JP6418767B2 - 発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物およびそれより得られる成形体 - Google Patents

発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物およびそれより得られる成形体 Download PDF

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Description

本発明は、発泡成形性とブロー成形性を両立したポリアミド樹脂組成物に関する。
近年自動車の軽量化を求める中で、樹脂部品が多用されている。中でもエンジン周辺部品として耐熱性、耐薬品性、成形性に優れるポリアミド樹脂の使用が増えている。従来、エンジンの吸排気系に接続するダクト部品としては、射出成形により得られるポリアミド66を用いた一次成形体を相互に溶着し、一部品として用いていた。しかし、一次成形体の溶着を考慮した形状の設計は、単純な形状であれば十分対応可能であったが、一方で形状の複雑化には十分に対応しきれず設計の自由度が制限されていた。
このような背景の中、近年ブロー成形による各種部品の成形が検討されている。ブロー成形は通常、筒状の、例えばパリソンを成形し、続けてエアを吹き込むことで金型形状に応じた成形体を得ることが可能になる。また、複数の一次成形体を使う必要性がなく、溶着という工程も不要になるため、部品の接合を行うことなく最終成形体を一工程で仕上げることが可能となる。
耐熱性を有したブロー成形体を得るための材料として、高粘度ポリアミド樹脂、グリシジル基を有する化合物および繊維状強化材を含有する樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2009−132908号公報
本発明者らは、特許文献1記載のような樹脂組成物であっても、以下のような問題があることを見出した。すなわち、上記樹脂組成物は、特定組成とすることで溶融粘度を高め、ブロー成形性を改善することはできたが、ガラス繊維等の繊維状強化材を含有することで比重は高いものとなった。
本発明は、発泡成形性とブロー成形性を両立したポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリアミド樹脂(A)70〜99質量部、無機充填材(B)1〜30質量部の合計100質量部に対し、カップリング剤(C)0.3〜2.0質量部を含有してなり、融点+30℃、せん断速度100s −1 で測定したせん断粘度ηcと伸長粘度ηeが下記式(i)および(ii)を満たす発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
4≦logηe≦7 (i)
0.25logηe+1.0≦logηc≦0.33logηe+1.66(ii)
)無機充填材(B)とカップリング剤(C)の質量比(B)/(C)が、2〜10である(1)記載の発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
)無機充填材(B)が膨潤性フッ素雲母、ヘクトライト、セピオライトから選ばれる少なくとも1種である(1)または(2)に記載の発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
)ポリアミド樹脂(A)と無機充填材(B)の合計100質量部に対して、さらにニグロシン(D)を0.1〜0.5質量部含有する(1)〜()いずれか記載の発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
)(1)〜()いずれか記載の発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、発泡成形性とブロー成形性を両立したポリアミド樹脂組成物を得ることができる。このようなポリアミド樹脂組成物を用いて成形される成形体は、発泡成形性を有しながらもブロー成形性が良好で外観、機械特性も優れる。したがって、軽量化しながら、耐熱性、機械特性を兼ね備えたブロー成形体を得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリアミド樹脂(A)は、アミノカルボン酸、ラクタム、またはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とし、アミド結合を主鎖内に有する重合体である。
アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられる。
ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等が挙げられる。ジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。なお、これらのジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
ポリアミド樹脂(A)の好ましい例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカアミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)およびこれらの混合物、あるいはこれらの重合体等が挙げられる。上記の中でも、耐熱性、ブロー成形性の観点から、ナイロン6が特に好ましい。
