JP5476800B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
水素と酸素との間の電気化学反応を利用して発電する燃料電池を含むシステムには、燃料電池を冷却する冷却液が通る経路上に設けられたラジエータにより燃料電池からの熱を放熱する冷却装置を備えるものがある。
冷却装置を制御することで燃料電池の温度を制御する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、冷却水による冷却を制御して燃料電池スタックの急激な温度低下を防ぐ燃料電池システムが開示されている。特許文献1に記載の燃料電池システムでは、燃料電池スタックの発電量に基づいて燃料電池スタックの発熱量を推定し、燃料電池スタックを冷却する冷却水の放熱を行うラジエータでの放熱量を推定し、燃料電池スタックに要求される目標発電量における発熱量をラジエータでの放熱量が所定量上回っている場合に、これら発熱量と放熱量との差から算出される補正発電量を目標発電量に加算した発電量を燃料電池スタックで発電させる。
また、冷却装置の冷却液の凍結を防ぐ技術の例として、特許文献2には、ヒートポンプ式暖房装置を備える燃料電池車両において、エンジンルームの前方から室外ガスクーラ、ラジエータ、ラジエータファンの順番でこれらを設け、燃料電池スタックを冷却する冷却液が過冷却であると判断された場合にラジエータファンを制御してラジエータから室外ガスクーラに空気が流れるようにする技術が開示されている。特許文献2に記載の技術では、例えば、燃料電池スタックの発熱量を推定し、燃料電池スタックを含む燃料電池システムにおける放熱量を推定し、推定した発熱量が推定した放熱量よりも小さい場合に、冷却液が過冷却であると判断される。
また例えば、燃料電池を搭載した車両において、冷却液を介して燃料電池の廃熱を車両の暖房に利用する技術がある。例えば、特許文献3に記載の車両用空調装置は、燃料電池を冷却する冷却水が流れる第1温水回路と、車室内吹出空気を加熱する温水式ヒータコアを含む第2温水回路と、これら2つの温水回路を切り離した状態と接続した状態とを切り替える弁手段と、を備える。この車両用空調装置において、暖房モード時に、第1温水回路の冷却水温が第2温水回路の冷却水温よりも低い場合は上述の弁手段を制御して両温水回路を切り離した状態にし、第1温水回路の冷却水温が第2温水回路の冷却水温よりも高い場合は上述の弁手段を制御して両温水回路を接続した状態にする。
特開2004−146240号公報 特開2006−244928号公報 特開2005−263200号公報
冷却液を介して燃料電池の廃熱を暖房に利用することでシステムの効率を上げることができる。一方で、燃料電池には、その特性に応じて最適な動作温度の範囲があり、燃料電池の動作温度を所定の範囲内に制御するには、燃料電池の冷却液の温度を所定の範囲内に制御することが望まれる。
例えば、特許文献3に記載の技術のように、燃料電池を冷却する冷却水が流れる第1温水回路の冷却水温が、車室内吹出空気を加熱する温水式ヒータコアを含む第2温水回路の冷却水温よりも高いか低いかに従って両温水回路を接続あるいは切り離す場合、接続状態と切り離し状態との切り替えの前後において、燃料電池を通る冷却水の温度が、燃料電池の所望の動作温度に対応する冷却水温の範囲を超えて変化することがあると考えられる。
本発明の一態様の燃料電池システムは、燃料電池を冷却する冷却液が流れる冷却回路であって前記燃料電池を通って温められた冷却液を冷却する熱交換器を含む冷却回路と、被空調室内へ送られる空気を加熱するヒータコアを通って冷却液が流れる空調用回路と、前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態と、前記冷却回路と前記空調用回路とを切り離した状態と、を切り替える切替手段と、前記冷却回路を流れる冷却液の検出温度が前記燃料電池について最大効率になる望動作温度に基づいて予め定められた第一閾値以上である場合に、前記切替手段により前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態にする制御と、前記冷却回路及び前記空調用回路において発熱する要素であって前記燃料電池を含む発熱要素の動作状態から前記発熱量を推定し、前記冷却回路及び前記空調用回路において放熱する要素であって前記熱交換器及び前記ヒータコアを含む放熱要素の動作状態から前記放熱量を推定し、推定した前記発熱量が推定した前記放熱量よりも小さい場合に、前記発熱量を増加させるように前記発熱要素の少なくとも一部を制御して、前記冷却回路及び前記空調用回路における発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御と、を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記冷却液の温度が上昇して前記第一閾値以上となったときに前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態にし、前記発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御を開始し、さらに前記冷却液の温度が上昇して前記第一閾値を超える温度であって前記燃料電池の効率が低下しない上限である上限温度を超えるときは燃料電池システムにおける発熱量を減少させる制御を行い、これにより前記冷却液の温度が低下して前記第一閾値未満の温度であって、前記燃料電池の効率が低下しない下限である下限温度未満となるときに、前記冷却回路と前記空調用回路とを切り離す制御を行い、前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態における前記発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御によって、前記冷却液の温度を、前記下限温度と前記上限温度の間の温度範囲よりも狭い温度範囲に安定させることを特徴とする。
