のデータは、D/A変換器59を介して表示部61に表示される。
天板制御器インターフェース69は、システム制御部51による制御のもと天板制御器33との間で種々のデータを送受信する。例えば、天板制御器インターフェース69は、第1ステージ位置のデータと最終ステージ位置のデータとを受信する。受信された各ステージ位置のデータは、データメモリ71に保存される。また、天板制御器インターフェース69は、コンソール53からの天板27の移動指示等を天板制御器33に送信する。
天板位置設定部73は、第1ステージ位置、最終ステージ位置、及び隣り合うステージ位置の間隔に基づいて、第1ステージから最終ステージまでの間の各ステージにおける天板27の位置(ステージ位置)を設定する。設定された各ステージ位置のデータは、データメモリ71に保存される。天板制御器33は、この各ステージ位置に従って天板駆動部31を制御して天板27を各ステージ位置へ移動させる。
被写体厚決定部75は、透視像上の画素の画素値とX線透視条件とに基づいて被写体厚を決定する。被写体厚は、X線撮影条件を決定するために供される。第1実施形態においては、第1ステージにおける被写体厚と最終ステージにおける被写体厚とが、公知の技術を利用して被写体厚決定部75により決定される。決定された第1ステージにおける被写体厚のデータは第1ステージ位置のデータに関連付けて、最終ステージにおける被写体厚のデータは最終ステージ位置のデータに関連付けてデータメモリ71に保存される。
被写体厚推定部77は、第1ステージにおける被写体厚と最終ステージにおける被写体厚とに基づいて、第1ステージと最終ステージとの間の各ステージにおける被写体厚を推定する。各ステージにおける被写体厚のデータは、対応する各ステージ位置のデータに関連付けてデータメモリ71に保存される。
X線条件決定部79は、第1ステージから最終ステージまでの各ステージにおける被写体厚に基づいて、第1ステージから最終ステージまでの各ステージにおけるX線撮影条件を決定する。具体的には、X線条件決定部79は、被写体厚とX線撮影条件とを関連付けたテーブルを保持しており、このテーブルに従ってX線撮影条件を決定する。X線条件は、管電流[mA]、管電圧[kV]、X線持続時間[s]である。決定されたX線撮影条件に関するデータは、対応するステージ位置のデータに関連付けられてデータメモリ71に保存される。
また、X線条件決定部79は、ステッピングDSAの前段におけるX線透視のためのX線透視条件を決定する機能も有する。X線透視条件は、所定値であり、例えば、ユーザによりコンソール53を介して入力された指示に従って決定される。
X線制御器インターフェース81は、システム制御部51による制御のもとX線制御器23との間で種々のデータを送受信する。例えば、X線制御器インターフェース81は、X線透視条件やX線撮影条件をX線制御器23に送信する。そしてX線制御器23は、このX線撮影条件に従って高電圧発生器25を制御してX線管19にX線を発生させる。
以下、システム制御部51の制御のもとに行なわれるステッピングDSA撮影の動作例について説明する。まず、ステッピングDSA撮影の概略的な動作例を図2と図3とを参照しながら説明する。図2は、ステッピングDSA撮影の概略的な流れを示す図である。図3は、ステッピングDSA撮影により収集されるマスク像、コントラスト像、及びDSA像を示す図である。
ステッピングDSA撮影は、ステージ位置確定フェーズ(S1)、X線撮影条件決定フェーズ(S2)、マスク像収集フェーズ(S3)、コントラスト像(DSA像)収集フェーズ(S4)により構成される。以下、各フェーズにおける動作を順番に説明する。
[ステージ位置設定フェーズ:ステップS1]
ステージ位置設定フェーズにおいては、まずユーザによるコンソール53を介した指示等により、天板制御器33は、腹部が撮影領域に位置するように天板27を移動される。そしてコンソール53に設けられた第1ステージ位置保存スイッチがユーザにより押されることを契機として天板位置設定部73は、その時に位置センサにより検出された位置を、ステッピングDSA撮影における第1ステージ位置として保存する。次に天板位置設定部73は、第1ステージ位置に、予め保存されている所定間隔を加算する。所定間隔は、長手方向A3に関する撮像視野の幅に応じて決定される。加算して得られた値は、第2ステージ位置の候補に設定され保存される。このようにして第1ステージ位置に順次所定間隔が加算されることで第1ステージ以降のステージ位置の候補が設定される。
