WO2021157606A1 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

流動性が高く、成型品とした場合のガスバリア性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供する。 ポリアミド樹脂(A)及び耐衝撃材(B)を含むポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂(A)が脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)を含み;JIS K 6920に準じて、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定される相対粘度において、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度が2.10~2.80であり、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度が2.90~3.80である、ポリアミド樹脂組成物。

Description

ポリアミド樹脂組成物
 本発明は、ポリアミド樹脂組成物に関する。
 ポリアミド樹脂は、ガスバリア性に優れた樹脂として知られており、各種用途としてガスバリア性を有するポリアミド樹脂組成物が求められている。
 そのようなポリアミド樹脂組成物として、ポリアミド6、共重合ポリアミド及び耐衝撃材を含むポリアミド樹脂組成物からなる水素タンクライナー用材料が提案されており、ガスバリア性に優れ、低温でも優れた耐衝撃性を有することが示されている(例えば、特許文献1を参照)。一方で、ポリアミド樹脂及び耐衝撃材を含み、ポリアミド樹脂の相対粘度を2.7以上とし、ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度、耐衝撃剤の酸無水物基の含有量及び耐衝撃材の含有率を所定の範囲としたポリアミド樹脂組成物が提案されており、該組成物は、成形体の良好な表面外観を維持しながら、ブロー成形性に優れることが示されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2009-191871号公報 特開2017-206639号公報
 特許文献1に記載されたポリアミド樹脂組成物の成形品は、一定のガスバリア性を示すものの、さらに優れたガスバリア性を有するポリアミド樹脂組成物が求められている。また、大型成形品の射出成形性の観点から、流動性を向上させたポリアミド樹脂組成物が求められている。
 本発明は、流動性が高く、成型品とした場合のガスバリア性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
 本発明は、以下の[1]~[9]に関する。
[1]ポリアミド樹脂(A)及び耐衝撃材(B)を含むポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂(A)が脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)を含み;JIS K 6920に準じて、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定される相対粘度において、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度が2.10~2.80であり、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度が2.90~3.80である、ポリアミド樹脂組成物。
[2]脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)と脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)との質量比が50:50~90:10である、[1]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が2.30~3.00である、[1]又は[2]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[4]ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が2.45~2.80である、[1]~[3]のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度が2.30~2.70である、[1]~[4]のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
[6]脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度が2.95~3.50である、[1]~[5]のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
[7]フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びハロゲン化金属系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも2種の酸化防止剤(C)をさらに含む、[1]~[6]のいずれか1つに記載のポリアミド樹脂組成物。
[8]フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との質量比が1:1~10:1である、[7]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[9]フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤の合計とハロゲン化金属系酸化防止剤との質量比が0.1:1~10:1である、[7]又は[8]に記載のポリアミド樹脂組成物。
 本発明によれば、流動性が高く、成型品とした場合のガスバリア性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
 本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、ポリアミド樹脂について規定される相対粘度は、JIS K 6920に準じて、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定された値を意味する。
 本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)及び耐衝撃材(B)を含むポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂(A)が脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)を含み;JIS K 6920に準じて、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定される相対粘度において、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度が2.10~2.80であり、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度が2.90~3.80である。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度を上記範囲とすることにより、流動性が高く、成型品とした場合のガスバリア性に優れたポリアミド樹脂組成物とすることができる。