本発明における無機充填材(B)は、特に限定はされないが、例えば、層状珪酸塩、炭素繊維、ガラス繊維、マイカ、ガラスフレーク、タルク、ワラストナイト、シリカ、炭酸カルシウム、ケナフ繊維、竹繊維、麻繊維、バガス繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、玄武岩繊維、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、石英粉、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。特に本発明において、後述するカップリング剤(C)と併用する際、発泡成形性、ブロー成形性の向上効果が高い点で、層状珪酸塩が好ましい。
層状珪酸塩としては天然に産出するものでも人工的に合成あるいは変成されたものでもよく、例えばスメクタイト族(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、ソーコナイト等)、バーミキュライト族(バーミキュライト等)、雲母族(フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、レピドライト等)、脆雲母族(マーガライト、クリントナイト、アナンダイト等)、緑泥石族(ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモナイト、ニマイト等)、繊維状の含水マグネシウム珪酸塩鉱物(セピオライト、パリゴルスカイト)が挙げられるが、本発明においてはNa型あるいはLi型膨潤性フッ素雲母やヘクトライト、セピオライトが特に好適に用いられる。
本発明において好適に用いられる膨潤性フッ素雲母は一般的に次式で示される構造式を有するものである。
(MgLi)Si
(式中で、Mはイオン交換性のカチオンを表し、具体的にはナトリウムやリチウムが挙げられる。また、a、b、X、YおよびZはそれぞれ係数を表し、0≦a≦0.5、0≦b≦0.5、2.5≦X≦3、10≦Y≦11、1.0≦Z≦2.0、である)
このような膨潤性フッ素雲母の製造法としては、例えば、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび各種フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その冷却過程で反応容器内に膨潤性フッ素雲母の結晶成長させる溶融法が挙げられる。
一方、タルク〔MgSi10(OH)〕を出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤性を付与し、膨潤性フッ素雲母を得る方法もある。この方法では、所定の配合比で混合したタルクと珪フッ化アルカリを、磁性ルツボ内で700〜1200℃の温度下に短時間加熱処理することによって、膨潤性フッ素雲母を得ることができる。
この際、タルクと混合する珪フッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜35質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲を外れる場合には膨潤性フッ素雲母の生成収率が低下する傾向にある。
セピオライトはMg8H2(SiO11)・3HOを主成分として含有する天然鉱物であり、パリゴルスカイトはMgAlSi0(OH)・8HOを主成分として含有する天然鉱物である。なお、パリゴルスカイトにおいては、マグネシウムが鉄やアルミニウムによって置換されていてもよい。
無機充填材(B)は後述するカップリング剤(C)と併用することでポリアミド樹脂(A)の発泡成形性、ブロー成形性を向上させる。さらにはポリアミド樹脂(A)中に微分散させることで、発泡セルサイズを十分に微細にすることができる。
無機充填材(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)との合計100質量部中、1〜30質量部であり、2〜25質量部であることが好ましい。無機充填材(B)の含有量が1質量部未満では、ドローダウンしやすくなりブロー成形性が悪く、また発泡セルサイズが粗大化する傾向がある。また30質量部を超えると、得られるポリアミド樹脂組成物の流動性が乏しく成形加工性が低下するばかりでなく、成形体の柔軟性が損なわれ機械特性が低下する。
本発明におけるカップリング剤(C)は、ポリアミド樹脂(A)と親和性または反応性を有する官能基を含有する化合物である。カップリング剤(C)として用いることのできる化合物としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。なかでも、ポリアミド樹脂(A)との反応性の観点からシランカップリング剤が好ましく、さらに、アルコキシシラン化合物が好ましい。