本発明の一態様の燃料電池システムにおいて、前記制御手段は、前記冷却回路を流れる冷却液の検出温度が前記第一閾値以上であり、かつ、前記冷却回路を流れる冷却液の検出温度と前記空調用回路を流れる冷却液の検出温度との間の差が予め設定された第二閾値以下である場合に、前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態にする制御と、前記発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御と、を行うものであってよい。
他の一態様において、前記制御手段は、さらに、前記冷却液回路を流れる冷却液の検出温度及び前記空調用回路を流れる冷却液の検出温度を用いて、前記燃料電池を通過した冷却液の温度を推定し、当該推定した温度が、予め設定された上限温度であって前記第1閾値よりも大きい上限温度を超えた場合に、前記発熱量を減少させるように前記発熱要素の少なくとも一部を制御してもよい。
さらに他の一態様では、前記制御手段は、さらに、前記冷却液回路を流れる冷却液の検出温度及び前記空調用回路を流れる冷却液の検出温度を用いて、前記燃料電池を通過した冷却液の温度を推定し、当該推定した温度が、予め設定された下限温度であって前記第一閾値よりも小さい下限温度を下回った場合に、前記切替手段により前記冷却回路と前記空調用回路とを切り離した状態にする制御を行うものであってよい。
また、前記空調用回路は、前記ヒータコアを通る冷却液を加熱する加熱手段をさらに含み、前記制御手段は、前記発熱量と前記放熱量との間の平衡をとる制御において、前記加熱手段を前記発熱要素にさらに含めて前記発熱量を推定し、推定した前記発熱量が推定した前記放熱量よりも小さい場合に、推定した前記発熱量と推定した前記放熱量との間の差に基づいて決定した出力で前記加熱手段を動作させてよい。
また、前記制御手段は、前記発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御において、推定した前記発熱量が推定した前記放熱量よりも小さい場合に、推定した前記発熱量と推定した前記放熱量との間の差が前記加熱手段の最大出力により得られる発熱量よりも大きければ、前記加熱手段を最大出力で動作させると共に前記燃料電池の発熱量を増加させる制御を行ってもよい。
また、前記制御手段は、前記発熱量と前記放熱量との間の平衡をとる制御において、推定した前記発熱量が推定した前記放熱量よりも大きい場合に、前記加熱手段を動作させないように制御してもよい。
本発明によると、燃料電池の廃熱を暖房に利用するときに、燃料電池の冷却液の温度を精度良く所定の範囲内に制御することができる。
燃料電池システムの概略構成の例を示すブロック図である。 ECUが行う制御処理の手順の例を示すフローチャートである。 熱量バランス制御処理の手順の例を示すフローチャートである。 FC出口冷却液温制御処理の手順の例を示すフローチャートである。 本発明の1つの実施形態の燃料電池システムにおける冷却液温の時間変化の一例を示す図である。 熱量バランス制御を行わない場合の燃料電池システムにおける冷却液温の時間変化の一例を示す図である。 ECUが行う制御処理の手順の他の例を示すフローチャートである。 FC出口冷却液温制御処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図1は、本発明の1つの実施形態の燃料電池システムの概略構成の例を示すブロック図である。図1に例示する燃料電池システム1は車両に搭載される。図1を参照し、燃料電池システム1は、FC冷却回路10、空調用回路30、及びECU(Electronic Control Unit)50を備える。FC冷却回路10は、燃料電池(Fuel Cell,FC)12を冷却する冷却液が流れる経路である。空調用回路30は、燃料電池システム1を搭載した車両の空調に用いられる冷却液が流れる経路である。ECU50は、燃料電池システム1及びこれを搭載した車両を制御する制御装置である。
図1において、実線矢印は冷却液の流れを表し、破線矢印はECU50と各種の要素との間で授受される信号の流れを表す。
なお、図1には、燃料電池システム1の構成要素のうち、FC冷却回路10及び空調用回路30に関連する要素を示し、他の要素については図示を省略している。例えば、図1には示していないが、燃料電池システム1は、燃料電池12へ空気を供給する空気供給装置、燃料電池12へ水素を供給する水素供給装置、及び燃料電池12から電力の供給を受ける負荷(例えば、インバータや二次電池)などをさらに備える。
FC冷却回路10は、燃料電池12、FC冷却液配管14、冷却液ポンプ16(以下、「FC側W/P」とも呼ぶ)、ラジエータ18、バイパス配管20、及びバルブ22を含む。
燃料電池12は、水素と酸素との電気化学反応を利用して電力を発生する。燃料電池12は、図示しない空気供給装置及び水素供給装置のそれぞれから空気及び水素の供給を受けて電力を発生し、発生した電力を図示しない負荷に供給する。
FC冷却液配管14は、燃料電池12を冷却する冷却液が循環する経路となる。冷却液ポンプ16は、冷却液をFC冷却液配管14に循環させるポンプである。
ラジエータ18は、FC冷却液配管14を通る冷却液の熱を放出させて冷却液を冷却する熱交換装置である。また、ラジエータ18には、送風によりラジエータ18における放熱を促進するラジエータファン19が設けられる。
バイパス配管20は、FC冷却液配管14から分岐し、ラジエータ18と並列に設けられる。バルブ22は、FC冷却液配管14とバイパス配管20との分岐点に設けられる。バルブ22の開度は、ECU50からの制御信号に従って可変である。バルブ22の開度の制御により、ラジエータ18を通る冷却液の量とバイパス配管20を通る冷却液の量との間の比が制御される。バルブ22の開度は、例えば、冷却液の温度が所定値以下である間はすべての冷却液がバイパス配管20を通るように制御され、冷却液の温度が当該所定値を超えている場合は冷却液の温度が高いほどラジエータ18を通る冷却液の量が多くなるように制御される。また、ECU50からの制御信号に従って開閉するバルブ22の代わりに、冷却液の温度に従って開度が変化するサーモスタットをFC冷却液配管14とバイパス配管20との間の分岐点付近に設けてもよい。