<ポリアミド樹脂(A)>
 ポリアミド樹脂(A)は、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)を含む。
(脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1))
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)は、脂肪族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が、1種単独であるポリアミド樹脂を意味する。脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)は、1種類のラクタム及び当該ラクタムの加水分解物であるアミノカルボン酸の少なくとも一方からなるものであってもよく、1種類の脂肪族ジアミンと1種類の脂肪族ジカルボン酸との組合せからなるものであってもよい。ここで、脂肪族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が、脂肪族ジアミン及び脂肪族ジカルボン酸の組合せである場合は、1種の脂肪族ジアミンと1種の脂肪族ジカルボン酸の組合せで1種のモノマー成分とみなすものとする。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)は、JIS K 6920に準じて、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定される相対粘度が2.10~2.80である。脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度を上記範囲とすることにより、ポリアミド樹脂組成物の流動性を高くし、ガスバリア性を向上させることができる。脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度は、好ましくは2.30~2.70、より好ましくは2.40~2.65である。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)が、相対粘度が異なる2種以上のポリアミド樹脂を含む場合、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度は、上記内容で測定されるのが好ましいが、それぞれのポリアミド樹脂の相対粘度とその混合比が判明している場合、それぞれの相対粘度にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値(平均相対粘度)を、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度としてもよい。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)としては、脂肪族ジアミン及び脂肪族ジカルボン酸からなる脂肪族ホモポリアミド樹脂、ラクタム又はアミノカルボン酸からなる脂肪族ホモポリアミド樹脂等を挙げることができる。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)を構成するモノマー成分としては、炭素数2~20、好ましくは炭素数4~12の脂肪族ジアミンと、炭素数2~20、好ましくは炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸の組合せ、炭素数6~12のラクタム又はアミノカルボン酸等を挙げることができる。
 脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカンジアミン、テトラデカンジアミン、ペンタデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、ヘプタデカンジアミン、オクタデカンジアミン、ノナデカンジアミン、エイコサンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、2,2,4/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。また脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデカンジオン酸、テトラデカンジオン酸、ペンタデカンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、オクタデカンジオン酸、エイコサンジオン酸等が挙げられる。
 脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸の組合せとして、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の組合せ、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の組合せ、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジオン酸の組合せ等が挙げられ、これらの組合せの等モル塩が好ましく用いられる。
 ラクタムとしては、ε-カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α-ピロリドン、α-ピペリドン等が挙げられる。ラクタムは、生産性の観点から、ε-カプロラクタム、ウンデカンラクタム又はドデカンラクタムであることが好ましい。また、アミノカルボン酸としては6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、9-アミノノナン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸が挙げられる。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)として具体的には、ポリカプロラクタム(ポリアミド6)、ポリエナントラクタム(ポリアミド7)、ポリウンデカンラクタム(ポリアミド11)、ポリラウリルラクタム(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリテトラメチレンドデカミド(ポリアミド412)、ポリペンタメチレンアゼラミド(ポリアミド59)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリペンタメチレンドデカミド(ポリアミド512)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ポリアミド69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリノナメチレンアジパミド(ポリアミド96)、ポリノナメチレンアゼラミド(ポリアミド99)、ポリノナメチレンセバカミド(ポリアミド910)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンアゼラミド(ポリアミド109)、ポリデカメチレンデカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリドデカメチレンアジパミド(ポリアミド126)、ポリドデカメチレンアゼラミド(ポリアミド129)、ポリドデカメチレンセバカミド(ポリアミド1210)、ポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)、ポリアミド122等が挙げられる。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)は、生産性の観点から、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11及びポリアミド12からなる群から選択される1種以上であることが好ましく、ポリアミド6及び/又はポリアミド66であることが特に好ましい。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
(脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2))
 脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)は、脂肪族ポリアミド樹脂を構成するモノマー成分が、2種以上の組合せであるポリアミド樹脂を意味する。脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)は、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸の組合せ、ラクタム及びアミノカルボン酸からなる群から選択される2種以上の共重合体である。ここで、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸の組合せは、1種類の脂肪族ジアミンと1種類の脂肪族ジカルボン酸の組合せで1種類のモノマー成分とみなす。
 脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)は、JIS K 6920に準じて、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定される相対粘度が2.90~3.80である。脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度を上記範囲とすることにより、ポリアミド樹脂組成物の流動性を高くし、ガスバリア性を向上させることができる。脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度は、好ましくは2.95~3.50、より好ましくは3.00~3.20である。
 脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)が、相対粘度が異なる2種以上のポリアミド樹脂を含む場合、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度は、上記内容で測定されるのが好ましいが、それぞれのポリアミド樹脂の相対粘度とその混合比が判明している場合、それぞれの相対粘度にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値(平均相対粘度)を、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度としてもよい。
 脂肪族ジアミンとしては、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の原料として例示したものと同様のものが挙げられる。
 脂肪族ジカルボン酸としては、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の原料として例示したものと同様のものが挙げられる。
 ラクタムとしては、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の原料として例示したものと同様のものが挙げられる。また、アミノカルボン酸としては脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の原料として例示したものと同様のものが挙げられる。
 これらの脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸、ラクタム及びアミノカルボン酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)として具体的には、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸共重合体(ポリアミド6/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアゼライン酸共重合体(ポリアミド6/69)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノセバシン酸共重合体(ポリアミド6/610)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノウンデカンジカルボン酸共重合体(ポリアミド6/611)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノドデカンジカルボン酸共重合体(ポリアミド6/612)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ポリアミド6/11)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ポリアミド6/12)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ラウリルラクタム共重合体(ポリアミド6/66/12)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ヘキサメチレンジアミノセバシン酸共重合体(ポリアミド6/66/610)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ヘキサメチレンジアミノドデカンジカルボン酸共重合体(ポリアミド6/66/612)、ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/カプロラクタム共重合体(ポリアミド66/6)等の脂肪族共重合ポリアミド樹脂が挙げられる。
 脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)は、生産性の観点から、ポリアミド6/66及びポリアミド6/66/12からなる群から選択される1種以上であることが好ましく、ポリアミド6/66であることが特に好ましい。
 脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)は、1種又は2種以上の組合せであってもよい。
(その他のポリアミド樹脂)
 ポリアミド樹脂(A)は、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)以外の、その他のポリアミド樹脂(A-3)を含むことができる。その他のポリアミド樹脂(A-3)としては、脂環族、芳香族等の官能基を主鎖又は側鎖に有する共重合体であるポリアミド樹脂が挙げられる。その他のポリアミド樹脂(A-3)は、例えば芳香族系モノマー成分を少なくとも2成分含む共重合ポリアミド樹脂であることが好ましい。
 その他のポリアミド樹脂(A-3)の原料の脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸、ラクタム及びアミノカルボン酸としては、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)で例示したものが挙げられる。
