JP5475534B2 - 電圧形インバータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧形インバータの制御装置に関する。
インバータの出力電流を制御する方式には、電流制御のマイナにPWM制御を持つ方式
と、電流制御とPWM制御を同時に行なう方式がある。前者の代表がdq軸電流制御と三
角波比較PWM等の組合わせ方式であり、今日、最も広く用いられている。
後者が電流追従制御型PWMで、インバータ出力電流の瞬時値が基準値に追従するよう
にPWM信号を直接発生させる方式である。ヒステリシスコンパレータ方式が最も代表的
である。前者に比して電流応答が飛躍的に速いという特長と、スイッチング周波数の管理
がしづらい、電流高調波歪み率が高いという欠点があるため、現在では一部の用途にしか
用いられていない。そのため電流追従制御型PWMの長所は残しつつ、短所を改善しよう
という試みがなされ、多数の特許が出願されている。改良型としては例えば以下のものが
ある。
ここでは、特許文献1の制御装置の構成を従来例として図6に示す。図6において、1
は直流電源、2は平滑コンデンサ、3はU,V,W各相の上側の自己消弧型スイッチング
素子SU,SV,SW、下側の自己消弧型スイッチング素子SX,SY,SZと、自己消
弧型スイッチング素子のそれぞれに逆並列に接続されたダイオードとから構成されるイン
バータ、4は交流電動機、5U,5V,5Wは電流検出用ホールCT、6はホールCT5
U,5V,5Wの出力信号を制御回路で用いるレベルにスケーリングしてアナログまたは
デジタルの電流検出値iu ,iv ,iw を出力する電流検出器である。図6では、三
相電流検出値iu ,iv ,iw をまとめて電流検出ベクトルiとして表記している。
80は従来例の主要部をなす電流追従制御型のPWM制御装置である。7は、交流電動機
4に流すべき電流基準ベクトルi* から電流検出ベクトルiを減算し、電流偏差ベクトル
Δiを出力するベクトル減算器であり、相電流基準から相電流検出を減算する減算器を、
3個セットにしたものである。
Δiu =iu*−iu
Δiv =iv*−iv・・・(1)
Δiw =iw*−iw
8は、偏差ベクトルΔiのU,V,W座標成分Δiu ,Δiv ,Δiw から、偏差ベ
クトルの角度θΔi を求める角度領域判定回路である。
図7に角度領域判定回路8の構成を示す。コンパレータ20u,20v,20w,20
uw,20vu,20wuと、減算器21uw,21vu,21wuと、論理回路22と
から構成されている。
コンパレータ20u,20v,20wは、それぞれ相電流の偏差Δiu ,Δiv ,Δ
iw がゼロよりも大きければ論理値“1”を、さもなくば論理値“0”を出力する。コ
ンパレータ20uw,20vu,20wuはそれぞれΔiu >Δiw 、Δiv >Δi
u 、Δiw >Δivの時に論理値“1”を、さもなくば論理値“0”を出力する。各コ
ンパレータ出力と電流偏差ベクトルの角度との関係を図8に示す。
電流偏差ベクトルの3相成分の大きさが図8の最上段の波形の関係にある時の角度領域
信号θΔiは、コンパレータ20u,20v,20w,20uw,20vu,20wuの
出力の組合せから、図8に基づいて0〜11の値として求める。すなわち従来例において
、角度領域信号θΔiは電気角360度を12等分した角度領域のどこに入るかを示す信
号である。
図7の論理回路22は、当該演算を行なうものであり、QN=Q0〜Q11の12ビッ
ト信号を出力する。QNのNは、図8において角度範囲の上に記した0〜11の値である
図8の関係から電気角θΔiが0〜π/6の時には、Q0のみが“1”となるべきである
他も同様であり、論理回路22の12個の出力信号Q0〜Q11のうち論理値“1”を出
力するのは1個のみであるべきである。
ところが論理回路22には、6個の信号が入力されているので、その組合せによる状態

は64もあり、電流検出の誤差、電流検出信号に乗ったノイズ等により、出力信号Q0〜
Q11の複数の信号が論理値“1”となる可能性がある。
このため、 論理回路22からLE信号を出力させる。LE信号はQ0〜Q11のすべて
の論理信号を加算し、加算結果が1なら論理値"1"を、加算結果が1以外の値なら論理値
"0"を出力する。LE信号は、電流検出の誤差、電流検出信号に乗ったノイズ等により、
論理回路22が不正なデータを出力した時に、そのデータを捨てるために用いられる。
23は、12ビットの信号Q0〜Q1から電気角に応じた4ビットの電気角信号θΔi
=0〜11を出力するエンコーダ、24は、エンコーダ23の出力を、クロックパルスに
よってラッチするラッチ回路、25は論理回路22から出力されるLE信号と、図示しな
いクロックパルス発生器から与えられるクロックとのアンドをとり、ラッチ回路24にク
ロックを与えるアンド回路である。
9は電流偏差ベクトルが長くなっているか、短くなっているかを検出する増減検出器で
ベクトル長増加信号Incを出力する。ベクトル長が長くなっている時Incは論理値"1"で
ある。
スイッチングシーケンス回路10は電流偏差ベクトルの角度θΔi とベクトル長増加
信号Incとシーケンス起動回路11が出力するシーケンス起動信号とに基づいて動作し、
スイッチング指令ベクトルSk を出力する。
スイッチングシーケンス回路10の詳細については後述するが、スイッチング指令ベク
トルSkとインバータ出力電圧ベクトルVkについて先に説明しておく。
スイッチング指令ベクトルSk は、Swu,Swv,Swwを成分とするベクトルで、
成分Swu,Swv,Swwは、“1”または“ゼロ”の値をとり、“1”ならばインバ
ータ3の正側素子をオン(インバータ3の負側素子はオフ)、“ゼロ”ならばインバータ
3の正側素子をオフ(インバータ3の負側素子をオン)させる3相のスイッチング指令で
ある。
また、Sk の添え字kは、(Swu, Swv,Sww)の値をそのまま書き並べて得
られる二進数を、10進数に変換した値である。(Swu, Swv, Sww) = (1
, 0, 0) をそのまま書き並べると二進数“100”だから10進数に変換すると“
4”である。すなわちS4は(Swu, Swv, Sww) = (1, 0, 0) を意味
する。kは0〜7の値を取り得、スイッチング指令ベクトルS0〜S7が存在する。
スイッチング指令Sk でインバータ3を運転した時の出力電圧ベクトルをVkで表わす
インバータ3の直流電圧がEdの時の電圧ベクトルVkを図示すると図9のようになる。
電圧ベクトルV0,V7は、3相全てが同電位で、どの線間をとっても電圧がゼロなので
、「ゼロ電圧ベクトル」と称し、それ以外の電圧ベクトルV1〜V6は大きさを持つので
、「非ゼロ電圧ベクトル」と称する。
また、電圧ベクトルV0,V7、スイッチングベクトルS0,S7を引っくるめて「ゼ
ロベクトル」、その他のV1〜V6、S1〜S6を「非ゼロベクトル」と称することがあ
る。
また、S0〜S7とV0〜V7とは一対一で対応するので、S0〜S7について、電圧ベ
クトルであるかのような言い方をする場合がある。
シーケンス起動回路11の構成例を、図10に示す。シーケンス起動回路11は、電流
偏差が所定許容誤差範囲に入っているか否か値を検出して、シーケンス起動信号を出力す
る許容誤差コンパレータと、スイッチング素子のスイッチング周波数が所定周波数となる
ように、シーケンス起動信号を出力する変調周波数制御回路とから成る。
許容誤差コンパレータ40は、“特開2001−078465号”に基づいており、コン