FC冷却回路10において、FC冷却液配管14に導かれて燃料電池12を通過した冷却液は、ラジエータ18又はバイパス配管20を通って再び燃料電池12へ送られる。ラジエータ18を通る冷却液は、ラジエータ18における放熱によって冷却される。
空調用回路30は、空調用冷却液配管32、冷却液ポンプ34(以下、「空調側W/P」とも呼ぶ)、ヒータコア36、及び電気ヒータ38を含む。
空調用冷却液配管32は、空調用回路30における冷却液の流路となる。冷却液ポンプ34は、冷却液を空調用冷却液配管32に流すポンプである。
ヒータコア36は、車両の空調システムの暖房運転時に、車室(被空調室)へ送られる空気を冷却液の熱により温める。電気ヒータ38は、ヒータコア36へ流れ込む冷却液を加熱する加熱手段である。
燃料電池システム1において、FC冷却回路10及び空調用回路30は、接続配管40,42により接続される。また、燃料電池システム1は、FC冷却回路10と空調用回路30とを切り離した状態と、FC冷却回路10と空調用回路30とを連結した状態と、を切り替える切替バルブ60を備える。
FC冷却回路10と空調用回路30とを切り離した状態では、切替バルブ60において、FC冷却液配管14から空調用冷却液配管32へ冷却液が流れ込む経路(実線矢印a)は閉じられ、冷却液は実線矢印bで示す方向に流れる。つまり、FC冷却回路10と空調用回路30とを切り離した状態では、FC冷却液配管14を流れる冷却液と空調用冷却液配管32を流れる冷却液とが混合することなく、FC冷却回路10及び空調用回路30のそれぞれにおいて冷却液が循環する。
FC冷却回路10と空調用回路30とを連結した状態では、切替バルブ60において、実線矢印aで示す冷却液の経路が開かれ、実線矢印bで示す冷却液の経路が閉じられる。このとき、燃料電池12から流れ出す冷却液の少なくとも一部は、FC冷却液配管14から空調用冷却液配管32へ導かれ、電気ヒータ38及びヒータコア36を通過したあと再びFC冷却液配管14に戻り、ラジエータ18又はバイパス配管20を通って燃料電池12に送られる。FC冷却回路10と空調用回路30とを連結した状態では、燃料電池12から熱を奪って温められた冷却液がヒータコア36を通るため、燃料電池12の廃熱を利用して車室に送られる空気を温めることになる。
なお、本実施形態の例において、切替バルブ60は、燃料電池システム1の通常運転時にはFC冷却回路10と空調用回路30とを切り離した状態とするように設定される。
ECU50は、各種のセンサから取得される検出値を用いて、燃料電池システム1の構成要素及び燃料電池システム1を搭載した車両が備える各種の装置を制御する。ECU50は、記憶部と演算部とを備えるマイクロコンピュータなどにより実現できる。例えば、ECU50が行う後述の制御処理の手順を記述したプログラム及び制御処理に用いられる各種の設定値をマイクロコンピュータの記憶部に予め記憶させておき、当該プログラムをマイクロコンピュータの演算部が読み出して実行することで、マイクロコンピュータをECU50として機能させることができる。
燃料電池システム1及びこれを搭載した車両には、ECU50における制御に用いられる値を検出する各種のセンサが設けられ、これらのセンサはそれぞれの検出値をECU50に対して出力する。これらのセンサの例として、図1には、FC冷却回路10及び空調用回路30に設けられる温度センサ8a〜8gを示す。
例えば、FC冷却回路10において、燃料電池12への冷却液の流入口付近、燃料電池12からの冷却液の流出口付近、ラジエータ18への冷却液の流入口付近、及びラジエータ18からの冷却液の流出口付近に、冷却液の温度を検出する温度センサ8a,8b,8c,8dが設けられる。温度センサ8a,8b,8c,8dは、それぞれ、燃料電池12へ流入する冷却液の温度(FC入口冷却液温)、燃料電池12から流出する冷却液の温度(FC出口冷却液温)、ラジエータ18へ流入する冷却液の温度(ラジエータ入口冷却液温)、及びラジエータ18から流出する冷却液の温度(ラジエータ出口冷却液温)を検出する。
また、空調用回路30において、ヒータコア36への冷却液の流入口付近の冷却液の温度(ヒータコア入口冷却液温)及びヒータコア36からの冷却液の流出口付近の冷却液の温度(ヒータコア出口冷却液温)をそれぞれ検出する温度センサ8e,8fが設けられる。さらに、ヒータコア36により温められる空気の温度(ヒータコア流入空気温度)を検出する温度センサ8gが設けられる。
ECU50は、例えば、温度センサ8bから取得したFC出口冷却液温を用いて、FC冷却回路10と空調用回路30とを切り離した状態にするか連結した状態にするかを決定する。そして、決定した結果に応じて生成した制御信号を切替バルブ60に対して出力することで切替バルブ60を制御し、FC冷却回路10と空調用回路30との間の切り離し状態あるいは連結状態を実現する。また例えば、ECU50は、上述の温度センサ8a〜8g及び他の図示しないセンサからの検出値を用いて、燃料電池システム1における発熱量及び放熱量を推定し、推定した発熱量と推定した放熱量との間の差に基づいて、発熱量と放熱量とを平衡させるように燃料電池12及び電気ヒータ38などを制御する。
以下、ECU50による制御の詳細及び燃料電池システム1の動作を説明する。
図2は、ECU50が行う処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ECU50は、例えば、車両の始動をユーザが指示した旨を表す信号をスタートスイッチ(図示しない)から取得したときに図2の例の手順の処理を開始する。