 その他のポリアミド樹脂(A-3)を構成する脂環式ジアミンとしては、例えば、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン等が挙げられる。その他のポリアミド樹脂(A-3)を構成する芳香族ジアミンとしては、例えば、;p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-キシレンジアミン、m-キシレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。
 その他のポリアミド樹脂(A-3)を構成する脂環式ジカルボン酸としては、例えば、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。その他のポリアミド樹脂(A-3)を構成する芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,4-フェニレンジオキシジ酢酸、1,3-フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4’-オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-4,4’-ジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。 
 その他のポリアミド樹脂(A-3)として具体的には、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタンの重縮合体、テレフタル酸/2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン/ω-ラウロラクタムの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミンの重縮合体(ポリアミド6T/6I)、イソフタル酸/2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/テレフタル酸/2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合体、イソフタル酸/ビス(3-メチル-4-アミノシクロヘキシル)メタン/ω-ラウロラクタムの重縮合体等が挙げられる。
 その他のポリアミド樹脂(A-3)として具体的には、テレフタル酸成分単位40~95モル%及びイソフタル酸成分単位5~60モル%と、脂肪族ジアミンとからなるものが好ましい。その他のポリアミド樹脂(A-3)を構成するモノマー成分の好ましい組合せとしては、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩とヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩が挙げられる。
 その他のポリアミド樹脂(A-3)は、脂肪族ジアミンとイソフタル酸及びテレフタル酸とからなるモノマー成分に由来する単位を60質量%以上99質量%以下で含み、脂肪族ポリアミド成分の単位を1質量%以上40質量%以下で含む共重合体であることが好ましい。
(ポリアミド樹脂の製造)
 ポリアミド樹脂の製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機等の混練反応押出機等、公知のポリアミド製造装置が挙げられる。重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法を用い、常圧、減圧、加圧操作を繰り返して重合することができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
(ポリアミド樹脂(A))
 ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度が2.10~2.80であり、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度が2.90~3.80である限り、特に制限されないが、ポリアミド樹脂組成物の流動性の観点から、例えば、2.30~3.00であると好ましく、より好ましくは2.45~2.80、さらに好ましくは2.50~2.75、特に好ましくは2.50~2.68である。
 ポリアミド樹脂(A)の相対粘度は、JIS K 6920に準じて、ポリアミド樹脂(A)1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定されるのが好ましいが、それぞれのポリアミド樹脂の相対粘度とその混合比が判明している場合、それぞれの相対粘度にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値(平均相対粘度)を、ポリアミド樹脂(A)の相対粘度としてもよい。
 ポリアミド樹脂(A)は、低温靭性の観点から、ポリアミド樹脂(A)100質量%中の脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の含有率は、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらにより好ましくは98質量%以上である。ポリアミド樹脂(A)は、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)のみからなることが特に好ましい。なかでも、ポリアミド樹脂(A)の結晶性の観点から、ポリアミド6とポリアミド6/66との混合物がさらに好ましい。
 低温靭性の観点から、脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)と脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)との質量比は、50:50~90:10であることが好ましく、60:40~85:15であることがより好ましく、70:30~80:20であることが特に好ましい。
 ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基濃度は、フェノールとメタノールの混合溶媒に溶解させ中和滴定で求められる末端アミノ基濃度として、30μmol/g以上であることが好ましく、30μmol/g以上110μmol/g以下の範囲がより好ましく、30μmol/g以上70μmol/g以下の範囲が特に好ましい。前記範囲であると、ポリアミド樹脂組成物を用いた成形物の成形加工性が良好である。
 ポリアミド樹脂(A)が、末端アミノ基濃度の異なる2種以上のポリアミド樹脂を含む場合、ポリアミド樹脂(A)における末端アミノ基濃度は、上記中和摘定で測定されるのが好ましいが、それぞれのポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度とその混合比が判明している場合、それぞれの末端アミノ基濃度にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値を、ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基濃度としてもよい。
 ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、78~94質量%含まれることが好ましく、80~92質量%含まれることがより好ましい。ポリアミド樹脂(A)の含有割合が前記範囲であると、ポリアミド樹脂組成物を用いた成形物の成形加工性が良好である。
<耐衝撃材(B)>
