JP5476688B2 - ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 Download PDF

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Description

本発明は、良流動性を有し、また、射出成形後の高い耐衝撃性、高い寸法精度、良外観性を有し、さらには限界酸素指数26以上の高い難燃性を有するポリアミド樹脂組成物、ならびにそれを成形してなる難燃性樹脂カバー部品に関する。
従来、燃料供給機に使用されるカバー部品には、主に金属が使用されていたが、近年、生産性の観点から樹脂化が求められており、現在市場で一部使用されている。しかしながら、近年、セルフ式燃料供給機が普及したことにより、そのカバーには更に高い難燃性、耐衝撃性、耐燃料性能が求められるようになり、更なる改良が求められている。
例えば特許文献1には層状珪酸塩を配合した結晶性ポリアミドとポリアミド66/6I/6の3元共重合ポリアミド樹脂が提案されているが、吸水による寸法変化を抑制できる半面、衝撃強度が低下する欠点があった。特許文献2では、ポリアミド6を主成分とする66/6I/6の3元共重合ポリアミド樹脂組成物が提案されているが流動性が悪い為、大型の成形品に適するものではなかった。
特許第4042378号公報(請求項1) 特願平11−560322号公報(請求項3)
本発明は、高い耐衝撃性、高い寸法精度を発現し、吸水による寸法変化を抑え、製品外観のソリ、リブヒケを限りなく低減する事、更には限界酸素指数26以上の難燃性を両立した燃料供給機に使用される樹脂カバー部品を提供することを目的とする。
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、3元共重合体(ポリアミド66/6I/6)などの半芳香族共重合ポリアミド樹脂、ポリアミド6などの脂肪族ポリアミド樹脂、膨潤性層状珪酸塩、酸変性ポリフェニレンエーテル、酸変性ポリオレフィン樹脂、タルクを配合した樹脂組成物とすることより、前記目的を達成し得ることを見いだし本発明に到達した。
すなわち本発明は、(1)(a−1)と(a−2)の合計を100重量%として、(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂60〜40重量%および(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂40〜60重量%を配合してなる(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂を2〜18重量部、(C)酸変性ポリオレフィン樹脂を2〜18重量部、(D)膨潤性層状珪酸塩を2〜10重量部、および(E)タルクを15〜30重量部からなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物、
(2)(D)膨潤性層状珪酸塩が、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムで有機化されていることを特徴とする、(1)記載のポリアミド樹脂組成物、
(3)(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂が、(a1−1)ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量%、(a1−2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%および(a1−3)カプロアミド単位1〜14重量%を含み、(a1−2)/(a1−3)の共重合重量比が1以上である3元共重合体(ポリアミド66/6I/6)であることを特徴とする(1)または(2)記載のポリアミド樹脂組成物、
(4)(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂が、無水マレイン酸で変性されていることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物、
(5)(C)酸変性ポリオレフィン樹脂が、無水マレイン酸で変性されていることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物、
(6)(1)〜(5)のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物からなる成形品、
(7)成形品が、難燃性樹脂カバー部品であることを特徴とする(6)記載の成形品、により構成される。

本発明の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂に半芳香族共重合ポリアミド樹脂と脂肪族ポリアミド樹脂の混合物を用い、酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂および変性ポリオレフィン系樹脂を配合することで、高い耐衝撃性を発現し、吸水による寸法変化を抑え、限界酸素指数26以上の難燃性を有するポリアミド樹脂であり、更に無機充填剤として、膨潤性層状珪酸塩およびタルクを配合する事で、高い寸法精度を発現し、製品外観のソリ、リブヒケを限りなく低減する事が出来るポリアミド樹脂である。
