JP2017048284A - ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物およびそれから得られる成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】視認性が良好で、優れた耐熱性を有するブロー成形用のポリアミド樹脂組成物の提供。【解決手段】ポリアミド樹脂(A)100質量部及びカップリング剤(B)0.5〜3.0質量部を含有し、透過率が40%以上であるブロー成形用ポリアミド樹脂組成物であって、好ましくはポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6及び/又はポリアミド66であり、カップリング剤(B)が、エポキシ基含有アルコキシシランカップリング剤(b1)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)又はイソシアネート基含有アルコキシシランカップリング剤(b2)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)であるブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、ブロー成形性に優れたポリアミド樹脂組成物に関する。
ブロー成形体は、液体等の容器として広く用いられている。ブロー成形体としては、例えば、特許文献1に、121℃の加熱に耐えうる耐熱性を有し、透明性に優れたポリエチレン製のブロー成形体が開示されている。しかしながら、ポリエチレン製のブロー成形体は、素材固有の耐熱性のため用途が制限されていた。また、前記ブロー成形体は、ポリエチレンの結晶性がそもそも高いため、視認性の向上には限界があった。そこで、前記樹脂材料としてポリエチレン以外の熱可塑性樹脂、例えばポリアミドが検討されている。しかしながら、ポリアミド等を単独で用いた場合、ドローダウンが激しくブロー成形できないという問題があった。
本発明は、視認性が良好で、優れた耐熱性を有するブロー成形用のポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)ポリアミド樹脂(A)100質量部およびカップリング剤(B)0.5〜3.0質量部を含有し、透過率が40%以上であることを特徴とするブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
(2)ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6および/またはポリアミド66であることを特徴とする(1)に記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
(3)カップリング剤(B)が、エポキシ基含有アルコキシシランカップリング剤(b1)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)、または、イソシアネート基含有アルコキシシランカップリング剤(b2)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)であることを特徴とする(1)または(2)に記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とするブロー成形体。
(1)ポリアミド樹脂(A)100質量部およびカップリング剤(B)0.5〜3.0質量部を含有し、透過率が40%以上であることを特徴とするブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
(2)ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6および/またはポリアミド66であることを特徴とする(1)に記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
(3)カップリング剤(B)が、エポキシ基含有アルコキシシランカップリング剤(b1)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)、または、イソシアネート基含有アルコキシシランカップリング剤(b2)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)であることを特徴とする(1)または(2)に記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)いずれかに記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とするブロー成形体。
本発明によれば、視認性が良好で、優れた耐熱性を有するブロー成形用のポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いるポリアミド樹脂(A)は、アミノカルボン酸、ラクタムまたはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とし、アミド結合を主鎖内に有する重合体である。
アミノカルボン酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸が挙げられる。ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタムが挙げられる。
ジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられる。なお、前記のジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
ポリアミド樹脂(A)の具体例としては、例えば、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド6/66)、ポリウンデカアミド(ポリアミド11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ポリアミド6/11)、ポリデカミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ポリアミド6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)およびこれらの混合物、あるいはこれらの重合体が挙げられる。中でも、耐熱性、ブロー成形性の観点から、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6とポリアミド66の混合物が好ましい。