パレータ41u〜41wと、コンパレータ41x〜41zのそれぞれの一方の入力として与
える許容誤差設定値42、倍率器43、アンド回路44u〜44z、NOT回路45u,
45v,45w、オア回路46、アンド回路47、乗算器48u,48v,48w、加算
器49、コンパレータ50、乗算器51から構成される。
図11は、許容誤差コンパレータ40の許容誤差領域の説明図である。図11のUVW座
標では、電流が電流基準に等しい、すなわち誤差0のときUVW座標の原点となる。
U、V、W相軸の両側のハッチング付きの線は、各相毎に持つ幅Hの帯状の許容誤差領
域を示す。電流偏差が帯状領域Hの中に入っていれば電流偏差が許容範囲内にある。しか
し、電流偏差が帯状領域Hの外に出ているからといってただちに許容範囲外であるとはし
ない。たとえば、電流偏差ΔiuがH/2より大きいとき、すなわちiu* >iu+H/2
のときは電流が基準よりH/2以上、小さいのだからU相電流iuを増加させてやりた
い。このためにスイッチング信号Suを"1"にしてやらねばならないが、そのときスイッ
チング信号Suが"すでに"1"になっていればスイッチング信号を変更する必要はない。
したがって電流偏差が帯状領域外にあっても許容領域内とする。
コンパレータ41u〜41w, 41x〜41z、許容誤差設定値42, 倍率器43,
アンド回路44u〜44z, NOT回路45u〜45w, オア回路46で上記の許容誤差
領域を作っている。
コンパレータ41uは、許容誤差設定値42、倍率器43で与えられる比較レベルH/
2とU相電流偏差Δiuとを比較し、偏差Δiuが比較レベルH/2を上回っていたら“
1”を出力する。ただし、アンド回路44UおよびNOT回路45Uによって、スイッチン
グ信号Suの条件が加味され、コンパレータ41uが"1"を出力していても、アンド回路
44Uが論理値"1"を出力するのはスイッチング信号Suが"0"のときだけとなる。
同様にコンパレータ41x、アンド回路44xによって、コンパレータ41xが"1"を出
力しており、かつスイッチング信号Suが"1"のときだけアンド回路44Xは論理値"1"
を出力する。このようにスイッチング条件によって帯状許容誤差領域の広さは変わる。
V相、W相についても同様の処理が行われ、 オア回路46によってアンド回路44u
〜44zの出力信号の論理和が取られることによって帯状の許容誤差領域が形づくられる
上記のように各相の帯状許容誤差領域がスイッチング条件によって広さが変化するため
、3相分を合成してできる許容誤差領域は図11の3相の帯状領域が交差してできる六角
形の内部領域まで狭まったり、六角形の外部の小三角形を含む領域まで広がったりする。
基準許容誤差領域の広さが変化すると電流偏差を一定に制御できないので、電流歪み率
が悪化する。歪み率の悪化を防ぐために半径Hの円形領域を用いる。乗算器48u〜48
wで各相電流偏差を二乗し、加算器49で加算して、電流偏差ベクトルの長さの二乗を求
め、乗算器51から出力される許容誤差Hの二乗とコンパレータ50で比較して、電流偏
差が円形領域に含まれているか否かを判定する。コンパレータ50は、電流偏差が円形領
域に入っていれば論理値"0", さもなくば"1"を出力する。
アンド回路47によって電流偏差が円形領域の内部に含まれていれば、オア回路46が
“1”を出力して帯状領域外であることを示していても、許容誤差内であると判定する。
結局、電流偏差が円形領域にもかつ帯状領域にも収まらず、スイッチング条件も合致し
ている時に、許容誤差コンパレータによるシーケンス起動指令が、アンド回路47から出
力される。
ここで3相の帯状領域が交差してできる六角形や星型の領域は、円形領域に含まれてし
まい、許容誤差領域としては機能しないようにみえる。しかし、許容誤差領域を円形領域
のみとすると、特定相のスイッチング信号のみが高速に変化し、スイッチング損失で素子
を破壊する可能性がある。
たしかに、帯状領域の円形領域に含まれてしまった部分は許容誤差領域として機能して
いないが、円形領域の外に延びた帯状領域の幅Hはスイッチング周波数の上限を制限する
ために機能しており、スイッチング素子をスイッチング損失による破壊から保護している
変調周波数制御回路52は、タイマーカウンタ53と、周期設定値55と、RSフリップ
フロップ63とから構成される。タイマーカウンタ53は、図示しないクロック発生器か
ら与えられるクロックパルスで動作して、ゼロから周期設定値55まで繰り返しカウント
を行ない、周期設定値に達した時点でパルスを出力する。許容誤差コンパレータ40の出
力“1”で、タイマーカウンタ53はクリアされ、ゼロからカウントし始める。
RSフリップフロップ63は、タイマーカウンタ53の出力パルスでセットされ、スイ
ッチングシーケンス回路10からフィードバックされるスイッチング動作信号によってリ
セットされる。
許容誤差コンパレータ40の出力信号ERと、変調周波数制御回路52の出力TRとは
、オア回路59にて論理和をとられ、起動指令としてスイッチングシーケンス回路10に
与えられる。
電流偏差が許容誤差コンパレータ40の比較レベルよりも大きくなり許容誤差コンパレ
ータ側から出された起動指令により変調周波数制御回路のカウンタ53がクリアされるの
で、周期設定値55よりも短い周期で許容誤差コンパレータ側から起動指令が出力され続
けていると、その間、変調周波数制御回路側からの起動指令は出力されない。
一方、 許容誤差コンパレータ40の比較レベルよりも電流偏差が小さい状態が続くと
変調周波数制御回路のカウンタ53がクリアされないので、起動指令は変調周波数制御回
路側から一定周期ごとに出力され続ける。
すなわち、並列動作時、変調周波数制御回路はスイッチング周波数の下限リミットの機
能を果たす。
なお、変調周波数制御回路52の周期設定値と、許容誤差設定値42とは図示しない上位
制御回路から設定される。
スイッチングシーケンス回路10の詳細な構成例を、図13に示す。図13において、
60は電流偏差ベクトル角θΔi 、PWM信号として出力中のスイッチング指令ベクト
ルSk(n)、およびSk(n)の前にPWM信号として用いていたベクトルSk (n−1
) を入力し、次回出力変更時に選択すべきベクトルSk(n+1)を出力するベクトル
選択テーブルである。ベクトル選択テーブル60の内容を、図16に示す。
61,62は、クロックパルスの立ち上がりタイミングに、データ入力で出力を書き換
えるラッチ回路であり、ラッチ回路61には、ベクトル選択テーブル60の出力信号Sk
(n+1)が、ラッチ回路62には、ラッチ回路61の出力信号Sk(n)が、それぞれ
与えられている。
ラッチ回路61の出力Sk(n)、ラッチ回路62の出力Sk(n−1)は、表1の選択
を行なうためのアドレス信号として、ベクトル選択テーブル60にフィードバックされる
アンド回路65にはシーケンス起動回路11からのシーケンス起動指令と不一致検出器6
6出力信号が与えられる。不一致検出器66は、PWM信号として出力中のスイッチング
指令Sk(n)と、ベクトル選択テーブル出力Sk(n+1)とを比較し、異なる場合に
論理値“1”を出力する。67はオア回路であり、アンド回路65、68、ゼロベクトル
検出器70の出力信号が与えられる。アンド回路68は不一致検出回路66、ゼロベクト
ル検出器70、論理回路69の出力信号のアンドをとる。
論理回路69はベクトル選択テーブル60の出力Sk(n+1), ラッチ回路63の
出力が所定の関係にある時、論理値“1”を出力する。論理回路69の詳細な構成を図1