本発明のポリアミド樹脂は、寸法精度に優れる為、樹脂カバー成形品に好適であり、携帯電話、PHS、液晶テレビ、プラズマディスプレー、PDA、小型テレビ、ラジオ、ノートパソコン、パソコン、マウス、プリンター、スキャナー、メモリ機器、パソコン周辺機器、ビデオデッキ、DVDデッキ、CDデッキ、MDデッキ、DATデッキ、アンプ、カセットデッキ、ポータブルCDプレーヤー、ポータブルMDプレーヤー、カメラ、デジタルカメラ、双眼鏡、顕微鏡、望遠鏡、時計、家庭用電話、オフィス用電話、玩具、医療機器、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、ファクシミリ部品、コピー機部品、建材関係部品、家具部品などの外観部品に優れる。中でも、燃料供給機に使用される樹脂カバー部品に特に優れるものである。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明で用いられる(A)ポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクをロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるナイロンホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、150℃以上の融点を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)などの脂肪族ポリアミド樹脂、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリドデカンアミドコポリマー(ナイロン6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/M5T)、ポリノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)などの半芳香族共重合ポリアミド樹脂およびこれらの混合物などが挙げられる。
本発明では、(A)ポリアミド樹脂として、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂と(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂の混合物を用いることが重要である。半芳香族ポリアミドを選択することで、溶融状態での粘度(溶融粘度)が制御でき、無機充填剤の高配合が可能となり、更に脂肪族ポリアミドを配合することで、半芳香族ポリアミドの結晶化の遅さを補い、優れた成形性を発現することが出来る。また、半芳香族ポリアミドと脂肪族ポリアミドを調整して配合することで、無機充填剤を配合した場合、良外観と高剛性、優れた成形性を同時に実現することが出来る。半芳香族ポリアミド樹脂と脂肪族ポリアミド樹脂の混合比率は、無機充填剤を配合した時、良外観を発現するために、(a−1)と(a−2)の合計を100重量%として、(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂が60〜40重量%、(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂が40〜60重量%である必要がある。
好ましい(a−1)半芳香族ポリアミド樹脂は、(a1−1)ヘキサメチレンアジパミド単位、(a1―2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位、および(a1―3)カプロアミド単位からなる3元共重合体(ポリアミド66/6I/6樹脂)であり、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の当モル塩、およびεカプロラクタムを重合缶内で加熱、重合することで得られる。その共重合比率は、配合原料の比率である。好ましい各繰返し構造単位の共重合割合は、(a1−1)65〜90重量%、(a1−2)5〜30重量%、(a1−3)1〜14重量%、及び、(PA6I)/(PA6)の共重合重量比1以上を同時に満たす比率である。これらの共重合比は共重合体を製造する際の原料の割合を調整することにより、達成される。なお、(a1−2)/(a1−3)の共重合重量比の上限については特に制限はないが、本発明においては靭性の観点から4以下が好ましい。
好ましい(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂は、無機充填剤を配合した際の外観、成形性から、ポリアミド6樹脂である。本発明で用いられるポリアミド6樹脂とは、ε−カプロラクタムを構成成分とするポリアミドである。成形加工性、相溶性などの必要特性に応じて、ポリアミド6樹脂に更に他の脂肪族ポリアミド樹脂を加えて混合物として用いることも実用上好適である。他のポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド6/66)、およびこれらの混合物などが挙げられる。
本発明において、ポリアミド6樹脂に代表される脂肪族ポリアミド樹脂、ポリアミド66/6I/6に代表される半芳香族ポリアミド樹脂の重合度には特に制限がないが、25℃で測定した相対粘度(98%硫酸法)が、1.5〜4.5の範囲のものが好ましく、より好ましくは1.7〜4.0、特に好ましくは1.8〜3.5の範囲である。
(B)酸変性したポリフェニレンエーテル樹脂とは、ポリフェニレンエーテル樹脂と酸無水物を無触媒下で溶融混練し、もしくは触媒下で反応し得ることが出来るが、その製造方法には特に制約はない。一例としては、市販のポリフェニレンエーテル樹脂と無水マレイン酸を押出機で溶融混練し、溶融下で反応させ、製造することができる。
(B)酸変性したポリフェニレンエーテル樹脂は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、2〜18重量部である必要がある。2重量部未満ではリブヒケ低減効果が得られず、18重量部を越えると相溶化出来ず、衝撃強度が大きく低下するだけでなく、成形品外観を大きく損なう。
(C)酸変性したポリオレフィン樹脂とは、ポリオレフィン樹脂と酸無水物を無触媒下で溶融混練し、もしくは触媒下で反応し得ることが出来るが、その製造方法には特に制約はない。一例としては、市販のポリオレフィン樹脂と無水マレイン酸を押出機で溶融混練し、溶融下で反応させ、製造することができる。
(C)酸変性したポリオレフィン樹脂は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、2〜18重量部である必要がある。2重量部未満ではリブヒケ低減効果が得られず、18重量部を越えると、相溶化出来ず、衝撃強度が大きく低下するだけでなく、成形品外観を大きく損なう。