本発明に用いるカップリング剤(B)は、ポリアミド樹脂(A)の溶融粘度を増大させ、ブロー成形性を向上させることを目的に配合される。カップリング剤(B)としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。中でも、ポリアミド樹脂(A)との反応性の観点から、シランカップリング剤が好ましく、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物(b1)、イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物(b2)、メタクリル基含有アルコシシランカップリング剤(b3)がより好ましい。カップリング剤(B)は、単独で用いるよりも、2種以上を併用することが好ましく、中でも、引張強度を向上させることができることから、エポキシ基含有アルコキシシランカップリング剤(b1)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)、または、イソシアネート基含有アルコキシシランカップリング剤(b2)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)を併用することがより好ましい。(b1)/(b3)または(b2)/(b3)の質量比率は、100/0〜40/60であることが好ましい。
エポキシ基含有アルコキシシラン化合物(b1)としては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、イソシアネート基含有アルコキシシラン化合物(b2)としては、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、メタクリル基含有アルコキシシラン化合物(b3)としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本発明において、カップリング剤(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)の合計100質量部に対して0.5〜3.0質量部であることが必要であり、0.5〜1.5質量部であることが好ましい。カップリング剤(B)の含有量が0.5質量部未満であると、溶融粘度が十分に向上せずパリソンのドローダウン現象が激しくなり成形体が得ることが困難となったり、得られたとしても厚みが均一でなかったりするので好ましくない。一方、カップリング剤(B)の含有量が3.0質量部を超えると、溶融粘度が高くなりすぎてダイスウェル現象が激しくなり成形体の肉厚を制御することが困難となったり、耐熱性が低下したりするので好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂とカップリング剤の配合比率を特定の範囲とするため、ブロー成形性の指標であるダイスウェル指数とドローダウン指数がいずれも特定の範囲に制御することができる。
ダイスウェルとは、バラス効果とも呼ばれ、溶融樹脂がダイから押し出された直後に膨れ上がり、溶融樹脂の断面がダイ径よりも大きくなる現象のことをいう。ダイスウェルの特性は、ダイスウェル指数で判断することができる。本発明において、ダイスウェル指数は、1.1〜2.0であることが好ましく、1.3〜1.8であることがより好ましい。ダイスウェル指数が1.1未満の場合、ブロー成形が困難となったり、複雑な形状の金型を用いてブロー成形した場合、金型表面を十分に転写することができなかったりする場合がある。一方、ダイスウェル指数が2.0を超える場合、成形時のパリソンのドローダウンが激しく、成形品の肉厚が不均一となる場合がある。
ドローダウンとは、ダイから押し出された溶融樹脂が自重により下方へ引き延ばされて垂れ落ちる現象のことをいう。ドローダウンの特性は、ドローダウン指数で判断することができる。本発明において、ドローダウン指数は、2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。ドローダウン指数が2.0を超える場合、成形時にパリソンのドローダウンが激しく、成形品の肉厚が不均一となる場合がある。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、JIS K7210に準拠し、温度275℃、荷重5kgfの条件で測定したメルトフローレートが5〜30g/10分であることが好ましく、10〜20g/10分であることがより好ましく、15〜20g/10分であることがさらに好ましい。前記メルトフローレートが5g/10分未満であると、溶融粘度が高すぎるため、ブロー成形が困難となったり、複雑な形状の金型を用いてブロー成形した場合、金型表面を十分転写することができなかったりする場合がある。一方、前記メルトフローレートが30g/10分を超えると、溶融粘度が低すぎるため、ブロー成形時にパリソンのドローダウンが激しく、成形品の肉厚が不均一となる場合がある。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、公知の方法を用いて製造することができる。中でも、溶融混練法が好ましい。溶融混練法は、公知の溶融混練押出機を用いて混練をおこなうことができる。例えば、単軸機、二軸機等、各種溶融混練押出機を用いることが挙げられる。中でも、混練性の観点から二軸融混練押出機を用いる方法が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、その本発明の効果を損なわない限りにおいて、他の重合体、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、着色防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、結晶核剤、離型安定剤等の添加剤を加えてもよい。