次にコンソール53に設けられた天板移動スイッチがユーザにより押されることを契機として天板制御器33は、所定間隔だけ天板27を移動させ次のステージ位置に移動させる。そしてユーザは、移動後の天板27の位置を確認していく。この作業が繰り返され最終ステージ位置の候補まで移動されると、ユーザは、移動後の天板27の位置が想定していた最終ステージ位置であるか否かを確認する。そして最終ステージ位置であると判断するとユーザは、コンソール53に設けられた最終ステージ位置保存スイッチを押す。最終ステージ位置保存スイッチが押されることを契機として天板位置設定部73は、その時に位置センサにより検出された位置を、ステッピングDSA撮影における最終ステージ位置として保存する。このようにしてステッピングDSA撮影における全ステージ位置が天板位置設定部73により設定される。設定された各ステージ位置のデータは、データメモリ71に供給される。なお図3においては、ステージ数は4であり、第1ステージは腹部を撮影対象とし、最終ステージは足先を撮影対象とするものである。
[X線撮影条件決定フェーズ:ステップS2]
X線撮影条件決定フェーズにおいては、X線条件決定部79により各ステージのX線撮影条件が決定される。詳細な処理内容については後述するが、第1ステージから最終ステージまでの各ステージにおいてX線透視することなく各ステージのX線撮影条件が決定される。決定された各ステージのX線撮影条件は、ステージ位置に関連付けてデータメモリ71に保存される。X線撮影条件決定フェーズの終了段階においては、天板27は、最終ステージに位置している。
[マスク像収集フェーズ:ステップS3]
最終ステージにおいてX線撮影条件が決定されるとユーザは、コンソール53に設けられた撮影開始スイッチを押す。撮影開始スイッチが押されるとシステム制御部51は、データメモリ71から最終ステージにおけるX線撮影条件のデータを読み出しX線制御器23に供給する。そしてX線制御器23は、供給されたX線撮影条件に従って高電圧発生器35を制御してX線管19にX線を発生させる。そしてX線検出器21により最終ステージにおける被写体に関するマスク像MISのデータが収集される。マスク像MISが収集されるとユーザは、コンソール53に設けられた天板移動スイッチを押す。ユーザにより天板移動スイッチが押されると天板27は、最終ステージから第3ステージに移動する。そしてユーザにより再び撮影開始スイッチが押されると、第3ステージにおけるX線撮影条件でX線が発生され、第3ステージにおけるマスク像MI3のデータが収集される。同様にして第2ステージにおけるマスク像MI2、第1ステージにおけるマスク像MI1のデータが収集される。収集されたマスク像MI1〜MISのデータは画像メモリ59等に保存される。
[コントラスト像(DSA像)収集フェーズ:ステップS4]
第1ステージにおいてマスク像MI1のデータが収集されるとユーザは、被写体Pに造影剤を注入し、撮影開始スイッチを押す。撮影開始スイッチが押されるとシステム制御部51は、データメモリ71から第1ステージにおけるX線撮影条件のデータを読み出しX線制御器23に供給する。そしてX線制御器23は、供給されたX線撮影条件に従って高電圧発生器35を制御してX線管19にX線を発生させる。そしてX線検出器21により第1ステージにおける被写体に関するコントラスト像CI1のデータが収集される。そして画像処理部67は、第1ステージにおけるコントラスト像CI1からマスク像MI1を減算し、第1ステージにおけるDSA像DI1のデータを生成する。生成されたDSA像DI1は表示部63に表示される。DSA像DI1が表示されるとユーザは、天板移動スイッチを押す。ユーザにより天板移動スイッチが押されると天板27は、第1ステージから第2ステージに移動する。そしてユーザにより再び撮影開始スイッチが押されると、第2ステージにおける撮影条件でX線が発生され、第2ステージに関するコントラスト像CI2のデータが収集される。そしてDSA像DI2が生成され表示される。同様にして第3ステージに関するコントラスト像CI3及びDSA像DI3、最終ステージに関するマスク像MIS及びDSA像DISのデータが収集される。以上でステッピングDSA撮影が終了する。
次に、システム制御部51による制御のもとに実行されるX線撮影条件決定フェーズ(ステップS2)の詳細な動作例について説明する。図4は、X線撮影条件決定フェーズの典型的な流れを示す図である。
[ステップS211]