(D)膨潤性層状珪酸塩とは、アルミニウム、マグネシウム、リチウム等の金属を含む8面体シートの上下に珪酸4面体シートが重なって1枚の板状結晶層を形成している2:1型の構造を持つものであり、通常、その板状結晶層の層間に交換性の陽イオンを有している。
その1枚の板状結晶の大きさは、通常幅0.05〜0.5μm、厚さ6〜15オングストロームである。また、その交換性陽イオンのカチオン交換容量は0.2〜3meq/gのものが挙げられ、好ましくはカチオン交換容量が0.8〜1.5meq/gのものである。
層状珪酸塩の具体例としてはモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性雲母等が挙げられ、天然のものであっても合成されたものであっても良い。これらのなかでもモンモリロナイト、ヘクトライトなどのスメクタイト系粘土鉱物やNa型四珪素フッ素雲母、Li型フッ素テニオライトなどの膨潤性雲母が好ましく、特にモンモリロナイトが最も好ましい。
本発明においては層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩を用いることが好ましい。
有機オニウムイオンとしてはアンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。これらのなかではアンモニウムイオンとホスホニウムイオンが好ましく、特にアンモニウムイオンが好んで用いられる。アンモニウムイオンとしては、1級アンモニウム、2級アンモニウム、3級アンモニウム、4級アンモニウムのいずれでも良い。
1級アンモニウムイオンとしてはデシルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、オクタデシルアンモニウム、オレイルアンモニウム、ベンジルアンモニウムなどが挙げられる。
2級アンモニウムイオンとしてはメチルドデシルアンモニウム、メチルオクタデシルアンモニウムなどが挙げられる。
3級アンモニウムイオンとしてはジメチルドデシルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウムなどが挙げられる。
4級アンモニウムイオンとしてはベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルドデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムなどのベンジルトリアルキルアンモニウムイオン、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウムなどのアルキルトリメチルアンモニウムイオン、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムなどのジメチルジアルキルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウムなどのトリアルキルメチルアンモニウムイオンなどが挙げられる。
また、これらの他にもアニリン、p−フェニレンジアミン、α−ナフチルアミン、p−アミノジメチルアニリン、ベンジジン、ピリジン、ピペリジン、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などから誘導されるアンモニウムイオンなども挙げられる。
これらのアンモニウムイオンの中でも、好ましいものは4級アンモニウムイオンであり、例えばトリオクチルメチルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム、12−アミノドデカン酸から誘導されるアンモニウムイオンなどが挙げられ、特にトリオクチルメチルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムが最も好ましい。
本発明において層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩は、交換性の陽イオンを層間に有する層状珪酸塩と有機オニウムイオンを公知の方法で反応させることにより製造することができる。具体的には、水、メタノール、エタノールなどの極性溶媒中でのイオン交換反応による方法か、層状珪酸塩に液状あるいは溶融させたアンモニウム塩を直接反応させることによる方法などが挙げられる。
本発明において、層状珪酸塩に対する有機オニウムイオンの量は、層状珪酸塩の分散性、溶融時の熱安定性、成形時のガス、臭気の発生抑制などの点から、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し通常、0.4〜2.0当量の範囲であるが、0.8〜1.2当量であることが好ましい。
また、これら層状珪酸塩は上記の有機オニウム塩に加え、反応性官能基を有するカップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得るために好ましい。かかるカップリング剤としてはイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。
特に好ましいのは、有機シラン系化合物であり、その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等の炭素炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。特に、炭素炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物が好ましく用いられる。