このようなアルコキシシラン化合物の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルーN−(1,3−ジメチルーブチリデン)プロピルアミン、N−フェニルー3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニル基含有アルコキシシラン化合物、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどのアクリロキシ基含有アルコキシシラン化合物、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。これらの中で、ポリアミド樹脂(A)との反応性の観点から、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、アミノ基含有アルコキシシラン化合物、ウレイド基含有アルコキシシラン化合物およびイソシアネート基含有アルコキシシラン化合物が好ましく、さらにはエポキシ基含有アルコキシシラン化合物が特に好ましい。
カップリング剤(C)は、ポリアミド樹脂(A)と架橋反応を起こし、ポリアミド樹脂(A)の溶融粘度を増大させることによりブロー成形性を向上させる。さらに、カップリング剤(C)を含有させることにより、得られるポリアミド樹脂組成物の結晶化速度を遅くすることができ、ブロー成形性をより向上させることが可能となる。
カップリング剤(C)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)および無機充填材(B)の合計100質量部に対して0.3〜2質量部であることが必要であり、好ましくは0.5〜1.5質量部である。カップリング剤(C)の含有量が0.3質量部未満であると、溶融粘度が十分に増大せず、粘度が低すぎることに起因して、得られるポリアミド樹脂組成物のせん断粘度が低くドローダウンが過度に起きてしまい、成形体が得られなかったり、得られたとしても厚みが均一でなかったりするという問題がある。一方、2質量部を超えると、得られるポリアミド樹脂組成物の流動性が乏しく成形加工性が低下したり、成形体の肉厚を制御することが困難になる。また、成形体の柔軟性が損なわれたり、ゲル化によって成形体の機械特性が低下する。
無機充填材(B)は、カップリング剤(C)と特定比率で含有させることで、せん断粘度と伸長粘度が最適なものとなり、特に発泡成形性、ブロー成形性のバランスが向上する。このような現象は、特に無機充填材(B)として層状珪酸塩を用いた場合に顕著である。そのメカニズムは明らかではないが、層状珪酸塩が、カップリング剤(C)によってポリアミド樹脂(A)が過度に架橋状態となることを抑制し、ポリアミド樹脂組成物のせん断粘度の増大を抑制しながら、適正な伸長粘度を付与しているためと思われる。その結果、発泡状態であっても、ブロー成形に必要なダイスウェル性やドローダウン性、歪硬化性など各種機能性をポリアミド樹脂組成物に対し付与することができる。そのような特定比率とは、(B)/(C)(質量比)が2〜10が好ましく、3〜7であることがより好ましい。(B)/(C)(質量比)が2未満であると、伸長粘度が過大になり、成形体の肉厚を制御することが困難となる場合がある。また、(B)/(C)(質量比)が10を超えると、伸長粘度が過少となり発泡セルの粗大化や厚みの不均一が起こることがある。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、ポリアミド樹脂(A)、無機充填材(B)およびカップリング剤(C)に加えて、さらにニグロシン(D)を含有することができる。ニグロシン(D)を含有することにより、ポリアミド樹脂(A)の結晶化温度を低下させ、その結果、成形時のパリソン形成性が改善する。一般的に、ポリアミドは結晶化速度が速く、溶融状態からの固化が早い材料であるが、これにフィラーが配合されると、さらに固化が早くなってしまい、パリソンが金型に転写されるより前に固化してしまい、目的の形状の成形品が得られなくなる場合があり、ニグロシン(D)を配合することにより、パリソンの固化時間を長くすることができ、上記の不具合を防ぐことができる。
本発明において、ニグロシンはCOLOR INDEXにC.I.SOLVENT BLACK 5およびC.I.SOLVENT BLACK 7として記載されているような黒色アジン系縮合混合物が挙げられる。このようなニグロシンの合成は、例えば、アニリン、アニリン塩酸塩およびニトロベンゼンを、塩化鉄の存在下、反応温度160〜180℃で酸化および脱水縮合することにより行い得るものである。さらに、このようにして得られたニグロシンを精製し、アニリンやジフェニルアミンを0.1%未満にした精製ニグロシンがより好ましい。精製アニリンを用いることでポリアミド樹脂(A)とカップリング剤(C)との反応性を妨げることなく、ブロー成形性が向上する。このようなニグロシンとして、オリエント化学工業社製のCramity81やNUBIAN BLACKシリーズが市販されている。
ニグロシン(D)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)と無機充填材(B)との合計100質量部に対して、0.1〜0.5質量部であることが好ましく、0.2〜0.4質量部であることがさらに好ましい。ニグロシン(D)の含有量が0.1質量部未満であると、結晶化温度を低下させる効果が不十分となる場合がある。一方、0.5質量部を超えて配合してもその効果が顕著にならず、さらにはドローダウンしやすく得られる成形体の厚みのが不均一になる場合がある。
本発明における伸長粘度(Cogswell法伸長粘度)について以下に説明する。