2に示す。
図12において、80〜83、85〜89、91はアンド回路、84,90,92はオア
回路である。 アンド回路80〜83、85〜89、91の入力端子の円はローレベルア
クティブであることを示す。 アンド回路80は、Sk(n−1)=S7の時にのみ“1”
を出力し、アンド回路81,82,83は、それぞれSk(n)がS6,S5,S3の時
に、“1”を出力する。
オア回路84にて、アンド回路81,82,83の出力のオアをとり、アンド回路85
にてオア回路84とアンド回路80の出力のアンドをとる。
これにより、アンド回路85は、現在、スイッチングシーケンス回路10が非ゼロベクト
ルS6,S5,S3のいずれかを出力しており、それ以前にゼロベクトルS7を出力して
いた場合にのみ、“1”を出力する。
すなわち、PWM信号がゼロベクトルS7から1相のスイッチングで移行できる非ゼロ
ベクトルS6,S5,S3のいずれかへ移行した時にのみ、アンド回路85は論理値“1
”を出力する。
同様に、アンド回路91は、ゼロベクトルS0から1相のスイッチングで移行できる非
ゼロベクトルS4,S2,S1のいずれかへ移行した時にのみ、論理値“1”を出力する
アンド回路85,91の出力を、オア回路92にて論理和をとった信号が、論理回路69
の出力となる。
ゼロベクトル検出器70は、ベクトル選択テーブル60の出力信号Sk(n+1)がゼ
ロベクトルである場合に論理値“1”を出力する。
71はアンド回路であり、オア回路67の出力と図示しないクロック発生器から与えら
れるクロックパルスが入力される。アンド回路71の出力は、ラッチ回路61,62のク
ロック入力端子に与えられる。
以上により、アンド回路71がラッチ回路61,62に対してラッチタイミング信号を
出力するのは、(1)ベクトル選択テーブル60の出力Sk(n+1)と、PWM信号と
して出力中のSk(n)とが異なる信号であり、かつシーケンス起動指令が与えられた時

(2) ラッチ回路62に保持された前回のPWM信号出力Sk(n−1)がゼロベクト
ルであり、かつPWM信号として出力中のSk(n)が、Sk(n−1)のゼロベクトルか
ら1相だけスイッチングして移行できる非ゼロベクトルであり、かつテーブル60出力ベ
クトルSk(n+1)が現在PWM信号として出力しているベクトルSk(n)とは異な
るベクトルであり、かつ電流偏差ベクトルが大きくなっている時、
(3)ベクトル選択テーブル60の出力Sk(n+1)がゼロベクトルである時である。
上記(1)〜(3)の3種類のラッチタイミング信号が発生すると、ラッチ回路61,
62が同時に動作し、その時点でベクトル選択テーブル60が出力していたスイッチン
グベクトルSk(n+1)を Sk(n)とし、Sk(n)をSk(n−1)とする。
テーブル60の内容(表1)を見ると、現ベクトルSk(n)がゼロベクトルS0また
はS7のとき、Sk(n+1)がゼロベクトルであることはない。したがってSk(n)
がゼロベクトルを出力している時、上記(3)の条件は成り立たない。またSk(n)が
ゼロベクトルなら(2)の条件も当然成り立たない。
したがってスイッチングシーケンス回路10はいったんゼロベクトルを出力すると上記
(1)の条件によってしか動作しなくなり、起動回路11から起動信号が与えられるのを
待つことになる。
さて交流電動機の電圧方程式
Figure 0005475534
Vk: インバータ出力電圧,i : 電動機電流,e : 誘起電圧
R: 巻線抵抗, L: 巻線インダクタンス
において、抵抗を無視すると
Figure 0005475534
と書ける。
この式からインバータ出力電圧による電流の変化方向と速さがわかる。ゼロベクトル出
力期間中はvkがゼロなのだから電流は誘起電圧によって変化している。
前回のシーケンスで電流が電流に十分近づいていたところで電圧がゼロベクトルに変わっ
たとすると、電流は誘起電圧のみによって変化し、しかも電流基準から遠ざかるのだから
、電流偏差ベクトルは誘起電圧ベクトルと同じ方向をむく、すなわち同じ角度を持つこと
になる。
電流偏差が所定値以上になるか、前回ゼロベクトルから非ゼロベクトルに移行したタイ
ミングから所定時間が経過したかによって起動回路11から起動指令が出力され、新しい
シーケンスが始まる。
新しいシーケンスで電流を再び電流基準に近づけるには、電流を誘起電圧ベクトルと同
じ方向に変化させねばならない。
インバータが出力可能な非ゼロ電圧ベクトルは図9が示すように60度づつ方向が異な
るので、誘起電圧がどの方向を向いていてもその両側60度以内に非ゼロ電圧ベクトルが
存在する。図9において誘起電圧が含まれる領域の小三角形を形づくる2つの電圧ベクト
ルを交互に出して平均電圧が誘起電圧と同じ方向を向くように制御してやれば、電流を誘
起電圧ベクトルと同じ方向に動かすことができる。そして誘起電圧ベクトルの角度は電流
偏差ベクトルと同じである。したがって上記(1)のタイミングで非ゼロベクトルへ移行
するときには電流偏差と最も近い角度を持つ2つの非ゼロベクトルのどちらかを選べばば
よい。
PWMの周波数は電動機の回転周波数に比べ非常に高いため、PWMシーケンス間の誘起
電圧の角度変化はわずかである。したがって誘起電圧の角度が図9の60度の角度範囲の
いずれかにある間、同一のパルスシーケンスの繰り返しとなる。このような同一シーケン
スの繰り返しの場合を主として、シーケンス回路10によるPWM制御動作を具体的に説
明する。
電流偏差ベクトルの角度θΔiが ゼロ度から30度の範囲にあり、Sk(n)=S0で
あるとすると、電流偏差ベクトルと近い角度を持つベクトルはS4とS6である。誘起電
圧が、前回のシーケンスでも同じ角度範囲にあったとするとS4とS6を用いてPWMが
行なわれた、すなわち、Sk(n−1)がS4またはS6であった可能性が高い。その場
合表1ではS0から1相をスイッチングするだけで移行できるS4を選択するようにして
いる。
ただし表1ではSk(n−1)がS2の場合にはS6,、Sk(n−1)がS5の場合に
はS4も用意している。これは,、電流偏差ベクトルの位置が、出力可能な電圧ベクトル
V6, あるいはV4のいずれかに偏っている場合のためのものである。この場合Sk(n
−1)=S5であれば、S5に近い方のベクトルS4を、Sk(n−1)=S2であればS
2に近いS6をSk(n+1)として選択する。Sk(n+1)=S4はSk(n−1)が
S4あるいはS6の場合と同じであるが、Sk(n+1)=S6に移行するには2相スイ
ッチングが必要である。それなのにS6に移行させるのは線間電圧のパルスが正側と負側
とに交互に出現することを避けるためのものである。S2→S0と変化してS6あるいは
S4を選択する領域に入ってきたのだから平均的にはS6が近いはずで、このときS4を
選択すると平均的にS6とするため次のシーケンスでS2に逆戻りしてしまう可能性が高
い。これを避けるために2相スイッチングを行うSk(n+1)=S6とする。
表1ではSk(n−1)がS3, S1の場合も用意されている。このようなことは電流
基準が変化した場合に生じる。電流基準のステップ変化であれば一気にS4あるいはS6
としてもかまわないが、外部制御ループの影響で電流基準にリップルが乗っているような
場合に一気にS4あるいはS6とすると、線間電圧に正負のパルスが交互に現れる現象が
続き、いたずらに電圧・電流の高調波を増加させる。これを避けるためにSk(n−1)
のベクトルの隣の2つの非ゼロベクトルのうち、S4あるいはS6に近いベクトルを選択