これらカップリング剤での層状珪酸塩の処理は、水、メタノール、エタノールなどの極性溶媒中、あるいはこれらの混合溶媒中でカップリング剤を層状珪酸塩に吸着させる方法か、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌混合機の中で層状珪酸塩を攪拌しながらカップリング剤溶液を滴下して吸着させる方法、さらには層状珪酸塩に直接シランカップリング剤を添加して、乳鉢等で混合して吸着させることによる方法のどれを用いても良い。層状珪酸塩をカップリング剤で処理する場合には、カップリング剤のアルコキシ基の加水分解を促進するために水、酸性水、アルカリ性水等を同時に混合するのが好ましい。また、カップリング剤の反応効率を高めるため、水のほかにメタノールやエタノール等の水、カップリング剤両方を溶解する有機溶媒を混合してもかまわない。このようなカップリング剤で処理した層状珪酸塩を熱処理することによってさらに反応を促進させることも可能である。なお、本発明の組成物を層状珪酸塩とポリアミド樹脂を溶融混練して製造する際には予め層状珪酸塩のカップリング剤による処理を行わずに、層状珪酸塩とポリアミド樹脂を溶融混練する際に、これらカップリング剤を添加するいわゆるインテグラルブレンド法を用いてもよい。
層状珪酸塩の有機オニウムイオンによる処理とカップリング剤による処理の順序にも特に制限はないが、まず有機オニウムイオンで処理した後、カップリング剤処理をすることが好ましい。
本発明において(D)膨潤性層状珪酸塩の含有量は本発明の(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、2〜10重量部となる範囲である。(D)膨潤性層状珪酸塩の含有量が2重量部未満では寸法安定性が悪く、また剛性改良効果が小さく、(D)膨潤性層状珪酸塩の含有量が10重量部を越えると難燃性が発現されない場合がある。
本発明のポリアミド樹脂組成物においては、マトリックスであるポリアミド樹脂中に層状珪酸塩が単層のレベルで均一に分散していることが好ましい。単層のレベルで均一に分散している状態とは、層状珪酸塩が単層〜10層程度の状態で、二次凝集することなくマトリックス樹脂全体に分散していることを言う。この状態はポリアミド樹脂組成物から切片を切削しこれを電子顕微鏡で観察することによって確認できる。
本発明ではさらに(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(E)タルクを15〜30重量部配合することが重要である。(E)タルクの配合量が15重量部未満では剛性改良効果が小さく、(E)タルクの含有量が30重量部を越えると成形性が低下する場合がある。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、さらに本発明の目的を損なわない範囲で他のポリマー、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、および染料・顔料を含む着色剤などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物製造方法は特に制限はなく、例えば単軸または2軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて220〜330℃の温度で溶融混練する方法等が挙げられる。また、ガラス繊維など、繊維状の無機充填剤は、その直径に対する長手方向の長さの割合が高いほど高い補強効果が発現するため、樹脂成分が溶融した後に無機強化剤を配合する製造方法が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形など通常の方法で容易に成形することができ、得られた成形品は、良外観性、成形性、剛性に優れ、電気電子部品、自動車部品、建材部品などの筐体、外装部品に好適である。また、小型筐体、外装成形品に求められる特性である高耐衝撃性、高寸法精度、かつ塗装性に優れることから、燃料供給機に使用されるカバーに好適である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形のいずれかの方法によって、大型筐体カバー、電気電子部品、自動車部品、建材部品などの筐体に成形できる。
本発明のポリアミド樹脂組成物をこれらの部品とすることによって、従来では達成することのできなかった、高い耐衝撃性、高い寸法精度を発現し、吸水による寸法変化を抑え、製品外観のソリ、リブヒケを限りなく低減する事、更には限界酸素指数26以上の難燃性を両立することが可能となるためこれらの用途に特に好適である。
以下、実施例を挙げてさらに本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例および比較例に用いた測定方法を以下に示す。
(1)限界酸素指数:JIS K 7201−2に従って測定した。
(2)線膨張係数:ISO 11359に従って測定した。流動方向をMD、流動垂直方向をTDとした。
(3)収縮率
80×80×3(mm)の角板(フィルムゲート)を射出成形し、得られた角板寸法値と、金型寸法値から収縮率を得た。流動方向をMD、流動垂直方向をTDとした。
(4)材料強度
Izod衝撃強度:成形によりノッチを付け、ASTM−D256に従ってノッチ付アイゾット衝撃強度を測定した。
(5)リブヒケ評価
図1に示すリブ付きの平板を射出成形し、得られた成形品の反ゲート側、反リブ部表面を、表面粗さ計を用いて測定した。
参考例1 半芳香族共重合ポリアミド樹脂の製造
実施例、ならびに比較例で用いた共重合ポリアミド樹脂は以下の方法で重合した。(a−1)ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の当モル塩、(a−2)ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の当モル塩、および(a−3)ε−カプロラクタムをそれぞれ表に記載の重量比で投入し、投入した全量と同量の純水を加え、重合缶内をNで置換した後、攪拌しながら加熱を開始し、缶内圧力を最大20kg/cmに調整しながら最終到達温度を270℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。
参考例2 ポリアミド6樹脂の製造