図2を参照し、まず、ECU50は、温度センサ8bからFC出口冷却液温TFCの検出値を取得する(ステップS10)。
次に、ECU50は、FC冷却回路10と空調用回路30とを連結することが空調システムから要求されているか否かを判定する(ステップS20)。例えば、ECU50は、図示しない暖房スイッチをユーザがONにしたことを示す信号を暖房スイッチから取得しているときは、空調システムからの連結要求があると判定し、暖房スイッチがOFFであることを示す信号を取得しているときは、空調システムからの連結要求がないと判定する。
空調システムから連結要求があれば(ステップS20でYES)、ECU50は、ステップS10で取得したFC出口冷却液温TFCが連結許可温度TP以上であるか否かを判定する(ステップS30)。連結許可温度TPは、FC冷却回路10と空調用回路30とを連結した状態にすることを許可するか否かをECU50が決定するための閾値である。連結許可温度TPは、燃料電池12の所望の動作温度に基づいて予め設定される。燃料電池12の所望の動作温度は、例えば、燃料電池12の発電効率が最大となることが判明している温度であり、燃料電池12の特性によって定まる。例えば固体高分子型の燃料電池の場合、所望の動作温度は約60℃〜約100℃の間の値であり得る。連結許可温度TPは、例えば、燃料電池12の所望の動作温度と同じ温度に設定される。
空調システムから連結要求がない場合(ステップS20でNO)、又はFC出口冷却液温TFCが連結許可温度TP未満である場合(ステップS30でNO)、FC冷却回路10と空調用回路30とが連結状態であるか否かが判定される(ステップS70)。連結状態であれば(ステップS70でYES)、ECU50は切替バルブ60を制御してFC冷却回路10と空調用回路30とを切り離した状態にする(ステップS80)。すなわち、切替バルブ60において、図1の実線矢印aで示す経路が閉じられ、実線矢印bで示す経路が開かれる。ステップS80の後、処理はステップS10に戻る。FC冷却回路10と空調用回路30とが連結状態でなければ(ステップS70でNO)、ステップS80を行わずにステップS10に戻る。
FC出口冷却液温TFCが連結許可温度TP以上であれば(ステップS30でYES)、ECU50は、切替バルブ60を制御して冷却回路10と空調用回路30とを連結した状態にする(ステップS40)。すなわち、切替バルブ60において、図1の実線矢印aの経路が開かれ、実線矢印bの経路が閉じられる。
次に、ECU50は、燃料電池システム1における発熱量と放熱量との間の平衡をとるため、熱量バランス制御処理を行う(ステップS50)。
図3は、熱量バランス制御処理(図2のステップS50)の詳細手順の例を示すフローチャートである。図2のステップS50が開始されると、図3の例の手順の処理が開始される。
図3を参照し、ECU50は、燃料電池システム1において発熱する要素である発熱要素の動作状態を取得する(ステップS500)。ここで、発熱要素の「動作状態」とは、ECU50が次のステップS502で各発熱要素の発熱量を推定するのに用いる各種のパラメータの値を指す。図1の例の燃料電池システム1では、燃料電池12、FC側W/P(冷却液ポンプ16)、空調側W/P(冷却液ポンプ34)、及び電気ヒータ38が発熱要素である。本例では、ステップS500で、ECU50は、燃料電池12の動作状態として、燃料電池12に設けられた電圧センサ及び電流センサ(図示しない)から、燃料電池12における電圧及び電流の検出値を取得する。また、FC側W/P、空調側W/P、及び電気ヒータ38については、それぞれの電力を取得する。
発熱要素の動作状態を取得すると、ECU50は、燃料電池システム1における発熱量Q1を推定する(ステップS502)。ステップS502で、ECU50は、ステップS500で取得した各発熱要素の動作状態から各発熱要素における発熱量を推定し、各発熱要素の発熱量の推定値の合計を燃料電池システム1における発熱量の推定値Q1とする。例えば、ECU50は、燃料電池12、FC側W/P、空調側W/P、及び電気ヒータ38のそれぞれについて推定した発熱量の合計をQ1として求める。燃料電池12の発熱量は、例えば、燃料電池12の電圧値及び電流値を用いて、電気化学反応前のガス(水素、酸素、水)の合計のエンタルピから、反応後のガスのエンタルピと電気エネルギを減じる演算を行うことで求められる。また、FC側W/P、空調側W/P、及び電気ヒータ38の発熱量は、それぞれ、ステップS200で取得した電力と各装置の動作特性とに基づいて推定される。
次に、ECU50は、燃料電池システム1において放熱する要素である放熱要素の動作状態を取得する(ステップS504)。ここで、放熱要素の「動作状態」とは、次のステップS506でECU50が各放熱要素の放熱量を推定するのに用いる各種のパラメータの値を指す。図1の例の燃料電池システム1では、ラジエータ18、ヒータコア36、FC冷却液配管14、バイパス配管20、及び空調用冷却液配管32が放熱要素である。本例では、ステップS504で、ECU50は、各温度センサ8a,8b,8c,8d,8e,8f,8gから、それぞれ、FC入口冷却液温、FC出口冷却液温、ラジエータ入口冷却液温、ラジエータ出口冷却液温、ヒータコア入口冷却液温、ヒータコア出口冷却液温、及びヒータコア流入空気温度の検出値を取得する。以上の各種の冷却液温は、対応する温度センサ8が設けられた部分の配管の放熱量の推定に用いられる。また、ラジエータ入口冷却液温はラジエータ18の放熱量の推定に用いられ、ヒータコア入口冷却液温及びヒータコア流入空気温度はヒータコア36の放熱量の推定に用いられる。また、各種の配管を流れる冷却液の流量の推定のため、ECU50は、FC側W/P及び空調側W/Pのそれぞれの回転数を取得する。ECU50は、ラジエータ18に関し、さらに、ラジエータファン19の回転数の検出値を図示しない回転数センサから取得する。あるいは、ラジエータファン19の電圧を図示しない電圧センサから取得し、この電圧からラジエータファン19の回転数を求める。また、ヒータコア36に関し、例えば、ヒータコア36を通過して車室内へ導かれる空気の流量を検出するセンサ(図示しない)からヒータコア通過風量の検出値を取得する。さらに、ECU50は、外気温及び燃料電池システム1を搭載した車両の速度(車速)をそれぞれ対応するセンサ(図示しない)から取得する。