X線撮影条件決定フェーズの開始時において天板27は、第1ステージに位置している。まずユーザは、コンソール53に設けられた撮影開始スイッチを押す。撮影開始スイッチが押されるとシステム制御部51は、所定のX線透視条件のデータをX線制御器23に供給する。そしてX線制御器23は、所定のX線透視条件に従って高電圧発生器25を制御してX線管19にX線を発生させる。X線管19から発生され被写体Pを透過したX線はX線検出器21により検出され、画像メモリ59に第1ステージにおける透視像のデータが記憶される。このようにしてシステム制御部51は、第1ステージにおける透視像のデータを収集する。
[ステップS212]
第1ステージにおける透視像のデータが収集されると被写体厚決定部75は、第1ステージにおける透視像上の所定位置の画素値と所定のX線透視条件とに基づいて第1ステージにおける被写体厚を決定する。例えば、被写体厚決定部75は、画素値とX線透視条件とを入力とし、被写体厚を出力とするテーブルを保持している。被写体厚決定部75は、このテーブルを利用して被写体厚を決定する。なお所定位置は、被写体像が描出されている位置である。例えば、所定位置は、透視像の中心位置である。
第1ステージにおける被写体厚が決定されると被写体厚決定部75は、この被写体厚に基づいて第1ステージにおけるX線撮影条件を決定する。例えば、被写体厚決定部75は、被写体厚を入力とし、X線撮影条件を出力とするテーブルを保持している。被写体厚決定部75は、このテーブルを利用してX線撮影条件を決定する。決定された第1ステージにおける被写体厚とX線撮影条件とは、第1ステージ位置に関連付けられてデータメモリ71に保存される。
[ステップS213]
第1ステージにおける被写体厚とX線撮影条件とが決定されると(X線透視が行われると)、ユーザは、コンソール53に設けられた天板移動スイッチを押し続ける。この間、天板27は、天板制御器33による制御のもと第1ステージから最終ステージに向けてスライドする。そしてユーザは、天板27が最終ステージまで移動したところで天板移動スイッチを離す。これにより天板27は、最終ステージ位置に停止される。
[ステップS214]
天板27が最終ステージに停止すると、ユーザは、撮影開始スイッチを押す。そしてシステム制御部51は、ステップS211と同様にして、最終ステージにおける透視像のデータを収集する。
[ステップS215]
最終ステージにおける透視像のデータが収集されると被写体厚決定部75は、ステップS212と同様にして最終ステージにおける被写体厚とX線撮影条件とを決定する。決定された最終ステージにおける被写体厚とX線撮影条件とは、最終ステージ位置に関連付けられてデータメモリ71に保存される。
[ステップS216]
第1ステージにおける被写体厚と最終ステージにおける被写体厚とが決定されると被写体厚推定部77は、第1ステージと最終ステージとの間の各ステージにおける被写体厚を推定する。具体的には、被写体厚推定部77は、第1ステージから最終ステージにかけて被写体厚が直線的に減少するという仮定に基づいて、第1ステージにおける被写体厚と最終ステージにおける被写体厚とから、第1ステージと最終ステージとの間の各ステージにおける被写体厚を推定する。
図5は、第1実施形態における被写体厚の推定処理を説明するための図である。図5に示すように、最終ステージを第Nステージとし、第1ステージと第Nステージとの間のステージ番号をn(2≦n≦N−1)で表すとする。そして第1ステージにおける被写体厚をl、第Nステージにおける被写体厚をlとすると、第nステージにおける被写体厚lは、例えば、以下の(1)式に従って計算される。
=((N−n)*l+(n−1)*l)/(N−1) ・・・(1)
このように(1)式は、被写体厚lから被写体厚lにかけて被写体厚が直線的に減少するということを表している。(1)式に従って計算された第nステージにおける被写体厚lは、第nステージ位置に関連付けられてデータメモリ71に保存される。なお被写体厚lの計算式は、(1)式のみに限定されず、被写体厚lから被写体厚lにかけて被写体厚が直線的に減少することを表していればどのような式でもよい。
なお被写体厚lを得るために毎回(1)式を計算する必要はない。例えば、被写体厚l、被写体厚l、及びステージ番号nを入力とし、これら値を(1)式に代入して得られる被写体厚lを出力とするテーブルにより被写体厚lを得てもよい。
[ステップS217]