実施例、ならびに比較例で用いたポリアミド6樹脂は以下の方法で重合した。ε−カプロラクタム(東レ(株)製)1500g、イオン交換水375gを秤量し、重合缶に仕込み、常圧、窒素フロー下で攪拌しながら最終到達温度260℃とし反応させた。水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたペレットは95℃熱水中で20時間処理し、未反応モノマーや低重合物を抽出除去した。抽出後のペレットは80℃で50時間以上乾燥した。
参考例3 酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法
実施例、ならびに比較例で用いたポリフェニレンエーテル樹脂[三菱エンジニアリングプラスチックス社製:商品名YPX100L]100重量部に対して、無水マレイン酸1.2重量部を、2軸押出機(東芝機械社製TEM58)を用いて、シリンダ設定温度300℃、スクリュー回転数200rpmの条件化で、事前にミキサーで混合したポリフェニレンエーテル樹脂と無水マレイン酸をトップフィード(元込めフィード)で溶融混練したのち、ストランド状のガットを成形、冷却バスで冷却後カッターで造粒しペレットとした。
参考例4 酸変性ポリオレフィン樹脂
三井化学株式会社製酸変性ポリオレフィン樹脂(商品名:タフマMH7020)を用いた。
参考例5 膨潤性層状珪酸塩
ホージュン株式会社製膨潤性珪酸塩(商品名:エスベンNTO)を用いた。
参考例6 タルク
巴工業株式会社製タルク(商品名:タルクLMS300)を用いた。
参考例7 成形品の作成
実施例、ならびに比較例で使用したIzod衝撃強度の試験用成形品は次の方法で作成した。日精樹脂工業株式会社製の射出成形機NEX1000により、シリンダ温度260℃、金型表面温度80℃、スクリュー回転数100rpmの条件で試験片を成形した。
また、成形品の収縮率価用の試験片は、同条件、射出/冷却=10/10秒の条件で、80×80×3(mm)の鏡面磨き角板(フィルムゲート)を射出成形した。
[実施例1]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ76、16、8重量%である(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂:50.0重量部、参考例2に示した重合方法で製造された(a−2)ポリアミド6樹脂:50.0重量部、参考例3に示した重合方法で製造された(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂:4.0部、参考例4に示した重合方法で製造された(C)酸変性ポリオレフィン樹脂:4.0部、参考例5に示した(D)膨潤性層状珪酸塩:3.0部、参考例6に示した(E)タルク:26部を、2軸押出機(東芝機械社製:TEM58)を用いてシリンダ設定温度260℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で、(C)酸変性ポリオレフィン樹脂のみサイドフィードし、それ以外の原料については、トップフィード(基込めフィード)し、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例7に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
[実施例2]
(C)酸変性ポリオレフィン樹脂、(D)膨潤性層状珪酸塩、(E)タルクが表に示す重量部である以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
[実施例3]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ76、16、8重量%である(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂:40.0重量部、参考例2に示した重合方法で製造された(a−2)ポリアミド6樹脂:60.0重量部、参考例3に示した重合方法で製造された(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(C)酸変性ポリオレフィン樹脂、(D)膨潤性層状珪酸塩、(E)タルクが表に示す重量部である以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
[実施例4]
参考例1に示した重合方法で製造されたヘキサメチレンアジパミド単位(PA66)、ヘキサメチレンイソフタラミド単位(PA6I)、カプロアミド単位(PA6)から成り、重量比がそれぞれ76、16、8重量%である(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂:60.0重量部、参考例2に示した重合方法で製造された(a−2)ポリアミド6樹脂:40.0重量部、参考例3に示した重合方法で製造された(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(C)酸変性ポリオレフィン樹脂、(D)膨潤性層状珪酸塩、(E)タルクが表に示す重量部である以外は実施例1と同様にしてペレット、成形品を得て諸特性を調べた。その結果を表1に示す。
[比較例1、2]
表2に示す(a−2)ポリアミド6樹脂、(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(C)酸変性ポリオレフィン樹脂、(D)膨潤性層状珪酸塩、(E)タルクを表に示す重量部で、2軸押出機を用いてシリンダ設定温度260℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で(C)酸変性ポリオレフィン樹脂のみサイドフィードし、それ以外の原料については、トップフィード(基込めフィード)し、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例7に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
[比較例3]