前記重合体としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレン等のエラストマー、およびこれらの無水マレイン酸等による酸変性物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルケトン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ブロー成形をおこなうことにより、ブロー成形体を得ることができる。ブロー成形体を得る方法としては、従来公知のブロー成形方法、例えば、ダイレクトブロー法、アキュームレーターブロー法、多次元ブロー法を採用することができる。また、他の材料と組合せて、多層ブロー成形法やエクスチェンジブロー成形法を採用することもできる。
本発明のポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の透過率は、40%以上であることが必要で、50%以上であることが好ましい。透過率が40%未満の場合、視認性が低いので好ましくない。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の引張伸度は、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。引張強度を50%以上とすることにより、体積変化をともなう液を用いるような用途にも用いることが可能となる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、自動車用途や日用品分野に好適に用いることができる。
自動車用途としては、例えば、燃料タンク、オイルタンクが挙げられる。
日用品分野としては、例えば、蓄冷剤容器が挙げられる。
自動車用途としては、例えば、燃料タンク、オイルタンクが挙げられる。
日用品分野としては、例えば、蓄冷剤容器が挙げられる。
1.原料
(1)ポリアミド樹脂(A)
・A−1:ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製 A1030BRT、相対粘度3.51)
・A−2:ポリアミド66樹脂(アセンド社製 65A、相対粘度3.6)
(1)ポリアミド樹脂(A)
・A−1:ポリアミド6樹脂(ユニチカ社製 A1030BRT、相対粘度3.51)
・A−2:ポリアミド66樹脂(アセンド社製 65A、相対粘度3.6)
(2)カップリング剤(B)
・B−1:3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業社製 KBE−402)
・B−2:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBE−403)
・B−3:3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製 Y−5187)
・B−4:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名「KBM−503」)
・B−1:3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(信越化学工業社製 KBE−402)
・B−2:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 KBE−403)
・B−3:3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製 Y−5187)
・B−4:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名「KBM−503」)
(3)他の重合体
・高密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 3000B)
・高密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 3000B)
(4)繊維強化材
・ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製 MAFT692)
・ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製 MAFT692)
2.評価方法
(1)ドローダウン指数およびダイスウェル指数
直径2.09mmのオリフィスを設置した東洋精機社製メルトインデクサーF−F01を用いて、樹脂組成物を275℃に加熱溶融させた。
十分に予熱をおこなった後(通常は、6分程度の予熱をおこなう)、MVR(メルトボリュームレイト)が7.5cm3/10分となるように荷重を調整し、メルトインデクサーから溶融樹脂のストランドを流出させた。ストランドの下端が基準点を通過した時間を0秒とし、基準点からの距離と、ストランドの下端が、基準点を起点として下記の所定距離を通過するまでの時間を記録した。
ダイスウェル指数は、下記式を用いて求めた。
(ダイスウェル指数)=t/t0
[tは、ストランド下端が190mm点を通過する時間。t0は、オリフィス径のまま(直径2.09mm)でストランド下端が190mm点を通過する時間(52.15秒)。]
また、ドローダウン指数は、下記式を用いて求めた。
(ドローダウン指数)=T1/T2
[T1は、単位時間あたりに150mmから190mmまで、ストランド長を変化させた場合における変化率。T2は、単位時間あたりに0mmから40mmまで、ストランド長を変化させた場合における変化率。
T1およびT2は、下記式により求める。
Tx=40/tx
ここで、txは所定距離間を通過するのに要した時間。]
(1)ドローダウン指数およびダイスウェル指数
直径2.09mmのオリフィスを設置した東洋精機社製メルトインデクサーF−F01を用いて、樹脂組成物を275℃に加熱溶融させた。
十分に予熱をおこなった後(通常は、6分程度の予熱をおこなう)、MVR(メルトボリュームレイト)が7.5cm3/10分となるように荷重を調整し、メルトインデクサーから溶融樹脂のストランドを流出させた。ストランドの下端が基準点を通過した時間を0秒とし、基準点からの距離と、ストランドの下端が、基準点を起点として下記の所定距離を通過するまでの時間を記録した。