伸長粘度とは、一般的に熱可塑性樹脂を発泡させる際の、溶融樹脂の粘りを示す尺度であり、本発明においては、発泡成形のしやすさを表すものである。すなわち、本発明のポリアミド樹脂組成物が、所定の伸長粘度を有するものとすることによって、発泡成形性を向上することができる。伸長粘度は、下記のような方法で測定されたせん断粘度に基づき、Cogswellの理論式により算出されるものである。
具体的な測定方法について説明する。
せん断速度およびせん断応力は、キャピラリレオメータにて、ポリマーの融点+30℃条件下、キャピラリ長さの異なる2種類のダイを用いて測定される溶融粘度より下記式を用い算出することができる。以下、キャピラリ長さをL、キャピラリー直径をDとする。
伸長粘度ηe(Pa・s)およびせん断粘度ηc(Pa・s)はそれぞれ以下の式で算出される。
ここで、τc:補正せん断応力(Pa)である。
ここで、D :キャピラリ直径(mm)、Pc:キャピラリ内圧力損失(Pa)である。
なお、同一せん断速度における樹脂圧力を各ダイで測定したときのL/D(横軸)と樹脂圧力(縦軸)の1次式から得られる縦軸の切片をPcとする(Bagley補正)。
ここで、γc:補正せん断速度(s−1)、γa:見掛けのせん断速度(s−1)、n:べき法則指数である。
なお、nは、横軸にlog(τc)、縦軸にlog(γa)をプロットしたときの傾きとして求めることができる。
通常、発泡成形性とブロー成形性の両立は難しいものである。発泡成形において溶融樹脂を独立気泡として均一にしかも微細に発泡させるには、溶融粘度を低下する必要がある。ただし、溶融粘度が低下することで破泡しやすくなるため、溶融粘度を低下させながらも破泡しにくい一定の粘りを有する状態とする必要がある。一方、ブロー成形においてブローに耐え得る溶融粘度を有し、自重による変形を抑制するには、用いる樹脂の溶融粘度を高める必要があった。このような溶融粘度の高い領域においては、発泡成形を行うことは難しかった。また発泡成形できたとしても、均一で微細な発泡を行うことは非常に難しかった。
本発明において、融点+30℃、せん断速度100s−1で測定したせん断粘度ηcと伸長粘度ηeが下記式(i)および(ii)を満たすことが好ましい。
4≦logηe≦7 (i)
0.25logηe+1.0≦logηc≦0.33logηe+1.66(ii)
(i)式において、logηeは4〜7であり、好ましくは4.7〜6.5である。すなわち、伸長粘度ηeは1×10〜1×10Pa・sである。伸長粘度が1×10Pa・s未満では、発泡セルが粗大化し、成形体の厚みのムラが発生し、1×10Pa・sを超えると、ブローによる延伸が困難になり、成形体を均一に膨張させることができなくなる。
(ii)式において、logηcは(0.25logηe+1.0)〜(0.33logηe+1.66)である。(0.25logηe+1.0)>logηcでは、せん断粘度(溶融粘度)が低くなりすぎるため、ドローダウンしやすく、均一な厚みのブロー成形体を得ることが困難になる。また、logηc>(0.33logηe+1.66)では、せん断粘度が高すぎ、溶融樹脂が硬い性質を示し、ブローによる延伸が困難になり、成形体を均一に膨張させることができなくなる傾向になる。
すなわち、上記(i)式と(ii)式を満足することで、発泡成形性とブロー成形性を両立しながら、発泡成形性とブロー成形性を各々向上することが可能となる。
このようなポリアミド樹脂組成物を用いて成形される成形体は、発泡成形性を有しながらもブロー成形性が良好で外観、機械特性も優れる。したがって、軽量化しながら、耐熱性、機械特性を兼ね備えたブロー成形体を得ることが可能となる。
次に、本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は、以下の方法を用いることができる。
最初に、ポリアミド樹脂(A)に対し、無機充填材(B)を分散させ樹脂混合物を得る必要がある(以下、工程[1]ということがある)。工程[1]で樹脂混合物を得る方法としては、特に限定されないが、あらかじめ膨潤させ層間を拡げた無機充填材(B)をポリアミドモノマーと混合し重合する方法、または、あらかじめ層間処理剤で処理された無機充填材(B)を溶融混練によって配合する方法が挙げられる。前者の方法は、特に、無機充填材(B)として層状珪酸塩を用いた場合に、有効な方法であり、あらかじめ膨潤させ層間を拡げた層状珪酸塩をポリアミドモノマーと混合し重合することによって、ポリアミド樹脂中に層状珪酸塩を微分散させることが可能である。後者の方法は、あらゆる無機充填材において適用が可能である。溶融混練によって無機充填材(B)を配合する際、あらかじめ層間処理剤で処理された有機処理層状珪酸塩や、各種表面処理された表面処理無機充填材を用いることによって、ポリアミド樹脂と有機処理層状珪酸塩、または表面処理無機充填材の密着性を高めながら、分散することができる。上記以外の方法であっても、ポリアミド樹脂(A)中に、無機充填材(B)を均一に分散できる方法であれば、上記以外の方法を選ぶこともできる。
あらかじめ膨潤させ層間を拡げた層状珪酸塩をポリアミドモノマーと混合し重合する方法としては、層状珪酸塩の存在下、所定量のモノマーをオートクレーブに仕込んだ後、水等の開始剤を用い、温度240〜300℃、圧力0.2〜3MPa、1〜15時間の範囲内で溶融重縮合法によればよい。ナイロン6を樹脂マトリックスとする場合には、温度250〜280℃、圧力0.5〜2MPa、3〜5時間の範囲で重合することが好ましい。