そしてX線条件決定部79は、ステップS212やS215と同様の方法により、第nステージにおける被写体厚に基づいて第nステージにおけるX線撮影条件を決定する。決定された第nステージにおけるX線撮影条件のデータは、第nステージ位置に関連付けられてデータメモリ71に保存される。
以上でX線撮影条件決定フェーズが終了する。
上記のように第1実施形態に係るX線診断装置1は、第1ステージにおける被写体厚と第N(最終)ステージにおける被写体厚とに基づいて、第1ステージと第Nステージとの間の第n(2≦n≦N−1)ステージにおける被写体厚を推定している。このため第nステージにおいてX線透視をする必要がなく、第nステージにおけるX線撮影条件を決定することができる。従って全てのステージにおいてX線透視をする必要がないため、ステッピングDSA撮影の準備段階の手間を減少することができる。また、第1実施形態においては、第1ステージから第Nステージにかけて被写体厚が直線的に減少するという仮定に基づいて、第1ステージにおける被写体厚と最終ステージにおける被写体厚とから、第1ステージと最終ステージとの間の第nステージにおける被写体厚を推定している。これにより簡便な処理で第nステージにおける被写体厚を推定できる。また、第nステージにおいてX線透視をする必要がないので被写体の被爆量を低減することもできる。かくして第1実施形態に係るX線診断装置は、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返す撮影方法に関する撮影の手間や被写体の負担減を実現することが可能となる。
(第2実施形態)
第1実施形態における被写体厚推定部77は、第1ステージ(腹部)から最終ステージ(足先)にかけて被写体厚が直接的に減少するという仮定に基づいて、第1ステージと最終(第N)ステージとの間の第n(2≦n≦N−1)ステージにおける被写体厚を推定した。
第2実施形態に係る被写体厚推定部77は、被写体厚モデルを利用して第nステージにおける被写体厚を推定する。
図6は、被写体厚モデルの一例を示す図である。図6に示すように、被写体厚モデルは、標準的な被写体の被写体厚形状をモデル化したものである。具体的には被写体厚モデルfは、縦軸を被写体厚lに規定し、横軸をステージ番号nに規定している曲線的な関数fである。すなわち被写体厚モデルにおいて、第nステージにおける被写体厚lは、以下の(2)式で表される。
=f(l,l,n) ・・・(2)
次に第2実施形態に係る推定処理の動作例を説明する。まず、第1ステージにおける被写体厚lと第Nステージにおける被写体厚lとがコンソール53を介して入力され、被写体厚モデルf上での第1ステージ位置と第Nステージ位置とがそれぞれ特定される。次にステージ数Nがコンソール53を介して入力される。このステージ数Nと被写体厚モデルf上での第1ステージ位置及び第Nステージ位置とに基づいて、被写体厚モデルf上での第nステージ位置が特定される。典型的には、隣合うステージ位置の間隔は均等に設定される。そして被写体厚モデルf上での第nステージ位置を特定することにより、被写体厚lが得られる。
なお被写体厚lを得るために毎回上述の処理をする必要はない。例えば、被写体厚l、被写体厚l、及びステージ番号nを入力とし、これら値を(1)式に代入して得られる被写体厚lを出力とするテーブルにより被写体厚lを得てもよい。
被写体厚モデル上の曲線形状は、固定されている。しかし被写体厚lは、第1ステージにおける被写体厚lや第Nステージにおける被写体厚lに応じて上下させることが可能である。また、コンソール53を介して操作者により任意に修正可能としてもよい。
また被写体厚モデルは、被写体の体格等に応じて複数用意されているとよい。例えば、大人用や子供用、太った人用、痩せた人用等の被写体厚モデルを用意し、任意に選択可能とするとよい。
上記のように第2実施形態に係るX線診断装置は、標準的な被写体の被写体厚モデルを利用して、第1ステージにおける被写体厚と第N(最終)ステージにおける被写体厚とから、第1ステージと第Nステージとの間の第nステージにおける被写体厚を推定している。これにより簡便な処理で第n(2≦n≦N−1)ステージにおける被写体厚を推定できる。また、被写体厚モデル上の被写体厚は、第1実施形態における(1)式のように直線的ではなく、曲線的に変化する。従って第1実施形態に比して、より被写体の形状に適応した被写体厚を求めることができる。かくして第2実施形態に係るX線診断装置は、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返す撮影方法に関する撮影の手間や被写体の負担減を実現することが可能となる。