ステップS504で取得した放熱要素の動作状態を用いて、ECU50は、燃料電池システム1における放熱量Q2を推定する(ステップS506)。ステップS506で、ECU50は、ステップS504で取得した各放熱要素の動作状態から各放熱要素における放熱量を推定し、各放熱要素の放熱量の推定値の合計を燃料電池システム1における放熱量の推定値Q2とする。例えば、ECU50は、ラジエータ18、ヒータコア36、FC冷却液配管14、バイパス配管20、及び空調用冷却液配管32のそれぞれについて推定した放熱量の合計をQ2として求める。
ラジエータ18の放熱量は、例えば、ラジエータ18を通る冷却液の流量、ラジエータ入口冷却液温、外気温、及びラジエータ18周辺の風流れ状態に基づいて推定できる。ラジエータ18を通る冷却液の流量は、例えば、バルブ22の開度及びFC側W/Pの回転数から求めることができる。また、風流れ状態は、例えば、ラジエータファン19の回転数及び車速から求めることができる。
ヒータコア36の放熱量は、例えば、ヒータコア36を通る冷却液の流量、ヒータコア入口冷却液温、ヒータコア36を通過する空気の量、及びヒータコア流入空気温などに基づいて推定できる。ヒータコア36を通る冷却液の流量は、例えば、空調側W/Pの回転数から求めることができる。
FC冷却液配管14、バイパス配管20、及び空調用冷却液配管32の各種の配管の放熱量は、例えば、各配管に流れる冷却液の流量、各配管における冷却液の温度、外気温、及び各配管の外部の風流れ状態に基づいて推定できる。各配管の外部の風流れ状態は、例えば、車速及びラジエータファン19の回転数などから推定できる。
発熱量Q1及び放熱量Q2を推定すると、ECU50は、放熱量Q2が発熱量Q1を超えているか否かを判定する(ステップS508)。
放熱量Q2が発熱量Q1を超えていなければ(ステップS508でNO)、ECU50は、電気ヒータ38の作動を停止させる(ステップS518)。これ以上の発熱を抑えるためである。なお、この時点でヒータコア36を通る冷却液の温度は連結許可温度TP以上である(例えば、約60℃〜約100℃付近)ことから、電気ヒータ38が作動しなくても、ヒータコア36の温度は暖房の熱源として十分高い温度になり得る。
一方、放熱量Q2が発熱量Q1を超えている場合(ステップS508でYES)、ECU50は、燃料電池システム1における発熱量を増加させる処理(ステップS510〜ステップS516)を行う。
ステップS510では、放熱量Q2と発熱量Q1との間の差(Q2−Q1)が電気ヒータ38の能力(最大出力)Qh以下であるか否かを判定する。
Q2−Q1が電気ヒータ38の能力Qh以下である場合(ステップS510でYES)、ECU50は、電気ヒータ38の出力がQ2−Q1[kW]となるように電気ヒータ38を制御する(ステップS512)。
Q2−Q1が電気ヒータ38の能力Qhを超えている場合(ステップS510でNO)、ECU50は、電気ヒータ38の出力が最大出力Qh[kW]となるように電気ヒータ38を制御し(ステップS514)、さらに、放熱量と発熱量との間の差Q2−Q1から電気ヒータ38の能力Qhを減じた分の熱量を燃料電池12で余分に発熱させる制御を行う(ステップS516)。
ステップS516では、例えば、燃料電池12における発電量を増加させる制御を行うことで、燃料電池12における発熱量を増加させる。例えば、燃料電池12において、車両の駆動のために必要な発電量に加えて、Q2−Q1−Qh[kW]だけ余分に発電させる。あるいは、例えば、燃料電池12における発電量は増加させずに、燃料電池12に対して供給する空気の出力を減少させて燃料電池12の発電効率を低下させることで発熱量を増加させてもよい。
ステップS512,S516,又はS518の後、図3に例示する熱量バランス制御処理は終了する。
再び図2を参照し、熱量バランス制御処理(ステップS50,図3)の後、ECU50は、燃料電池12を通る冷却液の温度を所定の範囲内に制御するため、FC出口冷却液温制御処理(ステップS60)を行う。
図4に、FC出口冷却液温制御処理の詳細手順の例を示す。図2のステップS60が開始されると、図4の例の手順の処理が開始される。
図4を参照し、まず、ECU50は、温度センサ8bからFC出口冷却液温TFCの検出値を取得する(ステップS602)。
そして、取得したFC出口冷却液温TFCが予め設定された上限温度TUを超えているか否かを判定する(ステップS604)。上限温度TUは、連結許可温度TPよりも大きな値であって、燃料電池12の効率が低下しない範囲内の値に設定される。例えば、TU=TP+5.0℃に設定される。
FC出口冷却液温TFCが上限温度TUを超えていれば(ステップS604でYES)、ECU50は、燃料電池システム1における発熱量を減少させる制御を行う(ステップS606)。ステップS606で、ECU50は、例えば、電気ヒータ38が作動している場合に電気ヒータ38を停止させる。ECU50は、さらに、燃料電池12において余分に発熱させる制御を行っている場合(図3のステップS516参照)に燃料電池12における余分な発熱を停止させる。例えば、燃料電池12において発熱量を増加させるために余分に発電させていた場合は、発電量を通常に戻し、燃料電池12から電力供給を受ける負荷において必要な分の電力だけを燃料電池12で発電するように制御する。また例えば、余分に発電させることなく供給空気の出力を低下させて発電効率を低下させることで燃料電池12の発熱量を増加させていた場合は、供給空気の出力を元に戻す。ステップS606の後、図4の例の手順の処理は終了する。