するようにしている。Sk(n−1)=S3の場合Sk(n+1)=S2, Sk(n−1)=
S1の場合Sk(n+1)=S2である。電流基準のステップ変化の場合、後に続くシー
ケンスで徐々にS4あるいはS6に近づいてゆく。
以上、(1)の移行について説明してきたが電流基準の変化が緩やかであれば、もっと
も頻繁に現れるのは最初に説明したSk(n)=S4、あるいはS6である。ここでは、S
k(n)がS0からS4に変わったとしてその後の動作を説明する。電流はV4 −eで変
化し、最初は基準に近づくが、やがて最短距離の位置を過ぎ、基準から遠ざかることにな
る。この時点で増減検出器が出力する増減検出信号INCが0から1に変わる。一方電流偏
差の角度変化について考えると、電流はV4 −eで変化するとき、電流偏差は反時計方向
に回転するので角度としては増加する。このためSk(n+1)はS4→S6→S7と変
化していく。
電流偏差の角度がπ/6を超え、Sk(n+1)がS4→S6と変化した時点以降で電
流偏差が増加しはじめたことを示すINCが立つとラッチ回路61, 62の動作条件(2
)が成立し、Sk(n)はそのときのSk(n+1)で書き換えられる。通常はSk(n)
=S6となる。
以降、電流は(V6 − e )で変化する。ラッチ回路の動作条件(2)は進行中のシー
ケンスには現れないので、(1)か(3)が成立つのを待つことになる。(V6 − e)
で再び電流は基準に近づきやがて遠ざかる。その過程で電流偏差は時計回りに回転し、電
流偏差の角度は減少する。表1でSk(n−1)=S4, Sk(n)=S6のところを見る
と電流偏差の角度の減少によってSk(n+1)はS6→S4→S7と変化していく。S
k(n+1)がS7に変化した時点でラッチ回路の動作条件(3)が成立し、Sk(n)=
S7, Sk(n−1)=S6となる。
この時点より以降、電流は(−e)で変化する。電流偏差は誘起電圧により変化し基準
から遠ざかる。電流偏差が所定値以上になるか、今回のシーケンスを起動してから所定時
間が経過したかのいずれかの条件が成立すると起動回路11から起動指令が与えられ、新
しいシーケンスが始まる。
PWMの周波数は電動機の回転周波数に比べ非常に高いため、PWMシーケンス間の誘
起電圧の角度変化はわずかである。このため、次のシーケンスではS7→S6→S4→S
0と移行する可能性が高い。2つのシーケンスで、S0→S4→S6→S7→S6→S4
→S0となり、三角波比較PWMの三角波一周期分に相当するPWMをおこなったことに
なる。
本方式によるPWMのシミュレーションを行って得られた波形を図14に示す。
次に電動機の回転数とシーケンス起動回路11の動作との関係について説明する。電動
機の回転数が低ければ誘起電圧が小さいので、ゼロ電圧ベクトル期間の電流偏差の増加速
度は遅い。このために変調周波数制御回路52に設定した周期の間に電流偏差が許容誤差
円の境界まで達することができなければ、変調周波数制御回路52からの起動指令でシー
ケンス回路10が動作するので、変調周波数一定のPWM制御が行なわれる。
回転数が上がって誘起電圧が高くなると、ゼロ電圧期間の電流偏差の増加速度が速くな
る。電流偏差が許容誤差円に達するようになると、許容誤差一定のPWM制御が行なわれ
る。
さらに回転数が上がり、電流偏差を許容誤差円に収めることができなくなると、コンパ
レータ50は常に論理値"1"を出力し続ける。シーケンス起動回路11はUVW各相に持
つ帯状の許容誤差領域と、変調周波数制御回路52とに基づいて起動指令を出力するよう
になる。このとき出力電圧は3パルス、5パルスなどのPWM波形となる。
さらに回転数が上がるとシーケンス起動回路11はほとんどのの期間、起動信号を出力
しつづけるようになる。シーケンス起動回路11のタイマカウンタ53の出力が接続され
たRSフリップフロップ63はスイッチング動作信号によってクリアされる。タイマカウ
ンタに設定される周期はPWM制御のためのものだから、運転周波数の周期に比べて格段
に短い。このためスイッチング後のごく短期間RSフリップフロップ63はクリア状態に
あるが、その後、電気角にして60度だけ電動機が回転してスイッチングを行なうまでの
期間はセット状態にある。つまり大部分の期間、起動回路11は変調周波数制御回路52
からの起動指令を出し続ける。
一方、1パルス領域ではゼロベクトルが出現しないので、シーケンス回路10のラッチ
回路61、62の動作条件(2)、(3)は成立せず、ラッチ回路61、62は動作条件
(1)だけで動作することになる。前回のスイッチング後の短期間経過後は、起動指令1
1から起動指令が与えつづけられているので、シーケンス回路10は電流偏差ベクトルの
角度だけで動作することになる。電流偏差の角度が60度だけ回転するごとにラッチ回路
61, 62が動作しSk(n)は
S4→S6→S2→S3→S1→S5→S4
と変化してゆく。
特許第4149709号公報 特許第4037080号公報 特開2008−199709号公報 特開2009−284598号公報
以上のように本方式は電動機の全運転範囲についてPWM制御可能であり、特に従来の
dq軸電流制御と三角波比較PWMの組合わせにより電流制御可能な領域では、本方式の
みで電流制御可能であり、電流の応答が非常に高速であるという特長を持つ。
一方、本方式によって、1パルス領域までPWM制御可能であるが、本方式で1パルス
波形が得られるのは誘起電圧が大きくなって電流基準に等しい電流を電動機に流しこむこ
とができなくなり、電流偏差が大きくなるからである。
図15に示す1パルス領域でのシミュレーション波形では電流は電流基準振幅の1/2
程度の電流しか流れていない。電流が追従できないから1パルスになるのであるが、電流
が追従できなくては電動機制御としては成り立たない。
この問題の解決策として特許文献3又は4に記載の技術がある。電動機のdq軸電流と
dq軸電流基準との偏差を積分制御あるいは比例積分制御して補正した基準を図6に示す
PWM制御回路に補正電流基準として与えるのである。
図6のPWM制御はスイッチング周波数が必要以上に高くなることを防ぐため許容誤差
領域を設定している。PWM制御領域でも許容誤差を設定するヒステリシスの1/2程度
は定常誤差となるが、定常偏差はほぼ一定なので高速な制御を行なう必要がなく、前記先
願特許文献では積分制御でゆるやかな補正を行なうようにしている。高速な制御を行なう
と補正電流基準に含まれるリップルが大きくなってスイッチング周波数をいたずらに上昇
させるため、ゆるやかな制御のほうが望ましいのである。高速応答が求められない単純な
積分制御なので補正制御の調整は容易である。
これに対し1パルス領域では補正制御によって本来の電流基準に電流を追従させている
ので、電流応答速度は補正制御の応答で決まる。補正制御による補正分の変化量が大きい
こともあり、高速な補正制御が求められる。このため比例積分制御を用いており、制御定
数の調整はPWM制御領域に比べ厄介である。
前記先願特許により1パルス領域でも補正前の電流基準に対して電流を追従させること
ができるようになった。ただし、ここで問題は図15に示すように補正電流基準に対して
流れる電流が1/2以下になることがあり、PWM制御回路に与える補正電流基準が本来
の電流基準の電流の2倍以上、場合によってはさらに大きな電流基準を与えなくてはいけ
ないということである。
電動機の磁束が十分に確立していれば、1パルス領域では補正電流基準通りの電流を電
動機に流しこめない。しかし例えば電車の駆動用電動機では、インバータをオフして電動