(第3実施形態)
第2実施形態における被写体厚推定部77は、被写体厚モデルを利用して第1ステージにおける被写体厚と第N(最終)ステージにおける被写体厚とから、第1ステージと第Nステージとの間の第n(2≦n≦N−1)ステージにおける被写体厚を推定した。
第3実施形態に係る被写体厚推定部77は、被写体厚モデルを利用して第1ステージにおける被写体厚から、第1ステージ以降の第n(2≦n≦N)ステージにおける被写体厚を推定する。
以下第3実施形態に係るシステム制御部51の制御のもとに行なわれるステッピングDSA撮影の動作例について説明する。第3実施形態におけるX線撮影条件フェーズにおいては、第1ステージにおいてX線透視を行ない、第1ステージにおける透視像のデータを収集する。第n(2≦n≦N)ステージにおいてはX線透視をしなくてよい。収集された第1ステージにおける透視像のデータに基づいて被写体厚決定部75は、第1実施形態と同様の方法で第1ステージにおけるX線撮影条件を決定する。
次に第3実施形態における被写体厚推定部77による被写体厚の推定処理について説明する。第3実施形態に係る被写体厚モデルにおいて、第nステージにおける被写体厚lは、以下の(3)式で表される。
=f(l,n) ・・・(3)
まず、第1ステージにおける被写体厚lがコンソール53を介して入力され、被写体厚モデルf上での第1ステージ位置が特定される。次にステージ数Nがコンソール53を介して入力される。このステージ数Nと被写体厚モデルf上での第1ステージ位置とに基づいて、被写体厚モデルf上での第nステージ位置が特定される。典型的には、隣合うステージ位置の間隔は均等に設定される。そして被写体厚モデルf上での第nステージ位置を特定することにより、被写体厚lが得られる。
上記のように第3実施形態に係るX線診断装置は、標準的な被写体の被写体厚モデルを利用して、第1ステージにおける被写体厚から、第1ステージ以降の第n(2≦n≦N)ステージにおける被写体厚を推定している。すなわち第1ステージ以降X線透視をする必要がない。従って第1及び第NステージにおいてX線透視をしなければならない第1及び第2実施形態に比して、ステッピングDSA撮影の準備段階の手間を減少することができる。また、第3実施形態においては第2実施形態のように第1及び第Nステージにおける被写体厚を用いる必要がないため、第1及び第2実施形態に比して、より柔軟に被写体厚を求めることができる。かくして第3実施形態に係るX線診断装置は、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返す撮影方法に関する撮影の手間や被写体の負担減を実現することが可能となる。
なお上述においては被写体厚モデルを利用して第1ステージにおける被写体厚から、第1ステージ以降の第n(2≦n≦N)ステージにおける被写体厚を推定するとした。しかしながら、第3実施形態はこれに限定されない。例えば、第NステージのみX線透視をし、被写体厚モデルを利用して、第N(最終)ステージにおける被写体厚から第Nステージ以前の第n(1≦n≦N−1)ステージにおける被写体厚を推定してもよい。
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態における被写体厚推定部77は、あるステージにおける被写体厚を利用して他のステージにおける被写体厚を推定していた。
第4実施形態に係る被写体厚推定部77は、あるステージにおいて収集されたマスク像の所定位置の画素値に基づいて、その次のステージにおける被写体厚を推定する。
以下第4実施形態に係るシステム制御部51の制御のもとに行なわれるステッピングDSA撮影の動作例について説明する。第4実施形態におけるX線撮影条件フェーズにおいては、第N(最終)ステージにおいてX線透視を行ない、最終ステージにおける透視像のデータを収集する。第n(1≦n≦N−1)ステージにおいてはX線透視をしなくてよい。収集された第1ステージにおける透視像のデータに基づいて被写体厚決定部75は、第1実施形態と同様の方法で第NステージにおけるX線撮影条件を決定する。決定された第NステージにおけるX線撮影条件のデータは、データメモリ71に保存される。このようにして、第NステージにおけるX線撮影条件が決定されるとX線撮影条件決定フェーズが終了する。なお、X線撮影条件フェーズの最終段階において天板27は、第Nステージに位置されている。