また、重合後のポリアミド樹脂に残留しているポリアミドのモノマーを除去するために、該ポリアミド樹脂のペレットに対して熱水による精練を行うことが好ましい。この場合、好ましくは90〜100℃の熱水中で8時間以上の処理を行えばよい。
あらかじめ層間処理剤で処理された有機処理層状珪酸塩を溶融混練によって分散する方法としては、単軸押出機または二軸押出機を用い、ポリアミド樹脂の融点以上に加温して、ポリアミド樹脂と有機処理層状珪酸塩を溶融混練することで得られる。その際、有機処理層状珪酸塩は、混練時の分散を良くするために、四級アンモニウム塩等の層間処理剤で層間処理されていることが好ましく、ポリアミド樹脂(A)との密着を阻害しないものであれば、適宜用いることができる。
また、層状珪酸塩以外の無機充填材を溶融混練によって分散する方法としては、単軸押出機または二軸押出機を用い、ポリアミド樹脂の融点以上に加温して、ポリアミド樹脂と無機充填材を溶融混練することで得られる。なお、用いる無機充填材はあらかじめ表面処理されていてもよい。
第二に、上記工程[1]で得られた樹脂混合物に対し、カップリング剤(C)を混合する必要がある(以下、工程[2]ということがある)。工程[2]において、樹脂混合物に対しカップリング剤(C)を混合する方法としては、特に限定はされないが、樹脂混合物ペレットとカップリング剤(C)を所定比率で混合した後、単軸押出機または二軸押出機を用い溶融混練する方法、単軸押出機または二軸押出機を用い樹脂混合物を溶融した後、途中よりカップリング剤(C)を添加する方法等が挙げられる。また、工程[1]において無機充填材(B)を溶融混練にて分散させる場合、工程[1]が完了した後、工程[2]を行うことで所定のポリアミド樹脂組成物とすることができるが、必要に応じて工程[1]と工程[2]を同時に行うこともできる。すなわち、ポリアミド樹脂(A)、無機充填材(B)およびカップリング剤(C)を所定比率で混合した後、あるいは、ポリアミド樹脂(A)と無機充填材(B)を所定比率で混合した後、溶融混練しながら、カップリング剤(C)を所定量添加することで、一工程で所定のポリアミド樹脂組成物とすることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、結晶核剤、離型安定剤等の添加剤を添加してもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、必要に応じて他の重合体を配合することも可能である。このような重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンなどのエラストマー、およびこれらの無水マレイン酸などによる酸変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
本発明で得られたポリアミド樹脂組成物は、発泡剤と混合して成形加工を行うことで発泡成形体とすることができる(以下、工程[3]ということがある)。成形加工の手段は、特に限定はされず、公知の方法を用いることができ、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形等を用いることができる。特に、本発明のポリアミド樹脂組成物は、発泡成形性が優れるとともに、ブロー成形に適した溶融粘度特性も有するため、発泡させながら、ブロー成形をすることができる。なお、発泡成形性が優れるとは、形成される気泡が独立気泡であり、また、気泡サイズが均一で、かつ微細であることをいう。形成される気泡が破泡して連続気泡になったり、全く発泡しないものは発泡成形性を有さないと判断をする。ブロー成形性が優れるとは、空気を吹き込んだ際に、所定金型に応じた形状に成形できること、得られた成形体の部位により肉厚に斑が生じないことである。必要な形状に成形できなかったり、肉厚が不均一になったりするものはブロー成形性を有さないと判断する。
前述の工程[3]で発泡成形を行う方法としては、特に限定はされず、公知の方法を用いることができ、例えば、押出機を用いて、樹脂にあらかじめ樹脂の溶融温度で分解する分解型化学発泡剤をブレンドし、化学発泡剤が分解する温度で押出する方法や、押出機バレルの途中から揮発型物理発泡剤を注入して発泡することも可能である。
化学発泡剤としては熱分解形の発泡剤を使用し、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジニトロソテレフタルアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、4、4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、またそれらの混合物などが挙げられ、なかでも、アゾジカルボンアミド、4、4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウムが好ましいものとして挙げられる。化学発泡剤の平均粒子径は、特に限定されないが、1〜40μmであることが好ましく、2〜30μmであることがより好ましい。その粒度分布において、粒子径4μm以下の微粒子を実質的に含むことが好ましく、粒子径2μm以下の微粒子を実質的に含むことがより好ましい。さらに、化学発泡剤は高濃度にペレット化されたものを用いる方が成形および性能安定性、成形機の汚染防止などの点で有利である。