機を惰行させ、再加速時、あるいは減速時にインバータを再起動して運転を継続させるよ
うな運転を行なう。電動機が誘導電動機の場合、再起動時の磁束はゼロから再立ち上げが
行なわれる。磁束が小さいと誘起電圧も小さくPWM制御によって電流は補正電流基準通
りに流れることができる。このような磁束の再立ち上げ過程で所望電流の2倍以上の補正
電流基準をPWM制御回路に与えると、過電流保護によってインバータを停止させてしま
う可能性がある。
再起動制御方式の工夫や、調整によって過電流保護とならないようにすることはできる
が、比例積分制御の調整が不要という本方式の特長の一つが失われる。
また、PWM制御と1パルス制御の間のパルスモードの移行の問題がある。PWM制御
領域では電流基準通りの電流を流せるので、補正電流基準はわずかなヒステリシスによる
誤差分を本来の電流基準に上乗せしただけであるが、1パルス領域では過大な上乗せ分が
必要となる。電車ではインバータの直流部にLCフィルタがあり、直流電圧が振動しやす
いので、直流電圧の安定化のためトルク分電流を調節するダンピング制御を行っている。
ダンピング制御で、トルク分電流基準が常に変化しているとPWM制御器に与える補正電
流基準も同時に変動するため、同じ運転周波数であっても1パルス制御とPWM制御制御
との間を行き来する。この2つの制御のモード移行でチャタリングが発生しやすく、過電
流を生じないように調整するために時間を要する。
本発明の目的は、所望電流値の2倍を超えるような過大な電流基準を与えずに1パルス
制御を実現して、補正制御が原因で生ずる過電流を低減することにある。
上記課題は、直流電源と負荷の間に接続され、複数の自己スイッチング素子のオンオフ制
御によって負荷に印加する交流電圧を制御できる電圧形インバータの、出力電流基準と出
力電流の偏差である電流偏差を検出する手段と、前記電流偏差に基づいて自己スイッチン
グ素子のオンオフを制御するスイッチング信号を発生する手段とを有する電圧形インバー
タの制御装置において、前記電流偏差と、前記スイッチング信号によって運転されたとき
インバータが出力する電圧との間の位相差を変化させる手段を有することによって達成す
ることが出来る。
上記課題は、直流電源と負荷の間に接続され、複数の自己スイッチング素子のオンオフ
制御によって負荷に印加する交流電圧を制御できる電圧形インバータの、出力電流基準と
出力電流の偏差である電流偏差を検出する手段と、前記電流偏差に基づいて自己スイッチ
ング素子のオンオフを制御するスイッチング信号を発生する手段とを有する電圧形インバ
ータの制御装置において、外部から与えられる位相シフト指令の値に基づいて第1の電流
基準の位相をシフトして第2の電流基準を得る手段を有し、前記第2の電流基準を前記電
流偏差検出手段に与える電流基準とすることによって、前記第1の電流基準と出力電流か
ら求まる本来の電流偏差と、前記スイッチング信号によって運転されたときインバータが
出力する電圧との間の位相差を変化させる手段を有することによって達成することが出来
る。
本発明により、所望電流値の2倍を超えるような過大な電流基準を与えずに1パルス制御
を実現して、補正制御が原因で生ずる過電流の可能性を低減することが出来る。
本発明による電圧形インバータの制御装置の一実施の形態を示すブロック図。 実施例の作用を示すベクトル図 実施例1を用いて永久磁石電動機の1パルス制御のシミュレーションを行って得た動作波形図 本発明の第2の実施例の制御構成図 本発明の第4の実施例の制御構成図 従来の交流電動機のの電流制御装置の構成 角度領域判定回路8の構成 角度領域判定回路8のコンパレータ出力と電流偏差ベクトルの角度との関係を示す図 インバータの出力電圧ベクトルVkの説明図 従来例のシーケンス起動回路11の構成図 従来例の許容誤差コンパレータ40の許容誤差領域の説明図 従来例の論理回路69の構成図 従来例のスイッチングシーケンス回路10の構成図 従来例でPWM制御のシミュレーションを行って得られた波形 従来例で1パルス領域の電流制御のシミュレーションを行って得られた動作波形 ベクトル選択テーブル60の内容
従来例はゼロベクトルを積極的に制御に利用している。電流が基準に近づくと非ゼロベ
クトルからゼロベクトルに移行し、電流偏差が所定の大きさになるまで、あるいは所定期
間放置する。この間の電流は誘起電圧によって変化するから、電流偏差ベクトルは誘起電
圧ベクトルとほぼ近い空間的角度を有することになる。したがって電流偏差ベクトルと角
度差の近い2つの非ゼロ電圧ベクトルを用いれば、誘起電圧によって起きた電流変化と逆
の変化、すなわち電流が電流基準に近づく方向の変化を電流に生じさせることができる。
つまり電流偏差を小さくできる。
PWM領域では上記の通りであるが、1パルス領域ではこの論理は通用しない。1パル
ス領域の電圧はPWM領域よりも進んだ位相を持たねばならない。
従来例で説明した表1の電圧選択テーブルは、電流偏差と角度の近い非ゼロベクトルを
選択する。この電圧選択テーブルを用いて1パルスを実現しようとすると電流偏差の向き
を最終的に必要とされる非ゼロ電圧ベクトルと同じ向きに補正してやる必要がある。これ
は電流偏差よりも進んだ位相の電圧を出力するように電圧選択ベクトルテーブルを回転さ
せてやる、とも言える。、
従来例で、1パルスを実現するためにおこなっていた補正制御は実はこの電流偏差の角度
補正をおこなっていたのである。この方式の問題点は補正電流基準の大きさで角度補正を
行っていため、補正電流基準の大きさが過大となってしまったことである。
電流偏差の角度補正には他にも方法がある、というのが本発明である。
ひとつは、本来の電流偏差ベクトルそのものの角度を進ませる補正を行ない、最終的に
必要とされる電圧と同じ角度を持たせてやる方式である。この方式は補整電流偏差ベクト
ルの振幅が本来の電流偏差ベクトルと変わらないので、過渡的に大電流が流れてしまうと
いう危険が少ない。
「補正電流基準として本来の電流基準よりも進んだ位相を持たせる」方式も考えられる
。これによれば補正電流基準から電流を減算して得られる補正電流偏差も当然、本来の電
流偏差よりも進んだ角度を持つ。これも従来例のように過大な電流基準を与える必要はな
い。ただし補正電流基準と電流との差分としてえられる補正電流偏差ベクトルの大きさは
本来の電流偏差ベクトルよりも大きくなる。
以下,本発明に係る交流電動機の制御装置の実施例について,図面を参照して説明する
(実施例1)
図1に本発明の交流電動機の制御装置の1実施例の構成を示す。
80aが本発明の主要部の電流追従制御型のPWM制御回路であり、従来例のPWM制御
回路との違いは角度計算回路81および、加算器82が追加されているところである。
81は電流偏差 Δi の角度を計算する角度計算器であり、3相電流偏差を固定子直行
座標ab軸に変換し、C言語の関数atan2相当の演算
θΔi = atan2(Δib ,Δia) ・・・(4)
を行ない、電流偏差の角度を求める。角度θΔiの分解能は16ビットで充分なので、科
学技術計算でおこなっているような繰り返し計算は不要で、FPGAのようなハードウェ
アでルックアップテーブルと補間計算をおこなえば充分に実現可能であり、高速に結果を
得ることができる。
ここで従来例と角度の原点を一致させるため、ab軸のa相はUVW軸のU相と一致し
ており、b相はa相より90度進んだ位相であるものとする。
82は加算器であり電流偏差の角度θΔiと外部から与えられるフィードフォワード量
θFFとを加算し、角度領域判定回路8に与える。