次に第4実施形態に特徴的なマスク像収集フェーズにおける動作について説明する。マスク像収集フェーズにおいて被写体厚推定部77は、被写体厚の推定処理を行ない、推定された被写体厚に基づいてX線条件決定部79は、X線撮影条件を決定する。
次に第NステージにおけるX線撮影条件が決定されるとマスク像収集フェーズが開始される。まず、ユーザはコンソール53に設けられた撮影開始スイッチを押す。撮影開始スイッチが押されるとシステム制御部51は、データメモリ71から第NステージにおけるX線撮影条件のデータを読み出しX線制御器23に供給する。そしてX線制御器23は、供給されたX線撮影条件に従って高電圧発生器35を制御してX線管19にX線を発生させる。そしてX線検出器21により第Nステージにおける被写体に関するマスク像のデータが収集され、画像メモリ59に記憶される。
マスク像MNが収集されると被写体厚推定部77は、被写体厚の推定処理を開始する。図7は、第4実施形態に係る被写体厚推定部77による被写体厚の推定処理を説明するための図である。まず被写体厚推定部77は、画像メモリ59から第Nステージにおけるマスク像MNのデータを読み出す。そしてマスク像MNを構成する複数の画素のうちの所定領域GNの画素を特定する。所定領域GNとは、次の第N−1ステージにおけるマスク像MN−1とのつなぎ目の画素の集合である。換言すれば所定領域GN頗、天板27のスライド方向とは逆側の一端列の画素の集合である。そして被写体厚推定部77は、特定された画素の画素値と第NステージにおけるX線撮影条件とに基づいて第N−1ステージにおけるX線撮影条件を決定する。具体的には被写体厚推定部77は、つなぎ目の画素値の平均値と第n(1≦n≦N)ステージにおけるX線撮影条件とを入力とし、第n−1ステージにおける被写体厚を出力とするテーブルを利用して、第N−1ステージにおける被写体厚lN−1を決定する。図7に示すように、第n−1ステージにおける被写体厚が第n−1ステージにおける被写体厚と同様であるとみなしている点に特徴を有する。決定された被写体厚lN−1のデータは、データメモリ71に保存される。
第N−1ステージにおける被写体厚lN−1が決定されるとX線条件決定部79は、第1実施形態と同様に、被写体厚lN−1に基づいて第N−1ステージにおけるX線撮影条件を決定する。決定された第N−1ステージにおけるX線撮影条件のデータはデータメモリ71に保存される。
第N−1ステージにおけるX線撮影条件が決定されるとユーザは、コンソール53に設けられた天板移動スイッチを押す。ユーザにより天板移動スイッチが押されると天板27は、第Nステージから第N−1ステージに移動する。そしてユーザにより再び撮影開始スイッチが押されると、第N−1ステージにおけるX線撮影条件でX線が発生され、第N−1ステージにおけるマスク像MN−1のデータが収集される。そして上述と同様にして、第N−2ステージにおける被写体厚が推定され、X線撮影条件が決定される。この処理を繰り返すことにより第1ステージまでマスク像のデータを収集し、マスク像収集フェーズが終了する。
コントラスト像(DSA像)収集フェーズの処理が第1実施形態と同様なので説明は省略する。
上記のように第4実施形態に係るX線診断装置1は、第Nステージにおいて収集されたマスク像の端列の画素値に基づいて、その次の第N−1ステージにおける被写体厚を推定している。このため第Nステージ以前のステージ(すなわち第N−1〜第1ステージ)においてX線透視をする必要がなく、第Nステージ以前のステージにおけるX線撮影条件を決定することができる。従って第NステージのみにおいてX線透視すればよいため、ステッピングDSA撮影の準備段階の手間を減少することができる。また、第4実施形態においては、また、第Nステージ以前のステージにおいてX線透視をする必要がないので被写体の被爆量を低減することもできる。かくして第4実施形態に係るX線診断装置は、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返す撮影方法に関する撮影の手間や被写体の負担減を実現することが可能となる。
(第5実施形態)
第4実施形態における被写体厚推定部77は、マスク像収集フェーズにおいて、第nステージにおける透視像上の一端列の画素を利用して、第n−1における被写体厚を推定していた。
第5実施形態における被写体厚推定部77は、マスク像収集フェーズにおいて、第nステージにおける透視像上の両端列の画素を利用して、第n−1における被写体厚を推定する。