発泡剤高濃度化ペットとしては、発泡剤を樹脂(ポリエチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、EVA、ポリプロピレンなど)に溶融混練して製造したものや、発泡剤を樹脂パウダーやフィラーのパウダーともに造粒法(たとえば圧縮造粒法など)により加工した造粒ペレットが利用できる。造粒ペレットとしては、フィラーと発泡剤からなるものを用いると、樹脂成分を含有していないため、種類の異なる成形樹脂へ適用することができるため好ましい。造粒ペレットには加工性を上げるためにバインダーが付加されていてもよい。フィラーとしてはシリカ、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、ガラスパウダーなどが挙げられ、中でもシリカとタルクを併用することで、樹脂の発泡成形性を向上させ、発泡成形性のセルの微細化と成形品外観を両立させることができるため好ましい。
物理発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等の塩化炭化水素、1,1,1,2−テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン等のフッ化炭化水素、沸点が押し出し温度以下の各種アルコールなどのような液体、又は炭酸ガス、窒素、水等の無機ガスなどが挙げられる。これらの揮発性発泡剤は、混合して用いることもできる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、発泡成形性と発泡成形性が両立され、かつその特性が向上しているため、発泡ブロー成形用のポリアミド樹脂組成物として用いることができる。特に、ポリアミド樹脂が有する耐熱性、機械特性に加え、軽量化が求められるブロー成形体において用いることができる。例示をすれば、自動車用分野、電気分野における各種容器やチューブ、ホースのような成形体として好適に使用が可能である。そのような成形体としては、例えば、自動車の吸排気ダクト等のダクト類や燃料タンクなどのタンク類、家電製品のハウジング、ケース等の筐体類が挙げられる。
なお、本発明のポリアミド樹脂組成物は、発泡ブロー成形用以外の、例えば、単なる発泡成形、あるいはブロー成形用途においても使用が可能である。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.原料
(1)ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分およびポリマー
a1:ε−カプロラクタム
a2:11−アミノウンデカン酸
a3:12−アミノドデカン酸
a4:アジピン酸/ヘキサメチレンジアミン等モル塩
a5:ナイロン6 (ユニチカ社製A1030BRL)
(2)無機充填材
b1:膨潤性フッ素雲母 (コープケミカル社製ME−100)
b2:ヘクトライト (Elementis Specialities社製BentoneHC)
b3:セピオライト (TOLSA社製PANGEL HV)
b4:タルク (日本タルク社製K−1)
b5:ガラス繊維 (オーウェンスコーニング社製MAFT692)
(3)カップリング剤
c1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (信越化学工業社製KBM−403)
c2:3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン (信越化学工業社製KBE−585)
c3:3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン (信越化学工業社製KBE−9007)
c4:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン (信越化学工業社製KBE−402)
(4)ニグロシン
d1:ニグロシン (オリエント化学社製Cramity81)
d2:精製ニグロシン (オリエント化学社製NUBIAN BLACK NH−815)
(5)発泡剤
e1:アゾジカルボンアミド(永和化成工業社製ビニホールAC#3)
e2:発泡剤含有造粒ペレット
シリカ(水澤化学工業社製シルホナイトM−1)30質量部、タルク(前述のb4)30質量部、発泡剤(前述e1)20質量部およびバインダー成分としてパラフィンワックス(日本精蝋社製LUVAX1266)20質量部を均一に混合し、この混合物を、圧縮造粒機を用い、圧縮温度100℃にて加温圧縮を行い、直径3mm、長さ2.5mmの発泡剤含有造粒ペレットを得た。
以下に、実施例および比較例で用いた評価方法を示す。
2.試験方法
(1)伸長粘度
後述する実施例または比較例で得たポリアミド樹脂組成物のせん断粘度ηc(Pa・s)を表3または5記載の所定温度条件下、キャピラリレオメータ(島津製作所製CFT−500D)を用いて測定し、前述の理論にしたがって伸長粘度ηe(Pa・s)を求めた。なお、ダイ1として、キャピラリ長さ15mm、キャピラリ直径1mmφ、ダイ2として、キャピラリ長さ0.25mm、キャピラリ直径1mmφである2種類のダイを用いた。
(2)ブロー成形性