 耐衝撃材(B)は、ポリアミド樹脂組成物に耐衝撃性を付与する成分である。耐衝撃材(B)としてはゴム状重合体が挙げられる。耐衝撃材(B)は、ASTM D-790に準拠して測定した曲げ弾性率が500MPa以下であることが好ましい。
 耐衝撃材(B)として具体的には、(エチレン及び/又はプロピレン)/α-オレフィン系共重合体、(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β-不飽和カルボン酸及び/又はα,β-不飽和カルボン酸エステル)系共重合体等を挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。耐衝撃材(B)として好ましくは、エチレン/α-オレフィン系共重合体である。
 (エチレン及び/又はプロピレン)/α-オレフィン系共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンと炭素数3以上又は4以上のα-オレフィンとを共重合した重合体である。
 炭素数3以上のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、 4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、12-エチル-1-テトラデセン等が挙げられる。これらは1種単独でも又は2種以上を組合せて用いてもよい。
 また共重合体は、非共役ジエン等のポリエンを共重合したものであってもよい。非共役ジエンとしては、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,5-ノルボルナジエン等が挙げられる。これらは1種単独でも又は2種以上を組合せて用いてもよい。
 (エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β-不飽和カルボン酸及び/又はα,β-不飽和カルボン酸エステル)系共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンとα,β-不飽和カルボン酸及び/又はα,β-不飽和カルボン酸エステル単量体を共重合した重合体である。α,β-不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。α,β-不飽和カルボン酸エステル単量体としては、これらα,β-不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル等が挙げられる。これらは1種単独でも又は2種以上を組合せて用いてもよい。
 また、耐衝撃材(B)として用いられる(エチレン及び/又はプロピレン)/α-オレフィン系共重合体、並びに(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β-不飽和カルボン酸及び/又はα,β-不飽和カルボン酸エステル)系共重合体は、カルボン酸及び/又はその誘導体で変性された重合体であることが好ましく、不飽和カルボン酸又はその酸無水物等により酸変性された重合体であることがより好ましい。このような成分により変性することにより、ポリアミド樹脂(A)に対して親和性を有する官能基をその分子中に含むこととなる。
 ポリアミド樹脂(A)に対して親和性を有する官能基としては、カルボキシ基、酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩、カルボン酸イミド基、カルボン酸アミド基、エポキシ基等が挙げられる。
 これらの官能基を含む化合物、すなわちカルボン酸及びその誘導体の例として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、エンドビシクロ-[2.2.1]-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸及びこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ-[2.2.1]-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸無水物、マレイミド、N-エチルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等が挙げられる。これらは1種単独でも又は2種以上を組合せて用いることができる。これらの中では無水マレイン酸が好ましい。
 耐衝撃材(B)における酸無水物基の含有量は、25μmol/g超過200μmol/g以下であることが好ましく、35μmol/g以上150μmol以下がより好ましく、40μmol/g以上110μmol/g以下がさらに好ましく、40μmol/g以上90μmol以下が特に好ましい。含有量が25μmol/g超過とすることにより、組成物の溶融粘度の過度の低下を抑えることができ、ブロー成形において目標の肉厚寸法を得ることができる。また含有量が200μmol/g以下であると溶融粘度が高すぎず、押出機に対する負荷を抑えて良好に成形加工できる。耐衝撃材(B)が有する酸無水物基の含有量は、トルエン及びエタノールを用いて調製した試料溶液を用いて、フェノールフタレインを指示薬とし、0.1規定のKOHエタノール溶液による中和滴定で測定される。
 耐衝撃材(B)として、酸無水物基の含有量が異なる2種以上の耐衝撃材を用いる場合、耐衝撃材(B)における酸無水物基の含有量は、トルエン及びエタノールを用いて調製した試料溶液を用いて、フェノールフタレインを指示薬とし、0.1規定のKOHエタノール溶液による中和滴定で測定されるのが好ましいが、それぞれの耐衝撃材の酸無水物基の含有量とその混合比が判明している場合、それぞれの酸無水物基の含有量にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値を、耐衝撃材(B)の酸無水物量としてもよい。
 耐衝撃材(B)は、ASTM D1238に準拠して、温度230℃、荷重2160gで測定したMFRが0.1g/10分以上10.0g/10分以下であることが好ましい。MFRが0.1g/10分以上であると、ポリアミド樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎず、例えば押出成形におけるブロー成形時にパリソンの形状が不安定になることが抑制され、成形体の厚みがより均一になる傾向がある。また、MFRが10.0g/10分以下であると、パリソンのドローダウンが大きくなりすぎず、良好なブロー成形性が得られる傾向がある。
 耐衝撃材(B)は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、5~20質量%含まれることが好ましく、6~19質量%含まれることがより好ましく、7~18質量%含まれることがさらに好ましく、10~16質量%含まれることが特に好ましい。耐衝撃材(B)の含有割合が上記範囲にあるとガスバリア性が良好である。
<酸化防止剤(C)>