以下、第5実施形態における被写体厚推定部77によりマスク像収集フェーズにおいて実行される、被写体厚の推定処理を説明する。図8は、第5実施形態に係る被写体厚推定部77による被写体厚の推定処理を説明するための図である。まず被写体厚推定部77は、画像メモリ59から第Nステージにおけるマスク像MNのデータを読み出す。そしてマスク像MNを構成する複数の画素のうちの端列GN及びgNの画素を特定する。端列gNは、スライド方向に関して端列GNの逆側の端列である。換言すれば端列GN及びgNの画素は、透視像MNのスライド方向に関する両端列の画素の集合である。
両端列GN及びgNの画素が特定されると被写体厚推定部77は、特定された画素の画素値と第NステージにおけるX線撮影条件とに基づいて第N−1ステージにおけるX線撮影条件を推定する。具体的には被写体厚推定部77は、足先側の端列gNの画素値に基づいて端列gNに関する被写体厚lgを推定し、腹側の端列GNの画素値に基づいて端列GNに関する被写体厚lGを推定する。次に推定された被写体厚lgと被写体厚lGとに基づいて被写体厚の傾斜gを計算する。そして計算された傾斜gに基づいて第N−1ステージにおける被写体厚lN−1を推定する。より詳細には、被写体厚lg、被写体厚lG、端列gの位置Pg、端列Gの位置PGに基づいて被写体厚についての関数を1次関数l=g*P+Aを計算する。なおPは、ステージ位置を表し、Aは定数である。そして計算された1次関数lに第N−1ステージにおけるステージ位置PN−1を代入することにより、被写体厚lN−1を計算する。ステージ位置PN−1は、例えば、位置PG+(PG−Pg)/2により計算される。このステージ位置PN−1は、次に収集される第N−1ステージにおけるマスク像NM−1の中心位置である。決定された被写体厚lN−1のデータは、データメモリ71に保存される。
第N−1ステージにおける被写体厚lN−1が決定されるとX線条件決定部79は、第4実施形態と同様に、被写体厚lN−1に基づいて第N−1ステージにおけるX線撮影条件を決定する。決定された第N−1ステージにおけるX線撮影条件のデータはデータメモリ71に保存される。
第N−1ステージにおけるX線撮影条件が決定されるとユーザは、コンソール53に設けられた天板移動スイッチを押す。ユーザにより天板移動スイッチが押されると天板27は、第Nステージから第N−1ステージに移動する。そしてユーザにより再び撮影開始スイッチが押されると、第N−1ステージにおけるX線撮影条件でX線が発生され、第N−1ステージにおけるマスク像MN−1のデータが収集される。そして上述と同様にして、第N−2ステージにおける被写体厚が推定され、X線撮影条件が決定される。この処理を繰り返すことにより第1ステージまでマスク像のデータを収集し、マスク像収集フェーズが終了する。
上記のように第5実施形態に係るX線診断装置1は、第nステージにおいて収集されたマスク像の両端列の画素値を利用して、その次の第n−1ステージにおける被写体厚を推定している。このため第4実施形態とは異なり、被写体厚の傾斜を考慮して、第n−1ステージにおける被写体厚を推定することができる。かくして第5実施形態に係るX線診断装置は、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返す撮影方法に関する撮影の手間や被写体の負担減を実現することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、撮影位置を段階的に移動させながらX線撮影を繰り返すX線診断装置において、撮影の手間や被写体の負担減を実現することができる。
1…X線診断装置、3…撮影機構、5…コンピュータ装置、11…Cアーム、13…Cアーム支持器、15…Cアーム駆動部、17…Cアーム制御器、19…X線管、21…X線検出器、211…イメージインテンシファイア、213…TVカメラ、23…X線制御器、25…高電圧発生器、27…天板、29…天板支持器、31…天板駆動部、33…天板制御器、51…システム制御部、53…コンソール、55…Cアーム制御器インターフェース、57…A/D変換器、59…画像メモリ、61…D/A変換器、63…表示部、65…画像ディスク、67…画像処理部、69…天板制御器インターフェース、71…データメモリ、73…天板位置設定部、75…被写体厚決定部、77…被写体厚推定部、79…X線条件決定部、81…X線制御器インターフェース

Claims (7)

  1. X線を発生するX線管と、
    前記X線管から発生され天板に載置された被検体を透過したX線を検出する検出器と、