ダイスウェル指数は、下記式を用いて求めた。
(ダイスウェル指数)=t/t0
[tは、ストランド下端が190mm点を通過する時間。t0は、オリフィス径のまま(直径2.09mm)でストランド下端が190mm点を通過する時間(52.15秒)。]
また、ドローダウン指数は、下記式を用いて求めた。
(ドローダウン指数)=T1/T2
[T1は、単位時間あたりに150mmから190mmまで、ストランド長を変化させた場合における変化率。T2は、単位時間あたりに0mmから40mmまで、ストランド長を変化させた場合における変化率。
T1およびT2は、下記式により求める。
Tx=40/tx
ここで、txは所定距離間を通過するのに要した時間。]
(2)ブロー成形性
石川島播磨重工業社製ブロー成形機IPB−10を用いて、シリンダー温度275℃、吐出量15kg/時間で、ダイ外形80mm、肉厚2mmで、全長30cmのパリソンを23℃の雰囲気下に押出し、金型温度80℃、ブロー空気圧8kgf/cm2でブロー成形をおこなった。
その後、ブロー成形品を、長さ方向にシリンダー先端から0cm、15cm、30cmの部分で切断し、肉厚をマイクロメーターで測定し、肉厚の平均値を求めた。判断基準は下記の通りである。
○:1.5〜2.5mm
△:1.5mm未満または2.5mm超
なお、ブロー成形品が得られなかった場合は、「×」と判断した。
石川島播磨重工業社製ブロー成形機IPB−10を用いて、シリンダー温度275℃、吐出量15kg/時間で、ダイ外形80mm、肉厚2mmで、全長30cmのパリソンを23℃の雰囲気下に押出し、金型温度80℃、ブロー空気圧8kgf/cm2でブロー成形をおこなった。
その後、ブロー成形品を、長さ方向にシリンダー先端から0cm、15cm、30cmの部分で切断し、肉厚をマイクロメーターで測定し、肉厚の平均値を求めた。判断基準は下記の通りである。
○:1.5〜2.5mm
△:1.5mm未満または2.5mm超
なお、ブロー成形品が得られなかった場合は、「×」と判断した。
(3)透過率
ポリアミド樹脂組成物を用いて、ファナック社製射出成形機α−100iAにて、樹脂温度270℃、金型温度80℃で、長さ80mm×幅80mm×厚さ1mmの試験片を作成した。
得られた試験片について、日本電色工業株式会社製Spectrophotomete SE 6000を用いて透過率を測定した。
ポリアミド樹脂組成物を用いて、ファナック社製射出成形機α−100iAにて、樹脂温度270℃、金型温度80℃で、長さ80mm×幅80mm×厚さ1mmの試験片を作成した。
得られた試験片について、日本電色工業株式会社製Spectrophotomete SE 6000を用いて透過率を測定した。
(4)シャルピー衝撃強度
ポリアミド樹脂組成物を用いて、ファナック社製射出成形機α−100iAにて、樹脂温度270℃、金型温度80℃で、ISO20753に準拠の試験片を作製した。
得られた試験片について、東洋精機製作所社製デジタル衝撃試験機DG−CBを用いて、23℃、ISO179−1に準拠して測定した。
ポリアミド樹脂組成物を用いて、ファナック社製射出成形機α−100iAにて、樹脂温度270℃、金型温度80℃で、ISO20753に準拠の試験片を作製した。
得られた試験片について、東洋精機製作所社製デジタル衝撃試験機DG−CBを用いて、23℃、ISO179−1に準拠して測定した。
(5)引張強度
(4)で得られた試験片について、株式会社島津製作所社製AUTOGRAPH AG−2000Aを用いて、23℃、の雰囲気下、ISO527−1、−2に準拠して測定した。
(4)で得られた試験片について、株式会社島津製作所社製AUTOGRAPH AG−2000Aを用いて、23℃、の雰囲気下、ISO527−1、−2に準拠して測定した。
実施例1
ε−カプロラクタム100質量部に対して、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合をおこなった。重合終了後、オートクレーブの底排弁よりストランド状に引き取った重合体を温浴槽にて冷却固化し、ペレタイザーでペレット状に切断した。得られたペレットを95℃の熱水で24時間精錬処理をして、未反応のモノマーおよびオリゴマーを除去した。その後、80℃で24時間乾燥させ、さらに、80℃で48時間真空乾燥し、乾燥ポリアミドペレットを得た。
東芝機械社製二軸押出機TE26SS型を用い、上記の乾燥ポリアミドペレット3kg(100質量部)とカップリング剤(B)15g(0.5質量部)をドライブレンドして押出機の根元供給口からトップフィードし、ベントを効かせながら溶融混練をおこなった。バレル温度は260〜270℃、スクリュー回転数は240rpm、吐出は10kg/時間とした、
ε−カプロラクタム100質量部に対して、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合をおこなった。重合終了後、オートクレーブの底排弁よりストランド状に引き取った重合体を温浴槽にて冷却固化し、ペレタイザーでペレット状に切断した。得られたペレットを95℃の熱水で24時間精錬処理をして、未反応のモノマーおよびオリゴマーを除去した。その後、80℃で24時間乾燥させ、さらに、80℃で48時間真空乾燥し、乾燥ポリアミドペレットを得た。
東芝機械社製二軸押出機TE26SS型を用い、上記の乾燥ポリアミドペレット3kg(100質量部)とカップリング剤(B)15g(0.5質量部)をドライブレンドして押出機の根元供給口からトップフィードし、ベントを効かせながら溶融混練をおこなった。バレル温度は260〜270℃、スクリュー回転数は240rpm、吐出は10kg/時間とした、
押出機先端から吐出された溶融樹脂をストランド状に引き取り、冷却水で満たしたバットを通過させて冷却固化した後、ペレット状にカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
実施例2〜17、比較例1〜6
樹脂組成を表1に記載された通りに変更した以外は、実施例1と同様の操作をおこなって、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