表2に示す(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂、(a−2)ポリアミド6樹脂、(C)酸変性ポリオレフィン樹脂、(D)膨潤性層状珪酸塩、(E)タルクを表に示す重量部で、2軸押出機を用いてシリンダ設定温度260℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で(C)酸変性ポリオレフィン樹脂のみサイドフィードし、それ以外の原料については、トップフィード(基込めフィード)し、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例7に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
[比較例4]
表2に示す(a−1)半芳香族系ポリアミド樹脂、(a−2)ポリアミド6樹脂、(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(D)膨潤性層状珪酸塩、(E)タルクを表に示す重量部で、2軸押出機を用いてシリンダ設定温度260℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で(C)酸変性ポリオレフィン樹脂のみサイドフィードし、それ以外の原料については、トップフィード(基込めフィード)し、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例7に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
[比較例5]
表2に示す(a−1)半芳香族系ポリアミド樹脂、(a−2)ポリアミド6樹脂、(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(E)タルクを表に示す重量部で、2軸押出機を用いてシリンダ設定温度260℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で(C)酸変性ポリオレフィン樹脂のみサイドフィードし、それ以外の原料については、トップフィード(基込めフィード)し、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例7に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
[比較例6,7,8]
表2に示す共重合重量比の(a−1)半芳香族系共重合ポリアミド樹脂、(a−2)ポリアミド6樹脂、(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂、(C)酸変性ポリオレフィン樹脂、(D)膨潤性層状珪酸塩、(E)タルクを表に示す重量部で、2軸押出機を用いてシリンダ設定温度260℃、スクリュ回転数200rpmの条件下で(C)酸変性ポリオレフィン樹脂のみサイドフィードし、それ以外の原料については、トップフィード(基込めフィード)し、溶融混錬した後、ストランド状のガットを成形し、冷却バスで冷却後、カッターで造粒しペレットを得た。得られたペレットを参考例7に示した方法により成形し、前記の測定方法によって諸特性を調べた。その結果を表2に示す。
Figure 0005476688
Figure 0005476688
実施例1〜4および比較例1〜8より、ポリアミド樹脂に、酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂、膨潤性層状珪酸塩、タルクを配合することにより、良流動性を有し、また、射出成形後の高い耐衝撃性、高い寸法精度、良外観性を有し、さらには限界酸素指数26以上の高い難燃性を有するポリアミド樹脂組成物を得られることが確認された。
リブヒケ評価に用いたリブ付きの平板を示す図である。

Claims (7)

  1. (a−1)と(a−2)の合計を100重量%として、(a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂60〜40重量%および(a−2)脂肪族ポリアミド樹脂40〜60重量%を配合してなる(A)ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂を2〜18重量部、(C)酸変性ポリオレフィン樹脂を2〜18重量部、(D)膨潤性層状珪酸塩を2〜10重量部、および(E)タルクを15〜30重量部を配合してなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. (D)膨潤性層状珪酸塩が、ジメチルステアリルベンジルアンモニウムで有機化されていることを特徴とする、請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. (a−1)半芳香族共重合ポリアミド樹脂が、(a1−1)ヘキサメチレンアジパミド単位65〜90重量%、(a1−2)ヘキサメチレンイソフタラミド単位5〜30重量%および(a1−3)カプロアミド単位1〜14重量%を含み、(a1−2)/(a1−3)の共重合重量比が1以上である3元共重合体(ポリアミド66/6I/6)であることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. (B)酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂が、無水マレイン酸で変性されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. (C)酸変性ポリオレフィン樹脂が、無水マレイン酸で変性されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載のポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
  7. 成形品が、難燃性樹脂カバー部品であることを特徴とする請求項6記載の成形品。
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