    前記X線管と前記検出器とを回動可能に支持する支持機構と、
    前記天板の長手方向に沿って第1撮影位置と第2撮影位置との間で前記天板を移動させる天板駆動部と、
    前記X線管と前記支持機構と前記天板駆動部とを制御して、前記第1撮影位置と前記第2撮影位置とにおいてそれぞれ所定のX線透視条件でX線透視を行う制御部と、
    前記第1撮影位置でのX線透視による前記検出器の出力と前記所定のX線透視条件とに基づいて前記第1撮影位置における被写体厚を決定し、前記第2撮影位置でのX線透視による前記検出器の出力と前記所定のX線透視条件とに基づいて前記第2撮影位置における被写体厚を決定する被写体厚決定部と、
    前記第1撮影位置における被写体厚と前記第2撮影位置における被写体厚とに基づいて前記第1撮影位置と前記第2撮影位置との間の各撮影位置における被写体厚を推定する被写体厚推定部と、
    前記第1撮影位置と前記第2撮影位置との間の各撮影位置における被写体厚に基づいて前記第1撮影位置と前記第2撮影位置との間の各撮影位置におけるX線撮影条件を決定する撮影条件決定部と、を具備し、
    前記X線透視条件及び前記X線撮影条件は、それぞれ管電流及び管電圧の条件であるX線診断装置。
  2. 前記被写体厚推定部は、前記第1撮影位置から前記第2撮影位置にかけて前記被写体厚が減少するという仮定に基づいて、前記第1撮影位置における被写体厚と前記第2撮影位置における被写体厚とから前記第1撮影位置と前記第2撮影位置との間の各撮影位置における被写体厚を計算する、請求項1記載のX線診断装置。
  3. 前記被写体厚推定部は、前記第1撮影位置から前記第2撮影位置までの前記被写体厚の標準的なモデルに基づいて、前記第1撮影位置における被写体厚と前記第2撮影位置における被写体厚とから前記第1撮影位置と前記第2撮影位置との間の各撮影位置における被写体厚を計算する、請求項1記載のX線診断装置。
  4. X線を発生するX線管と、
    前記X線管から発生され天板に載置された被検体を透過したX線を検出する検出器と、
    前記X線管と前記検出器とを回動可能に支持する支持機構と、
    前記天板の長手方向に沿って複数の撮影位置に前記天板を順番に移動させる天板駆動部と、
    前記X線管と前記支持機構と前記天板駆動部とを制御して前記複数の撮影位置の内の所定の撮影位置において所定のX線透視条件でX線透視を行う制御部と、
    前記所定の撮影位置でのX線透視による前記検出器の出力と前記所定のX線透視条件とに基づいて前記所定の撮影位置における被写体厚を決定する被写体厚決定部と、
    前記所定の撮影位置における被写体厚に基づいて、前記複数の位置のうちの前記所定の撮影位置以外の他の撮影位置における被写体厚を推定する被写体厚推定部と、
    前記所定の撮影位置における被写体厚と前記他の撮影位置における被写体厚とに基づいて前記他の位置におけるX線撮影条件を決定する撮影条件決定部と、を具備し、
    前記X線透視条件及び前記X線撮影条件は、それぞれ管電流及び管電圧の条件であるX線診断装置。
  5. X線を発生するX線管と、
    前記X線管から発生され天板に載置された被検体を透過したX線を検出する検出器と、
    前記X線管と前記検出器とを回動可能に支持する支持機構と、
    前記天板の長手方向に沿って前記天板を複数の撮影位置に順番に移動させる天板駆動部と、
    前記X線管と前記支持機構と前記天板駆動部とを制御して前記複数の撮影位置のうちの所定の撮影位置において所定のX線撮影条件でX線撮影する制御部と、
    前記所定の撮影位置でのX線撮影による前記検出器からの画像のデータと前記所定のX線撮影条件とに基づいて前記所定の撮影位置の次の撮影位置における被写体厚を推定する被写体厚推定部と、
    前記次の撮影位置における被写体厚に基づいて前記次の撮影位置におけるX線撮影条件を決定する撮影条件決定部と、
    を具備するX線診断装置。
  6. 前記被写体厚推定部は、前記画像上の前記長手方向に関する一端部における画素値と前記所定のX線撮影条件とに基づいて前記次の撮影位置における被写体厚を推定する、請求項5記載のX線診断装置。
  7. 前記被写体厚推定部は、前記画像上の前記長手方向に関する両端部における画素値と前記第所定のX線撮影条件とに基づいて前記次の撮影位置における被写体厚を推定する、請求項5記載のX線診断装置。
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