樹脂組成を表1に記載された通りに変更した以外は、実施例1と同様の操作をおこなって、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
実施例1〜17の樹脂組成物は、ドローダウン指数およびダイスウェル指数が、本発明で規定する好ましい範囲内であった。そのため、ブロー成形性が良好であり、シャルピー衝撃強度が高く、透過性が高かった。
実施例15〜17の対比から、エポキシ基含有アルコキシシランカップリング剤またはイソシアネート基含有アルコキシシランカップリング剤と、メタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤を併用することにより、引張伸度が格段に高くなることがわかる。
実施例15〜17の対比から、エポキシ基含有アルコキシシランカップリング剤またはイソシアネート基含有アルコキシシランカップリング剤と、メタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤を併用することにより、引張伸度が格段に高くなることがわかる。
比較例1の樹脂組成物は、カップリング剤の配合量が本発明で規定する範囲よりも少なかったため、ドローダウン指数が高く、ダイスウェル定数が低く、ブロー成形性が悪かった。
比較例2の樹脂組成物は、カップリング剤の配合量が本発明で規定する範囲よりも少なかったため、ドローダウン指数が低く、ブロー成形性が悪かった。
比較例3の樹脂組成物は、繊維強化材を添加したため、視認性が低かった。
比較例4の樹脂組成物は、ポリエチレンを使用したため、視認性が悪かった。
比較例5、6の樹脂組成物は、ポリアミド単独を使用したため、ドローダウン指数が高く、ダイスウェル定数が低く、ブロー成形性が悪かった。
比較例2の樹脂組成物は、カップリング剤の配合量が本発明で規定する範囲よりも少なかったため、ドローダウン指数が低く、ブロー成形性が悪かった。
比較例3の樹脂組成物は、繊維強化材を添加したため、視認性が低かった。
比較例4の樹脂組成物は、ポリエチレンを使用したため、視認性が悪かった。
比較例5、6の樹脂組成物は、ポリアミド単独を使用したため、ドローダウン指数が高く、ダイスウェル定数が低く、ブロー成形性が悪かった。
Claims (4)
- ポリアミド樹脂(A)100質量部およびカップリング剤(B)0.5〜3.0質量部を含有し、透過率が40%以上であることを特徴とするブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6および/またはポリアミド66であることを特徴とする請求項1に記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
- カップリング剤(B)が、エポキシ基含有アルコキシシランカップリング剤(b1)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)、または、イソシアネート基含有アルコキシシランカップリング剤(b2)とメタクリル基含有アルコキシシランカップリング剤(b3)であることを特徴とする請求項1または2に記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜3いずれかに記載のブロー成形用ポリアミド樹脂組成物からなることを特徴とするブロー成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015171151A JP2017048284A (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物およびそれから得られる成形体 |
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JP2015171151A JP2017048284A (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物およびそれから得られる成形体 |
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ID=58278112
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JP2015171151A Pending JP2017048284A (ja) | 2015-08-31 | 2015-08-31 | ブロー成形用ポリアミド樹脂組成物およびそれから得られる成形体 |
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JP (1) | JP2017048284A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018197316A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 |
JP2020180272A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 東レ株式会社 | 樹脂組成物およびその成形品 |
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2015
- 2015-08-31 JP JP2015171151A patent/JP2017048284A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018197316A (ja) * | 2017-05-24 | 2018-12-13 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 |
JP2020180272A (ja) * | 2019-04-24 | 2020-11-05 | 東レ株式会社 | 樹脂組成物およびその成形品 |
JP7388132B2 (ja) | 2019-04-24 | 2023-11-29 | 東レ株式会社 | 樹脂組成物およびその成形品 |
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