これにより、スイッチングシーケンス回路10は、本来の電流偏差の角度θΔiとフィ
ードフォワード量θFFとの和(θΔi+θFF)に基づいて図16の選択を行なう。こ
れはスイッチングシーケンス回路10が本来の電流偏差θΔiに対してθFFだけ進んだ
角度を持つ電圧選択テーブルに基づいて電圧ベクトルを選択していることを意味し、同一
電流偏差に対して従来よりも進んだ位相の電圧を出力することを可能とする。これにより
弱め制御あるいは1パルス制御が可能となる。しかも従来のように過大な補正電流基準は
必要ない。
図1の残りの要素は本発明の電流追従型PWM制御回路を用いて、具体的な弱め制御、
あるいは1パルス制御を実現するひとつの例である。上位制御から与えられる電流指令i
*のdq軸座標成分 (id*、iq*)は座標変換回路83において、図示しない電動
機の回転位置信号θ?Rに基づいて、UVW座標成分(iu*、iv*、iw*)に変換
され、電流追従型PWM制御回路80aに与えられる。一方、電流指令i*のdq軸座標
成分(id*、iq*)は端子電圧計算回路84に与えられる。端子電圧計算回路84で
は電動機の電流電圧方程式に基づいて端子電圧vd、vqを計算する。
永久磁石電動機の場合、端子電圧は下記、式5で計算できる。
(式5)
vd= R・id* + (d/dt)(φd)−ω0・(φq)
vq= R・i *+ (d/dt)(φq)+ω0・(φd)
θd = L・id* + φmd
θq = L・iq*
ここで
ωo : dq軸座標の回転速度 (=電動機回転速度)
φmd:永久磁石の作る磁束
: 電動機1次巻線抵抗
: 電動機1次巻線インダクタンス
である。端子電圧v, vは角度計算回路85に入力され
θFF=atan2(v, v) ・・・(6)
にて端子電圧vd、vqのq軸(誘起電圧軸)に対する進み角θFFが求められる。
進み角θFFは電流追従型PWM制御回路80aの加算器82にて電流偏差の角度θΔi
と加算され角度領域判定回路8に入力される。
(作用)
以上の構成の実施例の作用を図2のベクトル図を用いて説明する。図2において点線の
円はインバータが1パルス波形で運転されている時の出力電圧の基本波成分の大きさを示
しており、インバータの出力可能な最大電圧である。
永久磁石電動機の制御において、PWM領域の制御では通常磁束分電流iはゼロとし
トルク分電流iのみを流す。簡単のため抵抗分を無視し、インダクタンスによるインピ
ーダンスXとして表すと図2(a)のようになる。誘起電圧eとX・iqの合成ベクトル
である端子電圧Vは、図(a)の円内にあり、インバータが出力可能である。したがって
PWM制御によって基準値iq*に等しい電流iqを電動機に流し込むことができる。
図2(b)は回転数が高くなった場合を示す。誘起電圧e、インピーダンスXは回転数
に比例して大きくなるので、図2(a)のベクトルを相似形でそのまま拡大すると(b)
に点線で示したように所望出力電圧V*は出力可能範囲の外側に出てしまっている。実際
に出力される電圧Vは図に示すようにベクトルの先端が出力可能な円の境界上に位置する
。このとき流れる電流によるインピーダンスドロップX・iは円の外側にある誘起電圧e
から円の線上にある電圧Vに向かうベクトルとなる。X・iのd軸成分がトルク分電流に
よるインピーダンスドロップX・iqで、本来流したい電流によるインピーダンスドロッ
プX・iq*と比較すると小さい。つまり、(b)の場合、指令値に等しいトルク分電流
を流すことができない。
このため高回転では永久磁石電動機の端子電圧を下げるためにd軸電流を負側に流す。
この場合のベクトル関係を図2(c)に示す。トルク分電流基準によるインピーダンスド
ロップX・iq*に等しいインピーダンスドロップX・iqを生じても、図の磁束分電流
によるインピーダンスX・idを生じさせることで、電動機端子電圧をインバータが出力
可能な電圧範囲に入れることが可能である。(c)のように端子電圧がちょうど円上にあ
れば、トルク分電流を指令値どおりに流すことができ、かつインバータ出力電圧を1パル
スにできる。負側に流すd軸電流を(c)の場合よりも増やすと端子電圧は円内に入りP
WM制御となるし、逆に減らすと電圧は円外に出て、トルク分電流は基準よりも小さくな
る。
(c)においてd軸電流なしの場合の所望電圧ベクトルV*と、d軸電流ありの場合の
電圧ベクトルVの角度を比較するとd軸電流ありの場合の方が位相が進んでいる。つまり
電圧位相を進めてやれば、弱め制御が可能であり、その進める位相の大きさによってPW
Mによる弱め制御も、1パルス制御も可能である。
図1では端子電圧計算回路84で求めた端子電圧と誘起電圧との位相差を進め角として
与えている。これはPWM領域において「電流偏差ベクトルが誘起電圧と同じ方向をむい
ている」という電流偏差と誘起電圧との関係が1パルス領域でも成立っていたときにしか
正しくない。しかし、上位制御から与える負のid*の大きさで進み角を制御できるので
、この回路で弱め制御、1パルス制御を行うことが可能である。もしも電流偏差と誘起電
圧との角度が違っていれば上位から与えるid*の大きさが本来の大きさからずれるだけ
で、回路としては正常に動作する。
例えば、q軸電流偏差が電流追従型PWM制御回路で設定したヒステリシスHYS以上
大きくなったら弱め制御でid*の大きさを調節すればよい。電動機が永久磁石電動機な
らd軸電流指令id*を負方向へ増加させる弱め制御となり、誘導機ならd軸電流指令i
d*を減少させる弱め制御となる。いずれにしてもPWM領域では、電流が電流追従型P
WM制御回路のヒステリシスHYS内に収まるように制御されるので弱め制御は動作しな
いが、電動機の回転数が上がってq軸電流が流し込めなくなりq軸電流偏差が増加すると
、弱め制御が動作しはじめ、id*が弱め方向へ変化する。これによって進み角θFFが
増加してq軸電流偏差がHYS以上に増えることがないように制御される。
つまり「電流偏差ベクトルが誘起電圧と同じ方向をむいている」という電流偏差と誘起
電圧との関係が1パルス領域では成立っていないとしても弱め制御でid*を調節するの
で回路としては正常に動作するわけである。
弱め制御の開始レベルはHYSと同じでなく所定倍以上としてもよいし、他の弱め制御
でも適切にid*を変化させる方式であれば構わない。
図3に実施例1を用いて永久磁石電動機の1パルス制御のシミュレーションを行って得た
波形図を示す。磁束分電流については基準に忠実に追従し、トルク分電流については若干
基準よりも若干小さいが従来例よりも大幅に追従性が改善している。
PWM領域でも図1の回路でそのままPWM制御できることがシミュレーションにより
確認されており、図1の回路でPWM領域、1パルス領域を問わず電流制御、PWM制御
することが可能になった。
(実施例2)
第2の実施例を図4に示す。図2において84は3相電流iu, iv, iwを図示し
ない回転位置信号θ?R もとづいてdq軸座標上の量id, iqに変換する座標変換回
路、85は磁束分電流基準id*を磁束分電流から減算する減算器、86は減算器85が
出力する磁束分電流の偏差を増幅し、電流追従制御型PWM制御回路80aに位相進め角
θ?FFを出力する進め各制御回路、87はトルク分電流基準iq*からトルク分電流iq
を減算する減算器、88は減算器87が出力するトルク分電流偏差を増幅する補正制御回
路、89はトルク分電流基準iq*と補正制御回路88の出力を加算する加算器である。
座標変換回路83には加算器89が出力するトルク分電流基準の補正値iq**と磁束分電