後述する実施例または比較例で得たポリアミド樹脂組成物を用い、所定条件でブロー成形を行い高さ300mm、幅100mm、奥行き100mmの直方体型の容器を成形した。この容器の胴部4面の上部と下部の合計8か所の厚みを測定し、上部平均と下部平均の差を求め、以下の評価基準にて判定した。なお、×判定は成形不良とした。
◎:差が0.8mm未満である
○:差が0.8以上、1.2mm未満である。
△:差が1.2以上、1.5mm未満である。
×:差が1.5mm以上である。
(3)パリソン固化時間
(1)の条件でブロー成形を行った時、23℃の雰囲気下でパリソンを押出した状態で成形を中断し、所定時間放置した後にブロー成形を再開した。成形不良が起きることなく良好にブロー成形が再開できる最長時間をパリソン固化時間とした。
(4)発泡倍率
気体置換型ピクノメータ法により、乾式自動密度計(島津製作所社製アキュピックII 134)を用い、未発泡のポリアミド樹脂組成物の密度(ソリッド密度という、前記樹脂ペレット1gを使用)を測定した。続けて、ブロー成形された容器胴部から切片(10×10mm)を切り出し、発泡体密度を測定した。下記式より発泡倍率を算出した。
発泡倍率=ソリッド密度/発泡体密度
(5)発泡セルサイズ
ブロー成形された容器胴部から切り出した切片(10×10mm)をさらに冷凍割断し、その割断面の発泡セルをSEM画像で発泡セルを観察した。目視により直径が大きいとみられる発泡セル50個について、発泡セルの直径を測定した。なお、楕円形に観察される発泡セルの場合は、長径と短径の平均を直径とした。測定された50個の測定した発泡セルの中で、直径が大きい上位5個の発泡セルについて、それらの直径を平均した値を発泡セルサイズとした。
(工程[1])
下記製造例1〜11の操作を行って、樹脂混合物(PA1)〜(PA11)をそれぞれ得た。
製造例1
ε−カプロラクタム(a1)100質量部に対して、亜リン酸0.2質量部、層状珪酸塩(b1)4.5質量部、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、270℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで270℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行なった。重合終了後、オートクレーブの底排弁よりストランド状に引き取った重合体を温浴槽にて冷却固化し、ペレタイザーでペレット状に切断した。さらに95℃の熱水で24時間精錬処理をして、80℃で48時間真空乾燥させ樹脂混合物(PA1)ペレットを得た。得られた樹脂混合物(PA1)はポリアミド6に層状珪酸塩が4.8質量%分散されたものであった。その結果を表1に示す。
製造例2〜7、9〜11
ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分および無機充填材を表1記載のものに変更した以外は製造例1と同様にして、樹脂混合物(PA2)〜(PA11)を得た。その結果を表1に示す。
製造例8
アジピン酸/ヘキサメチレンジアミン等モル塩(a4)100質量部、層状珪酸塩(b1)4.5質量部、亜リン酸0.2質量部を、オートクレーブに投入し、内温230℃で攪拌しながら、内圧が18MPaになるまで加熱し、その圧力に到達後、徐々に圧力を抜きつつ、加熱して280℃に達した時点で、常圧まで放圧し、2時間重合を行った。重合終了後、オートクレーブの底排弁よりストランド状に引き取った重合体を温浴槽にて冷却固化し、ペレタイザーでペレット状に切断した。得られたペレットを95℃の熱水で24時間精錬処理をして、未反応のモノマーおよびオリゴマーを除去し80℃で48時間真空乾燥させ樹脂混合物(PA8)ペレットを得た。得られた樹脂混合物(PA8)はポリアミド66に層状珪酸塩が4.6%質量分散されたものであった。その結果を表1に示す。
(工程[2]および工程[3])
実施例1
工程[2]
工程[1]で得られた樹脂混合物(PA1)100質量部とカップリング剤(c1)1質量部をドライブレンドして、二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の根元供給口からフィードし、バレル温度250〜290℃、スクリュー回転数500rpm、吐出20kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。押出機先端から吐出された溶融樹脂をストランド状に引き取り、冷却水で満たしたバットを通過させて冷却固化した後、ペレット状にカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
工程[3]
工程[2]で得られたポリアミド樹脂組成物ペレット101質量部と発泡剤(e1)0.5質量部をブレンドし、ブロー成形機(石川島播磨重工業社製IPB−10型)を用い、シリンダー温度270℃、吐出量20kg/h、ダイ外形80mm、肉厚4mmでパリソンを押出し、金型温度80℃、ブロー空気圧8kgf/cmで高さ300mm、幅100mm、奥行き100mmの直方体型の容器を成形し、パリソン固化時間を計測するとともに、ブロー成形性を評価した。
また、得られた容器を用い、発泡倍率、発泡セルサイズを測定した。その結果を表2、3に示す。
なお、用いたポリアミド樹脂組成物について、温度250℃でせん断粘度の測定を行い、伸長粘度を求めた。
実施例2