なお、ステップS606において、すでに電気ヒータ38が停止しており、かつ、燃料電池12において余分に発熱させる制御を行っていない場合、ECU50は、バルブ22の開度を制御してラジエータ18を通る冷却液の量を増加させてもよい。ラジエータ18を通る冷却液の量が増加されると、ラジエータ18における放熱により燃料電池12を通る冷却液の温度は低下する。
FC出口冷却液温TFCが上限温度TU以下であれば(ステップS604でNO)、ECU50は、FC出口冷却液TFCが予め設定された下限温度TLを下回っているか否かを判定する(ステップS608)。下限温度TLは、連結許可温度TPよりも小さな値であって、燃料電池12の効率が低下しない範囲内の値に設定される。例えば、TL=TP−5.0℃に設定される。
FC出口冷却液TFCが下限温度TLを下回っていれば(ステップS608でYES)、ECU50は、切替バルブ60を制御して、FC冷却回路10と空調用回路30とを切り離す(ステップS610)。つまり、切替バルブ60において、図1の実線矢印aで示す経路が閉じられ、実線矢印bで示す経路が開かれる。ステップS610の後、図4の例の手順の処理は終了する。
FC出口冷却液TFCが下限温度TL以上であれば(ステップS608でNO)、ステップS610の処理を行うことなく図4の例の手順の処理は終了する。
図4に例示するFC出口冷却液温制御処理が終了した後、ECU50は、図2のステップS10以下の処理を繰り返す。
図2〜図4を参照して説明した処理の例において、FC冷却回路10と空調用回路30とが切り離されたとき(図2のステップS80又は図4のステップS610)には、ECU50は、空調システムで要求される暖房性能(例えば、ユーザが指示した暖房の設定温度、車室内の温度、及び外気温などから定まる)に従って、電気ヒータ38の出力を制御してヒータコア36を通る冷却液の温度を制御する。
また、上述の図2〜図4の処理の例では、FC冷却回路10と空調用回路30とを連結する(図2のステップS40)ときに、熱量バランス制御処理(ステップS50)により両回路の連結の前後でFC冷却回路10を流れる冷却液の温度変化を小さくすることができる。さらに、FC出口冷却液温制御処理(ステップS60)によりFC冷却回路10を流れる冷却液の温度を所定範囲内に制御できる。したがって、本実施形態によると、燃料電池12の廃熱を暖房に利用するときに、例えば熱量バランス制御処理を行わない技術と比較してより確実に燃料電池12を通る冷却液の温度を所定範囲内に制御できる。
図5に、燃料電池システム1において上述の図2〜図4の処理を行った場合の暖房運転時のFC出口冷却液温TFCの時間変化の一例を示す。図5の例では、図2のステップS30の連結許可温度TP=70℃、図4のステップS604の上限温度TU=75℃、及び図4のステップS608の下限温度TL=65℃に設定されているものとする。図5を参照し、FC出口冷却液温TFCが70℃(=連結許可温度TP)に達すると、FC冷却回路10と空調用回路30とが連結され(t1)、燃料電池12の廃熱を利用した暖房が開始される。このとき、熱量バランス制御(図2のステップS50,図3)によって燃料電池システム1における発熱量と放熱量との間の平衡が維持されるため、FC出口冷却液温TFCは連結許可温度TP付近で安定している。図5の例では、FC出口冷却液温TFCが65℃(下限温度TL)を下回らないため、FC冷却回路と空調用回路とは切り離されることなく連結されたままになる(図4のステップS608でNOの場合参照)。また、図5の例において、FC出口冷却液温TFCは上限温度TU=75℃を超えることもない。
一方、図6は、図1の例の燃料電池システム1と同様の構成を有する燃料電池システムにおいて熱量バランス制御処理を行わない場合の暖房運転時におけるFC出口冷却液温TFCの時間変化の例を示す。図6の例は、燃料電池システムにおいて、暖房運転時に、FC出口冷却液温TFCが所定値(本例では75℃)に達するとFC冷却回路10と空調用回路30とを連結し、FC出口冷却液温TFCが所定値(本例では65℃)まで下がるとFC冷却回路10と空調用回路30とを切り離すように制御した場合のFC出口冷却液温TFCの温度変化の一例である。図6を参照し、FC出口冷却液温TFCが75℃に達するとFC冷却回路10と空調用回路30とが連結される(t2)。両回路が連結されると、空調用回路30のヒータコア36での放熱によってFC出口冷却液温TFCは低下する。FC出口冷却液温TFCが65℃まで下がると、FC冷却回路10と空調用回路30とが切り離される(t3)。両回路が切り離されると、燃料電池12を通過した後の冷却液は空調用回路30へ流れることなくFC冷却回路10のみを循環する。このため、FC出口冷却液温TFCは燃料電池12の発熱により再び上昇する。FC出口冷却液温TFCが再び75℃に達すると両回路の連結が行われ(t4)、その後FC出口冷却液温TFCが65℃まで下がると両回路は再び切り離される(t5)。なお、両回路が切り離されている間、ヒータコア36へ流れ込む冷却液は空調用回路30の電気ヒータ38により温められる。
図5及び図6に示すFC出口冷却液温TFCの時間変化を比較すると、熱量バランス制御処理を行う図5の場合の方が、熱量バランス制御処理を行わない図6の場合よりもFC出口冷却液温TFCの値が安定することがわかる。
以下、ECU50による制御処理の変形例を説明する。
図7は、ECU50が行う処理の手順の他の一例を示すフローチャートである。図7の例の手順の基本的な流れは図2に例示する手順と同様である。図7において、図2の例と同様の処理ステップには図2と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図7の例の手順の処理は、ステップS30の判定でYESに進んだ後、ステップS40の前にステップS35の判定処理が行われる点で、図2の例の手順の処理と異なる。