流基準id*とが与えられる。
(実施例2の作用)
第1の実施例は弱め制御、1パルス制御のための位相進め角を電流基準から計算で求め
て与えていたが、第2の実施例では磁束分電流idと基準id*との差分を増幅して進め
角θFFとし、電流追従型PWM制御回路80aに与えている。基準を電流から減算して
いるので、磁束分電流を負方向へ持っていきたい時すなわち弱めたい時には進め角が増大
する。これにより、磁束分電流idが基準id*に追従するように進め角θFFが制御さ
れる。いっぽうトルク分電流は減算器87、補正制御回路88, 加算器89により、電
流追従型PWM制御回路80aに与えるトルク分電流基準を補正することにより定常偏差
がなくなるように制御される。進め角制御を磁束分電流側でおこなっているので、1パル
ス領域においても過大な電流基準を与える必要はない。定常偏差補正だけで高速性は要求
されないので、ゆるやかな積分制御でよく、調整は容易である。
なおスイッチング周波数が5KHz〜105KHzと高い自動車駆動用電動機用途など
では定常偏差補正のための要素87, 88, 89 は不要である。
また実施例1にトルク分電流の定常偏差補正制御をおこなってもよい。
(実施例3)
実施例1と実施例2を組合わせた構成も考えられる。すなわち実施例1のように電流基
準から電動機定数に基づいて進め角を計算してフィードフォワード量とし、実施例2の磁
束分電流のフィードバック制御でフィードフォワード量を補正して進め角?θFFとする
構成である。
(実施例3の作用)
実施例3によればフィードフォワード量を与えているので磁束分電流のフィードバック
制御(進め角制御)もゆるやかな制御でよくなり、調整を容易にすることができる。
(実施例4)
実施例1〜3は従来例に示した電流追従型PWM制御回路の改良として示したが、本発
明はこれに限らず電流追従制御型PWM制御回路全般に応用可能である。
図5に代表的な電流追従制御型PWMであるヒステリシスコンパレータ方式に本発明を
応用した例を示す。図5において、7U, 7V, 7Wはそれぞれ3相の電流基準iU*
, iV*, iW*から電流iU, iV, iWを減算する減算器、91は減算器7U,
7V, 7Wが出力する電流偏差ΔiU, ΔiV, ΔiW??Δiを極座標に変換して振
幅|Δi|と角度??Δi を求め、角度θΔiに外部から与えられる進め角θFFを加算
して、ΔiU, ΔiV, ΔiWで作られる電流偏差ベクトルΔiよりもθFFだけ位相
の進んだ電流偏差ベクトルΔi'とした後ふたたび3相信号に戻して、その成分ΔiU',
ΔiV', ΔiW'を出力する位相進め回路、92U,92V, 92Wはヒステリシス
コンパレータである。91, 92U, 92V,92Wで電流偏差から直接PWM制御信
号を生成する電流追従制御型PWM制御回路80bとなっている。
(実施例4の作用)
図5の回路は従来のヒステリシスコンパレータ方式の回路に位相進め回路を追加しただ
けであり、進め角θFFをゼロとすれば従来のヒステリシスコンパレータ方式と同様に動
作する。したがってPWM領域では高速な電流追従制御が行なえる。しかし進め角θFF
がゼロの場合、1パルス領域では従来例で示した図15のごとく流れる電流は基準に対し
て位相が遅れ、振幅の小さな電流しか流れない。したがって基準通りの電流を流そうとす
ると補正制御が必要となり、過大な補正電流基準を電流追従制御型PWM制御回路80b
に与えなければならない。
図5の回路に、実施例1〜3のごとく進め角θFFを適切に与えれば、過大な補正電流
基準を与えることなく、1パルス制御が可能となる。
(他の変形例)
1パルス制御を可能とするには結局、電流偏差と、電流偏差をもとにPWM信号を出力
するPWM信号発生回路との角度関係を変えてやればよい。それには、従来例のように、
過大な電流基準を与えて電流偏差の角度を変える方法、本発明の実施例1〜4のように電
流偏差自体の角度を変える方法の他に、電流基準の角度を変える方法がある。電流基準の
振幅が同じでもその位相を進めてやれば、電流偏差の角度も進む。ただし角度を進めるこ
とによって電流偏差としては振幅が大きくなってしまう。電流基準自体の振幅は大きくな
いので、過渡的に過大な電流が流れる可能性はないが、高速な補正制御が必要となる。
(本発明の効果)
上述したように、本発明は電圧形インバータの電流制御・PWM制御装置において、電流
偏差を演算する手段と、電流偏差に基づき所定角度の瞬時電圧ベクトルに対応するPWM
信号を発生するPWM信号発生手段とを有し、電流偏差の角度とPWM信号発生手段との
角度関係を変え、同一電流偏差であっても、角度関係を変えない場合に出力される瞬時電
圧ベクトルに対して進んだ、あるいは遅れた位相の瞬時電圧ベクトルを出力可能とし、1
パルス領域でも電流制御を可能とするものである。
その具体的手段として電流基準の振幅を変える方法は、従来例で示しており公知である
。本発明の実施例1〜4は電流偏差そのものの角度を変化させる方法であり、他の実施例
は電流基準の角度を進めるものである。どの方法であれ、電流偏差の角度を進めさえすれ
ば1パルス領域での電流制御が可能となる。
第1〜第4の実施例による電圧形インバータの制御装置は、電流追従型PWM制御回路
内に電流偏差の角度を進める機能を持たせたので、以下のような効果を得ることができる
電流基準、電流偏差のどちらも振幅を過大にすることなく、1パルス領域での電流追従
制御が可能となる。この結果、従来例にあった制御に起因する過電流の可能性を無くすこ
とができる。
磁束分電流基準の大きさが適切であれば1パルス領域で基準に等しい電流を流すことが
でき、磁束分電流基準を弱め方向に流しすぎると電流は追従するが電圧はPWM波形とな
る。磁束分電流基準による弱めが足りないとトルク分電流基準に対して小さなトルク分電
流が流れる。つまり磁束分電流基準の大きさによって1パルス、PWMのどちらにするか
を制御でき、また1パルス時に流れるトルク分電流の大きさを制御することができる。
以下、各実施例個別の効果を述べる。
(第1の実施例の効果)
従来例のように外部にフィードバック制御による補正制御を持たないので電流制御応答
が補正制御の応答に制限されない。この結果1パルス領域でも従来よりも高速な電流制御
が可能となる。
また補正制御がないので制御定数の調整が不要である。
ただし、第1の実施例に対して第2の実施例で述べたトルク分電流の補正制御を行っても
かまわない。その場合、PWM領域、1パルス領域を問わずトルク分電流の定常偏差をな
くすことができる。しかも補正前の定常偏差がそもそも小さいので補正制御は応答の遅い
積分制御でよい。このため補正制御の制御定数の調整が容易である。
(第2の実施例の効果)
第2の実施例は進め角を磁束分電流のフィードバック制御で行なうと同時に、トルク分
電流の定常偏差補正制御を行なうものである。
電動機定数が不要なので、負荷が電動機でない場合にも使える。
磁束分電流、トルク分電流双方の定常偏差をなくすことができる。磁束分電流側の制御は
高速性を求められる可能性があるが、トルク分電流側の制御は応答の遅い積分制御でよく
、制御定数の調整が容易である。
(第3の実施例の効果)
第3の実施例は進め角を電動機定数に基づくフィードフォワードと磁束分電流のフィー
ドバック制御との加算値で与えると同時に、トルク分電流の定常偏差補正制御を行なうも
のである。磁束分電流、トルク分電流双方の定常偏差をなくすことができる。磁束分電流
側にフィードフォワードを入れたことでフィードバック制御の応答は緩やかであっても磁