工程[3]で発泡剤(e2)を用いる以外は、実施例1と同様にして成形および評価を行った。その結果を表2、3に示す。
実施例3、4、7〜14
用いる樹脂混合物、カップリング剤の種類または配合量を表2記載のようにした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得て、成形および評価を行った。なお、実施例9では、カップリング剤(c1)1.0質量部とカップリング剤(c4)を混合して用いた。その結果を表2、3に示す。
実施例5
樹脂混合物を用いず、ナイロン6(a5)を用いた。工程[2]において、ナイロン6(a5)100質量部、無機充填材(b4)20質量部およびカップリング剤(c1)1.0質量部をドライブレンドして、二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の根元供給口からフィードしたほかは、実施例2と同様にして成形および評価を行った。その結果を表2、3に示す。
実施例6
工程[2]において、ナイロン6(a5)100質量部、無機充填材(b5)25質量部およびカップリング剤(c1)1.0質量部をドライブレンドして、二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の根元供給口からフィードしたほかは、実施例5と同様にして成形および評価を行った。その結果を表2、3に示す。
実施例15
工程[3]におけるブロー成形で、シリンダー温度300℃にしたほかは、実施例2と同様にして容器を得た後、評価を行った。その結果を表2、3に示す。
実施例16
樹脂混合物(PA1)100質量部、カップリング剤(c1)1.0質量部およびニグロシン(d1)0.5質量部をドライブレンドして、二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の根元供給口からフィードしたほかは、実施例2と同様にして成形および評価を行った。その結果を表4、5に示す。
実施例17
ニグロシン(d2)を用いた以外は、実施例16と同様にして成形および評価を行った。その結果を表4、5に示す。
実施例18〜20、参考例1、2、比較例1、3、4
用いる樹脂混合物、カップリング剤の種類または配合量を表4記載のようにした以外は、実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得て、成形および評価を行った。その結果を表4、5に示す。
比較例2
工程[2]において、ナイロン6(a5)100質量部、無機充填材(b4)35質量部およびカップリング剤(c1)1.5質量部をドライブレンドして、二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)の根元供給口からフィードしたほかは、実施例5と同様にして成形および評価を行った。その結果を表4、5に示す。
実施例1〜22では、所定のポリアミド樹脂組成物を用いたため、ブロー成形性、発泡成形性ともに良好であった。
比較例1では、無機充填材の含有量が過少であったため、ブロー成形性が不適であり、発泡倍率が低くなった。
比較例2では、無機充填材の含有量が過多であったため、所定の伸長粘度とはならず、発泡セルサイズが大きく発泡成形性が不適であった。
比較例3では、カップリング剤の含有量が過少であったため、所定の伸長粘度とはならず、発泡セルサイズが大きく発泡成形性が不適であった。また、ブロー成形性も不適であった。
比較例4では、カップリング剤の含有量が過多であったため、パリソン固化時間が長かった。また、ブロー成形性が不適であった。













































Claims (5)

  1. ポリアミド樹脂(A)70〜99質量部、無機充填材(B)1〜30質量部の合計100質量部に対し、カップリング剤(C)0.3〜2.0質量部を含有してなり、融点+30℃、せん断速度100s −1 で測定したせん断粘度ηcと伸長粘度ηeが下記式(i)および(ii)を満たす発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
    4≦logηe≦7 (i)
    0.25logηe+1.0≦logηc≦0.33logηe+1.66(ii)
  2. 無機充填材(B)とカップリング剤(C)の質量比(B)/(C)が、2〜10である請求項1記載の発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
  3. 無機充填材(B)が膨潤性フッ素雲母、ヘクトライト、セピオライトから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
  4. ポリアミド樹脂(A)と無機充填材(B)の合計100質量部に対して、さらにニグロシン(D)を0.1〜0.5質量部含有する請求項1〜いずれか記載の発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
  5. 請求項1〜いずれか記載の発泡ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
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