図7のステップS35で、ECU50は、ステップS10で温度センサ8bから取得したFC出口冷却液温TFCと、温度センサ8fから取得したヒータコア出口冷却液温Thと、の間の差が予め設定された閾値θ以下であるか否かを判定する。閾値θは、FC冷却回路10と空調用回路30とが切り離された状態から連結された状態に切り替えられた場合のFC冷却回路10を流れる冷却液の温度の変化が許容範囲内となることが判明している値(例えば、約10℃〜15℃の間の値)に設定される。FC出口冷却液温TFCとヒータコア出口冷却液温Thとの間の差が閾値θ以下であれば(ステップS35でYES)、ステップS40以下の処理が行われ、FC出口冷却液温TFCとヒータコア出口冷却液温Thとの間の差が閾値θを超えていれば(ステップS35でNO)、ステップS70以下の処理が行われる。
図7の例の手順の処理では、FC出口冷却液温TFCが連結許可温度TP以上であり(ステップS30でYES)、かつ、FC出口冷却液温TFCとヒータコア出口冷却液温Thとの間の差が閾値θ以下である(ステップS35でYES)場合に、FC冷却回路10と空調用回路30との間の連結(ステップS40)が行われる。これにより、FC冷却回路10と空調用回路30とを連結する前後でFC冷却回路10を通る冷却液の温度が急激に変化することを防ぐ。
図8は、FC出口冷却液温制御処理の詳細手順の他の一例を示すフローチャートである。ECU50は、図2又は図7のステップS60で、上述の図4の例のFC出口冷却液温制御処理の代わりに、図8に例示する手順の処理を行ってもよい。図8において、図4の例と同様の処理ステップには図4と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8の例のFC出口冷却液温制御処理において、ECU50は、まず、温度センサ8b及び温度センサ8fからそれぞれFC出口冷却液温TFC及びヒータコア出口冷却液温Thを取得し、冷却液ポンプ16,34のそれぞれに設けられたセンサ(図示しない)からFC側W/P及び空調側W/Pのそれぞれの回転数を取得する(ステップS601)。
次に、ステップS601で取得した値を用いて、ECU50は、FC出口冷却液温TFCの推定値TFC-Eを算出する(ステップS603)。例えば、FC側/WPの回転数からFC冷却回路10において空調用回路30と並列に流れる冷却液の量を推定し、空調側W/Pの回転数から空調用回路30を流れる冷却液の量を推定し、これらの冷却液が混合したときの冷却液の温度を、FC出口冷却液温TFC及びヒータコア出口冷却液温Thを用いて推定する。この推定した冷却液温度と、燃料電池12の電圧及び電流から推定される燃料電池12における発熱量と、に基づいてFC出口冷却液温の推定値TFC-Eが算出される。
その後、ステップS603で算出された推定値TFC-Eが上限温度TUを超えていれば(ステップS605でYES)、図4の例と同様の発熱量減少制御処理(ステップS606)が行われ、推定値TFC-Eが上限温度TU未満であれば(ステップS605でNO)、推定値TFC-Eが下限温度TLを下回っているか否かが判定される(ステップS607)。下回っていれば(ステップS607でYES)FC冷却回路10と空調用回路とを切り離し(ステップS610)、推定値TFC-Eが下限温度TL以上であれば(ステップS607でNO)ステップS610を行わずに、図8の例の手順の処理は終了する。
図8の例の手順の処理では、温度センサ8bによるFC出口冷却液温の検出値とヒータコア出口冷却液温を用いて求めたFC出口冷却液温の推定値TFC-Eについて、下限温度TL〜上限温度TUの範囲内となるように制御する。したがって、例えば、FC出口冷却液温が変化して温度センサ8bによる温度の検出に遅れが発生するような場合、FC出口冷却液温の推定値TFC-Eを温度制御に用いる図8の例の手順の処理によると、温度センサ8bの検出値自体を用いる場合と比較して、温度制御に対する温度センサ8bの検出の遅れの影響をより小さくすることができる。
以上で説明した実施形態において、図2及び図7の例の手順の処理では、FC冷却回路10と空調用回路30とを連結(ステップS40)した後、熱量バランス制御処理(ステップS50)が行われる。他の実施形態の処理の例では、ステップS40及びステップS50の実行順を逆にしてもよい。つまり、図2又は図7の例の手順において、ステップS30又はステップS35の判定でYESに進んだときに、FC冷却回路10と空調用回路30とを連結する前に、熱量バランス制御処理(ステップS50)を行い、熱量バランス制御処理の終了後、FC冷却回路10と空調用回路30とを連結する(ステップS40)ようにしてもよい。
なお、上述の例の燃料電池システム1では、暖房の熱源として空調用回路30に設けられたヒータコア36及び電気ヒータ38のみを用いるが、周知のヒートポンプをさらに用いてもよい。また例えば、車室に送られる空気を温める電気ヒータをさらに設けてもよい。ヒータコア36の他の熱源をさらに暖房に利用するシステムにおいても、以上で説明した各種の実施形態の処理は同様に実行できる。
以上で説明した各種の実施形態を一般化すると、次のように捉えることができる。燃料電池を冷却する冷却液が流れる冷却回路と、被空調室内へ送られる空気を加熱するヒータコアを通って冷却液が流れる空調用回路と、を連結した状態あるいは切り離した状態に切り替え可能である燃料電池システムにおいて、当該燃料電池システムにおける発熱量と放熱量とを推定し、この推定の結果を用いて、当該燃料電池システムにおける発熱量と放熱量との平衡をとるように当該燃料電池システムを制御する制御手段を備える。
1 燃料電池システム、8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g 温度センサ、10 冷却回路、12 燃料電池、14 冷却液配管、16,34 冷却液ポンプ、18 ラジエータ、19 ラジエータファン、20 バイパス配管、22 バルブ、30 空調用回路、32 空調用冷却液配管、36 ヒータコア、38 電気ヒータ、40,42 接続配管、60 切替バルブ。