束分電流としての応答は高速にできる。トルク分・磁束分とも容易な調整で高速な電流応
答を得ることができる。
(第4の実施例の効果)
第4の実施例は電流追従制御型で最も古くから知られたヒステリシスコンパレータ方式
においても本発明を適用し、電流偏差の角度を進めてやれば、電流基準の振幅を補正する
ことなく1パルス領域での電流制御を可能とすることを示すものである。
(他の実施例の効果)
電流基準の位相を進める他の実施例は従来例に示した電流基準振幅を変える方法と同様
に、電流偏差の振幅が過大となるため、高速な補正制御が必要となるが、従来不可能であ
った1パルス領域での電流制御を可能とすることは間違いない。

以上述べてきたように、従来、電流追従制御型PWM制御は、PWM制御領域のみ電流
制御可能で、1パルス領域では電流が基準に追従できないため電動機の磁束分・トルク分
いずれの電流も基準とかけ離れた値となり、電動機制御が成立たなかった。
本発明によって1パルス領域でも電流制御可能となり、電動機の全運転範囲を応答の高
速な電流追従制御型で制御できるようになり、電動機制御装置の性能を向上させることが
できる。
これによりdq軸電流制御と三角波比較PWM制御のように、PWM制御領域であって
も運転周波数によってPWM方式を切替え、さらに1パルス領域では位相制御に切り換え
るといった複雑な制御が不要となり、信頼性を向上させることができる。
1・・・直流電源、
2・・・平滑コンデンサ、
3・・・インバータ、
4・・・交流電動機、
5U,5V,5W・・・ホールCT、
6・・・電流検出器、
7・・・ベクトル減算器、
8・・・角度領域判定回路、
9・・・ベクトル長増減検出回路、
10・・・スイッチングシーケンス回路、
11・・・シーケンス起動回路、
12・・・論理回路、
13・・・ゲート回路、
20u,20v,20w,20uw、20vu、20wv・・・コンパレータ、
21uw、21vu、21wv・・・減算器、
22・・・論理回路、
23・・・エンコーダ、
24・・・ラッチ回路、
25・・・アンド回路、
40・・・許容誤差コンパレータ、
41u,41v,41w,41x,41y,41w・・・コンパレータ、
42・・・許容誤差設定値、
43・・・倍率器、
44u,44v,44w,44x,44y,44w・・・アンド回路、
45u,45v,45w・・・NOT回路、
46・・・オア回路、
47・・・アンド回路、
48u,48v,48w・・・乗算器、
49・・・加算器、
50・・・コンパレータ、
51・・・乗算器、
52・・・変調周波数制御回路、
53・・・カウンタ、
54・・・コンパレータ、
55・・・周期設定値、
59・・・オア回路、
60・・・ベクトル選択テーブル、
61・・・ラッチ回路、
62・・・ラッチ回路、
63・・・RSフリップフロップ、
65・・・アンド回路、
66・・・不一致検出器、
67・・・オア回路、
68・・・アンド回路、
69・・・論理回路、
70・・・ゼロベクトル検出器、
71・・・アンド回路。

Claims (8)

  1. 直流電源と負荷の間に接続され、複数の自己スイッチング素子のオンオフ制御によって
    負荷に印加する交流電圧を制御できる電圧形インバータの、出力電流基準と出力電流の偏
    差である電流偏差を検出する手段と、前記電流偏差に基づいて自己スイッチング素子のオ
    ンオフを制御するスイッチング信号を発生する手段とを有する電圧形インバータの制御装
    置において、前記電流偏差と、前記スイッチング信号によって運転されたときインバータ
    が出力する電圧との間の位相差を変化させる手段を有することを特徴とする電圧形インバ
    ータの制御装置。
  2. 前記請求項1の電圧形インバータの制御装置において、電圧形インバータの出力電流基
    準と出力電流との偏差である第1の電流偏差を検出する手段と、外部から与えられる位相
    シフト指令の値に応じて、前記第1の電流偏差の角度をシフトさせた第2の電流偏差を発
    生する手段を有し、前記第2の電流偏差を前記スイッチング信号発生手段に与えることに
    よって、前記第1の電流偏差と、前記スイッチング信号によって運転されたときインバー
    タが出力する電圧との間の位相差を変化させることを特徴とする電圧形インバータの制御
    装置。
  3. 前記請求項2の電圧形インバータの制御装置において、前記第1の電流偏差の角度を検
    出する手段と、前記第1の電流偏差の角度と外部から与えられる位相シフト値とを加算す
    る手段とを有し、前記加算手段から出力される角度と前記第1の電流偏差の振幅を有する
    ベクトルを前記第2の電流偏差とすることを特徴とする電圧形インバータの制御装置。
  4. 前記請求項2又は3の電圧形インバータの制御装置において、前記出力電流基準と負荷
    電動機の定数と回転数とに基づいて前記負荷電動機の端子電圧の誘起電圧に対する進み角
    を演算する手段を有し、前記位相シフト値は前記負荷電動機の端子電圧の誘起電圧に対す
    る進み角であることを特徴とする電圧形インバータの制御装置。
  5. 前記請求項2又は3の電圧形インバータの制御装置において、負荷電動機の磁束に平行
    な方向に流す磁束分電流の基準を磁束分電流から減算して負極性の磁束分電流偏差を検出
    する手段と、前記負極性の磁束分電流偏差を増幅する手段とを有し、前記増幅手段の出力
    を前記位相シフト値とすることを特徴とする電圧形インバータの制御装置。
  6. 負荷電動機の磁束に対して電気角で90位相が進んだ方向に流すトルク分電流の基準か
    らトルク分電流を減算してトルク分電流偏差を検出する手段と、前記トルク分電流偏差を
    増幅する手段と、前記増幅されたトルク分電流偏差を前記トルク分電流基準に加算して補
    正トルク分電流基準を得る手段とを有し、前記補正トルク分電流基準と負荷電動機の磁束
    に対して平行な方向に流す磁束分電流基準と負荷電動機の回転位置信号とに基づいて電圧
    形インバータの制御装置に与える電流基準を求めることを特徴とする前記請求項4又は5
    記載の電圧形インバータの制御装置。
  7. 直流電源と負荷の間に接続され、複数の自己スイッチング素子のオンオフ制御によって
    負荷に印加する交流電圧を制御できる電圧形インバータの、出力電流基準と出力電流の偏
    差である電流偏差を検出する手段と、前記電流偏差に基づいて自己スイッチング素子のオ
    ンオフを制御するスイッチング信号を発生する手段とを有する電圧形インバータの制御装
    置において、外部から与えられる位相シフト指令の値に基づいて第1の電流基準の位相を
    シフトして第2の電流基準を得る手段を有し、前記第2の電流基準を前記電流偏差検出手
    段に与える電流基準とすることによって、前記第1の電流基準と出力電流から求まる本来
    の電流偏差と、前記スイッチング信号によって運転されたときインバータが出力する電圧
    との間の位相差を変化させる手段を有することを特徴とする電圧形インバータの制御装置
  8. 前記請求項4の電圧形インバータの制御装置において、トルク分電流偏差が所定値を越
    えたら電動機の端子電圧を下げる方向に変化させる弱め制御によって磁束分電流基準の大
    きさを調節することを特徴とする電圧形インバータの制御装置。
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