 ポリアミド樹脂組成物は、さらに酸化防止剤(C)を含むことが好ましい。酸化防止剤(C)は、有機系酸化防止剤及びハロゲン化金属系酸化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の酸化防止剤であることが好ましく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びハロゲン化金属系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも2種の酸化防止剤を含むことがより好ましく、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤から選択される少なくとも1種とハロゲン化金属系酸化防止剤とを含むことがさらに好ましく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びハロゲン化金属系酸化防止剤のすべてを含むことが特に好ましい。ポリアミド樹脂組成物がフェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤から選択される少なくとも1種とハロゲン化金属系酸化防止剤とを含むと、樹脂組成物の着色及び酸化防止剤のブリードアウトを共に抑制するとともに、耐熱性の向上を図りやすくなる。
(有機系酸化防止剤)
 有機系酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等を挙げることができる。有機系酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を共に含むことがより好ましい。
 フェノール系酸化防止剤として具体的には、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド(Irganox(登録商標)1098;BASFジャパン株式会社製)、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート](Irganox(登録商標)1010;BASFジャパン株式会社製)、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート](Irganox(登録商標)245;BASFジャパン株式会社製)、3,9-ビス[2-〔3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(スミライザー(登録商標)GA-80;住友化学株式会社製)を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。フェノール系酸化防止剤は1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
 リン系酸化防止剤として具体的には、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト(Irgafos168;BASFジャパン株式会社製)、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエルスリトールジフォスファイト(アデカスタブ(登録商標)PEP-36;株式会社ADEKA製)、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシ)-4,4-ビフィニルジホスフィンを主成分とするビフィニル、三塩化リン及び2,4-ジ-tert-ブチルフェノールの反応生成物(Hostanox(登録商標)P-EPQ(登録商標)P;クラリアントジャパン株式会社製)を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。リン系酸化防止剤は1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
 チオエーテル系酸化防止剤として具体的には、ジステアリル-3,3-チオジプロピオネート(Irganox(登録商標)PS802;BASFジャパン株式会社製)、ペンタエリスリチルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)(スミライザー(登録商標)TP-D;住友化学株式会社製)、ジドデシル(3,3’-チオジプロピオネート)(Irganox(登録商標)PS800;BASFジャパン株式会社製)を挙げることができ、これらからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。チオエーテル系酸化防止剤は1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
 有機系酸化防止剤の合計含有率は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、0.02質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましい。
 フェノール系酸化防止剤の含有率は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上1.5質量%以下であることが特に好ましい。
 リン系酸化防止剤の含有率は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上1.5質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上1.0質量%以下であることが特に好ましい。
 フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との質量比は、ブリードアウトの防止と成形品の着色の観点から、1:1~10:1であることが好ましく、2:1~8:1であることがより好ましい。
(ハロゲン化金属系酸化防止剤)
 ハロゲン化金属系酸化防止剤は、主に長期耐熱性を付与する成分である。ハロゲン化金属系酸化防止剤は、ハロゲンと金属との化合物である。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。金属としては、第1族元素(アルカリ金属)、第2族元素(アルカリ土類金属)、第3族元素~第12族元素(例えば、遷移金属)等が挙げられる。ハロゲン化金属における金属は、第1族元素(アルカリ金属)又は第11族元素(銅族)の金属であることが好ましい。
 金属が第1族元素(アルカリ金属)である場合のハロゲン化金属としては、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム又は塩化ナトリウム等が挙げられる。また、金属が第11族元素(銅族)である場合のハロゲン化金属としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅等が挙げられる。ハロゲン化金属系酸化防止剤は、ヨウ化第一銅及びハロゲン化カリウムの混合物、又は臭化第一銅及びハロゲン化カリウムの混合物であることがより好ましく、ヨウ化第一銅及びヨウ化カリウムの混合物、又は臭化第一銅及び臭化カリウムの混合物であることが特に好ましい。
 ハロゲン化金属系酸化防止剤は1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
 ハロゲン化金属系酸化防止剤の含有率は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中に、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上2.0質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることが特に好ましい。ポリアミド樹脂組成物が、銅系酸化防止剤を所定量以上で含む場合、耐衝撃材(B)が銅と接触することにより銅害が発生して耐衝撃材(B)が劣化する場合があり、また、ポリアミド樹脂組成物の着色が大きくなる傾向がある。ハロゲン化金属系酸化防止剤の含有率を5質量%以下とし、かつ、フェノール系酸化防止剤及び/又はリン系酸化防止剤を併用することにより、このような耐衝撃材(B)の劣化及びポリアミド樹脂組成物の着色を抑制しやすくなる。
 フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤の合計とハロゲン化金属系酸化防止剤との質量比は、ブリードアウトの防止と成形品の着色の観点から、0.1:1~10:1であることが好ましく、0.5:1~5:1であることがより好ましい。
 フェノール系酸化防止剤とハロゲン化金属系酸化防止剤との質量比は、0.05:1~6:1であることが好ましく、0.4:1~3:1であることがより好ましい。
<他の成分>
 ポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を含むことができる。他の成分としては、可塑剤、耐熱材、発泡剤、耐候剤、結晶核剤、結晶化促進剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料等の機能性付与剤等が挙げられる。なお、他の成分は、ポリアミド樹脂(A)、耐衝撃材(B)及び酸化防止剤(C)ではない。
 ポリアミド樹脂組成物は、他の成分として無機核剤を含むことが好ましい。無機核剤の例としては、タルク、マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、クレー、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、水酸化アルミニウム、ドロマイト、カオリン、シリカ、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、水酸化マグネシウム、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト、白土、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維及び硼素繊維等が挙げられる。
 これらの中でも、ポリアミド樹脂の結晶化度を向上させ、窒素及び水素のガス透過性を抑制する観点から、タルクが好ましい。
[ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
 ポリアミド樹脂組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば次の方法を適用することができる。
 ポリアミド樹脂(A)と、耐衝撃材(B)と、酸化防止剤(C)と、任意の他の成分とを混合して使用する際には、単軸、二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロール等通常公知の溶融混練機が用いられる。例えば、二軸押出機を使用して、全ての原材料を配合後、溶融混練する方法、一部の原材料を配合後、溶融混練し、さらに残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後、溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法等、いずれの方法を用いてもよい。
[ポリアミド樹脂組成物の用途]
 ポリアミド樹脂組成物は、特に制限されず、公知の方法を利用する成形品の製造に用いることができる。具体的には、ポリアミド樹脂組成物は、射出成形による射出成形品の製造、ブロー成形によるブロー成形品の製造、又は押出成形による押出成形品の製造に用いることができる。中でも本発明のポリアミド樹脂組成物はブロー成形によるブロー成形品の製造及び押出成形による押出成形品の製造に好適である。
 ポリアミド樹脂組成物からブロー成形によりブロー成形品を製造する方法は、一般的には、通常のブロー成形機を用いて、パリソンを形成した後、ブロー成形を実施することを含む。パリソン形成時の樹脂温度は、ポリアミド樹脂組成物の融点より10℃から70℃高い温度範囲であることが好ましい。
 ポリアミド樹脂組成物から押出成形により押出成形品を製造する方法は、一般的には、ポリエチレン等のポリオレフィンや他の熱可塑性樹脂と共押出した後、ブロー成形を行い、多層構造体を得ることを含む。ここで、ポリアミド樹脂組成物層とポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂層の間に接着層を設けることも可能である。成形品が多層構造体である場合、本発明のポリアミド樹脂組成物は外層、内層のいずれにも使用し得る。
 射出成形による射出成形品、ブロー成形によるブロー成形品又は押出成形による押出成形品の用途としては、特に限定されないが、スポイラー、エアインテークダクト、インテークマニホールド、レゾネーター、燃料タンク、ガスタンク、作動油タンク、燃料フィラーチューブ、燃料デリバリーパイプ、各種ホース、チューブ、タンク等の自動車部品;電動工具ハウジング、パイプ等の機械部品;タンク、チューブ、ホース、フィルム等の電気及び電子部品;家庭及び事務用品;建材関係部品;家具用部品等が好適に挙げられる。
 ポリアミド樹脂組成物は、ガスバリア性に優れるため、ガスと接触する成形体、例えば、ガスに接するタンク、チューブ、ホース、フィルム等に好適に用いられる。
 前記ガスの種類としては、特に制限されないが、水素、窒素、酸素、ヘリウム、メタン、ブタン、プロパン等が挙げられ、極性の小さいガスが好ましく、水素及び窒素がより好ましい。
 以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[使用材料]
1.ポリアミド樹脂(A)
(1)脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)
 PA6-1:ポリアミド6(宇部興産株式会社製:96%硫酸に対する相対粘度=2.64)
 PA6-2:ポリアミド6(宇部興産株式会社製:96%硫酸に対する相対粘度=2.47)
 PA6-3:ポリアミド6(宇部興産株式会社製:96%硫酸に対する相対粘度=2.98)
(2)脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)
 PA6/66-1:ポリアミド6/66(宇部興産株式会社製:96%硫酸に対する相対粘度=3.04)
 PA6/66-2:ポリアミド6/66(宇部興産株式会社製:96%硫酸に対する相対粘度=4.05)
2.耐衝撃材(B)
 無水マレイン酸変性エチレン-ブテン共重合体(三井化学株式会社製、タフマー(登録商標)MH5020)
3.酸化防止剤(C)
 フェノール系酸化防止剤-1:3,9-ビス[2-〔3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友化学株式会社製;スミライザー(登録商標)GA-80)
 フェノール系酸化防止剤-2:ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート](BASFジャパン株式会社製;Irganox(登録商標)1010)
 リン系酸化防止剤:トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト(BASFジャパン株式会社製;Irgafos168)
 ハロゲン化金属系酸化防止剤:ヨウ化第一銅/ヨウ化カリウム=2/5(質量比)の混合物
実施例1~3及び比較例1
 表1に記載した各成分を、下記溶融混錬条件で溶融混練し、目的とするポリアミド樹脂組成物ペレットを作製した。なお、表1中の組成の単位は質量%であり、ポリアミド樹脂組成物全体を100質量%とする。
<溶融混錬条件>
TEX-44二軸押出機を使用
シリンダー径:44mm
L/D:35
スクリュー回転数:120rpm
[評価方法]
1.水素ガス透過係数