Claims (7)

  1. 燃料電池を冷却する冷却液が流れる冷却回路であって前記燃料電池を通って温められた冷却液を冷却する熱交換器を含む冷却回路と、
    被空調室内へ送られる空気を加熱するヒータコアを通って冷却液が流れる空調用回路と、
    前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態と、前記冷却回路と前記空調用回路とを切り離した状態と、を切り替える切替手段と、
    前記冷却回路を流れる冷却液の検出温度が前記燃料電池について最大効率になる望動作温度に基づいて予め定められた第一閾値以上である場合に、
    前記切替手段により前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態にする制御と、
    前記冷却回路及び前記空調用回路において発熱する要素であって前記燃料電池を含む発熱要素の動作状態から前記発熱量を推定し、前記冷却回路及び前記空調用回路において放熱する要素であって前記熱交換器及び前記ヒータコアを含む放熱要素の動作状態から前記放熱量を推定し、推定した前記発熱量が推定した前記放熱量よりも小さい場合に、前記発熱量を増加させるように前記発熱要素の少なくとも一部を制御して、前記冷却回路及び前記空調用回路における発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御と、を行う制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記冷却液の温度が上昇して前記第一閾値以上となったときに前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態にし、前記発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御を開始し、さらに前記冷却液の温度が上昇して前記第一閾値を超える温度であって前記燃料電池の効率が低下しない上限である上限温度を超えるときは燃料電池システムにおける発熱量を減少させる制御を行い、これにより前記冷却液の温度が低下して前記第一閾値未満の温度であって、前記燃料電池の効率が低下しない下限である下限温度未満となるときに、前記冷却回路と前記空調用回路とを切り離す制御を行い、
    前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態における前記発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御によって、前記冷却液の温度を、前記下限温度と前記上限温度の間の温度範囲よりも狭い温度範囲に安定させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記冷却回路を流れる冷却液の検出温度が前記第一閾値以上であり、かつ、前記冷却回路を流れる冷却液の検出温度と前記空調用回路を流れる冷却液の検出温度との間の差が予め設定された第二閾値以下である場合に、前記冷却回路と前記空調用回路とを連結した状態にする制御と、前記発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御と、を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、さらに、前記冷却液回路を流れる冷却液の検出温度及び前記空調用回路を流れる冷却液の検出温度を用いて、前記燃料電池を通過した冷却液の温度を推定し、当該推定した温度が、予め設定された上限温度であって前記第1閾値よりも大きい上限温度を超えた場合に、前記発熱量を減少させるように前記発熱要素の少なくとも一部を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、さらに、前記冷却液回路を流れる冷却液の検出温度及び前記空調用回路を流れる冷却液の検出温度を用いて、前記燃料電池を通過した冷却液の温度を推定し、当該推定した温度が、予め設定された下限温度であって前記第一閾値よりも小さい下限温度を下回った場合に、前記切替手段により前記冷却回路と前記空調用回路とを切り離した状態にする制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記空調用回路は、前記ヒータコアを通る冷却液を加熱する加熱手段をさらに含み、
    前記制御手段は、
    前記発熱量と前記放熱量との間の平衡をとる制御において、前記加熱手段を前記発熱要素にさらに含めて前記発熱量を推定し、推定した前記発熱量が推定した前記放熱量よりも小さい場合に、推定した前記発熱量と推定した前記放熱量との間の差に基づいて決定した出力で前記加熱手段を動作させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、
    前記発熱量と放熱量との間の平衡をとる制御において、推定した前記発熱量が推定した前記放熱量よりも小さい場合に、推定した前記発熱量と推定した前記放熱量との間の差が前記加熱手段の最大出力により得られる発熱量よりも大きければ、前記加熱手段を最大出力で動作させると共に前記燃料電池の発熱量を増加させる制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、
    前記発熱量と前記放熱量との間の平衡をとる制御において、推定した前記発熱量が推定した前記放熱量よりも大きい場合に、前記加熱手段を動作させないように制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の燃料電池システム。
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