 実施例1~3及び比較例1のペレットをそれぞれ用い、下記射出成形条件で、厚さ2mmの試験片を作製した。
<射出成形条件>
シリンダー温度:270℃
金型温度:80℃
金型内平均射出速度:50mm/sec
冷却時間:5秒
 このようにして得た試験片を用い、JIS K7126-1に従い、ガスクロマトグラフ法を採用し、55℃、0%RHにおいて、水素ガス透過試験を行った。測定装置は、GTR-21A-B,シリアル番号GTR-1400120(GTRテック株式会社製)を用いた。ガス透過性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
 〇:水素ガス透過係数が3.0×10-10cm・cm/(cm・s・cmHg)未満
 ×:水素ガス透過係数が3.0×10-10cm・cm/(cm・s・cmHg)以上
2.加熱加圧下後の引張降伏呼びひずみ
 実施例1~3及び比較例1のペレットをそれぞれ用い、下記射出成形条件で、ISOTypeA試験片を得た。こうして得た試験片を酸素濃度21%、圧力0.8MPa及び180℃の条件下で2時間処理した。その後、ISO 527-2/1A/50に従い、-60℃にて引張降伏呼びひずみ試験を行い、耐熱性の指標とした。加熱加圧下後の引張降伏呼びひずみ値は、大きいほど低温靭性に優れ、耐熱性が良好である。引張降伏呼びひずみ試験において降伏点が現れない場合は、試験片は引張応力に応じて伸び続けた後突然破断するため、低温靱性に劣り、耐熱性に劣る。ポリアミド樹脂組成物の耐熱性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
 〇:引張降伏呼びひずみ値が6.0%以上
 ×:引張降伏呼びひずみ値が6.0%未満又は降伏点なし
<射出成形条件>
シリンダー温度:270℃
金型温度:80℃
金型内平均射出速度:50mm/sec
冷却時間:5秒
3.流動性
 実施例1~3及び比較例1のペレットについて、JIS K 7210-1に従い、280℃、荷重10kgの条件下でメルトマスフローレート(MFR)測定を行い、流動性の指標とした。ポリアミド樹脂組成物の流動性を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
 ◎:MFRが80g/10分以上
 ○:MFRが50g/10分以上80g/10分未満
 ×:MFRが50g/10分未満
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1から、相対粘度が2.10~2.80の範囲内にある脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び相対粘度が2.90~3.80の範囲内にある脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)を含むポリアミド樹脂(A)を用いた実施例1~3は、水素ガスバリア性及び流動性に優れることがわかる。平均相対粘度が2.30~3.00の範囲にあるポリアミド樹脂(A)を用いた実施例1~3は、水素ガスバリア性及び流動性に優れることがわかる。また、実施例1~3の組成物は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びハロゲン化金属系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも2種の酸化防止剤を含むため、加熱加圧下後の引張降伏呼びひずみが大きく、耐熱性にも優れる。
 脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度が2.80超であり、脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度が3.80超である比較例1は、水素ガスバリア性及び流動性に劣る。また、比較例1は、ハロゲン化金属系酸化防止剤のみを使用しているため、加熱加圧下後の引張降伏呼びひずみ試験において降伏点がなく、耐熱性に劣る。
 本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形等による各種成形品の製造に用いることができる。

Claims (9)

  1.  ポリアミド樹脂(A)及び耐衝撃材(B)を含むポリアミド樹脂組成物であって、
     ポリアミド樹脂(A)が脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)及び脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)を含み、
     JIS K 6920に準じて、ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定される相対粘度において、
     脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度が2.10~2.80であり、
     脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度が2.90~3.80である、
    ポリアミド樹脂組成物。
  2.  脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)と脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)との質量比が50:50~90:10である、請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3.  ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が2.30~3.00である、請求項1又は2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4.  ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が2.45~2.80である、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5.  脂肪族ホモポリアミド樹脂(A-1)の相対粘度が2.30~2.70である、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6.  脂肪族共重合ポリアミド樹脂(A-2)の相対粘度が2.95~3.50である、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7.  フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びハロゲン化金属系酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも2種の酸化防止剤(C)をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  8.  フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との質量比が1:1~10:1である、請求項7に記載のポリアミド樹脂組成物。
  9.  フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤の合計とハロゲン化金属系酸化防止剤との質量比が0.1:1~10:1である、請求項7又は8に記載のポリアミド樹脂組成物。
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